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JP3920263B2 - 情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、再充電可能なバッテリにより駆動する情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記録媒体に関する。特に、本発明は、バッテリの充放電を制御する情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
近年、小型軽量な情報端末が広く用いられるようになってきている。これらの情報端末には、外出先又は野外等において携帯して使用できるように、繰り返し充電可能なバッテリが設けられている場合が多い。このバッテリは、情報端末がAC電源に接続された場合にそのAC電源により充電され、情報端末が再びAC電源から切断された場合には情報端末を駆動させることができる。
バッテリとして、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、又はリチウムイオン電池等様々な種類の電池が用いられている。一般的に、バッテリは、充放電が繰り返されることにより劣化する。例えば、ニッケルカドミウム電池等では、継ぎ足し充電によるメモリ効果が問題となる。また、メモリ効果を生じさせない他の種類の電池においても、バッテリに内蔵された制御回路等が、充放電が繰り返されることにより変化する満充電容量を適切に管理できないという問題がある。
これらの問題に関する様々な技術が提案されている(特許文献1から6参照。)。
特開平9−233722号公報 特開平9−205736号公報 特開2001−136673号公報 特開2002−315198号公報 特開2002−223529号公報 特開2002−238177号公報
従来、情報端末がAC電源に接続されると、利用者が何ら指示を与えない場合であっても自動的にバッテリの充電が開始される技術が用いられている。これにより、充電に煩雑な操作が不要で便利であると共に、バッテリの残量を可能な限り多く保つことができる。しかしながら、この技術によると、バッテリの残量が充分に多く充電が不要な場合であってもAC電源に接続されると充電が開始されてしまう。このため、バッテリの充電回数が増えることによりバッテリの劣化を早めてしまう恐れがある。
バッテリが劣化すると、バッテリの満充電容量が減少する。この際、バッテリに内蔵された制御回路等は、バッテリの過充電を防止する目的で、充放電回数、充放電容量、及びバッテリの端子電圧等の情報に基づいて、充電量の上限を変更する。しかしながら、短時間の充放電が繰り返された場合等には、バッテリに関する情報の誤差が累積した結果、実際の満充電容量と、制御回路等が設定する充電量の上限とが相違する場合がある。利用者は、制御回路等が設定する充電量の上限を、実際の満充電容量まで回復させるために、完全放電及び完全充電を繰り返す再生処理を行うことができる。しかしながら、再生処理は比較的長い時間を要するにも関わらず、利用者は、再生処理を行うと満充電容量が本当に回復するか否かを予め判断するのは困難である。このため、従来、再生処理が適切に行われず、バッテリが本来の機能を発揮していない場合があった。
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、再充電可能なバッテリにより駆動する情報処理装置であって、バッテリが満充電された場合の容量である満充電容量は、バッテリの充電又は放電が繰り返されることにより減少し、バッテリの満充電容量を取得する満充電容量取得部と、バッテリの使用が開始されてから満充電容量を取得するまでの延べ充電量を示す情報を取得する延べ充電量取得部と、満充電容量取得部により取得された満充電容量が、延べ充電量に基づいて定まるバッテリが有しているべき満充電容量未満になると判断した場合に、バッテリの満充電容量を回復させるべく完全充電又は完全放電する処理であるバッテリ再生処理を実行する再生処理部とを備える情報処理装置、当該情報処理装置を制御する制御方法、プログラム、及び記録媒体を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本発明によれば、再充電可能なバッテリを有効に活用することができる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、情報処理装置10のブロック図である。情報処理装置10は、バッテリを充電する条件を適切に調整することによりバッテリの劣化を防ぐと共に、劣化したバッテリを再生するバッテリ再生処理を行うタイミングを調節することを目的とする。
情報処理装置10は、ホストコントローラ1100により相互に接続されるCPU1000、RAM1020、グラフィックコントローラ1080、及び表示装置1090を有するCPU周辺部と、I/Oコントローラ1110によりホストコントローラ1100に接続される通信インターフェイス1030、ハードディスクドライブ1040、及びCD−ROMドライブ1060を有する入出力部と、I/Oコントローラ1110に接続されるROM1010、フレキシブルディスクドライブ1050、I/Oチップ1070、及び電源制御ユニット1075を有するレガシー入出力部とを備える。ホストコントローラ1100は、RAM1020と、高い転送レートでRAM1020をアクセスするCPU1000及びグラフィックコントローラ1080とを接続する。
CPU1000は、ROM1010及びRAM1020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1000は、バッテリ1078の充電を開始する条件及び開始した充電を停止する条件を設定する充放電制御部40と、充電又は放電が繰り返されることにより劣化した満充電容量を回復させるバッテリ再生処理を行う再生処理判断部50として機能する。一例として、充放電制御部40及び再生処理判断部50は、情報処理装置10を管理するオペレーティングシステムの機能として実現されてもよいし、オペレーティングシステム上で動作し電源制御ユニット1075を制御するデバイスドライバとして実現されてもよいし、ROM1010内に格納されたBIOSプログラムとして実現されてもよい。
通信インターフェイス1030は、ネットワークを介して外部の装置と通信する。ハードディスクドライブ1040は、情報処理装置10が使用するプログラム及びデータを格納する。例えば、ハードディスクドライブ1040は、過去の予め定められた期間に情報処理装置10がAC電源及びバッテリ1078の何れで駆動していたかを記録した駆動履歴情報を格納する駆動履歴情報格納部20として機能する。以降の説明で、過去の予め定められた期間を、駆動状況観測期間と呼ぶ。また、情報処理装置10は、CPU1000が演算処理を行う通常モードと、CPU1000が演算処理を行わずに通常モードより消費電力が小さい省電力モードとの何れかで動作し、駆動履歴情報格納部20は、当該期間に情報処理装置10が通常モード及び省電力モードの何れで動作したかを示す情報を駆動履歴情報として更に格納してもよい。
電源制御ユニット1075は、外部に設けられたACアダプタと着脱可能であり、ACアダプタ又はバッテリ1078から取得した電力を情報処理装置10の各部に供給する。また、電源制御ユニット1075は、I/Oコントローラ1110を介してCPU1000から指示を受けると、バッテリ1078の充電を開始又は停止する。また、電源制御ユニット1075は、情報処理装置10の駆動状態を定期的に検出して駆動履歴情報格納部20に記録する駆動状態記録部1079を有する。グラフィックコントローラ1080は、CPU1000等がRAM1020内に設けたフレームバッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置1090上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1080は、CPU1000等が生成する画像データを格納するフレームバッファを、内部に含んでもよい。I/Oコントローラ1110は、ホストコントローラ1100と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス1030、ハードディスクドライブ1040、及びCD−ROMドライブ1060を接続する。
CD−ROMドライブ1060は、CD−ROM1130からプログラム又はデータを読み取り、RAM1020を介してI/Oチップ1070に提供する。I/Oコントローラ1110には、ROM1010と、フレキシブルディスクドライブ1050やI/Oチップ1070等の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1010は、情報処理装置10の起動時にCPU1000が実行するブートプログラムや、情報処理装置10のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスクドライブ1050は、フレキシブルディスク1120からプログラム又はデータを読み取り、RAM1020を介してI/Oチップ1070に提供する。I/Oチップ1070は、フレキシブルディスク1120や、例えばパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
情報処理装置10に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク1120、CD−ROM1130、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、I/Oチップ1070及び/又はI/Oコントローラ1110を介して、記録媒体から読み出され情報処理装置10にインストールされて実行される。情報処理装置10にインストールされて実行されるプログラムは、CPU1000を充放電制御部40及び再生処理判断部50として機能させる各種のモジュールを含む。また、このプログラムは、ハードディスクドライブ1040を、駆動履歴情報格納部20として機能させる。各モジュールが情報処理装置10に働きかけて行わせる動作は、図2から図10において後述する。
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1120、CD−ROM1130の他に、DVDやPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムを情報処理装置10に提供してもよい。
図2は、駆動履歴情報格納部20が格納する駆動履歴情報のうちシステム使用履歴の一例を示す。駆動履歴情報格納部20は、システム使用履歴として、情報処理装置10がAC電源により駆動可能であった時間の割合と、情報処理装置10がG0ステートで動作していた時間の割合と、情報処理装置10がG1ステートで動作していた時間の割合と、情報処理装置10がOFFステートであった時間の割合とを、時間帯毎に記録した情報を格納している。ここで、情報処理装置10がAC電源により駆動可能であったとは、例えば、情報処理装置10にACアダプターが装着されている状態であってもよいし、情報処理装置10がACアダプターから実際に電源の供給を受けている状態であってもよい。
また、G0ステートとは、情報処理装置10のCPU1000が演算処理を行う通常モードの一例である。また、G1ステートとは、CPU1000が演算処理を行わずG0ステートより消費電力の低い省電力モードの一例である。より詳しくは、G1ステートは、例えば、情報処理装置10がCPU1000への電源供給を停止してRAM1020のみに電源を供給することにより情報処理装置10の動作を一時的に中断するスリープモードである。また、OFFステートとは、情報処理装置10の電源が遮断された状態であり、具体的にはCPU1000のみならずRAM1020への電源供給を停止した状態である。一例として、OFFステートは、G2ステート、G3ステート、ハイバネーションモード、又は停止モードと呼ばれる状態である。
また、本実施例において時間帯とは、1週間を10分毎に区切った時間の範囲であり、本図においては曜日及び時刻の組で表されている。例えば、日曜日の0:00から0:10までの時間帯におけるAC電源で駆動していた時間の割合とは、過去の8週間における全ての日曜日における0:00から0:10までの時間帯の、AC電源で駆動可能であった時間の割合の平均値である。これに代えて、時間帯とは、1日を10分毎に区切った時間の範囲であってもよいし、平日又は休日毎に1日を10分毎に区切った時間の範囲であってもよい。
また、駆動状態記録部1079は、情報処理装置10の駆動状況を定期的に検出し、検出結果を本図で例示する構造で駆動履歴情報格納部20に記録する。例えば、駆動状態記録部1079は、各時間帯において、その時間帯の開始時刻に情報処理装置10がAC電源により駆動可能であった場合には、その時間帯全体にわたって情報処理装置10がAC電源により駆動可能であったとみなしてもよい。また、駆動状態記録部1079は、その時間帯において情報処理装置10がAC電源で駆動可能であるか否かを複数回検出してもよい。この場合、駆動状態記録部1079は、検出した回数に対する、検出した各回において情報処理装置10がAC電源で駆動可能であった回数の割合を、各時間帯における情報処理装置10がAC電源で駆動可能であった時間の割合として取り扱ってもよい。
図3は、駆動履歴情報格納部20が格納する駆動履歴情報のうちバッテリ使用履歴の一例を示す。駆動履歴情報格納部20は、バッテリ使用履歴として、情報処理装置10に装着されたバッテリ毎に、そのバッテリのシリアル番号と、そのバッテリの使用が開始されてから現在までの延べ充電容量を示すサイクルカウントと、そのバッテリが現時点において満充電された場合の容量である満充電容量と、そのバッテリの放電に関する放電情報と、そのバッテリの充電に関する充電情報とを対応付けて格納している。
駆動履歴情報格納部20は、放電情報として、各バッテリについて、そのバッテリの使用が開始されてから現在までに情報処理装置10がそのバッテリにより駆動した回数、即ちそのバッテリの放電回数と、各放電が開始された時点のそのバッテリの残量及びその放電に要した時間とを格納している。また、駆動履歴情報格納部20は、充電情報として、各バッテリについて、そのバッテリの使用が開始されてから現在までにバッテリが充電された回数と、各充電が開始された時点のそのバッテリの残量及びその充電に要した時間とを格納している。
図4は、充放電制御部40のブロック図である。充放電制御部40は、充電指示部400と、充電開始回数取得部410と、消費量算出部420と、バッテリ駆動時間帯検出部430と、充電開始基準設定部440と、満充電容量取得部442と、延べ充電量取得部444と、予想容量算出部446と、充電停止基準設定部450とを有する。充電指示部400は、情報処理装置10がAC電源で駆動する場合に、バッテリ1078の残量が予め定められた充電開始基準残量より低いことを条件として、AC電源によりバッテリ1078の充電を開始し、バッテリ1078の残量が予め定められた充電停止基準残量に達した場合に、バッテリ1078の充電を停止する。ただし、充電指示部400は、緊急充電指示を利用者から入力した場合には、充電開始基準残量又は充電停止基準残量に関わらずバッテリ1078をAC電源により充電する。
充電開始回数取得部410は、駆動状況観測期間において充電を開始した時点におけるバッテリ1078の残量が、充電開始基準残量より少ない予め定められた充電開始基準残量候補より多かった回数を、駆動履歴情報格納部20から取得した駆動履歴情報に基づいて算出する。消費量算出部420は、過去に情報処理装置10がAC電源により駆動することなく連続してバッテリ1078を消費した最大消費量を、駆動履歴情報格納部20から取得した駆動履歴情報に基づいて算出する。バッテリ駆動時間帯検出部430は、駆動履歴情報格納部20から取得した駆動履歴情報に基づいて、過去に情報処理装置10がバッテリ1078により駆動していた時間の割合が予め定められた基準割合より高い連続した時間帯であるバッテリ駆動時間帯を検出する。
充電開始基準設定部440は、駆動状況観測期間において充電を開始した時点におけるバッテリ1078の残量が充電開始基準残量候補より多かった回数と、算出したバッテリ1078の最大消費量とに基づいて、充電開始基準残量を設定する。また、充電開始基準設定部440は、駆動状況観測期間において、情報処理装置10がG0ステートで動作しかつバッテリ1078により駆動していた時間がより短い場合に、この時間がより長い場合と比較して、充電開始基準残量を低下させる。更に、充電開始基準設定部440は、バッテリ駆動時間帯に近づいた場合に、当該バッテリ駆動時間帯から遠い場合と比較して充電開始基準残量を増加させる。また、充電開始基準設定部440は、緊急充電指示の入力頻度に基づいて充電開始基準残量を変更してもよい。
満充電容量取得部442は、バッテリ1078の現在の満充電容量を駆動履歴情報格納部20から取得する。延べ充電量取得部444は、バッテリ1078の使用が開始されてから現在までの延べ充電量を示すサイクルカウントを駆動履歴情報格納部20から取得する。予想容量算出部446は、バッテリ1078の使用が開始された時点の満充電容量(例えば、定格容量)と、サイクルカウントとに基づいて、バッテリ1078が現在有しているべき満充電容量である予想容量を算出する。
充電停止基準設定部450は、充電開始基準設定部440が充電開始基準残量を低下させ、かつバッテリ1078の現在の満充電容量が予想容量より小さい場合に、駆動履歴情報格納部20から取得した駆動履歴情報に基づいて、充電停止基準残量をバッテリ1078の満充電容量より少ない値に設定する。例えば、充電停止基準設定部450は、第1のバッテリ駆動時間帯の終了時から第2のバッテリ駆動時間帯の開始時までの時間帯における充電停止基準残量を、第2のバッテリ駆動時間帯における過去のバッテリ1078の消費量に基づいて設定する。また、充電停止基準設定部450は、緊急充電指示の入力頻度に基づいて充電停止基準残量を変更してもよい。
図5は、再生処理判断部50のブロック図である。満充電容量取得部500は、バッテリ1078の現在の満充電容量を駆動履歴情報格納部20から取得する。延べ充電量取得部510は、バッテリ1078の使用が開始されてから現在までの延べ充電量を示すサイクルカウントを駆動履歴情報格納部20から取得する。予想容量算出部520は、バッテリ1078の使用が開始された時点の満充電容量(例えば、定格容量)と、サイクルカウントとに基づいて、バッテリ1078が現在有しているべき満充電容量である予想容量を算出する。
完全放電時間算出部530は、バッテリ1078を完全放電する処理に要する時間の見積である完全放電時間を、電源制御ユニット1075から取得したバッテリ1078の現在の残量に基づいて算出する。完全充電時間算出部540は、バッテリ1078を完全放電させた状態から完全充電するまでに要する時間の見積である完全充電時間を、例えば、駆動履歴情報格納部20から取得した満充電容量を充電するのに要する時間を求めることにより算出する。
AC電源駆動時間帯検出部550は、駆動履歴情報に基づいて、情報処理装置10が過去にAC電源で駆動していた割合が所定の基準以上であった時間帯を、情報処理装置10がAC電源で駆動することが予測されるAC電源駆動時間帯として検出する。再生処理部560は、満充電容量取得部500により取得された満充電容量が、延べ充電量に基づいて定まるバッテリ1078が有しているべき満充電容量未満になると判断した場合に、バッテリ1078の満充電容量を回復させるべく完全充電又は完全放電する処理であるバッテリ再生処理を実行する。例えば、再生処理部560は、現在の満充電容量が、予想容量算出部520により算出された予想容量より小さい場合に、バッテリ再生処理を実行する。この際、好ましくは、再生処理部560は、完全放電時間算出部530により算出された完全放電時間経過後から完全充電時間算出部540により算出された完全充電時間経過までの時間帯が、AC電源駆動時間帯であることを更に条件として、バッテリ再生処理を実行する。
なお、本図においては、説明の便宜上、再生処理判断部50が、満充電容量取得部500と、延べ充電量取得部510と、予想容量算出部520とを有している。これに代えて、再生処理判断部50が、満充電容量取得部500と、延べ充電量取得部510と、予想容量算出部520とを有していなくともよく、再生処理部560は、満充電容量取得部442と、延べ充電量取得部444と、予想容量算出部446とを用いて、バッテリ再生処理を行うか否か判断してもよい。
図6は、充放電制御部40が充電開始基準残量を低下させる処理の動作フローを示す。充放電制御部40は、例えば情報処理装置10にAC電源が接続された場合に、以下の処理を行う。まず、充電開始基準設定部440は、駆動状況観測期間において、情報処理装置10がG0ステートで動作しかつバッテリ1078により駆動していた時間の割合を算出する(S600)。例えば、充電開始基準設定部440は、AC電源により駆動可能でなかった割合に、G0ステートで動作した割合を乗じた値を、G0ステートで動作しかつバッテリ1078により駆動していた時間の割合として算出する。そして、充電開始基準設定部440は、算出した割合が、予め定められた基準割合以下の場合に(S610:YES)、充電開始基準残量を変更する旨を利用者に通知すべくS660に処理を移す。
一方、算出した割合が、基準割合より高い場合に(S610:NO)、充電開始回数取得部410は、駆動状況観測期間において充電を開始した時点におけるバッテリ1078の残量が、充電開始基準残量より少ない予め定められた充電開始基準残量候補より多かった回数を取得する(S620)。例えば、充電開始基準残量が満充電容量の95%に設定されている場合に、充電開始回数取得部410は、充電を開始した時点におけるバッテリ1078の残量が、満充電容量の95%より少ない80%より多かった回数を取得する。
続いて、取得したこの回数が、予め定められた基準回数(例えば20回)より多い場合に(S630:YES)、消費量算出部420は、過去に情報処理装置10がAC電源により駆動することなく連続してバッテリ1078を消費した最大消費量を算出する(S640)。例えば駆動状況観測期間が2週間であれば、1日に2度程度、バッテリ1078の残量が80%以上の状況で充電が開始されていた場合がこれに該当する。
最大消費量の算出の具体例を示す。消費量算出部420は、まず、過去にAC電源により駆動することなく連続してバッテリ1078で駆動した時間帯を検出する。そして、消費量算出部420は、検出した各時間帯について、その時間帯においてG0、G1、及びOFFの各ステートで動作した時間を求める。そして、消費量算出部420は、G0、G1、及びOFFの各ステートで単位時間当たりに消費されるバッテリ1078の量に、G0、G1、及びOFFの各ステートで動作した時間をそれぞれ乗じて合計することにより、各時間帯におけるバッテリ1078の消費量を求める。そして、消費量算出部420は、各時間帯について求めたバッテリ1078の消費量を比較することにより最大消費量を求める。
ここで、G0、G1、及びOFFの各ステートで単位時間当たりに消費されるバッテリ1078の量は、実際に計測された量であってもよいし、情報処理装置10の製造者等により予め見積もられて定められた量であってもよい。一例として、本実施例においては、G1ステートで単位時間当たりに消費されるバッテリ1078の量は、G0ステートの1/24であるとみなし、OFFステートでは全く消費されないとみなしている。
充電開始基準設定部440は、消費量算出部420が算出した最大消費量が、バッテリ1078の満充電容量の所定の割合以下である場合に(S650:YES)、充電開始基準残量を変更する旨を利用者に通知する(S660)。例えば、消費量算出部420が算出した最大消費量が、充電開始基準残量候補である満充電容量の80%以下である70%である場合に、充電開始基準残量を変更する旨を利用者に通知する。そして、充電開始基準設定部440は、充電開始基準残量の変更を承諾する旨の指示を利用者から入力したことを条件として(S670:YES)、充電開始基準残量を低下させる(S680)。
S680において、好ましくは、充電開始基準設定部440は、充電開始基準残量を充電開始基準残量候補以下の値に低下させる。これにより、充電開始基準設定部440は、バッテリ1078の残量が充分に多い場合に充電を繰り返すことを防ぐことができる。また、更に好ましくは、充電開始基準設定部440は、最大消費量が充電開始基準残量候補より小さい場合に、充電開始基準残量を、充電開始基準残量候補以下かつ最大消費量以上の値に低下させる。これにより、利用者が過去と同様の使い方をしている限り、バッテリ1078を枯渇させにくくすることができる。
これに代えて、充電開始基準設定部440は、充電開始基準残量を最大消費量の1.5倍以上の値に設定してもよい。但し、この場合であっても、充電開始基準設定部440は、満充電容量に対する充電開始基準残量の割合が、予め定められた範囲内、例えば75%から95%となるように、充電開始基準残量を設定することが望ましい。一例として、最大消費量が満充電容量の55%である場合に、充電開始基準設定部440は、満充電容量の55%を1.5倍した約83%を、充電開始基準残量として設定する。
また、通知処理の一例として、充電開始基準設定部440は、以下のようなメッセージを利用者に表示すると共に、「YES」又は「NO」を選択させるボタンを表示する。
「お客様のシステムは、ほとんどの場合ACアダプターを使用しておりますので、バッテリの寿命を延ばすため、バッテリの残容量が80%以下にならないと充電をはじめないように設定致します。80%以上残っている場合でも緊急に充電が必要な場合は、バッテリプログラムの『緊急充電』ボタンを押して下さい。変更を実行してもよろしいですか?」
なお、このメッセージにおいて、充電開始基準設定部440は、バッテリ1078の残容量を示す指標として、バッテリ1078の満充電容量に対する残容量の割合を通知するのに代えて、情報処理装置10がバッテリ1078によりあとどのくらいの時間駆動可能かを通知してもよい。
そしてこの場合、充電開始基準設定部440は、利用者が「YES」を選択した場合に、充電開始基準残量の変更を承諾する旨の指示を利用者から入力したと判断する。
以上、本図で説明した処理によると、情報処理装置10は、利用者の過去の利用状況に応じて、充電開始基準残量を設定することにより、バッテリ1078の劣化を防止することができる。なお、本図に示す構成は一例であり、充電開始基準残量を設定する条件は、本図で説明した条件に限定されない。例えば、充電開始基準設定部440は、駆動履歴情報に基づいて充電開始基準残量を設定するのみならず、情報処理装置10が現在に通常モード及び省電力モードの何れで動作するかに基づいて異なる充電開始基準残量を設定してもよい。
図7は、充放電制御部40が充電停止基準残量を低下させる処理の動作フローを示す。満充電容量取得部442は、バッテリ1078の現在の満充電容量を取得する(S700)。延べ充電量取得部444は、バッテリ1078の使用が開始されてから現在までの延べ充電量を示すサイクルカウントを取得する(S710)。予想容量算出部446は、バッテリ1078の使用が開始された時点の満充電容量(例えば、定格容量)と、サイクルカウントとに基づいて、バッテリ1078が現在有しているべき満充電容量である予想容量を算出する(S720)。
充電停止基準設定部450は、バッテリ1078の現在の満充電容量が予想容量より小さい場合に(S730:YES)、充電停止基準残量を変更する旨を利用者に通知する(S740)。そして、充電停止基準設定部450は、充電停止基準残量の変更を承諾する旨の指示を利用者から入力したことを条件として(S750:YES)、充電停止基準残量を低下させる(S760)。具体的には、充電停止基準設定部450は、充電停止基準残量を、低下させた充電開始基準残量より予め定められた必要充電量多い量に変更する。例えば、充電開始基準設定部440が、充電開始基準を80%に低下させた場合に、充電停止基準設定部450は、通常は100%である充電停止基準残量を、80%より必要充電量である15ポイント多い95%に変更する。これにより、バッテリ1078の残量を満充電容量より低く抑えて、バッテリ1078の劣化を防止することができる。
このように、充電停止基準設定部450は、駆動履歴情報及びバッテリの劣化の程度に基づいて、バッテリ1078の充電停止基準残量を低下させることができる。これにより、バッテリ1078の劣化の程度が高く、かつ利用者の利便性を損なわない場合にのみ、バッテリ1078の残量を満充電容量より低く抑えて、バッテリ1078が一層劣化することを防止できる。なお、図6及び図7は一例であり、様々なバリエーションが考えられる。例えば、本例において、充電開始基準設定部440は、駆動履歴情報に基づいて充電開始基準残量を低下させるが、これに代えて、又はこれに加えて、バッテリの劣化の程度に基づいて、充電開始基準残量を低下させてもよい。例えば、充電開始基準設定部440は、バッテリ1078の現在の満充電容量が予想容量より小さい場合に、充電開始基準残量を低下させてもよい。
図8は、充放電制御部40が充電開始基準残量又は充電停止基準残量を増加させる処理の動作フローを示す。バッテリ駆動時間帯検出部430は、駆動履歴情報に基づいて、情報処理装置10がバッテリ1078により駆動していた時間の割合が予め定められた基準割合より高い連続した時間帯であるバッテリ駆動時間帯を検出する(S800)。例えば、バッテリ駆動時間帯検出部430は、各時間帯において、その時間帯でAC電源により駆動可能でなかった時間の割合に、G0ステート又はG1ステートで動作していた時間の割合を乗じることにより、情報処理装置10がバッテリ1078により駆動していた時間の割合を算出する。
充電開始基準設定部440及び充電停止基準設定部450の各々は、現在から次のバッテリ駆動時間帯の開始までの時間が、所定の基準時間以下か否かを判断する(S810)。そして、所定の基準時間以下である場合に(S810:YES)、充電停止基準設定部450は、このバッテリ駆動時間帯における過去のバッテリ1078の消費量を算出する(S820)。
例えば、充電停止基準設定部450は、このバッテリ駆動時間帯に含まれる各時間帯について、過去に当該時間帯において情報処理装置10がAC電源で駆動した割合と、情報処理装置10がG0ステートで動作した割合と、情報処理装置10がその時間帯にG0ステートで動作し続けた場合のバッテリ消費量とを乗じることにより、その時間帯において情報処理装置10がバッテリ1078を消費する量の見積を算出する。そして、充電停止基準設定部450は、このバッテリ駆動時間帯の各時間帯におけるこの見積を合計した値を、このバッテリ駆動時間帯における過去のバッテリ1078の消費量として算出する。
続いて、充電開始基準設定部440は、充電開始基準残量を増加させる旨を利用者に通知し、充電停止基準設定部450は、充電停止基準残量を増加させる旨を利用者に通知する(S830)。そして、充電開始基準残量及び充電停止基準残量の増加を承諾する旨の指示を入力した場合に(S840:YES)、充電停止基準設定部450は、充電停止基準残量を既に設定されていた充電停止基準残量より増加させ(S850)、充電開始基準設定部440は、充電開始基準残量を既に設定されていた充電開始基準残量より増加させる(S860)。
ここで、好ましくは、充電停止基準設定部450は、S720において算出した、次のバッテリ駆動時間帯における過去のバッテリ1078の消費量以上の値に、充電停止基準残量を変更する。例えば、充電停止基準設定部450は、充電停止基準残量を、このバッテリ消費量の1.5倍に設定してもよい。
一方、現在から次のバッテリ駆動時間帯の開始までの時間が、所定の基準時間より長い場合に(S810:NO)、以下の処理を行う。充電開始基準設定部440は、例えば駆動状況観測期間において、緊急充電指示を予め定められた基準以上の頻度で利用者から入力した場合に(S870:YES)、充電開始基準残量及び充電停止基準残量を増加させる旨を利用者に通知する(S880)。
通知処理の一例として、充電開始基準設定部440は、次に示すメッセージを利用者に表示する。
「お客様のシステムの使用状態が変わり、ACアダプターの接続時には常にバッテリの残量を95%にしたほうが便利化と思われます。バッテリの充電をはじめる残容量の値を95%に設定致します。」
続いて、S850及びS860に処理を移して、充電停止基準残量及び充電開始基準残量を増加させる。
以上、本図で示した処理によると、充電停止基準残量及び充電開始基準残量を一旦低下させた場合であっても、バッテリ1078を消費する可能性が高い場合には、充電停止基準残量及び充電開始基準残量を元に戻したり増加させたりすることができる。これにより、情報処理装置10がバッテリ1078により駆動する可能性が高い場合に利用者の利便性を確保することができる。
図9は、再生処理判断部50がバッテリ再生処理を行う動作フローを示す。満充電容量取得部500は、バッテリ1078の現在の満充電容量を取得する(S900)。延べ充電量取得部510は、バッテリ1078の使用が開始されてから現在までの延べ充電量を示すサイクルカウントを駆動履歴情報格納部20から取得する(S910)。なお、サイクルカウントとは、バッテリ1078の延べ充電量がバッテリ1078の満充電容量の所定割合(例えば85%)に達するごとに1増加する値である。なお、延べ充電量取得部510は、サイクルカウントでなく、バッテリ1078の使用が開始されてから現在までの延べ充電量を示す他の情報を取得してもよい。
予想容量算出部520は、バッテリ1078の使用が開始された時点の満充電容量(例えば、定格容量)と、サイクルカウントとに基づいて、バッテリ1078が現在有しているべき満充電容量である予想容量を算出する(S920)。例えば、予想容量算出部520は、バッテリ1078の使用が開始された時点の満充電容量から、満充電容量が1サイクルカウントで減少する減少量に、取得したサイクルカウントを乗じた量減じることにより、予想容量を算出する。算出方法の一例を示す。
定格容量に対する、満充電容量が1サイクルカウントで減少する減少量の割合を1/15とし、サイクルカウントをXとし、定格容量に対する満充電容量の割合をAddとした場合の、定格容量に対する予想容量の割合であるYは、以下の式で表される。
Y= −X/15 + Add
なお、再生処理を頻繁に実行させすぎないために、Addを、定格容量に対する満充電容量の割合より所定量低い値に設定することが望ましい。また、再生処理部560によりバッテリ再生処理が一旦実行された場合においては、予想容量算出部520は、そのバッテリ再生処理の後にバッテリ1078の使用を開始する前の満充電容量に、そのバッテリ再生処理が実行された時点のサイクルカウントと、満充電容量が1サイクルカウントで減少する減少量とを乗じた量を加えた容量を、バッテリ1078の使用が開始された時点の満充電容量として扱う。
そして、再生処理部560は、現在の満充電容量が、予想容量算出部520により算出された予想容量以上である場合に(S930:NO)、本図の処理を終了する。一方、現在の満充電容量が、予想容量算出部520により算出された予想容量より小さい場合に(S930:YES)、AC電源駆動時間帯検出部550は、情報処理装置10が過去にAC電源で駆動していた割合が所定の基準より高かった時間帯を、情報処理装置10がAC電源で駆動することが予測されるAC電源駆動時間帯として検出する(S940)。
これに代えて、再生処理部560は、満充電容量及び延べ充電量を例えば定期的に取得させ、取得させた複数の満充電容量及び延べ充電量に基づいて、バッテリ1078の満充電容量が延べ充電量に応じて減少する減少率を算出してもよい。この場合、再生処理部560は、算出した当該減少率が、バッテリ1078に対応して予め定められた基準減少率より高い場合に、バッテリ1078の満充電容量が予想容量未満になると判断する。これにより、満充電容量が予想容量未満になることが予測される場合には、実際に満充電容量が予想容量未満になるより前にバッテリ再生処理を行わせることができる。
完全放電時間算出部530は、バッテリ1078を完全放電する処理に要する時間の見積である完全放電時間を、電源制御ユニット1075から取得したバッテリ1078の現在の残量に基づいて算出する(S950)。なお、完全放電時間算出部530は、バッテリ1078の現在の残量に基づいて算出した完全放電に要する時間に所定の値(例えば、30分)を加えた時間を、完全放電時間として算出してもよい。完全充電時間算出部540は、バッテリ1078を完全放電させた状態から完全充電するまでに要する時間の見積である完全充電時間を、例えば、駆動履歴情報格納部20から取得した満充電容量を充電するのに要する時間を求めることにより算出する(S960)。同様に、完全充電時間算出部540は、満充電容量を充電するのに要する時間に所定の値(例えば、30分)を加えた時間を、完全充電時間として算出してもよい。
再生処理部560は、完全放電時間算出部530により算出された完全放電時間経過後から完全充電時間算出部540により算出された完全充電時間経過までの時間帯が、AC電源駆動時間帯でない場合に(S970:NO)、処理を終了する。一方、完全放電時間算出部530により算出された完全放電時間経過後から完全充電時間算出部540により算出された完全充電時間経過までの時間帯が、AC電源駆動時間帯である場合に(S970:YES)、再生処理部560は、バッテリ再生処理を実行する旨を利用者に通知する(S980)。この場合、再生処理部560は、バッテリ再生処理の実行中であっても緊急充電ボタンを押せばバッテリ再生処理が中断され充電が開始される旨を通知することが望ましい。
バッテリ再生処理の実行を承諾する旨の入力を受けた場合に(S985:YES)、再生処理部560は、バッテリ再生処理を実行する(S990)。例えば、再生処理部560は、バッテリ再生処理として、バッテリ1078の完全放電及び完全充電をこの順に行う。また、再生処理部560は、バッテリ再生処理の対象であるバッテリ1078の種類に応じて、バッテリ1078の完全充電を先に行い完全放電を後に行ってもよい。また、再生処理部560は、一度のバッテリ再生処理により満充電容量が増加しない場合等には、バッテリ再生処理を複数回繰り返し行ってもよい。なお、バッテリ再生処理を繰り返しすぎるとバッテリ1078の劣化を早めてしまうため、回数の上限を設けることが望ましい。
図10は、バッテリ再生処理のタイミングを説明する図である。例えば情報処理装置10がG0ステートでのみ完全放電を行える場合には、再生処理部560は、(a)に図示する条件を判断することが望ましい。具体的には、完全放電時間算出部530は、バッテリ1078を完全放電させる時間に30分を加えた時間を、完全放電時間の見積として算出する。そして、再生処理部560は、駆動履歴情報に基づいて、現在時刻から完全放電時間終了までの過去の時間帯において、情報処理装置10がG0ステートで動作していた割合が所定の割合(例えば、75%)以上であれば、完全放電を適切に行えると判断する。
これにより、情報処理装置10が強制的な急速放電機能を有していない場合であっても、完全放電に要する時間を適切に確保することができる。
また、再生処理部560は、(b)に図示する条件を更に判断する。具体的には、完全充電時間算出部540は、バッテリ1078を完全充電させる時間に30分を加えた時間を、完全充電時間の見積として算出する。そして、再生処理部560は、駆動履歴情報に基づいて、完全放電時間経過後から完全充電終了までの過去の時間帯において、情報処理装置10がAC電源で駆動していた割合が所定の割合(例えば、75%)以上であれば、完全充電を適切に行えると判断する。
これにより、完全充電の処理中にAC電源が遮断される可能性を低減してバッテリ再生処理を適切に行わせることができる。
更に、再生処理部560は、現在を起点とするのみならず、1週間の各時刻を起点として本図で示す判断を行ってもよい。この方法によると、再生処理部560は、バッテリ再生処理を現在実行するべきか否か判断できるだけでなく、バッテリ再生処理の開始に適した時刻を検出することができる。この場合、再生処理部560は、バッテリ再生処理の開始に適した複数の時刻を利用者に出力して、出力された時刻の中から利用者により選択された時刻にバッテリ再生処理を開始してもよい。
更に、何れのAC電源駆動時間帯も完全充電に要する時間より短い場合には、好ましくは、再生処理部560は、検出されたAC電源駆動時間帯のうち最も長い時間帯において、バッテリ再生処理を行う。また、更にこの場合、再生処理部560は、複数のAC電源駆動時間帯の開始時刻を利用者に表示して、表示した開始時刻の中から利用者により選択された時刻にバッテリ再生処理を行ってもよい。
以上、本実施例によると、情報処理装置10は、再充電可能なバッテリについて、バッテリの充電開始及び充電停止のタイミングを適切に設定することにより、利用者の利便性を損なわない範囲内でバッテリの劣化を防止することができる。また、バッテリが劣化した場合には、バッテリが劣化した旨を適切に検出して、バッテリの満充電容量を回復させるためのバッテリ再生処理を行うことができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以上に示す実施例によると、以下の各項目に示す情報処理装置、制御方法、プログラム、及び記録媒体が実現される。
(項目1) 再充電可能なバッテリにより駆動する情報処理装置であって、前記バッテリが満充電された場合の容量である満充電容量は、前記バッテリの充電又は放電が繰り返されることにより減少し、前記バッテリの満充電容量を取得する満充電容量取得部と、前記バッテリの使用が開始されてから前記満充電容量を取得するまでの延べ充電量を示す情報を取得する延べ充電量取得部と、前記満充電容量取得部により取得された満充電容量が、前記延べ充電量に基づいて定まる前記バッテリが有しているべき満充電容量未満になると判断した場合に、前記バッテリの満充電容量を回復させるべく完全充電又は完全放電する処理であるバッテリ再生処理を実行する再生処理部とを備える情報処理装置。
(項目2) 前記バッテリの使用が開始された時点の満充電容量と、前記延べ充電量とに基づいて、前記バッテリが有しているべき満充電容量である予想容量を算出する予想容量算出部を更に備え、前記再生処理部は、取得した前記満充電容量が、前記予想容量算出部により算出された前記予想容量より小さい場合に、前記バッテリ再生処理を実行する項目1記載の情報処理装置。
(項目3) 前記延べ充電量取得部は、前記延べ充電量が前記バッテリの満充電容量の所定割合に達するごとに1増加するサイクルカウントを、前記延べ充電量を示す情報として取得し、前記予想容量算出部は、前記バッテリの使用が開始された時点の満充電容量から、満充電容量が1サイクルカウントで減少する減少量に、取得した前記サイクルカウントを乗じた量を減じることにより、前記予想容量を算出する項目2記載の情報処理装置。
(項目4) 前記再生処理部により前記バッテリ再生処理が実行された場合において、前記予想容量算出部は、当該バッテリ再生処理の後に前記バッテリの使用を開始する前の満充電容量に、当該バッテリ再生処理が実行された時点のサイクルカウントと、満充電容量が1サイクルカウントで減少する前記減少量とを乗じた量を加えた容量を、前記バッテリの使用が開始された時点の満充電容量として算出する項目3記載の情報処理装置。
(項目5) 前記再生処理部は、取得した複数の前記満充電容量及び複数の前記延べ充電量に基づいて、前記バッテリの満充電容量が前記延べ充電量に応じて減少する減少率を算出し、算出した当該減少率が、前記バッテリに対応して予め定められた基準減少率より高い場合に、前記バッテリの満充電容量が前記延べ充電量に基づいて定まる前記バッテリが有しているべき満充電容量未満になると判断する項目1記載の情報処理装置。
(項目6) 使用により減少したバッテリの満充電容量を回復させるために前記バッテリを完全放電させた後に完全充電するバッテリ再生処理を実行する情報処理装置であって、前記情報処理装置が過去にAC電源で駆動していた時間帯を取得するAC電源駆動時間帯検出部と、前記バッテリを完全放電する処理に要する時間の見積である完全放電時間を前記バッテリの残量に基づいて算出する完全放電時間算出部と、前記バッテリを完全放電させた状態から完全充電するまでに要する時間の見積である完全充電時間を算出する完全充電時間算出部と、前記完全放電時間経過後から完全充電時間経過までの時間帯が、当該情報処理装置が過去に駆動していた時間に対する前記AC電源により駆動していた時間の割合が予め定められた基準割合より高い時間帯である場合に、前記バッテリ再生処理を実行する再生処理部とを備える情報処理装置。
(項目7) 再充電可能なバッテリにより駆動する情報処理装置において、前記バッテリを制御する制御方法であって、前記バッテリが満充電された場合の容量である満充電容量は、前記バッテリの充電又は放電が繰り返されることにより減少し、前記バッテリの満充電容量を取得する満充電容量取得段階と、前記バッテリの使用が開始されてから前記満充電容量を取得するまでの延べ充電量を示す情報を取得する延べ充電量取得段階と、前記満充電容量取得段階において取得された満充電容量が、前記延べ充電量に基づいて定まる前記バッテリが有しているべき満充電容量未満となると判断した場合に、前記バッテリの満充電容量を回復させるべく完全充電又は完全放電する処理であるバッテリ再生処理を実行する再生処理部とを備える制御方法。
(項目8) 再充電可能なバッテリにより駆動する情報処理装置において、前記バッテリを制御するプログラムであって、前記バッテリが満充電された場合の容量である満充電容量は、前記バッテリの充電又は放電が繰り返されることにより減少し、当該情報処理装置を、前記バッテリの満充電容量を取得する満充電容量取得部と、前記バッテリの使用が開始されてから前記満充電容量を取得するまでの延べ充電量を示す情報を取得する延べ充電量取得部と、前記満充電容量取得部により取得された満充電容量が、前記延べ充電量に基づいて定まる前記バッテリが有しているべき満充電容量未満となると判断した場合に、前記バッテリの満充電容量を回復させるべく完全充電又は完全放電する処理であるバッテリ再生処理を実行する再生処理部として機能させるプログラム。
(項目9)
項目8に記載のプログラムを記録した記録媒体。
図1は、情報処理装置10のブロック図である。 図2は、駆動履歴情報格納部20が格納する駆動履歴情報のうちシステム使用履歴の一例を示す。 図3は、駆動履歴情報格納部20が格納する駆動履歴情報のうちバッテリ使用履歴の一例を示す。 図4は、充放電制御部40のブロック図である。 図5は、再生処理判断部50のブロック図である。 図6は、充放電制御部40が充電開始基準残量を低下させる処理の動作フローを示す。 図7は、充放電制御部40が充電停止基準残量を低下させる処理の動作フローを示す。 図8は、充放電制御部40が充電開始基準残量又は充電停止基準残量を増加させる処理の動作フローを示す。 図9は、再生処理判断部50がバッテリ再生処理を行う動作フローを示す。 図10は、バッテリ再生処理のタイミングを説明する図である。
符号の説明
10 情報処理装置
20 駆動履歴情報格納部
40 充放電制御部
50 再生処理判断部
400 充電指示部
410 充電開始回数取得部
420 消費量算出部
430 バッテリ駆動時間帯検出部
440 充電開始基準設定部
442 満充電容量取得部
444 延べ充電量取得部
446 予想容量算出部
450 充電停止基準設定部
500 満充電容量取得部
510 延べ充電量取得部
520 予想容量算出部
530 完全放電時間算出部
540 完全充電時間算出部
550 AC電源駆動時間帯検出部
560 再生処理部
1000 CPU
1010 ROM
1020 RAM
1030 通信インターフェイス
1040 ハードディスクドライブ
1050 フレキシブルディスクドライブ
1060 CD−ROMドライブ
1070 I/Oチップ
1075 電源制御ユニット
1078 バッテリ
1079 駆動状態記録部
1080 グラフィックコントローラ
1090 表示装置
1100 ホストコントローラ
1110 I/Oコントローラ
1120 フレキシブルディスク
1130 CD−ROM

Claims (8)

  1. 再充電可能なバッテリにより駆動する情報処理装置であって、
    前記バッテリが満充電された場合の容量である満充電容量は、前記バッテリの充電又は放電が繰り返されることにより減少し、
    前記バッテリの満充電容量を取得する満充電容量取得部と、
    前記バッテリの使用が開始されてから前記満充電容量を取得するまでの延べ充電量を示す情報を取得する延べ充電量取得部と、
    前記満充電容量取得部により取得された満充電容量が、前記延べ充電量に基づいて定まる前記バッテリが有しているべき満充電容量未満になると判断した場合に、前記バッテリの満充電容量を回復させるべく完全充電又は完全放電する処理であるバッテリ再生処理を実行する再生処理部と
    を備える情報処理装置。
  2. 前記バッテリの使用が開始された時点の満充電容量と、前記延べ充電量とに基づいて、前記バッテリが有しているべき満充電容量である予想容量を算出する予想容量算出部を更に備え、
    前記再生処理部は、取得した前記満充電容量が、前記予想容量算出部により算出された前記予想容量より小さい場合に、前記バッテリ再生処理を実行する
    請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記延べ充電量取得部は、前記延べ充電量が前記バッテリの満充電容量の所定割合に達するごとに1増加するサイクルカウントを、前記延べ充電量を示す情報として取得し、
    前記予想容量算出部は、前記バッテリの使用が開始された時点の満充電容量から、満充電容量が1サイクルカウントで減少する減少量に、取得した前記サイクルカウントを乗じた量を減じることにより、前記予想容量を算出する
    請求項2記載の情報処理装置。
  4. 前記再生処理部により前記バッテリ再生処理が実行された場合において、
    前記予想容量算出部は、当該バッテリ再生処理の後に前記バッテリの使用を開始する前の満充電容量に、当該バッテリ再生処理が実行された時点のサイクルカウントと、満充電容量が1サイクルカウントで減少する前記減少量とを乗じた量を加えた容量を、前記バッテリの使用が開始された時点の満充電容量として算出する
    請求項3記載の情報処理装置。
  5. 前記再生処理部は、取得した複数の前記満充電容量及び複数の前記延べ充電量に基づいて、前記バッテリの満充電容量が前記延べ充電量に応じて減少する減少率を算出し、算出した当該減少率が、前記バッテリに対応して予め定められた基準減少率より高い場合に、前記バッテリの満充電容量が前記延べ充電量に基づいて定まる前記バッテリが有しているべき満充電容量未満になると判断する
    請求項1記載の情報処理装置。
  6. 再充電可能なバッテリにより駆動する情報処理装置において、前記バッテリを制御する制御方法であって、
    前記バッテリが満充電された場合の容量である満充電容量は、前記バッテリの充電又は放電が繰り返されることにより減少し、
    前記バッテリの満充電容量を取得する満充電容量取得段階と、
    前記バッテリの使用が開始されてから前記満充電容量を取得するまでの延べ充電量を示す情報を取得する延べ充電量取得段階と、
    前記満充電容量取得段階において取得された満充電容量が、前記延べ充電量に基づいて定まる前記バッテリが有しているべき満充電容量未満となると判断した場合に、前記バッテリの満充電容量を回復させるべく完全充電又は完全放電する処理であるバッテリ再生処理を実行する再生処理段階
    を備える制御方法。
  7. 再充電可能なバッテリにより駆動する情報処理装置において、前記バッテリを制御するプログラムであって、
    前記バッテリが満充電された場合の容量である満充電容量は、前記バッテリの充電又は放電が繰り返されることにより減少し、
    当該情報処理装置を、
    前記バッテリの満充電容量を取得する満充電容量取得部と、
    前記バッテリの使用が開始されてから前記満充電容量を取得するまでの延べ充電量を示す情報を取得する延べ充電量取得部と、
    前記満充電容量取得部により取得された満充電容量が、前記延べ充電量に基づいて定まる前記バッテリが有しているべき満充電容量未満となると判断した場合に、前記バッテリの満充電容量を回復させるべく完全充電又は完全放電する処理であるバッテリ再生処理を実行する再生処理部と
    して機能させるプログラム。
  8. 請求項に記載のプログラムを記録した記録媒体。
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