JP3910433B2 - Velor wood - Google Patents
Velor wood Download PDFInfo
- Publication number
- JP3910433B2 JP3910433B2 JP2001375895A JP2001375895A JP3910433B2 JP 3910433 B2 JP3910433 B2 JP 3910433B2 JP 2001375895 A JP2001375895 A JP 2001375895A JP 2001375895 A JP2001375895 A JP 2001375895A JP 3910433 B2 JP3910433 B2 JP 3910433B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yarn
- base fabric
- pile
- auxiliary
- main
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Brushes (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
- Dry Development In Electrophotography (AREA)
- Cleaning In Electrography (AREA)
- Electrophotography Configuration And Component (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば電子写真装置においてクリーニングブラシ、帯電ブラシ、現像ブラシ等のロール状ブラシ、トナー、紙粉等の微細粉粒体のクリーニング、シール等を行うためのクリーニング材、シール材等に用いられるベロア材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のようなベロア材は基布と、同基布上で起毛するように基布に織り込まれたパイル糸とを備えており、パイル糸の先端を感光ドラム等の相手部材に摺接させることにより、それぞれ特有の機能を発揮するようになっている。前記基布は、タテ糸と該タテ糸と直交する方向に延びるヨコ糸とを織り上げることによって得られる織布より形成されている。また、ベロア材を曲面状の取付箇所に貼付して用いる場合、これに対応できるように基布に柔軟性を付与するため、タテ糸及びヨコ糸には柔軟性を有する繊維を交撚して得られる撚糸が使用されている。前記パイル糸には複数本の化学繊維よりなる撚糸が用いられており、このパイル糸を基布にパイル織りすることにより、パイル糸は基布のヨコ糸に絡むようにして織り込まれている。
【0003】
パイル織りの方法としては主にU織りと、W織りの2通りの方法が挙げられる。これらのうちU織りは、1本のパイル糸が1本のヨコ糸に対してその下方を回り込むようにしてU字状に屈曲した状態で絡められ、基布に織り込まれる方法である。このU織りは、基布上にパイル糸を高密度に織り込んだり、基布上でパイル糸を直立させたり等する場合に用いられる。
【0004】
W織りは1本のパイル糸が3本のヨコ糸を回り込むようにしてW字状に屈曲した状態で基布に織り込まれる方法である。つまり、パイル糸は1本目のヨコ糸の下方をくぐった後、2本目のヨコ糸の上方を跨ぎ、3本目のヨコ糸の下方をくぐるようにして3本のヨコ糸に絡められている。このW織りは基布からパイル糸を抜けにくくしたり等する場合に用いられる。そして、U織り又はW織りで基布に織り込まれたパイル糸は、基布の表面でその根元部がタテ糸及びヨコ糸に押さえ付けられることにより、基布の織り目から上方へ突出した部分で各繊維同士の間隔が広がり、基布上で起毛されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のベロア材においては、パイル糸が相手部材に摺接された状態が長期間続くと、パイル糸の根元部を押さえ付けているタテ糸及びヨコ糸が伸びたり等してその形状が変化してしまうおそれがある。すると、基布の織り目が拡がったり等することにより、タテ糸及びヨコ糸でパイル糸を十分に押さえ付けることができず、基布からパイル糸が抜け落ちやすくなるという問題があった。特に、U織りで得られたベロア材は、1本のパイル糸が1本のヨコ糸のみに絡んでいる形態であるため、長期間の使用によるパイル糸の抜け落ちが高い割合で発生する。
【0006】
W織りで得られたベロア材を用いた場合、U織りで得られたベロア材に比べればパイル糸の抜け落ちを抑えることができる。しかし、この場合には基布に織り込まれたパイル糸が斜めに傾いた状態で起毛されるため、長期間の使用でタテ糸及びヨコ糸の形状が変化し、根元部を押さえ付ける力が弱まると高い割合で毛倒れが発生するという問題があった。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、基布からのパイル糸の抜け落ち及び基布に対するパイル糸の毛倒れを抑制することができるベロア材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のベロア材の発明は、互いに交差する方向に延びる複数本のタテ糸及びヨコ糸を織り上げて得られる織布よりなる基布と、当該タテ糸又はヨコ糸のいずれか一方を絡糸として同絡糸を回り込むように基布に屈曲状態で織り込まれて基布上で起毛された複数本のパイル糸とを備えるとともに、当該絡糸を、主糸と、同主糸よりも剛性が高い補助糸の2本を引き揃え、合糸して形成することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載のベロア材の発明は、請求項1に記載の発明において、前記補助糸が主糸よりも細い糸であることを特徴とするものである。
請求項3に記載のベロア材の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記絡糸を基布の表面側及び裏面側に交互に位置ずれするように配設し、当該基布に対してその裏面側に位置ずれした絡糸を回り込むようにパイル糸を織り込むことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載のベロア材の発明は、請求項3に記載の発明において、前記基布の表面でパイル糸の根元部の両側に配設された各絡糸の補助糸がパイル糸を両側方から締め付けるように構成することを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載のベロア材の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記補助糸がモノフィラメントで糸であることを特徴とするものである。
請求項6に記載のベロア材の発明は、請求項2から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記補助糸の太さを主糸の太さの50分の1〜2分の1とすることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、この発明の第1実施形態としてベロア材を使用し、電子写真装置におけるクリーニングブラシを構成した場合について説明する。そこで、まず電子写真装置の構成について説明する。
【0013】
図4は電子写真装置を概念的に示した図である。電子写真装置内において移動体としての感光ドラム11は支軸11aにより回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。感光ドラム11の周囲にはその上方位置から回転方向に向かって順番に帯電部12、露光部13、現像部14、転写部16、クリーニング部18が配設されている。回転する感光ドラム11は、帯電部12でロール状をなす帯電ブラシ21が接触することにより、その表面が所定の電位に均一に帯電されるとともに、露光部13でその表面に静電潜像が形成される。その後、現像部14でロール状をなす現像ブラシ22から微細粉粒体としてのトナー15が供給され、静電潜像がトナー15によって現像されて可視像が形成される。そして、このトナー15による可視像が転写部16で感光ドラム11及び転写部16間に供給された記録用紙17に転写される。
【0014】
前記クリーニング部18において、そのハウジング18b内にはクリーニングブラシ23が感光ドラム11表面に接触した状態で支持軸23aにより回転可能に支持されている。このクリーニングブラシ23の隣接位置には回収ローラ18cがクリーニングブラシ23に対して圧触されるようにして回転可能に支持されている。また、回収ローラ18cの斜め下方位置にはブレード18aがその先端を回収ローラ18cの周面に接触させるように配設されている。
【0015】
クリーニング部18では、クリーニングブラシ23が感光ドラム11表面に接触することにより、感光ドラム11に帯電された静電気が前記支持軸23aを介して放電され、除電される。これと同時に、静電気により感光ドラム11の表面に付着されていたトナー15は、クリーニングブラシ23によって掻き取られ、除去される。この後、クリーニングブラシ23で掻き取られたトナー15は、クリーニングブラシ23から回収ローラ18cの表面に転写された後、ブレード18aにより回収ローラ18cの表面から掻き取られ、ハウジング18b内に回収される。つまり、このクリーニングブラシ23は、トナー15を掻き取るクリーニング機能と感光ドラム11を徐電する除電機能とを兼ね備えており、感光ドラム表面を除電するために設けられる除電ブラシとしても機能している。
【0016】
図2に示すように、クリーニングブラシ23はアルミニウム、ステンレス鋼等の金属製の丸棒よりなる支持軸23aと、この支持軸23aの表面に接合された帯状をなすベロア材31とにより構成されている。そして、支持軸23aの表面に接着剤を塗布し、その上にベロア材31を螺旋状をなすように巻回することによりクリーニングブラシ23はロール状に形成されている。
【0017】
図3に示すように、ベロア材31は、織布よりなる基布32と、当該基布32に対してその表面で起毛するようにパイル織りで織り込まれた複数本のパイル糸33とを備えている。また、基布32の裏面には合成樹脂製のコーティング層34が設けられている。該コーティング層34は、例えばスチレン−ブタジエン共重合ゴム等のゴム系溶剤型接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の接着性樹脂、高分子エマルション等の合成樹脂よりなるコーティング剤より形成されている。このコーティング剤が基布32を形成する織布の織り目に含浸されることにより、基布32のほつれが防止されるとともに、パイル糸33の基端部と基布32とが接合されている。
【0018】
図1に示すように、前記基布32を形成する織布は、互いに直交する方向に延びる複数本のタテ糸35及びヨコ糸36を織り上げて得られたものである。パイル糸33は基布32のヨコ糸36を絡糸とし、同絡糸を回り込むようにして基布32に織り込まれている。そして、これら基布32とパイル糸33とで基布32のヨコ糸36にパイル糸33が織り込まれた経パイル形態のベロア材31が構成されている。
【0019】
基布32を形成するタテ糸35及びヨコ糸36のうち、絡糸となるヨコ糸36は、太い糸である主糸37と、この主糸37よりも細い糸である補助糸38との2本を引き揃え、合糸することにより形成されている。また、タテ糸35の太さは主糸37の太さとほぼ同じになっている。主糸37及び補助糸38が合糸されてなるヨコ糸36は、タテ糸35が延びる方向で基布32の表面側及び裏面側へ交互に位置ずれするように配設されている。そして、各ヨコ糸36がこのように配設されることによって基布32内におけるヨコ糸36の密度が高まり、基布32の織り目が詰まった状態となる。
【0020】
基布32を形成するタテ糸35及びヨコ糸36の主糸37には耐久性、柔軟性の高い糸が使用され、このような糸としては紡績糸、フィラメント糸、綿糸等が挙げられる。加えて、タテ糸35及び主糸37には少なくとも2本の原糸を交撚してなる撚糸を用いることが好ましい。タテ糸35及び主糸37に撚糸を用いた場合、これら糸がより嵩高くなり、基布32内におけるタテ糸35及び主糸37の密度が高まり、基布32の織り目をさらに詰まった状態とすることができる。
【0021】
タテ糸35及び主糸37を形成する繊維には動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有し、接着剤で接着可能なものを用いることが好ましい。このような繊維としては、超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等よりなる合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維、綿等よりなる天然繊維等が挙げられる。この第1実施形態において、タテ糸35及び主糸37にはポリエステル繊維からなり、柔軟性が高く、嵩高い紡績糸を原糸として、2本の原糸を交撚して形成した撚糸が使用されている。
【0022】
ヨコ糸36の補助糸38には、主糸37よりも剛性の高い糸が使用されている。この補助糸38には合成繊維よりなるモノフィラメント糸を用いることが好ましい。このモノフィラメント糸は1本の長繊維のみで形成した糸であり、細い複数の長繊維又は単繊維を撚り合わせて形成した紡績糸、フィラメント糸、綿糸等と比べて括れ等といった形状の変化を起こしにくく、剛性の高い糸となる。
【0023】
補助糸38を形成する合成繊維には動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有するものを用いることが好ましい。このような合成繊維としては、超高分子ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、PET繊維等が挙げられる。この第1実施形態において補助糸38にはナイロン繊維からなるモノフィラメント糸が使用されている。
【0024】
補助糸38の太さは、主糸37の太さの50分の1〜2分の1であることが好ましい。補助糸38の太さを主糸37の太さの50分の1未満とした場合、補助糸38の剛性が低下し、切れやすくなる。主糸37の太さの2分の1よりも太くすると、剛性の高い補助糸38に影響されてヨコ糸36の柔軟性が低減し、これに伴って基布32の柔軟性も低下してしまう。
【0025】
前記パイル糸33は、耐久性、柔軟性が高く、耐摩耗性に優れるとともに、摺動性の良い複数本の繊維を撚糸加工することにより形成されている。このような繊維としては、超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、PET、フッ素樹脂等よりなる合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維が挙げられる。前記フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。
【0026】
前記クリーニングブラシ23がクリーニング機能と除電機能とを兼ね備えるものであることから、第1実施形態のパイル糸33には前に挙げた繊維に導電性を付与した導電性繊維が用いられている。すなわち、感光ドラム11の表面に帯電された静電気は、導電性繊維よりなるパイル糸33が感光ドラム11の表面に接触することにより、パイル糸33に通電され、放電されるようになっている。このため、導電性繊維よりなるパイル糸33を有するクリーニングブラシ23は、より良好な除電機能を発揮することが可能である。
【0027】
繊維に導電性を付与する方法としては、原糸段階において導電性物質を練り込む、又は溶融紡糸法等により1本の繊維中に導電性物質が練り込まれた導電性の部分と導電性物質を練り込まない非導電性の部分とを有する複層構造にする方法と、紡糸後に導電性物質を含む加工液によって繊維表面を被覆する方法とがある。このような導電性物質としては、銀、銅、ニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金属化合物、炭素等の微粒子が挙げられる。この第1実施形態においてパイル糸33には導電性PET繊維が使用されている。また、この第1実施形態では前に挙げたコーティング剤に前述の導電性物質を混合することにより、コーティング層34にも導電性が付与されている。
【0028】
図1に示すように、パイル糸33は、基布32の裏面側に位置ずれしたヨコ糸36に対してその下方をくぐるようにしてU字状に回り込んで絡まるU織りにより、屈曲状態で基布32に織り込まれている。基布32の表面では織り込まれたパイル糸33の根元部33aが基布32の表面側に位置ずれした一対のヨコ糸36で両側方から締め付けられている。そして、パイル糸33は、根元部33aよりも上部が基布32上で直立し、その上端部で各繊維同士の間隔が広がることによって基布32上で起毛され、これら繊維の上端が感光ドラム11表面に接触するようになっている。
【0029】
上記のようにパイル糸33が基布32に織り込まれた状態で、パイル糸33が絡められたヨコ糸36の補助糸38は主糸37に対して上向きの位置関係となる。基布32の表面で根元部33aを締め付けるヨコ糸36においては、剛性を有する補助糸38はそのままの位置を維持し、柔軟性を有する主糸37はパイル糸33の根元部33aを避けて基布32の表面側に位置ずれする。この状態で補助糸38は主糸37よりもパイル糸33側に位置するように配設されている。これにより、根元部33aを締め付ける一対のヨコ糸36の各補助糸38は、それぞれが根元部33aを挟んで内側に向かい合うように、主糸37に対して横向きの位置関係となる。
【0030】
主糸37に対して横向きの位置関係となる補助糸38は、剛性が高いことに加え、主糸37によってパイル糸33の根元部33aに押さえ付けられることにより、横方向からパイル糸33の根元部33aに食い込んでいる。このように補助糸38が食い込んだパイル糸33はその根元部33aが括れており、この根元部33aの括れと補助糸38との係合関係により、基布32上で強固に締め付けられ、抜け落ちを防止される。また、基布32のヨコ糸36は、剛性を有する補助糸38で補強されることにより、基布32上での移動及び形状の変化を抑制される。このため、基布32はその織り目が詰まった状態を長期間維持することが可能であり、基布32の織り目で根元部33aを締め付ける力が弱まることにより、パイル糸33が毛倒れすることを防止することが可能である。
【0031】
前記第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第1実施形態のクリーニングブラシ23を構成するベロア材31によれば、基布32のヨコ糸36は、柔軟性を有する紡績糸よりなる主糸37と、剛性を有するモノフィラメント糸よりなる補助糸38とから形成されている。また、基布32に織り込まれたパイル糸33はその根元部33aが基布32の織り目でタテ糸35及びヨコ糸36によって強固に締め付けられることにより、パイル糸33同士で互いに支え合うことなく、基布32の表面上に自ら直立している。基布32のヨコ糸36は、主糸37によって柔軟性を維持しつつも、補助糸38によって補強されることにより、基布32上での移動及び形状の変化を抑制されている。このため、長期間、クリーニングブラシ23を使用した場合でも基布32の織り目が拡がりにくい。従って、タテ糸35及びヨコ糸36によってパイル糸33の根元部33aが強固に締め付けられた状態を長期間維持することができ、基布32からのパイル糸33の抜け落ち及び基布32に対するパイル糸33の毛倒れを抑制することができる。
【0032】
・ また、ヨコ糸36の主糸37に撚糸よりなる嵩高い紡績糸を使用することにより、基布32内でのヨコ糸36の密度が高まり、当該ヨコ糸36は基布32の表面側及び裏面側に交互に位置ずれするように配設されている。パイル糸33は基布32の裏面側に位置ずれしたヨコ糸36にU字状に絡めて織り込まれている。これにより、基布32の表面で高密度に詰められ、互いに接近しようとする一対のヨコ糸36の間でパイル糸33の根元部33aをより強固に締め付けることが可能となる。従って、基布32からのパイル糸33の抜け落ち及び基布32に対するパイル糸33の毛倒れをより効果的に抑制することができる。
【0033】
・ 前記ヨコ糸36は、主糸37及び補助糸38を引き揃え、合糸して得られるものである。このようにして得られたヨコ糸36を用いた場合、主糸37及び補助糸38のそれぞれでパイル糸33の根元部33aを押さえ付け、締め付けることができる。
【0034】
・ さらに、引き揃えで得られたヨコ糸36を用いると、パイル糸33を織り込んだ際、補助糸38は位置保持され、主糸37は基布32内でパイル糸33を避けるように若干移動する。すると、補助糸38は主糸37によってパイル糸33の根元部33aに押さえ付けられるように配設される。そして、剛性を有する補助糸38を主糸37で押さえ付けることにより、パイル糸33の根元部33aに食い込ませることができる。このため、食い込んだ補助糸38が引っ掛かりとなり、基布32からのパイル糸33の抜け落ちを防止することができる。
【0035】
・ 加えて、一対のヨコ糸36がパイル糸33の根元部33aの両側部に配設され、各ヨコ糸36の補助糸38が両側方からパイル糸33にそれぞれ食い込んでいる。このため、パイル糸33の根元部33aをより強固に締め付けることができ、基布32からのパイル糸33の抜け落ち及び基布32に対するパイル糸33の毛倒れを防止することができる。
【0036】
・ 前記補助糸38は、その太さが主糸37の太さの50分の1〜2分の1である。このため、ヨコ糸36の柔軟性を維持しながら、その剛性を向上させ、パイル糸33を効果的に締め付けることができる。また、補助糸38を主糸37よりも細くすることにより、主糸37で補助糸38をパイル糸33に押さえ付ける力を狭い範囲に集中させることができ、補助糸38をパイル糸33に容易に食い込ませることができる。
【0037】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態としてベロア材を使用し、電子写真装置におけるクリーニング材を構成した場合について説明する。なお、この第2実施形態については、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0038】
図6は、第2実施形態の電子写真装置を概念的に示した図である。電子写真装置内において、クリーニング部18と帯電部12の間には除電部19が配設されている。クリーニング部18においては、前面が開口された略四角箱状をなすハウジング18bの内部に感光ドラム11に対向するように支持部材18dが配設されている。支持部材18dと感光ドラム11との間には隙間が形成されており、この隙間を塞ぐように平面長方形状をなすクリーニング材40が支持部材18d上に貼付されている。感光ドラム11の表面に残留するトナー15は、クリーニング材40によって掻き取られ、ハウジング18bの開口から内奥に回収される。そして、感光ドラム11の表面に残留する電荷は除電部19で消去される。
【0039】
次に、クリーニング材40の構成について説明する。
図5に示すように、クリーニング材40は、第1実施形態のベロア材31の裏面に貼付層44を設けて構成されている。図6に示すように、このクリーニング材40はそのパイル糸33を感光ドラム11の両端に接触させるようにして貼付層44を介して支持部材18dに貼付されている。そして、クリーニング材40は、そのパイル糸33で感光ドラム11の表面に付着したトナー15を掻き取ることによってクリーニング機能を発揮するようになっている。
【0040】
図5に示すクリーニング材40において、前記貼付層44は接着剤が硬化した後でも柔軟性を有する接着剤により形成されるのが好ましい。さらに、貼付層44は耐熱性を有するとともに、曲げた状態でも使用することができるように曲面状に変形可能な材料により形成されるのが好ましい。このような性質を有する粘着剤として、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤が用いられる。この貼付層44はベロア材31を構成するコーティング層34の裏面に対し、感圧接着剤を塗布するか、又は芯材の両面に感圧接着剤を塗布してなる両面粘着テープを貼付して形成される。この実施形態の貼付層44はアルミニウム製の薄膜を芯材としてその表裏面に導電性を有するアクリル系の感圧接着剤が塗布された両面粘着テープ(寺岡製作所製の商品名導電性アルミ箔両面テープ、NO.791)で形成されている。
【0041】
さて、図6に示すように、クリーニング材40は、クリーニング部18を構成するハウジング18bの支持部材18dに貼付されることにより、そのパイル糸33を感光ドラム11の表面に摺接させる。このパイル糸33は導電性を有していることから、感光ドラム11の表面に残留するトナー15に接触したとき、トナー15に帯電した静電気を除電する。すると、除電されたトナー15は感光ドラム11の表面から離間しやすくなり、このままパイル糸33によって掻き取られ、ハウジング18b内に回収される。
【0042】
従って、第2実施形態のクリーニング材40においては、ベロア材31のパイル糸33がその抜け落ち及び毛倒れを抑制されていることから、クリーニング機能を長期間維持することができる。
【0043】
なお、各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1及び第2実施形態ではヨコ糸を回り込むように基布にパイル糸が織り込まれる経パイル形態のベロア材を使用したがこれに限らず、タテ糸を回り込むように基布にパイル糸が織り込まれる緯パイル形態のベロア材を使用してもよい。この緯パイル形態のベロア材では、パイル糸が回り込む絡糸となる基布のタテ糸が主糸と、同主糸よりも剛性が高い補助糸との組み合わせで形成される。このような緯パイル形態のものであっても、前記経パイル形態のものに相当するベロア材を得ることができ、基布からのパイル糸の抜け落ち及び基布に対するパイル糸の毛倒れを抑制することができる。
【0044】
・ 各実施形態ではパイル糸33をU織りで基布32に織り込んでベロア材31を形成したが、これに限らずパイル糸33をW織りで基布32に織り込んでベロア材を形成してもよい。このW織りは、1本のパイル糸が1本目のヨコ糸の下方をくぐった後、2本目のヨコ糸の上方を跨ぎ、3本目のヨコ糸の下方をくぐるようにして3本のヨコ糸をW字状に回り込むようにして屈曲状態で基布32に織り込まれる方法である。このように構成した場合、U織りと比較して基布32上におけるパイル糸33の織り込み密度は低下するが、パイル糸33の基布32からの抜け落ちをより効果的に抑制することができる。
【0045】
・ 補助糸38にはモノフィラメント糸に限らず、剛性を維持できる程度であれば複数本の繊維を交撚してなる撚糸を使用してもよい。
・ 前記ヨコ糸36は、主糸37及び補助糸38を引き揃え、合糸したものに限らず、例えば主糸37を覆うように補助糸38を巻き付けて形成したカバードヤーン、主糸37及び補助糸38を交撚して形成した撚糸等を使用してもよい。また、ヨコ糸36に加えて、タテ糸35にも主糸及び補助糸を引き揃えて合糸した糸、カバードヤーン、主糸及び補助糸を交撚して形成した撚糸等を使用してもよい。タテ糸35及びヨコ糸36の両糸に主糸及び補助糸を引き揃えて合糸した糸、カバードヤーン、主糸及び補助糸を交撚して形成した撚糸等を使用した場合、基布32の織り目が各実施形態のものよりもさらに詰まった状態となる。従って、パイル糸33の根元部33aをより強固に締め付けることができ、パイル糸33の基布32からの抜け落ち及び毛倒れをより効果的に抑制することができる。
【0046】
・ 第1実施形態で示したクリーニングブラシ23のようなロール状のブラシを、図4に示す電子写真装置において、帯電部12の帯電ブラシ21及び現像部14の現像ブラシ22のうち少なくとも一方に採用してもよい。また、図4に示す転写部16内にロール状のブラシを設け、このロール状のブラシを転写ブラシとしてもよい。
【0047】
・ 各実施形態において、パイル糸33を導電性繊維と、化学繊維よりなる絶縁性繊維とを混織して形成してもよい。なお、前記化学繊維よりなる絶縁性繊維としては、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成繊維等が挙げられる。あるいは、使用用途、目的によってパイル糸33が導電性を必ずしも必要としない場合には、パイル糸33を絶縁性繊維のみで形成してもよい。このようにパイル糸33を導電性繊維と絶縁性繊維を混織して形成した場合には、コストが嵩む導電性繊維の使用量を低減することにより、製造コストの低減を図ることができる。
【0048】
・ 各実施形態において、使用用途、目的によってベロア材31に導電性を必ずしも付与する必要がない場合にはコーティング層34に導電性を付与せずともよい。
【0049】
・ 各実施形態において、微細粉粒体はトナー15のみに限らず、例えば紙粉、埃等であってもよい。
・ 第2実施形態ではベロア材31を用いてクリーニング材40を構成したが、これに限らず微細粉粒体の漏れをシールするシール材を構成してもよい。このようなシール材としては、例えば電子写真装置において、現像ブラシ22と現像部14を構成するハウジングとの間に設けられ、現像ブラシ22とハウジングとの隙間から外部へ漏れ出そうとするトナー15をシールするシール材が挙げられる。このシール材はそのパイル糸内に微細粉粒体を捕集及びブロックすることにより、シール機能を発揮するようになっている。電子写真装置以外にも、引き違いサッシ、箪笥、食器棚等の家具、車両の窓枠等において隙間を塞ぐシール材としてもよい。このように、ベロア材を用いて形成したシール材においても、パイル糸の抜け落ち及び毛倒れを抑制することにより、そのシール機能を長期間有効に発揮することができる。
【0050】
・ 第2実施形態で挙げたように、クリーニング機能を発揮するクリーニング材は、微細粉粒体が付着する箇所ならば、例えば転写部16を構成する転写ベルト、記録用紙17を搬送する搬送ベルト等に設けてもよい。あるいは、電子写真装置以外に、例えば微細粉粒体(粉末あるいは顆粒)の薬剤を包装する包装機等に設けられた粉粒体の送りローラ、工場の生産設備においてフィルム等の成型品を加工する際に成型品を搬送するコンベア等のクリーニング材としてもよい。その他にも、情報読取り装置等のレンズ、銀行の現金自動引出機のキャッシュカード挿入口、公衆電話機のテレホンカード挿入口、自動販売機の紙幣挿入口等といった読取り装置のシート挿入口等のクリーニング材としてもよい。
【0051】
・ 第2実施形態のクリーニング材40において、ベロア材31と貼付層44との間にクッション材よりなる支持層を設けてもよい。このクッション材としては、弾力性を有するとともに耐久性及び耐熱性が高く、接着剤で接着可能な材料より形成されたものを用いることが好ましい。このような材料としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、クッション材は、JIS K 6400の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.3〜3MPaであることが好ましく、0.5〜2MPaであることがより好ましい。圧縮荷重値が0.3MPa未満の場合、感光ドラム11に対してパイル糸33を十分に摺接させることができなくなる。また、圧縮荷重値が3MPaより大きい場合、感光ドラム11のパイル糸33に対する抵抗が大きくなり、その回転が阻害されるおそれがある。このようにクッション材よりなる支持層を設けた場合、感光ドラム11の回転を阻害することなく、パイル糸33を感光ドラム11に十分に接触させることができる。加えて、使用用途、目的等の必要に応じて支持層及び貼付層44の少なくとも一方に導電性を付与してもよい。
【0052】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記補助糸を主糸よりもパイル糸側に位置するように配設することを特徴とする請求項5に記載のベロア材。このように構成した場合、補助糸でパイル糸をより効果的に締め付けることができる。
【0053】
・ 前記補助糸の太さを主糸の太さの50分の1〜2分の1とすることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、糸の剛性を維持しながら柔軟性を付与することができる。
【0054】
・ 前記補助糸にはモノフィラメント糸を用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、糸の剛性を良好に維持することができる。
【0055】
・ 前記主糸には少なくとも2本の原糸を交撚してなる撚糸を用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、糸を嵩高くすることができ、パイル糸を効果的に締め付けることができる。
【0056】
・ 前記パイル糸を1本の絡糸に対してU字状をなすように織り込むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、パイル糸を高密度に織り込むことができる。
【0057】
・ 前記基布の裏面には合成樹脂製のコーティング剤よりなるコーティング層を設けることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、パイル糸の抜け落ちを効果的に抑制することができる。
【0058】
・ 前記主糸を紡績糸より形成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、糸を嵩高くすることができ、パイル糸を効果的に締め付けることができる。
【0059】
・ 前記パイル糸には導電性繊維を用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、ベロア材に導電性を付与することができる。
【0060】
・ 前記タテ糸及びヨコ糸を、主糸と、同主糸よりも剛性が高い補助糸とを組み合わせて形成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、基布からのパイル糸の抜け落ち及び基布に対するパイル糸の毛倒れをより効果的に抑制することができる。
【0061】
・ 前記主糸の表面に当該主糸を覆うように補助糸を巻き付けて絡糸を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、主糸及び補助糸よりなる絡糸を容易に形成することができる。
【0062】
・ 前記主糸と補助糸とを撚り合わせて絡糸を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、主糸及び補助糸よりなる絡糸を容易に形成することができる。
【0063】
・ 前記パイル糸を基布に対し、3本の絡糸をW字状に回り込むようにして織り込むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のベロア材。このように構成した場合、パイル糸の抜け落ちを効果的に抑制することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、基布の表面でパイル糸の根元部を効果的に締め付け基布からのパイル糸の抜け落ち及び基布に対するパイル糸の毛倒れを抑制することができる。
【0065】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、基布の柔軟性を維持しながら、パイル糸の抜け落ち及び基布に対するパイル糸の毛倒れを効果的に抑制することができる。
【0066】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、基布内におけるヨコ糸の密度を向上させることができ、パイル糸の抜け落ち及び基布に対するパイル糸の毛倒れを効果的に抑制することができる。
【0067】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、パイル糸の抜け落ち及び基布に対するパイル糸の毛倒れを防止することができる。
【0068】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、糸の剛性を良好に維持することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項2から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、糸の剛性を維持しながら柔軟性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のベロア材を示す断面図。
【図2】 クリーニングブラシを製造する状態を示す正面図。
【図3】 第1実施形態のベロア材を示す斜視図。
【図4】 第1実施形態の電子写真装置を示す概念図。
【図5】 第2実施形態のクリーニング材を示す斜視図。
【図6】 第2実施形態の電子写真装置を示す概念図。
【符号の説明】
32…基布、33…パイル糸、33a…根元部、35…タテ糸、36…ヨコ糸、37…主糸、38…補助糸。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is used, for example, as a cleaning material, a sealing material, etc., for cleaning, sealing, etc. of a roll brush such as a cleaning brush, a charging brush, a developing brush, a toner, a paper powder or the like in an electrophotographic apparatus. Velor material.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, the velor material as described above has a base fabric and a pile yarn woven into the base fabric so as to be raised on the base fabric, and the tip of the pile yarn is slidably contacted with a mating member such as a photosensitive drum. By doing so, each has its own unique function. The base fabric is formed from a woven fabric obtained by weaving a warp yarn and a weft yarn extending in a direction orthogonal to the warp yarn. In addition, when using a velor material attached to a curved attachment point, in order to provide flexibility to the base fabric so that it can be accommodated, warp yarns and weft yarns are twisted with flexible fibers. The resulting twisted yarn is used. As the pile yarn, a twisted yarn made of a plurality of chemical fibers is used. By pile weaving the pile yarn on the base fabric, the pile yarn is woven into the weft yarn of the base fabric.
[0003]
There are mainly two methods of pile weaving: U weaving and W weaving. Among these, U weaving is a method in which one pile yarn is entangled in a U-shaped manner so as to wrap around a single weft yarn and is woven into a base fabric. This U-weaving is used when pile yarns are woven at a high density on the base fabric, or pile yarns are erected on the base fabric.
[0004]
W weaving is a method in which one pile yarn is woven into a base fabric in a state of being bent in a W shape so as to wrap around three weft yarns. That is, the pile yarn passes through the lower portion of the first weft yarn, straddles the upper portion of the second weft yarn, and is entangled with the three weft yarns so as to pass through the lower portion of the third weft yarn. This W weave is used for making it difficult to remove the pile yarn from the base fabric. And the pile yarn woven into the base fabric with the U weave or the W weave is the portion that protrudes upward from the weave of the base fabric by pressing the root part against the warp yarn and the weft yarn on the surface of the base fabric. The space | interval of each fiber spreads and it is raising on the base fabric.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above conventional velor material, when the pile yarn is in sliding contact with the mating member for a long period of time, the warp yarn and the weft yarn that hold down the root portion of the pile yarn are stretched, etc. May change. As a result, the weave of the base fabric is expanded, so that the pile yarn cannot be sufficiently pressed by the warp yarn and the weft yarn, and the pile yarn is likely to come off from the base fabric. In particular, since the velor material obtained by U weaving is in a form in which one pile yarn is entangled with only one weft yarn, the pile yarn falls off due to long-term use.
[0006]
When the velor material obtained by the W weave is used, the pile yarn can be prevented from falling off as compared with the velor material obtained by the U weave. However, in this case, the pile yarn woven into the base fabric is raised in a slanted state, so the shape of the warp and weft yarns changes over a long period of use, and the force to hold down the root is weakened. There was a problem that hair fall occurred at a high rate.
[0007]
The present invention has been made paying attention to such problems existing in the prior art. An object of the present invention is to provide a velor material that can suppress the falling off of the pile yarn from the base fabric and the fall of the pile yarn from the base fabric.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a velor material invention according to claim 1 includes a base fabric made of a woven fabric obtained by weaving a plurality of warp yarns and weft yarns extending in directions intersecting each other, and the warp material. A plurality of pile yarns woven in a bent state on the base fabric so as to wrap around the entangled yarn using either one of the yarn or the weft yarn as an entangled yarn, and raised on the base fabric, Main yarn and auxiliary yarn with higher rigidity than the main yarnAssemble these two pieces and combine themIt is characterized by forming.
[0009]
The invention of the velor material according to claim 2 is characterized in that, in the invention according to claim 1, the auxiliary yarn is a yarn thinner than the main yarn.
The invention of the velor material according to claim 3 is the invention according to claim 1 or 2, wherein the entangled yarn is disposed so as to be alternately displaced on the front surface side and the back surface side of the base fabric. The pile yarn is woven so as to wrap around the entangled yarn displaced to the back side of the base fabric.
[0010]
The invention of the velor material according to claim 4 is the invention according to claim 3,Auxiliary yarn of each entangled yarn disposed on both sides of the pile yarn root on the surface of the base fabric is configured to tighten the pile yarn from both sides.It is characterized by this.
[0011]
The invention of the velor material according to claim 5From 1Claim 4EitherIn the invention described inThe auxiliary yarn is monofilament and yarnIt is characterized by this.
The invention of the velor material according to claim 6 is the invention according to any one of claims 2 to 5, wherein the thickness of the auxiliary yarn is set to 1/50 to 1/2 of the thickness of the main yarn. It is characterized by that.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
Hereinafter, a case where a velor material is used and a cleaning brush in an electrophotographic apparatus is configured will be described as a first embodiment of the present invention. First, the configuration of the electrophotographic apparatus will be described.
[0013]
FIG. 4 is a diagram conceptually showing the electrophotographic apparatus. In the electrophotographic apparatus, a
[0014]
In the
[0015]
In the
[0016]
As shown in FIG. 2, the cleaning
[0017]
As shown in FIG. 3, the
[0018]
As shown in FIG. 1, the woven fabric forming the
[0019]
Of the
[0020]
As the
[0021]
As the fibers forming the
[0022]
As the
[0023]
As the synthetic fiber forming the
[0024]
The thickness of the
[0025]
The
[0026]
Since the cleaning
[0027]
As a method for imparting conductivity to the fiber, a conductive part in which a conductive substance is kneaded in the raw yarn stage or a conductive substance is kneaded in one fiber by a melt spinning method or the like and a conductive substance There are a method of forming a multilayer structure having a non-conductive portion that is not kneaded and a method of coating the fiber surface with a processing liquid containing a conductive substance after spinning. Examples of such a conductive substance include metals such as silver, copper and nickel, metal compounds such as zinc oxide and tin oxide, and fine particles such as carbon. In the first embodiment, the
[0028]
As shown in FIG. 1, the
[0029]
In the state where the
[0030]
The
[0031]
The effects exhibited by the first embodiment will be described below.
According to the
[0032]
Further, by using a bulky spun yarn made of twisted yarn as the
[0033]
The
[0034]
-Furthermore, when the
[0035]
In addition, a pair of
[0036]
-The thickness of the
[0037]
(Second Embodiment)
Hereinafter, a case where a velor material is used as a second embodiment of the present invention and a cleaning material in an electrophotographic apparatus is configured will be described. The second embodiment will be described with a focus on differences from the first embodiment.
[0038]
FIG. 6 is a diagram conceptually showing the electrophotographic apparatus according to the second embodiment. In the electrophotographic apparatus, a
[0039]
Next, the configuration of the cleaning
As shown in FIG. 5, the cleaning
[0040]
In the cleaning
[0041]
Now, as shown in FIG. 6, the cleaning
[0042]
Therefore, in the cleaning
[0043]
Each embodiment can be modified and embodied as follows.
-In the first and second embodiments, a velor material in the form of warp pile in which pile yarn is woven into the base fabric so as to wrap around the weft yarn is used, but not limited to this, the pile yarn is laid on the base fabric so as to wrap around the warp yarn. A velor material in the form of a weave pile to be woven may be used. In this weft pile type velor material, the warp yarn of the base fabric, which becomes an entanglement yarn around which the pile yarn turns, is formed by a combination of a main yarn and an auxiliary yarn having higher rigidity than the main yarn. Even in such a weft pile form, a velor material corresponding to the warp pile form can be obtained, and the pile yarn falling from the base fabric and the pile yarn falling against the base fabric are suppressed. be able to.
[0044]
In each embodiment, the
[0045]
The
The
[0046]
A roll-shaped brush such as the cleaning
[0047]
In each embodiment, the
[0048]
-In each embodiment, when it is not necessary to provide electroconductivity to the
[0049]
In each embodiment, the fine particles are not limited to the
-In 2nd Embodiment, although the cleaning
[0050]
As described in the second embodiment, the cleaning material that exhibits the cleaning function is, for example, a transfer belt that constitutes the
[0051]
In the cleaning
[0052]
Further, the technical idea that can be grasped from the embodiment will be described below.
The velor material according to claim 5, wherein the auxiliary yarn is disposed so as to be positioned on the pile yarn side of the main yarn. When comprised in this way, a pile thread | yarn can be tightened more effectively with an auxiliary thread | yarn.
[0053]
The velor material according to any one of claims 2 to 5, wherein a thickness of the auxiliary yarn is set to be 1/20 to 1/2 of a thickness of the main yarn. When comprised in this way, a softness | flexibility can be provided, maintaining the rigidity of a thread | yarn.
[0054]
The velor material according to any one of claims 1 to 5, wherein a monofilament yarn is used as the auxiliary yarn. When comprised in this way, the rigidity of a thread | yarn can be maintained favorable.
[0055]
The velor material according to any one of claims 1 to 5, wherein a twisted yarn obtained by intertwisting at least two raw yarns is used as the main yarn. When comprised in this way, a thread | yarn can be made bulky and a pile thread | yarn can be tightened effectively.
[0056]
The velor material according to any one of claims 1 to 5, wherein the pile yarn is woven so as to form a U shape with respect to one entangled yarn. When comprised in this way, a pile yarn can be woven in high density.
[0057]
The velor material according to any one of claims 1 to 5, wherein a coating layer made of a synthetic resin coating agent is provided on the back surface of the base fabric. When comprised in this way, the drop-off | omission of a pile thread | yarn can be suppressed effectively.
[0058]
The velor material according to any one of claims 1 to 5, wherein the main yarn is formed from spun yarn. When comprised in this way, a thread | yarn can be made bulky and a pile thread | yarn can be tightened effectively.
[0059]
The velor material according to any one of claims 1 to 5, wherein a conductive fiber is used for the pile yarn. When comprised in this way, electroconductivity can be provided to a velor material.
[0060]
The velor material according to any one of claims 1 to 5, wherein the warp yarn and the weft yarn are formed by combining a main yarn and an auxiliary yarn having higher rigidity than the main yarn. When comprised in this way, the fall of the pile yarn from a base fabric and the fall of the pile yarn with respect to a base fabric can be suppressed more effectively.
[0061]
The velor material according to any one of claims 1 to 3, wherein an auxiliary yarn is wound around the surface of the main yarn so as to cover the main yarn to form an entangled yarn. When comprised in this way, the entanglement thread | yarn which consists of a main thread and an auxiliary thread | yarn can be formed easily.
[0062]
The velor material according to any one of claims 1 to 3, wherein the main yarn and the auxiliary yarn are twisted to form an entangled yarn. When comprised in this way, the entanglement thread | yarn which consists of a main thread and an auxiliary thread | yarn can be formed easily.
[0063]
The velor material according to any one of claims 1 to 5, wherein the pile yarn is woven into the base fabric so that three entangled yarns wrap around in a W shape. When comprised in this way, the drop-off | omission of a pile thread | yarn can be suppressed effectively.
[0064]
【The invention's effect】
As described in detail above, the present invention has the following effects.
According to the invention of claim 1,Effectively tightens the root of the pile yarn on the surface of the base fabricThe pile yarn can be prevented from falling off the base fabric and the pile yarn falling against the base fabric.
[0065]
According to the invention described in claim 2, in addition to the effect of the invention described in claim 1, the pile yarn falls off and the pile yarn falls down against the base fabric while maintaining the flexibility of the base fabric. Can be suppressed.
[0066]
According to the invention described in claim 3, in addition to the effect of the invention described in claim 1 or 2, it is possible to improve the density of the weft yarn in the base fabric, and the pile yarn falls off and the base fabric Can effectively prevent the pile yarn from falling down.
[0067]
According to invention of Claim 4,In addition to the effect of the invention according to claim 3, the pile yarn is prevented from falling off and the pile yarn falling against the base fabric.Can.
[0068]
According to the invention of claim 5, the claimFrom 1Claim 4EitherIn addition to the effects of the invention described inMaintains good yarn rigiditycan do.
According to the invention described in claim 6, in addition to the effects of the invention described in any one of claims 2 to 5, flexibility can be imparted while maintaining the rigidity of the yarn.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a velor material according to a first embodiment.
FIG. 2 is a front view showing a state in which a cleaning brush is manufactured.
FIG. 3 is a perspective view showing a velor material according to the first embodiment.
FIG. 4 is a conceptual diagram illustrating an electrophotographic apparatus according to a first embodiment.
FIG. 5 is a perspective view illustrating a cleaning material according to a second embodiment.
FIG. 6 is a conceptual diagram illustrating an electrophotographic apparatus according to a second embodiment.
[Explanation of symbols]
32 ... Base fabric, 33 ... Pile yarn, 33a ... Root portion, 35 ... Warp yarn, 36 ... Horizontal yarn, 37 ... Main yarn, 38 ... Auxiliary yarn
Claims (6)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001375895A JP3910433B2 (en) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | Velor wood |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001375895A JP3910433B2 (en) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | Velor wood |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171850A JP2003171850A (en) | 2003-06-20 |
JP3910433B2 true JP3910433B2 (en) | 2007-04-25 |
Family
ID=19184191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001375895A Expired - Fee Related JP3910433B2 (en) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | Velor wood |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3910433B2 (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190027036A (en) * | 2017-09-05 | 2019-03-14 | 경기대학교 산학협력단 | Apparatus for Collecting Fine Mist |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005179871A (en) * | 2003-12-17 | 2005-07-07 | Hisato Tanaka | Sealant |
JP4249041B2 (en) * | 2004-01-19 | 2009-04-02 | 三和テクノ株式会社 | Rotating body sealing material and method of using the same, rotating body device, developing device, and image forming apparatus |
JP2011158925A (en) * | 2007-03-29 | 2011-08-18 | Tsuchiya Tsco Co Ltd | Lubricant applying brush for image forming apparatuses |
WO2008126219A1 (en) * | 2007-03-29 | 2008-10-23 | Tsuchiya Tsco Co., Ltd. | Sealing material for image forming device |
JP5408698B2 (en) * | 2008-11-10 | 2014-02-05 | 桂川電機株式会社 | Development device |
JP5816520B2 (en) * | 2011-10-31 | 2015-11-18 | 槌屋ティスコ株式会社 | brush |
CN105839288B (en) * | 2016-05-12 | 2017-10-10 | 天津工业大学 | A kind of manufacture method of sealing brush and the sealing brush obtained by this method |
-
2001
- 2001-12-10 JP JP2001375895A patent/JP3910433B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190027036A (en) * | 2017-09-05 | 2019-03-14 | 경기대학교 산학협력단 | Apparatus for Collecting Fine Mist |
KR102060089B1 (en) | 2017-09-05 | 2020-02-12 | 경기대학교 산학협력단 | Apparatus for Collecting Fine Mist |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003171850A (en) | 2003-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6739161B2 (en) | Cleaning material and sealing material for microscopic particles | |
JP3910433B2 (en) | Velor wood | |
JP3913347B2 (en) | Sealing material for preventing leakage of powder | |
JP4268697B2 (en) | Electrophotographic apparatus and sealing material provided with sealing material for preventing leakage of granular material | |
JP2003117496A (en) | Cleaning material and sealing material of fine particulate substance | |
TWI224244B (en) | Sealing material for preventing the leakage of fine particle and having excellent slippery property and abrasion resistance | |
JP4691259B2 (en) | Conductive velor material | |
JP2005230732A (en) | Brush body | |
JP3967001B2 (en) | Sealing material for preventing leakage of toner for electrophotographic apparatus using toner and method for producing the same | |
JPH1161101A (en) | Sealing material for leak inhibition of fine powder | |
JP2002306246A (en) | Conductive brush | |
JP4533589B2 (en) | Conductive brush | |
JP5027402B2 (en) | Sealing material to prevent leakage of fine particles | |
JP2005037955A (en) | Sealant for preventing leak of fine granular material | |
JP2018204707A (en) | Rotational shaft seal | |
JP2005300910A (en) | Sealing material for preventing leakage of fine granules | |
JP2004113937A (en) | Cleaning brush | |
JP6712434B2 (en) | Cleaning brush | |
JP4948024B2 (en) | Toner seal material | |
JP4741305B2 (en) | Sealing material for image forming apparatus and manufacturing method thereof | |
WO2015136634A1 (en) | Powder-sealing member | |
JP2015152792A (en) | Powder seal member | |
JP3810693B2 (en) | Method for producing an integrated product of bonded products | |
JP2022190635A (en) | Powder seal material | |
JP2009114554A (en) | Electroconductive fiber and electroconductive brush using the same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041027 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061013 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061017 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070116 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070124 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160202 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |