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JP3908676B2 - ドアウェザーストリップ及びその取付構造 - Google Patents

ドアウェザーストリップ及びその取付構造 Download PDF

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JP3908676B2 JP2003026706A JP2003026706A JP3908676B2 JP 3908676 B2 JP3908676 B2 JP 3908676B2 JP 2003026706 A JP2003026706 A JP 2003026706A JP 2003026706 A JP2003026706 A JP 2003026706A JP 3908676 B2 JP3908676 B2 JP 3908676B2
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祐治 久田
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Seal Device For Vehicle (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドアトリムに取付けられ、ドアガラスに摺接するドアウェザーストリップ及び、そのドアウェザーストリップの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のドアトリムに取付けられ、ドアガラスに摺接するドアウェザーストリップの取付構造に関するものとしては、例えば、特許文献1にあげられるように、ドアトリムの一端からドアウェザーストリップを嵌め込み、ドアトリムの長手方向に横スライドすることにより取付けられるものがあるが、横スライドさせて取付けるにはある程度の抵抗力があるため、円滑に取付けることは困難である。また、差し込みタイプのドアウェザーストリップの中で断面に柱があるダブルリップタイプのドアウェザーストリップは、ドアトリムを取扱う際に、ドアウェザーストリップを持つことが多く、差し込んで組付けただけでは、ドアウェザーストリップが動いてしまうためUSカシメの設定が必要であった。
【0003】
【特許文献1】
特許第3178325号
【0004】
これに対して、図16乃至図18に示すように、ドアトリムに相対向して車外側から直接取付けるようにしたドアウェザーストリップの取付構造がある。図17,図18は、2種類の取付構造を示す図16のA−A線拡大断面図である。
図17に示すものは、ドアガラスGに摺接するドアウェザーストリップ1を、ドア内側にベルトラインBLに沿って設けられたドアトリム2にボルト3を締めて固定したものであり、図18に示すものは、ボルト3にかえてフック4を設け、そのフック4をドアトリム2に引っかけて固定するものである。
しかし、いずれの場合にも固定されたドアウェザーストリップ1の剛性は不十分であるため芯金5を埋設する必要があるので、ドアウェザーストリップ1の重量が重くなるとともに、ボルト3やフック4が必要になることからコスト高になるという問題があった。また、芯金5を必要とする車であるのでリサイクル性が悪い。
【0005】
また、図19乃至図21に示すように、芯金,ボルト,フックを不要とし、ドアトリムに相対向して車外側から直接取付けるようにした差し込みタイプのドアウェザーストリップの取付構造がある。図20及び図21は、図19に示すドアトリムにドアウェザーストリップが取付けられた状態を示すB−B線拡大断面図及びC−C線拡大断面図である。
これによれば、軽量化が図られ、特にコスト高になることはないが、ドアウェザーストリップ6の取付基部6aをドアトリム7に形成された凹溝7aに差し込むだけでドアウェザーストリップ6全体が保持されるようにするため、凹溝7aを形成する付根部7bの肉厚を大きくするか、補強リブ7cを立設する必要がある。このため意匠面に肉厚差が生じヒケの要因となっていた。なお、ドアトリム7にはトリム7をボディに引っかけ取付け、そして室内外の位置決めをする脚部9が所定間隔毎に設けられている。
特に図19に示すように、ドアトリム7がフロント側に向けて徐々に高くなるようにデザインされたものにおいても、凹溝7aが形成されるため、ドアトリム7の車外側前面には別部品の蓋部材8を設定する必要がありコスト高になるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的とするところは、軽量化が図れるとともに、取付作業性に優れ、しかも部品点数を減少してコスト高になることを防止したドアウェザーストリップ及びその取付構造を提供することである。
また、ドアトリムを取扱う際にドアウェザーストリップを持ってしまうことでドアウェザーストリップが動いてしまうことを防止するドアウェザーストリップ及びその取付構造を提供することである。
さらに、ドアトリムがフロント側に向けて徐々に高くなるタイプのものに対しても、特にコスト高になることのないドアウェザーストリップ及びその取付構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、自動車のドア内側にベルトライン(BL)に沿って設けられたドアトリム(30)に、ドアトリム(30)に相対向して車外側から取付けられる取付基部(12,13)と、ドアガラス(G)に摺接するシール部(14,15)と、取付基部(12,13)とシール部(14,15)とを連結する本体部(11)と、を少なくとも備えるドアウェザーストリップの取付構造であって、
ドアトリム(30)の上部には、車外側に向けて開口する凹溝(31)が形成されるとともに、凹溝(31)の下側には、下側に延びる脚部(32)が、ドアトリム(30)の延びる長手方向に一連的又は断続的に設けられ、前記脚部(32)の下部に凹部(33)を形成し、
取付基部(12,13)は、ドアトリム(30)に形成された凹溝(31)に圧入される上側取付基部(12)と、脚部(32)に形成された凹部(33)に係合する上向きの突条部(18)が形成された下側取付基部(13)とを有し、前記突条部(18)の付け根からはヒレ片(20)が突出形成されたことを特徴とする。
【0009】
また請求項2に記載の発明は、前記ドアウェザーストリップ(10)の取付けは、前記上側取付基部(12)および下側取付基部(13)のうち一方を前記ドアトリム(30)に取付け、その一方を支点として他方側をドアトリム(30)側に回転させて他方の取付けを行うことを特徴とする。
【0010】
さらに請求項3に記載の発明は、上縁が自動車のベルトライン(BL)に沿ったドアトリム(30)の上部に形成してある被取付部に取付可能な取付基部(12)と、ドアガラス(G)と摺接するシール部(14,15)とを備えたドアウェザーストリップを前記取付基部(12)をもって車外側から取付けるようにしたドアウェザーストリップの取付構造であって、
前記ドアウェザーストリップの取付基部(12)の先端を、係止する断面形状のリップ(16)に形成する一方、ドアトリム(30)の上部の被取付部は、前記リップ(16)が圧入される凹溝(31)と、リップ(16)を強制的に挿通可能なスリット(36)の双方よりなるものとして、前記凹溝(31)内に圧入されたリップ(16)の弾性復元力により凹溝(31)内壁への圧着と、前記スリット(36)に挿通されたリップ(16)の爪先とスリット(36)の裏側縁辺との係止の双方によってドアウェザーストリップをドアトリム(30)に取付けるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また請求項4に記載の発明であるドアウェザーストリップは、上縁が自動車のベルトライン(BL)に沿ったドアトリム(30)の上部に形成してある被取付部に取付可能な取付基部(12)と、ドアガラス(G)と摺接するシール部(14,15)とを備え、前記取付基部(12)をもって車外側から取付けるようにしたドアウェザーストリップであって、
前記取付基部(12)の先端を、係止する断面形状のリップ(16)に形成する一方、ドアトリム(30)の上部の被取付部は、前記リップ(16)が圧入される凹溝(31)と、リップ(16)を強制的に挿通可能なスリット(36)の双方よりなるものとして、前記凹溝(31)内に圧入されたリップ(16)の弾性復元力により凹溝(31)内壁への圧着と、前記スリット(36)に挿通されたリップ(16)の爪先とスリット(36)の裏側縁辺との係止の双方によってドアトリム(30)に取付けるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載のドアウェザーストリップの取付構造において、前記上側取付基部(12)は、前記ドアトリム(30)に形成された凹溝(31)に差し込まれる柱部(41)と、該柱部(41)の先端の上下に設けられ、前記凹溝(31)内壁に弾接する上側リップ片(42)及び下側リップ片(43)とからなり、前記柱部(41)を硬質部材で形成するとともに、前記上側リップ片(42)及び下側リップ片(43)を軟質部材で形成したことを特徴とする。
【0013】
また請求項6に記載の発明は、請求項3又は4に記載のドアウェザーストリップ及びその取付構造において、前記取付基部(12)の先端に形成されたリップ部は、前記ドアトリム(30)の凹溝(31)に差し込まれ前記取付基部(12)を形成する柱部(41)の先端の上下に設けられ、前記凹溝(31)内壁に弾接する上側リップ片(42)及び下側リップ片(43)からなり、前記柱部(41)を硬質部材で形成するとともに、前記上側リップ片(42)及び下側リップ片(43)を軟質部材で形成したことを特徴とする。
【0014】
なお、括弧内の記号は図面および後述する発明の実施の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【0015】
本発明によれば、ドアウェザーストリップは、ドアトリムに相対向して取付けられるものであり、しかも取付基部は、ドアトリムに形成された凹溝に圧入される上側取付基部と、脚部に係合する下側取付基部を有するので、ドアウェザーストリップは少なくとも上下の2箇所でドアトリムに取付けられる部位を有する。よって、ドアトリムの凹溝を形成する付根部の肉厚を従来例で示したように特に大きくしたり、補強リブを立設する必要はない。したがって、ドアトリムの凹溝を形成する付根部の肉厚を小さくしたり、補強リブの廃止、あるいはこれに加えて、凹溝の深さを浅くするなどして高い設計及びデザインの自由度が得られる。
【0016】
また、脚部に形成した凹部に下側取付基部に形成された突条部を係合させることにより、より係合が完全となる。さらに、突条部の付け根からはヒレ片が突出形成されているので、取付時、フランジがドアトリムの脚部と突条部との間に誤って入ることが防止される。
【0017】
特に、ドアトリムがフロント側に向けて徐々に高くなる部位を有する場合には、上側取付基部が差込まれるスリットを形成した壁面を車外側前面に一体成形するだけでドアウェザーストリップの保持は十分であるので、従来例で示したように、所定の深さを有する凹溝に相当する溝を徐々に高くなる部位に設ける必要はなくなる。
したがって、構造が簡単になるとともに蓋部材のようにドアトリムとは別部品を必要としない。
【0018】
また、ドアトリムに対するドアウェザーストリップの取付けを、上側取付基部および下側取付基部のうち一方を先に取付け、その一方を支点として他方側をドアトリム側に回転させて他方の取付けを行うようにするので、余分な力がかからず小さい力でも簡単に取付けを行うことができる。
【0019】
さらに、前記上側取付基部には、前記ドアトリムに形成された凹溝の内壁に弾接するリップが形成されているので、リップの弾性力によって溝幅のバラツキを吸収することができる。
【0020】
また、ドアトリムに形成された凹溝に差し込まれる取付基部の部位は、柱部と、柱部先端の上下に設けた上側リップ片及び下側リップ片とからなり、柱部を硬質部材で形成するとともに、上側リップ片及び下側リップ片を軟質部材で形成したので、凹溝への差し込み時に先端が転ぶといった問題は発生しない。よって、挿入作業が容易になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造について説明する。図1は本発明に係るドアウェザーストリップの取付構造に使用されるドアトリム30を示し、図2及び図3は、図1に示すドアトリムに本発明に係るドアウェザーストリップが取付けられた状態を示すD−D線拡大断面図及びE−E線拡大断面図である。また、図4及び図5は、図2に示すドアウェザーストリップの取付工程を示すD−D線拡大断面図である。
【0022】
本発明に係るドアウェザーストリップの取付構造は、図16で示したような自動車のドア内側にその上縁がベルトラインBLに沿って設けられたドアトリム30に、そのドアトリム30に直接、相対向して車外側から取付けられるドアウェザーストリップ10からなる。
【0023】
ドアトリム30は、図1に示すように、インストゥルメンタルパネル(図示しない)に合わせてデザイン上、フロント側に向けて徐々に高くなる部位Xを有している。また、ドアトリム30の上部には、車外側に向けて開口する凹溝31が形成されるとともに、凹溝31の下側には、下側にさらに延びる脚部32が、ドアトリム30の延びる長手方向に所定間隔をおいて断続的(図面上3個)に設けられている。そして、脚部32の下部には、下向きに開口した凹部33が形成されている。凹部33を形成する脚部32の車外側の突出部34先端には面取りが施されていて、後述する突条部18と凹部33との係合を容易にするようにしてある。なお、脚部32をドアトリム30の長手方向に沿って一連に設けるようにしてもよい。
また、フロント側に向けて徐々に高くなる部位Xは、図3に示すように、その部位Xの車外側前面には、壁面35が一体成形により垂設されている。そして、その壁面35の下部には、凹溝31と略同一の幅でかつ略同一の高さにスリット36が形成されている。なお、スリット36を凹溝31に対して連設させることもできる。
【0024】
一方、ドアウェザーストリップ10は、図2に示すように、板状の本体部11と、本体部11の上部からドアトリム30側(車内側)に突出形成された上側取付基部12と、本体部11の下部から同じくドアトリム30側に突出形成された下側取付基部13と、本体部11から車外側に突出形成され、昇降するドアガラスGに摺接する上下のシール部14,15とを備えている。なお、シール部14,15の形状や数には限定されるものではなく、また本体部11は、上側,下側取付基部12,13とシール部14,15とを連結するものであればよい。
【0025】
上側取付基部12は、本体部11の上部から断面略直線状に突出形成されたものであり、特に限定されるものではないが、その先端部には、取付時、ドアトリム30に形成された凹溝31内に圧力されその内壁に弾性復元力による弾接にて圧着するリップ16が形成されていて、凹溝31の溝幅のバラツキを吸収して保持力を出すようにされている。また、上側取付基部12に対して略垂直方向に、本体部11の上部からドアトリム30の上部を覆う覆いリップ17が形成されている。
【0026】
また下側取付基部13は、断面略L字状に本体部11の下部から断面略直線状でしかも先端に上向きの突条部18が形成されたものであり、取付時、突条部18が脚部32に形成された凹部33に係合するようになっている。また、本体部11に対する下側取付基部13の断面略直線状の部位の付け根には、断面略直線状の部位を折曲げ易くして突条部18の係合をより確実に行わせるためにノッチ19が形成されている。さらに、本体部11に対する下側取付基部13の突条部18の付け根からはヒレ片20が突出形成され、取付時、図4に示すように、フランジFがドアトリム30の脚部32と突条部18との間に誤って入ることを防止している。
【0027】
ドアトリム30にドアウェザーストリップ10を取付けるには、ドアトリム30にドアウェザーストリップ10を相対向させ、図4に示すように、上側取付基部12をドアトリム30に形成された凹溝31に圧入し、圧入した上側取付基部12を支点として他方側となる下側取付基部13側をドアトリム30側に回転させて下側取付基部13に形成された突条部18を脚部32に形成された凹部33に係合させることによって行う。
また、図5に示すように、逆に下側取付基部13に形成された突条部18を脚部32に形成された凹部33に係合させた後、その突条部18を支点として上側取付基部12側をドアトリム30側に回転させて上側取付基部12をドアトリム30に形成された凹溝31に圧入するようにしてもよい。また、図5に示すような方法のみで取付ける場合には、ノッチ19を設定せず、また突条部18の面取りをしない方が組付けやすく、係合がより完全となる。
さらに、上側取付基部12と下側取付基部13とをその弾性力を利用して同時にドアトリム30に取付けることもできるが、図4,あるいは図5に示すように、一方を取付け、他方を回転力を利用して取付けた方が取付けを一層簡単に行うことができる。
【0028】
また、ドアトリム30のフロント側に向けて徐々に高くなる部位Xに対しては、図3で示すように、壁面35に形成されたスリット36にドアウェザーストリップ10の上側取付基部12を差込み、リップ16を強制的にスリット36に挿通し、リップ16の爪先とスリット36の裏側縁辺との係止の双方により取付けが行われる。かかる場合、下側取付基部13は、特に支持されなくてもドアウェザーストリップ10は十分保持される。
これによれば、ドアトリム30のフロント側に向けて徐々に高くなる部位Xにドアウェザーストリップの取付基部差込用の溝を設ける必要はなく、スリット36だけでよいので、構造が簡単になり壁面35をドアトリム30に一体成形することができる。
【0029】
このように、ドアウェザーストリップ10は上側取付基部12及び下側取付基部13の2箇所によってドアトリム30に保持固定されるところが生じるので、ドアトリム30の凹溝31を形成する付根部31aの肉厚を特に大きくする必要はなくなる。
よって、例えば、図6に示すように、ドアトリム30の凹溝31を形成する付根部31aの肉厚を小さくしたり、あるいはこれに加えて、凹溝31の深さ(奥行き)を短くすることもできる。
【0030】
また、図7に示すように、ドアトリム30の脚部32の凹部33を構成する車内側部分32aを、一連的でなく断続的に設けてドアトリム30の材料費を低減してもよいし、さらに、図示は省略するが、ドアトリム30の脚部32の凹部33を構成する車内側部分32aと、ドアウェザーストリップ10の下側取付基部13のヒレ片20を全く設けずに、その代りに突条部18を少し大きめに設定してもよい。
【0031】
なお、本発明の実施形態では、ドアトリム30のフロント側に徐々に高くなる部位Xを設けたが、このような部位Xを有しない、例えば、水平のドアトリムに対しても適用することができる。
【0032】
(第2実施形態)
図8乃至図14を参照して、本発明の第2実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造について説明する。図8はドアトリム30に本発明に係るドアウェザーストリップが取付けられた状態を示すもので、図1のD−D線拡大断面図に相当するものである。また、図9は本発明の第2実施形態に係るドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図であり、図10は本発明の第2実施形態に係る別のドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図であり、さらに図13は本発明の第2実施形態に係るさらに別のドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図である。なお、上述した第1実施形態と同じ部分には同一符号を付し、その説明を省略した。
【0033】
本発明の第2実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造は、第1実施形態とは主に上側取付基部12の構造が異なっている。
すなわち、上側取付基部12は、図8,図9で示すように、ドアトリム30に形成された凹溝31に差し込まれる柱部41と、柱部41の先端の上下に設けられた上側リップ片42及び下側リップ片43とからなり、しかも柱部41は例えばソリッド製のゴム材又は合成樹脂材等からなる硬質部材で形成されるとともに、上側リップ片42及び下側リップ片43は例えばスポンジ製のゴム材又は合成樹脂材等からなる軟質部材で形成されている。なお、第2実施形態では覆いリップ44を上側リップ片42及び下側リップ片43と同様に軟質部材で形成し、その他の部分となる本体部11,下側取付基部13,上下のシール部14,15を硬質部材で形成するようにしたが、少なくとも柱部41が硬質部材で、上側リップ片42及び下側リップ片43が軟質部材から形成されていればよい。
上側リップ片42及び下側リップ片43は柱部41の先端から付け根部にかけて湾曲していて、ドアトリム30への取付時にさらに湾曲して、第1実施形態のリップ16と同様に凹溝31の内壁に弾接するようになっている。なお、ここでは下側リップ片43の先端を上側リップ片42の先端よりも若干長くしたがこれに限定されるものではない。
【0034】
これによれば、ドアトリム30の凹溝31に差し込まれる、上側取付基部12の先端48がリップも含めてその全体が、比較例としてあげた図11,図12のように、軟質部材で形成されたものと比べて、ドアウェザーストリップの上側取付基部12の先端の断面形状を製造する上で、口金構造がやや複雑になるといった問題はあるものの、先端には硬質部材からなる柱部41が存在するため凹溝31への差し込み時に先端が転ぶといった問題は発生しない。
つまり、図11で示した先端全体が軟質部材で形成されたものは、図12(a)で示すように、先端が転ばずに凹溝31へ差し込まれればよいが、図12(b)で示すように、軟質部材の根元部分が折れ、先端が矢印で示す方向(この逆方向の場合も起こりえる)に転びやすく、その結果、挿入作業性が悪くなるという問題があるが、図8,図9で示した第2実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造では、このような問題はない。
【0035】
また、下側取付基部13又は本体部11の、ドアトリム30との当接部に凸状部又はスポンジ状突起45を設けて、ドアガラスGの昇降時や自動車走行時等に発生するきしみ音を防止するようにしてもよい。
【0036】
また、第2実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造の変形例として、柱部41に上下にそれぞれ別々に設けていた上側リップ片42と下側リップ片43を、図10に示すように、柱部41先端を覆うように部分的に連結するようにしてもよい。
つまり、凹溝31への差し込み時に先端が転ばない範囲で、上側リップ片42の前側と、下側リップ片43の前側とを柱部41の先端よりも前側で連結したものである。これによれば、ドアウェザーストリップの上側取付基部12の先端の断面形状を製造する上で、口金構造が、図9の場合よりも簡単な構造になる。
【0037】
さらに、本発明の第2実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造の変形例として、図13に示すように、覆いリップ44のドアトリム30側に摺動材49あるいは硬質材を設定するようにしてもよい。
つまり、ドアトリム30の凹溝31にドアウェザーストリップの上側取付基部12を圧入する際に、図14に示すように、覆いリップ44がめくれ込む場合があるが、覆いリップ44に摺動材49あるいは硬質材を設けることにより、このような覆いリップ44のめくれ込みを防止することができる。
【0038】
(第3実施形態)
図15を参照して、本発明の第3実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造について説明する。図15は本発明の第3実施形態に係るドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図である。なお、上述した第1実施形態と同じ部分には同一符号を付し、その説明を省略した。
【0039】
本発明の第3実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造は、第1実施形態の下側取付基部13の形状を限定したものである。
すなわち、図15で示すように、断面における本体部11の下部の肉厚Sと下側取付基部13の肉厚Tを1.5mm以上にし、さらに、本体部11に対する下側取付基部13の付け根部Pに第1実施形態で述べたノッチ19を設けることにかえて、R形状にしたものである。
【0040】
通常、本体部11の肉厚Tを薄く設定して軽量化を図ることが考えられるが、曲げ弾性率1,000Mpa以下のTPE(熱可塑性エラストマー)材では、その肉厚Tを1.5mm未満にすると剛性が弱くなり、突条部18を凹部33に係合させるとドアウェザーストリップが変形し、突条部18が凹部33から抜けるという問題が発生する。そのため、薄くて剛性をもたせるために、材料自体に例えばガラスファイバーを埋設することが考えられるが、車両のザデイン上、ドアトリム30に曲率がかかるとわずかでも追従し難くなる。
【0041】
しかしながら、本発明の第3実施形態に係るドアウェザーストリップの取付構造では、断面における本体部11の下部の肉厚Sと下側取付基部13の肉厚Tを1.5mm以上にするので、その部分の剛性が向上する。その結果、突条部18を脚部32に形成された凹部33に係合させたときのドアウェザーストリップの変形を抑制することができる。また、下側取付基部13の付け根部Pの内側をR形状にすることでさらに変形を抑制することができる。
そして、これらの構造をとることにより、曲げ弾性率1,000Mpa以下のTPE(熱可塑性エラストマー)材を使用しても、デザインの曲率に追従しやすく、突条部18が変形して凹部33から抜け難いドアウェザーストリップを得ることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、ドアウェザーストリップは、ドアトリムに相対向して取付けられるので、横スライド方式のものと比較して取付けが簡単である。しかも、芯金や取付け用のボルトやフックを必要としないためその分、コストの低廉を図ることができる。
しかもドアウェザーストリップは、ドアトリムに形成された凹溝に圧入される上側取付基部と、脚部に係合する下側取付基部との2箇所でドアトリムに取付けられる部位を有するので、ドアトリムの凹溝を形成する付根部の肉厚を従来例で示したように特に大きくする必要はない。したがって、ドアトリムの凹溝を形成する付根部の肉厚を小さくしたり、あるいはこれに加えて、凹溝の深さを浅くするなど高い自由度が得られる。
【0043】
また、脚部に形成した凹部に下側取付基部に形成された突条部を係合させることにより、より係合が完全となる。さらに、突条部の付け根からはヒレ片が突出形成されているので、取付時、フランジがドアトリムの脚部と突条部との間に誤って入ることが防止される。
【0044】
特に、ドアトリムがフロント側に向けて徐々に高くなる部位を有する場合には、上側取付基部が差込まれるスリットを形成した壁面を車外側前面に一体成形するだけでドアウェザーストリップの保持は十分であるので、従来例で示したように、所定の深さを有する凹溝に相当する溝を徐々に高くなる部位に設ける必要はなくなる。
したがって、構造が簡単になるとともに蓋部材のようにドアトリムとは別部品を必要としない。
【0045】
また、ドアトリムに対するドアウェザーストリップの取付けを、上側取付基部および下側取付基部のうち一方を先に取付け、その一方を支点として他方側をドアトリム側に回転させて他方の取付けを行うようにするので、余分な力がかからず小さい力でも簡単に取付けを行うことができる。
【0046】
さらに、前記上側取付基部には、前記ドアトリムに形成された凹溝の内壁に弾接するリップが形成されているので、リップの弾性力によって溝幅のバラツキを吸収することができる。
【0047】
また、ドアトリムに形成された凹溝に差し込まれる取付基部の部位は、柱部と、柱部先端の上下に設けた上側リップ片及び下側リップ片とからなり、柱部を硬質部材で形成するとともに、上側リップ片及び下側リップ片を軟質部材で形成したので、凹溝への差し込み時に先端が転ぶといった問題は発生しない。よって、挿入作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドアウェザーストリップの取付構造に使用されるドアトリムを示す正面図である。
【図2】図1に示すドアトリムに本発明の第1実施形態に係るドアウェザーストリップが取付けられた状態を示すD−D線拡大断面図である。
【図3】図1に示すドアトリムに本発明に係るドアウェザーストリップが取付けられた状態を示すE−E線拡大断面図である。
【図4】図2に示すドアウェザーストリップの取付工程を示すD−D線拡大断面図である。
【図5】図2に示すドアウェザーストリップの取付工程を示すD−D線拡大断面図である。
【図6】本発明に係る別のドアウェザーストリップの取付構造を示すD−D線拡大断面図である。
【図7】本発明に係るさらに別のドアウェザーストリップの取付構造を示すD−D線拡大断面図である。
【図8】図1に示すドアトリムに本発明の第2実施形態に係るドアウェザーストリップが取付けられた状態を示すD−D線拡大断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る別のドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図である。
【図11】上側取付基部の先端全体が軟質材料で形成されたドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図である。
【図12】図11に示す上側取付基部が凹溝に取付けられた状態を示す断面図であり、(a)は正規の状態を示し、(b)は先端が転んだ状態を示す。
【図13】本発明の第2実施形態に係るさらに別のドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図である。
【図14】図8に示す覆いリップがめくれ込む状態を示す拡大断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係るドアウェザーストリップの要部を示す拡大断面図である。
【図16】自動車の外観を示す側面図である。
【図17】従来例に係るドアウェザーストリップの取付構造を示す図16のA−A線拡大断面図である。
【図18】図17に示すドアウェザーストリップにかわる別のドアウェザーストリップを示す斜視図である。
【図19】別の従来例に係るドアウェザーストリップの取付構造に使用されるドアトリムを示す正面図である。
【図20】図19に示すドアトリムに別の従来例に係るドアウェザーストリップが取付けられた状態を示すB−B線拡大断面図である。
【図21】図19に示すドアトリムに別の従来例に係るドアウェザーストリップが取付けられた状態を示すC−C線拡大断面図である。
【符号の説明】
1,6 ドアウェザーストリップ
2,7 ドアトリム
3 ボルト
4 フック
5 芯金
6a 取付基部
7a 凹溝
7b 付根部
8 蓋部材
9 脚部
10 ドアウェザーストリップ
11 本体部
12 上側取付基部
13 下側取付基部
14,15 シール部
16 リップ
17 覆いリップ
18 突条部
19 ノッチ
20 ヒレ片
30 ドアトリム
31 凹溝
31a 付根部
32 脚部
32a 車内側部分
33 凹部
34 突出部
35 壁面
36 スリット
41 柱部
42 上側リップ片
43 下側リップ片
44 覆いリップ
45 スポンジ状突起
48 上側取付基部の先端
49 摺動材
F フランジ
G ドアガラス
P 下側取付基部の付け根部
S 本体部の下部の肉厚
T 下側取付基部の肉厚
X 徐々に高くなる部位
BL ベルトライン

Claims (6)

  1. 自動車のドア内側にベルトラインに沿って設けられたドアトリムに、該ドアトリムに相対向して車外側から取付けられる取付基部と、ドアガラスに摺接するシール部と、前記取付基部とシール部とを連結する本体部と、を少なくとも備えるドアウェザーストリップの取付構造であって、
    前記ドアトリムの上部には、車外側に向けて開口する凹溝が形成されるとともに、該凹溝の下側には、下側に延びる脚部が、ドアトリムの延びる長手方向に一連的又は断続的に設けられ、前記脚部の下部に凹部を形成し、
    前記取付基部は、前記ドアトリムに形成された凹溝に圧入される上側取付基部と、前記脚部に形成された凹部に係合する上向きの突条部が形成された下側取付基部とを有し、前記突条部の付け根からはヒレ片が突出形成されたことを特徴とするドアウェザーストリップの取付構造。
  2. 前記ドアウェザーストリップの取付けは、前記上側取付基部および下側取付基部のうち一方を前記ドアトリムに取付け、その一方を支点として他方側をドアトリム側に回転させて他方の取付けを行うことを特徴とする請求項1に記載のドアウェザーストリップの取付構造。
  3. 上縁が自動車のベルトラインに沿ったドアトリムの上部に形成してある被取付部に取付可能な取付基部と、ドアガラスと摺接するシール部とを備えたドアウェザーストリップを前記取付基部をもって車外側から取付けるようにしたドアウェザーストリップの取付構造であって、
    前記ドアウェザーストリップの取付基部の先端を、係止する断面形状のリップ部に形成する一方、ドアトリムの上部の被取付部は、前記リップ部が圧入される凹溝と、リップ部を強制的に挿通可能なスリットの双方よりなるものとして、前記凹溝内に圧入されたリップ部の弾性復元力により凹溝内壁への圧着と、前記スリットに挿通されたリップ部の爪先とスリットの裏側縁辺との係止の双方によってドアウェザーストリップをドアトリムに取付けるようにしたことを特徴とするドアウェザーストリップの取付構造。
  4. 上縁が自動車のベルトラインに沿ったドアトリムの上部に形成してある被取付部に取付可能な取付基部と、ドアガラスと摺接するシール部とを備え、前記取付基部をもって車外側から取付けるようにしたドアウェザーストリップであって、
    前記取付基部の先端を、係止する断面形状のリップ部に形成する一方、ドアトリムの上部の被取付部は、前記リップ部が圧入される凹溝と、リップ部を強制的に挿通可能なスリットの双方よりなるものとして、前記凹溝内に圧入されたリップ部の弾性復元力により凹溝内壁への圧着と、前記スリットに挿通されたリップ部の爪先とスリットの裏側縁辺との係止の双方によってドアトリムに取付けるようにしたことを特徴とするドアウェザーストリップ。
  5. 前記上側取付基部は、前記ドアトリムに形成された凹溝に差し込まれる柱部と、該柱部の先端の上下に設けられ、前記凹溝内壁に弾接する上側リップ片及び下側リップ片とからなり、前記柱部を硬質部材で形成するとともに、前記上側リップ片及び下側リップ片を軟質部材で形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のドアウェザーストリップの取付構造。
  6. 前記取付基部の先端に形成されたリップ部は、前記ドアトリムの凹溝に差し込まれ前記取付基部を形成する柱部の先端の上下に設けられ、前記凹溝内壁に弾接する上側リップ片及び下側リップ片からなり、前記柱部を硬質部材で形成するとともに、前記上側リップ片及び下側リップ片を軟質部材で形成したことを特徴とする請求項3又は4に記載のドアウェザーストリップ及びその取付構造。
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