JP3906529B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調空気の通路を内気側の第1空気通路と外気側の第2空気通路とに区画形成することにより、フット吹出口からは暖められた高温内気を再循環して吹き出し、一方、デフロスタ吹出口からは低湿度の外気を吹き出すようにして、暖房能力の向上と窓ガラスの防曇性との両立を図った車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような車両用空調装置の従来技術として、特開平5−124426号公報に開示されたものがある。この従来技術の概要を説明すると、車両用空調装置の空調ケースは、その一端側に内気吸入口および外気吸入口が形成され、他端側にフット吹出口、デフロスタ吹出口、およびフェイス吹出口がそれぞれ形成されている。
【0003】
そして、この空調ケース内に、上記内気吸入口から上記フェイス吹出口およびフット吹出口にかけての第1空気通路と、上記外気吸入口から上記デフロスタ吹出口にかけての第2空気通路とを区画形成する仕切り板が設けられている。
さらに、上記両空気通路内には、暖房用熱交換器、この暖房用熱交換器をバイパスするバイパス通路、およびエアミックスドアがそれぞれ設けられた構成となっている。なお、上記エアミックスドアは、上記両空気通路にわたって回転可能に設けられた1本の回転軸に、第1空気通路側のドアと第2空気通路側のドアとがそれぞれ一体的に設けられた構成となっている。
【0004】
そして、吹出モードとしてフェイスモード、バイレベルモード、およびフットモードのいずれかが選択されたときは、そのときの内外気モードが内気循環モードであれば、上記両空気通路内に内気を導入し、外気導入モードであれば、上記両空気通路内に外気を導入する。また、吹出モードとしてデフロスタモードが選択されたときは、上記両空気通路内に外気を導入する。
【0005】
さらに、吹出モードとしてフットデフロスタモードが選択されたときは、第1空気通路内に内気を導入し、第2空気通路内に外気を導入する2層流モードとする。こうすることによって、既に温められている内気をフット吹出口から吹き出して車室内を暖房できるので、暖房性能が向上できる。これと同時に、デフロスタ吹出口からは低湿度の外気を窓ガラスへ吹き出すので、窓ガラスの防曇性能を確保できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車両用空調装置においては、車両搭載上のスペース的制約、コスト的制約等から、車室内搭載の空調ユニットの小型化、構成の簡素化が大きな課題となっている。しかるに、上記従来技術では、通常の空調ユニットの構成要素の他に、第1空気通路と第2空気通路とを仕切る仕切り板を追加設置する必要が生じ、このために構成の煩雑化を招き、コストアップをきたすとともに、仕切り板とドア類の干渉を避けるために体格がどうしても大型化してしまう。
【0007】
そこで、本発明は上記点に鑑みて、内気と外気とを仕切って空調ケース内を流すことができる内外気2層モードを設定できる車両空調装置において、空調ユニットの小型化および構成の簡素化を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、内外気2層モードを設定するのは、最大暖房時(最大暖房近傍の高暖房能力時を含む)であるという点に着目して、最大暖房時に温風をフット開口部側に直接バイパスするための温風バイパスドア自身を空気通路の可動仕切り部材として兼務させることにより、上記目的を達成しようとするものである。
【0009】
すなわち、請求項1記載の発明では、フット開口部(29、33)とデフロスタ開口部(25)の両方を同時に開口する吹出モードにおいて、少なくとも、最大暖房状態が設定されたときには、空調空気の通路を、内気が流れる第1空気通路(8)と外気が流れる第2空気通路(9)とに区画形成して、第1空気通路(8)をフット開口部(29、33)に連通させるとともに、第2空気通路(9)をデフロスタ開口部(25)に連通させる車両用空調装置であって、
暖房用熱交換器(13)を通過した温風をフット開口部(29、33)およびデフロスタ開口部(25)側に導く第1の温風通路(19a)と、
暖房用熱交換器(13)を通過した温風を、第1の温風通路(19a)から分岐してフット開口部(29、33)に直接導く第2の温風通路(30)と、
この第2の温風通路(30)の入口部(21)を開閉する温風バイパスドア(22)とを備え、
第1空気通路(8)と第2空気通路(9)とを区画形成する2層流モード時には、温風バイパスドア(22)が、入口部(21)を開放するとともに、暖房用熱交換器(13)直後の第1の温風通路(19a)を第1空気通路(8)と第2空気通路(9)とに区画形成して暖房用熱交換器(13)を通過した外気が第2空気通路(9)となる第1の温風通路(19a)を通過してフット開口部(29、33)およびデフロスタ開口部(25)側に導かれる一方で暖房用熱交換器(13)を通過した内気が第1空気通路(8)となる第1の温風通路(19a)を経由して第2の温風通路(30)を通過してフット開口部(29、33)に直接導かれる位置に操作されるようにしたことを特徴としている。
【0010】
これにより、温風バイパスドア(22)自身に内外気の可動仕切り部材としての役割を兼務させることができるので、固定仕切り部材の設置領域を減少でき、空調ユニットの小型化および構成の簡素化を図ることができる。
特に、請求項2記載の発明は、第1空気通路(8)および第2空気通路(9)の入口部に設けられた内気導入口(2、2a)および外気導入口(3)を切替開閉する内外気切替ドア(4、5)と、温風バイパスドア(22)との切替順序を規定するものであって、
第1空気通路(8)および第2空気通路(9)の双方に外気を導入する全外気モードから、第1空気通路(8)に内気を、第2空気通路(9)に外気をそれぞれ導入する2層流モードに切り替えるときは、温風バイパスドア(22)をさきに2層流モード時の操作位置に移動させ、その後に、内外気切替ドア(4、5)を2層流モード時の操作位置に移動させ、
そして、2層流モードから全外気モードに切り替えるときは、内外気切替ドア(4、5)を先に外気モード時の操作位置に移動させ、その後に、温風バイパスドア(22)を入口部(21)を閉塞する通常位置に移動させることを特徴としている。
【0011】
これによると、上記全外気モードと2層流モード間の切替過程において、内外気が一時的に混合してデフロスタ開口部(25)側に流入するという現象を確実に回避でき、窓ガラスの曇り発生を確実に防止できる。
請求項3記載の発明のように、請求項2に記載の車両用空調装置において、内外気切替ドア(4、5)を駆動するアクチュエータ(53)と、
温風バイパスドア(22)を駆動するアクチュエータ(54)と、
温度調整手段(17、18)を制御するための温度制御演算値(SW)を算出する算出手段(58)と、
温度制御演算値(SW)に基づいて前記両アクチュエータ(53、54)の駆動を制御する制御手段(59、60)とを備えるようにしてもよい。
また、請求項4記載の発明では、フット開口部(29、33)を開閉するフット用ドア手段(31、310)を有し、温風バイパスドア(22)が入口部(21)を閉塞している通常モードから、温風バイパスドア(22)が入口部(21)を開放する2層流モードに移行するに伴って、フット用ドア手段(31、310)をフット開口部(29、33)の開度を減少する位置に操作することを特徴としている。
【0012】
ところで、フット開口部(29、33)とデフロスタ開口部(25)の両方を同時に開口する吹出モードにおいて、2層流モードと通常モードとの間の切替のために、温風バイパスドア(22)が入口部(21)を開閉すると、フット開口部(29、33)側通路の圧損が大幅に変動して、フット開口部(29、33)とデフロスタ開口部(25)からの吹出風量割合が大きく変化してしまう。
【0013】
そこで、請求項4記載の発明では、通常モードから2層流モードに移行する際に、これに伴って、フット用ドア手段(31、310)をフット開口部(29、33)の開度を減少する位置に操作することにより、温風バイパスドア(22)の開動作によるフット開口部(29、33)側通路の圧損低減を相殺することができ、2層流モードと通常モードとの切替があっても、フット開口部(29、33)からの吹出風量とデフロスタ開口部(25)からの吹出風量との割合の変化を効果的に抑制できる。
【0014】
請求項6記載の発明のように、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、暖房用熱交換器(13)をバイパスして空調空気を流す冷風バイパス通路(16)と、
この冷風バイパス通路(16)からの冷風と前記第1の温風通路(19a)からの温風とを混合させる冷温風混合空間(20)とを備え、
温度調整手段を、暖房用熱交換器(13)を通過する風量と冷風バイパス通路(16)を通過する風量との風量割合を調節するエアミックスドア(17、18)で構成してもよい。
また、請求項7記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、フット開口部として、第2の温風通路(30)により相互に連通する前席用フット開口部(29)および後席用フット開口部(33)を備え、第2の温風通路(30)の入口部(21)を暖房用熱交換器(13)の空気下流側の面に対向するように配置し、後席用フット開口部(33)を入口部(21)の直後の位置に配置したことを特徴としている。
【0015】
これにより、2層流モード時に第2の温風通路(30)を通して、暖房用熱交換器(13)直後の温風を積極的に前席用フット開口部(29)に導入でき、前席用フット開口部(29)からの温風吹出量を増加でき、暖房効果を向上できるとともに、2層流モード時以外の通常の暖房時(入口部(21)をドア(22)が閉塞しているとき)には第2の温風通路(30)を、逆に前席用フット開口部(29)側から後席用フット開口部(33)に温風を導くための後席用温風通路として作用させることができる。
【0016】
つまり、後席用フット開口部(33)を有するものにおいて、1つの共通の温風通路(30)を2層流モード時にも、それ以外の通常の暖房時にも有効活用でき、構成の一層の簡潔化を図ることができる。
特に、請求項5記載の発明では、2層流モード時には、温風バイパスドア(22)の先端部が第2空気通路(9)の領域に所定量だけシフトするように、温風バイパスドア(22)の停止位置を設定することを特徴としている。
【0017】
このように、2層流モード時に温風バイパスドア(22)の先端部が第2空気通路(9)の領域に所定量だけシフトしていることにより、温風バイパスドア(22)の先端部の隙間から第2空気通路(9)の外気が第1空気通路(8)側に流入するようになる。従って、第1空気通路(8)の内気が第2空気通路(9)側、ひいてはデフロスタ吹出空気に洩れ侵入するのを抑制でき、車両窓ガラスの防曇性の悪化を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜2は本発明の第1実施形態を示すものであり、本第1実施形態は、ディーゼルエンジンを搭載する車両、電気自動車、ハイブリッド車等のように、暖房用として十分な熱源の確保が困難な車両における空調装置に適用されるものである。
【0019】
図1は本第1実施形態における空調装置通風系の全体構成を示す概要図で、図2はその中の空調ユニット部の縦断面図である。
図1において、空調装置通風系は、大別して、送風機ユニット1と空調ユニット100の2つの部分に分かれている。最初に、送風機ユニット1部を説明すると、送風機ユニット1部は車室内の計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されており、そして、送風機ユニット1には内気(車室内空気)を導入する第1、第2内気導入口2、2aと、外気(車室外空気)を導入する外気導入口3が備えられている。これらの導入口2、2a、3はそれぞれ第1、第2の内外気切替ドア4、5によって開閉可能になっている。
【0020】
この両内外気切替ドア4、5は、それぞれ回転軸4a、5aを中心として回動操作されるものであって、図示しないリンク機構およびサーボモータのようなアクチュエータによって、空調装置の内外気導入モード制御信号に応じて連動操作される。
そして、上記導入口2、2a、3からの導入空気を送風する第1(内気側)ファン6および第2(外気側)ファン7が、送風機ユニット1内に配置されている。この両ファン6、7は周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)からなるものであって、図示しない1つの共通の電動モータにて同時に回転駆動される。
【0021】
図1は後述する2層流モードの状態を示しており、第1内外気切替ドア4は第1内気導入口2を開放して外気導入口3からの外気通路3aを閉塞しているので、第1(内気側)ファン6の吸入口6aに内気が吸入され、一方、第2内外気切替ドア5は第2内気導入口2aを閉塞して外気導入口3からの外気通路3bを開放しているので、第2(外気側)ファン7の吸入口7aに外気が吸入される。
【0022】
従って、この状態では、第1ファン6は、内気導入口2からの内気を第1(内気側)通路8に送風し、第2ファン7は、外気導入口3からの外気を第2(外気側)通路9に送風するようになっており、第1、第2通路8、9は、第1ファン4と第2ファン5との間に配置された仕切り板10により仕切られている。この仕切り板10は、両ファン6、7を収納する樹脂製のスクロールケーシング10aに一体成形できる。
【0023】
また、本実施形態では、2層流モードにおいて、暖房能力の向上と窓ガラスの防曇性の確保とを両立させるために、2層流モード時に第1ファン6の送風する内気量よりも第2ファン7の送風する外気量の方が大きくなるように設定してある。
すなわち、2層流モード時における、第1通路8側の通風抵抗(圧損)と第2通路9側の通風抵抗(圧損)とを考慮して、第1ファン6の送風する内気量よりも第2ファン7の送風する外気量の方が大きくなるように、第1ファン6の送風能力および第2ファン7の送風能力が設定されている。
【0024】
具体的は、第1通路8側の通路断面積よりも第2通路9側を大きくして、第1通路8側に比して第2通路9側の通風抵抗(圧損)を小さくしたり、あるいはファン単体の状態における送風能力を第1ファン6よりも第2ファン7を大きくしたり、この通風抵抗と送風能力の大小関係を両方組み合わせて、2層流モード時に内気量よりも外気量の割合の方を大きくする。
【0025】
本発明者らの実験検討によると、2層流モード時における内気量と外気量の割合は具体的には、4.5対5.5程度が上記暖房能力と窓ガラス防曇性の両立のために好ましい。
次に、空調ユニット100部は1つの空調ケース11内に蒸発器(冷房用熱交換器)12とヒータコア(暖房用熱交換器)13とを両方とも一体的に内蔵するタイプのものである。以下、空調ユニット100部の具体的構造を図2により詳述する。
【0026】
空調ケース11はポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなり、図2の上下方向(車両上下方向)に分割面を有する左右2分割のケースからなる。この左右2分割のケースは、上記熱交換器12、13、後述するドア等の機器を収納した後に、金属バネクリップ、ネジ等の締結手段により一体に結合されて、空調ケース11を構成する。
【0027】
空調ユニット100部は、車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されるものであり、そして、空調ケース11の、最も車両前方側の部位には、空気流入口14が配設されており、この空気流入口14には、送風機ユニット1から送風される空調空気が流入する。この空気流入口14は助手席前方の部位に配置される送風機ユニット1の空気出口部に接続するために、空調ケース11のうち、助手席側の側面に開口している。
【0028】
空調ケース11内において、空気流入口14直後の部位に蒸発器12が第1、第2空気通路8、9の全域を横切るように配置されている。この蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して、空調空気を冷却するものである。ここで、蒸発器12は図2に示すように、車両前後方向には薄型で、車両上下方向に長手方向が向く形態で空調ケース11内に設置されている。
【0029】
また、空気流入口14から蒸発器12に至る空気通路は、仕切り板15により車両下方側の第1空気通路8と車両上方側の第2空気通路9とに仕切られている。この仕切り板15は空調ケース11に樹脂にて一体成形され、水平方向に延びる固定仕切り部材である。
そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア13が隣接配置されている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温のエンジン冷却水(温水)が流れ、この冷却水を熱源として空気を加熱するものである。このヒータコア13も蒸発器12と同様に、車両前後方向には薄型で、車両上下方向に長手方向が向く形態で空調ケース11内に設置されている。但し、ヒータコア13は垂直より若干の角度だけ車両前方側へ傾斜して配置されている。
【0030】
また、空調ケース11内で、ヒータコア13の上方部位には、このヒータコア13をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路16が形成されている。
空調ケース11内で、ヒータコア13と蒸発器12との間には、ヒータコア13で加熱される温風とヒータコア13をバイパスする冷風(すなわち、冷風バイパス通路16を流れる冷風)との風量割合を調整する平板状の主エアミックスドア17、および補助エアミックスドア18が配置されている。ここで、この両エアミックスドア17、18は、それぞれ水平方向に配置された回転軸17a、18aと一体に結合されており、この回転軸17a、18aとともに車両上下方向に回動可能になっている。
【0031】
回転軸17a、18aは、空調ケース11に回転自在に支持され、かつ回転軸17a、18aの一端部は空調ケース11の外部に突出して、図示しないリンク機構に結合されている。両エアミックスドア17、18は、このリンク機構およびサーボモータのようなアクチュエータを介して、空調装置の吹出空気温度制御信号に応じて、連動操作されるようになっている。
【0032】
主エアミックスドア17の回転軸17aは補助エアミックスドア18の回転軸18aよりも所定間隔をあけて上方側に配置され、主、補助の両エアミックスドア17、18は、互い干渉しないようにして任意の回動位置に操作可能になっており、最大冷房時には、両エアミックスドア17、18は図2の2点鎖線に示すように互いにラップした位置に回動操作されて、両エアミックスドア17、18が空調ケース11側の突出リブに圧着し、ヒータコア13への空気流入路を全閉する。
【0033】
一方、最大暖房時には、両エアミックスドア17、18は図2の実線位置に回動操作されて、主エアミックスドア17が冷風バイパス通路16の入口穴16aを全閉すると同時に、補助エアミックスドア18の先端部が蒸発器12直後の位置で、かつ仕切り板15の延長線A近傍に位置することにより、補助エアミックスドア18は、蒸発器12とヒータコア13との間の空気通路を第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成する可動仕切り部材として作用する。
【0034】
特に、本例では、補助エアミックスドア18の先端部が仕切り板15の延長線Aよりも第2空気通路9側に所定量シフトするように設定してある。
なお、蒸発器12は周知の積層型のものであって、アルミニュウム等の金属薄板を2枚張り合わせて構成した偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。蒸発器12内部はコルゲートフィンのフィン面または偏平チューブの偏平面によって前記延長線A上で空気通路を仕切ることができ、これにより蒸発器12内部でも第1空気通路8と前記第2空気通路9とを区画形成することができる。
【0035】
そして、空調ケース11内において、ヒータコア13の空気下流側(車両後方側の部位)には、ヒータコア13との間に所定間隔を開けて上下方向に延びる仕切り壁19が空調ケース11に一体成形されており、この仕切り壁19によりヒータコア13の直後から上方に向かう第1温風通路19aが形成されている。この第1温風通路19aの下流側(上方側)はヒータコア13の上方部において冷風バイパス通路16と合流し、冷風と温風の混合を行う冷温風混合空間20を形成している。
【0036】
また、仕切り壁19の下端部には、ヒータコア13の空気下流側の面と対向するようにして、温風バイパス入口部21が開口しており、この温風バイパス入口部21は温風バイパスドア22により開閉される。この温風バイパスドア22は温風バイパス入口部21の上端部に回動自在に配置された回転軸23に連結され、この回転軸23と一体に図2の実線位置と2点鎖線位置との間で回動操作される。本例では、温風バイパスドア22は図示しないリンク機構およびサーボモータのようなアクチュエータを介して、空調装置の吹出空気温度制御信号および吹出モード制御信号に応じて操作されるようになっている。
【0037】
この温風バイパスドア22は、後述のフット吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードにおいて、最大暖房状態が設定されたとき(2層流モード)には、図2の実線位置(ヒータコア13の仕切り線B近傍位置)に操作されてヒータコア13直後の第1温風通路19aを第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成する可動仕切り部材として作用する。2層流モードにおける温風バイパスドア22の停止位置は、補助エアミックスドア18と同様に、ドア22の先端部が仕切り線Bよりも第2空気通路9側に所定量シフトするように設定してある。
【0038】
なお、ヒータコア13は周知のものであって、アルミニュウム等の金属薄板を溶接等により断面偏平状に接合してなる偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。ヒータコア13内部はコルゲートフィンのフィン面または偏平チューブの偏平面によって仕切り線B上で空気通路を仕切ることができ、これにより、ヒータコア13内部でも第1空気通路8と前記第2空気通路9とを区画形成することができる。
【0039】
また、ヒータコア13の空気上流側には、その仕切り線Bと補助エアミックスドア18の回転軸17aとの間を仕切る固定仕切り板24が空調ケース11に一体成形されている。
空調ケース11の上面部において、車両前方側の部位にはデフロスタ開口部25が開口している。このデフロスタ開口部25は冷温風混合空間20から温度制御された空調空気が流入するものであって、図示しないデフロスタダクトおよびデフロスタ吹出口を介して、車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出す。デフロスタ開口部25に至る通路に設けられた入口穴25aはデフロスタドア26により開閉される。このデフロスタドア26は回転軸27により回動自在になっている。
【0040】
空調ケース11の上面部において、デフロスタ開口部25よりも車両後方側(乗員寄り)の部位にはフェイス開口部28が開口している。このフェイス開口部28も冷温風混合空間20から温度制御された空調空気が連通路36を通って流入するものであって、図示しないフェイスダクトを介して計器盤上方部のフェイス吹出口より乗員頭部に向けて風を吹き出す。
【0041】
また、空調ケース11のうち、車両後方側の側面の上部側には、前席用フット開口部29が開口している。この前席用フット開口部29は冷温風混合空間20から温度制御された空調空気が連通路36を通って流入するとともに、最大暖房時には、温風バイパス入口部21の開口により、このバイパス入口部21からの温風が第2温風通路30を通して流入するようになっている。そして、前席用フット開口部29は図示しない前席用フットダクトを介して前席用フット吹出口から前席側の乗員足元に温風を吹き出す。
【0042】
前席用フット開口部29の入口穴29aと、フェイス開口部28との間に、フット・フェイス切替用ドア31が回転軸32により回動自在に設置され、このドア31により前席用フット開口部29の入口穴29aとフェイス開口部28が切替開閉される。
また、空調ケース11のうち、車両後方側(乗員寄り)の側面の下部側には、後席用フット開口部33が温風バイパス入口部21の直後に対向するように開口している。この後席用フット開口部33は、温風バイパス入口部21および第2温風通路30からの温風が流入し、この温風を図示しない後席用フットダクトを介して後席用フット吹出口から後席側の乗員足元に温風を吹き出す。
【0043】
また、温風バイパス入口部21の下端部には、温風を第2温風通路30側に向くように案内する温風ガイド板34が設けられている。
本実施形態では、フット吹出モードにおける2層流モード時には、ヒータコア13の空気下流側では、温風バイパスドア22が実線位置に操作されて、第1、第2空気通路8、9を仕切るが、デフロスタドア26が連通路36を開放することにより、この連通路36を介して第1、第2空気通路8、9が前席用フット開口部29近傍位置にて連通するようにしてある。
【0044】
デフロスタドア26とフット・フェイス切替用ドア31は、吹出モード切替用のドア手段であって、図示しないリンク機構に連結されて、サーボモータのようなアクチュエータにより、空調装置の吹出モード制御信号に応じて、連動操作されるようになっている。
なお、上述した各ドア4、5、17、18、22、26、31は、いずれも単体の状態では同一構造であり、各回転軸4a、5a、17a、18a、23、27、32と一体に結合された樹脂または金属製のドア基板を有し、この基板の表裏両面にウレタンフォームのような弾性シール材を貼着した構造である。
【0045】
また、本実施形態では、フット・フェイス切替用ドア31によりフット用ドア手段を構成している。
次に、上記構成において本第1実施形態の作動を説明すると、車両用空調装置は、周知のように、空調操作パネルに設けられた各種操作部材からの操作信号および空調制御用の各種センサからのセンサ信号が入力される電子制御装置(図示せず)を備えており、この制御装置の出力信号により各ドア4、5、17、18、22、26、31の位置が制御される。
【0046】
図3は、フット吹出モードにおいて、最大暖房状態が設定されて、2層流モードが設定された状態を示しており、図1、2も同じ状態を示している。この状態では、送風機ユニット1において、第1内気導入口2が第1(内気側)ファン6の吸入口6aに連通し、また、外気導入口3が第2(外気側)ファン7の吸入口7aに連通する。従って、この状態では、第1ファン6は、内気導入口2からの内気を第1(内気側)通路8に送風し、第2ファン7は、外気導入口3からの外気を第2(外気側)通路9に送風する。
【0047】
また、空調ユニット100においては、両エアミックスドア17、18は図示の実線位置に回動操作されて、主エアミックスドア17が冷風バイパス通路16の入口穴16aを全閉すると同時に、補助エアミックスドア18の先端部が蒸発器12直後の位置で、かつ仕切り板15の延長線Aよりも第2空気通路9側に所定量シフトするように設定してある。これにより、補助エアミックスドア18は、蒸発器12とヒータコア13との間の空気通路を第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成する可動仕切り部材として作用する。
【0048】
また、温風バイパスドア22は、図示の実線位置に操作されてヒータコア13直後の第1温風通路19aを第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成する可動仕切り部材として作用するとともに、温風バイパス入口部21を開放する。
また、デフロスタドア26は連通路36とデフロスタ開口部25の入口穴25aとの中間位置に操作されて、この両者25a、36をともに開口している。
フット・フェイス切替用ドア31はフェイス開口部28を閉塞し、前席用フット開口部29を開口している。
【0049】
従って、ファン6、7を作動させることより、内気導入口2からの内気と外気導入口3からの外気は、仕切り部材10、15、18、22により仕切られて、第1空気通路8と第2空気通路9とをそれぞれ区分されたまま流れる。この内気と外気はすべてヒータコア13を通過し、最大限加熱される。
内気はヒータコア13で加熱された後に、温風バイパス入口部21を通って第2温風通路30を経由して、前席用、後席用フット開口部29、33に至る。これに対して、外気はヒータコア13で加熱された後に、温風バイパスドア22上方側の第1温風通路19aを経て、冷温風混合空間20に至り、さらに、ここから外気は2つの流れに分岐して、その一方の外気はデフロスタ開口部25に流入し、残余の外気は連通路36を通って前席用フット開口部29に流入する。
【0050】
以上の結果、デフロスタ開口部25には低湿度の外気を加熱した温風が流れて、窓ガラス内面にこの低湿度の温風が吹き出すので、窓ガラスの防曇性を良好に確保できる。しかも、前席用、後席用フット開口部29、33には主に内気を加熱した温度の高い温風を吹き出して、暖房効果を向上させることができる。図2において、矢印Cは内気の流れを示し、矢印Dは外気の流れを示している。
【0051】
このとき、デフロスタ開口部25への吹出風量と、フット開口部29、33への吹出風量の割合は、デフロスタドア26の中間位置への操作により、第2空気通路9側の外気を前席用フット開口部29側へ流入させることにより、フット開口部29、33への吹出風量を80%程度、デフロスタ開口部25への吹出風量を20%程度に設定できる。
【0052】
さらに、上記2層流モードにおいて注目すべきことは、第1空気通路8と第2空気通路9とをヒータコア13下流側にて連通させる連通路36を形成しているにもかかわらず、デフロスタ開口部25側への内気混入を効果的に防止している点である。
すなわち、前述したように、2層流モード時に内気量よりも外気量の割合を大きくしていること(具体的には、4.5対5.5程度の割合に設定)、さらには冷温風混合空間20の位置まで到達した外気の動圧が連通路36の方向に向くようにデフロスタドア26により外気を案内しているとともに、デフロスタ開口部25側の空気通路の通風抵抗に比して、前席用、後席用フット開口部29、33側の通風抵抗が十分小さいため、前席用フット開口部29の部位まて到達した内気の動圧が前席用フット開口部29へ抜けることにより低下してしまい、内気が連通路36を逆流してデフロスタ開口部25側の外気中に混入することはない。
【0053】
また、2層流モード時には、温風バイパスドア22の先端部をヒータコア13内部の仕切り線Bよりも第2空気通路9の領域(外気層領域)に所定量だけシフトするように、温風バイパスドア22の停止位置を設定している。
これにより、温風バイパスドア22の先端部における隙間に、第2空気通路9の外気の動圧が作用して、この隙間に外気が流入しようとする。従って、この隙間を通して第1空気通路8の内気が外気層領域に洩れるのを良好に抑制できる。
【0054】
次に、フット吹出モードにおいて、両エアミックスドア17、18を最大暖房状態から吹出空気温度の制御のために中間開度位置に操作すると、空調ユニット100は図4の通常モードの状態となる。この通常モード状態では、両エアミックスドア17、18が中間開度位置に操作されて、主エアミックスドア17が冷風バイパス通路16を開放するので、この冷風バイパス通路16を通って冷風がヒータコア13をバイパスして直接、冷温風混合空間20に至る。
【0055】
この両エアミックスドア17、18の操作に連動して、温風バイパスドア22が図4の実線位置に操作されて温風バイパス入口部21を閉塞するとともに、ヒータコア13直後の第1温風通路19aに対する仕切り作用を消滅する。
従って、ヒータコア13を通過して加熱された温風はすべて第1温風通路19aを上昇した後に空間20にて冷風バイパス通路16からの冷風と混合して所望の温度となる。この温風は、その大部分は連通路36を通って前席用、後席用フット開口部29、33側に至り、乗員足元に吹き出す。
【0056】
また、空間20の温風の残余はデフロスタ開口部25側に至り、窓ガラス内面に吹き出す。
図4に示す温度制御域におけるフット吹出モードでは、最大暖房能力を必要としていないため、内外気導入モードは、通常、第1、第2の内気導入口2、2aをともに閉塞し、外気導入口3のみを開放する全外気モードに設定する。しかし、乗員の手動操作よる設定にて、外気導入口3を閉塞して、第1、第2の内気導入口2、2aをともに開放する全内気モードとしたり、前述のように内気と外気とを同時に導入する内外気混入モードとすることもできる。
【0057】
また、この温度制御域におけるフット吹出モードでは、温風バイパス入口部21の閉塞により前席用、後席用フット開口部29、33側への吹出風量が減少しようとするので、デフロスタドア26の位置を図4のモードでは図3よりも連通路36の開口面積が大となる位置に変更して、上記吹出風量の減少を防止するようにしている。
【0058】
次に、図5は前席用、後席用フット開口部29、33からの吹出風量と、デフロスタ開口部25からの吹出風量とを略同等とするフットデフロスタ吹出モードにおいて、最大暖房状態が設定されて、2層流モードが設定された状態を示している。このフットデフロスタ吹出モードにおける2層流モード時は、前述の図3との比較から理解されるように、デフロスタドア26の位置が連通路36を閉塞する位置に操作される。
【0059】
これにより、連通路36から前席用フット開口部29側へ流入する空気流れがなくなるので、前席用、後席用フット開口部29、33からの吹出風量と、デフロスタ開口部25からの吹出風量とを略同等にすることが可能となる。他の点はフット吹出モードにおける2層流モードと同じである。
なお、空調ユニット100における各部の通風抵抗は製品ごとに変化するので、フットデフロスタ吹出モードにおける2層流モード時に、デフロスタドア26を連通路36が若干量開放される位置に操作してもよいことはもちろんである。このようにすると、2層流モードではフット吹出モードだけでなく、フットデフロスタ吹出モードでも、前席用フット開口部29に連通路36を通って第2空気通路9側から外気が流入するようになる。
【0060】
次に、図6はフットデフロスタ吹出モードにおいて、両エアミックスドア17、18を最大暖房状態から吹出空気温度の制御のために中間開度位置に操作した、通常モード状態を示す。この通常モード状態では、両エアミックスドア17、18の操作に連動して、温風バイパスドア22が図6の実線位置に操作されて温風バイパス入口部21を閉塞する。そこで、前席用、後席用フット開口部29、33側への空気流れ通路を確保するために、デフロスタドア26を図6に示す中間位置に操作して、フット開口部29、33側への吹出風量と、デフロスタ開口部25側への吹出風量とを略同等にする、という風量割合を維持する。
【0061】
図7はフェイス吹出モードの状態を示しており、ドア22、26、31がそれぞれ実線位置に操作されてフェイス開口部28への空気通路のみを開放している。両エアミックスドア17、18はヒータコア13への空気流入路を全閉する最大冷房状態を示している。従って、蒸発器12で冷却された冷風はすべてバイパス通路16を通過して、フェイス開口部28側へ吹き出す。
【0062】
そして、両エアミックスドア17、18を最大冷房状態から最大暖房側へ回動操作することにより、フェイス吹出モードにおける吹出空気温度を任意に調整できる。
図8はバイレベル吹出モードの状態を示しており、上記フェイス吹出モードに対して、フットフェイス切替用ドア32を中間位置に操作して、フェイス開口部28側への空気通路とフット開口部29、33側への空気通路を同時に開放する。これにより、冷風バイパス通路16からの冷風が主にフェイス開口部28側へ流れ、第1温風通路19aからの温風が主にフット開口部29、33側へ流れるので、フェイス開口部28側の吹出温度がフット開口部29、33側の吹出温度より低くなり、頭寒足熱の吹出温度分布が得られる。
【0063】
図9はデフロスタ吹出モードの状態を示しており、ドア22、26、31がそれぞれ実線位置に操作されてデフロスタ開口部25への空気通路のみを開放している。両エアミックスドア17、18は冷風バイパス通路16を全閉する最大暖房状態を示しているが、両エアミックスドア17、18を最大暖房状態から最大冷房側へ回動操作することにより、デフロスタ吹出モードにおける吹出空気温度を任意に調整できる。
【0064】
デフロスタ吹出モードでは、温風バイパスドア22が温風バイパス入口部21を閉塞する位置に操作されて、温風が第2温風通路30側へ流出するのを防止する。
なお、上記第1実施形態では、温風バイパスドア22をエアミックスドア17、18の駆動機構(リンク機構および駆動用サーボモータ)とは独立に設けた駆動機構により駆動する場合について説明したが、温風バイパスドア22をエアミックスドア17、18と共通の駆動機構を用いて駆動することも可能である。
【0065】
例えば、温風バイパスドア22の回転軸23を、適宜のリンク機構を介して、エアミックスドア17、18駆動用サーボモータの出力軸に連結するとともに、フット吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モード以外のモード、例えば、デフロスタ吹出モードでは両エアミックスドア17、18が最大暖房状態となっても、温風バイパスドア22は、温風バイパス入口部21の閉塞位置(図2の2点鎖線位置)に維持されたままとし、フット吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードにおける最大暖房時のみに温風バイパスドア22を温風バイパス入口部21の閉塞位置から第1空気通路8と第2空気通路9の仕切り位置に切り替えるようにする。
【0066】
このためには、フット吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードにおける最大暖房時には、他の吹出モードにおける最大暖房時よりも、エアミックスドア駆動用サーボモータの回転量を増加させ、このサーボモータ回転量の増加によって、両エアミックスドア17、18を最大暖房状態に維持したまま、温風バイパスドア22を温風バイパス入口部21の閉塞位置から第1空気通路8と第2空気通路9の仕切り位置に切り替えるようにすればよい。
【0067】
(第2実施形態)
上記した第1実施形態において、送風機ユニット1における内外気切替ドア4、5と、空調ユニット100における温風バイパスドア22との切替順序について本発明者は具体的に実験検討したところ、所定の切替順序に基づいて内外気切替ドア4、5と温風バイパスドア22の切替作動を行うことにより、全外気モードと内外気2層流モードとの間の切替過程で窓ガラスの曇りが発生するのをより効果的に防止できることが分かった。第2実施形態はこの切替順序の規定に関するものである。
【0068】
図10、11は第2実施形態による送風機ユニット1、および空調ユニット100を示しており、第1実施形態と基本的には同一構成であり、同一もしくは均等部分には同一符号が付してある。
図10に示す送風機ユニット1では、ユニット上部に外気導入口3および第2内気導入口2aを隣接して配置するとともに、この外気導入口3および第2内気導入口2aを第2内外気切替ドア5により切替開閉する。そして、この外気導入口3および内気導入口2aからの導入空気を清浄化(塵埃の除去、悪臭の吸着等)する空気フィルタ40が第2内外気切替ドア5の下側に配置してある。
【0069】
また、内気側の第1ファン6の下方側にファン駆動用電動モータ42を配置し、この電動モータ42により内気側の第1ファン6および外気側の第2ファン7を回転駆動する。第1ファン6の吸入口6aは、第1内気導入口2に連通可能であるとともに、連通路43を介して空気フィルタ40下流側の空間44に連通可能になっている。第1内外気切替ドア4は上記第1内気導入口2と連通路43を切替開閉する。
【0070】
図11に示す空調ユニット100においては、第1実施形態と比較して吹出モード切替用のドア機構を変更している。すなわち、デフロスタドア26は回転軸27を中心として回動するバタフライ状のドアであって、デフロスタ開口部25の入口穴25aを開閉する。このデフロスタドア26は本例では連通路36の開閉に関与しない。
【0071】
また、第1実施形態におけるフット・フェイス切替用ドア31は、フェイスドア31とフットドア310とに分割されており、このフェイスドア31とフットドア310はそれぞれ回転軸32と回転軸311を中心として回動するバタフライ状のドアであって、フェイス開口部28と、前席用フット開口部29の入口穴29aを開閉する。
【0072】
上記デフロスタドア26、フェイスドア31、およびフットドア310は、吹出モード切替用のドア手段であって、図示しないリンク機構に連結されて、サーボモータのようなアクチュエータにより、空調装置の吹出モード制御信号に応じて、連動操作されるようになっている。上記した以外の点は第1実施形態と同じである。
【0073】
図12はフットデフロスタ吹出モードにおける全外気モードの状態を示し、図13は同吹出モードにおける内外気2層流モードの状態を示している。なお、フット吹出モードにおいても、デフロスタドア26の開度が減少し、フットドア310の開度が増加するだけで、他の点は同じである。
図12の全外気モードから図13の内外気2層流モードに切替える過程において、本発明者は、最初に、図14に示す状態を設定することを検討した。この図14の状態は、図12の全外気モードの状態から、温風バイパスドア22よりも先に第1内外気切替ドア4を第1内気導入口2の開放位置に移動させた状態を示している。そして、温風バイパスドア22はこの後に図13に示す内外気の仕切り位置に移動する。
【0074】
ところが、上記切替過程において、図14の状態が発生すると、ヒータコア13の上流まで区分されていた内外気がヒータコア13下流の第1温風通路19aで混合するので、デフロスタ開口部25に内外気の混合した湿度の高い空気が一時的に流入し、窓ガラスの曇りの原因になることが判明した。
上記とは逆に、図13の内外気2層流モードから図12の全外気モードに切替える際に、第1内外気切替ドア4よりも先に温風バイパスドア22を通常位置(第2温風通路30の入口部21を閉じる位置)に移動させる場合にも、同様に内外気の混合した湿度の高い空気がデフロスタ開口部25に一時的に流入してしまう。
【0075】
そこで、第2実施形態では、図12の全外気モードの状態から、図13の内外気2層流モードに切り替える場合には、必ず図15に示すように、第1内外気切替ドア4を移動させる前に温風バイパスドア22を必ず先に内外気の仕切り位置に移動させる。これにより、デフロスタ開口部25およびフット開口部29、33のいずれに対しても、全て外気が流入するので、窓ガラスの曇り発生の心配がない。
【0076】
逆に、図13の内外気2層流モードから図12の全外気モードに切り替える場合には、図15に示すように、温風バイパスドア22を移動させる前に必ず先に第1内外気切替ドア4を第1内気導入口2の閉塞位置に移動させる。これにより、各開口部25、29、33に全て外気が流入するので、窓ガラスの曇り発生の心配がない。
【0077】
以上のごとく、全外気モードと内外気2層流モードとを切り替える際に、第1内外気切替ドア4と温風バイパスドア22との切替順序を規定することにより、切替過程での窓ガラスの曇り発生を確実に阻止できる。
上記したドア切替順序の規定は、具体的には、各ドアを駆動するサーボモータ(アクチュエータ)の作動を電気的に制御することにより、実施できる。
【0078】
図16は第2実施形態における電気制御の概要を示すシステム図であり、空調用電子制御装置50はマイクロコンピュータ等から構成されるものであって、周知のセンサ群51からの各種センサ信号および図示しない空調操作パネルに設けられた操作部材群52からの各種操作信号が入力される。
空調用電子制御装置50によって制御される空調用の各種機器のうち、53は第1内外気切替ドア4および第2内外気切替ドア5をリンク機構を介して駆動するサーボモータ、54は主エアミックスドア17、および補助エアミックスドア18を連動して駆動するサーボモータで、このサーボモータ54は両エアミックスドア17、18を駆動する所定の回転角範囲を越えた最大暖房側の領域で温風バイパスドア22を駆動する。このようなドア駆動機構については、既に、第1実施形態の末尾でドア駆動機構の変形例として記載済である。55はデフロスタドア26、フェイスドア31、およびフットドア310を連動して駆動するサーボモータである。
【0079】
空調用電子制御装置50は予め設定されROMに記憶されているプログラムに基づいて、各入力信号に対する演算処理を行って、空調用の各種機器(上述したドア等)の作動を制御するもので、本第2実施形態に関連する制御部分のみを抽出して説明すると、56は車室内を設定温度に維持するために必要な目標吹出空気温度TAOを算出する第1算出手段で、予めROMに記憶された下記数式1に基づいて、車室内への目標吹出温度TAOを算出する。
【0080】
【数1】
TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×Tam−Ks ×Ts +C
なお、Tset は空調操作パネルの温度設定用操作部材による設定温度、Tr は内気温センサの検出する内気温、Tamは外気温センサの検出する外気温、およびTs は日射センサの検出する日射量である。また、Kset 、Kr 、Kam、およびKs はゲイン、Cは補正用の定数である。
【0081】
57は送風ファン用電動モータ42の制御手段で、予めROMに記憶されたマップに基づいて、上記TAOに対応するファンモータ電圧を決定して、モータ42に印加する。58はエアミックスドア17、18の目標開度を決めるための温度制御演算値SWを算出する第2算出手段で、この温度制御演算値SWを、予めROMに記憶された下記数式2に基づいて算出する。
【0082】
【数2】
SW=〔(TAO−Te )/(Tw −Te )〕×100 (%)
ここで、Tw は水温センサにより検出されるヒータコア13への流入温水温度(水温)、Te は蒸発器吹出空気温センサにより検出される、蒸発器12の吹出空気温度である。
【0083】
59は内外気切替ドア4、5駆動用のサーボモータ53の制御手段で、予めROMに記憶されたマップに基づいて、上記温度制御演算値SWに対応してサーボモータ53の通電を制御しモータ回転角を決定する。
60はエアミックスドア17、18および温風バイパスドア22駆動用のサーボモータ54の制御手段で、予めROMに記憶されたマップに基づいて、上記温度制御演算値SWに対応してサーボモータ54の通電を制御しモータ回転角を決定する。
【0084】
61は吹出モードドア26、31、310駆動用のサーボモータ55の制御手段で、予めROMに記憶されたマップに基づいて、上記目標吹出空気温度TAOに対応してサーボモータ55の通電を制御しモータ回転角を決定する。
次に、図17は第2実施形態における、上記温度制御演算値SWに対応したドア制御内容を例示するもので、デフロスタ吹出モードを除く、それ以外の吹出モードにおいて図17のごとく各ドアが制御される。但し、フェイスモード、およびバイレベルモードでは、最大暖房モードは不要であるので、温度制御演算値SWがSW3未満の領域(SW<SW3)で、各ドアが制御される。
【0085】
図17のドア制御について具体的に述べると、温度制御演算値SWがSW1以下のときは、エアミックスドア17、18が冷風バイパス通路16を全開し、ヒータコア13への通風路を全閉する最大冷房位置に操作される。これと同時に、温風バイパスドア22は入口部21を閉塞する通常位置に操作され、また、内外気切替ドア4、5は、内気導入口2、2aをともに開き、外気導入口3を閉じる全内気モードの位置に操作される。
【0086】
そして、温度制御演算値SWが十分小さな値であるSW1を越えると、第1内外気切替ドア4が第1内気導入口2を閉じ連通路43を開き、第2内外気切替ドア5が第2内気導入口2aを閉じ外気導入口3を開く全外気モードの位置に操作される。これと同時に、エアミックスドア17、18がヒータコア13への通風路を徐々に開放する位置に操作される。
【0087】
温度制御演算値SWがSW1を越えて、SW2(SW1に比して十分大きな値)に到達するまでの間は、温風バイパスドア22は入口部21を閉塞する通常位置に保持され、また、第1、第2内外気切替ドア4、5は全外気モードの位置を保持する。一方、エアミックスドア17、18はこの間、ヒータコア13への通風路の開度を連続的に増大させて、吹出空気温度を上昇させていく。
【0088】
温度制御演算値SWがSW2に到達すると、エアミックスドア17、18が冷風バイパス通路16を全閉し、ヒータコア13への通風路を全開する最大暖房位置に操作される。しかし、温風バイパスドア22は依然として入口部21を閉塞する通常位置に保持され、また、第1、第2内外気切替ドア4、5は全外気モードの位置を保持する。
【0089】
そして、温度制御演算値SWがSW2より若干量大きいSW3に到達すると、先ず、温風バイパスドア22が通常位置から、2層流位置に移動する。つまり、温風バイパスドア22は、入口部21を開き、第1温風通路19aを第1、第2空気通路8、9に仕切る位置に移動する。このとき、第1、第2内外気切替ドア4、5はまだ全外気モードの位置を保持しているので、ヒータコア13下流側で内外気が一時的に混合するという事態は生じない。
【0090】
さらに、温度制御演算値SWがSW3より増大してSW4に到達すると、第1内外気切替ドア4が中間開度位置まで移動する。このドア4の中間開度位置への移動により、第1内外気切替ドア4が第1内気導入口2および連通路43の双方を中間開度づつ開く。
温度制御演算値SWがSW4より増大してSW5に到達すると、第1内外気切替ドア4が第1内気導入口2を全開し、連通路43を全閉する。なお、第2内外気切替ドア5は、SW>SW1の範囲では常に外気導入口3を開いた状態に保持されているので、SW>SW5となったときに始めて、送風機ユニット1の内外気導入部は内外気2層流位置となる。つまり、温風バイパスドア22が通常位置から、2層流位置に切り替わるタイミング(SW3)より送風機ユニット1の内外気導入部が内外気2層流位置となるタイミング(SW5)の方が遅れている。
【0091】
逆に、内外気2層流モードから全外気モードに切り替わる場合は、SW5の時点で、まず、送風機ユニット1の内外気導入部において、第1内外気切替ドア4が中間開度位置に移動し、その後、SW4の時点で、第1内外気切替ドア4が第1内気導入口2を全閉し、連通路43を全開するので、送風機ユニット1の内外気導入部が全外気モードに切り替わる。
【0092】
しかし、このとき、温風バイパスドア22は依然として2層流位置を保持しているので、ヒータコア13下流側で内外気が一時的に混合するという事態は生じない。そして、その後、SW3の時点で、温風バイパスドア22が2層流位置より通常位置に復帰する。
なお、図17において、送風機ユニット1の内外気導入部において、全外気モードと2層流モードとの間に、第1内外気切替ドア4が第1内気導入口2および連通路43の双方を中間開度づつ開く中間開度位置を設けているのは、次の理由からである。すなわち、全外気モードと2層流モードとの間で直接、内外気モードを切り替える場合は、車室内への吹出空気の温度、風量等に急激な変動をもたらす場合があるので、上記中間開度位置の設定によって、内外気モード切替に起因する温度、風量等の急激な変動を緩和するためである。
【0093】
しかし、上記中間開度位置設定の必要性は、空調装置の通風系の仕様により種々変化するものであり、また、本第2実施形態は内外気2層流モードと全外気モード間の切替に伴う窓ガラスの曇り発生を防止することを目的としているのであるから、上記中間開度位置の設定は必ずしも必要なものではない。
前述したように図17はデフロスタ吹出モード以外の吹出モードで実行されるドア制御であって、デフロスタ吹出モードでは温度制御演算値SWの如何にかかわらず、常に全外気モードが維持され、窓ガラスの曇り止めを行う。
【0094】
(第3実施形態)
図18〜図21は第3実施形態であり、フットデフロスタ吹出モードおよびフット吹出モードのごとく、フット開口部29、33とデフロスタ開口部25の両方を同時に開口する吹出モードにおいて、2層流モードと通常モードとの間の切替があっても、フット開口部29、33とデフロスタ開口部25からの吹出風量割合の変化を抑制できるようしたものである。
【0095】
すなわち、第1、第2実施形態における、フットデフロスタ吹出モードおよびフット吹出モードにおいて、温風バイパスドア22が2層流モード位置にあるときは、第2温風通路30の入口部21の開放により、フット開口部29、33側通路の圧損が低下して、フット開口部29、33への吹出風量が増加する。一方、温風バイパスドア22が通常モード位置にあるときは、第2温風通路30の入口部21の閉塞により、フット開口部29、33側通路の圧損が増加して、フット開口部29、33への吹出風量が減少する。
【0096】
この結果、フットデフロスタ吹出モードおよびフット吹出モードにおいて、フット開口部29、33とデフロスタ開口部25からの吹出風量割合が2層流モードと通常モードとの間の切替に伴って大きく変化してしまう。
そこで、第3実施形態においては、フットデフロスタ吹出モードおよびフット吹出モードにおいて、フットドア310の開度を2層流モードと通常モードとの切替に連動して変化させて、上記吹出風量割合の変化を抑制する。
【0097】
このフットドア310の開度調整についてより具体的に説明すると、図18はフットデフロスタ吹出モードの2層流モードを示し、図19は同吹出モードの通常モードを示している。図18、図19の比較から理解されるように、2層流モードではフットドア310を前席用フット開口部29の入口穴29aを全閉する位置(開度零の位置)に操作するのに対して、通常モードではフットドア310を前席用フット開口部29の入口穴29aを全開する位置(最大開度の位置)に操作している。
【0098】
これによれば、2層流モードには、温風バイパスドア22の開放による、前席用フット開口部29および後席用フット開口部33への温風通路の圧損低減をフットドア310の全閉により相殺できる。一方、通常モード時には、温風バイパスドア22の閉塞による、前席用フット開口部29および後席用フット開口部33への温風通路の圧損増加をフットドア310の全開により相殺できる。
【0099】
この結果、2層流モードと通常モードとの切替があっても、フット開口部29、33からの吹出風量とデフロスタ開口部25からの吹出風量との割合の変化を効果的に抑制できる。
図20はフット吹出モードの2層流モードを示し、図21は同吹出モードの通常モードを示している。図20、図21の比較から理解されるように、フット吹出モードでは2層流モード時にフットドア310を開度の小さい第1開度位置に操作し、通常モード時にはフットドア310を開度の大きい第2開度(全開)位置に操作することにより、2層流モードと通常モードとの切替に伴う、フット側とデフロスタ側との風量割合の変化を抑制できる。
【0100】
なお、図18、19のフットデフロスタ吹出モードにおいてデフロスタドア26は2層流モードと通常モードとも一定の開度に保持され、同様に、図20、21のフット吹出モードにおいても、デフロスタドア26は2層流モードと通常モードとも一定の開度に保持される。しかし、フットデフロスタ吹出モードの方がフット吹出モードよりもデフロスタドア26の開度が大きい。
【0101】
上記したフットドア310の開度調整は、具体的には、空調用電子制御装置50(図16参照)によりサーボモータ55(図16参照)の回転角を制御してリンク機構を介して行われる。
(他の実施形態)
なお、上記した第1〜第3実施形態では、各ドア4、5、17、18、22、26、31の操作をリンク機構を介してサーボモータのようなアクチュエータにより行う場合について説明したが、空調操作パネルに設けられた内外気導入設定レバー、温度制御レバー、吹出モードレバー等の手動操作部材に加えられる手動操作力にて、上記各ドアを操作するようにしてもよい。
【0102】
また、2層流モードを設定する最大暖房時とは、エアミックスドア17、18が冷風のバイパスを完全に防止する位置に操作されている場合に厳格に限定されるものでなく、若干量の冷風のバイパスを許容するエアミックスドア位置の場合をも含むものである。
また、上記第1〜第3実施形態では、空調ユニット100内に蒸発器(冷房用熱交換器)12を配設しているが、この冷房用熱交換器を持たないタイプの空調装置にも同様に本発明を適用できることはもちろんである。
【0103】
また、上記第1〜第3実施形態では、ヒータコア13による空調空気の加熱量を調整して空気温度を調整する温度調整手段として、冷風と温風の風量割合を調整するエアミックスドア17、18を使用しているが、エアミックスドア17、18の代わりに、ヒータコア13に流入する温水の流量または温水の温度を調整する温水弁を用いて、この温水弁の温水流量(または温水温度)の調整作用により空気温度を調整するタイプの空調装置にも同様に本発明を適用できる。
【0104】
また、上記第1〜第3実施形態における後席用フット開口部33を廃止した空調装置にも同様に本発明を適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の通風系の全体構成図である。
【図2】図1の空調ユニット部の断面図である。
【図3】同実施形態のフット吹出モードにおける2層流モードの状態を示す断面図である。
【図4】同実施形態のフット吹出モードにおける通常モードの状態を示す断面図である。
【図5】同実施形態のフットデフロスタ吹出モードにおける2層流モードの状態を示す断面図である。
【図6】同実施形態のフットデフロスタ吹出モードにおける通常モードの状態を示す断面図である。
【図7】同実施形態のフェイスモードの状態を示す断面図である。
【図8】同実施形態のバイレベルモードの状態を示す断面図である。
【図9】同実施形態のデフロスタ吹出モードの状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態の送風機ユニット部の断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態の空調ユニット部の断面図である。
【図12】(a)は第2実施形態の全外気モード時の空調ユニット部の断面図、(b)は第2実施形態の全外気モード時の送風機ユニット部の断面図である。
【図13】(a)は第2実施形態の2層流モード時の空調ユニット部の断面図、(b)は第2実施形態の2層流モード時の送風機ユニット部の断面図である。
【図14】第2実施形態の比較例において、全外気モード時と2層流モード時との間の切替過程の状態を示すもので、(a)は同切替過程における空調ユニット部の断面図、(b)は同切替過程における送風機ユニット部の断面図である。
【図15】第2実施形態において、全外気モード時と2層流モード時との間の切替過程の状態を示すもので、(a)は同切替過程における空調ユニット部の断面図、(b)は同切替過程における送風機ユニット部の断面図である。
【図16】第2実施形態の電気制御のシステム図である。
【図17】第2実施形態によるドア制御の具体例を示す制御特性図である。
【図18】本発明の第3実施形態の空調ユニット部の断面図で、フットデフロスタ吹出モードにおける2層流モードの状態を示している。
【図19】第3実施形態の空調ユニット部の断面図で、フットデフロスタ吹出モードにおける通常モードの状態を示している。
【図20】第3実施形態の空調ユニット部の断面図で、フット吹出モードにおけ2層流モードの状態を示している。
【図21】第3実施形態の空調ユニット部の断面図で、フット吹出モードにおけ通常モードの状態を示している。
【符号の説明】
1…送風機ユニット、2、2a…内気導入口、3…外気導入口、
4、5…第1、第2内外気切替ドア、6、7…第1、第2ファン、
8、9…第1、第2空気通路、11…空調ケース、12…蒸発器、
13…ヒータコア、16…冷風バイパス通路、17…主エアミックスドア、
18…補助エアミックスドア、19a…第1温風通路、
21…温風バイパス入口部、22…温風バイパスドア、
25…デフロスタ開口部、26…デフロスタドア、28…フェイス開口部、
29…前席用フット開口部、30…第2温風通路、
31…フットフェイス切替用ドア、33…後席用フット開口部、
100…空調ユニット。
Claims (7)
- 空調空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
この暖房用熱交換器(13)による空調空気の加熱量を調整して空気温度を調整する温度調整手段(17、18)と、
車室内乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(29、33)と、
車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(25)とを備え、
前記フット開口部(29、33)と前記デフロスタ開口部(25)の両方を同時に開口する吹出モードにおいて、前記加熱量が最大となる位置に前記温度調整手段(17、18)が操作される最大暖房状態が設定されたときには、少なくとも、前記空調空気の通路を、内気が流れる第1空気通路(8)と外気が流れる第2空気通路(9)とに区画形成して、
前記第1空気通路(8)を前記フット開口部(29、33)に連通させるとともに、前記第2空気通路(9)を前記デフロスタ開口部(25)に連通させる車両用空調装置であって、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を前記フット開口部(29、33)および前記デフロスタ開口部(25)側に導く第1の温風通路(19a)と、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を、前記第1の温風通路(19a)から分岐して前記フット開口部(29、33)に直接導く第2の温風通路(30)と、
この第2の温風通路(30)の入口部(21)を開閉する温風バイパスドア(22)とを備え、
前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とを区画形成する2層流モード時には、前記温風バイパスドア(22)が、前記入口部(21)を開放するとともに、前記暖房用熱交換器(13)直後の前記第1の温風通路(19a)を前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とに区画形成して前記暖房用熱交換器(13)を通過した外気が前記第2空気通路(9)となる前記第1の温風通路(19a)を通過して前記フット開口部(29、33)および前記デフロスタ開口部(25)側に導かれる一方で前記暖房用熱交換器(13)を通過した内気が前記第1空気通路(8)となる前記第1の温風通路(19a)を経由して前記第2の温風通路(30)を通過して前記フット開口部(29、33)に直接導かれる位置に操作されるようにしたことを特徴とする車両用空調装置。 - 空調空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
この暖房用熱交換器(13)による空調空気の加熱量を調整して空気温度を調整する温度調整手段(17、18)と、
車室内乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(29、33)と、
車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(25)とを備え、
前記フット開口部(29、33)と前記デフロスタ開口部(25)の両方を同時に開口する吹出モードにおいて、前記加熱量が最大となる位置に前記温度調整手段(17、18)が操作される最大暖房状態が設定されたときには、少なくとも、前記空調空気の通路を、内気が流れる第1空気通路(8)と外気が流れる第2空気通路(9)とに区画形成して、
前記第1空気通路(8)を前記フット開口部(29、33)に連通させるとともに、前記第2空気通路(9)を前記デフロスタ開口部(25)に連通させる車両用空調装置であって、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を前記フット開口部(29、33)および前記デフロスタ開口部(25)側に導く第1の温風通路(19a)と、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を、前記第1の温風通路(19a)から分岐して前記フット開口部(29、33)に直接導く第2の温風通路(30)と、
この第2の温風通路(30)の入口部(21)を開閉する温風バイパスドア(22)とを備え、
前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とを区画形成する2層流モード時には、前記温風バイパスドア(22)が、前記入口部(21)を開放するとともに、前記第1の温風通路(19a)を前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とに区画形成する位置に操作されるようにし、
さらに、前記第1空気通路(8)および前記第2空気通路(9)の入口部に設けられた内気導入口(2、2a)および外気導入口(3)と、
この内気導入口(2、2a)および外気導入口(3)を切替開閉する内外気切替ドア(4、5)とを備え、
前記第1空気通路(8)および前記第2空気通路(9)の双方に外気を導入する全外気モードから、前記第1空気通路(8)に内気を、前記第2空気通路(9)に外気をそれぞれ導入する2層流モードに切り替えるときは、前記温風バイパスドア(22)を、前記2層流モード時の操作位置に移動させた後に、前記内外気切替ドア(4、5)を前記2層流モード時の操作位置に移動させ、
前記2層流モードから前記全外気モードに切り替えるときは、前記内外気切替ドア(4、5)を前記全外気モード時の操作位置に移動させた後に、前記温風バイパスドア(22)を前記入口部(21)を閉塞する通常位置に移動させることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記内外気切替ドア(4、5)を駆動するアクチュエータ(53)と、
前記温風バイパスドア(22)を駆動するアクチュエータ(54)と、
前記温度調整手段(17、18)を制御するための温度制御演算値(SW)を算出する算出手段(58)と、
前記温度制御演算値(SW)に基づいて前記両アクチュエータ(53、54)の駆動を制御する制御手段(59、60)とを備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。 - 空調空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
この暖房用熱交換器(13)による空調空気の加熱量を調整して空気温度を調整する温度調整手段(17、18)と、
車室内乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(29、33)と、
車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(25)とを備え、
前記フット開口部(29、33)と前記デフロスタ開口部(25)の両方を同時に開口する吹出モードにおいて、前記加熱量が最大となる位置に前記温度調整手段(17、18)が操作される最大暖房状態が設定されたときには、少なくとも、前記空調空気の通路を、内気が流れる第1空気通路(8)と外気が流れる第2空気通路(9)とに区画形成して、
前記第1空気通路(8)を前記フット開口部(29、33)に連通させるとともに、前記第2空気通路(9)を前記デフロスタ開口部(25)に連通させる車両用空調装置であって、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を前記フット開口部(29、33)および前記デフロスタ開口部(25)側に導く第1の温風通路(19a)と、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を、前記第1の温風通路(19a)から分岐して前記フット開口部(29、33)に直接導く第2の温風通路(30)と、
この第2の温風通路(30)の入口部(21)を開閉する温風バイパスドア(22)とを備え、
前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とを区画形成する2層流モード時には、前記温風バイパスドア(22)が、前記入口部(21)を開放するとともに、前記第 1の温風通路(19a)を前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とに区画形成する位置に操作されるようにし、
前記フット開口部(29、33)を開閉するフット用ドア手段(310)を有し、
前記温風バイパスドア(22)が前記入口部(21)を閉塞している通常モードから、前記温風バイパスドア(22)が前記入口部(21)を開放する前記2層流モードに移行するに伴って、前記フット用ドア手段(310)を前記フット開口部(29、33)の開度を減少する位置に操作することを特徴とする車両用空調装置。 - 空調空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
この暖房用熱交換器(13)による空調空気の加熱量を調整して空気温度を調整する温度調整手段(17、18)と、
車室内乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(29、33)と、
車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出すデフロスタ吹出口に接続されるデフロスタ開口部(25)とを備え、
前記フット開口部(29、33)と前記デフロスタ開口部(25)の両方を同時に開口する吹出モードにおいて、前記加熱量が最大となる位置に前記温度調整手段(17、18)が操作される最大暖房状態が設定されたときには、少なくとも、前記空調空気の通路を、内気が流れる第1空気通路(8)と外気が流れる第2空気通路(9)とに区画形成して、
前記第1空気通路(8)を前記フット開口部(29、33)に連通させるとともに、前記第2空気通路(9)を前記デフロスタ開口部(25)に連通させる車両用空調装置であって、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を前記フット開口部(29、33)および前記デフロスタ開口部(25)側に導く第1の温風通路(19a)と、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を、前記第1の温風通路(19a)から分岐して前記フット開口部(29、33)に直接導く第2の温風通路(30)と、
この第2の温風通路(30)の入口部(21)を開閉する温風バイパスドア(22)とを備え、
前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とを区画形成する2層流モード時には、前記温風バイパスドア(22)が、前記入口部(21)を開放するとともに、前記第1の温風通路(19a)を前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)とに区画形成する位置に操作されるようにし、
前記2層流モード時には、前記温風バイパスドア(22)の先端部が前記第2空気通路(9)の領域に所定量だけシフトするように、前記温風バイパスドア(22)の停止位置を設定することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記暖房用熱交換器(13)をバイパスして空調空気を流す冷風バイパス通路(16)と、
この冷風バイパス通路(16)からの冷風と前記第1の温風通路(19a)からの温風とを混合させる冷温風混合空間(20)とを備え、
前記温度調整手段は、前記暖房用熱交換器(13)を通過する風量と前記冷風バイパス通路(16)を通過する風量との風量割合を調節するエアミックスドア(17、18)であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記フット開口部として、前記第2の温風通路(30)により相互に連通する前席用フット開口部(29)および後席用フット開口部(33)を備え、
前記第2の温風通路(30)の入口部(21)を前記暖房用熱交換器(13)の空気下流側の面に対向するように配置し、
前記後席用フット開口部(33)を前記入口部(21)の直後の位置に配置したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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