JP3997941B2 - 集塵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調及び産業分野で大気塵、室内の粉塵、ほこりなどを集塵し、また、集塵すると同時に脱臭や除湿など他の空気清浄および空気浄化作用を行う機能を付加した集塵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の集塵装置としては、例えば特開平6−31200号公報に記載されたものが知られている。以下、その集塵装置について図8を参照しながら説明する。図8に示すように、荷電部101は線状電極102と通常アースに接続されてゼロの電位を持つ対向電極板103とからなり、イオン放出手段としての役割を果たしている。荷電部101の通風方向下流側にプラス電極板105とマイナス電極板106とからなる集塵部104を設けている。通常、荷電部101においては線状電極102と対向電極板103の間に5〜15kV、また、集塵部104のプラス電極板105とマイナス電極板106の間に2〜6kVの電位差を持つように高圧安定化電源107によって線状電極102およびプラス電極板105にそれぞれ高電圧が印加されている。上記構成において、荷電部101では線状電極102に高電圧が印加されており、線状電極102近傍に非常に強い電界が作られている。そのため空気中の電荷をもつ物質が空気分子と衝突を起こし、空気分子から電子が分離したり、分離した電子が他の空気分子に付着したりして空気イオンとなる。これを空気のイオン化と呼ぶことにする。そして、対向電極板103の間に存在する空気が絶縁破壊を起こし、一定の大きな放電電流を伴いながら空気のイオン化が起こる放電現象をコロナ放電というが、コロナ放電によって作られたイオンが集塵装置に供給された空気に含まれる粉塵に付着して粉塵を帯電させる。帯電した粉塵は送風の流れにそって集塵部104に導入され、プラス電極板105とマイナス電極板106との電界の力を受けて両電極板のどちらかに付着して取り除かれ、清浄な空気が集塵部104後方から吹出される。また上記従来例では、放電電極に線状のものを示したが、他に不平等電界を形成するような形状、例えば針状の電極を用いても同様で、針状電極の先端と対向電極板103の間で一定電流が流れた状態でコロナ放電が生じ、同様の機構で粉塵が帯電されて捕集される。
【0003】
また、集塵部104を濾材108に置き換えたタイプの集塵装置が従来から知られている。以下、その集塵装置について図9を参照しながら説明する。図9に示すように、通風方向から順に、線状電極102と対向電極板103とからなる荷電部101と濾材108が設けられている。濾材108の後ろには通気性のある導電性シート109が設置されており、アースに接続されている。通常、荷電部101においては線状電極102と対向電極板103の間に5〜15kVの電位差を持つように高圧安定化電源107によって線状電極102に電圧が印加されている。
【0004】
上記構成において、荷電部101では前述したように線状電極102に電圧を印加することにより、線状電極102近傍でコロナ放電を起こして粉塵を帯電すると同時に、線状電極102と導電性シート109の間に電界が発生し、その電界によって濾材108は分極される。そして濾材108の中に導入された帯電粉塵は、濾材内部の分極電場に沿って濾材繊維表面へ向かう力を受ける。その結果濾材に捕集されやすくなり、濾材108の集塵性能は高められるが、線状電極102を用いたコロナ放電を起こしているため放電電流は大きく、また、対向電極板を設けているために濾材と線状電極の間の電界も強くならず、結果として濾材108の分極の度合いは小さい。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−31200号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の集塵装置では、集塵部における極性の異なる電極どうしの間隔が大きくなるにしたがって電極に捕集されるまでの粉塵の移動距離が増加するため性能が低下する。また、粉塵を含む空気を通過させるために極性の異なる電極を、一定の空間をあけながら積層することが必要であり、そのため電極の表面におくスペーサー、もしくはそれに代わる電極表面の突起加工が必要となる。特に電極表面に突起を設ける場合は極性の異なる電極どうしが接触しないようにするために、電極を絶縁体で被覆することが必要となるため生産性が悪く材料コストも高いという課題があり、簡単な構造で高い集塵性能を実現する集塵装置が要求されている。
【0007】
また、従来の電気式集塵装置は材料として金属や樹脂を用いることが多いため加工が難しくコストが高いという課題があり、加工性がよく安価な材料を用いて低コストを実現することが要求されている。
【0008】
また、従来の集塵装置では、集塵作用に特化したものがほとんどで、有害ガスの捕集や分解といった他の作用がないという課題があり、集塵作用以外の空気清浄・調和作用を持つ集塵装置が求められている。
【0009】
また、従来の集塵装置では、集塵性能や装置の美観を維持するために捕集した粉塵を水洗いなどで定期的に取り除く必要があるという課題があり、捕集した粉塵を分解することが可能な集塵装置が求められている。
【0010】
また、荷電部と集塵部を別々に構成する構造は高コストになるという課題があり、荷電部と集塵部を一体化した構造とすることが要求されている。
【0011】
また、放電電極が単極性のみの場合、装置近傍を帯電させることがあるためそれが汚れの原因となることがあるという課題があり、装置近傍を帯電させないようにすることが要求されている。
【0012】
また、イオン放出手段からオゾンが多量に発生するという課題があり、オゾンを出さないで粉塵を帯電することが要求されている。
【0013】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、簡単な構造で高い集塵性能を実現し、また、加工性がよく安価な材料を用いることで低コストを実現し、また、集塵以外の空気清浄作用をもたらし、また、捕集した粉塵を分解することができ、また、近傍への影響をなくして集塵性能を最大限に発揮することができ、オゾン発生量を微小なものにすることができる集塵装置を提供することを目的としている。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明の集塵装置は、上記目標を達成するため、請求項1記載の集塵装置は、セル構造を持つ絶縁体を挟みながらマイナス電極板とプラス電極板を交互に積層し、交互に積層された前記マイナス電極板の端部と前記プラス電極板の端部に先端の尖った突起状電極を設け、前記マイナス電極板にマイナス電圧を印加し、前記プラス電極板にプラス電圧を印加し、プラスイオンとマイナスイオンを等量出すように前記プラス電極板に+3.1kVの電圧を印加し前記マイナス電極板に−2.9kVの電圧を印加し放電させて集塵することを特徴とする。また、請求項2記載の集塵装置は、セル構造を持つ絶縁体を挟みながらマイナス電極板とプラス電極板を交互に積層し、交互に積層された前記マイナス電極板の端部と前記プラス電極板の端部に設けられた、先端の尖った突起状電極の前方に、突起状電極の先端を囲むように格子状電極を設置し、これをゼロ電位とし、前記マイナス電極板にマイナス電圧を印加し、前記プラス電極板にプラス電圧を印加し、プラスイオンとマイナスイオンを等量出すように前記プラス電極板に+3.1kVの電圧を印加し前記マイナス電極板に−2.9kVの電圧を印加し放電させて集塵することを特徴とする。
以上
【0041】
そして、本発明によれば、プラスマイナスのイオンを同時に放出することが可能な集塵装置が得られる。
【0061】
【発明の実施の形態】
本発明の集塵装置は、交互に積層された極性の異なる電極板を、ゼロ電位に対してそれぞれプラスおよびマイナスの極性にすることを特徴とする。端部に尖った突起を設けた電極板をプラスとマイナスの極性にしてセル構造を持つ絶縁体を挟みながら交互に積層することにより、プラス極性の電極板の突起からプラス極性のイオンが、マイナス極性の電極板の突起からマイナス極性のイオンがそれぞれ同時に放出される。そうすることよって粉塵をプラス極性かマイナス極性のどちらかに帯電し、集塵部の電界の力を受けて捕集されるが、捕集し切れなかった粉塵やイオンはプラス極性のものとマイナス極性のものが等量くらいで装置から出てくるため、捕集し切れなかった粉塵同士が電荷を打ち消しあうことで装置近傍に付着せず、また、装置近傍の帯電を電気的に中和することができるという作用を有する。
【0065】
【実施例】
(実施例1)
まず、図13に示すような従来の集塵装置に基づいて実験装置を作成した。図13を用いて装置の説明を行うと、開口寸法132mm×122mmのダクトの途中に、線径0.15mm、長さ132mmのタングステン製の線を用いた線状電極102をダクトの断面方向に20mmの間隔で6本設置し、その真中に来るように通風方向から見て奥行き長さ16mm、幅132mmの鋼製対向電極板103を等間隔に設置した荷電部101を設けた。線状電極102に−5.8kVの電圧を印加することにより50μAの放電電流が流れるコロナ放電を発生させ、線状電極102近傍で空気が容易にイオン化するようになっている。そして、ダクト最後方に送風機を設けてダクト内送風風量0.48m3/minの条件で通風し、集塵効率η(%)と発生オゾン濃度(ppb)を測定した。この時のダクト風速は約0.5m/sである。集塵効率はリオン製パーティクルカウンターKC−01Cを用い、荷電部101の直前と集塵部104の直後の粉塵濃度を測定して求めた。粉塵濃度は係数法で測定し、0.167リットルの空気をサンプリングしてその中に含まれる粒径0.3μm以上の粉塵の全個数を測定して求めた。荷電部101直前の粉塵濃度をCf、集塵部104直後の粉塵濃度をCbとすると、集塵効率ηは次式で求めることができる。
【0066】
η =(1 − Cb/Cf)×100 (%)
発生オゾン濃度は集塵部104直後のダクト内空気をサンプリングし、荏原実業製オゾンモニターEG2001Fを用いて測定を行った。単位はppbであり、10億分の1の質量濃度を示す。
【0067】
それぞれの集塵装置の条件詳細及び構成について図1、2、3、4、5、6、7、8および13を用いて説明し、それぞれの集塵装置の実験結果を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
比較例であるNo.1の集塵装置は従来例の図13と同じ構成であり、厚さ0.5mm、奥行き20mm、幅132mmのステンレス鋼板を10mm間隔で重ね、一枚おきにステンレス鋼板をアースに接続してプラス電極板105(電位はゼロ)とし、プラス電極板105を挟むようにして両側に位置するステンレス鋼板に−6kVの電圧を印加することによってマイナス電極板106とすることによって作られた集塵部104を前述の荷電部101の後ろに設置したものである。そして高圧安定化電源107を用いて荷電部101の線状電極102に−5.8kVを印加した。この集塵部104の集塵効率は表1に示すように43%となり、高い集塵性能は得られなかった。また、荷電部101の線状電極102はマイナス極性の電圧を印加して50μAのコロナ放電を起こしているため、オゾン発生濃度が56ppbと高い値になった。
【0070】
参考例であるNo.2の集塵装置の構成を図1に示す。荷電部101は比較例であるNo.1で示した従来のものをそのまま使用している。そして集塵部104は、厚さ0.5mm、奥行き20mm、幅132mmのステンレス鋼板を、ポリプロピレン製の波状シートと平状シートを積層することによってコルゲート状のセルを多数持たせた絶縁体ハニカム1を挟みながら10mm間隔で重ね、一枚おきにステンレス鋼板をアースに接続してプラス電極板105(電位はゼロ)とし、プラス電極板105を挟むようにして両側に位置するステンレス鋼板に−6kVの電圧を印加することによってマイナス電極板106とした構造となっている。絶縁体ハニカム1の寸法は高さ10mm、奥行き20mmであり、幅約2.5mm×高さ約1.7mm×奥行き20mmのコルゲート状のセルを100mm2の断面積あたり約24個持っている。この構成で線状電極102に−5.8kVの電圧を印加したところ集塵効率は77%となり、比較例であるNo.1の集塵装置に比べて高い集塵性能を示した。これは捕集されるのに必要な粉塵の平均移動距離を電極板の距離の半分と仮定すると、細かいセルを持つ絶縁体ハニカム1を電極板の間に設けたことで、今まで5mmだったのが0.8mm程度となり約1/6になって粉塵が捕集されやすくなったことによる。また、電極板の間に弾力性のある絶縁体ハニカム1が設けられたことによって、No.1の集塵部102に比べて押す力に対する強度が向上し、変形しにくくなることがわかった。
【0071】
参考例であるNo.3の集塵装置の構成はNo.2と同じであるが、セルを形成する波状シートと平状シートが表裏で分極している絶縁体ハニカム1を用いた。絶縁体ハニカム1のシートの分極が電極板の間の電界の向きと逆になるように設置すると集塵効率は99%となり、非常に高い性能を示した。セルを形成するシートを表裏の方向に分極することにより、セルの中でさらに強い電界が形成されたためであると考えられる。また、表1には記載していないが、シートの分極が電極板の間の電界の向きと同じになるように設置したところ集塵効率は90%となった。これはセルを形成するシートが電極板の間の電界と逆の方向となるように分極されることによる。
【0072】
参考例であるNo.4の集塵装置の構成を図3に示す。集塵部104の構成はNo.3とほぼ同じであるが、底辺が3mmで底辺から頂点までの長さが5mmとなる三角形状となるように厚さ0.3mmのアルミ板を加工して作った突起状電極2をマイナス電極板106の上流側端部に45mmの間隔で設け、そしてNo.1、2、3の集塵装置では用いた従来型の荷電部101を実験装置から外したものである。今回の実験にあたっては図2に示すとおり1枚の電極に対して3つ設けられ、6枚のマイナス電極板106を使用していることから計18個の突起状電極が設けられている。そしてこの突起状電極2はマイナス電極板106と電気的につながっているためにマイナス電極板106と同じ−6kVが印加される。そしてプラス電極板105との間で1.2μAの放電電流が流れる放電を起こすことによって空気を電離しイオンを放出している。そして集塵効率を測定したところ94%となり、非常に高い集塵性能を示した。また、このように集塵部でイオンを放出できる構造とすることにより、線状電極102を用いた従来型の荷電部101を省くことができ、装置全体の寸法も小さくすることができた。また、オゾン発生濃度を測定したところ2ppb以下となり、放電電流を低減してイオンのみを発生させることで、十分な集塵性能を持ちながらオゾン発生量を極微小なものにできることがわかった。
【0073】
参考例であるNo.5の集塵装置の構成を図3に示す。基本的な構造はNo.4とほぼ同じであるが、三角形状の突起状電極2の代わりに長さが8mmで先端が鋭く尖った鋼製の突起状針電極3をマイナス電極板の風上側端部に設けたものである。この突起状針電極3にはマイナス電極板106と同じ−6kVが印加され、プラス電極板105との間で1.5μAの放電電流が流れる放電を起こすことによって空気を電離しイオンを放出している。そして集塵効率を測定したところ98%となり、No.4以上に高い集塵性能を示した。突起状電極2をより尖った針状にすることにより、さらに効率よくイオンを放出できることがわかった。また、オゾン発生濃度を測定したところ、No.4と同様に2ppb以下となり、放電電流を低減してイオンのみを発生させることで、十分な集塵性能を持ちながらオゾン発生量を極微小なものにできることがわかった。
【0074】
比較例であるNo.6の集塵装置の構成を図4に示す。図4に示すとおり、No.4の集塵装置の突起状電極2から30mm前の位置にメッシュ数10/inchのステンレス製の網状対向電極4を設け、網状対向電極4をアースに接続してゼロ電位としたものである。三角形状の突起状にはマイナス電極板106と同じ−6kVが印加され、プラス電極板105および網状対向電極4との間で合計12μAの放電電流が流れる放電を起こすことによって空気を電離しイオンを放出している。しかしながら70%しか集塵効率は得られず、No.4よりも低い集塵性能を示した。突起状電極2の先端から最も近い垂直位置に対向電極を置くと、先端と対向電極を線で結ぶ狭い範囲にしかイオンが放出されなくなり、イオンが突起状電極2の前方に均一に広がらなくなることがわかった。また、オゾン発生濃度を測定したところ5ppbとなり、No.4に比べてわずかに大きくなった。これは突起状電極2の先端から最も近い位置に対向電極が設けられると、放電電流が増加してオゾン発生量も増加してしまうことが原因である。
【0075】
比較例のNo.6に対する参考例であるNo.7の集塵装置の構成を図5に示す。図5に示すとおり、No.4の突起状電極2から30mm前の位置に突起状電極2の先端を中心にして45mmの間隔で突起状電極2を挟むように幅3mm厚さ0.2mmのステンレス製の格子状対向電極5を設け、格子状対向電極5をアースに接続してゼロ電位としたものである。三角形状の突起状にはマイナス電極板106と同じ−6kVが印加され、プラス電極板105および格子状対向電極5との間で合計4μAの放電電流が流れる放電を起こすことによって空気を電離しイオンを放出している。そして集塵効率を測定したところ99%となり、No.4以上に高い集塵性能を示した。格子状対向電極5を突起状電極2が挟まれるように前方に設けることで、突起状電極2先端の手前の狭い範囲だけではなく前方の広い範囲に均一に広がるようにイオンを放出することができることがわかった。また、オゾン発生濃度を測定したところ、No.4と同様に2ppb以下となり、放電電流を低減してイオンのみを発生させることで、十分な集塵性能を持ちながらオゾン発生量を極微小なものにできることがわかった。
【0076】
以上のことをまとめると、比較例であるNo.1で示したように絶縁体ハニカム1を電極板の間に挟まない場合、集塵性能は低い。参考例であるNo.2またはNo.3で示したように、細かいセルを持つ絶縁体ハニカム1を電極板の間に挟む構造にした場合、高い集塵性能を実現することができる。また、線状電極102を用いた従来型の荷電部101を用いた場合、オゾン発生量が非常に多い。参考例であるNo.4またはNo.5で示したように放電電流を数μA程度にしてイオンのみを発生させている場合は、集塵性能を維持しながらオゾン発生を極力抑制することができている。そして集塵部にイオンを放出する手段を設けることによって集塵装置全体の寸法をコンパクトにすることができることがわかった。また、集塵部104の電極板に突起状電極2を設けて集塵部とイオン放出手段を一体化した構造においては突起状電極2の先端から最も近い垂直位置ではなく、No.6に示すような格子状対抗電極5を、突起状電極2を挟むように手前に設けることで突起状電極2の前方に均一に広がるようにイオンを放出することができるようになり、より高い集塵性能が得られることがわかった。
【0077】
次に以下に示すそれぞれの集塵装置において、プラスおよびマイナスイオンの発生量がどの程度であるのかを評価した。空気イオン濃度は集塵部の後方300mmの位置におけるダクト内空気をサンプリングし、電気移動度が0.4cm2/V・sec以上の小イオンの個数濃度を計測できるFISA製イオンテスターFIC−2000を用いて測定した。単位は個/ccである。それぞれの集塵装置における詳細を図6、7、8を使って説明する。またイオン発生量と集塵効率の結果を表1に示す。
【0078】
No.1の集塵装置を用いてイオン発生量を測定した結果、マイナスイオンは20,000個/cc個出ていたが、プラスイオンは0個/ccだった。No.1の集塵装置は従来から一般的に用いられたものと全く同じであり、図13の荷電部101の線状電極102に−5.8kVの電圧がかけられて50μAの放電電流が流れているため、マイナスイオンのみを発生しているためである。
【0079】
実施例であるNo.8の集塵装置の構成を図6に示す。基本的な構成は実施例であるNo.4の集塵装置と同じであるが、図6に示すとおり底辺が3mmで底辺から頂点までの長さが5mmとなる三角形状をした突起状電極2が、マイナス電極板106の上流側端部に45mmの間隔で1枚につき3個(全部で18個)、プラス電極板105の上流側端部に45mmの間隔で1枚につき2個(全部で14個)設けられている。そしてプラス電極板105に+3.1kV、マイナス電極板106には−2.9kVの電圧を印加し、放電電流が10μA流れる放電を起こさせた。この集塵装置を用いてイオン発生量を測定した結果、検出されたマイナスイオン、プラスイオンはともに0/cc個となり、また91%という高い集塵効率を得た。これはプラス電極板105とマイナス電極板106の間で放電が起こり、マイナス電極板106に設けられた突起状電極2からマイナスイオンが、プラス電極板105に設けられた突起状電極2からプラスイオンがそれぞれ放出されることによる。それぞれのイオンは粉塵に付着してそれぞれの極性に粉塵を帯電する。そして帯電した粉塵は2つの電極板がつくる電界の力を受けて絶縁体ハニカム1のセル壁面上に捕集される。捕集されずに装置を通過した粉塵やイオンはプラスもしくはマイナスの電荷をもっており、異なる極性どうしの粉塵やイオンが結合してお互いの電荷を打ち消しあい、電気的に中和される。このようにしてプラスイオンとマイナスイオンを等量出すように放電を行うことで、高い集塵性能を持ちながら、捕集し切れなかったイオンや粉塵の電荷を中和することができることがわかった。
【0080】
実施例であるNo.9の集塵装置の構成を図7に示す。この集塵装置No.9はNo.8の集塵装置のマイナス電極板およびプラス電極板それぞれに設けられた突起状電極2の風上側30mmの位置に、プラス電極板105およびマイナス電極板106それぞれに設けられた突起状電極2の先端を中心にして22mmの間隔を置いて幅3mmの格子状対向電極5を設けたものである。そしてプラス電極板105には+3.1kV、マイナス電極板106に−2.9kVの電圧を印加し、放電電流が12μA流れる放電を起こさせた。この集塵装置を用いてイオン発生量を測定した結果、検出されたマイナスイオン、プラスイオンはともに0個/ccとなり、また集塵効率92%となりNo.8の集塵装置よりも高い集塵性能を得た。格子状対向電極5を設けることによってプラスマイナスにそれぞれ電圧が印加された突起状電極からイオンが均一に広がるように放出され、粉塵を広い範囲でしっかりと帯電させることによって集塵効率を高めながら捕集し切れなかったイオンや粉塵の電荷を中和することができることがわかった。
【0081】
実施例であるNo.10の集塵装置の構成を図8に示す。この集塵装置No.10はNo.9の集塵装置において、プラス電極板105およびマイナス電極板106それぞれの風下側端部にも、風上側と同様突起状電極を設けたものである。今回評価した装置においては風上側と同じ配置と数になるよう突起状電極を設けた。また風上側および風下側ともにNo.9と同じ配置で格子状対向電極5を設けた。そしてプラス電極板105に+3.1kV、マイナス電極板106に−2.9kVの電圧を印加し、放電電流が23μA流れる放電を起こさせた。この集塵装置を用いてイオン発生量を測定した結果、検出されたマイナスイオン、プラスイオンはともに70万個/ccとなり、また集塵効率は92%となりNo.9の集塵装置同様高い集塵性能を得た。このようにして突起状電極2をプラス電極板5およびマイナス電極板6それぞれの風下側端部に設けることにより、大量のプラスイオンとマイナスイオンを放出し、そしてプラスイオンとマイナスイオンで集塵装置近傍にある物体の持つ電荷を中和し、その帯電を解消することができる装置が得られることがわかった。
【0082】
以上の結果、実施例であるNo.8、9、10の集塵装置のようにプラスイオンとマイナスイオンを等量放出する構造を実現することにより、粉塵をそれぞれの極性に帯電して捕集すると同時に装置近傍を帯電せず、さらには装置近傍の帯電をプラスイオンとマイナスイオンで解消することができる集塵装置が得られることがわかった。
【0083】
なお、本実施例では図2においてプラス電極板105とマイナス電極板106との間隔10mmの中にコルゲート状のセルが約6段入るようなセル寸法を持つ絶縁体ハニカム1を用いたが、電極板の間にセルが挟まれる構造であれば、電極板間の距離および挟むセルの数、寸法をいくつにしても同様の効果が得られる。
【0084】
なお、本実施例ではコルゲート状のセルを持つ絶縁体ハニカム1を用いたが、セルの形状を持ち通風できるものであれば、セルの形状を丸や四角など他のものにしても同様の効果が得られる。
【0085】
なお、突起状電極2として先端が鋭利に尖った鋼製の三角形状の突起状電極や針を用いたが、空気をイオン化できるならば、かわりとして導電性を持つ他の材質のものを用いてもその効果に差は生じない。
【0086】
なお、本実施例では格子状対向電極5の材料として3mm幅厚さ0.2mmのステンレス製の平板を用いたが、突起状電極2の先端を挟むように設けることが可能かつ導電性を持っていればどのような寸法、材質のものを用いてもその効果に差は生じない。
【0087】
なお、本実施例ではプラス電極板105には突起状電極2を12個設けて+3.1kVの電圧を、マイナス電極板106には突起状電極を18個設けて−2.9kVの電圧をそれぞれ印加したが、プラスイオンとマイナスイオンが等量出るならばどのような条件でもよく、突起状電極の数や配置、そして印加電圧もこの限りではない。
【0088】
(参考例1)
集塵以外に脱臭性能を同時に実現した集塵装置の説明と試験結果を以下に示す。脱臭性能は悪臭成分の中で除去しにくいとされるアセトアルデヒドの濃度を時間ごとに測定し、濃度減衰の速度を評価することによって行った。具体的な評価試験方法は以下のとおりである。容積が約200Lとなるアクリル製の密閉式ボックスの中に、評価を行う集塵装置を置く。集塵装置の大きさは前述の実施例1と同様に132mm×122mmの断面積のものとした。そしてアセトアルデヒド溶液を入れ、加熱によって蒸発気化させることでアクリルボックスの中のアセトアルデヒド濃度を約100ppmにした。その後集塵装置に付属してあるファンを運転して0.5m/s(0.48m3/min)の風速(風量)で通風し、時間ごとのボックス内のアセトアルデヒド濃度を測定することによってそれぞれの集塵装置の脱臭性能を評価した。アセトアルデヒド濃度は水素炎検出機(FID)が付属したガスクロマトグラフ(GLサイエンス製GC353B)を用いて測定を行った。今回はそれぞれの集塵装置の脱臭性能を簡単に比較できるように、試験開始直後と30分後のアセトアルデヒド濃度(それぞれD(0)とD(30)とする)から求められる臭気除去率Hを以下の式で求め、それを比較に用いた。
【0089】
H=1−D(30)/D(0) (%)
また、集塵効率ηは前述の実施例1に記載したとおりの方法とまったく同じように測定して評価を行った。試験によって得た各装置の脱臭・集塵性能を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
従来例であるNo.1の集塵装置の脱臭性能を評価したところ臭気除去率は8%であり、ブランクが7%であることから、従来の集塵装置はほとんど脱臭性能がないことがわかった。
【0092】
参考例であるNo.11の集塵装置の構成を図9に示す。構造としては前述のNo.2とほぼ同じであるが、吸着性を持つ特殊ゼオライトを38重量%含有した波シート状の吸着コルゲート紙6を絶縁体ハニカム1として用いている。またプラス電極板105とマイナス電極板106には両方とも幅132mm、奥行き20mm、厚さ0.1mmのアルミ板を用いている。吸着コルゲート紙6は以下のようにして作成した。4000ccの水に1μmの粒径を持つ特殊ゼオライト粉末(ユニオン昭和製smellrite)、パルプ繊維、ポリエステル繊維をそれぞれ定量加えて撹拌混合した後、カチオン系界面活性剤を加えてよく撹拌した。その後アニオン系界面活性剤を加えて分散していたパルプ繊維をある程度凝固させた後、細かい目の開いた金属製の紙すき板が底についている箱に流し込み、紙すき板の下から吸引して水を吸い取り、特殊ゼオライト粉末を絡め取ったパルプ繊維などの固形分を紙すき板の上に積層させてシート状の紙にした。そしてプレス、乾燥を経て厚さ約0.3mmの吸着コルゲート紙6を得た。吸着コルゲート紙6はコルゲート高さが上下合わせて約2mmとなっており、この紙を挟んで2mmの間隔で、プラス電極板105とマイナス電極板106が交互に積層されている。両方の電極板の奥行きは前述のとおり20mmであり、また特殊ゼオライトを含むコルゲート紙の奥行きは電極板の間の絶縁を保つために30mmとなっており、吸着コルゲート紙6が前後で5mmづつ余るような配置で積層した。そして集塵部104の風上に置いた従来型荷電部101の線状電極102に+5.7kVの電圧を印加し、54μAの放電電流が流れるコロナ放電を起こさせた。そして集塵部104のプラス電極板105に+1kVの電圧を印加し、マイナス電極板106をアースにつないで電位をゼロにした状態で付属のファンの運転を開始し、臭気除去率を測定したところ84%となり高い脱臭性能を示した。また、集塵効率を測定したところ風速0.5m/sで95%となり、非常に高い集塵性能を持っていることが分かった。
【0093】
参考例であるNo.12の集塵装置の構成を図10に示す。実施例であるNo.12の集塵装置はNo.11とほぼ同じ構成だが、プラス電極板105およびマイナス電極板106に粒径10μの特殊活性炭を30重量%含んだ導電性活性炭紙7を用いている。プラス電極板105とマイナス電極板106はともに幅132mm、奥行き20mmの寸法となっている。導電性活性炭紙7の作成方法は前述の吸着コルゲート紙6の作成方法と同じで、成分を特殊ゼオライトから10μmの粒径かつ導電性を持つ特殊活性炭9(キャタラー工業製FM−C)に変更したものである。導電性活性炭紙7の電気抵抗をデジタルマルチメーターで測定したところ1cmのプローブ距離で600kΩとなり、電極板として必要とされるだけの導電性を持ち合わせていることがわかった。集塵部104の風上に置いた従来型の荷電部101において+5.7kVの電圧を線状電極102に印加し、54μAの放電電流が流れるコロナ放電を起こさせた。そしてプラス電極板105に用いた導電性紙7に+2kVの電圧を印加し、マイナス電極板106をアースにつないで電位をゼロにした状態で付属のファンの運転を開始し、臭気除去率を測定したところ96%となり非常に高い脱臭性能を示した。また、集塵効率を測定したところ風速0.5m/sで80%となり、十分高い集塵性能を持っていることが分かった。このように吸着性能を持つ材料を含んだ吸着コルゲート紙6を絶縁ハニカム1として用いたり、吸着性能と導電性を併せ持つ導電性活性炭紙7を電極板として用いたりすることにより、集塵と同時に高い脱臭性能を発揮し、総合的に空質を向上することができる集塵装置が得られることが分かった。
【0094】
また、図には記載していないが、参考例であるNo.12の集塵装置の吸着コルゲート紙6および導電性活性炭紙7に酸化チタン粉末(チタン工業製TKP102)を6重量%含ませた実施例No.9の集塵装置の脱臭性能を測定したところ、初回のアセトアルデヒド臭気除去率はNo.8と同様に96%だった。No.8では脱臭試験を数回行ってアセトアルデヒドを除去していくうちに、臭気除去率は徐々に下がる結果となった。これは吸着材料の持つ臭気吸着量に限界があるためである。そこでNo.9の集塵装置で数回脱臭試験を行い、臭気除去率が80%以下になったのを確認した後に天日干しを8時間行い、その後改めて同様の脱臭試験を行った結果、臭気除去率は90%以上に回復した。これは天日干しによって熱エネルギーを受けて臭気を放出するのと同時に、太陽の光によって酸化チタンが励起して吸着したアセトアルデヒドを分解したことによる。このように光触媒である酸化チタンを絶縁体ハニカム1や電極板に担持させ、太陽光などの光や熱エネルギーを受けることによって酸化チタンを励起して吸着した有害ガスを分解し、脱臭性能を再生することによって何度も使用することができるということが分かった。
【0095】
参考例であるNo.13の集塵装置の構成を図11に示す。風上側から順番に、鋭い先端を持ち、高電圧が印加されて放電を起こす長さ25mmの棒状針電極8、分極性のあるガラス繊維を材質とした濾材108(北越製紙製H720、棒状針電極8に電圧をかけない時の集塵効率は40%前後)、通気性を持つ導電性シート109(倉敷繊維加工製MS−60)が設けられており、濾材108と導電性シート109はシートを空気が通るときのシート面速度を下げて集塵性能と臭気除去性能を高めるためにプリーツ状に折られている。そして濾材108と導電性シート109の間には導電性活性炭9(キャタラー工業製FM−C)が挟まれている。ちなみに導電性活性炭9が粉落ちしないよう、導電性シート109の表面にはアクリルゴム系の接着剤が塗られている。そして棒状針電極8に−6kVの電圧を線状電極102に印加し、導電性シート109をアースに接続して運転を開始し、臭気除去率を測定したところ94%となり非常に高い脱臭性能を示した。また、上記の条件で集塵効率を測定したところ風速0.5m/sで98%となり、非常に高い集塵性能を持っていることが分かった。ちなみにその時の放電電流は1μAと微小であり、そのため発生オゾン濃度は2ppb以下と非常に小さくなった。高電圧が印加されて放電を起こす棒状針電極8と通気性を持つ導電性シート109の間に分極性を持つ濾材108を置いて、棒状針電極8からイオンを発生すると同時に濾材を分極して集塵効率を高める集塵装置において、活性炭やゼオライトなど吸着性能を持つ材料を濾材108と導電性シート109の間に挟む、もしくは濾材108または導電性シート109に担持させることにより、集塵と同時に高い脱臭性能を発揮し、総合的に空質を向上することができる集塵装置が得られることが分かった。
【0096】
なお、本参考例においては臭気除去用の吸着剤として導電性活性炭9を用いたが、除去対象の臭気成分を吸着できる他の吸着剤を用いても同様の効果が得られる。
【0097】
なお、本参考例においては濾材108としてガラス繊維を構成要素としたのものを用いたが、分極性を持つものであればどのような材料や形状のものを用いてもよく、たとえばポリプロピレンなどの樹脂材料を用いたものや、繊維状のものではなく細孔を持つシート状のものを用いても同様の効果が得られる。
【0098】
(参考例3)
セル構造を持つ絶縁体が無機材料でできており、電極板やセル構造を持つ絶縁体に熱が与えられることによって集塵脱臭を同時に行い、吸着した有害ガスのみではなく捕集した粉塵も分解して常時メンテナンスが行える集塵装置の例を図12に示す。下から順にプラス電極板105、絶縁ハニカム1、マイナス電極板106、絶縁ハニカム1を積層し、4つのシートをロール状に巻くことによって円筒状の形をした集塵部104となっている。プラス電極板105とマイナス電極板106には空気をイオン化して粉塵を帯電する突起状電極2が設けられている。そして絶縁ハニカム1は紙でできており、パルプ繊維やガラス繊維、もしくはセラミックス繊維などで作られている。2つの電極板にはステンレスやアルミ、銅など導電性の高い材料をシート状にしたものを用いている。水などを溶媒にして、ゼオライトなどの吸着作用を持つ材料、水ガラスなどの無機バインダー成分、そして白金、ロジウムなどの貴金属やコバルトもしくはマンガンといった熱によって励起し活性を得る熱触媒を含み、ボールミルなどにかけてよく分散して混ざり合った混合液に上記集塵部104を浸漬し、液切りをした後、300〜600℃で焼成を行う。担持量が多すぎてコルゲートが目詰まりを起こすなど問題がある場合は焼成前に通気乾燥を行う。絶縁体ハニカム1がパルプ繊維を用いている場合は焼成温度を400℃以上にすることによってパルプ繊維を燃焼分解してデバイスの燃焼成分を除去することができる。このように吸着剤や熱触媒を絶縁ハニカム1や電極板に添着固定し、焼成することによって無機成分のみで集塵部104を構成することができる。特に絶縁ハニカム1に繊維質のシートを用いている場合は繊維の中にまで混合液が浸透するため、シートの内部にまで吸着剤や熱触媒を担持させることができる。そして集塵部104の風上や周囲にヒーター10を設けることによって、集塵部104を100℃以上に加熱する、もしくは集塵部104加熱された空気を送り込むことができるようになっている。プラス電極板105にプラス極性の高電圧を印加し、マイナス電極板106にマイナス極性の高電圧を印加することによって、突起状電極のイオン放出により帯電した粉塵を集塵部104の絶縁体ハニカム1やプラス電極板105、マイナス電極板106に捕集することができる。さらに吸着剤が担持されているため、空気中の悪臭成分といった有害ガスを吸着除去することができる。そして、ヒーター10により装置が100℃以上に加熱されているために、前述の熱触媒が活性を得て吸着した有害ガスおよび捕集した粉塵をCO2やH2Oなどの気体に燃焼分解し除去することができるため、メンテナンスに手間をかける必要なく装置を清浄に保つことができる。
【0099】
なお、本参考例に示した集塵装置はヒーター10で常時加熱する必要は必ずしもなく、装置内をきれいにしたいときだけヒーター10で加熱して粉塵や有害ガスを分解除去しても同様の効果が得られる。
【0100】
なお、本参考例ではイオン放出手段として突起状電極を用いたが、従来の線状電極を用いた荷電部など他のイオン放出手段を用いても同様の効果が得られる。
【0101】
なお、図12においては集塵部の風上側にヒーター10をおいた構造となっているが、集塵部に担持されている触媒に熱が与えられる位置であればヒーター10はどの部分に設置しても同様の効果を得られる。
【0102】
なお、本参考例に示した集塵装置は長い電極板と長い絶縁体ハニカムを重ねて巻くことによって形成されているが、短い電極板と絶縁体ハニカムを積層した構造においても効果に差は生じない。
【0111】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、プラスマイナスのイオンを同時に放出して帯電を中和することによって、装置近傍が汚れにくくなる集塵装置を提供することができる。
【0112】
また、放電領域をイオン化手段の前方向に拡張することによって、高くて安定した集塵性能を持つ集塵装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の集塵部電極板の間に絶縁体ハニカムを設けた電気集塵式集塵装置の構成図
【図2】 参考例の集塵部のプラスもしくはマイナス電極板の風上側端部に突起状電極を設けてイオン放出手段と集塵部を一体化した電気集塵式集塵装置の構成図
【図3】 参考例の集塵部のプラスもしくはマイナス電極板の風上側端部に突起状針電極を設けてイオン放出手段と集塵部を一体化した電気集塵式集塵装置の構成図
【図4】 参考例の図3の集塵装置に設けられた突起状電極の風上側に網状対向電極を設けた電気集塵式集塵装置の構成図
【図5】 参考例の図3の集塵装置に設けられた突起状電極の風上側に、突起状電極を挟むように格子状対向電極を設けた電気集塵式集塵装置の構成図
【図6】 実施例の集塵部のプラスおよびマイナス電極板両方の風上側端部に突起状針電極を設けてイオン放出手段と集塵部を一体化した電気集塵式集塵装置の構成図
【図7】 実施例の図6の集塵装置に設けられた突起状電極の風上側に網状対向電極を設けた電気集塵式集塵装置の構成図
【図8】 実施例の集塵部のプラスおよびマイナス電極板両方の風上側および風下側端部に突起状針電極を設け、それぞれの突起状電極の手前に突起状電極を挟むように格子状対向電極を設けた電気集塵式集塵装置の構成図
【図9】 参考例の絶縁体ハニカムとして吸着コルゲート紙を用いた電気集塵式集塵装置の構成図
【図10】 参考例の絶縁体ハニカムとして吸着コルゲート紙を、集塵部電極板として導電性活性炭紙をそれぞれ用いた電気集塵式集塵装置の構成図
【図11】 参考例の導電性活性炭を濾材と導電性シートの間に備えた電気集塵式集塵装置の構成図
【図12】 参考例の絶縁体ハニカムに吸着剤と触媒を担持し、ヒーターを設けた電気集塵式集塵装置の構成図
【図13】 従来の電気集塵式集塵装置の構成図
【図14】 濾材を用いた従来の電気式集塵装置の構成図
【符号の説明】
1 絶縁体ハニカム
2 突起状電極
3 突起状針電極
4 網状対向電極
5 格子状対向電極
6 吸着コルゲート紙
7 導電性活性炭紙
8 棒状針電極
9 導電性活性炭
10 ヒーター
Claims (2)
- セル構造を持つ絶縁体を挟みながらマイナス電極板とプラス電極板を交互に積層し、交互に積層された前記マイナス電極板の端部と前記プラス電極板の端部に先端の尖った突起状電極を設け、前記マイナス電極板にマイナス電圧を印加し、前記プラス電極板にプラス電圧を印加し、プラスイオンとマイナスイオンを等量出すように前記プラス電極板に+3.1kVの電圧を印加し前記マイナス電極板に−2.9kVの電圧を印加し放電させて集塵する集塵装置。
- セル構造を持つ絶縁体を挟みながらマイナス電極板とプラス電極板を交互に積層し、交互に積層された前記マイナス電極板の端部と前記プラス電極板の端部に設けられた、先端の尖った突起状電極の前方に、突起状電極の先端を囲むように格子状電極を設置し、これをゼロ電位とし、前記マイナス電極板にマイナス電圧を印加し、前記プラス電極板にプラス電圧を印加し、プラスイオンとマイナスイオンを等量出すように前記プラス電極板に+3.1kVの電圧を印加し前記マイナス電極板に−2.9kVの電圧を印加し放電させて集塵する集塵装置。
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