JP3989176B2 - Method for producing thermoplastic resin-coated aluminum alloy sheet for molding process with excellent adhesion and workability of coating layer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は飲料や食品等の包装に用いられる缶やレトルト容器等の容器、あるいは各種電気電子部品、そのほか自動車部品、家具、内外装建材などに使用される成形加工用被覆アルミニウム合金板、特に熱可塑性樹脂を被覆した成形加工用被覆アルミニウム合金板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のようにアルミニウム合金板は軽量でかつ成形性や耐食性等に優れるところから、飲料缶や食品レトルト容器等の包装容器、あるいは電気電子部品、自動車部品、家具、内外装建材、そのほか各種の日用品等に広く使用されている。これらの用途においては、深絞り加工やしごき加工等の成形加工を施すことが多く、また耐食性や装飾性の向上を目的として脱脂洗浄、塗装等の表面処理を施すことが多いが、従来は塗装等は成形加工の後に行なうのが通常であった。しかしながら最近では、コスト低減や環境負荷軽減等の観点から、予めアルミニウム合金板表面に樹脂フィルムをラミネートしたりあるいは塗装により樹脂塗膜を形成して、被覆アルミニウム合金板としておき、その後に被覆アルミニウム合金板に対して成形加工を行なうことが多くなっている。
【0003】
上述のように予めフィルムをラミネートしたり塗膜を形成したりしておいた被覆アルミニウム合金板において、フィルムや塗膜とその下地のアルミニウム合金板(被覆用アルミニウム合金板)の表面との密着性が不充分であれば、成形加工時においてフィルムや塗膜の剥離が生じたり、また密着性の不充分な箇所から腐食が発生してしまうおそれがある等の問題がある。したがって被覆アルミニウム合金板においては、下地に対するフィルムや塗膜の密着性を向上させることが重要な課題となっている。
【0004】
ところで被覆アルミニウム合金板におけるフィルムもしくは塗膜と下地表面との密着力は、主として(A)機械的結合力、(B)化学的結合力、および(C)分子間結合力、以上3種類の結合力によって左右される。ここで、(A)の機械的結合力は、アンカー効果とも称されるものであって、板表面の微細凹凸構造の凹部に侵入したフィルム樹脂や塗料が界面に作用する剪断力に抗して密着力を発揮するものであり、また(B)の化学的結合力は、−OH、−COOH等の活性基により密着力を得るものであり、さらに(C)の分子間結合力はファンデルワールス力等の極めて微弱な結合力である。これらの結合力のうち、特に機械的結合力と化学的結合力は、下地アルミニウム合金板の表面性状によって大きく左右されるところから、被覆アルミニウム合金板を製造するにあたっては、フィルムをラミネートしたり塗料を塗布したりする以前に、密着性向上のためにアルミニウム合金板表面にいわゆる下地処理を施して表面性状を改善しておくことが従来から広く行なわれている。
【0005】
上述のような下地処理としては、(1)サンドブラスト、ショットブラスト等の機械的粗面化処理、(2)酸やアルカリ等による化学的エッチング、(3)クロメート処理、ベーマイト処理等の化成処理、(4)陽極酸化処理、(5)シランカップ剤、チタネートカップリング剤等によるウォッシュプライマー処理、(6)コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的表面処理などが知られている。しかしながらこれらの下地処理を施した被覆用アルミニウム合金板に樹脂フィルムをラミネートもしくは塗装した場合でも、複雑な形状の容器等のために苛酷な絞り成形やしごき加工を行なったり、また食品用レトルト容器等において加熱処理、例えばレトルト処理が行なわれたりした場合には、フィルムや塗膜の剥離が生じたり、長期間使用するうちに腐食が生じたりするおそれがあり、したがって未だ充分な密着性を確実かつ安定して得ることは困難であった。
【0006】
このような問題を解決するため、特にフィルムや塗膜と下地の被覆用アルミニウム合金板表面との機械的結合力を増すべく、アルミニウム合金板表面の微視的性状に着目した提案が既にいくつか知られている。例えば特開昭61−243158号や特開平2−310036号等においては、塗膜やフィルムが被覆されるアルミニウム合金板表面の凹凸の最大高さRmaxや中心線平均粗さRa、特定測定長さあたりの山頂PPIを規定することが提案されている。また特開平7−197272号においては、板表面の1cm角の表面積を5cm2 以上とすることによって、フィルムの密着性を改善することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記各提案に示されるようにフィルムや塗膜が被覆されたアルミニウム合金板表面の微視的性状を規定することによって、ある程度はフィルムや塗膜等の被覆層の密着性を改善する効果が得られることもあるが、これらの提案に従った場合でも、前述のような苛酷な成形加工や加熱処理が行なわれた場合には、充分な密着性が確保されないことがあったのが実情である。
【0008】
この発明は以上のような事情を背景としてなされたもので、苛酷な成形加工や加熱処理が施される場合でも、被覆層の密着性を確実かつ充分に確保することができ、被覆層の剥離が生じたり、密着性の不充分な部分から腐食が生じたりすることを確実に防止し得る成形加工用被覆アルミニウム合金板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
被覆アルミニウム合金板の成形加工時や加熱処理時においてフィルムもしくは塗膜等の被覆層の密着性が低下する原因は、下地の被覆用アルミニウム合金板とフィルムもしくは塗膜などの被覆層との接合界面に剪断力が作用したときに、界面にミクロ的なずれが生じて界面の結合が緩むことに起因する。そこで上述の剪断力に抗してミクロ的なずれが生じないようにするためには、板表面に凹凸を設けることが考えられ、この考えが前述の各提案の基本的前提となっている。
【0010】
ここで、板表面に凹凸を設けるためには、表面を荒らさなければならないが、あまりに荒らし過ぎれば被覆時において空気の巻き込みが多くなり、逆に密着性を低下させてしまう。また、凹凸の窪みの部分の幅が小さかったり凹凸の斜面の傾斜が大き過ぎたりすれば、被覆時にフィルムの樹脂や塗料が凹部の深い部分まで充分に入り込むことが困難となって、逆に密着性を低下させる原因となってしまう。したがって前記各提案のように単純にRmaxやRaで表示される表面粗さを規定するだけでは、界面の剪断力に充分に対抗することができない場合もある。そこで本発明者が板表面の微視的性状と被覆層の密着性との関係について詳細に実験・検討を重ねた結果、単純にRmaxやRaで表示される表面の粗さを規定するのではなく、凹凸の幅(平均間隔)Sm、凹凸の斜面の傾斜角θa、および十点平均粗さRzを厳密に規定することによって、界面の剪断力に抗して被覆層の密着力を充分に向上させ得ることを見出した。
【0011】
そしてこのような知見に基づき、本発明者等は既に特願2000−316076において、表面の凹凸の平均間隔Smが5〜200μmの範囲内にあり、かつ凹凸の斜面の平均傾斜角θaが3〜30°の範囲内にあり、しかも十点平均粗さRzが0.5〜5μmの範囲内にある被覆用アルミニウム合金板、あるいはアルミニウム合金基板の表面に化成処理皮膜が形成ていてその化成処理皮膜の表面の凹凸の平均間隔Smが5〜200μmの範囲内にあり、かつ凹凸の斜面の平均傾斜角θaが3〜30°の範囲内にあり、しかも十点平均粗さRzが0.5〜5μmの範囲内にある被覆用アルミニウム合金板を提案している。
【0012】
このような提案の被覆用アルミニウム合金板を用いれば、被覆層の密着力を充分に向上させることが可能であるが、本発明者等はその提案をベースとして、さらに実験・検討を重ねた結果、上述のように被覆用アルミニウム合金板の表面性状を調整するばかりでなく、特に溶融状態の熱可塑性樹脂を用いて被覆用アルミニウム合金板の表面に樹脂被覆層を形成することによって、より確実かつ安定して被覆層の密着力を向上させ得るとともに、加工性を向上させ得ることを見出し、この発明をなすに至ったのである。
【0013】
具体的には、請求項1の発明の成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法は、表面の凹凸の平均間隔Smが5〜200μmの範囲内にあり、かつ凹凸の斜面の平均傾斜角θaが3〜30°の範囲内にあり、しかも十点平均粗さRzが0.5〜5μmの範囲内にある被覆用アルミニウム合金板の少なくとも片面に、溶融状態の熱可塑性樹脂を積層し、次いでその熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下の温度に30℃/秒以上の冷却速度で急冷することを特徴とするものである。
【0014】
また請求項2の発明の成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法は、アルミニウム合金基板の表面に化成処理皮膜が形成され、かつその化成処理皮膜の表面の凹凸の平均間隔Smが5〜200μmの範囲内にあり、かつ凹凸の斜面の平均傾斜角θaが3〜30°の範囲内にあり、しかも十点平均粗さRzが0.5〜5μmの範囲内にある被覆用アルミニウム合金板の少なくとも片面に、溶融状態の熱可塑性樹脂を積層し、次いでその熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下の温度に30℃/秒以上の冷却速度で急冷することを特徴とするものである。
【0015】
ここで、前記化成処理皮膜としては、請求項3で規定するように反応型化成処理皮膜であっても、また請求項4で規定するように塗布型化成処理皮膜であっても良い。
【0016】
さらに請求項5の発明の成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法は、請求項1もしくは請求項2に記載の成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法において、前記熱可塑性樹脂の融点をTm(℃)とし、溶融状態の熱可塑性樹脂を被覆用アルミニウム合金板の少なくとも片面に積層するに先立って、予め被覆用アルミニウム合金板をTm−100(℃)以上、Tm+30(℃)以下の範囲内の温度に予熱しておくことを特徴とするものである。
【0017】
そしてまた請求項6の発明の成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法により得られた熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板について、さらに熱可塑性樹脂の融点Tm(℃)以上、Tm+30(℃)以下の範囲内の温度に再加熱し、その後熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下の温度に30℃/秒以上の冷却速度で急冷することを特徴とするものである
【0018】
【発明の実施の形態】
請求項1の発明の方法により得られる成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板は、基本的には図1に示すようにアルミニウム合金基板1の表面1A上に直接被覆層(熱可塑性樹脂層)3を設けたものであり、また請求項2〜4の方法により得られる成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板は、基本的には図2に示すようにアルミニウム合金基板1の表面1A上に反応型もしくは塗布型の化成処理皮膜5を形成し、その化成処理皮膜5の表面5A上に被覆層(熱可塑性樹脂)3を形成したものである。ここで、被覆層3の密着性は、その被覆層3に対する下地との界面によって決定されるから、図1に示すようにアルミニウム合金基板1の表面1Aに直接被覆層3を形成する場合には、請求項1で規定しているようにアルミニウム合金基板1の表面1Aの微視的性状を厳密に規定し、また図2に示すようにアルミニウム合金基板1の表面1A上に形成した化成処理皮膜5の表面5Aに被覆層3を形成する場合には、請求項2で規定しているように化成処理皮膜5の表面1Aの微視的性状を厳密に規定している。
【0019】
なおここで、化成処理皮膜のうち反応型化成処理皮膜は下地のアルミニウム合金基板と化成処理液との反応によって生成されるものであるため、下地のアルミニウム合金基板との密着性は極めて高く、また塗布型化成処理皮膜の場合も、塗布膜と下地のアルミニウム合金との間で反応が生じるため、反応型化成処理皮膜よりは密着力は低いものの、かなりの程度の密着力が得られ、いずれにしても化成処理皮膜とその下地のアルミニウム合金基板との間の密着力は、最表面のフィルムもしくは塗膜とその下地の化成処理皮膜との間の密着力よりも格段に大きい。そこで請求項2の発明の構造の場合(図2)においては、もっぱら最表面のフィルムもしくは塗膜とその下地の化成処理皮膜との界面に注目し、その界面における密着力向上のために化成処理皮膜の表面性状を厳密に規定している。
【0020】
但し実際に発明の方法を適用するにあたっては、化成処理皮膜を形成せずに熱可塑性樹脂からなる被覆層を形成する場合(請求項1)よりも、予め化成処理皮膜を形成しておいてその上に熱可塑性樹脂からなる被覆層を形成した場合(請求項2)の方が樹脂被覆層の密着性や被覆板としての耐食性の点で有利となる。そこで次の説明では、予めアルミニウム合金基板の表面に化成処理皮膜を形成しておいた被覆用アルミニウム合金板に対して、熱可塑性樹脂を被覆する方法について説明する。
【0021】
図3に、前述のように予めアルミニウム合金基板表面に化成処理皮膜を形成してなる被覆用アルミニウム合金板の表面に、熱可塑性樹脂からなる被覆層を設ける工程の代表的な一例の概要を示す。
【0022】
図3において、被覆用アルミニウム合金板1は例えば予めコイルとされており、そのコイル状の被覆用アルミニウム合金板1は供給側ロール7から連続的に繰出されて、第1加熱手段9を連続的に通過する。ここで、被覆すべき熱可塑性樹脂の融点をTm(℃)とすれば、被覆用アルミニウム合金板1は第1加熱手段9を通過する間に、(Tm−100)℃以上、(Tm+30)℃以下の範囲内の温度に加熱される。続いて被覆用アルミニウム合金板1は、巻付け用ロール10と冷却された圧着用ロール11との間隙部(圧接部)12に至る。この間隙部12の上方にはTダイ14が配置されており、予め溶融された熱可塑性樹脂16がこのTダイ14から連続的に供給される。すなわち、被覆用アルミニウム合金板1が間隙部12に導入される直前に、その被覆用アルミニウム合金板1の表面に溶融状態の熱可塑性樹脂16が連続的に積層される。そして積層された熱可塑性樹脂は、間隙部(圧接部)12において圧着用ロール11によって加圧されつつ、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下の温度に急冷される。このようにして熱可塑性樹脂が被覆された被覆用アルミニウム合金板1は、補助ロール18を介して第2加熱手段13に導入され、その第2加熱手段13により熱可塑性樹脂が、融点Tm(℃)以上、(Tm+30)℃以下の温度に再加熱されて、被覆用アルミニウム合金板の表面に強固に溶融密着される。このようにして熱可塑性樹脂が積層被覆された後、冷却手段15により冷却されてから巻取り側ロール17に連続的に巻取られる。
【0023】
ここで、従来のように予めフィルム状とされた樹脂フィルムを積層する方法の場合は、未溶融状態のフィルムを積層することから、積層時に空気の巻込みによりフィルムと下地との界面に微細な気泡が多数存在した状態となっていることが多く、そのため被覆用アルミニウム合金板表面の微細な凹部の隅々まで樹脂を充分に侵入させることが困難となって、確実かつ安定した密着力を得ることが困難となる。これに対しこの発明の方法の場合は、溶融状態の樹脂を被覆用アルミニウム合金板の表面に直接積層させるため、空気の巻込みを最小限に抑えつつ、下地表面の微細な凹部の隅々まで溶融樹脂を確実に進入させることができ、そのため樹脂被覆層の高い密着力を確実かつ安定して得ることができる。そしてこのように溶融状態の溶融樹脂を下地表面の微細な凹部の深部まで充分に侵入させて高い密着力を得るためには、後に詳細に説明するように、下地表面の凹凸の平均間隔Smが5〜20μm、凹凸の斜面の平均傾斜角θaが3〜30°、十点平均粗さRzが0.5〜5μmとなるように、下地表面(被覆用アルミニウム合金板表面)の微視的性状を厳密に調整する必要がある。
【0024】
ここで、凹凸の平均間隔Smは、JIS B0601に規定されているように、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜取り、この抜取り部分において一つの山およびそれに隣り合う一つの谷に対応する平均的長さの和(以下、凹凸の間隔という)を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値をミリメートル(mm)で表わしたものをいう。すなわち、一つの山とそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線における凹凸の間隔をSmi、基準長さl内での凹凸の間隔の個数をnとすれば、Smは、数1であらわされる。なお凹凸の平均間隔Smを求めるための基準長さlは、一般にSm値の大きさに応じて0.08mm、0.25mm、0.8mm、2.5mm、8mm、25mmの6種類のうちから選ばれるが、この発明の場合は、0.25mmとすることが望ましい。また実際上は、任意の5点についてそれぞれ基準長さlを抜き取ってSm値を測定し、その5点の平均値を求めることが望ましい。
【0025】
【数1】
【0026】
また凹凸の斜面の平均傾斜角θaについては、前記同様に粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜取り、その抜取り部分における傾斜量(縦横比)の算術平均を平均傾斜量Δaとし、それを角度で表わしたものが平均傾斜角θaである。すなわち、図4に示すように、斜面の微小長さdxにおける傾きをdx/dyとし、一つの谷に対して隣り合う一つの山の高さをhiとすれば、平均傾斜量Δaは数2であらわされ、平均傾斜角θaは、Δaを用いて、数3であらわされる。
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】
なおこの平均傾斜角Δaの測定にあたっても、基準長さlについては、この発明の場合は前記同様に0.25mmとし、任意の5点で測定してその平均値を求めることが望ましい。
【0030】
さらに、十点平均粗さRzは、JIS B0601で規定されているように、また一般に広く知られているように、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜取り、この抜取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を求め、この値をマイクロメートル(μm)で表わしたものをいう。なおこの十点平均粗さの測定に対しても、基準長さlは前記同様に0.25mmとすることが望ましく、また任意の5点について測定してその平均値を求めることが望ましいことも前記同様である。
【0031】
前述のように定義される凹凸の平均間隔Smが5μm未満であれば、溶融状態の樹脂が凹部に急速に侵入することができず、凹部内に気泡が残留した状態となって、機械的結合力としての充分なアンカー効果が得られない。一方凹凸の平均間隔Smが200μmを越えれば、凹部への溶融状態の樹脂の侵入は容易となるが、単位面積当りの凹部の総数が少なくなるため、下地との界面に剪断力が作用したときにおけるアンカー効果による保持力の総和が小さくなって、逆に密着力が低下してしまう。そこで凹凸の平均間隔Smは5μm以上、200μm以下とする必要がある。
【0032】
また凹凸の斜面の平均傾斜角θaが3°未満では界面に作用する剪断力に対する抵抗が小さくなって充分な密着力が得られず、一方θaが30°を越えれば、溶融状態の樹脂が凹部に侵入し難くなり、アンカー効果による密着力向上効果が充分に得られなくなる。
【0033】
さらに、十点平均粗さRzは、凹凸の深さに相当するものであるが、この十点平均粗さが0.5μmより小さければ、アンカー効果による機械的保持力の総和が小さくなり、充分な密着力が得られない。一方十点平均粗さRzが5μmを越えれば、溶融状態の樹脂が凹部の底まで充分に入り込むことができず、気泡が残存した状態となって、密着力の低下を招くばかりでなく、苛酷な条件での成形加工時におけるクラックの発生原因ともなる。したがって十点平均粗さRzは0.5μm以上5μm以下とする必要がある。
【0034】
以上のような下地表面の微視的性状の条件を満たすように被覆用アルミニウム合金板の表面を調整するための具体的方法は特に限定されるものではないが、
イ:圧延ロール表面を適切な条件によって研磨、あるいはショットブラスト、放電加工、レーザー加工等の手段によって処理して、圧延ロールの表面形状を適切に調整しておき、圧延時に圧延ロール表面の凹凸形状を板に転写する方法、
ロ:圧延速度や圧延用潤滑油の粘度の調整にって、圧延時に板表面に形成されるオイルピット等の形状や分布状態を調整する方法、
ハ:圧延終了後に粗さ調整ロールや引張矯正ロールあるいはプレス等によって板表面に面圧を加えて機械的に調整する方法、
ニ:圧延終了後に板表面に化学的エッチング処理や電気化学的エッチング処理を施す方法、
ホ:圧延終了後に板表面にブラシ研磨等の機械的研磨を加える方法、
などがある。実際上は、確実かつ安定して前述の表面条件を満たすように、これらのイ〜ホの方法から適宜選択したり、2種以上の方法を組合せたりすれば良いが、安定性や生産性、経済性等の点から考慮すれば、イの圧延による方法を用いるか、あるいはイの圧延法とニの化学的もしくは電気化学的エッチング法とを組合せて適用することが望ましい。
【0035】
ここで、請求項2〜請求項4で規定しているように、アルミニウム合金基板上に予め化成処理皮膜を形成しておき、その化成処理皮膜表面に溶融樹脂を積層する場合において、化成処理皮膜表面の性状を前述の各条件を満たすように調整するためには、一般には化成処理前のアルミニウム合金基板自体の表面性状を前述のイ〜ホのような方法によって前記条件を満たすように調整しておけば良い。但し場合によっては化成処理によって表面性状が若干変化することもあり、その場合にはその変化分を見込んで化成処理前のアルミニウム合金基板表面の性状を調整しておき、化成処理後の表面性状が前記各条件を満たすようにすれば良い。
【0036】
次に、請求項2〜請求項4において規定している化成処理皮膜について説明する。
【0037】
化成処理皮膜を形成する目的は、前述の(B)の化学的結合力を利用して被覆層の密着力および耐食性を向上させることにあり、アルミニウム合金基板表面に予め化成処理皮膜を形成しておいてその化成処理皮膜上に被覆層を形成することによって、直接アルミニウム合金基板上に被覆層を形成する場合よりも一層被覆層の密着力、耐食性を向上させることができる。もちろん、被覆層との界面となる化成処理皮膜の表面の微視的性状について既に述べたように規定しておくことはもちろんである。
【0038】
ここで、化成処理皮膜としては、請求項3において規定するように、クロメート処理やベーマイト処理、チタネート処理によって代表される反応型化成処理を施して得られる皮膜であっても、あるいは請求項4において規定しているように、組成物を塗布して乾燥させる塗布型化成処理皮膜であっても良い。
【0039】
反応型化成処理皮膜の場合、Cr、Zr、Ti、Mo、W、Mn等の金属のうちから選ばれた1種または2種以上を1〜50mg/m2 を含有する無機皮膜とすることが望ましい。これらの金属の含有量が1mg/m2 未満では、被覆層の密着力および耐食性の向上の効果が充分に得られず、一方50mg/m2 を越えれば、密着力向上の効果が飽和するばかりでなく、厳しい成形加工を受けた場合に膜内で破壊が生じて、逆に密着性を低下させてしまうおそれがある。このような反応型化成処理皮膜の形成方法としては、圧延後のアルミニウム合金基板を、アルカリ金属もしくはアンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩のうちから選ばれた1種または2種以上を含んだアルカリ水溶液に浸漬もしくはスプレーする方法、または硫酸、塩酸、硝酸、リン酸のうちから選ばれた1種または2種以上を含む酸水溶液に浸漬させるかまたはスプレーする方法、さらにはこれらのうちの2種類以上の方法を実施した後に、Cr、Zr、Ti、Mo、W、Mn等の金属の1種または2種以上およびアンモニウム塩、リン酸、フッ酸、硝酸等の1種または2種以上を含有する水溶液に浸漬またはスプレーする方法等がある。なお反応型化成処理皮膜の膜厚は特に限定しないが、5nm以上、5000nm以下の範囲内が好ましい。膜厚が5nm未満では密着力、耐食性の充分な向上を図ることが困難となり、一方5000nmを越えれば、厳しい加工を受けたときに皮膜自体が破壊されてしまうおそれがある。
【0040】
一方塗布型化成処理皮膜の場合、アクリル、フェノール、メラミン等の樹脂の1種または2種以上と、Cr、Zr、Ti、V、Mg、Ba等の金属の1種または2種以上を1〜50mg/m2 とを含有し、さらに必要に応じてリン酸、フッ酸等を含有する組成物層とすることが好ましい。このような塗布型化成処理皮膜の形成方法としては、圧延板をアルカリ水溶液に浸漬またはスプレーして水洗、乾燥した後、前記成分を含有する組成物をロールコーター等により塗布し乾燥させる方法が適当である。塗布型化成処理皮膜の膜厚は、乾燥後の膜厚で5nm以上、5000nm以下が好ましい。膜厚が5nm未満では密着性や耐食性向上の効果が得られず、一方5000nmを越えれば厳しい加工を受けたときに皮膜自体が破壊することがあり、好ましくない。なお皮膜中の前記金属の含有量としては、前述のように1〜50mg/m2 が望ましいが、そのうちでも特に3〜30mg/m2 が適当である。金属含有量が1mg/m2 未満では密着性や耐食性の向上効果が得られず、一方50mg/m2 を越えて含有させてもそれ以上の効果の向上は期待できず、また不経済となる。
【0041】
またこの発明の方法で使用する熱可塑性樹脂の具体的種類は特に限定されるものではないが、通常は例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルおよびこれらの変性体やポリマーブレンド、ポリマーアロイなどを用いれば良く、さらに必要に応じて滑剤、安定剤、酸化防止剤などの添加剤を配合することができる。
【0042】
さらにこの発明の方法における溶融樹脂の積層および冷却についての態様および好ましい条件について説明する。
【0043】
この発明の効果を充分に発揮させるためには、積層する熱可塑性樹脂を、その融点Tm(℃)以上に加熱して流動性を高めておかなければならない。一般に温度が高いほど樹脂の流動性は良好となるが、あまりに温度が高過ぎれば、樹脂が分解するため、好ましくなくなる。したがって樹脂の加熱温度は融点以上で分解が生じない限界の温度とすることが望ましく、具体的な加熱温度は、使用する樹脂の種類により決定される。なお溶融状態の樹脂を積層するための具体的な方法としては、前述したように充分に加熱混練された樹脂をTダイから押出して、被覆用アルミニウム合金板上に積層し、直ちに温度制御された圧着ロールにより加圧・冷却する方法が代表的であるが、この方法に限定されるものではない。また積層後の冷却については、樹脂の結晶化を防止するため、積層後に直ちに樹脂のガラス転移温度以下に急速冷却する必要がある。この際に樹脂の結晶化を防止するため、30℃/秒以上の冷却速度により急冷する。30℃/秒未満で冷却すれば、樹脂によっては著しい結晶化が起こることがあり、この場合樹脂被覆層の白化や密着性の低下を招いて好ましくなくなる。したがって図3の方法によりこの発明の方法を実施する場合、圧着用ロール11の温度を、これらの冷却温度および冷却速度が満足されるように制御する必要がある。
【0044】
次に請求項5において規定している加熱条件について説明する。請求項5の発明の方法では、熱可塑性樹脂の融点をTm℃としたとき、積層前のアルミニウム合金板を(Tm−100)℃以上、(Tm+30)℃以下に予め加熱しておく。このように積層前のアルミニウム合金板を加熱(予熱)しておくことにより、溶融状態の樹脂を板上に積層した際に樹脂が急激に冷却固化することがなく、溶融状態を保ちながら板表面の微細な凹部の隅々まで入り込むことができ、樹脂の密着性をより一層向上させることができる。この場合、板の加熱温度が(Tm−100)℃未満では、樹脂の溶融温度との差が大きいため、樹脂が急激に冷却されて充分な密着性の向上効果が得られない場合があるから、加熱温度の下限は(Tm−100)℃とした。一方加熱温度の上限に関しては、加熱温度が高いほど樹脂の流動性の点では好ましいが、加熱温度が高過ぎれば、前記同様に樹脂の分解を生じるおそれがあるため好ましくない。また高い温度での加熱は板の強度低下を招くおそれもある。したがって加熱温度の上限は(Tm+30)℃が適当である。
【0045】
さらに請求項6の方法において規定している条件について説明する。
【0046】
請求項6の発明の場合は、請求項1〜5の方法により製造された熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板を、Tm℃以上、(Tm+30)℃以下の温度に再加熱し、直ちに樹脂のガラス転移温度以下の温度に急冷する。この場合の再加熱の目的は、樹脂の配向を崩壊させて、樹脂の加工性および密着性を向上させることにある。被覆される樹脂には積層、圧着の段階で引張り力が作用するため、配向を生じる場合があり、このような配向は、被覆樹脂層の加工性を低下させるため、被覆板が強加工を受けるときには皮膜に亀裂が発生したり、密着性が低下するなどの不都合が生じることがある。これを防止するためには、再加熱により配向を崩壊させる必要がある。また積層時に取り込まれた極くわずかな空気でも、被覆界面に残存すれば、強加工やレトルト等の加熱殺菌処理を行なった場合に樹脂被覆層の密着性を低下させる原因となる。したがって被覆界面に残存するこのような極くわずかな空気をも消滅させて、加工性、密着性を向上させるためにも再加熱が必要である。
【0047】
これらの再加熱の目的を達成するためには、Tm℃以上、(Tm+30)℃以下の温度に加熱しなければならない。再加熱温度がTm℃未満では、樹脂の配向の崩壊が不充分でまた樹脂の流動性も低いため、加工性や密着性の充分な改善効果が得られない。流動性を高めるためには高い温度ほど好ましいが、高過ぎれば樹脂の分解やアルミニウム合金板の強度低下を招くおそれがある。したがって再加熱の上限の温度は(Tm+30)℃とする。また再加熱後は直ちに樹脂のガラス転移温度以下の温度に急冷する必要がある。この際の冷却速度は、30℃/秒以上の冷却速度とする。30℃/秒未満で冷却すれば、樹脂によっては著しい結晶化が起こることがあり、樹脂被覆層の白化や密着性が低下するため好ましくなくなる。
【0048】
【実施例】
実施例1
研磨により表面の微視的性状を種々調整した圧延ロールを用いて、JIS 5052アルミニウム合金を圧延し、板厚0.5mmの種々の表面状態の圧延板を作製した。これらの圧延板に対し、5%の水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液を用いたスプレー法により脱脂して、水洗した後、一部のもの(表1のNo.12)を除き、リン酸5%、クロム酸1%、フッ酸0.2%を含む水溶液をスプレーして、反応型化成処理皮膜としてCrを含む無機皮膜を形成し、被覆用アルミニウム合金板とした。このとき、スプレー時間を調整することによって反応型化成処理皮膜中のCr量を20mg/m2 とした。その後(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器サーフコーダSE−30D(商品名)によって表面の凹凸の平均間隔Sm、凹凸の斜面の平均傾斜角θa、および十点平均粗さRzを測定した。ここで、各測定における基準長さlは0.25mmとし、それぞれ任意の5点を測定して、その平均値を求めた。さらにこれらの被覆用アルミニウム合金板に厚さ15μmで融点Tmが265℃、ガラス転移温度が67℃のポリエステル樹脂を積層したサンプル(被覆アルミニウム合金板)を作製した。樹脂の積層方法としては、予め温度T1(表1参照)に加熱された板の片面に、Tダイから280℃の溶融状態の樹脂を流下させて積層し、水冷された圧着用加圧ロールにより加圧、急冷した。その後、温度T2(表1参照)で再加熱し、水冷した。被覆用アルミニウム合金板の表面性状測定結果および樹脂積層温度条件について、表1のNo.1〜No.21に示す。
【0049】
さらに、得られた各サンプルについて、碁盤目セロテープ剥離試験によって樹脂被覆層の密着性を評価した。ここで密着性評価は、樹脂被覆を行なったままの状態のサンプル、125℃で30分の加熱処理(レトルト処理)を行なったサンプル、および30%、50%、65%の各圧延を行なったサンプルについてそれぞれ実施した。この密着性評価結果を、表2のNo.1〜No.21に示す。
【0050】
なお従来のフィルム積層法による例も比較例として実施した(表1のNo.17)。この場合、フィルムとしては、接着層厚み2μm、表層厚み18μm、全厚み20μmとし、接着層融点215℃、表層融点265℃の2層フィルムを用いた。
【0051】
なお碁盤目セロテープ剥離試験による密着性評価基準は、1mm角100目の試験を行なった後の剥離状態を観察して、次のような4段階で評価した。
◎:全く剥離なし
○:周縁部がやや浮き気味の目が50個以下
△:周縁部がやや浮き気味の目が50個を越える場合、但し全面剥離はなし
×:1個でも全面剥離がある場合
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
表1、表2に示すように、No.1〜No.5は本発明例であり、いずれも良好な加工性および密着性を示している。No.6〜No.11はSm、θa、Rzのいずれかが本発明の範囲外となった例であり、これらの場合、被覆直後の密着性はそれほど悪くはないものでも、レトルト処理や圧延加工を行なうことにより密着性が劣る結果となった。No.12は積層前のアルミニウム合金板の加熱および被覆後の加熱を実施しなかった本発明例であり、これらの加熱を実施した実施例に比べれば密着性がやや劣るものの、実用上差し支えない程度であった。No.13、No.14は積層前の板を加熱した例、No.15は再加熱を行なった例であり、No.12に比べてさらに密着性が向上している。No.16は積層前の板加熱および積層後の加熱を行なった本発明例であり、著しく良好な加工性、密着性を示している。No.17は従来のフィルム被覆材の例であり、充分な板加熱と再加熱を行なっているためにNo.12の本発明例とほぼ同等の密着性を示しているが、板加熱や再加熱を行なった他の本発明例にはおよばない結果となった。No.18は板加熱を行なったが温度が低かったため、充分な温度に加熱した他の実施例にはおよばない結果となった。No.19は積層後に再加熱を行なったが、やや再加熱温度が低かったため、被覆後の密着性は極めて良好であったものの、レトルト後や圧延後の密着性が他の実施例に比べてやや劣る結果となった。No.20は積層前の板を300℃に加熱した例であり、極めて良好な密着性を示したが、被覆板の強度が著しく低下する結果となった。No.21は積層後に300℃に加熱した例であり、密着性はそれほど悪い結果とはならなかったが、樹脂表面に荒れが発生し、商品価値を損ねる結果となった。
【0055】
実施例2
被覆板の再加熱後に急冷せず、徐冷したことを除いて、実施例1と同様に処理して被覆板を得、前記同様に密着性を評価した。その結果を表1、表2のNo.22に示す。この場合は密着性が悪いばかりでなく、樹脂被覆層に著しい白化が発生してしまった。
【0056】
実施例3
実施例1において、反応型化成処理を塗布型化成処理に変えて被覆板を得、前記同様に密着性を評価した。その結果を表1、表2のNo.23に示す。この場合も他の発明例と同様に良好な密着性を示した。
【0057】
実施例4
化成処理皮膜を形成しなかった点を除き、実施例1と同様に処理して被覆板を得、前記同様に密着性を評価した。その結果を表1、表2のNo.24に示す。この場合は若干密着性が劣るものの、実用上支障のない程度に良好であった。
【0058】
【発明の効果】
前記各実施例からも明らかなように、この発明の方法により得られる成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板は、被覆層に対する下地となる被覆用アルミニウム合金板表面の微視的性状のうち、特に凹凸の平均間隔Sm、凹凸の斜面の平均傾斜角θa、および十点平均粗さRzを厳密かつ適切に調整し、しかも被覆すべき熱可塑性樹脂を下地表面に溶融状態で積層するため、被覆層の密着性を確実かつ充分に高めることができ、さらには積層前の板の予熱や積層後の再加熱を行なうことによって、密着性および加工性をより一層向上させることができる。そのためこの発明の方法による成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板は、苛酷な成形加工やレトルト処理などの加熱処理を行なっても被覆層に剥離が生じるおそれが極めて少なく、また食品容器や飲料缶等に長期間使用するうちに密着性が劣る部分から腐食が生じるおそれも極めて少なく、したがって食品包装容器その他各種部品や建材等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の方法により得られた被覆アルミニウム合金板の概要を説明するための略解的な縦断面図である。
【図2】請求項2の発明の方法により得られた被覆アルミニウム合金板の概要を説明するための略解的な縦断面図である。
【図3】アルミニウム合金基板に溶融状態の熱可塑性樹脂を積層被覆する工程の一例を示す略解図である。
【図4】凹凸の斜面の平均傾斜角θaの求め方を説明するための略解図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金基板
3 熱可塑性樹脂の被覆層
5 化成処理皮膜[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
This invention is used for containers such as cans and retort containers used for packaging beverages and foods, various electric and electronic parts, automobile parts, furniture, interior and exterior building materials, etc. Molding cover Covered with aluminum alloy plate, especially with thermoplastic resin Molding cover The present invention relates to a method for producing a covered aluminum alloy plate.
[0002]
[Prior art]
As is well known, aluminum alloy sheets are lightweight and have excellent moldability and corrosion resistance, so they can be used for packaging containers such as beverage cans and food retort containers, or electrical and electronic parts, automobile parts, furniture, interior / exterior building materials, and other daily necessities. Widely used in etc. In these applications, molding such as deep drawing and ironing is often performed, and surface treatment such as degreasing and painting is often performed for the purpose of improving corrosion resistance and decorativeness. Etc. were usually performed after the molding process. However, recently, from the viewpoint of cost reduction and environmental load reduction, a resin film is laminated on the surface of the aluminum alloy plate in advance, or a resin coating film is formed by painting to form a coated aluminum alloy plate, and then the coated aluminum alloy Increasingly, molding is performed on a plate.
[0003]
In a coated aluminum alloy plate that has been previously laminated or formed with a coating as described above, the adhesion between the film or coating and the surface of the underlying aluminum alloy plate (coating aluminum alloy plate) If the film is insufficient, there is a problem that the film or coating film may be peeled off during the molding process, or corrosion may occur from a portion having insufficient adhesion. Therefore, in the coated aluminum alloy plate, it is an important issue to improve the adhesion of the film or coating film to the base.
[0004]
By the way, the adhesion strength between the film or coating film on the coated aluminum alloy plate and the base surface is mainly (A) mechanical bond strength, (B) chemical bond strength, and (C) intermolecular bond strength. Depends on power. Here, the mechanical binding force of (A) is also referred to as an anchor effect, and resists the shearing force acting on the interface by the film resin or paint that has entered the recesses of the fine uneven structure on the plate surface. The chemical bond strength of (B) is obtained by an active group such as —OH or —COOH, and the intermolecular bond strength of (C) is van der. It is a very weak binding force such as a Waals force. Among these bond strengths, mechanical bond strength and chemical bond strength are particularly affected by the surface properties of the underlying aluminum alloy plate. Prior to coating, it has been widely practiced to improve the surface properties by applying a so-called base treatment to the surface of the aluminum alloy plate in order to improve adhesion.
[0005]
As the above-mentioned base treatment, (1) mechanical surface roughening treatment such as sand blasting and shot blasting, (2) chemical etching with acid or alkali, (3) chemical treatment such as chromate treatment, boehmite treatment, (4) Anodizing treatment, (5) Wash primer treatment with silane coupling agent, titanate coupling agent, etc., (6) Physical surface treatment such as corona discharge treatment, plasma treatment, etc. are known. However, even when a resin film is laminated or painted on a coating aluminum alloy plate that has been subjected to these ground treatments, severe drawing or ironing processing is performed for containers with complicated shapes, and food retort containers, etc. When heat treatment, for example, retort treatment, is performed, film or coating film may be peeled off, or corrosion may occur during long-term use. It was difficult to obtain stably.
[0006]
In order to solve these problems, there have already been several proposals focusing on the microscopic properties of the aluminum alloy plate surface, in particular, in order to increase the mechanical bonding force between the film or coating film and the surface of the underlying aluminum alloy plate. Are known. For example, in JP-A-61-243158, JP-A-2-310036, etc., the maximum height Rmax, centerline average roughness Ra, specific measurement length of the unevenness on the surface of the aluminum alloy plate coated with the coating film or film is specified. It has been proposed to define the perimeter peak PPI. In JP-A-7-197272, the surface area of 1 cm square on the plate surface is 5 cm. 2 By setting it as the above, improving the adhesiveness of a film is proposed.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By specifying the microscopic properties of the surface of the aluminum alloy plate coated with the film or coating film as shown in the above proposals, the effect of improving the adhesion of the coating layer such as the film or coating film is obtained to some extent. However, even if these proposals are followed, if the above-mentioned severe molding process or heat treatment is performed, sufficient adhesiveness may not be ensured. .
[0008]
This invention was made against the background as described above, and even when severe molding processing or heat treatment is performed, the adhesion of the coating layer can be reliably and sufficiently secured, and the coating layer is peeled off. It is possible to reliably prevent the occurrence of corrosion and corrosion from parts with insufficient adhesion. Molding cover It aims at providing the manufacturing method of a covering aluminum alloy plate.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The reason why the adhesion of the coating layer such as a film or coating film is reduced during the forming process or heat treatment of the coated aluminum alloy plate is due to the bonding interface between the underlying coating aluminum alloy plate and the coating layer such as the film or coating film. This is because, when a shearing force is applied to the interface, a microscopic shift occurs at the interface and the interface bond is loosened. Therefore, in order to prevent microscopic deviations against the shearing force described above, it is conceivable to provide irregularities on the plate surface, and this idea is the basic premise of the above-mentioned proposals.
[0010]
Here, in order to provide unevenness on the surface of the plate, the surface must be roughened. However, if the surface is too rough, air entrainment increases at the time of coating, and conversely, adhesion is reduced. In addition, if the width of the concave / convex depression is small or the slope of the concave / convex slope is too large, it becomes difficult for the resin and paint of the film to penetrate deeply into the concave portion during coating, and in close contact with each other. It will cause a decrease in the nature. Therefore, there are cases where it is not possible to sufficiently counter the shearing force at the interface by simply defining the surface roughness expressed by Rmax or Ra as in the above proposals. Therefore, as a result of repeated experiments and examinations in detail about the relationship between the microscopic properties of the plate surface and the adhesion of the coating layer, the present inventor simply specifies the roughness of the surface represented by Rmax or Ra. In addition, by strictly defining the unevenness width (average interval) Sm, the inclination angle θa of the uneven surface, and the ten-point average roughness Rz, the coating layer has sufficient adhesion against the shearing force at the interface. It has been found that it can be improved.
[0011]
And based on such knowledge, the present inventors have already found in Japanese Patent Application No. 2000-316076 that the average interval Sm of the surface irregularities is in the range of 5 to 200 μm and the average inclination angle θa of the irregular slopes is 3 to 3. A chemical conversion coating is formed on the surface of a coating aluminum alloy plate or aluminum alloy substrate within a range of 30 ° and a ten-point average roughness Rz within a range of 0.5 to 5 μm. The average interval Sm between the irregularities on the surface is in the range of 5 to 200 μm, the average inclination angle θa of the irregular surface is in the range of 3 to 30 °, and the ten-point average roughness Rz is 0.5 to A coating aluminum alloy sheet in the range of 5 μm is proposed.
[0012]
Using such a proposed aluminum alloy plate for coating, it is possible to sufficiently improve the adhesion of the coating layer, but the present inventors have conducted further experiments and examinations based on the proposal. In addition to adjusting the surface properties of the coating aluminum alloy plate as described above, the resin coating layer is formed on the surface of the coating aluminum alloy plate using a molten thermoplastic resin in a more reliable and reliable manner. It has been found that the adhesion of the coating layer can be improved stably and the workability can be improved, and this invention has been made.
[0013]
Specifically, the invention of
[0014]
The invention of claim 2 Heat for molding In the method for producing a plastic resin-coated aluminum alloy plate, a chemical conversion treatment film is formed on the surface of the aluminum alloy substrate, and the average interval Sm between the irregularities on the surface of the chemical conversion treatment film is in the range of 5 to 200 μm, and Thermoplastic in a molten state on at least one surface of the coating aluminum alloy plate having an average inclination angle θa of the slope in the range of 3 to 30 ° and a ten-point average roughness Rz in the range of 0.5 to 5 μm. Laminate the resin, then the temperature below the glass transition temperature of the thermoplastic resin Suddenly at a cooling rate of 30 ° C / second or more It is characterized by cooling.
[0015]
The chemical conversion coating may be a reactive chemical conversion coating as defined in
[0016]
Furthermore, the invention of
[0017]
And the invention of claim 6 Heat for molding The method for producing a plastic resin-coated aluminum alloy plate is according to any one of
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Obtained by the method of the invention of
[0019]
In this case, the reactive chemical conversion coating of the chemical conversion coating is produced by the reaction between the underlying aluminum alloy substrate and the chemical conversion treatment solution, and therefore the adhesion between the underlying aluminum alloy substrate is extremely high, In the case of the coating type chemical conversion coating, since a reaction occurs between the coating film and the underlying aluminum alloy, the adhesive strength is lower than that of the reactive chemical conversion coating, but a considerable degree of adhesion is obtained. However, the adhesion strength between the chemical conversion coating and the underlying aluminum alloy substrate is much greater than the adhesion strength between the outermost film or coating and the underlying chemical conversion coating. Therefore, in the case of the structure of the invention of claim 2 (FIG. 2), pay attention to the interface between the film or coating film on the outermost surface and the chemical conversion coating on the base, and chemical conversion treatment for improving the adhesion at the interface. The surface properties of the film are strictly defined.
[0020]
However, when the method of the invention is actually applied, the chemical conversion treatment film is formed in advance rather than the case where the coating layer made of the thermoplastic resin is formed without forming the chemical conversion treatment film (Claim 1). When a coating layer made of a thermoplastic resin is formed thereon (Claim 2), the adhesion of the resin coating layer and the corrosion resistance as a coating plate are advantageous. Therefore, in the following description, a method of coating a thermoplastic resin on a coating aluminum alloy plate in which a chemical conversion coating has been formed on the surface of an aluminum alloy substrate in advance will be described.
[0021]
FIG. 3 shows an outline of a typical example of a process of providing a coating layer made of a thermoplastic resin on the surface of a coating aluminum alloy plate obtained by previously forming a chemical conversion coating on the surface of an aluminum alloy substrate as described above. .
[0022]
In FIG. 3, the coating
[0023]
Here, in the case of the conventional method of laminating a resin film that has been formed into a film, since an unmelted film is laminated, air is trapped at the interface between the film and the ground during the lamination. In many cases, a large number of bubbles are present, so that it is difficult to sufficiently infiltrate the resin into every corner of the fine concave portion on the surface of the coating aluminum alloy plate, and a reliable and stable adhesion is obtained. It becomes difficult. On the other hand, in the case of the method of the present invention, since the molten resin is directly laminated on the surface of the coating aluminum alloy plate, it is possible to cover every corner of the minute concave portion of the base surface while minimizing air entrainment. The molten resin can surely enter, so that high adhesion of the resin coating layer can be obtained reliably and stably. And in order to sufficiently penetrate the molten resin in the molten state to the deep part of the fine concave portion of the base surface in this way to obtain a high adhesion force, as will be described in detail later, the average interval Sm of the unevenness of the base surface is Microscopic properties of the underlying surface (coating aluminum alloy plate surface) so that the average inclination angle θa of the uneven slope is 5 to 30 μm, and the ten-point average roughness Rz is 0.5 to 5 μm. Need to be adjusted strictly.
[0024]
Here, as defined in JIS B0601, the average interval Sm of the irregularities is extracted from the roughness curve by the reference length in the direction of the average line, and one peak and one valley adjacent to it are extracted from this extracted portion. The sum of the average lengths corresponding to (hereinafter referred to as uneven spacing) is obtained, and the arithmetic average value of the numerous uneven intervals is expressed in millimeters (mm). That is, Sm is expressed by the following equation, where Smi is the interval between the irregularities in the average line corresponding to one peak and one valley adjacent thereto, and n is the number of the intervals between the irregularities within the reference length l. . The reference length l for obtaining the average interval Sm of the unevenness is generally selected from among six types of 0.08 mm, 0.25 mm, 0.8 mm, 2.5 mm, 8 mm, and 25 mm depending on the magnitude of the Sm value. Although it is selected, in the case of this invention, it is desirable to set it as 0.25 mm. Further, in practice, it is desirable to measure the Sm value by extracting the reference length l for each of five arbitrary points, and obtain the average value of the five points.
[0025]
[Expression 1]
[0026]
As for the average inclination angle θa of the uneven slope, similarly to the above, a reference length is extracted from the roughness curve in the direction of the average line, and the arithmetic average of the inclination amount (aspect ratio) in the extracted portion is defined as the average inclination amount Δa. The average inclination angle θa is expressed as an angle. That is, as shown in FIG. 4, if the slope at the minute length dx of the slope is dx / dy and the height of one mountain adjacent to one valley is hi, the average slope amount Δa is expressed by the following equation (2). The average inclination angle θa is expressed by
[0027]
[Expression 2]
[0028]
[Equation 3]
[0029]
In measuring the average inclination angle Δa, the reference length l is preferably 0.25 mm as in the case of the present invention, and it is desirable to measure the average length by measuring at any five points.
[0030]
Further, the ten-point average roughness Rz is extracted from the roughness curve by a reference length in the direction of the average line as defined in JIS B0601, and generally known. The average value of the altitude (Yp) of the highest peak from the highest peak to the fifth and the absolute value of the lowest elevation (Yv) from the lowest valley to the fifth measured from the average line in the direction of the vertical magnification. Is the sum of the average value and the value expressed in micrometers (μm). In this ten-point average roughness measurement, the reference length l is preferably 0.25 mm as described above, and it may be desirable to measure an arbitrary five points to obtain the average value. Same as above.
[0031]
If the average interval Sm of the irregularities defined as described above is less than 5 μm, the molten resin cannot rapidly enter the recesses, and bubbles remain in the recesses, resulting in mechanical bonding. A sufficient anchor effect as force cannot be obtained. On the other hand, if the average interval Sm between the concaves and convexes exceeds 200 μm, it is easy for the resin in the molten state to enter the concaves, but the total number of concaves per unit area is reduced, so when a shearing force acts on the interface with the base The sum of the holding forces due to the anchor effect is reduced, and conversely, the adhesion is reduced. Therefore, the average interval Sm between the concaves and convexes needs to be 5 μm or more and 200 μm or less.
[0032]
Further, if the average inclination angle θa of the uneven surface is less than 3 °, the resistance to the shearing force acting on the interface becomes small and sufficient adhesion cannot be obtained. On the other hand, if θa exceeds 30 °, the molten resin will be recessed. It becomes difficult to penetrate into the film, and the effect of improving the adhesion due to the anchor effect cannot be obtained sufficiently.
[0033]
Furthermore, the ten-point average roughness Rz corresponds to the depth of the unevenness, but if this ten-point average roughness is smaller than 0.5 μm, the total mechanical holding force due to the anchor effect becomes small, and it is sufficient. A good adhesion cannot be obtained. On the other hand, if the ten-point average roughness Rz exceeds 5 μm, the molten resin cannot sufficiently enter the bottom of the concave portion, and bubbles remain, causing not only a decrease in adhesion but also a severe condition. It may also cause cracks during molding under various conditions. Therefore, the ten-point average roughness Rz needs to be 0.5 μm or more and 5 μm or less.
[0034]
The specific method for adjusting the surface of the coating aluminum alloy plate so as to satisfy the microscopic properties of the base surface as described above is not particularly limited,
A: The surface of the rolling roll is appropriately adjusted by polishing the surface of the rolling roll according to appropriate conditions, or by means such as shot blasting, electric discharge machining, laser processing, etc. The method of transferring to the plate,
B: A method of adjusting the shape and distribution of oil pits and the like formed on the plate surface during rolling by adjusting the rolling speed and the viscosity of the rolling lubricant,
C: A method of mechanically adjusting the surface of the plate by applying a surface pressure with a roughness adjusting roll, a tension straightening roll, or a press after the completion of rolling,
D: A method of performing chemical etching treatment or electrochemical etching treatment on the surface of the plate after completion of rolling,
E: A method of applying mechanical polishing such as brush polishing to the plate surface after rolling,
and so on. In practice, these methods (i) to (e) may be appropriately selected or two or more methods may be combined so that the above-mentioned surface conditions are reliably and stably satisfied. From the viewpoint of economy, etc., it is desirable to use the method of rolling (i) or to apply the method of rolling (i) in combination with the chemical or electrochemical etching method (d).
[0035]
Here, as defined in claims 2 to 4, when a chemical conversion treatment film is formed on an aluminum alloy substrate in advance and a molten resin is laminated on the chemical conversion treatment film surface, the chemical conversion treatment film In order to adjust the surface properties so as to satisfy the above-mentioned conditions, generally, the surface properties of the aluminum alloy substrate itself before the chemical conversion treatment are adjusted so as to satisfy the above-mentioned conditions by the above-mentioned methods (i) to (e). Just keep it. However, in some cases, the surface properties may slightly change due to the chemical conversion treatment.In that case, the surface properties after the chemical conversion treatment are adjusted by adjusting the properties of the aluminum alloy substrate surface before the chemical conversion treatment in anticipation of the change. The above conditions may be satisfied.
[0036]
Next, the chemical conversion treatment film defined in claims 2 to 4 will be described.
[0037]
The purpose of forming the chemical conversion coating is to improve the adhesion and corrosion resistance of the coating layer by using the chemical bonding force of (B) described above. The chemical conversion coating is formed in advance on the surface of the aluminum alloy substrate. In this case, by forming the coating layer on the chemical conversion treatment film, the adhesion and corrosion resistance of the coating layer can be further improved as compared with the case where the coating layer is directly formed on the aluminum alloy substrate. Of course, it is needless to say that the microscopic properties of the surface of the chemical conversion film that becomes the interface with the coating layer are defined as described above.
[0038]
Here, as specified in
[0039]
In the case of a reactive chemical conversion coating, 1 to 50 mg / m of one or more selected from metals such as Cr, Zr, Ti, Mo, W, and Mn. 2 It is desirable to use an inorganic film containing The content of these metals is 1 mg / m 2 If it is less than 50 mg / m, the effect of improving the adhesion and corrosion resistance of the coating layer cannot be obtained sufficiently. 2 If it exceeds, not only the effect of improving the adhesion is saturated, but also when the film is subjected to severe molding, there is a possibility that the film will be broken and the adhesion may be lowered. As a method for forming such a reactive chemical conversion coating, an aluminum alloy substrate after rolling is prepared by using alkali metal or ammonium hydroxide, carbonate, bicarbonate, phosphate, silicate, borate. Method of immersing or spraying in an alkaline aqueous solution containing one or more selected from among them, or immersing in an acidic aqueous solution containing one or more selected from sulfuric acid, hydrochloric acid, nitric acid and phosphoric acid Or after performing two or more of these methods, and one or more metals such as Cr, Zr, Ti, Mo, W, Mn and the like, ammonium salts, and phosphoric acid And a method of immersing or spraying in an aqueous solution containing one or more of hydrofluoric acid and nitric acid. The film thickness of the reactive chemical conversion coating is not particularly limited, but is preferably in the range of 5 nm to 5000 nm. If the film thickness is less than 5 nm, it is difficult to sufficiently improve the adhesion and corrosion resistance. On the other hand, if it exceeds 5000 nm, the film itself may be destroyed when subjected to severe processing.
[0040]
On the other hand, in the case of a coating type chemical conversion coating film, 1 type or 2 types or more of resins such as acrylic, phenol, melamine, and 1 type or 2 types or more of metals such as Cr, Zr, Ti, V, Mg, Ba, etc. 50 mg / m 2 And a composition layer containing phosphoric acid, hydrofluoric acid, etc., if necessary. As a method for forming such a coating type chemical conversion treatment film, a method in which a rolled plate is immersed or sprayed in an alkaline aqueous solution, washed with water and dried, and then a composition containing the above components is applied and dried by a roll coater or the like is appropriate. It is. The film thickness of the coating-type chemical conversion coating is preferably 5 nm or more and 5000 nm or less in terms of the film thickness after drying. If the film thickness is less than 5 nm, the effect of improving adhesion and corrosion resistance cannot be obtained. On the other hand, if it exceeds 5000 nm, the film itself may be destroyed when subjected to severe processing, which is not preferable. In addition, as content of the said metal in a film | membrane, as mentioned above, 1-50 mg / m 2 Is preferable, but 3 to 30 mg / m in particular among them 2 Is appropriate. Metal content is 1mg / m 2 If it is less than 50 mg / m, the adhesion and corrosion resistance cannot be improved. 2 Even if it exceeds V, no further improvement in the effect can be expected, and it becomes uneconomical.
[0041]
The specific type of the thermoplastic resin used in the method of the present invention is not particularly limited. Usually, for example, polyolefins such as polyethylene and polypropylene, polyamides, polyimides, polyesters such as polyethylene terephthalate and polybutylene terephthalate, and these Modified materials, polymer blends, polymer alloys, and the like may be used, and additives such as lubricants, stabilizers, antioxidants, and the like may be blended as necessary.
[0042]
Furthermore, the aspect and preferable conditions about lamination | stacking and cooling of the molten resin in the method of this invention are demonstrated.
[0043]
In order to fully exhibit the effects of the present invention, the thermoplastic resin to be laminated must be heated to its melting point Tm (° C.) or higher to enhance fluidity. Generally, the higher the temperature, the better the fluidity of the resin. However, if the temperature is too high, the resin will decompose, which is not preferable. Accordingly, the heating temperature of the resin is preferably set to a limit temperature that is equal to or higher than the melting point and does not decompose, and the specific heating temperature is determined by the type of resin used. As a specific method for laminating the resin in the molten state, as described above, the resin sufficiently heated and kneaded is extruded from the T die, laminated on the coating aluminum alloy plate, and immediately temperature controlled. A method of pressurizing and cooling with a pressure roll is representative, but is not limited to this method. As for cooling after lamination, in order to prevent crystallization of the resin, it is necessary to quickly cool the glass transition temperature or less immediately after lamination. On this occasion To prevent
[0044]
Next, the heating conditions specified in
[0045]
Furthermore, the conditions prescribed | regulated in the method of Claim 6 are demonstrated.
[0046]
In the case of the invention of claim 6, the thermoplastic resin-coated aluminum alloy plate produced by the method of
[0047]
In order to achieve the purpose of these reheating, it must be heated to a temperature of Tm ° C. or higher and (Tm + 30) ° C. or lower. When the reheating temperature is less than Tm ° C., the resin orientation is not sufficiently broken and the fluidity of the resin is low, so that sufficient improvement in workability and adhesion cannot be obtained. In order to improve fluidity, a higher temperature is preferable, but if it is too high, there is a possibility that the resin is decomposed or the strength of the aluminum alloy plate is lowered. Therefore, the upper limit temperature of reheating is (Tm + 30) ° C. In addition, immediately after reheating, it is necessary to rapidly cool to a temperature below the glass transition temperature of the resin. Cooling rate at this time Is Cooling rate of 30 ℃ / second or more To . If it is cooled at less than 30 ° C./second, significant crystallization may occur depending on the resin, which is not preferable because the whitening and adhesion of the resin coating layer are lowered.
[0048]
【Example】
Example 1
JIS 5052 aluminum alloy was rolled using rolling rolls whose surface microscopic properties were variously adjusted by polishing, and rolled plates having various surface states with a plate thickness of 0.5 mm were produced. These rolled sheets were degreased by a spray method using an alkaline aqueous solution containing 5% sodium hydroxide, washed with water, and after removing some (No. 12 in Table 1),
[0049]
Furthermore, about each obtained sample, the adhesiveness of the resin coating layer was evaluated by the cross cut tape tape peeling test. Here, the adhesion evaluation was carried out by performing a sample in a state where resin coating was performed, a sample subjected to a heat treatment (retort treatment) at 125 ° C. for 30 minutes, and 30%, 50% and 65% rolling. Each sample was performed. The adhesion evaluation results are shown in Table 2. 1-No. 21.
[0050]
In addition, the example by the conventional film lamination method was implemented as a comparative example (No. 17 of Table 1). In this case, a two-layer film having an adhesive layer thickness of 2 μm, a surface layer thickness of 18 μm, a total thickness of 20 μm, an adhesive layer melting point of 215 ° C., and a surface layer melting point of 265 ° C. was used.
[0051]
In addition, the adhesion evaluation standard by the cross cut cell tape peeling test was evaluated in the following four stages by observing the peeled state after the test of 1 mm square 100th.
A: No peeling at all
○: 50 or less eyes with slightly floating edges
△: When the peripheral edge exceeds 50 slightly floating eyes, there is no peeling
×: When even one piece is completely peeled
[0052]
[Table 1]
[0053]
[Table 2]
[0054]
As shown in Tables 1 and 2, no. 1-No. 5 is an example of the present invention, and all show good workability and adhesion. No. 6-No. 11 is an example in which any one of Sm, θa, and Rz is out of the scope of the present invention. In these cases, even if the adhesion immediately after coating is not so bad, the adhesion is achieved by performing retorting or rolling. The result was inferior. No. No. 12 is an example of the present invention in which the heating of the aluminum alloy plate before lamination and the heating after coating were not performed, and although the adhesion is slightly inferior to the examples in which these heating was performed, there were. No. 13, no. No. 14 is an example of heating a plate before lamination, No. 14 No. 15 is an example of reheating. Compared to 12, the adhesion is further improved. No.
[0055]
Example 2
The coated plate was obtained in the same manner as in Example 1 except that the coated plate was not cooled rapidly after being reheated but slowly cooled, and the adhesion was evaluated in the same manner as described above. The results are shown in Tables 1 and 2. 22 shows. In this case, not only the adhesiveness was bad, but also significant whitening occurred in the resin coating layer.
[0056]
Example 3
In Example 1, the reactive chemical conversion treatment was changed to the coating chemical conversion treatment to obtain a coated plate, and the adhesion was evaluated in the same manner as described above. The results are shown in Tables 1 and 2. 23. In this case as well, good adhesion was shown as in the other invention examples.
[0057]
Example 4
Except the point which did not form a chemical conversion treatment film, it processed like Example 1 and obtained the coating board, and evaluated adhesiveness similarly to the above. The results are shown in Tables 1 and 2. 24. In this case, although the adhesion was slightly inferior, it was good enough to cause no practical problems.
[0058]
【The invention's effect】
As is clear from each of the above embodiments, it can be obtained by the method of the present invention. Heat for molding Among the microscopic properties of the surface of the coating aluminum alloy plate that serves as a base for the coating layer, the plastic resin-coated aluminum alloy plate is, in particular, the average spacing Sm of the unevenness, the average inclination angle θa of the uneven surface, and the ten-point average roughness. Rz is adjusted strictly and appropriately, and the thermoplastic resin to be coated is laminated in a molten state on the underlying surface, so that the adhesion of the coating layer can be reliably and sufficiently enhanced, and further, the preheating of the plate before lamination In addition, by performing reheating after lamination, adhesion and workability can be further improved. Therefore, according to the method of the present invention, Heat for molding The plastic resin-coated aluminum alloy sheet is extremely unlikely to be peeled off even when subjected to heat treatment such as severe molding or retort treatment, and adheres to long-term use in food containers, beverage cans, etc. Therefore, there is very little risk of corrosion from the inferior part, and therefore, it is suitable for food packaging containers and other various parts and building materials.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic longitudinal sectional view for explaining the outline of a coated aluminum alloy plate obtained by the method of the invention of
FIG. 2 is a schematic longitudinal sectional view for explaining the outline of a coated aluminum alloy plate obtained by the method of the invention of claim 2;
FIG. 3 is a schematic diagram showing an example of a process of laminating and coating a molten thermoplastic resin on an aluminum alloy substrate.
FIG. 4 is a schematic diagram for explaining how to obtain an average inclination angle θa of an uneven slope.
[Explanation of symbols]
1 Aluminum alloy substrate
3 Thermoplastic resin coating layer
5 Chemical conversion coating
Claims (6)
前記熱可塑性樹脂の融点をTm(℃)とし、溶融状態の熱可塑性樹脂を被覆用アルミニウム合金板の少なくとも片面に積層するに先立って、予め被覆用アルミニウム合金板をTm−100(℃)以上、Tm+30(℃)以下の範囲内の温度に予熱しておくことを特徴とする、被覆層の密着性および加工性に優れた成形加工用熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法。In the manufacturing method of the thermoplastic resin coating aluminum alloy plate for shaping | molding processing of Claim 1 or Claim 2,
The melting point of the thermoplastic resin is Tm (° C.), and prior to laminating the molten thermoplastic resin on at least one surface of the coating aluminum alloy plate, the coating aluminum alloy plate is previously Tm-100 (° C.) or more, A method for producing a thermoplastic resin-coated aluminum alloy plate for molding , which is preliminarily heated to a temperature within a range of Tm + 30 (° C.) or less and has excellent coating layer adhesion and workability.
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