JP3988875B2 - セラミック電子部品の製造方法、及び、セラミック電子部品の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック電子部品の製造方法、及び、セラミック電子部品の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミック電子部品の最も代表的な例である積層セラミックコンデンサは、誘電体層を構成するセラミック塗料層と、内部電極とが順次積層され、この内部電極が積層体の端面に引き出され、外部電極と接続されて構成されている。
【0003】
一般的に、このような積層セラミックコンデンサを製造するには、まず、プラスチックフィルム等でなる可撓性支持体の上に、セラミック塗料を塗布してセラミック塗料層を形成し、更にその上に電極群を印刷した後、セラミック塗料層を支持体から剥離し、剥離して得られたセラミックグリーンシートを順次積層し、熱プレスし、積層体を作る。その後、積層体を所望のサイズに切断して、生チップを製作し、この生チップを焼成する。そして、この焼成済みのチップの両端に外部電極を焼付けることにより、積層セラミックコンデンサが完成する。
【0004】
ところで、従来、上述したように、セラミックグリーンシートを順次積層した後、熱プレスを施した場合、セラミックグリーンシート間に気泡が残存し、気泡に起因して、焼成後の積層セラミックコンデンサの電極層と誘電体層間にデラミネーションが発生して、静電容量及び耐電圧の劣化のおそれがあった。
【0005】
この問題を解決する手段として、例えば、特許文献1は、セラミックグリーンシートを積層する積層工程において、セラミックグリーンシートを積層する毎に、セラミックグリーンシートの積層界面を平板で抑えつけて、熱プレスを施す製造方法を開示している。
【0006】
しかし、特許文献1に開示された製造方法は、セラミックグリーンシートを積層する毎に熱プレスを施すので、積層工程における熱プレス回数が非常に多くなる。このため、積層工程に多大な時間を必要となり、生産効率が悪くなるという問題を生じる。
【0007】
また、気泡に起因するデラミネーションの問題を解決する手段として、例えば、特許文献2は、上面に電極群が形成されされたセラミックグリーンシートの多数枚を、カセットケース内に収納して積層し、熱プレスして積層体を形成する製造方法を開示している。
【0008】
この特許文献2に開示された製造方法は、カセットケースを用いることにより、積層時間を短縮し製品コストを下げることは出来るものの、カセットケースの寸法精度やセラミックグリーンシート同士の滑りにより、積層精度が悪くなるという問題が生じる。
【0009】
加えて、近年、上述したセラミック電子部品には、更なる高機能化が要求されつつある。例えば、積層セラミックコンデンサについて言えば、小型化、大容量化、及び、積層LC部品のような複合化等が要求されつつある。
【0010】
積層セラミックコンデンサの小型化、大容量化を図るためには、セラミックグリーンシートの積層枚数の増加(例えば、積層数が数百枚)や、誘電体層の薄層化を行う必要がある。
【0011】
ところが、セラミックグリーンシートの積層枚数が多くなると、積層工程に多くの時間が必要となる。このため、上述した生産効率の悪化という問題が更に顕著になる。
【0012】
また、セラミックグリーンシートに積層枚数が増大すると、1層当りの積層精度の誤差が小さくても、積層を重ねるにつれて誤差が蓄積され、全体としての積層精度が大きく低下することとなる。このため、上述したように、積層精度の悪化という問題が更に顕著になる。
【0013】
また、積層LC部品のような複合化を図るためには、誘電体セラミックグリーンシートと磁性体セラミックグリーンシート等の異種材料からなるセラミックグリーンシートを積層する必要がある。
【0014】
ところが、異種材料からなるセラミックグリーンシートの積層の場合、各々のセラミックグリーンシートの密度や伸び等の性質が違うので、積層工程において、各々の材料の性質に基づいて、積層時の圧力等の条件設定をする必要が生じ、製造が非常に困難となる。このため、セラミックグリーンシートを積層した後、セラミックグリーンシート間に残存する気泡の除去等が一層困難になり、上述した問題が一層顕著になっていた。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−71611号公報 (第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開平4−239604号公報 (第2頁、第1図)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、焼成時に発生するデラミネーションを低減することができるセラミック電子部品の製造方法を提供することである。
【0017】
本発明のもう一つの課題は、セラミックグリーンシートの積層枚数が多くても、セラミック電子部品を短時間で製造し得る製造方法を提供することである。
【0018】
本発明の更にもう一つの課題は、セラミックグリーンシートの積層枚数が多くても、セラミック電子部品を精度よく製造し得る製造方法を提供することである。
【0019】
本発明の更にもう一つの課題は、セラミック電子部品を容易に製造し得る製造方法を提供することである。
【0020】
本発明の更にもう一つの課題は、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の実施に適したセラミック電子部品の製造装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、2つの態様に係るセラミック電子部品の製造方法、及び、セラミック電子部品の製造装置を開示する。本発明に係るセラミック電子部品は、例えば、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層LC部品等を含む。
【0022】
1.本発明の第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法
本発明の第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法は、少なくとも2枚のセラミックグリーンシートを積層台上で積層する。セラミックグリーンシートのうち少なくとも1つは、積層界面に電極を有している。積層台は、セラミックグリーンシートを受ける受け面に、通気口を有し、通気口は、受け面に分布している。そして、セラミックグリーンシートを積層台に搭載した状態で、通気口から、空気を吸引する。
【0023】
本発明において、通気口とは、受け面に形成された多数の通気孔、受け面に形成された溝状の通気路等の他、少なくとも受け面部分を、ポーラスな通気性部材によって通気性を確保する場合をも含む。
【0024】
上述した本発明の第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法によれば、次のような作用、及び、効果が得られる。
【0025】
まず、セラミックグリーンシートのうち少なくとも1つは、積層界面に電極が形成されているから、複数のセラミックグリーンシートを順次積層することにより、電極を利用して、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品を製造することができる。
【0026】
セラミックグリーンシートのうち少なくとも1つは、積層界面に電極を有しているから、セラミックグリーンシートの積層界面に、電極の厚みに起因する気泡が発生することがある。
【0027】
この気泡を除去する手段として、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法においては、積層台はセラミックグリーンシートを受ける受け面に通気口を有し、セラミックグリーンシートを積層台に搭載した状態で、通気口から、空気を吸引する。セラミックグリーンシートは通気性を有するから、セラミックグリーンシートを積層台に搭載した状態で、通気口から空気を吸引し、セラミックグリーンシート間に挟まれた気泡を吸引することができる。このため、セラミックグリーンシート間に挟まれた気泡が確実に除去され、焼成時に発生するデラミネーションを確実に抑えることができる。また、セラミックグリーンシート内に気泡が存在している場合でも、この気泡を確実に除去することができる。
【0028】
しかも、通気口は、受け面に分布しているから、セラミックグリーンシートに対する吸引作用を、通気口の分布する面の全面にわたって、均一に行わせ、セラミックグリーンシートの広い範囲にわたって気泡の発生を防止することができる。
【0029】
また、吸引を用いているので、短時間、かつ、容易に気泡を確実に除去することが可能となり、短時間、かつ、容易にセラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0030】
更に、気泡除去手段として、吸引を用いているので、セラミックグリーンシートに大きな圧力等をかけることなく、積層することが可能となる。このため、セラミックグリーンシートの変形が極めて小さくなるので、セラミック電子部品を精度よく製造し得る。
【0031】
しかも、セラミックグリーンシートに大きな圧力等をかける必要がないので、セラミックグリーンシートの変形が極めて小さくなる。このため、例えば、誘電体セラミックグリーンシートと磁性体セラミックグリーンシートのように、異なる材料からなるセラミックグリーンシートを積層する場合でも、各々の材料の性質に基づいて圧力等の条件設定をする必要がなくなり、セラミック電子部品の製造が非常に容易となる。
【0032】
また、セラミックグリーンシートを積層台に搭載した状態で、通気口から、空気を吸引するから、積層台上に載せられたセラミックグリーンシートが、積層台に吸引され、固定される。このため、作業時に、セラミックグリーンシートの位置ずれが生じにくくなり、精度よくセラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0033】
更に、積層台上に積層された少なくとも2枚のセラミックグリーンシートは、一体となって、積層台に吸引され、互いに固定される。このため、作業時に、セラミックグリーンシートの相互間に位置ずれが生じにくくなり、精度よくセラミック電子部品を製造することができる。
【0034】
2.本発明の第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法
本発明の第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法は、少なくとも2枚のセラミックグリーンシートを積層台上で積層する。セラミックグリーンシートのうち少なくとも1つは、内部に電極を有している。積層台は、セラミックグリーンシートを受ける受け面に、通気口を有し、通気口は、受け面に分布している。そして、セラミックグリーンシートを積層台に搭載した状態で、通気口から、空気を吸引する。
【0035】
本発明の第2態様に係る製造方法は、少なくとも2枚のセラミックグリーンシートを積層台上で積層する点、積層台はセラミックグリーンシートを受ける面に、通気口を有し、通気口は受け面に分布している点、及び、セラミックグリーンシートを積層台に搭載した状態で通気口から空気を吸引する点で、第1の態様に係る製造方法と共通である。よって、これらの点に関して、第1の態様に係る製造方法において説明した作用効果が、第2の態様に係る製造方法でも得られることは明らかである。
【0036】
本発明の第2の態様に係る製造方法の特徴は、セラミックグリーンシートのうち、少なくとも1つは内部に電極を有している点にある。このセラミックグリーンシートに対して、他のセラミックグリーンシートを、セラミック塗料層同士が直接に重なるように積層した場合、積層界面に気泡がたまりやすくなる。第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法によれば、吸引により、積層界面付近にたまった気泡を確実に除去し、焼成時に発生するデラミネーションを確実に抑えることができる。
【0037】
また、内部に電極を有するセラミックグリーンシートに対し、他のセラミックグリーシートを、積層界面に電極が介在するように積層した場合は、第1の態様において詳説した理由により、セラミックグリーンシート間に挟まれた気泡が確実に除去され、焼成時に発生するデラミネーションを確実に抑えることができる。
【0038】
本発明は、更に、上記製造方法の実施に直接用いられる製造装置をも開示する。本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
【0039】
【発明の実施の形態】
1.第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法
図1は本発明の第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を実施する装置の配置を示す図、図2は第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を示すフローチャート、図3〜図18は図2に示したフローチャートにおける各工程を示す図である。本実施例に係る製造方法では、以下の工程を経て、積層セラミックコンデンサを製造する。
【0040】
<第1のセラミック塗料層の形成工程>
第1のセラミック塗料層51を形成するに当たっては、図1、図3に示すように、まず、セラミック塗料17aと、支持体19と、押し出し式塗布ヘッド10と、乾燥機95とを用意する。
【0041】
そして、図1、図3に示すように、押し出し式塗布ヘッド10を用いて、支持体19の一面上に、セラミック塗料17aを塗布し、この第1のセラミック塗料17aを乾燥機95に通して乾燥させ、厚みがt1である第1のセラミック塗料層51を形成する。
【0042】
具体的には、セラミック塗料17aとしては、BaTiO3を主成分としたセラミック材料等、公知の材料を用いることができる。支持体19としては、例えば、ローラ97から連続的に供給される可撓性支持体を用いることができる。参照符号F1は支持体19の走行方向を示している。
【0043】
支持体19は、第1のセラミック塗料層51を成形する面に剥離処理を施しておくことが好ましい。剥離処理は、例えば、支持体19の一面上に、Si等でなる剥離用膜を薄くコートすることによって実行することができる。このような剥離処理を施しておくことにより、第1のセラミック塗料層51を支持体19から容易に剥離することができる。
【0044】
図3に示した押し出し式塗布ヘッド10は、セラミック塗料排出用スリット46と、上流側ノズル47と、下流側ノズル48と、セラミック塗料だまり49とを含む。このような押し出し式塗布ヘッドは公知である。この押し出し式塗布ヘッド10を用いると、非常に面精度がよく、かつ、厚みバラツキの少ない均一なセラミック塗料層を得ることができる。
【0045】
<ターゲットマーク形成工程>
図4は、図3に示した工程の後に施される、ターゲットマーク形成工程を示す図である。本実施例においては、図4に示すように、支持体19の第1のセラミック塗料層51が形成された面に、画像処理用の第1のターゲットマークa1,b1,c1,d1及びピッチマークe1を形成する。
【0046】
この第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1は、スクリーン印刷、グラビヤ印刷もしくはインクジェット印刷等によって形成されたマークまたはスルホールなど、画像処理できるマークであればよく、印刷面は支持体19の表裏どちらの面でもよい。この第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1の形成タイミングは、例えば、図2に示した電極群60の形成ステップと同時に行うこともできる。
【0047】
<電極群の形成工程>
図5は、図4に示した工程の後に施される、電極群の形成工程を示す図である。本実施例においては、図1、図5に示すように、第1のセラミック塗料層51の上に、スクリーン印刷機91で電極群(電極)60を印刷し、電極群60を乾燥機95に通して乾燥させて、電極群60を形成する。
【0048】
図6は、第1のセラミック塗料層51の上に形成された電極群60を示す平面図である。電極群60は、例えばニッケル、銅等を主成分とする電極材料によって構成されている。
【0049】
この電極群60を形成するに当たっては、上述した第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1を画像処理して得られた情報に基づいて、印刷位置決めを行なうことができる。
【0050】
また、本実施例においては、電極群60の印刷と同時に、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2を印刷している。この第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2は、後の積層工程等において、高精度で位置決めする際に利用することができる。
【0051】
<第1のセラミック塗料層の切断等の工程>
図7、図8は、第1のセラミック塗料層の切断により得られたセラミックグリーンシート70の平面図である。図1に示すように、第1のセラミック塗料層51の切断に当たっては、第1のセラミック塗料層51を支持体19から剥離した後、ダイサ96を用いて、第1のセラミック塗料層51を所定の寸法に切断することにより、セラミックグリーンシート70が得られる。
【0052】
図7、図8に示すように、セラミックグリーンシート70は、2つのタイプからなる。図7に示すタイプのセラミックグリーンシート70は、奇数列に6行、偶数列に5行の電極111〜161、112〜152、11m〜15mを有する。
【0053】
図8に示すタイプのセラミックグリーンシート70は、奇数列に5行、偶数列に6行の電極111〜151、112〜162、11m〜16mを有する。
【0054】
電極に付された参照番号のうち1桁目は当該電極の属する列を示し、2桁目は同じく属する行を示している。個々の電極は、偶数列と奇数列とが寸法Lだけ異なるように配列してある。寸法Lは電極間ピッチ2Lの1/2が適当である。
【0055】
セラミックグリーンシート70は、第1のセラミック塗料層51の乾燥後、後述する焼成工程までの間、通気性がほぼ一定値となる。セラミックグリーンシート70は、例えば、960×10−6(m3/min)の空気を通過させたときの空気の圧力をP(Pa)とし、
−ln(1−(P−320×133)/(760×133))
を通気抵抗αとしたとき、通気抵抗αが、0.5≦α≦0.7を満たすことが好ましい。
【0056】
<セラミックグリーンシートの積層工程>
図9、図10は、図7、図8に示した工程の後に施される、セラミックグリーンシートの積層工程を示す図、図11は図9に示した積層台を示す正面断面図、図12は図11の平面図である。
【0057】
図9〜図12に示すように、積層台81は、セラミックグリーンシート70を受ける面810に、通気口811を有している。この通気口811は、受け面810上において、方眼状に分布している。
【0058】
図9に示すように、セラミックグリーンシート70の積層に当たっては、図7に示したセラミックグリーンシート70と、図8に示したセラミックグリーンシート70とを、交互に積層する。
【0059】
具体的には、隣接する2枚のセラミックグリーンシート70において、一方のセラミックグリーンシート70の積層界面に形成された電極群60が、他方のセラミックグリーンシート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と隣接するように、複数のセラミックグリーンシート70を積層する。
【0060】
このとき、それぞれのセラミックグリーンシート70は、真空吸引搬送機82で、エアー吸引され、積層台81の受け面810まで搬送され、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2を利用して、CCDカメラ等による画像処理により、高精度に位置決めされる。
【0061】
セラミックグリーンシート70が搬送される受け面810には、通気口811が備えられている。通気口811は、セラミックグリーンシート70を積層台81に搭載した状態で、空気を吸引する。通気口811が空気を吸引するタイミングは、常に吸引していてもよいし、セラミックグリーンシート70を積層台81に搭載する度に吸引していてもよい。
【0062】
図13は、積層台の別の実施例を示す正面断面図、図14は積層台の更に別の実施例を示す正面断面図、図15は図14に示した積層台の平面図である。
【0063】
図13において、積層台81は、受け面810が、ポーラス(多孔質)状の平板からなり、複数の孔が通気口811を構成する。図14、図15において、積層台81は、受け面810が、網状の平板からなり、格子間の孔が通気口811を構成する。
【0064】
上述したように、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、セラミックグリーンシート70のうち少なくとも1つは、積層界面に電極(電極群)60が形成されている。このため、複数のセラミックグリーンシート70を順次積層することにより、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0065】
図10に示すように、セラミックグリーンシート70の積層界面に形成された電極(電極群)60は、積層時において、積層台81の上に搭載された一のセラミックグリーンシート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と、一のセラミックグリーンシート70の上に積層された別のセラミックグリーンシート70に含まれる第1のセラミック塗料層51との間に挟まれることになるので、この部分は、特に、気泡75がたまりやすくなる。
【0066】
しかし、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、第1のセラミック塗料層51間に挟まれた気泡75は、一のセラミックグリーンシート70を通して、積層台81に吸引される。
【0067】
したがって、第1のセラミック塗料層51間に挟まれた気泡75が確実に除去されるので、焼成時に発生するデラミネーションを確実に抑えることができる。また、セラミックグリーンシート70内に気泡75が存在している場合でも、この気泡75を確実に除去することができる。
【0068】
第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法と比較して、例えば、特許文献1に記載された製造方法は、セラミックグリーンシートの積層界面を平板で抑えつけているので、気泡75が積層界面から逃げることができなくなるので、気泡75を十分に除去することができない。このため、焼成時に発生するデラミネーションを確実に抑えることができない。
【0069】
また、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、吸引を用いているので、短時間、かつ、容易に気泡75を確実に除去することが可能となり、短時間、かつ、容易にセラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0070】
更に、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、吸引を用いているので、セラミックグリーンシート70に大きな圧力等をかけることなく、積層することが可能となる。このため、セラミックグリーンシート70の変形が極めて小さくなるので、精度よくセラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0071】
そして、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、セラミックグリーンシート70に大きな圧力等をかける必要がないので、セラミックグリーンシート70の変形が極めて小さくなる。このため、例えば、誘電体セラミックグリーンシート70と磁性体セラミックグリーンシート70のように、異なる材料からなるセラミックグリーンシート70を積層する場合でも、各々の材料の性質に基づいて圧力等の条件設定をする必要がなくなり、セラミック電子部品の製造が非常に容易となる。
【0072】
また、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、少なくとも2枚のセラミックグリーンシート70を積層台81上で積層する。積層台81は、セラミックグリーンシート70を受ける面810に、通気口811を有している。そして、セラミックグリーンシート70を積層台81に搭載した状態で、通気口811から、空気を吸引する。
【0073】
このため、積層台81上に載せられたセラミックグリーンシート70は、積層台81に吸引され、固定されるので、作業時に、セラミックグリーンシート70の位置ずれが生じにくくなり、精度よくセラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0074】
また、積層台81上に積層された少なくとも2枚のセラミックグリーンシート70は、積層台81に吸引され、互いに固定される。このため、作業時に、セラミックグリーンシート70間の位置ずれが生じにくくなり、精度よくセラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0075】
ところで、セラミックグリーンシート70の通気性は、例えば、以下の方法により求めることができる。
【0076】
まず、積層台81の受け面810にセラミックグリーンシート70を搭載していない状態において、流量が960×10−6(m3/min)、受け面810の圧力が
320×133(Pa)
となるように調整する。
【0077】
次に、流量を一定に保ちつつ、積層台81の受け面810にセラミックグリーンシート70を搭載して、受け面810の圧力が5秒以上安定した時の圧力P(Pa)を読取る。そして、圧力P(Pa)を、通気抵抗αは、
α=−ln(1−(P−320×133)/(760×133))
に代入し、通気抵抗αを求めることができる。
【0078】
第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、セラミックグリーンシート70の通気抵抗αが、α>0.7である場合、空気の通気性が悪いので、セラミックグリーンシート70間に挟まれた気泡75の影響で、セラミックグリーンシート70間に滑りが生じて、積層ずれが生じるおそれや、気泡75を確実に除去できなくなるおそれがある。
【0079】
また、セラミックグリーンシート70の通気抵抗αが、α<0.5である場合、通気性は十分であるが、ピンホール等のシート欠陥が生じやすくなるおそれがある。
【0080】
このため、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、セラミックグリーンシート70の通気抵抗αを、0.5≦α≦0.7を満たすように設定することが好ましく、この場合、上述した効果を、より顕著に発揮することが可能となる。
【0081】
<設定積層数を得た後の工程>
図16は積層されたセラミックグリーンシート70の平面図である。図16に示すように、複数のセラミックグリーンシート70は順次積層され、セラミックグリーンシート70間に気泡75が存在しない積層体を構成する。そして、この積層体の上層、及び、下層には、保護層71が形成される。保護層71は、セラミックグリーンシート70を保護する外装となる。
【0082】
図17は、図16に示した工程の後に施される、熱プレス工程を示す図、図18は、図17に示した工程の後の工程を示す斜視図である。
【0083】
図17に示すように、積層されたセラミックグリーンシート70及び保護層71は、熱プレスされる。
【0084】
上述したように、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法では、セラミックグリーンシート70を積層する毎に、熱プレスを施す必要がないので、複数のセラミックグリーンシート70を順次に積層した後で、例えば、1回だけ、熱プレスを施せば足りる。このため、熱プレスの回数が低減し、精度よく、短時間に、容易にセラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0085】
熱プレスされたセラミックグリーンシート70、及び、保護層71は、切断され、図18に示す積層チップが得られる。積層コンデンサの完成品は、この積層チップを所定の温度条件で脱バインダ処理し、焼成し、更に、端子電極を焼き付け形成することにより得られる。積層チップを脱バインダ処理し、焼成し、更に、端子電極を焼き付け形成する方法は、従来からよく知られている。
【0086】
2.第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法
図19は本発明の第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を実施する装置の配置を示す図、図20は第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を示すフローチャート、図21〜図31は図20に示したフローチャートにおける各工程を示す図である。以下、図19、図20を参照し、図21〜図31に図示された各工程を説明する。
【0087】
<第1のセラミック塗料層形成工程〜ターゲットマークの形成工程>
第2態様に係る製造方法において、第1のセラミック塗料層の形成工程及びターゲットマークの形成工程は、第1の態様に係る製造方法と同じ工程(図3、図4参照)が採用されるので、その重複説明は省略する。
【0088】
<第1の電極群の形成工程>
図21は、上述したターゲットマークの形成工程の後に施される、第1の電極群の形成工程を示す図である。本実施例においては、図19、図21に示すように、第1のセラミック塗料層51の上に、スクリーン印刷機91で第1の電極群61を印刷し、第1の電極群61を乾燥機95に通して乾燥させて、第1の電極群61を形成する。
【0089】
図22は、第1のセラミック塗料層51の上に形成された第1の電極群61を示す平面図である。図22において、第1の電極群61を構成する個々の電極111〜161、112〜152、11m〜15mは、第1のセラミック塗料層51上において、互いに間隔を隔てて配列されている。本実施例において各電極は、第1のセラミック塗料層51の長さ方向にm列となるように形成されており、奇数列には6行、偶数列には5行の電極が備えられている。
【0090】
この第1の電極群61を形成するに当たっては、上述した第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1を画像処理して得られた情報に基づいて、印刷位置決めを行なうことができる。
【0091】
また、本実施例においては、第1の電極群61の印刷と同時に、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2を印刷している。この第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2は、後の積層工程等において、高精度で位置決めする際に利用することができる。
【0092】
<第2のセラミック塗料層の形成工程>
図23は、図21に示した工程の後に施される、第2のセラミック塗料層の形成工程を示す図である。図19、図23に示すように、第2のセラミック塗料層52の形成に当たっては、上述した押し出し式塗布ヘッド10を用いて、第1のセラミック塗料層51、及び、第1の電極群61の上に、セラミック塗料17aを塗布し、セラミック塗料17aを乾燥機95に通して乾燥させ、厚みt2が、第1のセラミック塗料層51の厚みt1よりも厚い第2のセラミック塗料層52を形成する。
第2のセラミック塗料層52は、第1のセラミック塗料層51と同様の製造方法により形成できるので、詳細な説明は省略する。
【0093】
<第2の電極群の形成工程>
図24は、図23に示した工程の後に施される、第2の電極群の形成工程を示す図である。本実施例においては、図19、図24に示すように、第2のセラミック塗料層52の上に、第2の電極群62を印刷し、第2の電極群62を乾燥機95に通して乾燥させて、第2の電極群62を形成する。
【0094】
図25は、第2のセラミック塗料層52の上に形成された第2の電極群62を示す平面図である。図25において、第2の電極群62は、図21〜図22に示した第1の電極群61と同一の電極材料によって構成されている。第2の電極群62を構成する個々の電極211〜251、212〜262、21m〜26mは、第2のセラミック塗料層52の長さ方向にm列となるように形成されており、奇数列には5行、偶数列には6行の電極が備えられている。電極に付された参照番号のうち1桁目は当該電極の属する列を示し、2桁目は同じく属する行を示している。
【0095】
第2の電極群62を形成するに当たっては、上述した第1のターゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1を画像処理して得られた情報に基づいて、印刷位置決めを行なうことができる。
【0096】
また、第2のセラミック塗料層52を非常に薄く形成することにより、第2のセラミック塗料層52を透かして、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2を確認することができる。このため、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2及びピッチマークe2を第2の電極群62を形成する際の印刷位置決めに利用することもできる。
【0097】
また、本実施例においては、第2の電極群62の印刷と同時に、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を印刷している。この第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3は、後の積層工程等において、高精度で位置決めする際に利用することができる。
【0098】
<第3のセラミック塗料層の形成工程>
図26は、図24に示した工程の後に施される、第3のセラミック塗料層の形成工程を示す図である。図26に示すように、第3のセラミック塗料層53の形成に当たっては、上述した押し出し式塗布ヘッド10を用いて、第2のセラミック塗料層52、及び、第2の電極群62の上に、セラミック塗料17aを塗布し、セラミック塗料17aを乾燥機95に通して乾燥させ、厚みt3が、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と第2のセラミック塗料層52の厚みt2との差(t2−t1)に等しい第3のセラミック塗料層53を形成する。
【0099】
第3のセラミック塗料層53は、第1のセラミック塗料層51と同様の製造方法により形成できるので、詳細な説明は省略する。
【0100】
<セラミック塗料層の切断等の工程>
図27は、セラミック塗料層の切断により得られたセラミックグリーンシート70の平面図、図28は、図27の平面図である。セラミック塗料層の切断等の工程は、上述した第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法と同様の方法により行うことができるので、詳細な説明は省略する。
【0101】
図28に示すように、セラミック塗料層が切断されたセラミックグリーンシート70は、第3のセラミック塗料層53を非常に薄く形成することにより、第3のセラミック塗料層53を透かして、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を確認することができる。このため、後の積層工程等において、高精度で位置決めする際に、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を利用することができる。
【0102】
<セラミックグリーンシートの積層工程>
図29、図30は、図27に示した工程の後に施される、セラミックグリーンシートの積層工程を示す図である。図29に示すように、セラミックグリーンシート70の積層に当たっては、複数のセラミックグリーンシート70を順次に積層する。具体的には、隣接する2枚のセラミックグリーンシート70において、一方のセラミックグリーンシート70に含まれる第3のセラミック塗料層53が、他方のセラミックグリーンシート70に含まれる第1のセラミック塗料層51と隣接するように、複数のセラミックグリーンシート70を順次に積層する。
【0103】
このとき、それぞれのセラミックグリーンシート70は、真空吸引搬送機82で、エアー吸引され、積層台81の受け面810まで搬送され、第3のターゲットマークa3,b3,c3,d3及びピッチマークe3を利用して、CCDカメラ等による画像処理により、高精度に位置決めされる。
【0104】
上述したように、第2態様に係る製造方法は、少なくとも2枚のセラミックグリーンシート70を積層台81上で積層する点、積層台81はセラミックグリーンシート70を受ける面810に、通気口811を有し、通気口811は受け面810に分布している点、及び、セラミックグリーンシート70を積層台81に搭載した状態で通気口811から空気を吸引する点で、第1の態様に係る製造方法と共通である。よって、これらの点に関して、第1の態様に係る製造方法において説明した作用効果が、第2の態様に係る製造方法でも得られることは明らかである。
【0105】
また、第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、セラミックグリーンシート70のうち少なくとも1つは、内部に電極(電極群)61、62が形成されている。このため、複数のセラミックグリーンシート70を順次積層することにより、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品を製造することが可能となる。
【0106】
また、積層時において、セラミックグリーンシート70の積層界面は、セラミック塗料層同士が重ね合わされるので、この部分は、特に、気泡75がたまりやすくなる。
【0107】
しかし、第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においては、吸引により、積層界面付近にたまった気泡75を確実に除去し、焼成時に発生するデラミネーションを確実に抑えることができる。
【0108】
また、第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法においても、セラミックグリーンシート70の通気抵抗αを、0.5≦α≦0.7を満たすように設定することが好ましく、この場合、第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法と同様に、好ましい効果を、より顕著に発揮することが可能となる。
【0109】
更に、第2態様に係るセラミック電子部品の製造方法において、セラミックグリーンシート70は、セラミック塗料層(第1〜第3のセラミック塗料層51〜53)単体でなく、複数のセラミック塗料層が順次に積層されて構成されているので、セラミックグリーンシート70全体として、厚みが厚くなる。このため、セラミック塗料層51〜53が薄くなった場合でも、ハンドリングが容易になり、支持体19からの剥離が容易になる。しかも、セラミックグリーンシート70全体としての厚みが厚くなり、強度が増すので、ハンドリングの際に、セラミック塗料層51〜53及び電極群61、62にかかる負担が低減し、ショート等の特性不良が低減する。
【0110】
また、複数枚のセラミックグリーンシート70を順次に積層することにより、隣接するセラミックグリーンシート70の間に、厚みt2と等しい厚み(t1+t3)を持つセラミック塗料層が生じる。隣接するセラミックグリーンシート70の間では、厚み(t1+t3)のセラミック塗料層を介して、一方のセラミックグリーンシート70に含まれる第2の電極群62と、他方のセラミックグリーンシート70に含まれる第1の電極群61とが対向する。
【0111】
従って、積層を完了した場合、電極群61、62のすべてが、同一の厚み(t2=t1+t3)のセラミック塗料層を介して対向することになるので、積層数を特定することによって、取得容量を特定し得ることになる。
【0112】
<設定積層数を得た後の工程>
図31は積層されたセラミックグリーンシート70の平面図である。図31に示すように、複数のセラミックグリーンシート70は順次積層され、セラミックグリーンシート70間に気泡75が存在しない積層体を構成する。
【0113】
この積層体は、熱プレスされ、熱プレスされたセラミックグリーンシート70及び保護層71は、切断され、図18に示す積層チップが得られる。この設定積層数を得た後の工程は、上述した第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法と同様の方法で行うことができるので、詳細な説明は省略する。
【0114】
3.第2の態様に係るセラミック電子部品の別の製造方法
図32は、本発明第2の態様に係るセラミック電子部品の別の製造方法を示す図である。
【0115】
本実施例に係る製造方法は、図19〜31図に示した第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法に加えて、第1のセラミック塗料層51上に、厚みが第1の電極群61の厚みと等しい第1の補助層65を形成し、第2のセラミック塗料層52上に、厚みが第2の電極群62の厚みと等しい第2の補助層66を形成する。
【0116】
これにより、第2のセラミック塗料層52の厚みt2が、第1のセラミック塗料層51の厚みt1と第3のセラミック塗料層53の厚みt3との和(t1+t3)と等しくなる。
【0117】
本実施例に係る製造方法は、上述した図19〜図31に示した第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法と、同様の構成要素を含むので、同様の作用効果を奏することができる。
【0118】
4.セラミック電子部品の製造装置
図9〜図12に示すように、本実施例に係るセラミック電子部品の製造装置は、積層台81を含む。積層台81は、セラミックグリーンシート70を搭載するためのものであり、セラミックグリーンシート70を受ける面810に、通気口811を有する。
【0119】
本実施例に係るセラミック電子部品の製造装置は、積層台81にセラミックグリーンシート70を搭載することにより、セラミックグリーンシート70を積層台81に吸引して、固定することができる。このため、作業時に、セラミックグリーンシート70が、位置ずれを生じなくなり、精度よくセラミック電子部品を製造することが可能であり、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の実施に適する。
【0120】
また、通気口811を通して、複数のセラミックグリーンシート70に含まれた気泡75を確実に除去することができ、本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の実施に適する。
【0121】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【0122】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(A)焼成時に発生するデラミネーションを低減することができるセラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
(B)セラミックグリーンシートの積層枚数が多くても、セラミック電子部品を短時間で製造し得る製造方法を提供することができる。
(C)セラミックグリーンシートの積層枚数が多くても、セラミック電子部品を精度よく製造し得る製造方法を提供することができる。
(D)セラミック電子部品を容易に製造し得る製造方法を提供することができる。
(E)本発明に係るセラミック電子部品の製造方法の実施に適したセラミック電子部品の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を実施する装置の配置を示す図である。
【図2】第1の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図2に示したフローチャートにおける工程を示す図である。
【図4】図3に示した工程の後の工程を示す図である。
【図5】図4に示した工程の後の工程を示す図である。
【図6】第1のセラミック塗料層の上に形成された電極群を示す平面図である。
【図7】セラミックグリーンシートの平面図である。
【図8】セラミックグリーンシートの別の平面図である。
【図9】図7、図8に示した工程の後の工程を示す図である。
【図10】図7、図8に示した工程の後の工程を示す別の図である。
【図11】図9に示した積層台を示す正面断面図である。
【図12】図11に示した積層台の平面図である。
【図13】積層台の別の実施例を示す正面断面図である。
【図14】積層台の更に別の実施例を示す正面断面図である。
【図15】図14に示した積層台の平面図である。
【図16】積層されたセラミックグリーンシートの平面図である。
【図17】図16に示した工程の後の工程を示す図である。
【図18】図9に示した工程の後の工程を示す図である。
【図19】本発明の第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を実施する装置の配置を示す図である。
【図20】第2の態様に係るセラミック電子部品の製造方法を示すフローチャートである。
【図21】図20に示したフローチャートにおける工程を示す図である。
【図22】第1のセラミック塗料層の上に形成された第1の電極群を示す平面図である。
【図23】図22に示した工程の後の工程を示す図である。
【図24】図23に示した工程の後の工程を示す図である。
【図25】第2の電極群62を示す平面図である。
【図26】図24に示した工程の後の工程を示す図である。
【図27】セラミックグリーンシート70の平面図である。
【図28】図27の平面図である。
【図29】図27に示した工程の後の工程を示す図である。
【図30】図27に示した工程の後の工程を示す別の図である。
【図31】積層されたセラミックグリーンシートの平面図である。
【図32】本発明第2の態様に係るセラミック電子部品の別の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
70 セラミックグリーンシート
51 第1のセラミック塗料層
60 電極群
Claims (1)
- セラミック電子部品の製造方法であって、
最外層として第1のセラミック塗料層及び第3のセラミック塗料層を含むと共にそれらの中間層として第2のセラミック塗料層を含むセラミックグリーンシートを、複数用意するステップと、
積層台において、前記複数のセラミックグリーンシートを、一方のセラミックグリーンシートにおける前記最外層と、他方のセラミックグリーンシートにおける前記最外層とが隣接するように、順次、積層するステップとを含み、
前記セラミックグリーンシートのそれぞれは、支持体の上に、第1のセラミック塗料層、第1の電極群、第2のセラミック塗料層、第2の電極群、第3のセラミック塗料層をその順に形成し、それらを前記支持体から剥離させることにより得られ、
各セラミック塗料層はセラミック塗料を塗布することによって形成されており、
前記第2のセラミック塗料層は、その厚みt2が、前記第1のセラミック塗料層の厚みt1よりも大きくなるように形成し、前記第3のセラミック塗料層は、その厚みt3が、前記t1と前記t2の差(t2−t1)となるように形成するものであり、
前記積層台は、前記セラミックグリーンシートを受ける受け面に、通気口を有し、前記通気口は、前記受け面に分布しており、
前記セラミックグリーンシートを前記積層台に搭載した状態で、前記通気口から、該セラミックグリーンシート間の空気を吸引するステップを更に含む
セラミック電子部品の製造方法。
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