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JP3951419B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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JP3951419B2
JP3951419B2 JP06105798A JP6105798A JP3951419B2 JP 3951419 B2 JP3951419 B2 JP 3951419B2 JP 06105798 A JP06105798 A JP 06105798A JP 6105798 A JP6105798 A JP 6105798A JP 3951419 B2 JP3951419 B2 JP 3951419B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/006Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion power being selectively transmitted by either one of the parallel flow paths

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるクラッチツウクラッチの変速を実行する自動変速機において、コースト時のダウンシフトを実行する際に適用するのに好適な変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に運転者がスロットル開度を閉、又は、軽く離れた状態にしたコースト時において、車速が低下してダウンシフトの変速点をよぎるとダウンシフトが実行される。従来は予め設定されたコーストダウンの変速点によって変速を実施されている。このコーストダウンシフトをいわゆるクラッチツウクラッチ変速によって実現する場合、高速段側クラッチ油圧の低下と低速段側クラッチ油圧の上昇を同時に行って、クラッチの係合、解放を切換えるようにすることになる(例えば特開平6−221347)。このときコースト状態(車輪側からエンジン側へ動力が伝達されている状態:被駆動状態)で変速が実行されることから、高速段側クラッチの解放によって低下してしまうとするタービン回転速度を低速段側クラッチの係合によって(低速段側)同期回転速度にまで引き上げる作業が行われる。
【0003】
しかしながら、変速の実行によってタービン回転速度が引き上げられるには、変速時間に相当する時間を必要とするため、この間に急減速等によって車速が低減するとタービン回転速度がエンジン回転速度を下回り、一時的にそれまでの被駆動状態から駆動状態に切り替わってしまう恐れがある。
【0004】
又、シンクロ機構を有する自動変速機にあっては、減速度が大きいと、シンクロが切り換わる時間的余裕がないうちに次の変速点をよぎってしまうという不具合が発生する恐れもある。
【0005】
そこで、この種のコーストダウンシフトにおける変速点は、変速時間やシンクロの移動時間を考慮してある程度の急減速時にもこうした不具合が発生せず、常に被駆動状態が維持できるように、通常の変速点よりも高車速側に設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように高車速側に変速点が設定されていると、コーストダウンによる変速後の低速段で過度のエンジンブレーキ力が発生する可能性があり、それに伴い変速ショックの発生も大きくなるという問題が発生する。
【0007】
本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであって、従来基本的に固定されていた変速点を走行状態に応じて最適に決定することにより、変速ショックを緩和し、スムーズなエンジンブレーキが得られることを可能とした自動変速機の変速制御装置を提供することをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載の発明は、複数のクラッチ及び複数のシンクロ機構を有し、コースト時に変速点に従いダウンシフトを行うクラッチツウクラッチ変速を実行する自動変速機であって、該クラッチツウクラッチ変速の初期に係合すべきクラッチに完全油圧供給指令を所定時間かけるファーストクイックフィルを実行する自動変速機の変速制御装置において、前記コースト時のダウンシフトを行う際に、前記シンクロ機構が移動する時間を求める手段と、前記ファーストクイックフィルに要する時間を求める手段と、前記シンクロが移動する時間に基づく変速点と、前記ファーストクイックフィルに要する時間に基づく変速点と、のうち高車速側の変速点を選択する手段と、を備え、該選択された変速点に従い前記コース時のダウンシフトを行うことにより、上記課題を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図3は、本発明が適用されたトルクコンバータ付きのツインクラッチ式4段自動変速機の全体の構造を模式的に示した図である。
【0012】
図3において、1はエンジンを、2はロックアップ機構付きのトルクコンバータを、3はツインクラッチ式自動変速機を表わしている。
【0013】
エンジン1の出力軸10はトルクコンバータ2のフロントカバー20に連結されている。フロントカバー20は、流体流を介して連結されるポンプインペラ21とタービン22を介して、あるいは、ロックアップクラッチ23を介してトルクコンバータ出力軸24に連結されている。トルクコンバータ2の出力軸24は、ツインクラッチ式自動変速機3の入力軸(変速機入力軸)30に一体回転可能に連結されている。なお、25はステータ、26はワンウェイクラッチである。
【0014】
入力軸30は、第1クラッチC1 の第1クラッチ入力ディスクC1i、第2クラッチC2 の第2クラッチ入力ディスクC2iが連結されている。
【0015】
そして、第1クラッチC1 の第1クラッチ出力ディスクC1o、第2クラッチC2 の第2クラッチ出力ディスクC2oに、それぞれ、第1クラッチ出力軸40、第2クラッチ出力軸50が、入力軸30の外側に同軸的に連結されている。
【0016】
又、副軸60と出力軸(変速機出力軸)70が、これらの軸に平行に配設されている。
【0017】
第2クラッチ出力軸50には、第2速ドライブギヤI2 、副軸ドライブギヤIs 、第4速ドライブギヤI4 が固定的に連結されている。
【0018】
一方、第1クラッチ出力軸40には、第4速ドライブギヤI4 に隣接するようにして第3速ドライブギヤI3 が、更にそのトルクコンバータ2側に第1速ドライブギヤI1 が固定的に連結されている。
【0019】
出力軸70には、第2速ドライブギヤI2 と常時噛合する第2速ドリブンギヤO2 、第4速ドライブギヤI4 と常時噛合する第4速ドリブンギヤO4 、第3速ドライブギヤI3 と常時噛合する第3速ドリブンギヤO3 、第1速ドライブギヤI1 と常時噛合する第1速ドリブンギヤO1 が、それぞれ、回転自在に取り付けられている。
【0020】
第1シンクロ(シンクロ機構)D1 は、出力軸70に固定的に連結された第1ハブH1 と、その外周端部上に軸方向摺動自在に取り付けられた第1スリーブS1 からなり、この第1スリーブS1 を、第1シフトフォークY1 を介して第1スリーブアクチュエータACT1によって移動し、第1速ドリブンギヤO1 に固定結合されている第1速クラッチギヤG1 、又は、第3速ドリブンギヤO3 に固定結合されている第3速クラッチギヤG3 に係合させることによって、第1速ドリブンギヤO1 及び第3速ドリブンギヤO3 を選択的に出力軸70に連結させる。
【0021】
同様に、第2シンクロ(シンクロ機構)D2 は出力軸70に固定的に連結された第2ハブH2 と、その外周端部上に軸方向摺動自在に取り付けられた第2スリーブS2 からなり、この第2スリーブS2 を、第1シフトフォークY2 を介して第2スリーブアクチュエータACT2によって移動し、第4速ドリブンギヤO4 に固定結合されている第4速クラッチギヤG4 、又は、第2速ドリブンギヤO2 に固定結合されている第2速クラッチギヤG2 に係合させることによって第4速ドリブンギヤO4 、及び第2速ドリブンギヤO2 を選択的に出力軸70に連結させる。
【0022】
副軸60には、副軸ドライブギヤIs と常時噛合する副軸ドリブンギヤOs 、第1速ドライブギヤI1 とアイドラギヤMR を介して常時噛合する後進ドライブギヤIR が配設されている。副軸ドリブンギヤOs は副軸60に固定的に連結され、常時副軸60と一体に回転するが、後進ドライブギヤIR は回転自在に取り付けられていて、両ギヤの中間に配設された第3シンクロ(シンクロ機構)D3 により、選択的に副軸60に連結される。
【0023】
第3シンクロD3 は、副軸60に固定的に連結された第3ハブH3 と、その外周端部上に軸方向摺動自在に取り付けられた第3スリーブS3 からなり、この第3スリーブS3 を第3シフトフォークY3 を介して第3スリーブアクチュエータACT3によって移動し、後進ドライブギヤIR に固定結合されている後進クラッチギヤGR に係合させることによって、後進ドライブギヤIR を選択的に副軸60と一体に回転させる。
【0024】
図4の(A)(B)は、各速度段における、第1クラッチC1 、第2クラッチC2 、第1スリーブS1 、第2スリーブS2 、第3スリーブS3 の係合の状態を示したものである。
【0025】
○が付されたものは、その変速段における動力の伝達のための係合であって、Δはダウンシフト用の予備選択を、▽はアップシフト用の予備選択をした場合に付加される係合を示している。予備選択により付加された係合は、その変速段における動力の伝達には寄与しない。
【0026】
例えば、第1速段では第1クラッチC1 が係合され、第1クラッチ出力ディスクC1oに結合された第1クラッチ出力軸40が第1速ドライブギヤI1 、第3速ドライブギヤI3 と共に回転し、第1速ドライブギヤI1 に常時噛合している第1速ドリブンギヤO1 が回転し、次に、第1スリーブS1 が第1速クラッチギヤG1 側に位置していることによって出力軸70が第1ハブH1 、第2ハブH2 と共に回転し、動力が伝達される。
【0027】
第2速段では第2クラッチC2 が係合され、第2クラッチ出力ディスクC2oに結合された第2クラッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第2クラッチ出力軸50、第4速ドライブギヤI4 、副軸ドライブギヤIs と共に回転し、第2速ドライブギヤI2 に常時噛合している第2速ドリブンギヤO2 が回転し、次に、第2スリーブS2 が第2速クラッチギヤG2 側に位置していることによって、出力軸70が第1ハブH1 、第2ハブH2 と共に回転し、動力が伝達される。
【0028】
第3速段では第1クラッチC1 が係合され、第1クラッチ出力ディスクC1oに結合された第1クラッチ出力軸40が第1速ドライブギヤI1 、第3速ドライブギヤI3 と共に回転し、第3速ドライブギヤI3 に常時噛合している第3速ドリブンギヤO3 が回転し、次に、前述のように第1スリーブS1 が第3速クラッチギヤG3 側に位置していることによって、出力軸70が第1ハブH1 、第2ハブH2 と共に回転し、動力が伝達される。
【0029】
第4速段では第2クラッチC2 が係合され、第2クラッチ出力ディスクC2oに係合された第2クラッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第2クラッチ出力軸50、第4速ドライブギヤI4 、副軸ドライブギヤIs と共に回転し、第4速ドライブギヤI4 に常時噛合している第4速ドリブンギヤO4 が回転し、次に、第2スリーブS2 が第4速クラッチギヤG4 側に位置していることによって、出力軸70が第1ハブH1 、第1ハブH2 と共に回転し、動力が伝達される。
【0030】
後進段では第2クラッチC2 が係合され、第2クラッチ出力ディスクC2oに結合された第2クラッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第2クラッチ出力軸50、第4速ドライブギヤI4 、副軸ドライブギヤIs と共に回転し、副軸ドライブギヤIs に常時噛合している副軸ドリブンギヤOs を介して副軸60が回転し、第3スリーブS3 が後進クラッチギヤGR 側に位置していることにより後進ドライブギヤIR が回転し、その結果、後進アイドラギヤMR を介して第1速ドリブンギヤO1 が回転し、次に、第1スリーブS1 が第1速クラッチギヤG1 側に位置していることによって、出力軸70が第1ハブH1 、第2ハブH2 と共に回転し、動力が伝達される。
【0031】
そして、各変速段の間の変速は、変速後の変速段の伝達経路の完成に必要なスリーブを移動して係合し、次に、変速前に使用されている一方のクラッチを解放しながら、変速後に使用される他方のクラッチを係合していき、変速前の変速段の伝達経路を完成しているスリーブを移動して解放することにより行われる。
【0032】
例えば、第2速段から第3速段への変速は、第1スリーブS1 を第3クラッチギヤG3 と係合するように移動せしめ、第2クラッチC2 を解放させながら、第1クラッチC1 を係合し、そして、第2スリーブS2 を第2速クラッチギヤG2 との係合から解放されるように移動せしめる。
【0033】
なお、この実施形態では図4の(B)に示すようにその時点での走行環境(例えば車速)から次変速段を予測し、これに対応するシンクロ機構を予め係合させておくことにより、変速判断があった時点で直ちにクラッチの切換え制御に入れるように制御している(後述)。
【0034】
第1クラッチC1 と第2クラッチC2 の係合、解放の制御(クラッチツウクラッチの切換制御)は、それぞれ、第1クラッチ入力ディスクC1i、第2クラッチ入力ディスクC2iに連結された第1クラッチ・クラッチプレート(図示しない)、第2クラッチ・クラッチプレート(図示しない)を、油圧によって駆動される第1クラッチピストン(図示しない)、第2クラッチピストン(図示しない)によって、第1クラッチ出力ディスクC1o、第2クラッチ出力ディスクC2oに連結された第1クラッチ・クラッチプレート(図示しない)、第2クラッチ・クラッチプレート(図示しない)に摩擦係合せしめることによって行われる。
【0035】
前記ピストンの駆動は、図3における油圧供給源OPから供給された作動油をピストン油室に給排制御することにより行われ、第1クラッチ供給油圧制御弁VC1 及び第2クラッチ供給油圧制御弁VC2 を電子制御ユニット(以下ECUという)100によって、微細に制御することにより行われる。
【0036】
又、第1スリーブS1 、第1スリーブS2 、第3スリーブS3 の移動は、前述したように、それぞれ、第1スリーブアクチュエータACT1、第2スリーブアクチュエータACT2、第3スリーブアクチュエータACT3により行われる。
【0037】
各スリーブアクチュエータの構造の詳細な説明は省略するが、シフトフォークが連結されたピストンを所望の方向に移動するものであって、油圧供給源OPから供給された作動油をピストンの両側に形成されているピストン油室に給排制御することにより行われる。そのため、各ピストン油室への作動油の供給を制御する弁と、各ピストン油室からの作動油の排出を制御する弁とが備えられ、ECU100によってこれらの弁の開閉が制御される。
【0038】
本発明においては、各スリーブが所定の移動をしたかどうかを確認することが必要があるため、第1スリーブアクチュエータACT1 、第2スリーブアクチュエータACT2 、第3スリーブアクチュエータACT3 は、前記ピストンの移動からスリーブの位置を検出する第1、第2、第3のスリーブ位置センサ115a 、115b 、115c を有していて、その信号はECU100の入力インターフェイス回路101に送られる。
【0039】
ECU100は、デジタルコンピュータからなり、相互に接続された入力インターフェイス回路101、ADC(アナログデジタル変換器)102、CPU(マイクロプロセッサ)103、RAM(ランダムアクセスメモリ)104、ROM(リードオンリメモリ)105、出力インターフェイス回路106を具備している。
【0040】
CPU103には、ギヤ段位置を検出するギヤ段センサ111、車速(変速機出力軸の回転速度)を検出する車速センサ112、スロットル開度を出力するスロットル開度センサ113、入力軸30の回転速度を検出する入力軸回転速度センサ114、及び前述の各スリーブアクチュエータ内に設けられたスリーブ位置を検出するスリーブ位置センサ115a 、115b 、115c 等の各センサの出力信号が、入力インターフェイス回路101を介して、あるいは更にADC102を介して入力される。
【0041】
CPU103は上記各種センサの値と、ROM105に記憶しておいたデータから後述する本発明の制御を行うために、前記各スリーブを移動せしめるスリーブアクチュエータを制御する信号を発生する他、ツインクラッチ式自動変速機のクラッチを制御する第1クラッチ供給油圧制御弁VC1 及び第2クラッチ供給油圧制御弁VC2 を制御する信号、前記ロックアップクラッチを制御するロックアップ油圧制御弁VLを制御する信号を発生し、出力インターフェイス回路106を介して、それぞれに送出する。
【0042】
次に制御の内容について詳しく説明する。
【0043】
初めに緩減速時のコースト時のダウンシフトに係る実施形態から説明する。図1は、緩減速時のコーストダウンシフトの制御における変速点の設定方法を示すタイムチャートである。
【0044】
この実施形態では、後述するフローチャートにより全ての変速に対する変速点を、それぞれ低速段側の変速点から順次決定・変更していく。
【0045】
但し、ここでは理解を容易にするために、まず(後述の方法によって)決定された変速点に基づいて、どのようにしてコーストダウンシフトが実行されるかについて、その定性的な作業の概要から説明する。又、エンジン回転速度NEは一定ということにして説明を簡易化する。
【0046】
このタイムチャートは、第4速段及び第2速段兼用の第2クラッチC2 に対するデューティ比、第3速段及び第1速段用の第1クラッチC1 に対するデューティ比、タービン回転速度(=変速機入力軸30の回転速度)NT、第1、第2シンクロD1 、D2 の切換え状態、変速出力、エンジン回転速度NE、各変速段の同期回転速度DK1 、DK2 、DK3 、DK4 、及び後述する、目標タービン回転速度NTt相互の関係を示している。
【0047】
なお、図1のデューティ比、油圧の欄において太線はデューティ比を示し、細線は油圧を示している。デューティ比が100%のとき、各クラッチC1 、C2 にライン圧が100%供給され、デューティ比が0%のとき、各クラッチC1 、C2 の油圧が完全ドレンされる。
【0048】
又、前述したように、第1クラッチC1 は第3速段のクラッチcl3 と第1速段のクラッチcl1 としての機能を兼用し、第2クラッチC2 は第4速段のクラッチcl4 と第2速段のクラッチcl2 としての機能を兼用する。以下説明の便宜のため、適宜呼び名称を切換えて説明する。
【0049】
図1の左端の時刻t1 で示す部分は、第4速段クラッチcl4 が完全係合し、且つ第3速段クラッチcl3 が完全解放されている変速動作前の状態(第4速段が成立している状態)を示している。
【0050】
この第4速段の状態から、コースト状態(スロットル開度が全閉又は全閉に近い状態)でタービン回転速度NTが第3速段のダウンシフト点P7(P43)以下になると、ダウンシフトすべき変速判断があったとして、まずt2 で第4速段クラッチcl4 のデューティ比を急激に落とし、該第4速段クラッチcl4 を解放する(完全解放状態ではない)。
【0051】
又、これと同時に、第3速段クラッチcl3 を係合させるべく、第3速段クラッチcl3 の油圧を期間T1 だけデューティ比100%を出力し(いわゆるファーストクイックフィルと呼ばれる操作)、その後(時刻t3 より)デューティ比をDL1 にまで下げた状態で待機させる。
【0052】
なお、このデューティ比DL3 は、第3速段クラッチcl3 が容量を持つぎりぎりの値である。
【0053】
従来は、第4速段クラッチcl4 の解放と共に第3速段クラッチcl3 の係合が開始されているので、タービン回転速度NTが時刻t3 から上昇を開始するのであるが、この実施形態ではここで車両を弱エンジンブレーキ状態に維持するために、タービン回転速度NTが、エンジン回転速度NEよりも所定値α(α>0)だけ高くなるように設定した目標回転速度NTtになるようにデューティ比DL1 を制御するようにしている。即ち、タービン回転速度NT(この時点では第4速段の同期回転速度DK4 に同じ)がエンジン回転速度NE+所定値αとなった時刻t4 で第4速段クラッチcl4 のデューティ比を完全ドレン(0%)状態にすると共に、タービン回転速度NTが目標回転速度NTtを維持するように第3速段クラッチcl3 のデューティ比をフィードバック制御を実施する。
【0054】
一方、時刻t2 からカウント開始されたドレンタイマT2 が経過したことが検出されると(時刻t5 )、第2シンクロD2 を第4速段位置から第2速段位置へと切換える指令が出される。
【0055】
なお、ここで、第2シンクロD2 の切換指令をドレンタイマT2 が経過したするまで待ってから開始されるようにしたのは、第4速段クラッチcl4 が少しでも容量を持っていると、第2シンクロD2 の切換えに支障のでる可能性があるため、それを防止したためである。シンクロの移動は、支障がない範囲でできるだけ早く切換えを開始・移動・完了させる。
【0056】
時刻t6 で第2シンクロD2 の切換えが完了したことが確認されると、時刻t7 で第2速段クラッチcl2 (第2クラッチC2 )を再び係合させるべく、所定時間T3 だけ第2速段クラッチcl2 のデューティ比を100%出力し(ファーストクイックフィル実施し)、その後時刻t8 から一旦、デューティ比をDL2まで下げて待機させる。この状態はクラッチC1 の回転速度(この時点では第3速段の同期回転速度DK3 )が目標回転速度NTtになるまで続けられ、その時点で第3速段クラッチcl3 (第1クラッチC1 )のデューティ比を0%(完全ドレン)にする。
【0057】
前記同様に時刻t9 以降では、第2速段クラッチcl2 (第2クラッチC2 )が容量を持ってきているので、これ以降のタービン回転速度NTを目標回転速度NTtに維持する制御は、第2速段クラッチcl2 のフィードバック制御によって実現される。
【0058】
時刻t10で、第3速段クラッチcl3 (第1クラッチC1 )の油圧が完全にドレンされたことを検出されると、第1シンクロD1 を第3速段位置から第1速段位置へ切換えが開始される。
【0059】
時刻t11で第1シンクロD1 の切換えが完了したことが確認されると、時刻t12で第1変速段クラッチcl1 (第1クラッチC1 )のデューティ比を再び、所定時間T4 だけ100%とし、(ファーストクイックフィルを実施し)、時刻t13で第2速段クラッチcl2 (第2クラッチC2 )の回転速度(この時点では第2速段の同期回転速度DK2 )が目標回転速度NTtになったら、第2速段クラッチcl2 を完全ドレンする。
【0060】
これにより、時刻t14で第2クラッチC2 の油圧は完全ドレンされ、以降はタービン回転速度NTが目標回転速度NTtとなるように維持する制御は第1速段クラッチcl1 (第1クラッチC1 )のデューティ比をフィードバック制御することによって行う。
【0061】
なお、タービン回転速度NTが目標回転速度NTtに達した時刻t15以降は、タービン回転速度NTが所定の低下速度で低下するように、第1速段クラッチcl1 の油圧をフィードバック制御する。
【0062】
時刻t16になると、第1変速クラッチcl1 が完全に係合したとして、本制御を中止し該第1速段クラッチcl1 のデューティ比は100%に維持され、やがて車両は時刻t17で停止する。なお、後述するように、この時刻t17は、あくまで変速点を決定するために、現在の減速度から予測されたもので、実際の停止時刻とは必ずしても一致しない。
【0063】
次に、時刻t2 、t7 、t12でそれぞれ(シフトダウンの)変速指令が出力されている(変速点が設定されている)が、(本発明の特徴でもある)この変速点の決め方について詳しく説明する。
【0064】
ここでは、第4速段で走行中において、第4速段から第3速段へ変速する際の4−3変速点P43の決定について説明する。なお、第3速段、第2速段で走行中においても同様な変速点の決定の仕方で実施できる。
【0065】
第4速段から第3速段への4−3変速点は第4速段の同期回転速度DK4 をベースとして、即ち車両の減速度が考慮された上で演算される。
【0066】
この実施形態では、第4速段から第3速段への4−3変更点P43を決めるために、まず、第2速段から第1速段2−1の変速点P21を決定し、その2−1変速点P21に基づいて第3速段から第2速段の2−1変速点P32を決定し、その3−2変速点P32に基づいて第4速段から第3速段の4−3変速点P43を決定するようにしている。
【0067】
図1は緩減速時の変速点の決定の仕方を表し、図2は急減速時の変速点の決定の仕方について表したものである。
【0068】
まず、最初に緩減速時の変速点の決定の仕方について説明する。
【0069】
第2速段から第1速段の2−1変速点P21は、まず、コースト状態になっていることを検出し、その減速度に応じて、車両が完全に停止する時刻t17を予測する。
【0070】
次に、第2速段の同期回転速度DK2 と目標回転速度NTtが交差する時刻t13の第4速段同期回転速度DK4 上の点をP0 とする。この点P0 の時刻t13は、第2速段クラッチcl2 (第2クラッチC2 )のデューティ比が0%(ドレン)となる時刻であり、この時刻t13から第1速段クラッチcl1 (第1クラッチC1 )がフィードバック制御を開始する点でもある。
【0071】
点P0 の時刻t13では、第1速段のクラッチC1 が徐々に容量を持ってくる点でもあるので、2−1変速点P21は、この点P0 より、第1速段クラッチcl1 (第1クラッチC1 )がファーストクイックフィルを行って、且つ容量を持てるようになる分だけ前になくてはならない。換言すると、2−1変速点P21は、点P0 の時刻t13の第4速段の同期回転速度DK4 に、第1速段クラッチcl1 がファーストクイックフィルを行って容量を持てるようになる時間に変化する回転速度ΔNOF1 を加えた時刻t12ということになる。
【0072】
次に、第3速段から第2速段の3−2変速点P32の決め方について説明する。
【0073】
変速点P32には2つの要素を考慮する必要がある。
【0074】
2−1変速点P21と3−2変速点P32の間には、第1シンクロD1 を第3速段側から第1速段側に移動し、完了しておく必要がある。そのため、3−2変速点P32は、2−1変速点P21より第1シンクロD1 が移動する時間分前に設定しなくてはならない。
【0075】
換言すると、第1シンクロD1 が移動(第3速段→第1速段)する時間に変化する回転速度をΔNOS2 として、2−1変速点P21地点での第4速段の同期回転速度にこのΔNOS2 を加えた点をP2 とする。この点P2 が第3速段から第2速段の変速点P32の第1の候補として考えられる。
【0076】
一方、第3速段の同期回転速度DK3 と目標回転速度NTtとが交差する時刻t9 における第4速段の同期回転速度DK4 上の点をP3 とすると、この点P3 では第3速段クラッチcl3 (第1クラッチC1 )のデューティ比が0%となる時点であるため、変速点P21の決定のときと同様に点P3 より前に第2速段クラッチcl2 (第2クラッチC2 )のファーストクイックフィルを実行・完了し、且つ第2速段クラッチcl2 が容量を持ち得るようになっていなければならない。換言すると、3−2変速点P32は、点P3における第4速段同期回転速度に第2速段クラッチcl3 (第2クラッチC2 )の容量持ちに要する時間に変化する回転速度ΔNOF2 を加えた地点P4 (以前)に設定しなければならない(第2の候補点)。
【0077】
このことにより、3−2変速点P32は点P2と点P4の2つの時点が候補として考えられるが、変速点P32は、前述した両方の条件を満たさなくてはならない。そのため、現車速に近い側(高車速側)の点P4が3−2変速点P32と決定される。
【0078】
全く同様にして第4速段から第3速段の4−3変速点P43も決定される。
【0079】
3−2変速点P32を基準として、3−2変速点P32の時点の第4速段の回転速度DK4 に、第2シンクロD2 が第4速段から第2速段に移動・完了するまでの時間に変化する回転速度ΔNOS3 を加えた時点を点P5 (時刻t3 )とする。
【0080】
又、第4速段の同期回転速度DK4 と目標回転速度NTtとが交差する時刻t4 を点P6 とし、その点P6 から第3速段クラッチcl3 (第2クラッチC1 )がファーストクイックフィルを行って容量を持ち得る時間に変化する回転速度ΔNOF3 を点P6 の時点の第4速段の回転速度DK4 に加えた点をP7 (時刻t2 )とする。
【0081】
前記と同様に、点P6 と点P7 のうち、現車速側に近い側(高車速側)の点である点P7を第4速段から第3速段の4−3変速点P43に設定する。
【0082】
次に、図2に示すように、車両を急減速させた場合の変速点の決め方について説明する。
【0083】
図1に比べて時刻t′17は現時点に近く(図の左側)に決定されるが、容易さを優先して図1と同様としていある。そのため、シンクロ機構D1 、D2 の移動期間が相対的に長く表示されている。
【0084】
緩減速とまったく同様に急減速の場合にでも、先ず2−1変速点P′21を決め、それに基づき3−2変速点P′32を決定し、最後にその3−2変速点P′32に基づいて4−3変速点P′43を決定するようにする。
【0085】
第2速段から第1速段への変速を行う2−1変速点P′21の決定から説明する。
【0086】
第2変速段の同期回転速度DK2 と目標回転速度NTtとが交差する地点の第4速段の同期回転速度DK4 上の点をP′0 とする。このP′0 の時刻t′10は、第2速段クラッチcl2 のデューティ比が0%(ドレン)とされる時点で、又、第1速段クラッチcl1 がフィードバック制御を開始する時間でもある。従って緩減速時と同様に2−1変速点P′21は、ファーストクイックフィルをした後、容量を持ち得る時間分、点P′0 より前になくてはならない。つまり、P′0 の時点の第4速段の同期回転速度に第1速段クラッチcl1 が容量を持ち得る時間分に変化する回転速度ΔNOF′1 を加えた点P′1 (時刻t′9 )を2−1変速点P′21とする。
【0087】
次に、第3速段から第2速段の3−2変速点P′32は、当然に第1シンクロD1 が第3速段から第1速段へ移動を完了していなければならないため、変速点P′21のタービン回転速度に第1シンクロD1 が移動に要する時間分に変化する回転速度ΔNOS′2 を加えた分の点であるP′2 が候補に挙げられる。
【0088】
又、第3速段の同期回転速度DK3 が目標回転速度NTtと交差する時刻t′8 の第4速段の同期回転速度DK4 上の点をP′3 とし、点P′3 の第4速段の同期回転速度DK4 に第3速段クラッチcl3 がファーストクイックフィルを行って容量を持ち得る時間分に変化する回転速度ΔNOF′2 を加えた点をP′4 とする。
【0089】
ここで、点P′2 と点P′4 のうち現車速に近い方の点P′2 を第3速段から第2速段の変速点P′32と設定する。
【0090】
全く同様な方法で急減速時の4−3変速点P43が決定される。
【0091】
つまり、緩減速時には多くの場合(図1の実施形態では全て)ファーストクイックフィル(時間)等に基づいた時間により変速点が決定していたが、急減速時には多くの場合(図2の実施形態では全て)シンクロの移動(時間)に基づいて変速点が決定されるようになっている。いずれの場合も、即ち、ファーストクイックフィルの時間等に依存して変速点を決定するときも、又、シンクロの移動に依存して変速点を決定するときも、結局は減速度に依存して求められることになる。
【0092】
なお、緩減速・急減速共に減速度に応じて変速点が決定されるため、変速点が一度決定してしまった際にも減速度が変化すれば、それに応じて次の変速点は逐次補正され、変更される。
【0093】
又、このようにして求められた変速点は、後述するように具体的には出力軸回転速度の値に加算された上で使用される。
【0094】
次に本実施形態における制御フローについて詳しく説明する。
【0095】
図5に変速制御全般のフローチャート、図6に変速制御サブルーチンフローチャート、図7にシンクロ制御サブルーチンフローチャート、図8にコーストダウン点算出サブルーチンフローチャートを示しており、これらのフローチャートによって実行しようとする制御の主な実体的な内容については、既に図1、2を用いて説明済みであるため、ここでは各フローチャートに沿ってその手順を概略的に説明するに止める。
【0096】
図5に示すように、この一連の制御フローは、変速制御処理ルーチン(ステップ001)、コーストダウン制御処理ルーチン(ステップ002)、から主に構成される。コーストダウン制御処理ルーチン(ステップ002)は、変速点の変更に先立って既に詳述してあり、本発明の趣旨からも外れるため、具体的な制御フローの説明は省略するものとし、ここでは図6〜図8を用いて、このうちの変速制御ルーチン(ステップ001)を詳細に説明する。
【0097】
ステップ101にて現在の変速判断をmsftjdg に記憶し、ステップ102にてシフト位置、変速判断段、アクセル開度によりアップシフト変速点、ダウンシフト変速点をマップサーチする。ここで、変速判断段とは、現在の走行条件、あるいは走行状態から第何速段に存在すべきかを判断した結果求められた変速段を示す。シフト位置とは、ドライブレンジ、2速レンジ、あるいはリバースレンジ等のシフトレバーの位置を意味し、アップシフト変速点、ダウンシフト変速点は、その点でアップ側及びダウン側に予めマップによって定められている出力軸回転速度の変速閾値のことである。
【0098】
ステップ103で、もしコーストダウンシフトの条件が成立する環境にあった場合には、図1、2を用いて説明したように、コーストダウン用変速点を演算する(図8参照:後述)。ステップ104では、出力軸回転速度がアップシフト変速点より高いか否かが判断され、高いと判断されたときにはステップ105で変速判断段を1だけ加算し、アップフラグをオン、ダウンフラグをオフとし、アップシフト判断を実施する。一方、ステップ104で出力軸回転速度≦アップシフト変速点であった場合には、同様にステップ106、107においてダウンシフトの判断を実施する。
【0099】
ステップ108にて変速判断段が変更されたか否かを判断し、変速されていた場合にはステップ101へ戻り、新たな変速判断段に基づく変速判断の更新を実施する。ステップ108で変更されていない場合には、ステップ109に進み、シンクロ制御処理を行う(後述する図7で説明)。
【0100】
ステップ110〜115は、変速禁止フラグがオフ(ステップ110)のときに、変速判断段の変速出力の反映を制御するためのものである。この制御フローにより、第4速段から第3速段へのダウンシフト判断があったときでも、時刻t2 で第4速段→第3速段、時刻t7 で第3速段→第2速段、時刻t12で第2速段→第1速段の変速出力を順次発生させる手順が実現される。
【0101】
次に、図7にステップ109(図6)において実行されるシンクロ制御処理のサブルーチンを示す。
【0102】
ステップ201にてシンクロ位置判断(シンクロ機構は最終的にどの位置にあるべきか)を、シフト位置、変速判断段、出力軸回転速度よりマップサーチする。ステップ202ではこの結果得られたシンクロ位置判断が実際のシンクロ位置出力と異なるか否かが判断され、異なっていた場合にはステップ203においてシンクロ移動要求フラグをオン、シンクロ移動完了フラグをオフとする。
【0103】
図4(B)にDレンジでのシンクロ位置判断マップの例を示す。例えば変速判断段が第1速段であった場合には、その時点での出力軸回転速度がNo1より小さいときと大きいときとで場合分けされ、出力軸回転速度がNo1より小さいときは1速位置のほかニュートラル位置が予め用意される。出力軸回転速度がNo1より大きいときはシンクロ位置は1速側のほか2速位置が予め選択・連結された状態とされる。これは、出力軸回転速度がNo1より大きいときはその次に起こる変速が第2速段への変速である可能性が高いためである。同様に、変速判断段が第2速段であったときは、その時の出力軸回転速度がNo2より小さいときはシンクロ位置判断は1速位置と2速位置が選択され、出力軸回転速度がNo2より大きいときは2速位置と3速位置が「シンクロ位置判断」として決定される。
【0104】
ステップ204〜ステップ209は、図1の緩減速において第2シンクロD2 位置を4速位置から2速位置に切換える作業を時刻t5 から開始し時刻t6 で終了したこと及び第1シンクロD1 の位置を3速位置から1速位置に切換える作業を時刻t10から開始し、時刻t11で終了したことを確認するときに実施する作業に相当している。
【0105】
即ち、シンクロ移動中であるか(ステップ204)、又は、シンクロ移動禁止クラブオン(ステップ205)且つシンクロ移動要求フラグオン(ステップ206)の場合にシンクロ移動を実施し(ステップ207)、ステップ208にてシンクロの移動完了を判定する。移動完了の場合にはステップ204にてシンクロ移動完了フラグをオン、移動中フラグをオフにすとる共に、シンクロ位置出力にシンクロ位置判断を代入する。
【0106】
次に、図8にステップ103(図6)にて実行されるコーストダウン変速点算出サブルーチンの概略フローを示す。
【0107】
図8において、ステップ301にてコーストダウンの前提条件が成立しているか否かを判定する。この実施形態ではコーストダウンの前提条件とは、下記条件である。
【0108】
1.Dレンジ選択
2.アイドル接点 オン
3.アクセル開度が零に近い所定値以下
4.出力軸回転速度前記t16(t′16)の時点に相当する所定値以上
【0109】
以上の条件が未成立の場合には、リターンステップに行き、制御を終了する。
【0110】
前記前提条件成立の場合には、ステップ302にてファーストクイックフィルに要する時間等を考慮した変速点NOF、シンクロ移動時間を考慮した変速点NOSを0とし、演算時の変速段を示すi を2とする。これは、まず第2速段から第1速段に変速を行うための変速点P21を設定するためであり、第3速段→第2速段の変速を行うときは、i =3、第4速段→第3速段の変速を行うときにはi =4となる。
【0111】
ステップ303にて車両の減速度をパラメータとしたファーストクイックフィル+β時間分に変化する回転速度ΔNOFと、シンクロ移動時間分に変化する回転速度ΔNOSをマッサーチする。ここで、マップサーチではなく、車両減速度から直接計算してもよい。
【0112】
なお、βは前述したようにファーストクイックフィル終了後、該当クラッチがぎりぎりの容量を持ち得るまでの時間に相当している。
【0113】
ステップ304にてi =2か否かを判定し、最初は、2であるためステップ306にてシンクロ移動時間を考慮したコーストダウン変速点NOSを0とする。次にステップ307にてファーストクイックフィル時間を考慮したコーストダウン変速点NOFを算出するために、次のように計算する。即ち、フィードバックの目標回転速度NTt(=エンジン回転速度+所定値α)をi が示す変速段のギヤ比(最初は2速ギヤ比)で割り、i が示す変速段での同期回転速度と目標回転速度が等しくなるような出力軸回転速度を算出し、その値にステップ303にてマップサーチしたΔNOFを加える。
【0114】
ステップ308〜310にて、NOSとNOFの大きい方(高車速側)をi の変速段から(i −1)の変速段へコーストダウンの変速点のNOCに代入する。ステップ311にて、i に1を加算し、ステップ312にてi が現変速段以下か否かを判断し、現変速段以下であれば、ステップ303へ戻り、i が現変速段より大きくなるまでステップ303〜312の処理を繰り返し実施する。ここで2回目以降は、i =2でないため、ステップ304から305へ進み、NOSにはNOC+ΔNOSが代入される。ステップ312にて、i が現変速段より大きくなった場合には、ステップ313にてNOCを図6のステップ106の判定で使用するダウン点に代入する。
【0115】
以上により、低速段側同期回転速度>フィードバックの目標回転速度NTtの領域で変速が実施されるため、常にタービン回転速度NTを目標回転速度へフィードバックすることが可能となり、且つ常に所定のエンジンブレーキを発生させることができるようになる。
【0116】
なお、本発明をシンクロ機構の存在しない自動変速機に適用するときは、変速点の決定に当って当然にシンクロ機構の移動時間を考慮する必要はない。
【0117】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本願請求項1に係る発明によれば、前記コースト時のダウンシフトを行う際に、前記シンクロ機構が移動する時間を求める手段と、前記ファーストクイックフィルに要する時間を求める手段と、前記シンクロが移動する時間に基づく変速点と、前記ファーストクイックフィルに要する時間に基づく変速点と、のうち高車速側の変速点を選択する手段と、を備え、その選択された変速点に従い前記コース時のダウンシフトを行うことから、変速点を必要以上に高く設定する必要がないため、減速時による過剰なエンジンブレーキを抑制し、常にどのような減速度のときにでも変速ショックを抑え、良好なダウンシフトが実行できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緩減速による変速点の変更・設定の仕方を示すタイムチャート
【図2】本発明の急減速による変速点の変更・設定の仕方を示すタイムチャート
【図3】本発明が適用された車両用の自動変速機の概略を示すブロック図
【図4】上記自動変速機の各摩擦係合装置の係合状態及びシンクロ機構の切換え状態を示す線図
【図5】前記自動変速機においてコーストダウンシフトを実行するためにコンピュータにおいて処理される制御を示すフローチャート
【図6】図5における変速制御処理サブルーチンを示すフローチャート
【図7】図5におけるシンクロ制御処理サブルーチンを示すフローチャート
【図8】図5におけるコーストダウン変速点算出サブルーチンを示すフローチャート
【符号の説明】
C1 …第1クラッチ
C2 …第2クラッチ
NT…タービン回転速度
NTt…フィードバックの目標回転速度
30…コンピュータ
40…各種センサ群
NE…エンジン回転速度
DK1 〜DK4 …各変速段の同期回転速度
ΔNOF…ファーストクイックフィル時間分に変化する回転速度
ΔNOS…シンクロ移動時間分に変化する回転速度

Claims (2)

  1. 複数のクラッチ及び複数のシンクロ機構を有し、コースト時に変速点に従いダウンシフトを行うクラッチツウクラッチ変速を実行する自動変速機であって、該クラッチツウクラッチ変速の初期に係合すべきクラッチに完全油圧供給指令を所定時間かけるファーストクイックフィルを実行する自動変速機の変速制御装置において、
    前記コースト時のダウンシフトを行う際に、前記シンクロ機構が移動する時間を求める手段と、
    前記ファーストクイックフィルに要する時間を求める手段と、
    前記シンクロが移動する時間に基づく変速点と、前記ファーストクイックフィルに要する時間に基づく変速点と、のうち高車速側の変速点を選択する手段と、を備え、
    該選択された変速点に従い前記コースト時のダウンシフトを行うこと
    を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 車両の減速度を検出する手段を備え、
    前記シンクロが移動する時間に基づく変速点および前記ファーストクイックフィルに要する時間に基づく変速点は、前記車両の減速度に応じて変更することを特徴とする請求項1の自動変速機の変速制御装置。
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