JP3945797B2 - 電子写真用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高解像度、高画質の画像を与え、帯電性の安定した電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子写真方式のデジタル化に伴ってさらに高品位、高画質の画像を再現する現像剤が求められている。また、プレゼンテーション用資料、コンピューターやデジタルカメラ、スキャナー等で作成したデジタル画像をアウトプットする頻度も高くなり、フルカラー画像のハードコピーを作成するためのフルカラー複写機やフルカラープリンターも増加の一途をたどっている。さらに家庭やオフィスでのコンピューターのパーソナル化に伴って、それら機器の小型化、低コスト化、廃棄物をできるだけ少なくしようという試みや、リサイクル性を上げようとする試みも、盛んに行われている。しかし高品位、高画質の画像を再現する高機能性のトナー及び現像剤を使用すればするほどその信頼性、すなわち長期間複写した時に画像品質を維持するのが困難になっているのが現状である。
【0003】
通常、このような画像を形成する電子写真用トナーとしては、着色剤や帯電制御剤等のトナー特性付与剤の分散された樹脂塊を高速の気流中で粉砕し、微粒子化した後に必要な粒度を有する部分のみを分級して取り出す製造方法が用いられている。トナー原材料である樹脂塊が粉砕機内部で粉砕される際に、着色剤は樹脂内部で微細に分散されているが、帯電制御剤はそれに比較すると分散径も大きく、また樹脂との親和性も弱いため、帯電制御剤と樹脂との界面から粉砕、分離しやすい傾向にある。
【0004】
そのため粉砕機内部の帯電制御剤による汚染、付着がみられることもある。また製造されたトナー表面に、そのような遊離の帯電制御剤が付着し、帯電量の安定したトナーの製造性が損なわれるといった問題もある。このようにして粉砕されたトナー粒子表面の帯電制御剤は脱離、剥離が起こりやすく、大量にトナーを消費した場合などには機械内部や現像部、キャリアーなどの帯電制御剤による汚染が激しく、長期間のランニングで画像品質が劣化していく。
【0005】
トナーの帯電性能は主に表面近傍が寄与しているため、混練し、粉砕されたトナー内部の帯電制御剤は性能に及ぼす影響が少なく、また高価なこともあり、なるべく表面だけに限定して使用したいとの要求もある。
【0006】
このような欠点を改良しようとした試みとして特開昭55−28032には磁性トナーの表面に帯電制御剤からなる微粒子を気流中で高温で接触させることにより固着させようとした試みがある。この場合、高温で処理することによりトナー同士が合一、融着してしまうのみならず、帯電制御剤からなる微粒子がかならずしもトナー粒子表面をまんべんなく被覆するとは限らず、トナー粒子間で帯電量のばらつきが生じやすかった。また帯電制御剤からなる微粒子はトナー粒子から比べればその粒子径は小さいものであったが完全にその表面に固定化されているとは限らず、機械的な外力によって脱離してしまうようなものであった。
【0007】
また特開昭63−244056には着色粒子の表面に荷電制御性粒子を衝撃を与えながら狭い間隙を通過させることにより固定化しようとしたものであった。しかし各粒子間での被覆率のばらつきは何らコントロールされたものではなく、また表面に固定化された荷電制御性粒子はキャリア粒子との機械的混合や帯電ブレード、層厚規制ブレードとの摩擦により脱離してしまうものであった。
【0008】
一方、高品位、高画質の画像を得るためには、トナーの粒子径を小さくしたり、その粒度分布を狭くしたりすることにより改良が図られているが、粉砕法による製造方法ではその粒子形状が不定形であり、機械内部では現像部内でのキャリアとの撹拌や、一成分系現像剤として用いる場合は層厚規制ブレードや摩擦帯電ブレードなどによる接触ストレスによりさらにトナーが粉砕され、極微粒子が発生するために画像品質が低下するという現象が発生している。またその形状ゆえに粉体としての流動性が悪く、多量の流動性付与剤を必要としたり、トナーボトル内への充填率が低く、コンパクト化への阻害要因となっている。
【0009】
さらにフルカラー画像を作成するために多色トナーより形成された画像の感光体から転写媒体や紙への転写プロセスも複雑になってきており、粉砕トナーのような不定形の形状による転写性の悪さから、転写された画像のぬけやそれを補うためトナー消費量が多いなどの問題が発生している。
【0010】
したがって、さらなる転写効率の向上によりトナーの消費量を減少させて画像のぬけの無い高品位の画像を得たり、ランニングコストを低減させたいという要求も高まっている。
【0011】
転写効率が非常に良いならば、感光体や転写媒体から未転写トナーを取り除くためのクリーニングユニットが必要なくなり、機器の小型化、低コスト化が図れ、廃棄トナーも無くなるというメリットも同時に有しているからである。このような不定形の形状効果の欠点を補うために種々の球状のトナー製造法が考案されている。
【0012】
例えば、水中でモノマーと着色剤等のトナー特性付与剤などからなる油滴を形成させ、重合して粒子化する、いわゆる懸濁重合によってトナーを作ろうという試みがある。この方法によれば得られる粒子は真球状の形状を示すため、上述の粉砕方式によって得られるトナーの不定形からくる形状のデメリットはある程度改良することができる。しかし、逆に形状を任意に調整して例えば、転写性とクリーニング性を同時に満足するような球形と不定形の中間のような任意の形とすることは難しい。
【0013】
さらに、懸濁重合では重合工程において、高域までモノマーからポリマーへの転化率を上げる必要があり、このためには長時間の重合時間を必要とする。また水から分離したある程度湿った粒子を乾燥する際に水と共に粒子内部に残ったモノマーを除去しなければならない。ポリマー中に残ったモノマーは特に除去が困難である。というのは、通常トナーは100℃以下の温度で粒子同士が融着してしまうので、乾燥温度に限界があるからである。高温で常圧での乾燥が困難な場合は低温での減圧乾燥を行わなければならないが、それでも長時間の処理が必要である。したがって、乾燥コストも大きなウエイトをしめることになる。乾燥が不十分であれば、高温で保存中にトナーの粒子同士が接着しあってブロッキングを起こし、またたとえブロッキングを起こさなくとも保存中に残ったモノマーが粒子表面にしみ出すことによって、帯電性の大きな変化が生じ、高品位な画像を形成するトナーは得られない。
【0014】
また一般に、通常行われる懸濁重合と異なり、トナーを製造する場合は目的とする粒子径が非常に小さいため界面の面積も広く、大量の分散剤(界面活性剤、無機微粒子分散剤、水溶性高分子保護コロイドなど)を必要とする。そのため粒子表面に分散剤が残りやすく、特にトナーにとって最も重要な摩擦帯電性を支配するのは粒子表面であるため、高湿下での摩擦帯電性に悪影響を与え易い。粒子を洗浄することにより、分散剤による悪影響をできるだけ除きたいわけだが、このためには大量の洗浄水が必要であり、排水処理設備も大型化し、コストアップは避けられない。
【0015】
加えて、懸濁重合は微視的な塊重合反応とみなすことができるため、生成するポリマーの分子量を低く調整したり、分子量分布を狭く調整することは困難である。このことはフルカラートナーとする場合重要となる。フルカラー画像はその平滑性や透明性が重要な品質であり、トナーに用いる樹脂の分子量があまり高いと分子量の低い樹脂と同じ定着に必要なエネルギーでは期待する画像の平滑性や透明性は得られない。このような良好な定着性を有する低分子量のポリエステルなどは水中での重縮合は困難で、懸濁重合トナー製造には利用することができない。
【0016】
また顔料などの着色剤は分散剤なしにはモノマーへの微分散が困難であり、良好な着色性を得るために分散剤を用いると、製造されたトナーの帯電性に少なからぬ悪影響を示す。そればかりではなく、顔料の親水性が強いと、重合中に粒子界面に顔料が移動し、分散性が損なわれ、良好な発色性やトナー特性を得ることはできない。このように球状の形態で得られる懸濁重合によって得られるトナーも多くの問題点を抱えている。
【0017】
他の球状のトナーを得る方法として水性媒体中でトナーの含まれる溶液を液滴化して球形のトナーを製造する方法もある。樹脂や着色剤などのトナー特性付与剤を有機溶剤に溶解、分散させ、乳化して液滴形成の後、水および有機溶剤を乾燥して粒子を得る方法である。この方法によれば粒子形状は球形のものが得られるが、形状を任意に調整して例えば球形と不定形の中間のような任意の形とすることは難しい。
【0018】
さらに、樹脂に溶解する有機溶剤を使用するため懸濁重合におけるモノマーと同じ問題が残っている。それどころか用いた有機溶剤は乾燥するまで減少せずそのまま残るため、量的にはモノマーを除去するよりも非常に多い。そのため乾燥途中の粒子は粘着性が高く、粒子同士の凝集を起こし、粗大粒子が発生しやすい。たとえ低沸点溶剤を用いたとしても、トナー内部から除去するには長時間の乾燥処理が必要で、乾燥が不十分であるとトナーの保存性や帯電性に重大な影響がある。また粒子内部には溶剤の蒸発した痕跡である空洞(ボイド)が生じ易く、得られるトナーが脆く壊れやすくなる。現像部内で壊れたトナーは微粒子を発生し、良好な画像は得られない。また大量の溶剤を使用するため、溶剤の回収、再使用が必須となり工程の増加、コストアップの要因にもなる。
【0019】
また、水中での液滴安定化のための分散剤を使用しなければならないが、これも懸濁重合トナーと同様な問題が発生し、残存する分散剤の影響や、大量の洗浄水が必要である。トナー用の樹脂として自己乳化性のものを用いれば、分散安定剤を極力減らしたり、場合によってはなくすこともできるが、粒子表面に偏在しやすい自己乳化性の樹脂による帯電性への悪影響が発現する。
【0020】
この方法での使用可能な樹脂の種類は懸濁重合トナーほど狭くないが、非水溶性有機溶媒に溶解可能な樹脂という制限がつく。
【0021】
顔料などの着色剤の分散も分散剤なしには樹脂溶液への分散が困難な場合が多い。樹脂が溶液中で顔料等に吸着して安定化すれば良好に分散するが、必ずしもそのような保証はない。分散剤を用いた場合は懸濁重合トナーと同じように、帯電性への悪影響が生ずる。また、形状は球状のものしか選択できないといった欠点を有している。
【0022】
本発明者は特開平10−2142838号公報において形状の調節された揮発性有機物成分の非常に少ないしかも遊離した流動化剤のほとんど含まれない電子写真用トナーとその製造方法として樹脂を溶解しない液体中で一次粒子を非常に短時間に加熱することにより粒子の形状を調節しうることを見出した。さらにこの方法によれば粒子表面に存在して付着している帯電制御剤の脱離が起こり、帯電特性が不良となるのを防ぐために帯電制御剤を粒子表面に固着させることを提案した。
【0023】
本発明は、それをさらに発展させ、帯電制御剤の脱離を極力防ぎ、キャリアや現像部内の汚染を防止したものである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の課題は、長期にわたり帯電安定性の高い電子写真用トナーを提供することにある。
【0025】
本発明の第二の課題は、画像かぶりや文字部転写ぬけのない電子写真用トナーを提供することにある。
【0026】
そして、かかる電子写真用トナーを一貫した連続処理工程が可能な低コストで製造できる製造方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討した結果、シリコン樹脂で被覆されたキャリアと混合撹拌した時、▲1▼飽和帯電量の絶対値が10から40μC/gであり、▲2▼粒子表面近傍に帯電制御剤が存在し、▲3▼キャリア汚染度が20%以下の電子写真用トナーによって上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
【0028】
すなわち、本発明は以下の(1)〜(12)である。
【0029】
(1)少なくとも樹脂と着色剤、帯電制御剤からなる電子写真用トナーにおいて、該トナーは少なくとも樹脂と着色剤からなる一次粒子を用意し、分散剤が含まれる、樹脂を溶解しない液体中に分散した後、別途液体中で帯電制御剤を析出させることによって得られた、帯電制御剤を含む分散液を、該一次粒子が分散した分散液に加え、帯電制御剤を該一次粒子の表面に付着せしめた、表面近傍以外に帯電制御剤を含まないトナーであり、シリコン樹脂で被覆されたキャリアと混合撹拌した時、飽和帯電量の絶対値が10から40μC/gであり、キャリア汚染度が20%以下の電子写真用トナー。
(2)前記トナーが、前記一次粒子を、前記樹脂を溶解しない液体中に分散した状態で、加熱し、冷却することにより製造されたトナーであることを特徴とする、(1)記載の電子写真用トナー。
(3)前記一次粒子として、母体と摩擦帯電特性が同極性の流動化剤を付着させた一次粒子を用いたことを特徴とする(1)または(2)記載の電子写真用トナー。
(4)平均球形度が120以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
(5)前記帯電制御剤が、少なくとも初期帯電速度の絶対値が、10μC/g・min以上を与える帯電制御剤(a)と帯電安定度係数が50%以下である帯電制御剤(b)からなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
(6)前記帯電制御剤(a)が芳香族有機金属塩または金属錯体であり、前記帯電制御剤(b)がパーフルオロアルキル基を有する四級アンマニウム塩であることを特徴とする(5)に記載の電子写真用トナー。
(7)前記帯電制御剤(a)と前記帯電制御剤(b)がそれぞれ電子写真用トナー全体量に対し1重量%以下であることを特徴とする(6)に記載の電子写真用トナー。
【0041】
本発明では帯電制御剤が粒子表面近傍に存在してなおかつキャリア汚染度が低いトナーにより目的とする本発明の第一の課題である長期の帯電安定性への効果が得られる。
【0042】
具体的にはシリコン樹脂で被覆されたキャリアと混合撹拌した時、▲1▼飽和帯電量の絶対値が10から40μC/gであり、▲2▼粒子表面近傍に帯電制御剤が存在し、▲3▼キャリア汚染度が20%以下の電子写真用トナーにより達成される。
【0043】
飽和帯電量の絶対値が10μC/gより低いと低帯電のトナーが現像部に残留したり、感光体の潜像以外の部分現像されたりして潜像に対応した高品質の画像を得ることができない。
【0044】
また、40μC/gより大きいと、潜像に付着するトナーが少なく、満足した画像濃度が得られない。また微妙な中間調やハイライト部の画像再現性が劣ることになる。
【0045】
さらに、粒子表面近傍に帯電制御剤が存在することにより帯電現象はトナー粒子表面で発現するため、その機能が少量で十分に発揮されやすくなる。
【0046】
通常トナー表面近傍に帯電制御剤が存在すると、脱離しやすくなり、キャリアや現像部内の装置を汚染して好ましくないが、本発明では帯電制御剤をトナー表面近傍に配置してもそのような悪影響のないトナーを提供しようとするものである。
【0047】
トナー近傍であるか否かについては、マイクロEPMA(微小部分が分析可能なX線マイクロ分析法)を用いて一個のトナー粒子の頂点における帯電制御剤の特徴的な元素(たとえば亜鉛、フッ素、クロムなど)のWDXスペクトル強度によって判定する。
【0048】
キャリア汚染度が20%よりも大きいとキャリアの帯電能力が低下し、低帯電や逆帯電のトナーが増加することにより、先に示した不具合が生じることになる。
【0049】
本発明でいうキャリア汚染度は以下の方法により測定することができる。
【0050】
トナーとキャリアを一定の比率で混合撹拌し、定期的にサンプリングしてブローオフ装置により帯電量を測定し、帯電量がそれ以上混合撹拌しても変化しない時間、すなわち飽和帯電量に達するまでの時間をあらかじめ測定しておく。
【0051】
ここで変化しないとは前回の測定値と今回の測定値との差が前回の測定値の20%以内になったことを意味する。測定間隔は少なくとも10分以内が望ましい。
【0052】
ブローオフ装置とはキャリアとトナーをエアーにより篩を介して分離し、分離されたトナーが保持していた電荷量Q(クーロン)と飛ばされたトナー重量(g)をQメータと精密天秤により測定しトナー単位重量あたりの電荷量Q/m(帯電量)を求める装置である。
【0053】
具体的には、同一のキャリアであらたなトナーと混合し、さらにブローオフの測定を繰返し、初期の帯電量と5回繰返した時の帯電量の差が初期の帯電量にしめる割合をキャリア汚染度として評価する。
【0054】
すなわち、トナーを5回消費した時のキャリアの帯電能のトナーによる変化をあらわす
キャリア汚染度(%)=
100×|(Q/m(1)−Q/m(5)|/|Q/m(1)|
ここで、Q/m(1)は初期の帯電量、Q/m(5)はトナーを5回消費した時の帯電量をあらわす。
【0055】
トナーとキャリアの比率は、それぞれの粒子径と比重からキャリアの表面を被覆するのに必要なトナー量が決められるが、キャリアの重量に対して通常1から10%のトナーが使用される。混合撹拌はそれぞれをステンレスポットに入れ、ボールミル架台上で回転させることによって行われる。
【0056】
キャリアはフェライトやマグネタイトの心材を架橋したポリジメチルシロキサンなどのシリコン樹脂によって被覆されたものが用いられるが、帯電量を適正化するためにアミノ基やカルボキシル基などの官能基を有するアルコキシシランモノマーを使用して変性したシリコン樹脂を使用して、飽和帯電量の絶対値が10から40μC/gに調節すればよい。
【0057】
平均球形度は走査型電子顕微鏡で観察された任意に選択された、多数のトナー粒子の形状を、市販の画像解析装置やフロー式粒子像分析装置、例えばSysmex社製の商品名:FPIA−1000などにより評価すれば良く、下記計算式で与えられる。
【0058】
平均球形度=100・Σ(Li2/4・π・Si))/N
ここでLiは粒子の投影像における周囲長、Siは粒子の投影面積をNは評価総粒子数を表わす。
【0059】
具体的には、Sysmex社製のフロー式粒子像分析装置FPIA−1000などにより評価する。
【0060】
液中にある数千個の粒子を撮像し、画像解析と粒度解析を行う装置である。
【0061】
平均球形度は100〜120の範囲のトナーが現像装置内部での粉砕を受けにくく、また流動性も良好で、転写効率も高く、高品位の画像を与え本発明の第二の課題である画像かぶりや文字部転写ぬけのない電子写真用トナーが提供できる。
【0062】
もしも球状でブレードをすり抜け易いためにクリーニング性が不良の時は、形状を調節して真球状からやや歪んだ形に調節すればよい。
【0063】
平均球形度は120以下だと外添剤を必要としないか、また非常に少量で有効な流動性を与えることができる。さらに文字部やライン部のぬけのない原稿に忠実な画像を得ることができる。
【0064】
そして粒子表面近傍以外に帯電制御剤を含まないことにより、本発明の第二の課題である画像かぶりた文字部転写ぬけのない電子写真用トナーが提供できる。
即ち、機能しない帯電制御剤の悪影響、即ち定着性の阻害や帯電制御剤自体の色による着色性の阻害をなくすことができるからである。
【0065】
特に、フルカラートナーの場合は帯電制御剤自体の色でトナー全体を汚すことを避けるために、無色の帯電制御剤を用いなければならないが、より性能の高い有色の帯電制御剤を表面に少量配置することもできる。
【0066】
また、帯電制御剤の使用量が大幅に少なくなることにより、安価なトナーを得ることができるという利点がある。
【0067】
特に、粒子表面近傍に初期帯電速度の絶対値が、10μC/g・min以上の値を与える帯電制御剤(a)と帯電安定度係数が50%以下である帯電制御剤(b)を粒子表面近傍に介在させることにより用いた時に本発明の第一の課題である帯電安定性の長期安定と、更には初期帯電の立ち上がりの良好な電子写真用トナーが得られる。
【0068】
帯電安定度係数とは先に説明したとおり3時間撹拌後の帯電量を求め、飽和帯電量との帯電量の差の絶対値を飽和帯電量と比べたもので次式で与えられる。
【0069】
帯電安定度係数=
100×(|飽和帯電量−3時間撹拌後|)/|飽和帯電量|
この値が50%以下の撹拌による帯電量の変動の少ない粒子表面近傍に帯電制御剤を存在させたトナーが本発明で使用される帯電制御剤として選ばれる。勿論3時間以内に飽和帯電量に達しないものは除外される。
【0070】
初期帯電速度の絶対値が、10μC/g・min以上を与える帯電制御剤としては芳香族有機酸金属塩又は錯体が好ましく、例えば安息香酸誘導体、芳香族ジカルボン酸などのアルキル基、ヒドロキシ基などの官能基が導入された、サリチル酸、イソフタル酸誘導体、テレフタル酸誘導体、フタル酸誘導体、ナフトエ酸誘導体などのNa、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Znなどの金属塩又は錯体が挙げられる。
【0071】
また帯電安定度係数が50%以下である帯電制御剤としてはパーフルオロアルキル基を有す、四級アンモニウム塩であることが好ましく、具体的例としては以下に示すものが挙げられる。
【0072】
【化1】
【0073】
【化2】
【0074】
上記一般式中、有機または無機アニオンを示すX~としては、例えばCl~、Br~、またはI~および/またはPF5~、スルファート、ホスファート、シアナート、チオシアナート、BF4~、B(アリール)4~、例えば、テトラフェニルボラート、p−クロロテトラフェニルボラート、p−メチルテトラフェニルボラート、テトラナフチルボラートおよび/またはフェノラート、ニトロフェノラート、亜鉛テトラシアナート、亜鉛テトラチオシアナート、CH3OSO3~、飽和または不飽和脂肪族、または芳香族カルボキシレート、またはスルホナート、例えばアセテート、ラクテート、ベンゾエート、サリチレート、2−ヒドロキシ−3−ナフトエート、2−ヒドロキシ−6−ナフトエート、エチルスルホナート、フェニルスルホナート、および/または過フッ素化飽和または不飽和脂肪族、または芳香族カルボキシレート、またはスルホナート、例えばパーフルオロアセテート、パーフルオロアルキルベンゾエート、パーフルオロエチルスルホナート、またはパーフルオロアルキルベンゾエートを選択できる。
【0075】
また、前記帯電制御剤(a)と前記帯電制御剤(b)かそれぞれ電子写真用トナー全体量に対し1重量%以下用いると本トナーのどこの最表面もキャリアと接触できる形状とあいまって、キャリアとの接触確率が高まり、本発明の第一の課題である帯電安定性の長期安定なトナーを得ることができる。
【0076】
更に、粒子表面近傍に存在させると特に高価なパーフルオロ基を有する帯電制御剤(b)の使用量を減らすことができる。また1重量%以下では、本発明の第二の課題である画像かぶりや文字部転写ぬけに効果があり、更に定着性の改善や、カラートナーにおける着色性への阻害を極力減らすことができる傾向にある。
【0077】
これら帯電制御剤は通常の混練粉砕型トナーの場合、トナー全体の数重量%用いるのが普通であるが、本発明ではそれぞれ1重量%以下の量で十分である。さらに好ましくは0.5重量%以下用いればよく、多く用いた場合は逆にトナーと接する部材への帯電制御剤の汚染を進める結果となり、好ましくない。
【0078】
以下、本発明に関するトナーを構成する材料について説明する。
【0079】
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、オイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレート、ランプブラック、ローズベンガル、キサンテン系顔料、ベンジジン系黄色有機顔料、キナクリドン系有機顔料、メチン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、アゾレーキ系有機顔料、これらの混合物、その他を挙げることができる。
【0080】
本発明に用いる、その他の帯電制御剤としてはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0081】
製造されるトナーに離型性を持たせるために、製造されるトナーの中にワックスを含有させることが好ましい。前記ワックスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が過小のときには耐オフセット性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熱したときの融解ピーク値を融点とする。
【0082】
本発明に用いることができるワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
【0083】
流動化剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい、また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0084】
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが好ましい表面処理剤として挙げられる。
【0085】
クリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造されたポリマー微粒子などを挙げることができる。
【0086】
磁性トナーとする場合には、トナー粒子に磁性体の微粒子を含有させれば良い。かかる磁性体としては、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性を示す金属もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えば、マンガン銅アルミニウム、マンガン銅−錫、などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム、その他を挙げることができる。磁性体は、平均粒径が0.1〜1μmの微粉末の形態で均一に分散されて含有されることが好ましい。そして磁性体の含有割合は、得られるトナーの100重量部に対して10〜70重量部であることが好ましく、特に20〜50重量部であることが好ましい。
【0087】
一次粒子を水が含まれる液体に濡らし、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0088】
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル (C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0089】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F−150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0090】
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0091】
また水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。
【0092】
また高分子系保護コロイドにより一次粒子を安定化させてもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチルロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロール、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0093】
本発明におけるトナーを構成する樹脂は、例えばスチレン系単量体、(メタ)アクリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選択される少なくとも1種を必須成分として用いられる重合体で構成されていることが好ましい。用いることができるスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどを挙げることができる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、あるいは複数のものを組合わせて用いてもよい。
【0094】
用いることができるアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸オウチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル類;例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル類;などを挙げることができる。
【0095】
また、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂をトナーを構成する樹脂として用いても良い。ポリエステル樹脂を構成する多価アルコールとしてはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールや3官能以上のアルコールとしてトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。ポリエステル樹脂を構成する多価酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、3官能以上の酸成分としてはトリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。3価以上の多価アルコールや多価カルボン酸を用いれば、樹脂が架橋され、耐オフセット性に有利な場合がある。
【0096】
エポキシ樹脂やポリオール樹脂としてはビスフェノールAとエピクロルヒドリンからの生成物やポリオールのグリシジルエステル型、ポリアシッドのグリシジルエステル型などを原料とした樹脂が挙げられる。
【0097】
本発明のトナーは、いかなる方法でも製造可能であるが、特に以下の製法で行なえば一貫した連続処理工程が可能な低コストで製造できる。
【0098】
本発明の一次粒子を粉砕して製造する場合、帯電制御剤を用いないで製造すると、原材料のコストとしては大変有利となるが、特に、帯電制御剤が粒子の分割の界面となる時には粉砕し難くなり、製造時間が長くなったり大型設備が必要になることがある。
【0099】
その場合、トナー特性には影響を与えないような先に挙げた流動化剤や有機、無機顔料、磁性体を粉砕助剤としてあらかじめ一次粒子に分散しておくことによりそのデメリットを回避できる。
【0100】
他の方法としては、帯電制御剤を含む組成物を加え、帯電制御剤を含む組成物を一次粒子表面に固着することにより、一次粒子の表面の機械的撹拌による物理的強度の弱い、突起の除去された、電子写真用トナーとしての適正帯電能力のあるトナーを製造することができる。
【0101】
本発明においては、従来より知られている方法、即ち少なくとも樹脂と着色剤からなる一次粒子を用意し、分散剤が含まれる、樹脂を溶解しない液体中に分散した後、加熱し、冷却し、必要に応じて洗浄工程と乾燥工程により電子写真用トナーを作る方法において、加熱前、加熱時、冷却後、または洗浄後に、帯電制御剤を含む組成物を加え、帯電制御剤を含む組成物を一次粒子表面に固着することにより、一次粒子の表面の機械的撹拌による物理的強度の弱い、突起の除去された、電子写真用トナーとしての適正帯電能力のあるトナーを製造することができる。
【0102】
この方法においては更に、樹脂の軟化点+30℃以下の加熱温度で30分以下の加熱を行い、加熱温度と加熱時間を選択して形状を調節することによりトナーを加工することにより、転写性とクリーニング性を満足した優れた画像再現性のあるトナーを製造することができる。
【0103】
更に、分散剤が含まれる、樹脂を溶解しない液体中に樹脂を溶解または膨潤させる有機溶媒を添加することにより加熱処理温度を下げ、一次粒子同士の凝集や接着を抑え、収率良くトナーを得ることができる。
【0104】
特に、モノクロトナーのように定着範囲を広げるために溶融粘度を高くした一次粒子を処理する際には大変有効な手段である。
【0105】
そして、一次粒子として少なくとも樹脂と着色剤と粉砕助剤を混練し、粉砕したものを用いることにより、粉砕性が高くなり、低コストでトナーを製造できる。
【0106】
通常、粉砕助剤等を加えて粉砕すると、割れやすくなるが、脆くなるという欠点が生じるが、本発明による処理を行うことにより、一次粒子内で樹脂と粉砕助剤の密着性が高まることにより、硬く、機械的強度の強いものにすることができる。
【0107】
または、母体と摩擦帯電特性が同極性の流動化剤を付着させた一次粒子を用いることにより、得られたトナーの流動性は勿論、帯電特性にも優れるものを得ることができる。
【0108】
その理由は、母体と逆帯電の流動化剤の方が母体粒子に強固に付着し、その後の処理工程に有利に働くと一般には思われるが、本発明者が詳細に検討したところ、同極性の流動化剤でも処理媒体中に分散した時に、母体粒子表面から離脱せずに、一次粒子同士の接着、凝集を防いだり、得られるトナーは流動化剤が母体表面に固定化されることにより、流動性に優れ、逆帯電の少ない、飛散のない、地汚れが少ない極めて優秀なトナーを得ることができるためであることが判明した。
【0109】
即ち、流動化剤と母体の相互作用は粒子同士の帯電によらず、ファンデルワールス力が支配的であるからであると思われる。
【0110】
または、少なくとも樹脂と着色剤からなる一次粒子を▲1▼水が含まれる液体中に分散するゾーン、▲2▼該分散液を流動させながら加熱するゾーン、▲3▼帯電制御剤組成物や離型剤組成物を粒子表面に固着させるゾーン、▲4▼得られた粒子分散液を洗浄、乾燥するゾーンを備えた連続式処理工程にすることにより極めて効率的に(低エネルギーで、コンパクトな製造装置により)、低コストのトナーを製造することができる。
【0111】
本発明によれば、優れた画像品質を長期的に維持された、キャリアや現像部などの汚染を防止した帯電制御剤の脱離の少ない表面近傍に帯電制御剤が存在する形状の調節された電子写真用トナーを工業的に実現可能な工程で得ることができる。
【0112】
具体的には図1の連続フロープロセスに記載してある次に手順によりトナーが製造される。
【0113】
1.一次粒子の準備
一次粒子としては、最終製品としてのトナーの平均粒子径や粒度分布に近いものである方が望ましいが、本発明の製造方法を用いれば、特にその範囲を考慮しなくても構わない。
【0114】
樹脂中に着色剤、磁性体、帯電制御剤、離型剤などのトナー特性付与剤が分散されているものであれば製造法は問わない。
【0115】
帯電制御剤は、粉砕法で一次粒子をつくる場合、その後の工程で粒子表面に埋没または脱離してしまうので、帯電制御剤を用いないで一次粒子を製造するのが好ましい。
【0116】
また、その形状は後の形状調節のためには、不定形のものが望ましいが、球状であってももちろん構わない。一次粒子に含まれる揮発性有機成分は後の形状調節工程で除去もできるが、除去の手間を考慮すると、できるなら最初から少ない方が望ましい。
【0117】
2.流動化剤との混合
流動化剤は通常トナー粒子の形態が得られてから、例えば樹脂と着色剤を混練、粉砕、分級した後に得られた粉体と流動化剤の粉体同士を混合して、トナー表面に流動化剤を付着させるが、本発明では一次粒子に流動化剤を付着させたものを用意し、形状調節工程を行った方が好ましい。
【0118】
形状調節工程前に流動化剤と混合することにより形状調節工程時に一次粒子表面に付着している流動化剤を固定化し、一次粒子から脱離している浮游の流動化剤も固定化することができる。
【0119】
流動化剤は形状調節時の一次粒子同士の凝集防止にも重要な役割を発揮する。流動化剤は一次粒子に対して2重量%以下で十分にその効果を発揮する。
【0120】
トナー表面に存在する以外の流動化剤はなくす方が好ましいため、大量の流動化剤の使用は避けるべきである。また流動化剤の帯電極性は混合前の母体と同極性であることが好ましく、逆帯電であるとできるトナーの帯電特性が不安定となり高品位の画像が得られない。
【0121】
3.形状調節用媒体との混合(分散剤存在下)
必要であれば流動化剤と混合された一次粒子を形状調節用媒体と混合し、分散させる。ここで形状調節用媒体とは一次粒子を構成する樹脂を溶解しない液体を指すが、一次粒子を構成する樹脂を膨潤または溶解するような有機溶剤との混合液体やエマルジョンでも良い。
【0122】
形状調節用媒体としては、水、水と無限希釈可能なメタノール、エタノールなどのアルコール系やアセトンなどのケトン系、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系、n−ヘキサンなどのパラフィン系炭化水素、その他ハロゲン系炭化水素なども用いることができる。
【0123】
一次粒子を構成する樹脂を膨潤または溶解するような混合液体やエマルジョンとして使うと、架橋成分が入っていたり、重量平均分子量が数十万以上の高い分子量を有する樹脂を使用しているトナーの形状調節を行うことができる。
【0124】
一次粒子を構成する樹脂を膨潤または溶解するような有機溶剤との混合液体やエマルジョンを用いると、一次粒子が分散し易くなったり、加熱温度を下げることができるが、あまり大量に用いると乾燥時に時間とエネルギーが必要となり、生産コストが高くなることになる。
【0125】
形状調節用媒体には一次粒子が液体に濡れて、一次粒子が個々に液体中で分離して存在させるために分散剤を共存させることが必要である。分散剤はあらかじめ形状調節用媒体中に溶解、分散させておくことが望ましい。
【0126】
4.形状調節(凝集させる場合も含む)
一次粒子を分散剤の含まれる液体に添加し、完全に濡れて分散するまで撹拌などの混合操作を行う。
【0127】
その後好ましくは一次粒子が沈澱、浮上しないようなゆるやかな撹拌と共に、樹脂の軟化点近傍の温度で加熱することにより、形状の調節を行う。
【0128】
加熱は目標温度に達してから5分間以上行うのが好ましい。
【0129】
形状は加熱時間と加熱時間によって決定されるが加熱時間を長くしても、設定温度が低ければ望む形状は得られない。
【0130】
また一次粒子に微粒子が多く含まれ、望む粒度分布とは異なる場合、微粒子成分を選択して液中で不安定化させ凝集させた後に融着させ、粒度分布を整えることができる。
【0131】
例えば凝集に必要な適度な温度、機械的なエネルギー、イオン的な力、溶剤による膨潤などを利用することができる。このような手段によれば分級の必要としない一次粒子が用いられ、コスト的、工程の簡略化にとっても有利となる。
【0132】
5.帯電制御剤の添加
一次粒子に帯電制御剤が均一に分散されていたり表面に付着していた場合、このような加熱などの粒子形状調節処理によって帯電制御剤がトナー粒子内部に移動することによって、摩擦帯電性が不足するため、トナー表面に帯電制御剤を付着、固定化することによってその特性を発揮させる。
【0133】
トナー表面に帯電制御剤を付着、固定化するには例えば次のような方法をとることができる。
【0134】
(1)一次粒子と帯電制御剤を乾式で混合することによってその表面に帯電制御剤を付着させ、その後液中で粒子形状調節処理を施し、粒子表面で固定化する方法。
【0135】
(2)一次粒子を水が含まれる液体に分散した後、もしくは加熱処理をした後に帯電制御剤が含まれる組成物と混合し、その後の工程を行うことによって粒子表面で固定化する方法。
【0136】
その際、一次粒子を構成する樹脂を溶解、または膨潤する液体を存在させ、さらに固定化を進めることもできる。帯電制御剤が含まれる組成物には形状調節用媒体により希釈可能な帯電制御剤を溶解する液体を含ませ、一次粒子分散液と混合した際に析出して1ミクロン以下、好ましくは0.1ミクロン以下の粒子径まで微細化するようにし向けることが重要である。このように微細化された帯電制御剤はファンデルワールス力や静電気力によって粒子表面近傍に強固に付着し、トナーとした時にキャリア粒子や現像部の汚染が防止できる。
【0137】
また先に述べた一次粒子の形状調節時に帯電制御剤が存在すれば、表面の樹脂と融合、固着が起こりさらにその効果を発揮できる。このように微細化された帯電制御剤を液中で凝集なく安定に存在させるために、安定化剤、樹脂、無機、有機微粒子などを同時に用いることができる。
【0138】
6.冷却(樹脂の軟化点以下好ましくは室温まで冷却する)
冷却速度によって樹脂やワックスの結晶化を制御して定着性、保存性を調節できる。
【0139】
7.分級(微粒子のリサイクル、再練り、凝集トナー化)
一次粒子の粒度分布が広く、その粒度分布を保って形状調節処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
【0140】
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び一次粒子の形成に用いることができる。
【0141】
また一次粒子を樹脂と顔料などを混練して製造する場合、微粒子、または粗粒子を同時に混練処理することもできる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
【0142】
そして、分離された微粒子のみを形状調節の際に凝集させた方法により製品粒径に変化させて、収率を上げることもできる。
【0143】
8.洗浄
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
【0144】
その他得られた粒子に付着している分散剤は、酸−アルカリ処理や、酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0145】
9.乾燥
本発明によるトナーは分散液のまま、もしくは水分を含んだケーキの状態で通常の乾燥装置により処理することができる。
【0146】
スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0147】
10.表面処理
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
【0148】
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
【0149】
本発明のプロセスは、各工程の処理が短時間で行われるため連続製造処理に適している。
【0150】
用意された一次粒子と分散剤の含まれる形状調節用媒体は同時に混合機に供給され、混合分散される。得られた分散液は流れながら分オーダーの滞留時間で短時間の加熱による形状調節ゾーンを通過し処理が行われる。
【0151】
ここで微粒化された帯電制御剤組成物を加えて処理を行えば、粒子表面近傍に強固に帯電制御剤を付着、固定化することができる。次に必要であれば分級処理と洗浄処理が同時に行われ、乾燥処理ゾーンを経て製品となる。
【0152】
帯電制御剤組成物は洗浄処理が終了し、乾燥処理の直前に加えることもできる。分級により除かれた微粒子、粗粒子は凝集処理、粉砕処理などを経て一次粒子にリサイクルされたり、製品化されたりすることができる。さらに処理後の形状調節用媒体はリサイクルも可能である。
【0153】
本発明におけるトナーは一次粒子に付着している流動化剤や帯電制御剤をトナー粒子表面に固着させ、脱離しないようにすることもできる。
【0154】
通常トナーから脱離したり、トナーに付着していない浮游した流動化剤や帯電制御剤は感光体やキャリアを汚染したり、感光体を傷つけたり、クリーニングブレードを磨耗させるなどして画像品質を低下させることが多い。
【0155】
このような脱離したり浮游したりしている帯電制御剤や流動化剤は簡便には走査型電子顕微鏡で観察することによって確認できるが、より正確にはトナーを溶解しない液体中にトナーを分散させた後に、トナーと液体を分離し、液体中に含まれる脱離した帯電制御剤や流動化剤を定量すればよい。
【0156】
定量にはその液体の濁度を測定する方法、液体中に含まれる固体の無機元素や有機元素を検出する方法などがある。
【0157】
例えば、トナーを混練後、粉砕して製造する場合、粉砕された粒子表面には着色剤、磁性体、帯電制御剤、離型剤などが露出している。これらトナー構成成分は現像ユニット内部での撹拌により粒子から脱離、落下して装置や感光体、キャリアなどを汚染する可能性がある。また水中で粒子を製造する、懸濁重合や溶液乳化分散方式によると親水性の構成成分は水と粒子界面に移動し上述のようにトナー特性を悪化させる。本発明におけるトナーは一次粒子の外表面に存在する樹脂以外の構成成分を特定の条件下で熱処理などを施し、粒子の最外表面から内部へ移動させようとするものであり、トナー構成成分の脱離による悪影響を排除しようとするものである。
【0158】
トナー内部の状態はトナーを樹脂に包埋し、超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡によって必要ならばオスミウムやルテニウムによる染色を行って観察することによって判断できる。もちろんトナー内部にボイド(空洞)が存在すれば、コントラスト差によってすぐにその存在を知ることができる。
【0159】
【発明の実施の形態】
以下実施例、比較例をあげて本発明について詳細に述べる。なお、当然ながら、本実施例は本発明の一部に過ぎず、本実施例に限られるものではない。
【0160】
実施例1
テレフタル酸とビスフェノールAポリオキシエチレン付加物の重縮合ポリエステル樹脂(軟化点:70℃)100重量部、銅フタロシアニン顔料3重量部からなる粉体を混合し、3本ロール混練装置により加熱混練分散をして冷却の後、混練物を粗粉砕した。 得られた粗粉砕物をジェットミルにより粉砕し、風力分級機により微粒子部分を除き、得られた粉体100重量部とこれに対して疎水性シリカR972(日本アエロジル社製)0.8重量部とをミキサーにより混合することにより一次粒子を得た。
【0161】
ラウリル硫酸ナトリウムの0.1重量%濃度のイオン交換水100重量部に一次粒子40重量部を撹拌しながら加え、そのまま10分間撹拌を続行した。
【0162】
10分後、浮いている粉体がなく、一次粒子が完全に水溶液に濡れたのを目視で確認し、一次粒子がそれぞれ分離して分散していることを光学顕微鏡によっても確認した。
【0163】
得られた分散液を遠心沈降分離、上澄み除去、さらに除去した上澄みと同量のイオン交換水により再分散した。この操作を3回繰り返すことにより、一次粒子の精製された分散液を得た。
【0164】
これとは別に、ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛0.3重量部をメタノール20重量部に加え、溶解した。この溶液にイオン交換水を20重量部徐々に滴下することによりジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛の微分散された分散液を作成した。
【0165】
得られたジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛の分散液を先に得た一次粒子分散液に撹拌しながら加え、さらに超音波プローブに浸して、超音波によって分散を進めた。その後撹拌しながら、容器の外側から温水により加熱することにより内部温度を50℃に上昇させ、そのまま10分間維持した後、20℃まで冷却した。これをスプレードライアーGS31(ヤマト科学製)によって熱風温度80℃、出口温度50℃まで乾燥処理することによりトナーを得た。
【0166】
本トナー5重量部とシリコン樹脂により0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径50μmのフェライトキャリア100重量部と混合することにより現像剤を作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0167】
またこのキャリアと一次粒子を作る際の混合前の母体粒子の飽和帯電量は−8μC/g、疎水性シリカR972単独との帯電性を測定したところ−125μC/gで母体粒子と同一極性の帯電量を示した。
【0168】
なお、画像評価及び10000枚のランニング試験は実施例1、2−1、2−2、3−1、3−2、4−1、4−2、比較例1、2、3はそれぞれリコー社製フルカラー複写機プリテール550により、実施例6、7、比較例4、5はそれぞれリコー社製デジタル複写機イマジオDA−250により評価した。
【0169】
以下の評価項目のうち、(1)飽和帯電量、(2)粒子表面近傍での帯電制御剤の存在の確認、(3)キャリア汚染度、(4)平均球形度、については、すでに記載したのでその詳細については省略する。
【0170】
(1)飽和帯電量
(2)粒子表面近傍での帯電制御剤の存在の確認
(3)キャリア汚染度
(4)平均球形度
(5)長期にわたる帯電安定性
印字初期の帯電量と10000枚のランニング試験後の帯電量との差の絶対値
その値が5μC/g以内であれば帯電安定性が高いといえる。
【0171】
(6)画像かぶり
(7)文字部画像の抜け
いずれも、非画像部の汚れを目視、およびルーペを用いて判定した。
【0172】
比較例1
実施例1で用いたポリエステル樹脂100重量部、銅フタロシアニン顔料3重量部、ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛3重量部からなる粉体を混合し、3本ロール混練装置により加熱混練分散をして冷却の後、混練物を粗粉砕した。得られた粗粉砕物をジェットミルにより粉砕した。
【0173】
粉砕機内部に付着した粉末をサンプリングし、元素分析により亜鉛の含有量を定量した。その結果、含まれる亜鉛の量は粉砕されて得られた粉末に比べて約50倍含まれていた。
【0174】
すなわち帯電制御剤であるジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛の存在する界面から優先的に粉砕されているため、粉砕された粒子表面に帯電制御剤が存在する割合が高いことがわかった。
【0175】
その後、風力分級機により微粒子部分を除き、得られた粉体100重量部とこれに対して疎水性シリカ0.8重量部とをミキサーにより混合することによりトナーを得た。
【0176】
現像剤は実施例1と同様に作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0177】
本トナーには実施例1のトナーの10倍量の帯電制御剤が使用されている。それは、これくらい大量に帯電制御剤を使用しないと満足した帯電特性が得られないからである。
【0178】
実施例2−1
実施例1と同様の材料により混練、粉砕、分級して一次粒子を得た。
【0179】
ラウリル硫酸ナトリウムの0.1重量%濃度のイオン交換水100重量部に一次粒子40重量部を撹拌しながら加え、そのまま10分間撹拌を続行した。10分後、浮いている粉体がなく、一次粒子が完全に水溶液に濡れたのを目視で確認し、一次粒子がそれぞれ分離して分散していることを光学顕微鏡によっても確認した。
【0180】
撹拌しながら、容器の外側から温水により加熱することにより内部温度を60℃(この温度を処理温度と呼ぶ)に上昇させ、そのまま10分間維持した後、20℃まで冷却した。得られた分散液を遠心沈降分離、上澄み除去、さらに除去した上澄みと同量のイオン交換水により再分散した。
【0181】
この操作を3回繰り返すことにより一次粒子の精製された分散液を得た。
【0182】
その後の操作は実施例1と全く同様にして、トナー及び現像剤を得て、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0183】
実施例2−2
処理温度を70℃に変えた以外は全く実施例2−1と同様にして、トナーを得た。現像剤は実施例1と同様に作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0184】
実施例3−1
実施例1と同様の材料により混練、粉砕、分級して一次粒子を得た。
【0185】
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(Tween80)の0.15重量%濃度のイオン交換水100重量部に得られた一次粒子40重量部を撹拌しながら加え、そのまま10分間撹拌を続行した。10分後、浮いている粉体がなく、一次粒子が完全に水溶液に濡れたのを目視で確認し、一次粒子がそれぞれ分離して分散していることを光学顕微鏡によっても確認した。
【0186】
撹拌しながら、容器の外側から温水により加熱することにより処理温度を60℃に上昇させ、そのまま10分間維持した後、20℃まで冷却した。得られた分散液を遠心沈降分離、上澄み除去、さらに除去した上澄みと同量のイオン交換水により再分散した。この操作を3回繰り返すことにより一次粒子の精製された分散液を得た。
【0187】
これとは別に、パーフルオロ基を有する四級アンモニウム塩であるNX−VP434(ヘキスト社製)0.2重量部をエタノール20重量部に加え溶解した。この溶液にイオン交換水を20重量部徐々に滴下することにより微分散された分散液を作成した。
【0188】
得られたNX−VP434の分散液を先に得た一次粒子分散液に撹拌しながら加え、さらに超音波プローブをその中に浸して、超音波照射を5分行って分散を進めた。その後撹拌しながら、容器の外側から温水により加熱することにより内部温度を50℃に上昇させ、そのまま10分間維持した後、20℃まで冷却した。これをスプレードライアーGS31(ヤマト科学製)によって熱風温度80℃、出口温度50℃で乾燥処理することによりトナーを得た。
【0189】
本トナーも実施例1と同様、トナー5重量部とシリコン樹脂により0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径50μmのフェライトキャリア100重量部と混合することにより現像剤を作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0190】
実施例3−2
処理温度を70℃に変えた以外は全く実施例3−1と同様にしてトナーを得た。現像剤は実施例1と同様に作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0191】
比較例2
実施例1で用いたポリエステル樹脂100重量部、銅フタロシアニン顔料3重量部、NX−VP434を2重量部からなる粉体を混合し、3本ロール混練装置により加熱混練分散をして冷却の後、混練物を粗粉砕した。得られた粗粉砕物をジェットミルにより粉砕した。
【0192】
粉砕機内部に付着した粉末をサンプリングし、元素分析によりフッ素の含有量を定量した。その結果、含まれるフッ素の量は粉砕されて得られた粉末に比べて約35倍含まれていた。
【0193】
すなわち、帯電制御剤であるNX−VP434の存在する界面から優先的に粉砕されているため、粉砕された粒子表面に帯電制御剤が存在する割合が高いからである。
【0194】
その後、風力分級機により微粒子部分を除き、得られた粉体100重量部とこれに対して疎水性シリカ0.8重量部とをミキサーにより混合することによりトナーを得た。
【0195】
現像剤は実施例1と同様に作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0196】
本トナーには実施例3のトナーの10倍量の帯電制御剤が使用されている。
【0197】
実施例4−1
実施例1と同様の材料により混練、粉砕、分級して一次粒子を得た。ラウリル硫酸ナトリウムの0.1重量%濃度のイオン交換水100重量部に一次粒子40重量部を撹拌しながら加え、そのまま10分間撹拌を続行した。
【0198】
10分後、浮いている粉体がなく、一次粒子が完全に水溶液に濡れたのを目視で確認し、一次粒子がそれぞれ分離して分散していることを光学顕微鏡によっても確認した。
【0199】
撹拌しながら、容器の外側から温水により加熱することにより内部温度を60℃に上昇させ、そのまま10分間維持した後、20℃まで冷却した。得られた分散液を遠心沈降分離、上澄み除去、さらに除去した上澄みと同量のイオン交換水により再分散した。この操作を3回繰り返すことにより精製された一次粒子の分散液を得た。
【0200】
これとは別に、ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛0.3重量部及びNX−VP434 0.2重量部をメタノール20重量部に加え溶解した。この溶液にイオン交換水を20重量部徐々に滴下していくとわずかに白濁したが、光学顕微鏡では粒子は確認できなかった。従って、サブミクロンの分散体になっていると考えられる。
【0201】
得られたジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛とNX−VP434の分散液を先に得た一次粒子分散液に撹拌しながら加え、さらに超音波プローブを浸して、超音波によって分散を進めた。その後撹拌しながら、容器の外側から温水により加熱することにより内部温度を50℃に上昇させ、そのまま10分間維持した後、20℃まで冷却した。これをスプレードライアーGS31(ヤマト科学製)によって熱風温度80℃、出口温度50℃で乾燥処理することによりトナーを得た。
【0202】
その後の操作は実施例1と全く同様にして、トナー及び現像剤を得て、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0203】
実施例4−2
処理温度を70℃に変えた以外は全く実施例4−1と同様にして、トナーを得た。現像剤は実施例1と同様に作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0204】
比較例3
実施例1で用いたポリエステル樹脂100重量部、銅フタロシアニン顔料3重量部、ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛3重量部、NX−VP434が2重量部からなる粉体を混合し、3本ロール混練装置により加熱混練分散をして冷却の後、混練物を粗粉砕した。得られた粗粉砕物をジェットミルにより粉砕した。
【0205】
その後、風力分級機により微粒子部分を除き、得られた粉体100重量部とこれに対して疎水性シリカ0.8重量部とをミキサーにより混合することによりトナーを得た。
【0206】
現像剤は実施例1と同様に作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0207】
本トナーには実施例4のトナーの10倍量の帯電制御剤が使用されている。
【0208】
実施例5
一部架橋をしたスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体(軟化点:75℃)100重量部、カーボンブラック10重量部、低分子量ポリプロピレン5重量部からなるすべての粉体を混合し、2本ロール混練装置により加熱混練分散をして冷却の後、混練物を粗粉砕した。得られた粗粉砕物をジェットミルにより粉砕し、風力分級機により微粒子部分を除き、得られた粉体100重量部とこれに対して疎水性シリカR972を0.5重量部とをミキサーにより混合することにより一次粒子を得た。
【0209】
部分ケン化ポリビニルアルコールの0.5重量%濃度のイオン交換水100重量部に一次粒子25重量部を撹拌しながら加え、そのまま10分間撹拌を続行した。
【0210】
10分後、一次粒子が完全に水溶液に濡れたのを目視で確認し、一次粒子がそれぞれ分離して分散していることを光学顕微鏡によっても確認した。さらにイオン交換水とメチルエチルケトンの重量比4対1の混合溶媒を撹拌しながら20重量部徐々に添加した。
【0211】
これとは別に、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)0.3重量部をメタノール20重量部に加え溶解した。この溶液を上述の一次粒子分散液に加え撹拌しながら、容器の外側から温水により加熱することにより内部温度を80℃に上昇させ、そのまま10分間維持した後、20℃まで冷却した。
【0212】
この球状化処理後に分散液を400メッシュの篩をパスさせたところ全量通過し、凝集物は全く見られなかった。得られた分散液を遠心沈降分離、上澄み除去、さらに除去した上澄みと同量のイオン交換水による再分散するという操作を3回繰り返すことにより精製し、吸引瀘過の後、40℃のオーブン中で恒量となるまで乾燥処理を行った。得られた粉体をミキサーにより解砕することにより本発明のトナーを得た。
【0213】
さらに現像剤は実施例1と同様に作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。また、用いたキャリアと一次粒子を作る際の混合前の母体粒子の飽和帯電量は−12μC/g、疎水性シリカR972単独との帯電性を測定したところ、−125μC/gで母体粒子と同一極性の帯電量を示した。
【0214】
比較例4
実施例5で用いた樹脂100重量部、カーボンブラック10重量部、低分子量ポリプロピレン5重量部、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)3重量部からなるすべての粉体を混合し、2本ロール混練装置により加熱混練分散をして冷却の後、混練物を粗粉砕した。
【0215】
得られた粗粉砕物をジェットミルにより粉砕し、風力分級機により微粒子部分を除き、得られた粉体100重量部と疎水性シリカR972 0.5重量部とをミキサーにより混合することによりトナーを得た。さらに現像剤は実施例1と同様に作成し、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0216】
このトナーは実施例5のトナーに比べて、10倍量の帯電制御剤を使用している。
【0217】
実施例6
一次粒子を作る際に、疎水化処理された酸化チタンを3重量部加えた他は実施例5と全く同様に混練処理を行い、引き続き粉砕、分級処理を行った。得られた粉体100重量部と疎水性シリカ0.5重量部とをミキサーにより混合することにより一次粒子を得た。粉砕工程で実施例5と実施例6で、同一の体積平均粒子径(粉砕目標径は7.5μm)を与えるための、混練後の粗粉砕物の供給速度を測定した。
【0218】
その結果、実施例6の方が実施例5に比べて約2.5倍多い結果となった。
【0219】
この一次粒子を用いて実施例5とその後の処理は全く同一に行い、トナー及び現像剤を得、帯電性の評価や画像評価を行いその結果を表にまとめた。
【0220】
比較例5
実施例5と同様に一次粒子を作った。但し、一次粒子としては粉砕分級後の混合用シリカとしてその表面をアミノ基含有シランカップリング剤で処理したものを用いた。その後の工程も実施例5と全く同様にして、トナー及び現像剤を得た。但し、球状化処理後に分散液を400メッシュの篩をパスさせたところ、実施例5とは異なり、凝集物による目詰まりが発生し、凝集物量は一次粒子に対し35重量%に達した。
【0221】
また、用いたキャリアと一次粒子を作る際に使用した、アミノ基含有シランカップリング剤で処理した疎水性シリカ単独との帯電性を測定したところ+65μC/gで母体粒子と逆極性の帯電量を示した。
【0222】
なお、画像評価及び10000枚のランニング試験は実施例1、2−1、2−2、3−1、3−2、4−1、4−2、比較例1、2、3はそれぞれリコー社製フルカラー複写機プリテール550により、実施例6、7、比較例4、5はそれぞれリコー社製デジタル複写機イマジオDA−250により評価した。
【0223】
【表1】
【0224】
【発明の効果】
即ち、本発明によれば、帯電安定性の長期安定なトナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー装置の連続フロープロセスを示す図である。
Claims (7)
- 少なくとも樹脂と着色剤、帯電制御剤からなる電子写真用トナーにおいて、該トナーは少なくとも樹脂と着色剤からなる一次粒子を用意し、分散剤が含まれる、樹脂を溶解しない液体中に分散した後、別途液体中で帯電制御剤を析出させることによって得られた、帯電制御剤を含む分散液を、該一次粒子が分散した分散液に加え、帯電制御剤を該一次粒子の表面に付着せしめた、表面近傍以外に帯電制御剤を含まないトナーであり、シリコン樹脂で被覆されたキャリアと混合撹拌した時、飽和帯電量の絶対値が10から40μC/gであり、キャリア汚染度が20%以下の電子写真用トナー。
- 前記トナーが、前記一次粒子を、前記樹脂を溶解しない液体中に分散した状態で、加熱し、冷却することにより製造されたトナーであることを特徴とする、請求項1記載の電子写真用トナー。
- 前記一次粒子として、母体と摩擦帯電特性が同極性の流動化剤を付着させた一次粒子を用いたことを特徴とする請求項1または2記載の電子写真用トナー。
- 平均球形度が120以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
- 前記帯電制御剤が、少なくとも初期帯電速度の絶対値が、10μC/g・min以上を与える帯電制御剤(a)と帯電安定度係数が50%以下である帯電制御剤(b)からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
- 前記帯電制御剤(a)が芳香族有機金属塩または金属錯体であり、前記帯電制御剤(b)がパーフルオロアルキル基を有する四級アンマニウム塩であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真用トナー。
- 前記帯電制御剤(a)と前記帯電制御剤(b)がそれぞれ電子写真用トナー全体量に対し1重量%以下であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真用トナー。
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