JP3945007B2 - 記録システムおよび記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複製によるデータの経路を管理できるようにした記録システムおよび記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスクの大容量化、CD(Compact Disc)などによるディジタル音楽データの普及に伴い、例えばCDに収録されている音楽データをハードディスクなどの記録媒体に蓄積することが提案されている。これは、例えばミュージックサーバと称され、所定の方式で以て音楽データを圧縮符号化することによって、数G(Giga)byteのハードディスクに、例えば1000曲程度の音楽データを蓄積することができる。
【0003】
このミュージックサーバでは、蓄積されたそれぞれ音楽データに関する属性情報、例えば曲名や演奏者名といった情報を記録することができるようにされている。この属性情報は、自動的あるいはマニュアルによる入力により取得され、記録される。記録された属性情報は、ミュージックサーバに設けられた表示部に対して例えば一覧表示される。ユーザは、この属性情報に基づき、ミュージックサーバに蓄積された音楽データから所望のものを検索ならびに選択し、再生することができる。所定のキーなどによって検索するようにできるため、大変便利である。
【0004】
このようなミュージックサーバでは、蓄積された音楽データを、他の電子機器、例えば携帯用の音楽データ記録再生装置(以下、携帯用記録再生装置と称する)に複写して共有することができる。ユーザは、ミュージックサーバに蓄積された多数の音楽データの中から、好みのデータを選択して携帯用記録再生装置に複写して、屋外など随所で音楽データを再生させて楽しむことができる。
【0005】
ところで、ディジタル音楽データは、記録メディアによる音質の劣化が殆ど生じないことと、完全な複製が容易に可能であることなどから、無制限な複製などにより著作権を脅かすおそれがある。従来では、著作権保護の対策として、著作権が含まれるディジタル音楽データの複製(ダビング)に関して、SCMS(Serial Copy Management System) による管理が行われていた。これは、ディジタル音楽データに対して所定のフラグを設け、ディジタルデータとしての複製を、例えば1世代に制限するものである。SCMSは、民生用のDAT(Digital Audio Tape)やMD(Mini Disc) などのディジタルインターフェイスに搭載されている。
【0006】
ところが、このSCMSでは、著作権保護を重視するあまり、データの共有性を著しく限定してしまうおそれがある。例えば、ディジタル的な複製で入手した音楽データは、たとえ個人としての使用目的であっても、その複製された記録メディアから他の記録メディアへと2度と移すことができず、非常に不便であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これを解決するために、音楽データの複製を行った後に、複製元でその音楽データを再生不可の状態にする方法が提案されている。このようなデータの複製方法を、移動と称する。移動元では、再びその音楽データが戻されることによって再生不可の状態が解かれる。これによれば、移動された音楽データは、例えばミュージックサーバを起点として常に一つしか存在しないことになる。そのため、この方法では、複製を行っても音楽データの著作権が守られる。
【0008】
音楽データの移動を繰り返すと、データの所在あるいは移動元が分からなくなってしまうおそれがある。したがって、この方法では、ミュージックサーバにおいて、少なくとも移動された各データの移動先を把握しておく必要がある。
【0009】
音楽データの移動先を把握するためには、データの移動先の機器情報をミュージックサーバに記憶させる方法が考えられる。しかしながら、この方法では、音楽データの移動を一々そのデータの移動の起点であるミュージックサーバを介して行わなくてはならず、非常に不便であるという問題点があった。
【0010】
例えば、この方法では、2台の携帯用記録再生装置の間でデータの移動を行った場合、ミュージックサーバで移動先を把握することができなくなってしまう。
【0011】
したがって、この発明の目的は、音楽データの移動を繰り返しても、移動先を容易に把握できるような記録システムおよび記録方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した課題を解決するために、データが格納されると共に、格納されたデータを再生する第1および第2の電子機器と、第1の電子機器の格納されるデータを少なくとも第2の電子機器に移動あるいは複製する複製手段とを備え、第1の電子機器に格納されるデータが所定の他の電子機器に移動あるいは複製されたとき、第1の電子機器に移動あるいは複製された所定のデータに相対してデータの移動あるいは複製先の他の電子機器の識別子を記憶すると共に、移動あるいは複製の時刻を記憶するようにしたことを特徴とする記録システムである。
【0013】
また、この発明は、上述した課題を解決するために、データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される際、第1の電子機器に相当する識別子を記憶する移動元機器識別子記憶手段と、データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される際、第2の電子機器に相当する識別子を記憶する移動先機器識別子記憶手段と、データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される時刻を記憶する時刻記憶手段と、第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製されるデータに移動元機器識別子,移動先機器識別子,および時刻を付加する付加手段とを備えることを特徴とする記録システムである。
【0014】
また、この発明は、上述した課題を解決するために、データが格納されると共に、格納されたデータを再生する第1および第2の電子機器と、第1の電子機器の格納されるデータを少なくとも第2の電子機器に移動あるいは複製する複製のステップとを備え、第1の電子機器に格納されるデータが所定の他の電子機器に移動あるいは複製されたとき、第1の電子機器に移動あるいは複製された所定のデータに相対してデータの移動あるいは複製先の他の電子機器の識別子を記憶すると共に、移動あるいは複製の時刻を記憶するようにしたことを特徴とする記録方法である。
【0015】
また、この発明は、上述した課題を解決するために、データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される際、第1の電子機器に相当する識別子を記憶する移動元機器識別子記憶のステップと、データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される際、第2の電子機器に相当する識別子を記憶する移動先機器識別子記憶のステップと、データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される時刻を記憶する時刻記憶のステップと、第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製されるデータに移動元機器識別子,移動先機器識別子,および時刻を付加する付加のステップとを備えることを特徴とする記録方法である。
【0016】
上述したように、この発明は、第1の電子機器に格納されるデータが所定の他の電子機器に移動あるいは複製されたとき、第1の電子機器に移動あるいは複製された所定のデータに相対してデータの移動あるいは複製先の他の電子機器の識別子を記憶すると共に、移動あるいは複製の時刻を記憶するようにされているため、第1の電子機器において、データの移動先および移動時刻を把握することができる。
【0017】
また、この発明によれば、第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製されるデータに対して、移動元機器識別子,移動先機器識別子,および時刻が付加されるため、データ毎に移動の経路を把握することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明について説明する。先ず、実施の形態の説明に先んじて、理解を容易とするために、この発明を適用できる構成について説明する。図1は、この発明が適用されたミュージックサーバおよびミュージックサーバを用いたシステムを概略的に示す。ミュージックサーバ50は、サーバ本体51と左右のスピーカユニット52L,52Rとからなる。サーバ本体51には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネルからなる表示部53と、CDを挿入するためのCD挿入部54とが設けられる。
【0019】
なお、図1では省略されているが、サーバ本体51の機能をユーザが操作するための操作部がサーバ本体51に対して設けられる。さらに、サーバ本体51の機能をリモートコマンダによって遠隔操作するための、例えば赤外線信号を受信する信号受信部を設けるようにしてもよい。また、サーバ本体51は、CPUを有し、予め例えばROMに格納される所定のプログラムで制御される。
【0020】
ユーザは、CD55をCD挿入部54にセットし、操作部で所定の操作を行うことで、CD55を再生させ、再生された例えば音楽をスピーカユニット52L,52Rによって楽しむことができる。また、CD55がテキストデータを含むCDテキストである場合は、表示部53に所定のテキストデータを表示させるようにできる。
【0021】
ミュージックサーバ50は、内部に例えばハードディスクによる大容量の記録媒体を有している。所定の操作に基づき、CD挿入部54にセットされたCD55の音楽データを、この記録媒体に記録することができる。この際、CD55の再生速度と同一の1倍速で記録する方法と、再生速度より高速に記録を行う高速記録とが選択できる。高速記録は、所定の手続きで以て課金処理を行うことによって選択ならびに実行が可能とされる。
【0022】
ミュージックサーバ50において、音楽データは、所定の方法で圧縮符号化され圧縮音楽データとされて記録され、例えば6GByteの容量を持つハードディスクに対して、1000曲程度を格納できる。ハードディスクに格納された曲目のリストが例えば表示部53に表示され、ユーザは、この表示に基づき任意の曲を選択して再生させることができる。また、ハードディスクは、ランダムアクセスが可能であるため、多数格納された音楽データを任意の順序で連続再生させることが可能である。
【0023】
圧縮符号化には様々な方法を用いることが可能であるが、この例では、ATRAC2(Adaptive Tranform Acoustic Coding 2) と称される方法が用いられている。これは、MDに用いられる圧縮符号化方式である、ATRACを発展させたもので、聴覚の性質に基づくマスキング効果および最小可聴限の周波数依存性を利用し、変換符号化とエントロピー・コーディングとを併用して音声データの圧縮符号化を行う。比較的小規模なハードウェアで、高音質を維持しつつ、高速にエンコード/デコードを行うことができる。
【0024】
このミュージックサーバ50は、例えば公衆電話回線である通信回線61を介して外部のシステム、例えばインターネットに接続されたサーバであるインターネットサーバ60に接続できる。ミュージックサーバ50から通信回線61を介してこのインターネットサーバ60に接続することで、インターネット上にある様々な情報を得ることができる。インターネットサーバ60は、例えば市販の音楽CDのタイトル情報を格納したデータベースを有する。このデータベースに対して所定のキーを与えることで、CDに付随したデータ、例えばCDのタイトル情報を得ることができる。
【0025】
また、インターネットサーバ60では、サービスに応じてミュージックサーバ50に対する課金処理も行う。上述した、CD55の高速記録は、インターネットサーバ60に対してミュージックサーバ50が通信を行うことによって課金処理がなされ、選択ならびに実行が可能とされる。
【0026】
なお、ここでは、課金処理を、CDの付加情報を多数有するインターネットサーバ60で行うこととしたが、これはこの例に限定されない。例えば、インターネットに接続された別のサーバでこの課金処理を行うようにしてもよい。また、インターネットとは別の、例えば専用のネットワークで以て課金処理を行うようにすることも可能である。
【0027】
携帯記録再生装置70は、ハードディスクあるいはフラッシュメモリ(フラッシュRAM)からなる記録媒体を有する。音楽の再生速度に追従できるのであれば、他の記録媒体を利用することもできる。この携帯記録再生装置70を接続線71で以てミュージックサーバ50と接続することによって、ミュージックサーバ50に記録されている音楽データを携帯記録再生装置70に転送し、記録媒体に記録することができる。このとき、ミュージックサーバ50側では、転送された音楽データは、記録媒体上には存在するが再生不可の状態にされる。携帯記録再生装置70で用いられる記録媒体は、例えば200MByte程度の容量とされ、数10曲分の音楽データの格納が可能とされる。
【0028】
ここで、この発明において用いられる上述の転送方法、すなわち、音楽データを転送した場合、転送先の記録媒体に音楽データが記録されると共に、転送元の記録媒体においては、転送された音楽データが記録媒体上には存在するが再生不可の状態にされることを、「移動」と称する。つまり、移動によって、音楽データを利用できる権利が機器間で変更される。音楽データをこのように移動することで、音楽データの無制限な複製を防ぐことができる。
【0029】
なお、上述では、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とが接続線71で接続されるとしたが、これはこの例に限定されない。例えば、ミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70とに、互いに対応する装着部を設け、ミュージックサーバ50に対して携帯記録再生装置70を直接的に装着してデータのやり取りを行うようにできる。また、電気的な接続だけでなく、例えば赤外線信号によりデータのやり取りを行うIrDA(Infrared Data Association) に対応したインターフェイスを双方に設け、赤外線信号により音楽データの転送を行うようにしてもよい。
【0030】
さらに、ミュージックサーバ50に対して所定のインターフェイスを設けることで、様々なメディアと情報交換を行うことができるようになる。例えば、PCカード80に対応したインターフェイスを設けることで、PCカード80で配信される音楽データをミュージックサーバ50に取り込んだり、パーソナルコンピュータとミュージックサーバ50との間でデータのやり取りを行うことが可能となる。光ケーブルなどによるシリアルなディジタルインタフェースを設けることによって、例えばMDレコーダ81のような、他のディジタル音楽データ記録再生装置との音楽データのやり取りを行うことが可能となる。この例では、MDレコーダ81にMD82が装着され、MD82から再生された音楽データがミュージックサーバ50に対して供給される。同様にして、IEEE1394などのインターフェイスを設け、例えばCATV(Cable Television)や衛星放送などのためのセットトップボックス83を接続するようにもできる。
【0031】
なお、PCカードは、米国のPCMCIA(Personal Memory Card International Association)と日本のJEIDA(日本電子工業振興会)の共同制定による、パーソナルコンピュータ用のカード型周辺機器の規格である。また、IEEE1394は、米国電気電子技術者協会に採択されたインターフェイス規格である。
【0032】
ミュージックサーバ50は、内蔵アプリケーションとして、WWW(World Wide Web)ブラウザを持つようにできる。通信回線61を介してインターネットサーバ60と接続することによって、インターネット上にある、例えばHTML(Hypertext Markup Language) によって記述された様々なコンテンツを検索し、表示部53上に表示させることができる。
【0033】
このような構成で以て、ユーザは、例えばミュージックサーバ50に格納されている音楽データを再生してスピーカユニット52L,52Rで聴くことができると共に、CD55をCD挿入部54にセットして、CD55を再生することができる。
【0034】
また、ミュージックサーバ50とインターネットサーバ60とで通信を行うことによって、CD挿入部54にセットされたCD55のタイトル情報などを、通信回線61を介して自動的に得ることができる。得られた情報は、ミュージックサーバ50内に保存されると共に、必要に応じて表示部53に表示される。
【0035】
より具体的には、ミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して、ユーザIDなどのユーザ情報が送られる。インターネットサーバ60側では、受け取ったユーザ情報に基づき、照合処理や課金処理が行われる。また、ミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して、メディア情報が送られる。インターネットサーバ60では、受け取ったメディア情報に基づき、例えば曲のタイトル,演奏者名,作曲者や作詞者名,歌詞,ジャケットイメージといった、音楽データに対する付加情報の検索が行われる。そして、インターネットサーバ60では、ユーザから要求された所定の情報をミュージックサーバ50に返信する。
【0036】
例えば、メディア情報として、CD55のTOC(Table Of Contents) 情報をインターネットサーバ60に対して送る。インターネットサーバ60には、このTOC情報をキーとして上述の音楽データに対する付加情報が検索可能なデータベースが構築されている。インターネット上の他のWWWサーバを検索することで付加情報を得るようにしてもよい。インターネットサーバ60によって、受け取ったTOC情報に基づき、音楽データの付加情報が検索される。これは、例えば、TOCに含まれる、CD55に収録されている楽曲それぞれの時間情報に基づき検索することが可能である。
【0037】
検索されて得られた付加情報がインターネットサーバ60からミュージックサーバ50に対して送られる。ミュージックサーバ50では、受け取った付加情報が表示部53に表示される。なお、付加情報をHTMLファイルに埋め込んで送ることで、ミュージックサーバ50において、内蔵されるWWWブラウザで付加情報の表示を行うことができる。
【0038】
なお、付加情報にインターネット上の他のURL(Uniform Resource Locator)が記述されていれば、このミュージックサーバ50においてそのURLで示される、インターネット上のホームページなどにアクセスするようにできる。
【0039】
さらに、インターネットサーバ60と通信を行うことによって、CD挿入部54にセットされたCD55の音楽データを、ミュージックサーバ50の記録媒体に、CD55の規定の再生速度よりも高速で、例えばCD55の1枚分の音楽データを2分程度で記録することができる。インターネットサーバ60と通信を行わないときには、規定の再生速度と等速の1倍速での記録となる。
【0040】
さらにまた、携帯記録再生装置70と接続線71で接続することで、ミュージックサーバ50に格納されている音楽データを携帯再生装置71に転送して移動することができる。移動された音楽データは、接続線71による接続がなされていない状態でも、携帯記録再生装置70で再生することができ、例えばヘッドホン72で聴くことができる。転送され移動された音楽データは、ミュージックサーバ50では、再生不可の状態とされる。
【0041】
図2は、ミュージックサーバ50の構成の一例を示す。先ず、このミュージックサーバ50において、通常のパーソナルコンピュータの構成と同様に、互いにバスで結合されたRAM5,ROM6,フラッシュRAM7,およびCPU8とが設けられる。CPU8がバス40に接続される。CPU8により、ミュージックサーバ50の全体の動作が制御される。
【0042】
ROM6には、このミュージックサーバ50の動作を制御するためのプログラムが予め記憶される。ミュージックサーバ50において、このプログラムに基づき、後述する入力手段1の操作に対応した動作がなされる。RAM5,フラッシュRAM7には、プログラムを実行する上でのデータ領域、タスク領域が一時的に確保される。または、ROM6にはプログラムローダが記憶されており、そのプログラムローダにより、フラッシュRAM7にプログラム自体がロードされることも可能である。
【0043】
入力手段1は、例えば、プッシュ式および回動式のキーからなる。入力手段1は、これに限らず、ジョグダイヤルと呼ばれる回動プッシュ式のキー、LCD上のタッチパネルなどでもかまわない。勿論、押下することで反応するスイッチ機構を用いることもできる。この入力手段1の操作に応じた信号がバス40を介してCPU8に供給される。CPU8において、この信号に基づきミュージックサーバ50の動作を制御するための制御信号が生成される。ミュージックサーバ50は、この制御信号に応じて動作される。
【0044】
バス40に対して、赤外線インタフェース(IrDA I/F)ドライバ3および/またはUSB(Universal Serial Bus)ドライバ4が接続される。これらのドライバに対してキーボード2が通信あるいは接続可能なようにされている。キーボード2を用いることによって、例えば記録される音楽データに対応する曲名、アーティスト名等の入力が容易にされる。また、赤外線インターフェースドライバ3あるいはUSBドライバ4を介してデータ転送を行うように構成してもよい。なお、これら赤外線インターフェイス3およびUSBドライバ4は、省略することが可能である。
【0045】
CD−ROMドライブ9がバス40に接続され、CD−ROMドライブ9に対して上述のCD55がセットされる。このCD−ROMドライブ9では、セットされたCD55から規定の再生速度で以て音楽データが読み出される。また、このCD−ROMドライブ9では、規定の再生速度よりも高速な、例えば規定の再生速度の16倍や32倍といった速度で、CD55の音楽データを読み出すことができる。
【0046】
なお、CD−ROMドライブ9は、この例に限らず、音楽データが記憶されている他のメディア、例えば光磁気ディスクやDVD(Digital Versatile Disc)に対応するようにしてもよい。また、メモリカードに対応したドライブを用いることもできる。さらに、CD−ROMドライブ9から読み出されるデータは、音楽データに限られない。画像データやテキストデータ、プログラムデータなどを読み出すようにもできる。
【0047】
バス40に対して、ハードディスクドライブHDD10が接続される。HDD10には、CD−ROMドライブ9から読み出された音楽データが記録される。
HDD10に音楽データが記録される前処理として、CD−ROMドライブ9で読み出された音楽データは、バス40ならびにオーディオ用のDRAM11を介して、圧縮エンコーダ12に供給される。
【0048】
圧縮エンコーダ12では、例えば、上述したATRAC2によって音楽データの圧縮符号化がなされる。なお、圧縮エンコーダ12による音楽データの圧縮の速度は、CPU8の制御に基づき、低速および高速の2つの速度が用意される。
低速圧縮は、CD−ROMドライブ9での1倍速の再生速度に対応する。圧縮の速度は、例えばCD−ROMドライブ9による再生速度に応じて切り替えられる。圧縮エンコーダ12において、例えば、圧縮速度に応じたエンコードアルゴリズムが駆動される。
【0049】
なお、圧縮エンコーダ12における圧縮速度の変更は、この方法に限定されない。例えば、圧縮エンコーダ12のクロック周波数を切り替えることによって行ってもよい。また、それぞれ別のハードウェアを用意するようにしてもよい。さらに、高速圧縮が可能な圧縮エンコーダ12において、処理を間引きして行い低速圧縮とすることも可能である。
【0050】
圧縮エンコーダ12で圧縮符号化された圧縮音楽データは、DRAM11を介してHDD10に記録され蓄積される。
【0051】
ここで、圧縮エンコーダ12により圧縮符号化された圧縮音楽データがHDD10に蓄積されるように構成されているが、CD−ROMドライブ9から読み出される音楽データを直接的にHDD10に記録ならびに蓄積するようにもできる。
【0052】
また、この例では、端子13に接続されたマイクロホンからアンプ14を介して入力される音声信号や、ライン入力端15から入力される音声信号がA/Dコンバータ16を介して圧縮エンコーダ12に供給される。これらの音声信号を圧縮符号化してHDD10に対して記録することができる。さらに、光ディジタル信号が光ディジタル入力端17からIEC958(International Electrotechnical Commission 958 )エンコーダ18を介して圧縮エンコーダ12に供給される。光ディジタル信号として供給された音声信号を圧縮符号化してHDD10に記録することが可能である。勿論、これらの信号入力手段を全て有している必要はない。
【0053】
なお、上述では、圧縮エンコーダ12は、ATRAC2をエンコードアルゴリズムとして用いているとしたが、これはこの例に限定されない。すなわち、圧縮エンコーダ12では、情報圧縮されるエンコードアルゴリズムであれば、他のものを用いることも可能である。例えば、ATRAC(商標)、MPEG(moving picture coding experts group )、PASC(precision adaptive sub-band coding)、TwinVQ(商標)、RealAudio(商標)、LiquidAudio(商標)といったエンコードアルゴリズムを用いるようにしてもよい。
【0054】
バス40に対してモデム20が接続される。モデム20には、例えば公衆電話回線やCATV、あるいはワイヤレス通信といった外部ネットワーク19が接続される。このミュージックサーバ50は、モデム20によって外部ネットワーク19を介しての通信が可能とされる。
【0055】
外部ネットワーク19を介して、ミュージックサーバ50が例えばインターネットに接続され、ミュージックサーバ50と、遠隔地のインターネットサーバ60との間で通信が行われる。ミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して、リクエスト信号やCD−ROMドライブ9にセットされるCD55に関連する情報であるメディア情報、ミュージックサーバ50のそれぞれに予め与えられたユーザIDならびにユーザ情報、また、ユーザに対する課金情報などの各種情報が送出される。
【0056】
これらの情報がインターネットサーバ60に受け取られ、受け取ったユーザIDなどのユーザ情報に基づき、照合処理や課金処理が行われると共に、受け取ったメディア情報に基づき、音楽データの付加情報が検索され、ミュージックサーバ50に返される。
【0057】
ここでは、音楽データの付加情報を返信する例を示したが、ユーザの要求に基づき、音楽データが外部ネットワーク19から直接的に供給されるようにすることも可能である。すなわち、ユーザは、ミュージックサーバ50を用いてインターネットサーバ60から音楽データのダウンロードするようにできる。また、メディア情報に対応して音楽データが返信されるようにできる。これによれば、例えば、所定のCD55のボーナストラックが配信により取得されるようにできる。
【0058】
圧縮エンコーダ12により圧縮符号化されてHDD10に記録され蓄積された圧縮音楽データは、再生のために読み出されると、バス40を介して圧縮デコーダ21に供給される。圧縮音楽データは、圧縮デコーダ21で圧縮符号化を解かれ、D/Aコンバータ22およびアンプ23を介して端子24に導出される。そして、端子24からスピーカユニット52L,52Rに対して供給され、音楽が再生される。なお、図2では省略されているが、D/Aコンバータ22からアンプ23を介して端子24に到る経路は、ステレオ出力に対応して2系統設けられる。同様に、端子24も、ステレオに対応して2つ存在する。
【0059】
なお、圧縮デコーダ21では、圧縮エンコーダ12におけるエンコードアルゴリズムに対応したデコードアルゴリズムが用いられる。また、この圧縮デコーダ21および上述の圧縮エンコーダ12は、ハードウェアを持たずに、CPU8によるソフトウェア処理であってもよい。
【0060】
表示部53を構成するLCD26がLCDドライバ25を介してバス40に接続される。CPU8からバス40を介してLCDドライバ25に対して描画制御信号が供給される。この信号に基づきLCDドライバ25によってLCD26が駆動され、所定の表示がなされる。
【0061】
LCD26には、例えば、ミュージックサーバ50の操作メニューが表示される。また、LCD26には、HDD10に記録され蓄積された圧縮音楽データの、例えばタイトルリストが表示される。さらに、LCD26には、例えば選択され再生される圧縮音楽データに対応するフォルダやジャケットイメージが表示される。
【0062】
このLCD26の表示に基づき、入力手段1としてのポインティングデバイスや、キーボード2を操作することで、指示された音楽データが再生制御される。
また、選択された音楽データの消去や、選択された音楽データの外部の機器への複製や移動の制御も、LC26の表示に基づき行うことが可能である。例えば、入力手段1がLCD26上に設けられたタッチパネルである場合、LCD26の表示に従いタッチパネルを触れることで、ミュージックサーバ50の操作を行うことができる。このように、LCD26をインタフェースとして、HDD10に記録され蓄積された音楽データがユーザにより管理ならびに制御される。
【0063】
この実施の第1の形態では、ミュージックサーバ50と外部の一般的な情報機器とのインターフェイスとして、IEEE1394とPCカードに対応している。バス40に対して、IEEE1394ドライバ29を介してIEEE1394インターフェイス28が接続される。同様に、バス40に対して、PCカードドライバ30を介してPCカードスロット31が接続される。
【0064】
IEEE1394インターフェイス28によって、ミュージックサーバ50と例えばパーソナルコンピュータとの間で、データのやり取りを行うことができる。また、IEEE1394インターフェイス28によって、衛星放送用のIRD(Integrated Reciever/Decorder)や、MD,DVD(Digital Versatile Disc:商標) ,ディジタルビデオなどから音楽データを取り込むようにできる。さらに、PCカードスロット31にPCカードを装着することで、外部記憶装置やその他のメディアドライブ、あるいは、モデム,ターミナルアダプタ,キャプチャボードなどの様々な周辺機器の拡張が容易である。
【0065】
インターフェイス34は、このミュージックサーバ50と、対応する他の記録再生装置との間で音楽データなどのやり取りを行うためのインターフェイスである。他の記録再生装置には、例えば上述の図1に示される、携帯記録再生装置70が適用される。これに限らず、他の記録再生装置は、別のミュージックサーバ50であってもよい。
【0066】
バス40に対して、インターフェイスドライバ33を介してインターフェイス34が接続される。対応する他の記録再生装置には、インターフェイス34と対になるインターフェイス35が設けられている。インターフェイス34および35とを所定の接続線71で電気的に接続することで、例えば、HDD10に記録され蓄積された音楽データを、ミュージックサーバ50から他の記録再生装置に転送することができる。
【0067】
図3は、CD−ROMドライブ9で読み出された音楽データがHDD10に記録されるまでの信号フローを、概略的に示す。CD−ROMドライブ9から読み出された音楽データは、バス40を介して、一旦バッファメモリとしてのDRAM11に記憶される。そして、DRAM11から音楽データが所定のタイミングで読み出され、バス40を介して圧縮エンコーダ12に供給される。圧縮エンコーダ12は、上述のステップS13あるいはステップS14で、所定の圧縮速度とされている。音楽データは、圧縮エンコーダ12で圧縮符号化され、再びバッファメモリとしてのDRAM11に一旦格納される。そして、DRAM11から所定のタイミングで読み出された圧縮音楽データがバス40を介してHDD10に供給され、記録される。
【0068】
図4は、HDD10から読み出された圧縮音楽データが再生処理されて端子24に導出されるまでの信号フローを、概略的に示す。HDD10から読み出された圧縮音楽データは、バス40を介して、バッファメモリとしてのDRAM11に一旦記憶される。そして、DRAM11から圧縮音楽データが所定のタイミングで読み出され、バス40を介して圧縮デコーダ21に供給される。圧縮音楽データは、圧縮デコーダ21で圧縮符号化を解かれ、音楽データとされてD/Aコンバータ22に供給される。そして、音楽データは、D/Aコンバータ22でアナログ音声信号に変換され、アンプ23で増幅され端子24に再生出力として導出される。端子24にスピーカが接続されていれば、スピーカで再生された音楽を楽しむことができる。
【0069】
図5は、この他の記録再生装置として用いられる、携帯記録再生装置70の構成の一例を示す。この携帯記録再生装置70は、概ね、上述の図2に示したミュージックサーバ50と同等の構成を有する。また、この携帯記録再生装置70は、通常は、ミュージックサーバ50側のインターフェイス34と携帯記録再生装置70側のインターフェイス35とが切り離され、単体として携帯されて用いられる。
【0070】
先ず、この携帯記録再生装置70において、通常のパーソナルコンピュータの構成と同様に、互いにバスで結合されたRAM103,ROM104,およびCPU105とが設けられる。勿論、上述のミュージックサーバ50の構成と同様に、フラッシュRAMを設けるようにしてもよい。CPU105がバス130に接続される。CPU105により、携帯記録再生装置70の全体の動作が制御される。
【0071】
ROM104には、この携帯記録再生装置70の動作を制御するためのプログラムが予め記憶される。携帯記録再生装置70において、このプログラムに基づき、後述する入力手段102の操作に対応した動作がなされる。RAM103には、プログラムを実行する上でのデータ領域、タスク領域が一時的に確保される。
【0072】
入力手段102は、例えば、プッシュ式および回動式のキーからなる。入力手段102は、これに限らず、ジョグダイヤルと呼ばれる回動プッシュ式のキー、LCD上のタッチパネルなどでもかまわない。勿論、押下することで反応するスイッチ機構を用いることもできる。この入力手段102の操作に応じた信号がバス130を介してCPU105に供給される。CPU105において、この信号に基づき携帯記録再生装置70の動作を制御するための制御信号が生成される。
携帯記録再生装置70は、この制御信号に応じて動作される。
【0073】
ミュージックサーバ50において、HDD10から読み出され、この携帯記録再生装置70に対する転送を指示された音楽データは、インターフェイス34,インターフェイス35,およびインターフェイス34とインターフェイス35とを接続する接続線を介して、この携帯記録再生装置70に転送され供給される。
また、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とに、互いに対応する装着部が設けられている場合は、インターフェイス34とインターフェイス35とが直接的に接続され、音楽データの転送が行われる。さらに、IrDAによるインターフェイスが設けられている場合は、赤外線信号で以て音楽データの転送が行われる。
【0074】
転送され供給された音楽データは、インターフェイスドライバ101からバス130を介して、この携帯記録再生装置70の音楽データ記録媒体であるHDD106に記録される。
【0075】
なお、この携帯記録再生装置70では、音楽データ記録媒体は、HDD106に限らず、例えばフラッシュRAMを用いることもできる。また、音楽データの再生速度に追従できるものであれば、例えば光磁気ディスクといった、他の記録媒体メディアを利用することもできる。音楽データ記録媒体としては、例えば200MByte程度の容量のものを用いることによって、数10曲が記録可能である。
【0076】
ところで、この例では、転送されHDD106に記録される音楽データは、既にミュージックサーバ50において圧縮符号化されが圧縮音楽データである。この携帯記録再生装置70では、この例に限らず、圧縮符号化されていない音楽データを供給され、HDD106に記録することもできる。例えば、ミュージックサーバ50のCD−ROMドライブ9にセットされたCD55から再生され読み出された音楽データを、インターフェイスドライバ101を介して、直接的にこの携帯記録再生装置70に供給する。但し、この場合には、記録可能な音楽データの数が大幅に制限されることはいうまでもない。
【0077】
HDD106に音楽データが記録される前処理として、供給された音楽データは、バス130に接続されるオーディオ用のDRAM107に対して一時的に記憶される。そして、その音楽データがバス130を介して圧縮エンコーダ108に供給される。圧縮エンコーダ108は、ミュージックサーバ50における圧縮エンコーダ12と同等のエンコードアルゴリズム(この例ではATRAC2)によって音楽データの圧縮符号化を行う。圧縮符号化された圧縮音楽データは、DRAM107に供給され、再び一時的に記憶される。最終的に、このDRAM107に記憶された圧縮音楽データが読み出され、HDD106に記録される。
【0078】
なお、上述したように、ミュージックサーバ50においてHDD10に蓄積されている圧縮音楽データが移動を指示されてこの携帯記録再生装置70に転送されたときには、HDD10におけるその圧縮音楽データは、HDD10上に存在するが再生不可の状態とされる。また、移動された圧縮音楽データは、再び移動元の記録媒体に戻されることで、移動元において再生可能とされる。このとき、移動先の記録媒体からは、その圧縮音楽データが削除される。
【0079】
また、この例では、端子109に接続されたマイクロホンからアンプ110を介して入力される音声信号や、ライン入力端111から入力される音声信号がA/Dコンバータ112を介して圧縮エンコーダ108に供給される。これらの音声信号を圧縮符号化してHDD106に対して記録することができる。さらに、光ディジタル信号が光ディジタル入力端113からIEC958エンコーダ114を介して圧縮エンコーダ108に供給される。光ディジタル信号として供給された音声信号を圧縮符号化してHDD106に記録することが可能である。勿論、これらの信号入力手段を全て有している必要はないし、再生専用の携帯再生装置であれば、これらの信号入力手段を全て省略することも可能である。。
【0080】
HDD106から圧縮音楽データが再生のために読み出され、バス130を介して圧縮デコーダ115に供給される。圧縮デコーダ115で圧縮符号化を解かれた音楽データは、D/Aコンバータ116およびアンプ117を介して端子118に導出される。端子118には、例えばヘッドホン72接続される。ユーザは、このヘッドホンを装着することによって、再生された音楽を聴くことができる。なお、図5では省略されているが、D/Aコンバータ116からアンプ117を介して端子118に到る経路は、ステレオ出力に対応して2系統設けられる。同様に、端子118も、ステレオに対応して2つ存在する。
【0081】
LCD120がLCDドライバ119を介してバス130に接続される。CPU105からバス130を介してLCDドライバ119に対して描画制御信号が供給され、LCD120が駆動されて所定の表示がなされる。LCD120には、携帯記録再生装置70の操作メニューやHDD106に記録された音楽データのタイトルリストなどが表示される。LCD120に対して、例えば選択され再生される音楽データに対応するフォルダやジャケットイメージを表示させるようにしてもよい。
【0082】
このLCD120の表示に基づき、入力手段102としてのポインティングデバイスを操作することで、指示された圧縮音楽データが再生制御される。また、選択された圧縮音楽データの消去や複製ならびに移動の制御も、LC120の表示に基づき行うことが可能である。例えば、LCD120の表示に従い、入力手段102としてのタッチパネルを触れることで、携帯記録再生装置70の操作を行うことができる。このように、LCD120をインタフェースとして、HDD106に記録された圧縮音楽データがユーザにより管理ならびに制御される。
【0083】
なお、図5では省略されているが、この携帯記録再生装置70は、バッテリ電源で駆動される。そのため、一般的な乾電池による電源部が設けられると共に、充電部が設けられる。充電部は、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とが接続線あるいは装着部によって直接的に接続される場合、音楽データの転送と共に、ミュージックサーバ50から電力を供給され充電が行われる。勿論、外部の充電電源によって充電するようにもできる。なお、電源は、乾電池による電源および充電電源の何方か一方だけを有するようにしてもよい。
【0084】
図6は、上述の携帯記録再生装置70の他の例を示す。なお、この図6において、上述の図5と共通する部位に対しては同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。図6に示される携帯記録再生装置70’は、上述の図5の構成に対して、HDD(あるいはフラッシュRAM)106’とバス130との間にスイッチ回路200が挿入される。スイッチ回路200の一方の選択端200aがバス130と接続され、他方の選択端200bがインターフェイス35と接続される。スイッチ回路200によって、HDD106’がバス130と分離される。
【0085】
ミュージックサーバ50からの圧縮音楽データ転送の際は、スイッチ回路200において選択端200bが選択される。インターフェイス34および35を介して、HDD106’とミュージックサーバ50のバス40とが直接的に接続される。HDD106’は、恰もミュージックサーバ50の記録媒体であるかのように見える。ミュージックサーバ50のCPU8によって、HDD106’の直接的な制御が可能とされる。ミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70との間での、圧縮音楽データの移動や複写などを容易に行える。
【0086】
次に、上述の構成で以てなされる、この実施の一形態における動作について説明する。先ず、ミュージックサーバ50単独で実行される機能について説明する。図7は、CD−ROMドライブ9にセットされたCD55の音楽データを、ミュージックサーバ50のHDD10に記録する際の処理の一例のフローチャートである。
【0087】
最初のステップS10では、ユーザによる、CD55の音楽データのHDD10への記録要求が待たれる。そして、例えばユーザによって入力手段1を用いて記録要求が出されると、処理はステップS11へ移行する。ステップS11では、要求された記録が高速記録か1倍速での記録かが判断される。例えば、上述のステップS10で記録要求が出される際に、ユーザによって、記録の方法、すなわち、記録を高速で行うか1倍速で行うかが共に指定される。
【0088】
若し、ステップS11で、高速で記録を行うことが指定された場合、処理はステップS12に移行し、課金システムが起動される。課金システムによる処理は、後述する。課金処理が行われ、高速記録が許可されると、処理はステップS13に移行し、圧縮エンコーダ12において高速圧縮処理が起動される。そして、処理はステップS15へ移行する。
【0089】
一方、ステップS11で1倍速で記録を行うことが指定された場合、処理はステップS14へ移行し、圧縮エンコーダ12で、低速圧縮処理が起動される。そして、処理はステップS15へ移行する。
【0090】
ステップS15では、CPU8の制御に基づき、所定の速度で以てCD−ROMドライブ9が駆動され、セットされたCD55に記録された音楽データが読み出される。読み出された音楽データは、圧縮エンコーダ12で圧縮符号化され、HDD10に対して転送され記録される。
【0091】
ステップS16で、HDD10への圧縮音楽データの転送が終了したとされたら、次のステップS17でCD−ROMドライブ9からHDD10への転送が禁止とされ、さらに次のステップS18で圧縮エンコーダ12が停止される。
【0092】
図8は、上述の図7のフローチャートのステップS12における課金処理の一例を示すフローチャートである。課金処理は、ミュージックサーバ50とインターネットサーバ60との間で通信が行われることによってなされる。図8Aは、ミュージックサーバ50での処理を示し、図8Bは、インターネットサーバ60での処理を示す。
【0093】
課金処理が開始されると、先ず、図8Aの最初のステップS20で、ミュージックサーバ50とインターネットサーバ60との間で、所定のプロトコルで以て通信が開始される。ステップS21で、接続が確立され通信可能なことが確認されると、処理はステップS22に移行する。
【0094】
ステップS22では、CD−ROMドライブ9にセットされHDD10に転送し記録するCD55のTOC情報がミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して送出される。それと共に、高速記録を行う旨を示す高速記録情報がミュージックサーバ50からインターネットサーバ60に対して送出される。
【0095】
一方、図8Bにおいて、インターネットサーバ60では、ミュージックサーバ50からの高速記録情報ならびにTOC情報が待たれる(ステップS30)。これらの情報が受信されたら、ステップS31で、TOC情報の検索が行われる。TOC情報を検索することによりCD55が特定される。
【0096】
そして、次のステップS32で課金処理がなされる。課金は、例えば、予め登録されたユーザのクレジットカード番号に基づき、口座から引き落とされることで行うことができる。課金方法は、これに限らず、例えば、ミュージックサーバ50にプリペイドカードを読み取る機能を設けておき、設定された課金額がミュージックサーバ50に対して送出され、ユーザがプリペイドカードによって課金額を支払うという方法も考えられる。また、TOC情報に基づき、CD55の内容によって課金額を変えたり、HDD10への記録を禁止することもできる。
【0097】
ステップS33で、課金情報がミュージックサーバ50に対して送出される。
そして、図8Aにおいて、ミュージックサーバ50側で課金情報の確認がなされる(ステップS23)。また、インターネットサーバ60側でも、ミュージックサーバ50で課金情報が受信されたかどうかが確認される(ステップS34)。
【0098】
図8Aに戻り、ステップS23で課金情報が確認されると、処理はステップS24に移行し、受信された課金情報などが表示部53に表示される。そして、ステップS25で、CD55の音楽データがCD−ROMドライブ9で高速で読み出され、圧縮エンコーダ12で高速圧縮がなされ、HDD10に対して記録される。このステップS25は、上述の図7におけるステップS15に対応する。
【0099】
ところで、この実施の一形態では、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70との間で、連携動作が可能とされる。例えば、ミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70に対して音楽データを移動する際には、これらの間での連携動作がなされる。図9は、この移動の一例のフローチャートを示す。
【0100】
先ず、最初のステップS40で、ミュージックサーバ50と携帯記録再生装置70とが、インターフェイス34および35で接続されているかどうかが判断される。接続の検知は、例えばインターフェイス34および35との間で所定の信号のやり取りを行うことでなされる。また、これに限らず、ミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70とを接続する部分に、スイッチ機構を設け、機械的な手段で接続の検知を行うこともできる。
【0101】
接続が確認されると、次のステップS41で、HDD10に記録され蓄積されている音楽データの、携帯記録再生装置70への移動が要求されているかどうかが判断される。例えば、表示部53に対してHDD10に蓄積されている圧縮音楽データがリスト表示され、ユーザによって、入力手段1としての所定のポインティングデバイスにより、このリスト表示から所定の圧縮音楽データが選択される。さらに、選択された圧縮音楽データに対して、携帯記録再生装置70への移動が指示される。
【0102】
移動の指示の方法は、様々に考えられる。例えば、表示部53に移動を指示するボタンが表示され、このボタンを所定の方法で指定することで行うことができる。また例えば、圧縮音楽データを示すアイコンが表示され、このアイコンを、移動先の携帯記録再生装置70を示すアイコン上へと移動する、所謂ドラッグ&ドロップによって行うことも可能である。勿論、操作部に設けられたスイッチ機構の操作により移動の指示を行ってもよい。
【0103】
ステップS41で圧縮音楽データの移動要求があるとされたら、ステップS42で、移動が指定された圧縮音楽データのファイルサイズが調べられる。そして、次のステップS43で、携帯記録再生装置70のHDD106の空き容量が調べられる。そして、このHDD106の空き容量と、ステップS42で調べられた移動が指定された圧縮音楽データのファイルサイズとが比較される。この比較結果に基づき、移動が指定された圧縮音楽データがこのHDD106に記録可能であるかどうかが判断される。若し、記録可能であるとされれば、処理はステップS45に移行し、圧縮音楽データの転送が開始される。
【0104】
一方、ステップS43で、携帯記録再生装置70のHDD106に空き容量が不足していると判断されれば、処理はステップS44に移行する。ステップS44では、移動が指定された圧縮音楽データのHDD106への記録が可能なように、HDD106に既に記録されている圧縮音楽データが削除される。そして、処理はステップS45に移行する。
【0105】
この圧縮音楽データの削除は、HDD106に既に記録されている圧縮音楽データの、所定のパラメータに基づき自動的になされる。例えば、携帯記録再生装置70において、HDD106に記録されている圧縮音楽データ毎に再生回数をカウントしておき、再生回数の少ないものから削除することが考えられる。また、HDD106に記録された日付の古い順に削除するようにもできる。
【0106】
さらに、自動的に削除する際に、ユーザにとって重要な圧縮音楽データが削除されてしまうこともあり得る。これを防止するために、ミュージックサーバ50の表示部53や携帯記録再生装置70のLCD120に警告表示を行い、ユーザの確認を得てから削除するようにもできる。さらにまた、ミュージックサーバ50の表示部53や携帯記録再生装置70のLCD120に対して、HDD106に既に記録されている圧縮音楽データのリストを表示させ、削除する圧縮音楽データをユーザ自身が選択するという方法もとれる。
【0107】
上述のステップS43およびステップS44の処理により、移動が指定された圧縮音楽データの、HDD106への記録が可能な状態にされると、ステップS45で、ミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70への圧縮音楽データの転送が開始される。すなわち、HDD10から読み出された圧縮音楽データは、バス40ならびにインターフェイス34を介して携帯記録再生装置70に供給される。携帯記録再生装置70において、この供給された圧縮音楽データがインターフェイス35にHDD106に記録される。
【0108】
転送された圧縮音楽データは、ミュージックサーバ50側のHDD10にも転送前と同様に存在している。この実施の一形態では、HDD10に存在する、該当する圧縮音楽データの再生が禁止とされる(ステップS46)。例えば、圧縮音楽データに対して再生禁止を示す再生禁止フラグが立てられる。これにより、該当の圧縮音楽データがミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70へと、仮想的に移動されることになる。したがって、各圧縮音楽データは、常に一つしか存在しないように管理され、不正なデータの複製が防止される。
【0109】
そして、次のステップS47では、次の圧縮音楽データの移動要求があるかどうかが判断される。若し、さらに圧縮音楽データの移動を行いたい場合には、処理はステップS42に戻される。これ以上のデータの移動要求が無い場合には、一連の移動の処理が終了される。
【0110】
なお、上述では、図9のフローチャートのステップS42〜ステップS46で1つの圧縮音楽データを移動するように説明されているが、これはこの例に限定されず、複数の圧縮音楽データをまとめて移動するようにもできる。
【0111】
また、上述では、ステップS46の処理で、移動元であるミュージックサーバ50のHDD10において、移動された圧縮音楽データは、再生禁止とされるだけで存在はしているように説明したが、これは例に限定されず、削除するようにしてもよい。
【0112】
ところで、上述では、圧縮音楽データをミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70へ移動する例について説明したが、逆方向への移動、すなわち、携帯記録再生装置70のHDD106に記録されている圧縮音楽データを、ミュージックサーバ50のHDD10へと移動させることも、図9のフローチャートと同様の処理に従って実行が可能である。
【0113】
このとき、ミュージックサーバ50から携帯記録再生装置70へ移動した圧縮音楽データを、再び携帯記録再生装置70からミュージックサーバ50へ移動することによって、ミュージックサーバ50において、該当する圧縮音楽データの再生禁止フラグが解除される。すなわち、該当の圧縮音楽データは、再びミュージックサーバ50において再生することができるようになる。
【0114】
ところで、この発明では、上述の移動を行うに当たって、音楽データの移動先の携帯記録再生装置70のそれぞれに対して、固有の識別子を付すと共に、音楽データにもそれぞれ固有の識別子を付す。そして、ミュージックサーバ50によって、これらの識別子の管理を行う。これにより、不正な端末装置に対する音楽データの移動や複製を防止し、音楽データに対する著作権の保護を行うと共に、データの移動先を把握する。
【0115】
図10は、移動先機器の識別子が記録される機器識別子管理表の一例を示す。この機器識別子管理表は、ミュージックサーバ50ならびに携帯記録再生装置70とを問わず、移動元となる各機器のそれぞれが有する。機器識別子管理表には、自身との音楽データの受け渡しを許可する移動先機器の識別子が登録される。
【0116】
また、移動先機器に対して、ニックネームを付すことができる。ニックネームは、ミュージックサーバ50の例では、入力手段1によって入力することができる。この例では、識別子が’0010’の機器には’mars’が、識別子が’0020’の機器には’jupiter’がそれぞれニックネームとして付されている。一方、識別子が’0030’の機器には、ニックネームが付されていない。
【0117】
一方、ミュージックサーバ50に記録されている音楽データのそれぞれに対して、固有の曲データ識別子が付される。また、各音楽データに対して、そのデータが移動されているかどうかを示す移動フラグが付される。曲データ識別子は、上述した、CD55の音楽データをHDD10に記録するときに得られる、CD55に付随したデータ、例えばCD番号に基づき取得することが可能である。
【0118】
図11は、各音楽データに付された曲データ識別子ならびに移動フラグが管理されるデータ管理表の一例を示す。このデータ管理表は、ミュージックサーバ50ならびに携帯記録再生装置70とを問わず、移動元となる各機器のそれぞれが有する。各音楽データのそれぞれに対して、固有の曲データ識別子が付される。
移動フラグは、該当する音楽データが移動されているかどうかを示すもので、移動フラグが’1’であれば、その音楽データが携帯記録端末70に移動されていることが示される。移動フラグが’0’であれば、そのデータは、移動されていない。また、音楽データのそれぞれに対して、その曲名を付してもよい。
【0119】
なお、曲名は、ミュージックサーバ50の例では、入力手段1によって入力することができる。また、その音楽データをHDD10に記録する際に用いたCD55がCDテキストに対応していれば、そのテキストデータを読み込みHDD10に記録しておくことで、自動的に登録することができる。さらに、曲名は、
通信回線61を介して、インターネットサーバ60から入手することもできる。
【0120】
次に、この発明の実施の第1の形態について説明する。この第1の形態においては、各機器が各音楽データの移動先の情報のみを持つ。各機器、すなわちミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70のそれぞれは、図12に一例が示される、データ移動先管理表が持たされる。データ移動先管理表は、曲データ識別子と移動先機器識別子と移動時刻とからなるレコードの集合で構成される。
【0121】
データ移動先管理表は、次に示す2つの場合に更新される。すなわち、
(1)各機器間で音楽データの移動がなされた場合
(2)各機器同士を接続した際に、接続機器双方のデータ移動先管理表が照合された場合
これらの場合に、データ移動先管理表の更新がなされる。
【0122】
先ず、(1)の音楽データの移動に伴う更新について、図13に示されるフローチャートを用いて説明する。図13は、移動元機器と移動先機器とを接続して、移動元機器に記録されている音楽データMを、移動先機器に移動させる場合の処理を示す。図13Aが移動元機器での処理を示し、図13Bが移動先機器での処理を示す。なお、移動元機器および移動先機器は、それぞれミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70のどちらであっても構わない。
【0123】
先ず、移動元機器と移動先機器とが接続され、互いの機器識別子が交換される(ステップS50およびステップS60)。移動元機器において、ユーザによって所定の音楽データMが選択され、選択された音楽データMの移動先機器への移動が指示される(ステップS51)。そして、ステップS52で、機器識別子管理表に基づき、移動先機器の識別子が確認される。
【0124】
若し、接続された移動先機器の機器識別子が移動元機器の機器識別子管理表に無ければ(ステップS53)、処理はステップS56に移行し、移動先機器に対して、移動不許可通知が送信され、音楽データMの移動が行えないことが通知される。
【0125】
一方、ステップS53で、接続された移動先機器の機器識別子が移動元機器の機器識別子管理表に存在するとされれば、処理はステップS54に移行する。ステップS54では、移動元機器のデータ管理表によりフラグが調べられる。若し、フラグが’1’であって、そのデータが他の機器に移動されているとされれば、処理はステップS56に移行し、移動先機器に対して移動不許可通知が出される。一方、フラグが’0’であれば、音楽データMの移動が可能であるとされ、処理はステップS57に移行する。
【0126】
ステップS57では、移動元機器において、データ移動先管理表に対してエントリ作成がなされ、音楽データMのレコードが新規に作成される。このレコードには、音楽データMの曲データ識別子,移動先機器の機器識別子,および移動時刻が記録される。なお、既に音楽データMのエントリが存在するときには、そのエントリに対して上書きされる。
【0127】
データ移動先管理表への音楽データMのエントリ作成後、音楽データMが移動元機器から移動先機器へと送信される(ステップS58)。送信が終了すると、次のステップS59で、データ管理表における音楽データMのフラグが’0’から’1’へと変更され、フラグが立てられる。これにより、移動元機器での一連の処理が終了される。
【0128】
一方、移動先機器では、ステップS60で移動元機器との機器識別子を交換した後、移動元機器から何らかのデータが送られて来るまで、受信待ちとされる(ステップS61)。移動元機器からのデータを受信した場合、受信されたデータの内容が判断される。若し、データ内容が移動元機器の処理におけるステップS56での、移動不許可通知であれば(ステップS63)、移動先機器での処理が終了される。
【0129】
一方、データ内容が移動元機器の処理におけるステップS58での音楽データMであれば(ステップS64)、音楽データMが受信され、記録される。そして、次のステップS65に移行する。若し、データ管理表に、音楽データMのレコードが既に存在していれば、フラグを’1’から’0’に変更してフラグ下げを行う。また若し、データ管理表に、音楽データMのレコードが存在しなければ、音楽データMのレコードを新規に作成し、フラグを’0’としておく。
【0130】
上述したように、移動先機器および移動元機器の何方かがミュージックサーバ50であっても、同様の処理がなされる。但し、移動先機器がミュージックサーバ50である場合、すなわち、音楽データMをミュージックサーバ50に移行する場合には、移動元機器のデータ管理表中の、音楽データMに対応するレコードを消去してもよい。
【0131】
次に、(2)のデータ移動先管理表の照合による更新について説明する。先ず、図14を用いて、データ移動先管理表の更新について概略的に説明する。図14Aは、更新前であり、図14Bは、更新後のデータ移動先管理表である。また、図14Aおよび図14Bのそれぞれにおいて、左側に移動元機器の表を示し、右側に移動先機器の表を示す。
【0132】
例えば2台の携帯記録再生装置70を互いに接続した場合、先ず、データ移動先管理表を互いに調べ、双方共に含まれるデータ識別子を探す。図14Aの例では、データ識別子〔1108〕が接続された2つの装置70のそれぞれで共通している。このように双方共に有する識別子があれば、接続された装置70のそれぞれの、該当する識別子のレコード内の移動時刻が互いに比較される。比較の結果、時刻の古い方のレコードの内容が新しい方のレコードの内容に書き替えられる。この処理が接続された2つの装置70の双方において、互いに一致するデータ識別子が無くなるまで繰り返される。
【0133】
図15および図16のフローチャートを用いて、データ移動先管理表の照合による更新について、より詳細に説明する。図15および図16は、連続した処理を示すフローチャートであり、図中の「A」,「B」,および「C」の記号は、互いに対応する記号へ処理が移行することを示す。また、図15Aおよび図16Aは、移動元機器の処理を示し、図15Bおよび図16Bは、移動先機器の処理を示す。なお、移動元機器および移動先機器は、それぞれミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70のどちらであっても構わない。
【0134】
例えば音楽データの移動処理の後といった、機器同士を接続した際に、互いの機器のデータ移動先管理表の照合ならびに更新がなされる。そして、照合は、双方のレコードを比較することによって行われる。先ず、移動元機器と移動先機器とが接続され、互いの機器識別子が交換される(ステップS70およびステップS100)。すなわち、互いに相手に対して自分の機器識別子を送信すると共に、相手から送信された機器識別子を受信する。そして、移動元および移動先機器において、受信した相手の機器識別子が自分の機器識別子管理表に登録されていることを確認する(ステップS71およびステップS101)。機器識別子の確認ができたなら、移動元機器では、移動先機器からのデータの受信待ち状態とされる(ステップS72)。
【0135】
一方、移動先機器では、レコードカウンタkがk=1にセットされる(ステップS102)。レコードカウンタkは、データ移動先管理表のレコードに対応するカウンタである。次からのステップS103,S104,S105,およびS106で、このレコードカウンタkをインクリメントしながら、データ移動先管理表のレコードが1レコードずつ取り出され、移動先機器から移動元機器へと送信される。
【0136】
なお、1レコードは、図12を用いて上述したように、データ識別子,移動先機器識別子,移動時刻からなる。したがって、k番目のレコードのデータ識別子,移動先機器識別子,および移動時刻をそれぞれRk.dataID,Rk.id,およびRk.timeとして、k番目のレコードのデータを(Rk.dataID,Rk.id,Rk.time)と表現することができる。
【0137】
すなわち、ステップS103でk番目のレコードが取り出され、ステップS104でこのk番目のレコードが移動元機器へと送信される。そして、ステップS105で、送信したk番目のレコードが最後のレコードであったかどうかが判断される。最後のレコードではないと判断されれば、処理はステップS106に移行し、レコードカウンタkが1だけインクリメントされて再びステップS103の処理を行う。最後のレコードの取り出しが終了されると、ステップS107で、移動元機器に対して終了通知が送信される。
【0138】
一方、移動元機器では、ステップS72の受信待ち状態で移動先機器からの通信を待つ。移動先機器からの通信を受信したら、ステップS73で通信内容が判断される。通信内容が移動先機器からのデータ移動先管理表のレコードであれば、ステップS74でk番目のレコードが受信され、次のステップS75で、受信されたk番目のレコードが配列P[n](n=1,2,3,・・・)に順に格納される。このデータ移動先管理表のデータの配列[]への格納処理は、移動先機器からの終了通知を受信するまで繰り返される。
【0139】
一方、ステップS73で、移動先機器からの通信内容が上述のステップS107で送信された終了通知であるとされたら、ステップS76でこの終了通知が受信され、処理は次のステップS77に移行する。ステップS77,S78,およびS79では、配列P[]の1番目の要素P[1]が取り出される。すなわち、ステップS77で配列P[]のカウンタがn=1にセットされ、ステップS78で配列P[]からn番目(この場合、1番目)の要素P[n]が取り出される。
【0140】
次のステップS79では、移動元機器のデータ移動先管理表のレコードカウンタmがm=1にセットされる。図16に移行し、ステップS80,S81,S82,およびS83で、要素P[n]のデータ識別子(P[n].dataID)と一致するデータ識別子を持つレコードが移動元機器のデータ移動先管理表から探される。
【0141】
すなわち、ステップS80で移動元機器のデータ移動先管理表からm番目のレコードRmが取り出される。そして、次のステップS81で、レコードRmと要素P[n]とで、それぞれのdataIDが一致しているかどうかが比較される。若し、一致していないとされれば、レコードRmが最後のレコードかどうかがステップS82で判断され、最後のレコードでないとされれば、ステップS83でレコードカウンタmが1だけインクリメントされ、処理は再びステップS80に戻される。
【0142】
ここで、ステップS82でレコードRmが最後のレコードであると判断されれば、処理はステップS89に移行し、要素P[n]が最後の要素であるかどうかが判断される。若し、最後の要素であるとされれば、処理はステップS90に移行し、移動先機器に対して終了通知が送信され、移動元機器における一連の処理が終了される。また、ステップS89で要素P[n]が最後の要素でないとされれば、処理は図15のステップS91で配列P[]のカウンタnが1だけインクリメントされ、処理は再びステップS78に戻される。
【0143】
一方、上述のステップS81で、レコードRmと要素P[n]とで、それぞれのdataIDが一致しているとされれば、処理はステップS84に移行する。
そして、ステップS84では、移動元機器においてレコードRmに記録された移動時刻(Rm.time)と、移動先機器において要素P[n]に記録された移動時刻(Pn.time)とが比較される。
【0144】
ステップS84において、移動時刻(Rm.time)と移動時刻(Pn.time)とが同時であるとされれば、処理はステップS89に移行し、次の要素が調べられる。また、ステップS84において、レコードRmに記録された移動時刻(Rm.time)の方が移動時刻(Pn.time)よりも新しいとされば、処理はステップS85に移行し、移動先機器に対して移動先機器更新要求が送信されると共に、更新するレコードRmが送信される。そして、処理はステップS89に移行し、次の要素が調べられる。
【0145】
一方、ステップS84で、レコードRmに記録された最新の移動情報の方が古いとされれば、ステップS86で、要素P[n].dataIDで示されるデータの移動先情報を送信するよう、移動先機器に対して要求が送信される。後述するステップS112で、移動先機器においてこの送信要求が受信され、ステップS113で移動先機器から移動元機器に対して、移動先機器のデータ移動先管理表における要素P[n].dataIDに対応するレコードRkが送信される。
【0146】
移動元機器において、送信されたこのレコードRkが受信されることで、要素P[n].dataIDの移動先情報が得られ、次のステップS88で、レコードRmの移動先と移動時刻情報とが書き替えられる。そして、処理はステップS89に移行し、次の要素が調べられる。
【0147】
一方、上述したように、移動先機器では、図15のステップS107で移動元機器に対してデータ移動先管理表の全てのレコードを送信し終えたとして終了通知が送信された後、図16のステップS108で、移動元機器からの通信待ちの状態とされる。そして、移動元機器からの通信を受信すると、ステップS109で、その内容が判断される。
【0148】
通信内容が上述のステップS90による終了通知であれば、処理はステップS114に移行し、移動元機器における処理が終了したことが受信され、移動先機器における一連の処理が終了される。
【0149】
一方、ステップS109において、通信内容が上述のステップS85による移動先情報更新通知であるなら(ステップS110)、通知と共に送信されたレコードRmが受信され、処理はステップS111に移行する。そして、ステップS111では、受信したレコードRmに基づき、移動先機器のデータ移動先管理表において、Rm.dataID=Rk.dataIDを満たすレコードRkが書き替えられる。そして、処理はステップS108に戻され、再び移動元機器からの通信の受信待ち状態とされる。
【0150】
さらに、ステップS109において、通信内容が上述のステップS86による移動先情報送信要求であれば、次のステップS113で、要素P[n].dataIDに対応するレコードRkが送信される。そして、処理はステップS108に戻され、再び移動元機器からの通信の受信待ち状態とされる。
【0151】
なお、移動先機器あるいは移動元機器の何れか一方がミュージックサーバ50である場合も、同様の処理がなされる。また、これに限らず、ミュージックサーバ50は、移動元機器の動作を行うと予め決めておいてもよい。この場合、ミュージックサーバ50に接続された移動先機器がステップS112で移動先情報送信要求を受信し、移動先機器のデータ移動先管理表内のレコードRkを送信した後(ステップS113)、若し、移動先機器にRk.dataIDの示すデータの利用権を、移動先機器が所有しなければ、レコードRkを移動先機器のデータ移動先管理表から消去してもよい。
【0152】
なお、所有権の有無は、移動先機器において、移動先機器自身のデータ管理表内の、Rk.dataIDに一致するデータ識別子をもつレコードのフラグを調べることで確認することができる。
【0153】
図17は、このような処理に適応可能な、音楽データの構造の一例を示す。音楽データ本体に対して、ヘッダ300が付される。ヘッダは、データの移動に伴い更新されるヘッダ302と、データの移動では変化しないヘッダ303とからなる。ヘッダ302は、この音楽データのdataID304,データの移動回数が記憶されるカウンタ305,このデータの移動時刻と移動先の機器ID306,306,306,・・・とからなる。移動時刻と移動先の機器ID306は、このデータが移動される度に追加記録され、移動経路が示される。
【0154】
次に、上述したデータ移動先管理表の更新に基づく、各音楽データの移動先の、ミュージックサーバ50の表示部53への表示について説明する。図18は、ミュージックサーバ50の表示部53に表示される、音楽データの移動先を示す曲リストウィンドウ310の一例を示す。この曲リストウィンドウ310は、ミュージックサーバ50において、所定の操作によって表示される。
【0155】
ウィンドウ310は、曲名表示・選択部311と、曲データが端末に移動しているか否かを示す移動マーク表示部312と、曲データが移動している端末名を表示する移動先端末名表示部313と、移動先端末名表示部313で示す端末に曲データが移動した時刻を表示する移動時刻表示部314とを有する。また、ウィンドウ310において、曲名表示・選択部311は、スクロールバー316等によりサーバが管理するすべての曲名を表示できるようにされていると共に、ユーザの指示により特定の曲名を選択できるようにされている。ユーザは、ミュージックサーバ50の操作部やリモートコマンダによって、これらの指示などを行うことができる。
【0156】
ミュージックサーバ50において、自身のデータ管理表に基づき、ミュージックサーバ50に登録された全ての曲データ識別子Midn(n=1,2,・・・)に対応する曲名Mn(n=1,2,・・・)が曲名表示・選択部311に表示される。さらに、データ管理表のデータ識別子Midk(k∈{1,2,・・・})のフラグが立っている場合には、移動マーク表示部312の曲名Mkに対応する部分に、移動マーク315が表示される。
【0157】
さらにまた、データ移動先管理表が参照され、データ識別子Midkと同じ識別子を持つレコードRm(Midk=Rm.dataID)から、移動先機器(Rm.id)と移動時刻(Rm.time)とが取り出される。そして、取り出された移動先機器(Rm.id)と移動時刻(Rm.time)とは、移動先端末名表示部313と移動時刻表示部314中の、曲名Mkに対応する部分にそれぞれ表示される。なお、ここで、(m∈{1,2,・・・})である。
【0158】
さらに、この実施の一形態では、各移動先機器に移動されている音楽データを、端末別に表示することができる。図19は、この表示の一例を示す。図19Aは、移動先機器を一覧で示す移動先機器リストウィンドウ320の例であり、図19Bは、移動された音楽データを各移動先機器別に一覧で示す移動先機器別曲リストウィンドウ330の例である。
【0159】
図19Aに示される移動先機器リストウインドウ320は、ミュージックサーバ50が管理するすべての移動先機器を表示すると共に、ユーザの指示により特定の移動先機器を選択できるようになっている。
【0160】
図19Bに示される移動先機器別曲リストウインドウ330は、移動先機器名表示部331,曲名表示部332,および移動時刻表示部333とを持つ。曲名表示部332は、移動先機器名表示部331に表示された移動先機器に移動している音楽データの全曲名が一覧表示される。移動時刻表示部333は、曲名表示部332に表示された各音楽データの移動先機器表示部331に表示された移動先機器に移動した時刻が表示される。
【0161】
ユーザが特に何も指示しなければ、ミュージックサーバ50の表示部53には、移動先機器機器リストウインドウ320が表示される。これがデフォルトの表示とされる。ユーザが移動先機器リストウインドウ320に表示された移動先機器名の中から特定の移動先機器名、例えば「jupiter」を指定すると、その移動先機器の移動先機器別曲リストウインドウ330が開かれる。
【0162】
移動先機器リストウインドウ320は、ミュージックサーバ50において自身の移動先機器識別子管理表が参照され、この表に登録された全ての移動先機器の名前すなわちニックネームが表示される。
【0163】
ユーザが移動先機器リストウインドウ320で移動先機器を選択して移動先機器別曲リストウインドウ330の表示を指示したなら、ミュージックサーバ50では、曲名表示部332に対して、ユーザが移動先機器リストウインドウ320で指示した移動先機器名Tn(n∈{1,2,・・・})が表示される。
【0164】
次に、ミュージックサーバ50では、自身のデータ移動先管理表が参照される。そして、各レコードRm(m=1,2,・・・)の移動先機器識別子(Rm.id)と、曲名表示部332に表示された移動先機器名の機器識別子Tidとが一致するレコード(Rk(k∈{1,2,・・・},Rk.id=Tid)が調べられる。両者が一致したレコードについて、曲データ識別子Rk.dataIDと移動時刻(Rk.time)とが取り出される。取り出された曲データ識別子と移動時刻とが曲名表示部332と移動時刻表示部333とにそれぞれ表示される。このとき、曲データ識別子Rk.dataIDについては、データ管理表が参照され、対応する曲名Mn(n∈{1,2,・・・},Midn=Rk.dataID)が表示される。
【0165】
次に、この発明の実施の第2の形態について説明する。この第2の形態においては、各機器が各データの移動先とその移動先までの経路情報を持つ。各機器、すなわちミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70のそれぞれは、図20に一例が示される、経路情報マップ400が持たされる。
【0166】
経路情報マップ400は、各音楽データに対応する経路情報エントリ401の集まりである。各経路情報エントリ401は、曲データ識別子402,移動カウンタ403,および移動履歴404とから構成される。各経路情報エントリ401は、適宜更新される。ここで、移動カウンタ403は、移動履歴404の総数を表し、移動履歴404には、移動時刻と移動先機器識別子が移動順に記録される。
【0167】
各機器がそれぞれの経路情報マップ400を更新するのは、
(1)移動先機器間での音楽データの移動に伴う経路情報エントリ401の更新
(2)移動先機器間を接続したときに両接続機器の持つ経路情報マップ400を照合して行われる経路情報エントリ401の更新
これらの2つの場合がある。なお、移動先機器の一方がミュージックサーバ50であってもよい。以下、それぞれの場合について順に説明する。
【0168】
先ず、(1)音楽データの移動に伴う経路情報エントリ401の更新について説明する。図21は、移動先機器と移動元機器とを接続して、移動先機器にある音楽データMを移動元機器に移動させる場合の処理を示すフローチャートである。図21Aが移動元機器での処理を示し、図21Bが移動先機器での処理を示す。なお、移動元機器および移動先機器は、それぞれミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70のどちらであっても構わない。
【0169】
先ず、移動元機器と移動先機器とが接続され、互いの機器識別子が交換される(ステップS200およびステップS220)。移動元機器において、ユーザによって所定の音楽データMが選択され、選択された音楽データMの移動先機器への移動が指示される(ステップS201)。そして、ステップS202で、機器識別子管理表に基づき、移動先機器の識別子が確認される。
【0170】
若し、接続された移動先機器の機器識別子が移動元機器の機器識別子管理表に無ければ(ステップS204)、処理はステップS206に移行し、移動先機器に対して、移動不許可通知が送信され、音楽データMの移動が行えないことが通知される。
【0171】
一方、ステップS203で、接続された移動先機器の機器識別子が移動元機器の機器識別子管理表に存在するとされれば、処理はステップS204に移行する。ステップS204では、移動元機器のデータ管理表によりフラグが調べられる。若し、フラグが’1’であって、そのデータが他の機器に移動されているとされれば(ステップS205)、処理はステップS206に移行し、移動先機器に対して移動不許可通知が出される。一方、フラグが’0’であれば、音楽データMの移動が可能であるとされ、処理はステップS207に移行する。
【0172】
次に、ステップS207で、移動先機器のデータ管理表にあるデータMのデータ識別子Midと移動先機器の経路情報マップ400内の各経路情報エントリ(En(n={1,2,・・・})のデータ識別子(En.dataID(n={1,2,・・・})とが順に比較される。そして、データMに対応する経路情報エントリEm(m∈{1,2,・・・},Em.dataID=Mid)が探される。移動先機器の経路情報マップ400にデータMに対応する経路情報エントリEmが見つかったならば、移動元機器の機器識別子と移動時刻とが経路情報エントリEmの移動履歴(Em’shistory)に追記される。それと共に、移動カウンタ(Em.counter)が1だけインクリメントされる。
【0173】
更新された経路情報エントリEmは、例えば上述の図17に示される音楽データのヘッダ302に格納されて、移動先機器に送信される(ステップS208)。また、移動元機器では、その音楽データMの使用権利が無くなったため、移動元機器のデータ管理表内にあるデータMのレコードのフラグを立てておく(309)。
【0174】
一方、移動先機器では、ステップS220による識別子交換後、受信待ちの状態とされ、移動元機器からの送信が待機される(ステップS221)。移動先機器がデータMをヘッダと共に受信したならば(ステップS224)、次のステップS225で、移動先機器のデータ管理表のデータMのレコード内のフラグを下げる。データMのレコードが無ければ、新たにレコードが作成され、フラグが下げられる。
【0175】
さらに、次のステップS226で、移動先機器の経路情報マップ400’内にある、データMに対応する経路情報エントリEk(k∈{1,2,・・・},Ek.dataID=Em.dataID)を、受け取ったデータMのヘッダ302の内容に置き換える。このとき、移動先機器の経路情報マップ400’にデータMに対応するエントリが無ければ、新たにエントリが作成され、受け取ったヘッダ302内の経路情報が記録される。
【0176】
なお、上述で、移動先機器、移動元機器のどちらかがミュージックサーバ50であっても同様である。ただし、移動先機器がミュージックサーバ50である場合(すなわちデータMをミュージックサーバ50に移動する場合は)、データMに対応する移動元機器の経路情報エントリEmは、消去してもよい。また移動元機器がミュージックサーバ50であるならば(すなわちデータMをミュージックサーバ50から移動する場合は)、上述のステップS207での、データMに対応する移動先機器(すなわちミュージックサーバ50)の経路情報エントリEmに移動履歴を記録する際に、それまでの移動履歴を一旦消去してから新たに記録してもよい。
【0177】
次に、(2)移動先機器間を接続したときに両接続機器の持つ経路情報マップ400を照合して行われる経路情報エントリ401の更新について説明する。各機器の経路情報マップ400は、例えば音楽データの移動の後などに、移動先機器同士(または移動先機器とミュージックサーバ50)を接続したときに、照合され更新される。照合は、双方の各経路情報エントリ401を互いに比較することで行われる。
【0178】
図22および図23は、移動先機器と移動元機器とを接続して互いの経路情報マップ400を照合更新するときの処理を示すフローチャートである。図22および図23は、連続した処理を示すフローチャートであり、図中の「A」,「B」,および「C」の記号は、互いに対応する記号へ処理が移行することを示す。また、図22Aおよび図23Aは、移動元機器の処理を示し、図22Bおよび図23Bは、移動先機器の処理を示す。なお、移動元機器および移動先機器は、それぞれミュージックサーバ50および携帯記録再生装置70のどちらであっても構わない。
【0179】
先ず、ステップS300およびステップS350で、移動先機器と移動元機器が接続され、互いに自分の機器識別子が送信されると共に、相手の機器識別子が受信される。そして、それぞれ次のステップS301およびステップS351で、受信した相手の機器識別子が自分の機器識別子管理表に登録されているかどうかが確認される。確認できたならば、移動元機器は、移動先機器からのデータの受信待ちの状態とされる。
【0180】
一方、移動先機器では、ステップS352で経路情報エントリのカウンタkがk=1にセットされる。そして、ステップS353,S354,S355,およびS356で、カウンタkを1ずつインクリメントしながら、移動先機器の経路情報マップ400’から、k番目の経路情報エントリEkが取り出される。
【0181】
この処理に際して、ステップS354では、取り出されたエントリEkに記録されたデータ識別子(Ek.dataID)と、エントリEk内に記録された移動カウンタ(Ek.counter)に対応する移動履歴の移動時刻((E1.counter)th E1’s time)とが移動元機器に送信される。なお、移動時刻((E1.counter)th E1’s time)は、最後に記録された最新の移動履歴である。
【0182】
この、ステップS353,S354,S355,およびS356の処理は、ステップS355で、取り出したエントリEkが最後のエントリであるとされるまで、繰り返される。最後のエントリEkが取り出されると、処理はステップS357に移行し、移動先機器から移動元機器に対して、終了通知が送信される。終了通知が送信されると、移動先機器は、図23のステップS358で受信待ち状態とされる。
【0183】
一方、移動元機器では、移動先機器からの通信が受信されると、ステップS303で、通信内容が判断される。そして、通信内容がステップS354で送信された内容であれば、ステップS304その通信が受信され、次のステップS305で受信されたエントリEkの内容が配列Q[]に格納される。この配列Q[]は、一時的に用意されたものである。そして、再びステップS303から処理が繰り返され、配列Q[n](n=1,2,・・・)に、受信されたエントリEkの内容が順に格納される。
【0184】
一方、ステップS303で、通信内容がステップS357で送信された終了通知であるとされれば、ステップS306でその通信が受信され、処理は次のステップS307に移行する。ステップS307では、配列Q[]のカウンタnが1にセットされ、この配列Q[n]の要素と移動元機器の経路情報エントリEmとが比較され、配列Q[n]の要素と一致する経路情報エントリEmがあるかどうかが調べられる。そして、その結果に基づき、移動元機器の経路情報エントリEmの移動履歴の書き替え、移動元機器と移動先機器との間での配列Q[n]のデータ識別子(Q[n].dataID)の履歴のやり取りなどが行われる。
【0185】
すなわち、移動先機器において、ステップS353で経路情報エントリEkが取り出される。次のステップS354で、このエントリEkのEk.dataIDと最新の移動履歴時刻とが受信待ち状態とされている移動元機器に対して送信される。移動元機器において、ステップS304でこの情報が受信され、ステップS305で受信された情報が配列Q[]に格納され、次の受信が待たれる。
【0186】
一方、移動先機器では、ステップS355でエントリEkが最後のエントリであるかどうかが判断され、最後でないとされれば、カウンタkが1ずつインクリメントされ(ステップS356)、最後のエントリEkが取り出され送信されるまで処理が繰り返される。最後のエントリEkが送信されると、ステップS357で移動元機器に対して終了通知が送信される。そして、移動先機器は、受信待ち状態とされる(ステップS358)。
【0187】
一方、ステップS303で、移動先機器からの通信内容が上述のステップS357で送信された終了通知であるとされたら、ステップS306でこの終了通知が受信され、処理は次のステップS307に移行する。ステップS307,S308,およびS309では、配列Q[]の1番目の要素Q[1]が取り出される。すなわち、ステップS307で配列Q[]のカウンタがn=1にセットされ、ステップS308で配列Q[]からn番目(この場合、1番目)の要素Q[n]が取り出される。
【0188】
次のステップS309では、移動元機器のデータ移動先管理表のレコードカウンタnがn=1にセットされる。図23に移行し、ステップS310,S311,S312,およびS313で、要素Q[n]のデータ識別子(Q[n].dataID)と一致するデータ識別子を持つレコードが移動元機器のデータ移動先管理表から探される。
【0189】
すなわち、ステップS310で移動元機器のデータ移動先管理表からm番目のエントリEmが取り出される。そして、次のステップS311で、エントリEmと要素Q[n]とで、それぞれのdataIDが一致しているかどうかが比較される。若し、一致していないとされれば、エントリEmが最後のレコードかどうかがステップS312で判断され、最後のレコードでないとされれば、ステップS313でレコードカウンタmが1だけインクリメントされ、処理は再びステップS310に戻される。
【0190】
ここで、ステップS312でエントリEmが最後のレコードであると判断されれば、処理はステップS319に移行し、要素Q[n]が最後の要素であるかどうかが判断される。若し、最後の要素であるとされれば、処理はステップS321に移行し、移動先機器に対して終了通知が送信され、移動元機器における一連の処理が終了される。また、ステップS319で要素Q[n]が最後の要素でないとされれば、処理は図15のステップS320で配列Q[]のカウンタnが1だけインクリメントされ、処理は再びステップS308に戻される。
【0191】
一方、上述のステップS311で、エントリEmと要素Q[n]とで、それぞれのdataIDが一致しているとされれば、処理はステップS314に移行する。そして、ステップS314では、移動元機器においてエントリEmに記録された移動時刻(Em.time)と、移動先機器において要素Q[n]に記録された移動時刻(Qn.time)とが比較される。
【0192】
ステップS314において、移動時刻(Em.time)と移動時刻(Qn.time)とが同時であるとされれば、処理はステップS319に移行し、次の要素が調べられる。また、ステップS314において、エントリEmに記録された移動時刻(Em.time)の方が移動時刻(Qn.time)よりも新しいとされば、処理はステップS315に移行し、移動先機器に対して移動先機器更新要求が送信されると共に、更新するエントリEmが送信される。そして、処理はステップS319に移行し、次の要素が調べられる。
【0193】
一方、ステップS314で、エントリEmに記録された最新の移動情報の方が古いとされれば、ステップS316で、要素Q[n].dataIDで示されるデータの履歴を送信するよう、移動先機器に対して要求が送信される。後述するステップS362で、移動先機器においてこの送信要求が受信され、ステップS363で移動先機器から移動元機器に対して、移動先機器のデータ移動先管理表における要素Q[n].dataIDに対応するエントリEmが送信される。
【0194】
移動元機器において、送信されたこのエントリEmが受信されることで、要素Q[n].dataIDの履歴が得られ、次のステップS318で、エントリEmの移動先と移動時刻情報とが書き替えられる。そして、処理はステップS319に移行し、次の要素が調べられる。
【0195】
一方、上述したように、移動先機器では、図22のステップS357で移動元機器に対してデータ移動先管理表の全てのレコードを送信し終えたとして終了通知が送信された後、図23のステップS358で、移動元機器からの通信待ちの状態とされる。そして、移動元機器からの通信を受信すると、ステップS359で、その内容が判断される。
【0196】
通信内容が上述のステップS321による終了通知であれば、処理はステップS364に移行し、移動元機器における処理が終了したことが受信され、移動先機器における一連の処理が終了される。
【0197】
一方、ステップS359において、通信内容が上述のステップS315による履歴更新通知であるなら(ステップS360)、通知と共に送信されたエントリEmが受信され、処理はステップS361に移行する。そして、ステップS361では、受信したエントリEmに基づき、移動先機器のデータ移動先管理表において、Em.dataID=Ek.dataIDを満たすエントリEmが書き替えられる。そして、処理はステップS358に戻され、再び移動元機器からの通信の受信待ち状態とされる。
【0198】
さらに、ステップS359において、通信内容が上述のステップS316による履歴送信要求であれば、次のステップS363で、要素Q[n].dataIDに対応するエントリEmが送信される。そして、処理はステップS358に戻され、再び移動元機器からの通信の受信待ち状態とされる。
【0199】
なお、移動先機器あるいは移動元機器の何れか一方がミュージックサーバ50である場合も、同様の処理がなされる。また、これに限らず、ミュージックサーバ50は、移動元機器の動作を行うと予め決めておいてもよい。この場合、ミュージックサーバ50に接続された移動先機器がステップS362で履歴送信要求を受信し、移動先機器のデータ移動先管理表内のエントリEmを送信した後(ステップS363)、若し、移動先機器にEk.dataIDの示すデータの利用権を、移動先機器が所有しなければ、エントリEmを移動先機器のデータ移動先管理表から消去してもよい。
【0200】
なお、所有権の有無を確認するには、移動先機器が移動先機器のデータ管理表内の、Ek.dataIDに一致するデータ識別子をもつレコードのフラグをみればよい。
【0201】
最後に、経路情報マップ400に基づいて各データの経路および異動先をミュージックサーバ50の表示装置に表示する内容と方法を説明する。この表示では、上述の、図18および図19Aで説明した曲リストウィンドウ310と移動先機器リストウィンドウ320とが用いられると共に、図24に一例が示される履歴ウィンドウと、図25に一例が示される移動元機器別曲リストウィンドウとが用いられる。なお、以下の説明において、曲リストウィンドウと移動元機器リストウィンドウとについては、上述と共通であるため詳細な説明を省略する。
【0202】
履歴ウインドウ500は、曲名表示部501と、履歴表示部502を持つ。履歴表示部502は曲名表示部501に表示された曲データの移動履歴を移動順に表示し、移動先機器名表示選択部503と移動時刻表示部504からなる。移動先機器名表示選択部503は、ユーザの指示により特定の移動元機器を選択できるようになっている。移動時刻表示部504は、移動先機器名表示選択部503で表示された移動元機器に対して、曲名表示部501に表示されたデータが移動された時刻が表示される。
【0203】
移動先機器別曲リストウインドウ510は、移動先機器名表示部511と、曲名表示部512と移動時刻表示部513とを持つ。曲名表示部512には、移動先機器名表示部511に表示された移動元機器に移動している曲が全て表示される。なお、単に表示されるだけでなく、ユーザの指示により特定の曲名を選択できるようにしてもよい。その場合、移動先機器別曲リストウインドウ510は、履歴ボタン514を持ち、ユーザが曲名表示部中512の特定の曲名を選択し続いて履歴ボタン514を押したときに、ユーザが選択した曲データの履歴ウインドウ500が開くようにしておく。移動時刻表示部513は、曲名表示部512に表示された各曲データが移動元機器表示部511に表示された移動元機器に移動された時刻が表示される。
【0204】
次に、上述した各ウィンドウによる、各音楽データの経路および移動先の表示方法について説明する。ユーザが特に何も指示しなければ、ミュージックサーバ50の表示部53には、デフォルト表示として、曲リストウインドウ310と移動元機器機器リストウインドウ501とが表示されている。
【0205】
ユーザが曲リストウインドウ310の曲名表示・選択部311に表示された曲の中から、移動元機器に移動している特定の曲(移動マーク表示部312に移動マーク315がついている曲)、例えば「title5」で示される曲を選択し、続いて同じ行にある移動マーク表示部312の移動マーク315をクリックしたときに、該当する曲の履歴ウインドウ500が開く。
【0206】
ユーザによって、移動元機器リストウインドウ320に表示された移動元機器名の中から、特定の移動元機器名が選択される。すると、対応する移動先機器の移動先機器別曲リストウインドウ510が開かれる。
【0207】
これに限らず、ユーザによって、履歴ウインドウ500の移動先機器名表示選択部503に表示された移動元機器名の中から、特定の移動元機器名、例えば「jupiter」が選択された際に、選択された移動元機器の移動先機器別曲リストウインドウ510が開くようにすることもできる。また、ユーザによって、移動先機器別曲リストウインドウ510の曲名表示部503に表示された移動元機器名の中から、特定の曲名、例えば「title5」で示される曲が選択されると、対応する音楽データの履歴ウインドウ500が開くようにしてもよい。
【0208】
各画面表示の方法について説明する。先ず、曲リストウインドウ310について説明する。ミュージックサーバ50において、自身のデータ管理表が参照される。そして、登録された全ての曲データ識別子Midn(n=1,2,・・・)に対応する曲名Mn(n=1,2,・・・)が曲リストウインドウ310の曲名表示・選択部311に表示される。
【0209】
さらに、データ管理表のデータ識別子Midk(k∈{1,2,・・・})のフラグが調べられ、フラグが立っている場合には、曲リストウインドウ310の移動マーク表示部312の、曲名Mkに対応する部分に対して移動マーク315が表示される。
【0210】
さらにまた、このとき情報経路マップ400が参照され、データ識別子Midkと同じ識別子を持つ経路情報エントリEm(m∈{1,2,・・・})(Midk=Em.dataID)の、最新の移動履歴404から、移動元機器((Em.counter)th Em’s id)と移動時刻((Em.counter)th Em’s time)とが取り出される。そして、移動先機器名表示部313と移動時刻表示部314中の曲名Mkに対応する部分にそれぞれ表示する。
【0211】
次に、移動元機器リストウインドウ320について説明する。ミュージックサーバ50において、自身の機器識別子管理表が参照され、登録された全ての機器の名前(nickname)をが表示される。
【0212】
次に、履歴ウインドウ500について説明する。履歴ウインドウ500は、ユーザによって曲リストウインドウ310の移動マーク315が指定されたときに開かれる。このとき、曲名表示部501には、ユーザによって曲リストウインドウ310において指定された曲名Mn(n∈{1,2,・・・})が表示される。
【0213】
また、ミュージックサーバ50において、自身の経路情報マップ400が参照され、曲名Mnの識別子Midn同じ識別子を持つ経路情報エントリEm(m∈{1,2,・・・},Midk=Em.dataID)の移動履歴404)が新しい方から順に履歴表示部502へ表示される。
【0214】
最後に、移動先機器別曲リストウインドウ510について説明する。移動先機器別曲リストウインドウ510は、移動元機器リストウインドウ320において、移動元機器名が選択され指定されたときに開かれる。このとき、曲名表示部512には、ユーザによって移動元機器リストウインドウ320で選択された移動元機器名Tn(n∈{1,2,・・・})が表示される。
【0215】
また、ミュージックサーバ50において、自身の情報経路マップ400が参照され、各経路情報エントリEm(m=1,2,・・・)の最新の移動履歴404の移動元機器識別子((Em.counter)th Em’s id)と、曲名表示部512に表示した移動元機器の機器識別子Tidとが一致するエントリ(Ek(k∈{1,2,・・・})が調べられる。そして、該当する曲データ識別子Ek.dataIDと移動時刻((Ek.counter)th Ek’stime)が取り出され、曲名表示部512と移動時刻表示部513とにそれぞれ表示される。ただし、曲データ識別子Ek.dataIDについては、データ管理表が参照され、対応する曲名Mn(n∈{1,2,・・・},Midn=Ek.dataID)が表示される。
【0216】
なお、上述では、移動元機器と移動先機器とを固定的に説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、移動元機器あるいは移動先機器同士は、互いに対称な関係にあるので、どちらの機器が移動元機器の動作をし、どちらの機器が移動先機器の動作をしてもよい。これは、例えばミュージックサーバ50に管理される機器についても、同様である。
【0217】
しかしながら、実際の動作に当たっては、接続された機器間で、何方が移動先で何方が移動元であるかを決める必要がある。これには、例えば互いに相手の機器識別子を交換した際に、相手の機器識別子と自分の機器識別子とを互いに比較する。そして、機器識別子の順列が相手よりも自分の方が小さいならば、その機器を移動元機器として、大きければ移動先機器とするようにすればよい。このような取り決めは、この例に限らず、様々な方法で行うことができる。
【0218】
また、上述では、各音楽データの移動先などの管理のために、データ移動先管理表を作成した。これはこの例に限定されず、例えば、特にミュージックサーバ50においては、さらに図26に一例が示されるような、移動データ管理表を作成するようにしてもよい。この移動データ管理表は、機器識別子で区別できるレコードの集合で構成される。各レコードには、機器識別子で示される機器に移動している音楽データのデータ識別子と、そのデータの移動時刻とが組にされ記録されていく。これら、データ識別子と移動時刻とは、データ移動先管理表から抽出することができる。例えばこの移動データ管理表を用いて機器別に表示を行う場合には、表の内容に基づき、各機器に移動されているデータを移動時刻の順などの、所定順で並び替えて表示される。
【0219】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、各機器が音楽データの移動先や、移動の経路を把握することができるという効果がある。
【0220】
また、この発明によれば、ミュージックサーバおよび携帯記録再生装置との間での音楽データの移動のみならず、携帯記録再生装置同士で音楽データの移動を行っても、各機器、とくにミュージックサーバは、各データの移動先や移動経路を把握することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるミュージックサーバおよびミュージックサーバを用いたシステムを概略的に示す略線図である。
【図2】ミュージックサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】CD−ROMドライブで読み出された音楽データがHDDに記録されるまでの信号フローを概略的に示す図である。
【図4】HDDから読み出された圧縮音楽データが再生処理されて端子に導出されるまでの信号フローを概略的に示す図である。
【図5】携帯記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】携帯記録再生装置の他の例を示すブロック図である。
【図7】ミュージックサーバにおける、CDの音楽データをHDDに記録する際の処理の一例のフローチャートである。
【図8】CDの音楽データをHDDに高速記録する際の課金処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】この発明による音楽データの移動の処理の一例のフローチャートである。
【図10】移動先機器の識別子が記録される機器識別子管理表の一例を示す略線図である。
【図11】各音楽データに付された曲データ識別子ならびに移動フラグが管理されるデータ管理表の一例を示す略線図である。
【図12】曲データ識別子と移動先機器識別子と移動時刻とからなるレコードの集合で構成されるデータ移動先管理表の一例を示す略線図である。
【図13】移動元機器と移動先機器とを接続して移動元機器に記録されている音楽データMを移動先機器に移動させる場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】データ移動先管理表の更新について説明するための略線図である。
【図15】データ移動先管理表の照合による更新について説明するためのフローチャートである。
【図16】データ移動先管理表の照合による更新について説明するためのフローチャートである。
【図17】この実施の一形態に適用できる音楽データの構造の一例を示す略線図である。
【図18】ミュージックサーバに表示される、音楽データの移動先を示す曲リストウィンドウの一例を示す略線図である。
【図19】各移動先機器に移動されている音楽データを端末別に表示する例を示す略線図である。
【図20】経路情報マップの構造の一例を示す略線図である。
【図21】移動先機器と移動元機器とを接続して移動先機器にある音楽データMを移動元機器に移動させる場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】移動先機器と移動元機器とを接続して互いの経路情報マップを照合更新するときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図23】移動先機器と移動元機器とを接続して互いの経路情報マップを照合更新するときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】音楽データの移動履歴を表示するための履歴ウィンドウの一例を示す略線図である。
【図25】音楽データの移動元機器をリスト表示するための移動元機器別曲リストウィンドウの一例を示す略線図である。
【図26】移動データ管理表の一例を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・ミュージックサーバの入力手段、8・・・ミュージックサーバのCPU、9・・・CD−ROMドライブ、10・・・ミュージックサーバのハードディスクドライブ、11・・・ミュージックサーバのバッファメモリとしてのDRAM、12・・・ミュージックサーバの圧縮エンコーダ、19・・・通信回線、20・・・モデム、21・・・ミュージックサーバの圧縮デコーダ、26・・・ミュージックサーバのLCD、34,35・・・インターフェイス、40・・・バス、50・・・ミュージックサーバ、55・・・CD、60・・・インターネットサーバ、70・・・携帯記録再生装置、106・・・携帯記録再生装置のハードディスクドライブあるいはフラッシュRAM、107・・・携帯記録再生装置のバッファメモリとしてのDRAM、108・・・携帯記録再生装置の圧縮エンコーダ、115・・・携帯記録再生装置の圧縮デコーダ、120・・・携帯記録再生装置のLCD、130・・・携帯記録再生装置のバス、200・・・スイッチ回路
Claims (10)
- データが格納されると共に、上記格納されたデータを再生する第1および第2の電子機器と、
上記第1の電子機器の格納される上記データを少なくとも上記第2の電子機器に移動あるいは複製する複製手段と
を備え、
上記第1の電子機器に格納される上記データが所定の他の電子機器に移動あるいは複製されたとき、上記第1の電子機器に上記移動あるいは複製された所定の上記データに相対して上記データの移動あるいは複製先の上記他の電子機器の識別子を記憶すると共に、上記移動あるいは複製の時刻を記憶するようにしたことを特徴とする記録システム。 - 請求項1に記載の記録システムにおいて、
さらに、
上記データが上記第1の電子機器から上記第2の電子機器に移動あるいは複製される際、上記第2の電子機器に相当する識別子を記憶する機器識別子記憶手段と、
上記データが上記第1の電子機器から上記第2の電子機器に移動あるいは複製される際、上記データに相当する識別子を記憶する情報識別子記憶手段と、
上記データが上記第1の電子機器から上記第2の電子機器に移動あるいは複製される時刻を記憶する時刻記憶手段と、
上記第1の電子機器あるいは上記第2の電子機器に記憶される第1の情報識別子と他の電子機器に記憶される第2の情報識別子とを照合する照合手段と、
上記照合手段により上記第1の情報識別子と上記第2の情報識別子とが、第1の情報識別子と第2の情報識別子との比較に応じて上記機器識別子情報を更新すると共に、各々の情報識別子に相当する時刻記憶手段に記憶される時刻情報に応じて上記機器識別子情報を更新する更新手段と
を備えることを特徴とする記録システム。 - 請求項1に記載の記録システムにおいて、
上記照合手段により上記第1の情報識別子と上記第2の情報識別子とが一致していると判別されるとき、各々の情報識別子に相当する時刻記憶手段に記憶される時刻情報の古い方の上記機器識別子情報を更新することを特徴とする記録システム。 - 請求項1に記載の記録システムにおいて、
上記移動あるいは複製された所定の上記データと、上記データの移動あるいは複製先の上記他の電子機器の識別子と、上記移動あるいは複製の時刻とを互いに対応付けて表示する表示手段をさらに有することを特徴とする記録システム。 - データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される際、上記第1の電子機器に相当する識別子を記憶する移動元機器識別子記憶手段と、
上記データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される際、上記第2の電子機器に相当する識別子を記憶する移動先機器識別子記憶手段と、
上記データが上記第1の電子機器から上記第2の電子機器に移動あるいは複製される時刻を記憶する時刻記憶手段と、
上記第1の電子機器から上記第2の電子機器に移動あるいは複製される上記データに上記移動元機器識別子,上記移動先機器識別子,および上記時刻を付加する付加手段と
を備えることを特徴とする記録システム。 - 請求項5に記載の記録システムにおいて、
上記付加手段によって付加された付加情報を、上記第1の電子機器に複製することを特徴とする記録システム。 - 請求項5に記載の記録システムにおいて、
上記第1の電子機器と上記第2の電子機器との間で、上記付加手段によって付加された付加情報を互いに更新することを特徴とする記録システム。 - 請求項5に記載の記録システムにおいて、
上記データと上記移動先機器識別子とを上記時刻に基づき一覧表示する表示手段をさらに有することを特徴とする記録システム。 - データが格納されると共に、上記格納されたデータを再生する第1および第2の電子機器と、
上記第1の電子機器の格納される上記データを少なくとも上記第2の電子機器に移動あるいは複製する複製のステップと
を備え、
上記第1の電子機器に格納される上記データが所定の他の電子機器に移動あるいは複製されたとき、上記第1の電子機器に上記移動あるいは複製された所定の上記データに相対して上記データの移動あるいは複製先の上記他の電子機器の識別子を記憶すると共に、上記移動あるいは複製の時刻を記憶するようにしたことを特徴とする記録方法。 - データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される際、上記第1の電子機器に相当する識別子を記憶する移動元機器識別子記憶のステップと、
上記データが第1の電子機器から第2の電子機器に移動あるいは複製される際、上記第2の電子機器に相当する識別子を記憶する移動先機器識別子記憶のステップと、
上記データが上記第1の電子機器から上記第2の電子機器に移動あるいは複製される時刻を記憶する時刻記憶のステップと、
上記第1の電子機器から上記第2の電子機器に移動あるいは複製される上記データに上記移動元機器識別子,上記移動先機器識別子,および上記時刻を付加する付加のステップと
を備えることを特徴とする記録方法。
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