JP3941165B2 - 照明器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下面が開放された樋状の反射板の長手方向両端部外面に補強金具を夫々固定してなる反射体を備えた照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
直管形蛍光ランプを光源とする天井埋め込み形照明器具等が備える下面開放形の反射板は、一般に板金製であり、前記ランプの長さに応じて長いため、ねじれを生じる恐れがある。特に、複数の照明器具を長手方向に並べて互いに連結して構成される連結形照明装置としての使用において、反射体が備える樋状の反射板の長手方向の開放端を塞いだ反射端板を取り除いて、隣接する反射板相互を連結する場合には、反射板相互の連結部において反射端板がないことにより反射板の長手方向の端部の強度が低下するから、前記ねじれを生じる可能性が高まる。そこで、こうした反射板のねじれを抑制するために補強金具が使用されている。
【0003】
この補強金具は、反射板の幅方向の断面形状と略同形であって、反射板の長手方向両端部外面に幅方向に沿って配置され、その多数個所を反射板に対しスポット溶接することにより固定されている。
【0004】
又、連結形照明装置としての使用であっても、そうではなく単独の照明器具としての使用であっても、器具全体の長手方向両端には夫々反射板の開放端を閉鎖する板金製の反射端板が取付けられるが、この端板の反射板への固定もスポット溶接により行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記のようにスポット溶接で補強金具を反射板に固定する反射体は、溶接跡が露出するために、反射板をカラー鋼板で作ることができないという問題があるとともに、前記溶接跡を隠すために反射体全体を塗装する後処理を必要としている。又、ねじやリベット等の固定部品を使用すれば、溶接によることなく補強金具を反射板に固定できるが、その場合、部品点数が増えて製作が面倒になるとともに、多数の固定部品が視認されて反射板の体裁が損なわれる。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする第1の課題は、固定部品を使用したり溶接止めによることなく補強金具を反射板に固定でき、反射板をカラー鋼板製とできる照明器具を得ることにある。
【0007】
又、本発明が解決しようとする第2の課題は、反射体が有する反射端板又は連結形照明装置として使用する場合に隣接する反射板相互の連結に採用される連結板の反射板への固定を、固定部品を用いたり溶接止めによることなく行って前記第1の課題を解決できる照明器具を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、幅方向両側に断面逆U字状に折り返された上向き縁部を夫々有して下面が開放された樋状をなす反射板の長手方向両端部が、反射端板または連結される他の照明器具の反射体に備えられて前記反射板と同形状の反射板を取付け可能に開放されており、この両端部外面に、前記幅方向に沿って夫々補強金具が固定された反射体を具備する照明器具を前提とする。
【0009】
そして、前記第1の課題を解決するために、請求項1の発明は、前記上向き縁部が前記反射板の反射側壁と対向して折り返された折り返し片を有し、この折り返し片の前記反射板の長手方向両端部の下端に夫々開放して形成された切欠溝に、前記補強金具の長手方向両端に折り曲げて形成された係合端部を夫々引っ掛けて、前記反射板の長手方向両端部外面に沿うように夫々取付けられるとともに、前記反射板の長手方向両端部からこの端部外面に沿って折り曲げられた折り曲げ片と前記反射板の長手方向の端部とで前記補強金具の中間部を挟持して、前記補強金具を前記反射板の長手方向両端部外面に固定したことを特徴とする。
【0010】
この請求項1の発明において、樋状の反射板を補強する補強金具を反射板に固定するには、まず、補強金具がその両端に有する係合端部を、夫々反射板が有した断面逆U字状の上向き縁部の折り返し片に形成された切欠溝に下側から引っ掛ける。それにより、補強金具を反射板の長手方向の端部外面に幅方向に沿って添えるように配置する。前記引っ掛りにより、反射板の長手方向への補強金具の動き止めと、補強金具両端部の上方向への動き止めとがなされる。次に、反射板と一体の折り曲げ片を反射板の長手方向の端部外面に沿うように折り曲げて、これら端部と折り曲げ片との間で補強板の中間部を挟む。それにより、補強金具中間部の上方向への動き止めをして補強金具全体を反射板の長手方向の端部外面に密着させる。
【0011】
以上のように補強金具の両端部を反射板の上向き縁部に設けた切欠部に引っ掛けるとともに、補強金具の中間部を反射板の折り曲げ片を用いてこれと反射板の端部との間に挟持することにより、ねじ等の固定部品を用いたり溶接止めによることなく補強金具を反射板の外面に固定できる。
【0012】
前記第2の課題を解決するために、請求項1に従属する請求項2の発明は、前記補強金具の幅方向一側部に弾性変形可能な押え片を一体に設け、この押え片と前記反射板の長手方向の端部との間に、前記反射板の長手方向の開放端を塞いで設けられる反射端板の差込片又は隣接する反射板相互の連結を行う連結板が挿入される入口を形成し、前記押え片とこれに対向した前記反射板の長手方向の端部とでこれらの間に挿入された前記差込片又は前記連結板を固定したことを特徴とする。
【0013】
この請求項2の発明は請求項1の発明に従属するので、前記第1の課題を解決できることに加えて、前記補強金具を利用して、隣接する他の照明器具の反射板との連結を行う連結板又は反射端板の差込片を、固定部品を用いたり溶接止めによることなく補強金具を備えた反射板に固定できる。すなわち、補強金具は反射板の長手方向の端部との間に入口を形成する押え片を有しているから、前記入口から挿入された前記連結板又は差込片を、補強金具の押え片とこれが重なった反射板の長手方向の端部との間に挟んで固定でき、その固定に際して固定部品を用いたり溶接を必要とすることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図12を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0015】
連結形照明装置の構成を断面で示す図1中符号1は天井であり、1aは天井1の開口された器具取付け孔である。複数の照明器具2をその長手方向に連結して構成される連結形照明装置全体の長さに対応して器具取付け孔1aは長尺となっている。天井裏には器具取付け孔1aに臨んで所定間隔で多数本の吊りボルト3が配置されている。これらのボルト3の下端部にはワッシャ4が嵌合されるとともにナット5が螺合され、このナット5の締上げにより照明器具2が天井1に埋め込んで装着されるようになっている。
【0016】
前記連結形照明装置は、直線状に連続して並べられる複数の照明器具2と、隣接する照明器具2相互を連結する中央連結板6と、同様な連結をなす一対の側部連結板7、前記照明装置の長手方向両端に設けられるカラー鋼板製の反射端板8とを備える。
【0017】
各照明器具2は、金属製の器具本体11と、複数の金属製固定金具12(図1に1個のみ図示)と、金属製の反射体13と、光源をなす直管形蛍光ランプ14とを備えている。そして、反射体13は、下面開放形反射板15と、この反射板15の長手方向両端部外面に夫々固定された補強金具16とから形成されている。
【0018】
器具本体11は、下面が開放された細長い箱構造をなし、その内部には図示しないが放電灯安定器等の点灯装置、端子台、その他の必要な各種の電気部品が収容されている。更に、器具本体11の長手方向両端には夫々ソケット取付け金具17が取付けられている。第1の実施の形態に係る照明器具2は2灯用であるので、それに合わせて、器具本体11の両側壁11aの下端から幅方向外側に夫々突出する一対のソケットホルダー部17aを有したソケット取付け金具17が使用されているが、本発明は1灯式又は2灯以上の多灯式の照明器具に適用でき、それに適合する種類のソケット取付け金具17が採用される。ソケットホルダー部17aには前記ランプ14が取外し可能に装着されるランプソケット18が下向きに突出して設けられている。
【0019】
器具本体11の相対向する側壁11aの長手方向両端部には、縦長なスリットからなる連結孔19が夫々形成され、また、器具本体11の上壁11bにはその長手方向両端部等に吊りボルト導入孔20が開けられている。固定金具12は、それが有した係合爪12aを器具本体11の内側から連結孔19に引っ掛けることにより、器具本体11にこの本体11を幅方向に横断して連結されている。この固定金具12の長手方向両端部には夫々天井接触部12bが折り曲げられている。
【0020】
固定金具12が連結された器具本体11は次の手順で天井1に埋め込んで装着される。まず、固定金具12の天井接触部12bが器具取付け孔1aの幅方向両側の孔縁下面に当るまで、器具本体11及び固定金具12を器具取付け孔1aに挿入するとともに、その際に吊りボルト導入孔20の夫々に天井裏の吊りボルト3の下端部を夫々導入する。次に、各ボルト3の下端部にワッシャ4を嵌合するとともにナット5を螺合して締め上げる。それによって、天井接触部12bを器具取付け孔1aの縁部下面に強く密着させるとともに、器具本体11を複数本の吊りボルト3に吊持して天井1に装着できる。
【0021】
前記反射体13が備える反射板15は一枚のカラー鋼板を折り曲げてなるものであって、図1、図2、図4、及び図8等に示されるように略水平な平板状をなす反射天井壁15aの幅方向両側から斜め下方に折れ曲がる反射側壁15bを設けて下面が開放された樋状をなしていて、その内面は反射面となっている。更に、反射板15の幅方向両側には、反射側壁15bの下縁に連なって水平縁部21を介して断面逆U字状をなす上向き縁部22が一体に形成されている。したがって、水平縁部21と上向き縁部22とは概ね断面L字状の張り出し開口縁を形成し、この開口縁は前記器具取付け孔1aの孔縁を下側から覆い隠すようになっている。上向き縁部22は折り返し片22aを有している。この折り返し片22aは水平縁部21の上方に離れており、その長手方向両端部には図8(D)(E)に示される切欠溝23が夫々形成されている。切欠溝23は、浅く、かつ、水平縁部21側に開放されている。
【0022】
反射天井壁15aの長手方向両端部には、図8(B)(C)等に示されるようにソケット通し部24が夫々切り欠いて形成されているとともに、この通し部24内に突出される折り曲げ片25が設けられている。ソケット通し部24は、照明器具2が2灯式であるので、それに合わせて一対設けられているとともに、夫々のソケット通し部24について例えば一対の折り曲げ片25が設けられている。折り曲げ片25は、ソケット通し部24の縁部外面に重なるように折り曲げられてソケット通し部24の外部に配置されるものであり、それによって同時に、ソケット通し部24が適正な大きさの矩形形状となるようにしてある。
【0023】
前記樋状をなす反射板15のねじれを抑制するために設けられる補強金具16は、一枚の金属板を図9(B)等に示されるように反射板15の幅方向の断面形状と略同形の形状に折り曲げて形成されていて、反射天井壁添接部16aと、この長手方向両端から折り曲げられた反射側壁添接部16bと、これら添接部16bから夫々折り曲げられた水平縁部添接部16cと、これら添接部16cから夫々折り曲げられた係合端部16dとから形成されている。係合端部16dは水平縁部添接部16cと断面V字形状を作るように折り曲げられており、この端部16dはその曲げ方向に弾性変形が可能である。
【0024】
この補強金具16には係合端部16d以外の部分にわたって連続する強度向上用の第1リブ31、これよりも短い第2リブ32とが夫々形成されている。そして、図9(A)等に示されるように反射天井壁添接部16aの幅方向一端側は、反射板15の長手方向の端部の凹凸形状に対応して同様な凹凸形状をなしている。すなわち、33はソケット通し部24に対応する一対の凹みであり、34はこれら凹み33間に形成された補助凹みであり、35は各凹み33、34の両側に位置される凸板部である。なお、補助凹み34を省略して、その部分を盲板状としてもよいが、この凹み34を設けることにより、中央連結板6又は反射端板8の後述する差込片の挿入抵抗を小さくして組立てを容易化できるようにしてある。
【0025】
各凸板部33及び反射側壁添接部16bと水平縁部添接部16cには、図5〜図7等に示されるように少し立ち上がる根元部37を設けて夫々押え片38が一体に延設されている。これらの押え片38は、弾性変形可能であって、その先端部に斜めに折り曲げられた導入片38aを有するとともに、これら導入片38aと根元部37との間に位置して半球状のストッパ凸部39を有している。
【0026】
前記構成の補強金具16は、反射板15の長手方向両端部外面に反射板15の幅方向に沿って夫々固定されている。これら補強金具16の固定は次の手順で行われる。まず、夫々の係合端部16dを水平縁部添接部16c側に近づくように弾性変形させながら、反射板15の上向き縁部22の内側に入れて折り返し片22aの切欠溝23に係合させる。
【0027】
それにより、係合端部16dが若干撓んだ状態で切欠溝23に引っ掛かるとともに、その復元しようとする弾性力で、反射板15の長手方向の端部外面にこの反射板15の幅方向に沿うように配置された補強金具16全体を前記端部外面に接するように保持できる。しかも、係合端部16dと切欠溝23の長さは略等しいから、これらの長手方向に沿う引っ掛かりによる位置決めで、反射板15の長手方向に沿って補強金具16が不用意に動くことを防止できる。
【0028】
しかも、こうした引っ掛りにより保持された補強金具16の凹み33が、反射板15のソケット通し部24に丁度連通されると同時に、反射天井壁添接部16aに設けられた凸板部35が、反射天井壁15aの長手方向の端部におけるソケット通し部24の両側の板部上に重なるとともに、反射側壁添接部16bに設けられた凸板部35が反射側壁15bの長手方向の端部上に重なり、同様に、水平縁部添接部16cに設けられた凸板部35が水平縁部21の長手方向の端部上に重なる。それにより、各凸板部35の押え片38の弾性力でストッパ凸部39が反射板15の長手方向の端部外面に押付けられるとともに、この長手方向端部との間に押え片38の導入片38aとの間にストッパ凸部39に向けて次第に狭くなる入口40が形成される。
【0029】
次に、ソケット通し部24に突出されている各折り曲げ片25を、ソケット通し部24に隣接している凸板部35上に重なるように夫々折り曲げてかしめる。それにより、これら凸板部35、言い換えれば、補強金具16の中間部を、反射天井壁15aの長手方向端部と折り曲げ片25との間に挟んで、補強金具16の反射板15への密着性をより高めるとともに、補強金具16が反射板15から上方に不用意に動くことを防止できる。図2、図3、及び図5等に折り曲げ片25が補強金具16を固定した状態が示されている。
【0030】
すなわち、以上の手順により補強金具16を反射板15の端部外面に固定することができる。なお、前記手順に代えて、予め折り曲げ片25を反射天井壁15aに対して直角に起き上がった状態に曲げて置いてから、既述の手順を実行しても良い。
【0031】
前記手順で組立てられた反射体13は、前記固定金具12の下側に配置されるように器具取付け孔1aに挿入された後、反射板15の反射天井壁15aを上方に貫通して固定金具12に設けられた図示しないねじ受け部に化粧ねじ41を螺合することにより、器具取付け孔1a及びその孔縁を覆い隠して天井1に取付けられる。そして、この取付けにより、前記各ランプソケット18が反射板15のソケット通し部24を下方に挿通して反射体13の内側に配置されるものであり、これらのソケット18を用いて反射体13内に蛍光ランプ14が取付けられる。
【0032】
次に、隣接した各照明器具2相互を連結する金属製の各連結板6、7について説明する。図10等に示されるように中央連結板6は、略短冊状をなすものであって、その長手方向両端部に幅方向両側から夫々切り欠いた凹部45を有しているとともに、この近傍に位置して幅方向に延びるビード46を有している。この中央連結板6は、その幅方向半分を隣接した照明器具2の内の一方に固定するとともに、残る幅方向半分を他方の照明器具2に固定することにより、隣接した2つの照明器具2の反射板15の反射天井壁15a相互を連結する。
【0033】
この連結において中央連結板6は前記入口40から反射天井壁15aの端部とこれに重なった凸板部35の押え片38との間に、押え片38の弾性変形を伴いながら挿着される。この時、凹部45はストッパ凸部39に嵌合されるから、過大な挿入力を要しない。しかも、各ビード46が補助凹み34の相対向する側縁に係合されるので、その引っ掛かりにより、中央連結板6が長手方向、言い換えれば、反射体13の幅方向への不用意な位置ずれを防止して隣接した反射板15相互の連結強度を高めることができる。
【0034】
一対の側部連結板7は、図11に示されるように天井壁重なり部7aと、この一端から下方に折り曲げられた側壁重なり部7bと、この下端から折り曲げられたL字状の張り出し開口縁重なり部7cとを有している。天井重なり部7aにはその幅方向両側から凹部47が夫々設けられているとともに、各重なり部7a〜7cの夫々にはその幅方向両端部に位置して夫々長孔からなる係合孔48が開けられ、更に、前記重なり部7cにはその幅方向中央部から側壁重なり部7bに向けて突出するストッパ突片49が折り曲げられている。
【0035】
これら側部連結板7は、その幅方向半分を隣接した照明器具2の内の一方に固定するとともに、残る幅方向半分を他方の照明器具2に固定することにより、隣接した2つの照明器具2の反射板15相互を連結する。
【0036】
この連結において側部連結板7は、前記入口40から反射天井壁15aにおける反射側壁15b側の端部とこれに重なった凸板部35の押え片38との間、反射側壁15b及び水平縁部21の長手方向端部とこれに重なった凸板部35の押え片38との間に、夫々押え片38の弾性変形を伴いながら挿着される。この時、凹部47はストッパ凸部39に嵌合される。又、係合孔48は夫々前記押え片38のストッパ凸部39に嵌合される。この状態は図6に代表して示されている。したがって、これらの引っ掛りにより、隣接した反射板15相互の長手方向についての連結強度を高めることができる。しかも、この時ストッパ突片49は図8(D)に示す切り欠き50に嵌合し、それにより、側部連結板7の挿入方向の位置決めがなされる。
【0037】
なお、前記のように反射板15相互が連結されて隣接する照明器具2においては、その器具本体11の長手方向の端部相互も図示しない適当な連結構造を介して連結されるものである。
【0038】
又、前記照明装置の長手方向両端に位置される照明器具2の非連結側の端面に位置して反射体13の開放された端面を塞ぐ反射端板8は、カラー鋼板を一体に折り曲げて図4及び図12等に示されるように形成されている。すなわち、前記開放端面と同様な形状をなす端板主部51の上縁及び傾斜した側縁からは夫々1以上の差込片52及び53が折り曲げられているとともに、前記張り出し開口縁に対応して端板主部51の下縁を外側に折り曲げて形成された端板張り出し開口縁54の両端部にも夫々差込片55が折り曲げられている。これら各差込片52、53、55には夫々長孔からなる係合孔56が開けられている。更に、端板主部51には、その上縁から折り曲げられた4つの差込片52のうちの中間に位置された2個の差込片52の根元部に対向する反射板支え57が、外面から内面に向けて押し出されるように突出されている。以上の構成の反射端板8の内面(前記開口縁54の張り出し方向とは反対側の面)は反射面となっている。
【0039】
この反射端板8は、反射天井壁15aの端部外面に各差込片52が重なり、反射側壁15bの端部外面に各差込片53が重なり、かつ水平縁部21の端部外面に各差込片55が重なるように、これら差込片52、53、55を、前記入口40から反射板15の長手方向の端部とこれに重なった凸板部35の押え片38との間に、夫々押え片38の弾性変形を伴いながら挿入することにより、器具本体11にその開放された端面を塞いで固定される。この時、係合孔56は夫々前記押え片38のストッパ凸部39に嵌合される。この状態は図7に代表して示されている。したがって、これらの引っ掛りにより、器具本体11への反射端板8の連結強度を高めることができる。しかも、このような取付けに伴って、反射天井壁15aの長手方向の端縁15a1が、図7に示されるように押え片38と反射板支え57との間にこれらに挟まれるように挿入されて反射板支え57により下側から支えられる。そのため、反射天井壁15aの長手方向の端部においてその幅方向中央部が最も下がるようにたるむことを防止できる。
【0040】
そして、前記構成の連結形照明装置をなす各照明器具2が備える反射体13において、その反射板15の外面に補強金具16を固定するには、既述のように補強金具16がその両端に有する係合端部16dを、夫々反射板15が備える断面逆U字状の上向き縁部22の折り返し片22aに形成された切欠溝23に下側から引っ掛けてから、反射板15と一体の折り曲げ片25を反射板15の長手方向の端部外面に沿うように折り曲げて、これら端部と折り曲げ片25との間で補強金具16の中間部をかしめるように挟んで、補強金具16全体を反射板15の長手方向の端部外面に密着させればよい。このようにねじ等の固定部品を用いたり溶接止めによることなく補強金具16を反射板15の外面に固定できる。そのため、補強金具16が固定される反射板15をカラー鋼板製とできる。
【0041】
しかも、補強金具16は反射板15の長手方向の端部との間に入口40を形成する押え片38を有しているから、隣接する照明器具2の反射体13同志の連結を行う連結板6、7、又は連結形照明装置の端部に位置する照明器具2に取付けられる反射端板8の差込片52、53、55を、前記入口40から挿入することにより、これらを補強金具16の押え片38とこれが重なった反射板15の長手方向の端部との間に挟んで固定できるから、この固定に際してもねじ等の固定部品を用いたり溶接を必要とすることがない。そのため、反射板15及び反射端板8をカラー鋼板製とできる。
【0042】
そして、このようにカラー鋼板を採用できるので、反射体13の組立て後、又はこの反射体13に反射端板8を組み付けた後に、塗装作業を必要とすることがないので、製造性がよく安価で、かつ反射特性にばらつきがない高品質な器具を作ることができるとともに、ねじ等の固定部品が多数露出する場合のように下面開放型の反射体13の体裁、ひいてはこの反射体13を備える器具全体の体裁が損なわれることもない。
【0043】
なお、前記第1の実施の形態は連結形照明装置に使用される照明器具に適用した例であるが、本発明は、図13に示される非連結型の照明器具にも適用できる。この第2の実施の形態において、反射体13は、下面が開放された反射板15の長手方向両端部外面に夫々補強金具16を固定するとともに、反射板15の長手方向両端の開放された端面を塞いで反射端板8を夫々固定して形成されている。この第2の実施の形態においても本発明の課題を前記第1の実施の形態と同様に解決できる。なお、図13に示した第2の実施の形態は基本的には前記第1の実施の形態と同様な構成であるので、同様構成部分には前記第1の実施の形態と同じ符号を付してある。
【0044】
又、前記各実施の形態は、ソケット通し部24を打ち抜く部分の板部を利用して折り曲げ片25を設けたから、反射板15の材料取りが良いとともに、折り曲げ片25を折り曲げた跡が反射板15の体裁を損なわない点で優れている。しかし、これに限らず本発明においては、反射板15の端面から長手方向に延出して折り曲げ片25を設けてもよく、或いは折り曲げた跡が溝や孔となって反射板15の端部に残るように折り曲げ片25を設けても良い。
【0045】
又、本発明は前記各実施の形態に係る天井埋め込み形の照明器具に拘らず、天井直付け形の照明器具にも適用できる。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0047】
請求項1に記載の発明によれば、反射体の体裁を損なうねじ等の固定部品を使用したり、反射体の組立て後に塗装を要する溶接止めによることなく、補強金具を反射板の外面に固定できるので、補強金具が固定される反射板をカラー鋼板製とすることができる。
【0048】
請求項1に従属する請求項2に記載の発明によれば、補強金具の押え片と反射板の長手方向の端部との間に形成された入口を通して挿入される連結板又は反射端板の差込片を、固定部品を用いたり溶接を必要とすることなく、前記押え片と反射板の長手方向の端部との間に挟んで固定でき、それにより、反射板をカラー鋼板製とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る連結形照明装置の構成を示す断面図。
【図2】第1の実施の形態に係る連結形照明装置の連結部回りの構成を分解して示す斜視図。
【図3】第1の実施の形態に係る連結形照明装置が備える反射体の長手方向一端部の構成を示す斜視図。
【図4】第1の実施の形態に係る連結形照明装置が備える反射体の長手方向一端部の構成を分解して示す斜視図。
【図5】図2中Z−Z線に沿って示す断面図。
【図6】連結板が反射板の端部に固定された状態を図2中Y−Y線に沿って示す断面図。
【図7】反射端板が反射板の端部に固定された状態を図2中Y−Y線に沿って示す断面図。
【図8】(A)は第1の実施の形態に係る連結形照明装置が備える反射板の端部の構成を示す側面図。
(B)は図8(A)の反射板端部を示す平面図。
(C)は図8(A)の反射板端部を端面方向から見て示す図。
(D)は図8(B)中X−X線に沿って示す断面図。
(E)は図8(D)中W−W線に沿って示す断面図。
【図9】(A)は第1の実施の形態に係る連結形照明装置が備える補強金具の構成を示す平面図。
(B)は図9(A)の補強金具を示す正面図。
(C)は図9(A)の補強金具を示す側面図。
【図10】第1の実施の形態に係る連結形照明装置が備える中央連結板の構成を示す斜視図。
【図11】第1の実施の形態に係る連結形照明装置が備える側部央連結板の構成を示す斜視図。
【図12】(A)は第1の実施の形態に係る連結形照明装置が備える反射端板の一部の構成を示す平面図。
(B)は図12(A)の反射端板の一部の構成を示す正面図。
(C)は第1の実施の形態に係る連結形照明装置が備える反射端板全体の構成を示す側面図。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る照明器具の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
2…照明器具、6…中央連結板、7…側部連結板、8…反射端板、13…反射体、15…反射板、15b…反射側壁、16…補強金具、16d…係合端部、22…上向き縁部、22a…折り返し片、23…切欠溝、25…折り曲げ片、38…押え片、40…入口、52、53、55…差込片。
Claims (2)
- 幅方向両側に断面逆U字状に折り返された上向き縁部を夫々有して下面が開放された樋状をなす反射板の長手方向両端部が、反射端板または連結される他の照明器具の反射体に備えられて前記反射板と同形状の反射板を取付け可能に開放されており、この両端部外面に、前記幅方向に沿って夫々補強金具が固定された反射体を具備する照明器具において、
前記上向き縁部が前記反射板の反射側壁と対向して折り返された折り返し片を有し、この折り返し片の前記反射板の長手方向両端部の下端に夫々開放して形成された切欠溝に、前記補強金具の長手方向両端に折り曲げて形成された係合端部を夫々引っ掛けて、前記反射板の長手方向両端部外面に沿うように夫々取付けられるとともに、前記反射板の長手方向両端部からこの端部外面に沿って折り曲げられた折り曲げ片と前記反射板の長手方向の端部とで前記補強金具の中間部を挟持して、前記補強金具を前記反射板の長手方向両端部外面に固定したことを特徴とする照明器具。 - 前記補強金具の幅方向一側部に弾性変形可能な押え片を一体に設け、この押え片と前記反射板の長手方向の端部との間に、前記反射板の長手方向の開放端を塞いで設けられる反射端板の差込片又は隣接する反射板相互の連結を行う連結板が挿入される入口を形成し、前記押え片とこれに対向した前記反射板の長手方向の端部とでこれらの間に挿入された前記差込片又は前記連結板を固定したことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
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