JP3839630B2 - 昇降機の開閉扉の貼合わせガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、網入り板ガラスに透明板ガラスを貼り合わせて構成する昇降機の開閉扉に嵌め込む覗窓ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の代表的なエレベータの断面図であり、昇降機100の開閉扉101に防犯用の覗窓ガラス102を取り付け、昇降路110の開閉扉111に防犯用の覗窓ガラス112を取り付けた状態を示す。
各々の開閉扉101,111に覗窓ガラス102,112を取り付けることで、昇降機100の室内100aを外側から見えるようにしたので防犯効果を高めることができる。
なお、各々防犯用の覗窓ガラス102,112は同一部材なので、覗窓ガラス102について説明して、覗窓ガラス112の説明を省略する。
【0003】
図8は図7の8部拡大図である。
覗窓ガラス102は、網入り板ガラス103に、網入り板ガラス103より一廻り小さい透明板ガラス104をポリビニルブチラールなどの中間膜105で貼り合わせた合せガラスである。
網入りガラス103、透明板ガラス104、中間膜105及び開閉扉101の厚さを、各々t11、t12、t13及びt14とすれば、t11を6.8mm、t12を2.0mm、t13を0.38mm、t14を1.6mmとする例が多い。
【0004】
すなわち、開閉扉101は金属板を使用するので薄くてよく、透明板ガラス104は製造過程で圧力を掛ける都合上、比較的厚い2.0mmとしたわけである。
透明板ガラス104が開閉扉101より厚いため、スペーサ106を入れて透明板ガラス104の位置を調節することで、開閉扉101の内面(図左側の面)101bと透明板ガラス104の内面104aとを面一にするようにしている。
【0005】
図9は従来の覗窓ガラスの製造方法を説明したフローチャートであり、図中ST×××はステップ番号を示す。
ST100;網入り板ガラス及び透明板ガラスのそれぞれの素板を切断した後、切断した網入り板ガラス及び透明板ガラスを洗浄して乾燥する。
ST101;ポリビニルブチラールなどの中間膜を切断する。
【0006】
ST102;クリーンルームで網入り板ガラスと透明板ガラスとの間に中間層を貼り合わせて3層板にする。
ST103;3層板を仮接着する。
ST104;仮接着した3層板を、オートクレーブ内において高温、高圧で本接着(圧着)して覗窓ガラス(すなわち、合せガラス)を得る。
ST105;覗窓ガラスを洗浄した後、乾燥して覗窓ガラスの製造工程を完了する。
【0007】
図10(a),(b)は従来の覗窓ガラスの製造方法の説明図であり、(a)で図9のステップ102を説明し、(b)で図9のステップ104を説明する。
(a)において、網入り板ガラス103と透明板ガラス104との間に中間層105を配置し、矢印a,aの如く重ねて網入り板ガラス103、透明板ガラス104及び中間層105を貼り合わせる。
(b)において、3層に仮接着したものを120〜150℃に加熱し、この状態で980〜1470KPaの圧力を矢印b,bの如くかけて網入り板ガラス103と透明板ガラス104とを圧着して本接着を完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、覗窓ガラス102の製造工程は、図9に示すようにST100〜ST105と工程数が多く、工程が煩雑であり作業に手間がかかる。このため、生産性を上げ難く、コストアップの要因となる。
また、網入り板ガラス103と透明板ガラス104とを圧着するために、中間層105を必要とするので、コストアップの要因となる。
【0009】
さらに、透明板ガラス104を高圧で圧着することで、例えば透明板ガラス104の板厚t12を2.0mmより薄くすると、透明板ガラス104が破損する虞がある。このため、透明板ガラス104の板厚t12を2.0mm以上に設定する必要があるので、コストアップの要因となる。
また、透明板ガラス104の板厚t12を2.0mm以上にすると、開閉扉101の板厚t14(1.6mm)より大きくなる。このため、透明板ガラス104の表面104aを開閉扉101の内面101bと面一にするためには、図7に示すようにスペーサ106が必要になり、覗窓ガラス102のコストアップの要因となる。
【0010】
さらに、網入り板ガラス103と透明板ガラス104とを圧着するために、120〜150℃に加熱する加熱設備や、980〜1470KPaに加圧する加圧設備を備える必要がある。このため、設備コストが嵩む。
また、透明板ガラス104を圧着するときに、透明板ガラス104が網入り板ガラス103からずれて、不良品ができる虞もある。不良品は廃棄処分となり、そのことが覗窓ガラス102のコストアップの要因となる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、覗窓ガラスのコストを下げることができる技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1は、厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、前記網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを構成し、該透明板ガラスは前記網入り板ガラスより一廻り小さく、昇降機の開閉扉に嵌め込む覗窓ガラスであって、前記昇降機の金属製の開閉扉には前記貼合わせガラスの前記透明板ガラスを差込む開口を設け、該開口に該透明板ガラスを嵌め込み、貼合わせガラスの前記網入り板ガラスを、前記開閉扉の外壁側に配置し、該網入り板ガラスの周辺を、前記開口の周辺部の外壁面に取付け部材を介して取り付け、前記透明板ガラスとこれを網入り板ガラスに接着する光硬化形接着剤の合計厚さを開閉扉の板厚とほぼ同じとし、該透明板ガラスの内面が開閉扉の内壁とほぼ面一としたことを特徴とする。
【0013】
請求項2は、請求項1において、前記網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下することを特徴とする。
【0014】
本発明は、請求項1では、厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを形成したので、従来の合わせガラスで必要であった中間膜(ポリビニルブチラール)を使わなくて済む。また、透明板ガラスの厚さを昇降機の開閉扉の板厚と略同じに設定することができる。このため、網入り板ガラスを開閉扉に当てるだけで、透明板ガラスを開閉扉と面一にすることができる。
請求項2では、網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下するようにしたので、粘度を10cp以上に設定することで、網入り板ガラス26の中央に留り、粘度を100cp以下に設定することで、透明板ガラスの自重で光硬化形接着剤を薄く広げることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る貼合わせガラスの断面図であり、昇降機10の開閉扉14に防犯用の貼合わせガラス20を取付けることで、昇降機10の室内12を外側から見えるようにして防犯効果を高めた状態を示す。
なお、昇降機10及び開閉扉14は、従来技術の昇降機100及び開閉扉101と同一部材であり説明を省略する。
【0016】
貼合わせガラス20は、矩形状の網入り板ガラス21と、網入り板ガラス21より一廻り小さい透明板ガラス24と、網入り板ガラス21及び透明板ガラス24に介在させた光硬化形接着剤としての紫外線硬化形接着剤26とからなる覗窓ガラスである。
網入り板ガラス21と透明板ガラス24とを紫外線硬化形接着剤26で貼り合わせたので、合せガラスに必要とする中間膜(一例として、ポリビニルブチラール)を除去することができる。
このため、貼合わせガラス20のコストを下げることができる。
【0017】
ところで、透明板ガラス24であるが、板ガラスとしては、素材として平坦度、平滑度が高いフロート板ガラスや、フルコール法による板ガラス、或いはコルバーン法による板ガラス等、任意の製法による板ガラスの何れをも用いることができる。
フロート板ガラスは、上述のように素材として平坦度、平滑度に優れ、品質も良好であることから好ましい。
又透明板ガラスとして説明したが、透明板ガラスとしては、表面をコーティングした板ガラスや、グリーン、ブロンズ、グレー等に着色した板ガラスを含むものである。
即ち、透明とは、透明板ガラスを通して室内外の視認性を充分に確保できるものであれば良い。
このように、本発明における透明板ガラスとは、板ガラスを通して室内外の視認性を充分に確保することが可能な半透明板ガラス、着色した板ガラスを含むものである。
【0018】
この貼合わせガラス20は、網入り板ガラス21の周辺22を開閉扉14の外壁16に当てると共に、透明板ガラス24を開閉扉14の開口15に差込み、周辺22の上下を取付け部材30,30で押え、取付け部材30,30をボルト32…及びナット34…で締め付けて開閉扉14に取付ける。
【0019】
網入り板ガラス21は、板厚t1を6.8mmに設定したものである。
透明板ガラス24は、網入り板ガラス21より一廻り小さく形成することで開閉扉14の開口15に嵌め込み可能とし、板厚t2を1.6mmに設定したガラスである。
紫外線硬化形接着剤26は、厚さt3を10〜50μm(0.01〜0.05mm)に設定したものである。
【0020】
透明板ガラス24の板厚t2を1.6mmとし、紫外線硬化形接着剤26の厚さt3を10〜50μm(0.01〜0.05mm)に設定することで、開閉扉14の開口15に差込んだ透明板ガラス24の内面25を、開閉扉14の内壁17とほぼ面一にすることができる。
従って、網入り板ガラス21と開閉扉14との間に、従来技術のスペーサ106(図7に示す)を配置する必要がないので貼合わせガラス20の取付け作業を簡略化することができる。このため、貼合わせガラス20のコスト及び貼合わせガラス20の取付け費用を下げることができる。
なお、36は網入り板ガラス21を受けるラバー部材である。
【0021】
図2は本発明に係る貼合わせガラスの斜視図であり、矩形状の網入り板ガラス21の中央に、網入り板ガラス21より一廻り小さい矩形状の透明板ガラス24を紫外線硬化形接着剤26で貼り合わせ、網入り板ガラス21の周辺22を段差とし、透明板ガラス24及び紫外線硬化形接着剤26の厚さ(t2+t3)を1.61〜1.65mmとして、開閉扉14の板厚t4(図1に示す)の1.6mmとほぼ同じにした状態を示す。
従って、透明板ガラス24の内面25を、図1に示す開閉扉14の内壁17とほぼ面一にすることができる。
なお、23は金属網であり、金属網23はガラス内に埋め込むことで網入り板ガラス21を構成する部材である。
【0022】
以上に述べた貼合わせガラスの製造方法を次に説明する。
図3は本発明に係る貼合わせガラスの製造方法を説明したフローチャートであり、図中ST××はステップ番号を示す。
ST10;網入り板ガラス及び透明板ガラスのそれぞれの素板を切断した後、切断した網入り板ガラス及び透明板ガラスを洗浄して乾燥する。
ST11;網入り板ガラスに透明板ガラスを紫外線硬化形接着剤で接着し、はみ出した接着剤を拭き取る。
ST12;紫外線硬化形接着剤に紫外線を照射して紫外線硬化形接着剤を硬化させることで、網入り板ガラスに透明板ガラスを十分な接着強さで貼り合わせる。これで、貼合わせガラスの製造工程が完了する。
【0023】
本発明によれば、網入り板ガラスと透明板ガラスとを光硬化形接着剤で接着した後、光硬化形接着剤を光で硬化するだけで網入り板ガラスと透明板ガラスとを十分な接着強さで貼り合わせることができる。
このため、貼合わせガラスの製造工程を簡略化することができるので、生産性を高めて貼合わせガラスのコストを抑えることができる。
【0024】
図4(a)〜(c)は本発明に係る貼合わせガラスの製造方法の第1説明図であり、(a)〜(c)で図3のST11の前半を詳しく説明する。
(a)において、載台40に網入り板ガラス21を水平に置き、網入り板ガラス21に治具42を被せ、供給シリンダユニット44で網入り板ガラス21の中央に液状の紫外線硬化形接着剤26を所定量滴下する。
(b)において、透明板ガラス24を矢印▲1▼,▲1▼の如く液状の紫外線硬化形接着剤26に載せる。このとき、透明板ガラス24を治具42で位置決めする。
【0025】
(c)において、透明板ガラス24の自重で液状の紫外線硬化形接着剤26を矢印▲2▼,▲2▼の如く薄く広げる。
紫外線硬化形接着剤26を使用することで、透明板ガラス24を圧着する必要がない。このため、透明板ガラス24の厚さt2を、2.0mm以下(例えば、1.6mm)に薄く設定することができるので、図2に示す貼合わせガラス20のコストを下げることができる。
また、加熱装置や加圧装置を必要としないので、設備コストを下げることができる。
さらに、透明板ガラス24を圧着しなくてもよいので、透明板ガラス24を貼り合わせるときに網入り板ガラス21からずれる心配もない。
【0026】
ここで、液状の紫外線硬化形接着剤26の粘度について説明する。
粘度とは流動する物体の内部に生ずる抵抗をいい、粘度=τ/(dv/dy)表される。
但し、τは、層流内のある点の流れにより、その流れと平行な面上に粘性によって作用するせん断応力(1kgf/m2≒98KPa)であり、(dv/dy)は、その流れに直角な方向の速度勾配(1/s)である。
粘度の単位にはパスカル・秒(Pa・s)やポアズ(P)を用いるが、紫外線硬化形接着剤26は低粘度なのでセンチポアズ(cP)を用いた。
【0027】
液状の紫外線硬化形接着剤26は、粘度を10〜100cPに設定した接着剤である。
粘度が10cP未満になると、網入り板ガラス21の中央に液状の紫外線硬化形接着剤26を滴下しただけで、紫外線硬化形接着剤26が薄く広がって流出してしまう。そこで、粘度を10cP以上に設定することで、網入り板ガラス26の中央に留るようにした。
また、粘度が100cPを越えると、液状の紫外線硬化形接着剤26に透明板ガラス24の自重で紫外線硬化形接着剤26を薄く広げることができない。そこで、粘度を100cP以下に設定することで、透明板ガラス24の自重で紫外線硬化形接着剤26を薄く広げることができるようにした。
【0028】
図5(a)〜(c)は本発明に係る貼合わせガラスの製造方法の第2説明図であり、(a)〜(b)で図3のST11の後半を詳しく説明し、(c)で図3のST12を詳しく説明する。
(a)において、治具42を矢印▲3▼,▲3▼の如く網入り板ガラス21から外す。
(b)において、網入り板ガラス21の周辺22に洩れた液状の紫外線硬化形接着剤26を拭き取る。
【0029】
(c)において、網入り板ガラス21を支持枠46,46に載せて紫外線ランプ(主たる波長が365Nmのものが望ましい)48の上方に配置する。この状態で、紫外線ランプ48から紫外線を照射して紫外線硬化形接着剤26を硬化させて、紫外線硬化形接着剤26で網入り板ガラス21に透明板ガラス24を十分な接着強さで貼り合わせる。これで、貼合わせガラス20の製造工程が完了する。
なお、紫外線硬化形接着剤26の接着強さと硬化時間との関係を次図で説明する。
【0030】
図6は本発明に係る貼合わせガラスの紫外線硬化形接着剤の接着強さと硬化時間との関係を示したグラフであり、波長365Nmの紫外線ランプ48で照射した例を示す。
縦軸は紫外線硬化形接着剤の接着強さを示し、横軸は硬化時間を示す。接着強さは、引張りせん断強さ、圧縮せん断強さ、はく離強さなどで表されるが、ここでは圧縮せん断強さで表した。
このグラフから明らかなように、紫外線硬化形接着剤26は、紫外線ランプ48を照射してから5分経過後に硬化が開始して、15分経過後に完全に硬化する。紫外線硬化形接着剤26が完全に硬化したときの接着強さは14700KPaである。
【0031】
硬化時間を15分とすることで、貼合わせガラス20の製造工程の途中で、紫外線硬化形接着剤26が硬化する心配はない。このため、貼合わせガラス20を容易に製造することができる。
また、網入り板ガラス21に透明板ガラス24を14700KPaの接着強さで貼り合わせることができるので、十分に信頼性のある覗窓ガラスを得ることができる。
【0032】
なお、紫外線硬化形接着剤を照射する装置として波長365Nmの紫外線ランプを使用したが、その他に、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプを使用してもよい。高圧水銀ランプの発光波長帯は略250〜400Nmであり、メタルハライドランプは有効な波長に合せて発光波長帯を選択することができる。
【0033】
また、光硬化形接着剤として紫外線硬化形接着剤を使用したが、その他の例として、可視光線硬化形接着剤を使用してもよい。
さらに、貼合わせガラスとして網入り板ガラスに透明板ガラスを貼り合せたが、その他に、透明板ガラスとして強化ガラスなどを貼り合せることも可能である。また、上述したように、表面をコーティングした板ガラスや、グリーン、ブロンズ、グレー等に着色した板ガラス等の室内外を通して視認性を確保し得る板ガラスを貼り合せることも可能である。
また、エレベータ用の覗窓ガラスを例に説明したが、その他の貼合わせガラスに適用することも可能である。
【0034】
さらに、紫外線硬化形接着剤を網入り板ガラスの下方から照射した例を説明したが、透明板ガラスの上方から照射させても同様の効果を得ることができる。
また、網入り板ガラス21の板厚t1を6.8mm、透明板ガラス24の板厚t2を1.6mm、紫外線硬化形接着剤26の厚さt3を10〜50μm(0.01〜0.05mm)と設定したが、各々の板厚及び厚さはこれに限るものではない。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、前記網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを構成し、該透明板ガラスは前記網入り板ガラスより一廻り小さく、昇降機の開閉扉に嵌め込む覗窓ガラスであって、前記昇降機の金属製の開閉扉には前記貼合わせガラスの前記透明板ガラスを差込む開口を設け、該開口に該透明板ガラスを嵌め込み、貼合わせガラスの前記網入り板ガラスを、前記開閉扉の外壁側に配置し、該網入り板ガラスの周辺を、前記開口の周辺部の外壁面に取付け部材を介して取り付け、前記透明板ガラスとこれを網入り板ガラスに接着する光硬化形接着剤の合計厚さを開閉扉の板厚とほぼ同じとし、該透明板ガラスの内面が開閉扉の内壁とほぼ面一とした。
請求項2では、請求項1において、網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下するようにした。
【0036】
以上のごとき本発明の請求項1によれば、厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを形成したので、従来の合わせガラスで必要であった中間膜(ポリビニルブチラール)を使わなくて済む。このため、貼合わせガラスのコストを下げることができる。また、光硬化形接着剤を滴下し、薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せて貼り合わせるので、中間膜を使用したときのように透明板ガラスに高温、高圧を掛ける必要はない。このため、透明板ガラスの板厚を薄くして、貼合わせガラスのコストを下げることができる。
さらに、網入り板ガラスと透明板ガラスとを光硬化形接着剤で接着した後、紫外線で硬化するだけで網入り板ガラスと透明板ガラスとを十分な接着強さで貼り合わせることができる。
この結果、貼合わせガラスの製造工程を簡略化することができるので、生産性を高めて貼合わせガラスのコストを抑えることができる。
特に本発明は、接着剤と透明板ガラスの合計厚さを、昇降機の開閉扉の板厚と同じに設定したので、網入り板ガラスを開閉扉に当てるだけで、透明板ガラスを開閉扉と面一にすることができる。
従って、網入り板ガラスと開閉扉との間にスペーサを配置して、透明板ガラスの嵌込み量を調整する必要がないので、貼合わせガラスの取付け作業を簡略化することができる。この結果、貼合わせガラスのコスト及び貼合わせガラスの取付け費用を下げることができる。
請求項2によれば、網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下するようにしたので、請求項1の効果に加えるに、粘度を10cp以上に設定することで、網入り板ガラスの中央に留り、粘度を100cp以下に設定することで、透明板ガラスの自重で光硬化形接着剤26を薄く広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貼合わせガラスの断面図
【図2】本発明に係る貼合わせガラスの斜視図
【図3】本発明に係る貼合わせガラスの製造方法を説明したフローチャート
【図4】本発明に係る貼合わせガラスの製造方法の第1説明図
【図5】本発明に係る貼合わせガラスの製造方法の第2説明図
【図6】本発明に係る貼合わせガラスの紫外線硬化形接着剤の接着強さと硬化時間との関係を示したグラフ
【図7】従来の代表的なエレベータの断面図
【図8】図7の8部拡大図
【図9】従来の覗窓ガラスの製造方法を説明したフローチャート
【図10】従来の覗窓ガラスの製造方法の説明図
【符号の説明】
10…昇降機、14…開閉扉、15…開口、20…貼合わせガラス、21…網入り板ガラス、24…透明板ガラス、26…光硬化形接着剤(紫外線硬化形接着剤)、48…紫外線ランプ。
Claims (2)
- 厚手の網入り板ガラスと、薄手の透明板ガラスとからなり、前記網入り板ガラスの中央部に光硬化形接着剤を滴下し、該光硬化形接着剤の上に透明板ガラスを載せ、該透明板ガラスの自重により該光硬化形接着剤を薄く広げてその厚さが10〜50μmとなるように調整し、該光硬化形接着剤によりこれら2枚の板ガラスを貼り合わせて貼合わせガラスを構成し、該透明板ガラスは前記網入り板ガラスより一廻り小さく、昇降機の開閉扉に嵌め込む覗窓ガラスであって、
前記昇降機の金属製の開閉扉には前記貼合わせガラスの前記透明板ガラスを差込む開口を設け、該開口に該透明板ガラスを嵌め込み、
貼合わせガラスの前記網入り板ガラスを、前記開閉扉の外壁側に配置し、該網入り板ガラスの周辺を、前記開口の周辺部の外壁面に取付け部材を介して取り付け、
前記透明板ガラスとこれを網入り板ガラスに接着する光硬化形接着剤の合計厚さを開閉扉の板厚とほぼ同じとし、該透明板ガラスの内面が開閉扉の内壁とほぼ面一とした、
ことを特徴とする昇降機の開閉扉の貼合わせガラス。 - 前記網入り板ガラスの中央部に粘度10〜100cpに設定した光硬化形接着剤を滴下することを特徴とする請求項1記載の昇降機の開閉扉の貼合わせガラス。
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