〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明に係る画像出力処理装置の一実施形態を、ネットワークによりパーソナルコンピュータ等の外部情報処理装置や、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ等と接続された、デジタル複写機を例示して説明する。
図3は、デジタル複写機1の全体構成を示す断面図である。この図に示すように、デジタル複写機1は、大きくはスキャナ部31及びレーザ記録部32から構成されている。
スキャナ部31は、透明ガラスからなる原稿載置台35、原稿載置台35上へ自動的に原稿を供給搬送するための両面対応自動原稿送り装置(RADF)36、及び原稿載置台35上に載置された原稿の画像を走査して読み取るための原稿画像読み取りユニット、すなわちスキャナユニット40から構成されている。
スキャナ部31にて読み取られた原稿画像は、画像データとして後述する画像データ入力部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施される。
RADF36は、所定の原稿トレイ上に複数枚の原稿を一度にセットしておき、セットされた原稿を1枚ずつ自動的にスキャナ部31の原稿載置台35上へ送給する装置である。RADF36は、オペレータの選択に応じて原稿の片面又は両面をスキャナユニット40に読み取らせるように、片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、搬送経路切り換え手段などから構成されている。なお、RADF36については、従来から数多くの出願、商品化がなされているので、これ以上の説明は行わない。
スキャナユニット40は、原稿面上を露光するランプリフレクタアセンブリ41、原稿からの反射光像を光電変換素子44に導くための第1の反射ミラー42aからなる第1の走査ユニット40a、さらなる原稿からの反射光像を光電変換素子44に導くための第2,第3の反射ミラー42b・42cからなる第2の走査ユニット40b、原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する光電変換素子44上に結像するための光学レンズ体43、及び原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換するCCD等の光電変換素子44から構成されている。
スキャナ部31は、上記RADF36とスキャナユニット40の関連した動作により、原稿載置台35上に読み取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台35の下面に沿ってスキャナユニット40を移動させて原稿画像を読み取るように構成されている。
原稿画像をスキャナユニット40で読み取ることにより得られた画像データは、後述する画像処理部へ送られ、各種処理が施された後、レーザ記録部32のレーザ書き込みユニット(以下、LSU)46に与えられる。
レーザ記録部32は、用紙収納・搬送部、LSU46及び画像を形成するための電子写真プロセス部47を備えている。
用紙収納・搬送部には、第1カセット51、第2カセット52、第3カセット53、及びマルチ手差しトレイ54を有しており、さらに、画像が記録された用紙の裏面側に画像を記録させるための両面ユニット55が備えられている。
この用紙収納・搬送部における各カセットには、用紙束がサイズ毎に収容されており、操作者が所望するサイズが収容されているカセットを選択すると、そのカセット内の用紙束の最上層から、給紙搬送部50にて用紙が1枚ずつ送り出され、搬送経路33を経由して順次レーザ記録部32の電子写真プロセス部47へ向けて搬送される。
LSU46は、上述のメモリから画像データに応じたレーザ光を出射する半導体レーザ、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度偏向されたレーザ光が電子写真プロセス部47の感光体ドラム48上で等速度偏向されるように補正するfθレンズ等を有している。
電子写真プロセス部47は、周知の態様に従い、感光体ドラム48の周囲に帯電器、現像器、転写器、剥離器、クリーニング器、除電器を備えると共に、その用紙搬送方向下流側に定着器49を配置してなっている。
また、定着器49より用紙搬送方向さらに下流側には、用紙排出搬送路が設けられており、この用紙排出搬送路は後処理装置34へ通じる搬送路57と、両面ユニット55へ通じる搬送路56とに分岐している。
画像メモリから読み出された画像データは、LSU46によってレーザ光線を走査させることにより感光体ドラム48の表面上に静電潜像として形成され、トナーにより可視像化されたトナー像は用紙収納・搬送部から搬送された用紙の面上に静電転写され定着される。
このようにして画像が形成された用紙は、定着器49から搬送路57を介して後処理装置34へ送られるか、或いは、搬送路56を介して両面ユニット55へと選択的に搬送される。
後処理装置34は、第1の排紙トレイ341と、第2の排紙トレイ342が、装置左側において上下に配置されており、デジタル複写機1側において画像が記録された用紙を搬送路57から受け取る。後処理装置34内には、用紙受け取り口343、第1の搬送経路344、第2の搬送経路345、第1の切り換えゲート346、第2の切り換えゲート347、スイッチバック搬送経路348、第1出ローラ349、第2排出ローラ350等が配置されており、各種の排出モードに対応している。
第1排出モードでは、用紙受け取り口343に受け取られた用紙は、第1の搬送経路344から直接第1排出ローラ349により第1の排紙トレイ341に排出される。
第2排出モードでは、用紙受け取り口343に受け取られた用紙は、第1の切り換えゲート346により第2の搬送経路345へと導かれ、その後第2の切り換えゲート347により第2排出ローラ350側へと案内され、該第2排出ローラ350から第2の排紙トレイ342に排出される。
第3排出モードでは、用紙受け取り口343に受け取られた用紙は、第1の切り換えゲート346により第2の搬送経路345へと導かれ、その後第2の切り換えゲート347によりスイッチバック搬送経路348へと案内される。そして用紙の後端が第2の切り換えゲート347を通過すると、用紙がスイッチバック搬送され、第2の切り換えゲート347から第2排出ローラ350側へと案内され、該第2排出ローラ350から第2の排紙トレイ342に排出される。
また、第1の排紙トレイ341及び第2の排紙トレイ342には、排出収容される用紙の収容状態を排出方向と略直交する方向に変位させるための、従来から公知のオフセット機構351・352が設けられており、ジョブ単位、あるいは、モード毎に画像が記録された用紙を区分した状態で区分け収容するようになっている。その他、後処理装置34には、ステープル処理部(図示せず)等も配設されている。
そして、図4に示すように、上記デジタル複写機1は、パーソナルコンピュータ2、デジタルカメラ3、デジタルビデオカメラ4、携帯端末装置5、ファクシミリ6などの外部の画像処理装置とネットワーク接続されている。
このネットワーク接続された画像処理装置からインターフェイスを介して転送されてきた画像データは、一旦、デジタル複写機1の画像処理部へと送られ、所定の処理が行われた後、レーザ記録部32から画像として記録再現され出力される。
次に、このデジタル複写機1における、読み取られた原稿画像情報に画像処理を行う画像処理部の構成及び機能について説明する。
図5は、図3のデジタル複写機1を構成している各種ユニット部、画像処理部などの全体ブロック構成図であり、略中央に位置するメイン中央演算処理装置401(CPU(Central Processing Unit))により、各ユニット部毎に搭載されたサブ中央演算処理装置(CPU)との連携を取りながら動作管理している状態を示す図である。
このブロック図から分かるように、大きくは図面略右上に位置する操作パネルを管理制御するオペレーションパネルボード100と、図面略左上に位置するデジタル複写機1を構成する各ユニットを管理制御するマシンコントロールボード200と、図面略左下に位置する原稿画像を電気的に読み取り電子データとするCCDボード300と、図面略中央に位置する前記CCDボード300にて電子データ化された原稿画像に対して所定の画像処理を施すメイン画像処理ボード400と、このメイン画像処理ボード400にて処理された画像情報に対してさらに所定の画像処理を施すサブ画像処理ボード500と、さらに、図面略右下に位置する前記サブ画像処理ボード500にインターフェイスを介して接続されたその他の拡張ボード群600(プリンタボード、FAXボード、機能拡張ボード)などから構成されている。
以下、各ボード毎に管理制御している内容について説明する。
オペレーションパネルボード100は、基本的にサブの中央演算処理装置(CPU)101により制御されており、操作パネル103上に配置されたLCD表示部104の表示画面、各種モードに関する指示を入力する操作キー群105からの操作入力などを管理している。
そして、このオペレーションパネルボード100には、操作キー群105から入力されたデータ、LCD表示部104に表示させる情報など操作パネル103における各種制御情報を記憶しておくメモリ102も設けられている。
この構成において、サブの中央演算処理装置101は、メインの中央演算処理装置401との制御データ通信を行い、デジタル複写機1の動作指示を行う。また、メインの中央演算処理装置401からは、デジタル複写機1の動作状態を示す制御信号をサブの中央演算処理装置101へと転送することで、操作パネル103のLCD表示部104を通して、装置が現在どのような状態にあるのか操作者に表示するようになっている。
マシンコントロールボード200は、サブの中央演算処理装置201により全体が制御されており、前述したADF・RADFなどの自動原稿送り装置36、原稿画像を読み取るスキャナ部31、画像情報を画像として再現する電子写真プロセス部47、画像が記録される用紙をカセット等から給紙して電子写真プロセス部47へ向かって順次搬送する給紙搬送部50、用紙の両面に画像が形成されるように用紙を反転搬送する両面ユニット55、画像が記録された用紙に対してステープルなどの後処理を行う後処理装置34などを管理している。
CCDボード300は、原稿画像を電気的に読み取るためのCCD301、CCD301を駆動する回路(CCDゲートアレイ)302、CCD301から出力されるアナログデータのゲイン調整などを行うアナログ回路303、CCD301のアナログ出力をデジタル信号に変換して電子データとして出力するA/D変換器304などから構成され、制御管理はメインの中央演算処理装置401により行われている。
メイン画像処理ボード400は、メインの中央演算処理装置401により制御され、前記CCDボード300から送られてきた原稿画像の電子データをもとに、画像の階調性を所望の状態で表現できるように、シェーディング補正、濃度補正、領域分離、フィルタ処理、MTF補正、解像度変換、電子ズーム(変倍処理)、ガンマ補正など多値の画像データの状態のまま処理を施す多値画像処理部402、処理が施された画像データあるいは処理の手順管理など各種制御情報を記憶させておくメモリ403、処理が施された画像情報でもって画像を再現するためにLSU46側へとデータを転送制御するレーザコントロール404などから構成されている。
サブ画像処理ボード500は、メイン画像処理ボード400とコネクタ接続され、メイン画像処理ボード400上のメインの中央演算処理装置401により制御された、2値画像処理部501、画像処理の施された2値画像情報、あるいは処理上での制御情報などを記憶管理するメモリおよびメモリを制御するゲートアレイからなるメモリ部502、複数枚の原稿画像情報を記憶管理しておき、複数枚の原稿画像を繰り返し所望部数の数だけ読み出して複数の複写物を生成するためのディスクメモリおよびディスクメモリを制御するゲートアレイからなるハードディスク装置503、外部インターフェイスとしてのSCSIおよびSCSIを制御するゲートアレイからなるインターフェイス部504などから構成される。
また、前述の2値画像処理部501は、多値画像情報を2値画像に変換する処理部、画像を回転する処理部、2値画像の変倍処理を行う2値変倍(ズーム)処理部などから構成され、さらに、ファックス画像を通信手段を介して送受信することができるようにファックスインターフェイスも備えている。
拡張ボード群600としては、パーソナルコンピュータ2などから送られてくるデータをデジタル複写機1のレーザ記録部32からプリンタモードとして出力可能とするためのプリンタボード601、デジタル複写機1の編集機能を拡張してデジタル複写機1の特徴を有効活用するための機能拡張ボード602、デジタル複写機1のスキャナ部31から読み込んだ原稿画像を相手先に対して送信したり、相手先から送られてきた画像情報をデジタル複写機のレーザ記録部32から出力したりすることを可能にするファクシミリボード603などがある。
以下、デジタル複写機の画像処理装置として、コピー、ファックス、プリンタの各モードにおける、画像データの処理及び流れについて、さらに詳しく説明する。
《コピーモード》
デジタル複写機1のRADF36の所定位置にセットされた原稿は、1枚ずつスキャナ部31の原稿載置台35上へと順次供給され、原稿の画像は先に説明したスキャナユニット40の構成により順次読み取られ、8ビットの電子データとしてメイン画像処理ボード400へと転送される。
メイン画像処理ボード400に転送された8ビットの電子データは、8ビットの電子画像データとして多値画像処理部402上で所定の処理が施される。そして、8ビットの電子画像データにガンマ補正などの処理を行い、レーザコントロール404を介してLSU46へと送られる。
これにより、デジタル複写機1のスキャナ部31にて読み取られた原稿画像は、レーザ記録部32から階調性のあるコピー画像として出力される。
《コピーモードにおける電子RDH(Recycle Document Handler)機能》
同じくデジタル複写機1のRADF36の所定位置にセットされた原稿は、1枚ずつスキャナ部31の原稿載置台35上へと順次供給され、原稿の画像は先に説明したスキャナユニット40の構成により順次読み取られ、8ビットの電子データとしてメイン画像処理ボード400へと転送される。メイン画像処理ボード400に転送された8ビットの電子データは、8ビットの電子画像データとして多値画像処理部402上で所定の処理が施される。
そして、この8ビットの電子画像データは、次にメイン画像処理ボード400側のコネクタ405から、サブ画像処理ボード500側のコネクタ505を介してサブ画像処理ボード500側に送られ、2値画像処理部501の多値2値変換部において誤差拡散などの処理と共に8ビットの電子画像データから2ビットの電子画像データに変換される。
なお、8ビットの電子画像データを誤差拡散などの処理を含めて2ビットの電子画像データに変換しているのは、ただ多値2値変換を行っただけでは画質的に問題があるためで、画質の劣化を少なくする配慮である。また、8ビットの電子画像データを2ビットの電子画像データに変換するのは、画像の記憶容量などを考慮したためである。
このようにして変換された2ビットの電子画像データは、原稿1枚毎にハードディスク装置503のディスクメモリへと転送されて一時的に記憶管理される。デジタル複写機1のRADF36にセットされた原稿群の全てが読み取り処理されると、先程一時的にディスクメモリに記憶された2ビットの電子画像データをゲートアレイの制御により指定された部数の数だけ繰り返し読み出して、読み出された2ビットの電子画像データは、再度コネクタ405・505を介してメイン画像処理ボード400へ送られ、ガンマ補正などの処理が施された後、レーザコントロール404を介してLSU46へと送られる。
なお、ここでは、全ての原稿群画像が読み取られてから画像群を所望する部数の数だけ繰り返し読み出すようにして説明したが、1部目の画像出力は所定分の画像が準備できた段階で順次出力するように構成することも可能である。
これにより、デジタル複写機1のスキャナ部31にて読み取られた原稿画像は、レーザ記録部32から階調性のあるコピー画像として出力される。
《プリンタモード》
前述の図4に示したパーソナルコンピュータ2やデジタルカメラ3などのネットワーク接続された外部機器から送られてきた画像は、プリンタボード601上でページ単位の画像として展開された後、インターフェイス部504を構成するSCSIから一旦サブ画像処理ボード500側へ転送され、ハードディスク装置503などのメモリヘと記憶される。
この処理の流れをパーソナルコンピュータ2を例示して簡単に説明する。パーソナルコンピュータ2側で作成されたテキストデータなどが、PS(Postscript)あるいは、PCL(Printer contro1e Language)のデータ形式の形で転送されてくる。この転送されてきたデータは、一旦プリンタボード601上のバッファ(メモリ2)へと蓄積され、CPUがページメモリ(メモリ1)上にRIP(Raster Image Processor)により展開する。
そして、ページメモリ(メモリ1)上に展開された画像データは、SCSIを介してサブ画像処理ボード500ヘと転送されハードディスク装置503へと記憶される。このとき、ページメモリ(メモリ1)上に展開記憶されている画像データが容量の関係でハードディスク装置503に記憶できなければ、ハードディスク装置503が開放されるまで待機している。
なお、プリンタボード601上でページ画像として展開された画像は、サブ画像処理ボード500側に送られるが、ページ画像に2値画像処理は行わず、ハードディスク装置503に一時記憶されるだけである。また、一旦記憶されたページ画像がハードディスク装置503から読み出される時も、ページ画像に対する2値画像処理は行わない。
そして、ハードディスク装置503へ一時記憶された画像情報は、所定のページ順となるようにハードディスク装置503から読み出されながらメイン画像処理ボード400へと送られ、ガンマ補正が施された後、レーザコントロール404からLSU46にて画像を再現するよう画像の書き込みが制御される。
《ファックスモード》
ファックスモードには、相手先に対する原稿の送信と、相手先からの原稿の受信に対する処理がある。
先に相手先に対する原稿の送信について説明する。デジタル複写機1のRADF36の所定位置にセットされた送信原稿は、1枚ずつスキャナ部31の原稿載置台35上へと順次供給され、送信原稿の画像は先に説明したスキャナユニット40の構成により順次読み取られ、8ビットの電子データとしてメイン画像処理ボード400へと転送される。
メイン画像処理ボード400に転送された8ビットの電子データは、8ビットの電子画像データとして多値画像処理部402上で所定の処理が施される。そして、この8ビットの電子画像データは、次にメイン画像処理ボード400側のコネクタ405から、サブ画像処理ボード500側のコネクタ505を介してサブ画像処理ボード500側に送られ、2値画像処理部501の多値2値変換部において誤差拡散などの処理と共に8ビットの電子画像データから2ビットの電子画像データに変換される。
なお、8ビツトの電子画像データを誤差拡散などの処理を含めて2ビツトの電子画像データに変換しているのは、ただ多値2値変換を行っただけでは画質的に問題があるためで、画質の劣化を少なくする配慮である。
このようにして2値画像化された送信原稿は、所定の形式で圧縮されメモリ部502に記憶される。そして相手先との送信手続きを行い送信可能な状態が確保されると、メモリ部502から読み出された所定の形式で圧縮された送信原稿画像はファックスボード603側へと転送され、このファックスボード603上で圧縮形式の変更など必要な処理が施された後、相手先に対して通信回線を介して順次送信されることとなる。
次に、相手先から送信されてきた原稿画像の処理について説明する。相手先から通信回線を介して原稿が送信されてくると、ファックスボード603での通信手続きを行いながら相手先から送信されてくる原稿画像を受信すると共に、所定の形式に圧縮された状態の受信画像は、サブ画像処理ボード500の2値画像処理部501に設けられたファックスインターフェイスから2値画像処理部501へと送られ、圧縮伸張処理部などによりページ画像として送信されてきた原稿画像を再現する。
そして、ページ単位の画像として再現された原稿画像は、メイン画像処理ボード400側へと転送されガンマ補正が施された後、レーザコントロール404からLSU46にて画像を再現するよう画像の書き込みが制御される。
以上の構成から判るように、画像情報に所定の処理を施す画像処理部は、主としてスキャナ部31から読み取り入力された原稿画像を多値の画像情報として処理するメイン画像処理ボード400と、このメイン画像処理ボード400にて多値画像情報として処理された原稿画像情報に対して2値化処理など所定の処理を施したり、外部インターフェイスを介して接続された機器から送られてきた画像情報に対して所定の処理を施した後、多値画像処理部402(メイン画像処理ボード400)側へと転送したりするサブ画像処理ボード500とに分割構成されている。
また、メイン画像処理ボード400には、画像をLSU46から電子写真プロセス部47の感光体48上に再現させるため、LSU46の画像情報の書き込みを制御するためのレーザコントロール404が含まれている。この構成により、スキャナ部31から読み取り入力された原稿画像は、多値画像として原稿が有する画像の特徴を損なうことなくレーザ記録部32からコピー画像として再現可能であり、大量の原稿を、電子RDH機能などを用いて高速出力処理する場合などは、サブ画像処理ボード500、ハードディスク装置503などを用いることで可能となっている。
また、ファックス、パーソナルコンピュータなど外部機器からの画像情報に対する処理および出力、ファックスに限ってはさらに、多値画像処理が施された(原稿画像の特徴が保たれた)送信原稿に対する2値化処理など、デジタル複写機1として備えられたデジタルの特徴機能に合わせて画像情報に適切な処理を施すことが可能な構成となっている。
また、画像処理部を分散させることで、デジタル複写機1のバリエーション(ラインナップ)を多種多様揃えることが可能であり、ユーザの要望に合わせてデジタル複写機を設置することができ、また、設置後もユーザの要望に合わせてシステム展開を簡単に図ることが可能である。
さらに、メイン画像処理ボード400上に配置された中央演算処理装置401は、上記構成においてサブ画像処理ボード500をも管理制御しているので、それぞれの処理部において、連続して処理される画像全体の流れが管理され、データおよび処理の流れもスムーズになり、画像データが失われる虞れがない。
以上が、デジタル複写機1に搭載されているスキャナ部31、あるいは拡張ボード群600から入力される画像データを処理する画像処理部の説明である。
次に、上記デジタル複写機1における、画像を出力処理する上での特徴点を、図1、図2、図6ないし図11を用いて説明する。
ここでは、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ2側より転送されてくるデータをプリントアウトするプリンタモードの場合を例示するが、前述したコピーモードにおける電子RDH機能を用いる場合にも、同じ手法を用いることができる。
図1及び図2のフローチャートは、上記デジタル複写機1において、パーソナルコンピュータ2側から転送されてくる画像データを、用紙上に画像形成して出力する処理手順を示すものであり、CPU401の制御動作を中心に、後処理装置34の動作制御も含めて示している。
上記デジタル複写機1に、パーソナルコンピュータ2側で作成されたテキストデータなどが、PS或いはPCLのデータ形式の形で転送されてくると、この転送されてきたデータを、一旦プリンタボード601上のバッファ(メモリ2)へと蓄積させ、CPU(プリンタボード601上のもの)が、ページメモリ(メモリ1)上にRIPにより展開する(S1)。
次に、ハードディスク装置503のディスクメモリに空き領域があるかどうかを判断し(S2)、空き領域がある場合は、ページメモリ(メモリ1)上に展開された画像データを、SCSIを介してサブ画像処理ボード500ヘと転送させ、ハードディスク装置503に記憶させる(S3)。その後、S3において、ハードディスク装置503に空き領域がなく容量が一杯になったと判断するか、或いはS4においてパーソナルコンピュータ2からのデータ転送が無くなったと判断するまで、S1〜S3の処理を繰り返す。
S2において、ハードディスク装置503が一杯になったと判断する前に、S4において、パーソナルコンピュータ2からのデータ転送が無くなったと判断した場合(つまり、パーソナルコンピュータ2から転送された画像データの量が、ハードディスク装置503のディスクメモリ量より小さく、足りた場合)は、S5に進む。以下、このS5に進むモードを、ブロック一括処理モードと称する。
S5においては、ハードディスク装置503に蓄積されている画像データを、最終ページのものから、操作パネル103やパーソナルコンピュータ2側から指示されている出力モードに基づいて出力させ、後処理装置34におけるスイッチバック搬送経路348等を使用することなく、第1の排紙トレイ341上に、記録面を上に向けたフェイスアップで排出させる(S6)。
通常、パーソナルコンピュータ2などの外部機器から転送されてくるデータは、データの先頭部分から順次転送されてくるが、デジタル複写機は、一般的に、用紙を、画像が記録され面を上に向けたフェイスアップで排出し、その上に次の用紙を排出させるようになっている。したがって、S5のように、最終ページから出力することで、フェイスアップ排出でも、排出終了後にページを並べ替える必要がない。
そして、S6における排出が終了すると、S7において、設定された部数分の出力が終了したか否かを判断し、終了しておれば、ハードディスク装置503のディスクメモリをクリアすると共に、予め設定されている、必要部数等の出力モードをクリアし(S9)、処理を終了する。
一方、S7において、設定部数の処理が終了していない場合は、後処理装置34における用紙を排出している第1の排紙トレイ341のオフセット機構351を用いて排出位置を変更(オフセット)した後、S5に戻り、その後、S7において設定部数分を終了したと判断するまでS5〜S8の動作を繰り返し、S7において終了したと判断すると、S9を経て、処理を終了する。
これに対し、S4においてパーソナルコンピュータ2からのデータ転送無しと判断する前に、S2において、ハードディスク装置503が一杯になったと判断した場合(つまり、パーソナルコンピュータ2から転送された画像データの量が、ハードディスク装置503のディスクメモリ量より大きくメモリ不足が生じた場合)は、ハードディスク装置503に蓄積されている画像データを設定モードに応じて一旦画像形成して排出すべく、S10に進む。以下、S10に進むモードを、複数ブロック分割処理モードと称する。
S10においては、ハードディスク装置503に蓄積されている画像データを、先頭ページのものから出力させ、後処理装置34におけるスイッチバック搬送経路348を用いて用紙の表裏を反転させ、第2の排紙トレイ342上に、画像の記録面を下に向けたフェイスダウンで排出させる(S11)。
そして、S11における排出が終了すると、S12において、設定された部数分の出力が終了したか否かを判断し、終了しておればそのままS14に進むが、設定部数分の出力が終了していない場合は、後処理装置34における用紙を排出している第2の排紙トレイ342のオフセット機構352を用いてオフセットした後、S10に戻り、その後、S12において設定部数分を終了したと判断するまで、S10〜S13の動作を繰り返し、S12において終了したと判断すると、S14に進む。
S14では、第2の排紙トレイ342のオフセット量を、S13より大きい量でオフセットさせる。S13における第2の排紙トレイ342のオフセットは、1部目、2部目といった部数の区切りを明確にするためのものであり、S14における排出位置の移動は、部数間の違いでなく、画像データをブロック分割した、異なるページの用紙束(出力物)群の区切りを明確にするためのものである。
S14による処理を終了すると、ハードディスク装置503のディスクメモリをクリアする(S15)。これにて、パーソナルコンピュータ2からの転送データをページメモリ(メモリ1)上にRIPにより展開する処理を再開し(S16)、プリンタボード601のページメモリ上に待機されていた展開データのハードディスク装置503への蓄積も再開され(S18)、その後、S17において、再度、ハードディスク装置503のディスクメモリが一杯と判断されるまで、前述のS1〜S4と同じ処理であるS16〜S19の処理を繰り返す。
そして、再度、ハードディスク装置503の容量が一杯になるとS10に戻って、S10〜S13の処理を繰り返して、ハードディスク装置503に蓄積されている画像データを設定部数分、第2の排紙トレイ342をオフセットさせながら排出させる。
その後、ハードディスク装置503に空き領域がある状態で、S19において、パーソナルコンピュータ2からのデータ転送が無くなったと判断すると、前述のS10〜S13と同じ処理であるS20〜S23の処理を繰り返して設定部数分の出力を終了させた後、詳細には後述する編集手順情報を、例えば操作パネル103のLCD表示部104や、パーソナルコンピュータ2のディスプレイへ表示するか、或いは用紙に出力する(S24)。
その後、ハードディスク装置503のメモリ領域をクリアすると共に、予め設定されている必要部数等の出力モードもクリアして(S9)、処理を終了する。
図6及び図7に、デジタル複写機1のハードディスク装置503のディスクメモリが100ページ分の容量であり、パーソナルコンピュータ2から転送される画像データは1〜200ページで構成され、かつ操作パネル103から3部出力が設定されていた場合の排出用紙群の状態を示す。
排紙は第2の排紙トレイ342上に行われ、1〜100ページまでの画像データを展開した段階で、ハードディスク装置503の容量が一杯になるので、複数ブロック分割処理モードで出力され、ハードディスク装置503に蓄積された1〜100ページまでの画像データが、1ページ目から順番に100ページまで出力され、フェイスダウン排紙で、1部分の1〜100ページまでの画像出力が完了する毎に左右にオフセットされながら排出される。
これにて、図6に示すように、合計で3部の1〜100ページまでの画像が記録された用紙束が明確に区分けされた状態で積み重ねられる。
そして、この1〜100ページまでの出力処理が3部完了された上に、図7に示すように、次の、101〜200ページまでの画像データが同様に、部数間で左右にオフセットされながら排出される。このとき、第2の排紙トレイ342は、1〜100ページまでの画像が記録された用紙束と、これから排出される101〜200ページまでの画像が記録された用紙束とを明確に区分けするために、部数間のオフセット量よりも大きくオフセットされている。
一方、図8には、デジタル複写機1のハードディスク装置503のディスクメモリが100ページ分の容量であり、パーソナルコンピュータ2から転送される画像データは1〜50ページで構成され、かつ操作パネル103から3部出力が設定されていた場合の排出用紙群の状態を示す。
排紙は第1の排紙トレイ341上に行われ、ブロック一括処理モードで出力され、1〜50ページまでの画像データを展開したのち、ハードディスク装置503内の1〜50ページまでの蓄積データを、最終ページである50ページ目から逆ページ順に、スイッチバック搬送経路348を用いない通常排紙のフェイスアップ排紙で、1部分の50〜1ページまでの画像出力が完了する毎に左右にオフセットされながら排出される。
これにて、図8に示すように、合計で3部の1〜50ページまでの画像が記録された用紙束が明確に区分けされた状態で積み重ねられる。
なお、先の説明において、1から100ページまでの画像が記録された用紙束と、これから排出される101から200ページまでの画像が記録された用紙束とを明確に区分けするために、第2の排紙トレイ342におけるオフセット量を、部数間のオフセット量よりも大きくするように説明したが、他の方法として、図9に示すように、用紙束を成す用紙とは色や質、サイズといった特性の異なる、目立つ用紙を区切り紙Sとして重ねて排出するようにすることで、大きな区切り部分を明確にすることも可能である。区切り紙Sのサイズとしては、後続の用紙束が積み重ねられても隠れない程度の大きさを有するものを選択する。
このような区切り紙Sにて、区切り部分を明確にする場合は、図1及び図2に示したフローチャートにおけるS14において、オフセットトレイの大きな移動に変えて、区切り紙Sの排出処理を行えばよい。
そして、このようにして、第1の排紙トレイ341或いは第2の排紙トレイ342(ここでは、第2の排紙トレイ342)の上に排出された複数の用紙束は、所定の手順で並び替え編集することにより1つの記録物として完成することとなるが、S24においては、この編集の手順を説明した編集手順情報をユーザに対して提供するようになっている。
編集手順情報の表現方法としては、言葉や記号、画像などいくつかの方法が考えられるが、その一例を図10に示す。図10では、第2の排紙トレイ342上にフェイスダウンで複数の用紙束として出力処理された記録物の出力形態を含め、編集(出力物の並び替え)手順をイメージ情報として提供している。
図中、1−1は、1ブロック目(1〜100ページ)の1部目の用紙束であることを表わし、1−2は、1ブロック目(1〜100ページ)の2部目の用紙束、1−3は、1ブロック目(1〜100ページ)の3部目の用紙束、2−1は、2ブロック目(101〜200ページ)の1部目の用紙束、2−2は、2ブロック目(101〜200ページ)の2部目の用紙束、2−3は、2ブロック目(101〜200ページ)の3部目の用紙束であることをそれぞれ表わしている。
このような編集手順情報がイメージ情報として提供されることで、ユーザはこの情報に従って用紙束群を並べ替えることで、1つの完成した記録物として容易に編集することができる。
なお、図10の編集手順情報の内容は一例であって、表現の方法としては一部変更が可能である。
また、上記のような編集手順情報の提供方法としては、前述したように、デジタル複写機1におけるレーザ記録部32を用いてプリントアウトする方法や、操作パネル103上のLSD表示部104に表示出力する方法、或いは、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ2等のディスプレイに表示出力する方法などがある。
編集手順情報をプリントアウトする方法では、画像の出力処理が完了した段階で、デジタル複写機1を開放して新たな処理の受付を可能とする状態で待機させることができる上、編集手順情報を任意の場所に移動させることができるので、デジタル複写機1やパーソナルコンピュータ2等の編集手順情報が表示されている場所から離れた机の上などの任意の作業空間において、複数の用紙束を1つの完成した記録物として編集することができる。
編集手順情報をデジタル複写機1のLSD表示部104に表示する方法の場合は、用紙やトナーなどの消耗品を使用することがなく、設定部数が少ない場合や、データ量が少なく分割ブロック数が少ない場合など、デジタル複写機1近傍で手短に編集処理可能な場合に適していると言える。
編集手順情報をネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ2などの外部装置のディスプレイに表示する方法は、用紙やトナーなどの消耗品を使用することがないと共に、画像の出力処理が完了した段階でデジタル複写機1を開放して新たな処理の受付を可能とする状態で待機させることができる。しかも、パーソナルコンピュータ2などが設置されている机の上で編集することができる。
上記のデジタル複写機1においては、ユーザが所望するいずれかの提供方法を、デジタル複写機1側に対してユーザ側から指示可能な構成となっており、デジタル複写機1は、その指示された提供方法により、排紙トレイ341,342の上に排出された用紙束の編集手順情報を提供する。
さらに、本デジタル複写機1においては、このような編集手順情報出力の要・不要を、ユーザ側から設定できるようにもなっている。
つまり、図11のフローチャートに示すように、ユーザによる出力部数設定が行われると(S61)、CPU401は、複数部数が設定されたかどうかを判断し(S62)、複数部数設定されている場合は、デジタル複写機1の操作パネル103におけるLCD表示部104、或いはパーソナルコンピュータ2のディスプレイなど、ユーザが指示を入力している装置のディスプレイに、「編集手順情報を出力するか否かの選択を促す画面」を表示する(S63)。
これにて、ユーザが編集手順情報の要・不要を指定し(S64)、CPU401をその指定を基に、編集手順情報が要の場合は、S65において、編集手順情報を出力するモードとしてメインフローに入り、前述の図1及び図2に示したフローチャートにおけるS24において、編集手順情報を出力する。
一方、S62においてNOと判断した場合や、ユーザにて編集手順情報の出力不要が指定されると(S64においてNO)、S65で編集手順情報出力設定を経ることなく、メインフローに入る。
例えば、デジタル複写機1を頻繁に利用し、画像データが分割して出力された場合の編集手順情報を熟知しているユーザにとっては、毎回編集手順情報が出力されると、甚だ煩わしく、また、編集手順情報をプリントアウトする場合などは、トナーや用紙の無駄になるが、このように、ユーザによって編集手順情報出力の要否を指定できることで、不要な編集手順情報出力がなくなり、操作性を向上し、無駄を無くすることができる。
なお、ここでは、ユーザが指示入力しているディスプレイに、編集手順情報の要否を指定する画面を表示して選択させるようにしたが、編集手順情報の要否を指定するキーやボタン等を、デジタル複写機1の操作パネル103に予め設けておく構成としてもよい。
また、編集手順情報出力の要否だけでなく、編集手順情報のレベルを、前述の図10に示した内容のような普通のレベルから、より詳細に説明文等が多く挿入された丁寧なレベルというように、開示レベルを複数に分けて準備しておき、操作パネル103等を用いてユーザより指示されたレベルの編集手順情報を出力させる構成としてもよい。
〔実施の形態2〕
本発明に係る実施の他の形態を、図11〜図19に基づいて説明すれば、以下の通りである。
尚、説明の便宜上、前記の実施の形態にて示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
ここでも、ネットワーク環境によりパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ等と接続された、デジタル複写機(デジタル画像形成装置)を例示する。
デジタル複写機の構成は、前述の実施の形態1で説明したデジタル複写機1とほぼ同じであるが、本実施の形態のデジタル複写機では、図12及び図13のフローチャートに示すように、部数間の区切り、及び画像データを複数のブロックに分割したページの異なるブロック間の区切りを、全て区切り紙Sを排出して行い、かつ、各区切り紙Sに、編集手順情報を画像出力するようになっている。
図12及び図13のフローチャートにおけるS31〜S39までの処理は、パーソナルコンピュータ2から転送される画像データの量が、ハードディスク装置503のディスクメモリの容量より小さい場合の、ブロック一括処理モードであり、S38を除いて、図1及び図2のフローチャートにおけるS1〜S9(S8を除く)までの処理と同じである。
S38では、S8の第1の排紙トレイ341のオフセットの代わりに、次の部の出力前に、区切り紙Sを排出させる。これにより、部数間の区切りが、区切り紙Sにてなされることとなる。このとき、区切り紙Sには、ブロック一括処理であるので編集手順情報は記録されていない。
一方、S40〜S53までの処理は、パーソナルコンピュータ2から転送された画像データの量が、ハードディスク装置503のディスクメモリの容量より大きく容量不足が生じる場合の、複数ブロック分割処理モードであり、S43、S44、及びS53を除いて、図1及び図2のフローチャートにおけるS10〜S23(S13、S14、及びS23を除く)の処理と同じである。
S43、S53では、S13、S23において、部数間の区切りを明確にするために行っていたオフセットの代わりに、編集手順情報が記録された区切り紙Sを出力する。また、S44では、画像データの分割間の区切りを明確にするために行っていたオフセットの代わりに、編集手順情報が記録された区切り紙Sを出力する。これにより、例えば図14に示すように、第2の排紙トレイ342上に用紙束がオフセットなく積層されることとなる。
図14、図15に、区切り紙Sに画像出力された編集手順情報の内容の一例を示す。ここでは、2部指定され、画像データが2ブロックに分割されて出力された場合を例示している。
前述したように、区切り紙Sの大きさは、積層される用紙束に隠れない程度の大きさを有する必要がある。ユーザは、区切り紙Sを境にして用紙束を積み替えて編集する際に、区切り紙Sに記載された編集手順情報を確認しながら、用紙束の並べ替えを簡単に間違いなく行って、完成した記録物とできる。
また、図16に示すように、区切り紙Sにおける積層される用紙束に隠れない位置に編集手順情報を記録してもよい。これによれば、ユーザは、区切り紙Sを境にして用紙束を積み替える作業に入る前に、区切り紙Sに記載された編集手順情報を確認することができ、用紙束を動かして初めて編集手順情報を見ることができる場合に比べて、より簡単に間違いなく編集作業が行える。
ところで、上記のようにデジタル複写機1のスイッチバック搬送経路348を用いて、画像データの先頭ページのものから順次出力し、画像の記録面を下側に向けたフェイスダウンで順次排出する場合、排出用紙は記録面が下側を向き、用紙の上面は白紙の状態である。
そのため、編集作業にあたりユーザが、第2の排紙トレイ342上に排紙された用紙束全体を記録面が上を向くように反転させることが考えられる。そこで、このようなユーザの動作を考慮して、図17に示すように、区切り紙Sの両面に編集手順情報を記録しておく構成とすることが望ましい。
また、用紙束を構成する用紙が両面印刷されたものである場合も、ユーザが用紙束群を反転させる可能性が高いので、この場合も区切り紙Sの両面に編集手順情報を記録する方法が望ましい。
ここで、区切り紙Sの両面に記録される編集手順情報は、区切り紙Sの表側と裏側とで、それぞれ異なる。このことについて、図18、図19を用いて説明する。例えば1〜200ページの画像データを2つのブロックに分けて2部出力する場合、先に説明したように、1〜100ページまでを2部出力してフェイスダウン排出し、その後101〜200ページまでを2部、同じくフェイスダウン排出する。
そして、図18に示す状態で、複数の用紙束を編集すると、1−1(1−2)の用紙束の上に、2−1(2−2)の用紙束を重ねることで1つの記録物として完成する。
これに対し、図19に示すように、画像出力が完了した後に、第2の排紙トレイ342の上に排出された用紙束群を、記録面が上を向くように反転させた後の編集では、2−1(2−2)の用紙束の上に、1−1(1−2)の用紙束を重ねることで1つの記録物として完成することとなる。
即ち、排紙トレイ341、342上に排出された用紙束群を排出されたそのままの状態で編集するか、或いは、排出された状態から反転させた状態で編集するかに応じて、編集方法が異なるため、編集作業にあたり、ユーザが視認する面に、用紙束群の向き(そのままか反転後か)に応じた編集手順情報を記録するようになっている。
なお、上記の説明においては、区切り紙Sに対して、各区切り紙Sに編集手順情報を記録して出力しているが、他の方法として、区切り紙Sには、各用紙束が何ブロックの何部目であるかといった用紙束を識別する情報のみを記録しておき、すべての画像データの出力が完了した時点で、これらの複数の用紙束を編集する手順を示す手順情報をレーザ記録部32からプリントアウトさせる構成とすることもできる。なお、このときの用紙束群の編集手順情報は、デジタル複写機1の操作パネル103におけるLCD表示部104、或いは、パーソナルコンピュータ2などのディスプレイに表示する構成としてもよい。
〔実施の形態3〕
本発明に係る実施の他の形態を、図20および図21に基づいて説明すれば、以下の通りである。
尚、説明の便宜上、前記の実施の形態にて示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
ここでも、ネットワーク環境によりパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ等と接続された、デジタル複写機(デジタル画像形成装置)を例示する。
デジタル複写機の構成は、前述の実施の形態1、2で説明したデジタル複写機とほぼ同じであるが、本実施の形態のデジタル複写機では、ハードディスク装置503のディスクメモリの容量が足りず、画像データを複数のブロックに分割して出力した複数ブロック分割処理モードの利用状況を履歴情報として確認しておき、該モードの用いられる頻度が高い場合、編集手順情報と併せて、ハードディスク装置503の増設を促すといった、処理効率の向上を図るためのオプション情報を提供するようになっている。
このような履歴情報管理、及びオプション情報の提供は、図5に示したCPU401にて行われる。
図20に、CPU401にて管理する履歴情報の管理テーブルを示す。ここでは、履歴情報は利用日時と画像データ量とからなる。なお、履歴情報としては、画像を出力するにあたり、画像データを複数のブロックに分割して処理した際の情報を管理するものであればよいので、利用日時や画像データ量に限ることなく
、それ以外の情報を履歴情報の加えることにより、より有効な履歴情報となる。
例えば、デジタル複写機1において、画像データの全出力回数をカウントし、この全出力回数の情報を履歴情報に加えることで、出力処理全体の中で分割ブロック処理がどの程度の割合で発生しているかを知ることができる。
CPU401は、この履歴情報から利用状況を確認しておき、この分割出力モードの使用頻度が高いと判断すると、図21に示すように、編集手順情報と併せて、ユーザに対してシステムのオプションの中でも印字データを効率良く処理することができるオプション情報を出力する。
編集手順情報と併せてのオプション情報であるので、ユーザにとっては理解し易く、効果的である。
なお、この他、このような履歴情報管理テーブルに管理されている履歴情報を、サービスマンが必要に応じて、デジタル複写機1の操作パネル103におけるLCD表示部104に表示させて確認したり、或いは、レーザ記録部32からプリントアウトさせたりして、ユーザにハードディスク装置503の増設を促すようにしてもよい。
また、編集手順情報と併せて出力するオプション情報としては、ハードディスク装置503の増設を促すものに限らず、装置としての処理能力を高めるたのその他のオプション情報を出力させることもできる。
これにより、ユーザは、必要に応じてデジタル複写機1のシステムアップを行うことができる。
〔実施の形態4〕
本発明に係る実施の他の形態を、図3、図22〜図36に基づいて説明すれば、以下の通りである。
尚、説明の便宜上、前記の実施の形態にて示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
ここでも、ネットワーク環境によりパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ等と接続された、デジタル複写機(デジタル画像形成装置)を例示する。
デジタル複写機の構成は、前述の実施の形態1〜3で説明したデジタル複写機とほぼ同じであり、本実施の形態のデジタル複写機も、デジタル複写機1と同様に、コピーモードにおける電子RDH機能を用いる場合やパーソナルコンピュータ2などの外部接続機器から、ハードディスク装置503のディスクメモリの容量を超えるデータが送られてくると、複数ブロック分割処理モードを実施する。
そして、その際、本実施の形態のデジタル複写機では、両面記録モードなど、指定されている出力画像の出力条件に合わせて、画像データをブロック分割する境界を後述のように工夫し、これにより、ブロック分割を行っても、出力条件に合った記録物を得ることができるようになっている。
以下、まずは、両面記録モードが指定されている場合のブロック分割について説明する。
両面記録モードが指定されている場合に、画像データをブロック分割する注意点としては、まずは、一枚の用紙の表裏に形成されるべき1組のページ間でブロック分割しないことである。つまり、必ず、1ブロックに含まれる画像データのページ数が2の倍数であることが必要である。
また、デジタル複写機における両面ユニットの構成としては、図3に示した両面ユニット55のような、第1面に画像が記録された用紙を中間トレイに一旦収容した後、第2面に画像を記録するためにレーザ記録部32に向かって順次再供給する中間トレイタイプと、図22にある両面ユニット155のような、第1面に画像が記録された用紙を停滞させることなく、第2面に画像を記録するためにレーザ記録部32に向かって順次再供給搬送するシート搬送経路タイプとがある。
図26(a)〜(g)、及び図27の(a)〜(h)に、前者の中間トレイタイプの両面ユニット55における用紙搬送の様子(単数枚と複数枚)を示し、図29(a)〜(f)と図30(a)〜(g)に跨がって、後者のシート搬送経路タイプの両面ユニット155における用紙搬送の様子を示す。
前者の中間トレイタイプの両面ユニット55では、該ユニット55内に収容される用紙の制限枚数Nが予め決まっている。そのため、ハードディスク装置503の容量に空きがあっても、この制限枚数Mの2倍(両面記録なので)の画像数を読み込んだ時点で、ハードディスク装置503への画像データの蓄積動作を区切る必要がある。
また、後者のシート搬送経路タイプの両面ユニット155では、搬送路に入り、連続して搬送される用紙の制限枚数Lが、搬送路の長さ及び用紙サイズによって予め決まっている。そのため、この制限枚数Lの2倍(両面記録なので)の画像数を読み込んだ時点で、一旦、ハードディスク装置503の空き容量を確認し、次の制限枚数Lの2倍の画像数のデータ蓄積が不可能となった時点で、ハードディスク装置503への画像データの蓄積動作を区切る必要がある。
図23のフローチャートに、ハードディスク装置503への画像データの蓄積動作を一旦区切るべきかどうかの判定動作を示す。なお、ここでは、RADF36を用いて多量の原稿を読み込む場合を例示する。
判定にあたり、まず、入力される原稿数をカウントし(S71)、次に、原稿のサイズ情報に基づいて、原稿画像のデータ量を計算する(S72)。そして、このデータ量を蓄積メモリに加算する(S74)。蓄積メモリには、カウンタで計測した原稿群のトータルデータ量が記憶されることとなる。
読み込み原稿の画像データは、図5におけるCCDボード300から入力され、メイン画像処理ボード400を経由して、サブ画像処理ボード500のメモリ部502に一度入力された後、ハードディスク装置503に転送される。そして、原稿が入力される毎に、順次ハードディスク装置503内に蓄積されていく。
また、S73では、原稿載置台35に搬送されてきた次の原稿のサイズをメモリにセットしておく。これは、ハードディスク装置503の空き容量が次の原稿(原稿群)の読み込みに足りるかどうかの判断に必要であるためである。
次に、両面モードが指定されているかを判断し(S75)、指定されていない場合はS76に進み、ハードディスク装置503の空き容量にのみ基づいて、画像データを分割する。
つまり、ハードディスク装置503の容量と蓄積メモリのデータ量とを比較して、ハードディスク装置503の空き容量が次の原稿画像のデータ量に足りるかどうかを判断し、容量が足りる場合はS71に戻り、次の原稿読み込みとハードディスク装置503へのデータ蓄積とを実施し、容量が足りない場合は、ハードディスク装置503に蓄積されている画像データを一旦出力する(S83)。その後、S85にて入力枚数カウント、蓄積メモリ、及びハードディスク装置503をクリアしてからS71に戻り、次のブロックの原稿読み込みを開始する。そして、その後、S84にてRADF36に入力原稿がないと判断すると、処理を終了する。
一方、両面記録モードが指定されている場合は、S77で両面ユニットのタイプを判定し、中間トレイタイプであればS78に進み、シート搬送経路タイプであればS81に進む。
中間トレイタイプの両面ユニット55の場合、S78にて、原稿の入力枚数が2の倍数かどうかを判断する。これは、両面記録モードであるので、2枚一組で原稿データを管理する必要があるためである。2の倍数でない場合はS71に戻り、次の原稿を読み込む。
2の倍数であればS79に進み、カウント値が両面ユニット55の制限枚数であるMの2倍に到達したかどうかを判断し、到達するまでは、S80にてハードディスク装置503の空き容量をチェックした後、問題なければ、S71に戻り、次の原稿を読み込む。
一方、Mの2倍に到達していれば、ハードディスク装置503に蓄積されている画像データを一旦出力した後(S83)、入力枚数カウント、蓄積メモリ、及びハードディスク装置503をクリアしてからS71に戻り、次のブロックの原稿読み込みを開始する。
また、Mの2倍に到達する前に、S80にてハードディスク装置503に、次の2ページ分の画像データを蓄積する容量がないと判断すると、ハードディスク装置503に蓄積されている画像データを一旦出力させた後(S83)、S85にて入力枚数カウント、蓄積メモリ、及びハードディスク装置503をクリアしてからS71に戻り、次のブロックの原稿読み込みを開始する。
そして、その後、S84にて、RADF36に入力原稿がないと判断すると、処理を終了する。
両面ユニットが中間トレイタイプの場合のS80におけるハードディスク装置503の容量チェックは、S73でセットされた次の原稿サイズのデータ量の2倍の量が必要であるとして、容量の計算を行う。これは、両面記録モードであるので、1枚目が読み込まれると、2枚目の分も確保しておく必要があるからである。
一方、シート搬送経路タイプの両面ユニット155の場合は、S81にて、原稿入力枚数が、連続して搬送路内に搬送される制限枚数Lの2倍=2Lの倍数かどうかを判断する。そして、2Lの倍数でなければS71に戻り、2Lの倍数となるまで、原稿読み込みを続ける。これは、シート搬送経路タイプでは、2L枚単位で両面記録されるからである。
そして、2Lの倍数となると、S80にて、ハードディスク装置503の容量と蓄積メモリに記憶されているデータ量とを比較して、ハードディスク装置503の空き容量が次に読み込まれる原稿画像のデータ量に足りるかどうかを判断し、足りる場合は、S71に戻り、次の2L枚の原稿の読み込みを行う。一方、足りない場合は、ハードディスク装置503に蓄積されている画像データを一旦出力させた後(S83)、S85にて入力枚数カウント、蓄積メモリ、及びハードディスク装置503をクリアしてからS71に戻り、次のブロックの原稿読み込みを開始する。
そして、上記と同様に、その後、S84にて、RADF36に入力原稿がないと判断するまで、ブッロク分割しながら画像出力を続け、処理を終了する。
両面ユニットがシート搬送経路タイプの場合は、2L枚の原稿単位で原稿が搬送されるので、S80によるハードディスク装置503の容量チェックは、2L枚の原稿の読み込みが可能かどうかで判断する。
次に、図24〜図28を用いて、図23のフローチャートの判定に基づいて、原稿画像の読み込みを行った場合の、中間トレイタイプの両面ユニット55を備えたデジタル複写機における、用紙の動作と画像データの動きについて説明する。
まずは、画像データを一度ハードディスク装置503に蓄積してから、上記の判定に基づいて、用紙の搬送をスタートする、ブロック一括処理モードの動作について説明する。
先に説明したように、画像データの入力動作と用紙への画像データの記録動作は、別々に動作し、図24に示すような時間での動きとなる。この時、用紙の搬送は、画像データがハードディスク装置503に蓄積されてからスタートする。
読み込まれた画像データの枚数は、2Mまたは、2M以下とわかっているので(S79の処理)、両面ユニット55には用紙が制限枚数を超えて入ることはない。両面時の画像は、図5のメイン画像処理ボード400におけるCPU401のもとでコントロールされる図25の画像ID管理テーブルによって、用紙管理に当たる1つのIDテーブルとそのIDテーブルにある両面の画像ID、表IDおよび裏IDをテーブルに登録しておくことで、用紙搬送スタートのときのハードディスク装置503からの出力を管理する。
たとえば、画像枚数が100枚のとき、両面ユニット55の制限を50枚とすると、ページ2、4、6…100の順で画像が用紙に記録され両面ユニット55に入る。ここで、図26(a)〜(g)、及び図27の(a)〜(h)に、用紙の移動を示す。
両面ユニット55に積載されている用紙は、ページ100が記録されている用紙から排出され、99、97…1のページ順で画像を用紙に記録し、後処理装置34に排出される。排出が完了すると、次の画像の入力準備に入る。その後は、以上説明した動作と同じ動作を繰り返して原稿がなくなるまで実行する。
次に、ハードディスク装置503の容量が50ページで限界になる場合の判定に基づく動作を説明する(複数ブロック分割処理モード)。
図28の画像の動作図のように、48枚目の原稿を読み込むと図23のフローチャートにおけるS80の判定の結果、S71に戻り、次の原稿2ページ分を読み込む。この後は、ハードディスク装置503が容量的には1ページ分の容量が残っているが両面動作のための2ページ分のハードディスク装置503の空き容量がないので、S83に進み、ここで排出動作に入る。
この後は、ハードディスク装置503から決められた順番で画像データの読み出しが図5のメモリ部502に行われ、用紙ヘの記録動作が実行される。読み出しは、用紙の裏面を先に記録する場合、52,54…の偶数ページの順で行われ、用紙は両面ユニット55にためられる。100ページまで終了すると、続いて用紙は両面ユニット55から取り出されていく。この順番は、最終に入った用紙から排出に入り、ハードディスク装置503からは、99,97…の奇数のページを順に読み出しシートの表面に記録を実行していく。これを51ページまで終了すると初回にハードディスク装置503に蓄積した画像データの記録動作は終了する。
この後は、再度読み込みからスタートし、判定を行いながら同様の処理を実行する。これにより、両面の中途半端な読み込みでハードディスク装置503が容量オーバーすることなく処理の継続が実行される。
次に、図29〜図31を用いて、図23のフローチャートの判定に基づいて、原稿画像の読み込みを行った場合の、シート搬送経路タイプの両面ユニット155を備えたデジタル複写機における、用紙の動作と画像データの動きについて説明する。
前述したように、このタイプの両面ユニット155の場合、シート搬送経路に入る搬送枚数Lが4枚の画像サイズとすると、画像の読み込み制限は、ハードディスク装置503の容量と2L枚の画像容量で少ない方を制限量とし、さらにシート搬送経路に入る枚数が4枚とすると、画像は8画像となるので8の倍数で入力の制限を行う。
つまり、画像が入力されると、まず8枚の画像が入力できるか判定して制限量と比較し、空きがあれば8ページまでは入力を許可し、次の判定は8枚を入力したときに判定するように判定のポイントを変化させる。
図31の動作図に画像データの動きを示し、図29(a)〜(f)と図30(a)〜(g)に、用紙の移動を示す。
このように、入力の制限判定を、1つの搬送単位分、ハードディスク装置503に画像データの蓄積容量があるかないかで区切りを設定することで、入力が大量にセットされても分割の区切りを効率的に行うことができ、単にハードディスク装置503の制限のみの判定では両面搬送の効率まで判定できない点を補うことができる。
次に、画像が記録された用紙を後処理装置34により後処理する後処理モードが指定されている場合のブロック分割について説明する。
なお、後処理装置34としては、図3にあるような、フェイスアップ・ダウンの切り換え排出が可能なタイプ以外に、画像が記録された用紙を収容して用紙束を綴じ合わせるシート綴じ装置(ステープル装置など)、画像が記録された用紙を仕分け収容して複数部の用紙束として完成させるシート仕分け装置(ソータ装置など)があり、このときのブロック分割処理方法について、以下に用紙の流れと共に説明する。
まず、シート綴じモードとブロック分割処理について、図32のフローチャートを基にして説明する。
なお、図32のフローチャートにおいて、S101〜105、S107〜111までの処理は、前述の図23のフローチャートの、S71〜75、S77〜81までの処理と同じ、両面記録モードでの処理であるので、ここでは、両面記録モードが指定されなかった場合のみを説明する。
シート綴じモードが設定されている場合、ハードディスク装置503の容量チェックにおいて入力が許可されても、ステープル装置の制限枚数を超える場合は、次の入力を許可しないようにして、読み込んだ画像の排出動作を実行する。
ここでは、ハードディスク装置503が100ページの容量で、ステープルが25枚のシートの制限があるとして、具体的に説明する。
25ページ目の画像が入力すると、S106において、次の入力のためのハードディスク装置503の空き容量をチェックする。容量が足りる場合は、ステープルの制限枚数と比較し(S113)、ここでは25ページが制限であるので、次の入力を行わずに(S101に戻らない)、排出動作に入る(S115)。
このとき、最初の設定でステープル優先かそうでないかを設定するようにして、ステープル優先かどうかをS114で判断し、優先でないときは、ステープルの制限判定は無しで、S101戻り、S106におけるハードディスク装置503の容量チェックにて問題があったときのみ、S115にて排出の動作を行う。
また、ステープル指示が成されていて、用紙を入力しながら順次用紙の排出を行っていく場合は、S113、S114の判定後、用紙排出を一時停止し、後処理装置34によるステープル動作を実行する。
図33(a)〜(f)に、このときのシートの流れを示す。
図33(a)の用紙P1に対して最初に給紙を行う。この給紙は、用紙の入力が許可されると行われる。次に、画像のデータ量と枚数から、フローチャートの判定をおこない、入力が許可されると、図33(b)のSTEP2の状態に移る。以降同じ動作で実行され、最終判定で分割処理のステープルが実行される場合、N枚がシートの制限とするとN−1枚目の画像を入力したあとの判定で、ステープル制限がかかる場合、次の入力N枚目で入力、用紙の給紙を停止し、用紙の搬送が完了するとステープル動作に入る(図33(f))。
次いで、シート仕分けモードとブロック分割処理についてであるが、これは図34のフローチャートに基づいて行われる。
なお、図34のフローチャートは、ステープルの枚数制限と同じ判定で、図32のフローチャートにおけるS113(S114は無し)の代わりに、S133にてシート分け装置の制限枚数であるかどうかを判定する点が異なるのみで、S133にて、排出する用紙のソーティング化を行う。ソーティングは、読み込んだ順にマルチ部数仕分け装置に出力するモードである。
次に、複数の画像を1つの画像として記録材上に記録する(Nin1モード)モードが指定されている場合のブロック分割について説明する。
該モードは、画像の動作タイミングを、図35のようなタイミングとすることで実現できる。
これについて説明すると、画像は一度ハードディスク装置503に蓄積されてから排出動作にはいる、一括動作で実行される。
このとき、ハードディスク装置503に画像を読み込むタイミングは、入力されるとすぐに行われ、ハードディスク装置503に画像データを転送する前に、Nin1モードのときのハードディスク装置503の容量判定を行うことで入力に対する入力許可を判定する。
ここでの判定を、図36のフローチャートに示す。なお、図36のフローチャートにおいて、S141〜144、S145、S147〜151までの処理は、前述の図23のフローチャートの、S71〜75、S77〜81までの処理と同じ、両面記録モードでの処理であるので、ここでは、両面記録モードが指定されなかった場合のみを説明する。
原稿が入力されると、Nin1モードのNの設定値がシート1面の画像はめ込み枚数になるので、これをハードディスク装置503への画像データの蓄積を区切る判定のポイントとする。
まず、画像が入力されると、S146では、最初のシート分Nを引いた容量がハードディスク装置503にあるかどうか判定する。あれば、N+1枚目の入力を許可する。なければ、読みかけのN分を読み込み、S153に進んで原稿の入力を停止し、ハードディスク装置503内の画像データの排出動作に入る。これにより、Nin1モードが設定されている場合において、ブロック分割処理されたとしても、問題なく完成した記録物とできる。