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JP3821909B2 - 自動切削装置および自動切削・研磨装置 - Google Patents

自動切削装置および自動切削・研磨装置 Download PDF

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JP3821909B2 JP9832997A JP9832997A JP3821909B2 JP 3821909 B2 JP3821909 B2 JP 3821909B2 JP 9832997 A JP9832997 A JP 9832997A JP 9832997 A JP9832997 A JP 9832997A JP 3821909 B2 JP3821909 B2 JP 3821909B2
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文男 笠上
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融接合したワークの接合部に発生する、溶接ビードや鋳バリ等の突起物を切削する自動切削装置および該突起物を切削し、この後該切削部近傍を研磨する自動切削・研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、所望とする製品を得るために、溶融接合したワークの接合部に発生する、溶接ビードや鋳バリ等の突起物を切削する切削作業や、該突起物を切削し、この後該切削部近傍を研磨する切削・研磨作業が行なわれている。
【0003】
このうち、切削・研磨作業を説明するために、例えば自動二輪車に使用されている、いわゆるオートバイのマフラの製作工程について説明する。
【0004】
図21に示されるごとく、まず第1工程において、円筒形の部材W1 と、2種類の円錐形の部材W2 ,W3 とが適宜に作成される。
第2工程において、円筒形および円錐形の部材W1 〜W3 の内部にオートバイのマフラの機能を果すための適宜の消音機器が取付けられる。
第3工程において、消音機器を内蔵した円筒形および円錐形の部材の当接部が外側から全周に亘って溶接される。
この場合、図22に示されるごとく、溶融接合された接合部に突起物,すなわち溶接ビードWB が形成される。
勿論、溶接ビードWB の形状は、ワークの材質やワークの板厚などにより異なるため一義的には断言できないが、例えばワークがステンレス材であって、板厚が0.8mm程度の場合には、通常高さが1.0〜1.5mm、幅が2.5〜3.5mmくらいの溶接ビードWB が形成される。
【0005】
第4工程は、製品として高級感を有するように、オートバイのマフラの接合相当部を切削・研磨する工程であって、この第4工程として、まず溶接ビードWB を所望の状態まで切削する切削作業と、続いて溶接時の熱影響により変色した接合相当部を除去する研磨作業とが施される。
【0006】
ところで、切削作業においては、図23に示されるごとく、溶接ビードWB の切削量が所望の状態に対して少ない場合には、この後の研磨作業が面倒となる。すなわち、研磨作業は、本質的にはミクロ的にワーク表面を滑かにする作業であるため、単位時間当りの研磨代は、上記切削作業の切削代に比べて格段に少なく、このため、上記のごとく切削不足の溶接ビードを含めて所望の状態に研磨するには、多大の作業時間を必要とするばかりでなく、研磨具の早期摩耗により不経済である。
【0007】
他方、図24に示されるごとく、所望の切削状態に対して溶接ビードを切削し過ぎた場合、ワーク表面を連続的とするために、ワークのコーナ部を含めて研磨しなくてはならないから、多大の研磨時間を必要とする。
勿論、この場合、ワークの接合部の接合強度が低下するに加えて、外観品質も低下するため、上記に加えて、過度に切削し過ぎると製品として不合格となる。
上記の理由により、第4工程の切削作業においては、図25に示されるごとく、一般に溶接ビードの残量Eが10〜100μmmの範囲内の所定の値となるように切削を行なう必要がある。
この後、研磨作業により、上記残量の溶接ビードおよび該切削部近傍の研磨が行なわれる。
【0008】
一般的に図26に示されるように、例えばロボットマニピュレータ39の自由端部にワークWを取付け、このワークWを切削具、例えばグラインダGにより切削することが考えられる。
ところで、回転するグラインダGによりワークWの溶接ビードを切削する場合、グラインダの切削点に作用する切削時の反力が大きく、しかも溶接ビードは高さが1.0〜1.5mm、幅が2.5〜3.5mmとバラツキがあるため、次々と切削される切削点の相違により切削負荷量が異なり、グラインダへの反力が異なる。
このグラインダへの反力が大きくなった状態は、正しくグラインダとワークとが噛み込んだ状態であって、このようにグラインダへの反力が過大となった際には、過負荷検出器が作動して電動機を停止させて、グラインダ回転用電動機の破損が防止されている。
このように、グラインダとワークとが噛込んだ後は切削を行なうことができない。
【0009】
これに対処するために、グラインダとワークとの押圧状態を一定とするために、ストレンゲージ等の「力センサ」を使用し、この「力センサ」をにより反力を検出しつつ、一定の押圧力となるようグラインダとワークとの押圧力を制御する、いわゆる「力センサによるフィードバック制御」が考えられる。
このように「力センサによるフィードバック制御」により溶接ビードを切削した場合、溶接ビードは一定量切削される。
【0010】
ところで、ワークに形成される溶接ビードは、高さがワークの円周方向に1.0〜1.5mm、幅が2.5〜3.5mmとバラツキがあるため、上記のごとく、「力センサによるフィードバック制御」により溶接ビードを切削した場合には、図27に示されるごとく、溶接ビード高さの変動相当分が残った状態で切削されることとなる。勿論、このように溶接ビード高さの変動相当分が残った切削状態のワークは、いわゆる荒切削作業を行なった状態に他ならず、切削作業として不充分である。
さらに、この切削作業の後に研磨作業を行なう場合には、既に述べたように、溶接ビードの切削量少足時の研磨作業となるため、作業上好ましくない。
このため、上記荒切削作業を行なった後は、いわゆる熟練した作業者により仕上切削作業を実施する必要がある。
【0011】
ところで、製品としての板厚が比較的薄い、例えばオートバイのマフラを溶接した場合、溶接熱によりワークが歪むため、ワーク表面が結果として円周方向に真円でないケースが殆んどである。
このため、仕上切削作業において、例え熟練者といえども、歪んだワーク表面に対して、溶接ビードの残量がワークの円周方向に亘って均一となるように仕上切削を施すことは至難であり、このため熟練した仕上切削作業が行なわれたとしても、仕上切削作業後の溶接ビードの残量は、歪んだワークの円周方向の各部が、不均一であることが殆んどである。
【0012】
この後、研磨作業が行なわれるが、上記したごとく、熟練者による仕上切削作業によっても仕上切削作業後の溶接ビードの残量は、歪んだワークの円周方向の各部において不均一であることが殆んどであり、しかも大半のワークの表面は真円でなく歪んでいるため、例え熟練した作業者であっても、歪んだワークの円周方向に亘って均一な状態の研磨作業を施すことは困難である。
勿論、今日どの分野においても、熟練した作業者が激減する傾向にあり、装置の自動化が嘱望されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、溶融接合したワークの接合部に発生する、溶接ビードや鋳バリ等の突起物を切削する自動切削装置および該突起物を切削し、この後該切削部近傍を研磨する自動切削・研磨装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1の発明は、ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置に適用される。
その特徴とするところは、
(1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに切削工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
(2)ワークを把持し、切削時にワークを回転させると共にワークの回転方向と直交する方向にワークを揺動させるロボットマニピュレータと
を具備してなることである。
【0015】
さらに、本第2の発明は、ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置に適用される。
その特徴とするところは、
(1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに切削工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
(2)前記切削工具の回転用駆動装置を自由端部に支持したマニピュレータであって、切削時に、固定されたワークの円周方向に前記回転用駆動装置を回転させると共に、ワークの円周方向と直交する方向に前記回転用駆動装置を揺動させるロボットマニピュレータと
を具備してなることである。
【0016】
さらに、本第3の発明は、ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置に適用される。
その特徴とするところは、
(1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに切削工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
(2)ワークを把持したロボットマニピュレータと、
(3)ワークの突起物を跨いだワークの表面高さおよびワークの突起物の高さをワークの円周部の複数点に亘って測定する測定装置と、
(4)理想形状のワークを切削するために、ロボットマニピュレータを制御するための切削用基本プログラムと、
(5)切削後におけるワーク表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、前記複数組の測定データに基いて前記突起物の最大値を演算し、該最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数組の測定データのワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成される切削作業プログラムと、
(6)切削時に、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるための切削用揺動プログラムと、
(7)前記切削作業プログラムおよび切削用揺動プログラムに接続されて前記ロボットマニピュレータと切削工具の回転用駆動装置とを作動させる切削制御装置と
を具備してなることである。
【0017】
本第4の発明は、本第3の発明において、前記ワークは突起物を跨いで円筒部とテーパ部とに形成され、該円筒部の切削時には前記(5)項による円筒部用の切削作業プログラムが作成され、かつ前記円筒部の切削後に前記テーパ部の切削用として、切削後におけるテーパ表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、仮想の最大突起物が前記円筒部の切削により切削されたものとして仮想突起物の残部の最大値を演算し、該仮想の残部最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数個の測定データのテーパ部のワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の仮想最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更してテーパ部用の切削作業プログラムが自動生成されてなることを特徴としている。
【0018】
さらに、本第5の発明は、本第3または本第4の発明において、前記測定装置は、測定ステーションの所定位置に配置され、かつ該測定ステーションには、複数個のワークを載置して回動されるターンテーブルと、測定位置でワークをターンテーブルに対して昇降動させる昇降機構と、ワークの昇動時に所定の測定角度毎に回動させるワーク回転機構とよりなるワーク取扱装置が配設されていることを特徴としている。
【0019】
本第6の発明は、ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置に適用される。
その特徴とするところは、
(1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
(2)ワークを把持したロボットマニピュレータと、
(3)ワークの突起物を跨いだワークの表面高さおよびワークの突起物の高さをワークの円周部の複数点に亘って測定する測定装置と、
(4)理想形状のワークを切削するために、ロボットマニピュレータを制御するための切削用基本プログラムと、
(5A)円筒部の突起物の切削を行うために、切削後における円筒部のワーク表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、前記複数組の測定データに基いて前記突起物の最大値を演算し、該最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数組の測定データのワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成される円筒部の切削作業プログラムと、
(5B)テーパ部の突起物の切削を行うために、切削後におけるテーパ表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、仮想の最大突起物が前記円筒部の切削により切削されたものとして仮想突起物の残部の最大値を演算し、該仮想の残部最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数個の測定データのテーパ部のワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の仮想最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成されるテーパ部の切削作業プログラムと、
(6)切削時に、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるための切削用揺動プログラムと、
(7)理想形状の円筒部とテーパ部のワークを複数の測定点毎に、円筒部の軸線とテーパ線とを垂直となるように反転させるように、ロボットマニピュレータを制御するための研磨用基本プログラムと、
(8)前記円筒部の軸線とテーパ線とが垂直となるように反転させる際に、前記複数の測定データに基いて、円筒部およびテーパ部の夫々のワーク表面高さの研磨用基本プログラムの相当値を変更して自動生成される研磨作業プログラムと、
(9)前記切削作業プログラムおよび切削用揺動プログラムと、研磨作業プログラムとに接続されて、前記ロボットマニピュレータと切削工具および研磨工具の夫々の回転用駆動装置とを順次に作動させる切削・研磨制御装置と
を具備してなることである。
【0020】
本第7の発明は、本第6の発明において、前記測定装置は、測定ステーションの所定位置に配置され、かつ該測定ステーションには、複数個のワークを載置して回動されるターンテーブルと、測定位置でワークをターンテーブルに対して昇降動させる昇降機構と、ワークの昇動時に所定の測定角度毎に回動させるワーク回転機構とよりなるワーク取扱装置が配設されていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明する。
まず、本発明に係る自動切削装置および自動切削・研磨装置に好適な切削工具および研磨工具の回転用駆動装置について説明する。
図1および図2において、1は枠体2に取付けられた高速回転用モーター、3は回転用軸受4,4を介して枠体2に回転自在に取付けられた回転軸、5および6は、モーター1および回転軸3に夫々一体的に取付けられた第1および第2の回転伝達部材、例えばプーリー5,6で、これらの回転伝達部材5,6は第1の連結具,例えばベルト7により連結されて、回転力が伝達される。
8は回転軸3のY2 方向の端部に一体的に支持された偏心部材で、この偏心部材8には回転軸の軸芯O1 に対して軸芯O2 がδだけ偏心した係合用孔801が形成されている。
【0022】
9は回転用軸受10,10を介して係合用孔801と同軸に回転自在に支持されたスピンドル、11は回転軸3のY2 方向の端部に、回転用軸受12,12を介して回転軸3と同軸に回転自在に支持された回転部材で、この回転部材11には第3の伝達部材,例えばプーリー13が一体的に形成されている。
【0023】
14は低速回転用モーター16に一体的に取付けられた第4の回転伝達部材,例えばプーリーで、この第4および第3の回転伝達部材14,13は第2の連結具,例えばベルト15により連結されて回転力が伝達される。
17はスピンドル9に固定されて、スピンドル9の半径方向の外方に突出する突出ピン、18は、図1における紙面と直交方向、すなわちX方向に間隔を設けて、回転部材11の張出部111に支持された案内ローラーで、この対向する案内ローラー18,18間に突出ピン17がX方向に少しの間隙を設けて配置される。
【0024】
19はスピンドル9に取付けられる適宜の工具,例えば切削工具あるいは研磨工具である。
上記1乃至19により工具の回転用駆動装置20が構成される。
上記構成において、今、モーター16が停止されているものとする。この場合、モーター16が停止されているため、プーリー13,14間に巻掛されたベルト15により、回転部材11が静止された状態に保たれている。
この状態でモーター1が回転されると、プーリー5,6間に巻掛されたベルト7により回転軸3が回転される。
【0025】
このように回転軸3が軸芯O1 を中心として回転されると、回転軸3の軸芯O1 と偏心量δだけ軸芯O2 が偏心されたスピンドル9は、軸芯O1 を中心として偏心量δの半径で回動される。
【0026】
ところで、上記したごとく、回転部材11が静止状態にあるため、この回転部材11に支持された案内ローラ18,18も静止されている。
このため、図2に示されるごとく、スピンドル9の軸芯O2 が、点O1 を中心として半径δで回転される場合、スピンドル9に取付けられた突出ピン17は、静止されている案内ローラ18,18とX方向に少しの間隙を設けて配置されているため、例えば図2において、スピンドル9の軸芯O2 が、点O1 を中心として反時計方向に回動されると、突出ピン17が案内ローラ18,18に当接し、この後は突出ピン17が案内ローラ18,18により拘束されるため、突出ピン17が点O2 を中心として傾動しつつスピンドル9が回転される。
【0027】
すなわち、スピンドル9の軸芯O2 が点O1 を中心として半径δで回転されると、スピンドル9は点O2 を中心として傾動しつつ、点O1 を中心として回転される。
このため、高速回転用モーター1が回転されると、スピンドル9と一体的に支持された工具19は、点O2 を中心として傾動しつつ点O1 を中心として半径δで高速回転される。
【0028】
この状態で、低速回転用モーター16が回転されると、プーリー13,14間に巻掛されたベルト15により回転部材11が回転され、回転部材11と共に案内ローラ18,18が点O1 を中心として回転される。
この案内ローラ18,18の回転により、突出ピン17が点O2 を中心として回転される。結局、低速回転用モーター16が回転されると、回転部材11,案内ローラー18,18および突出ピン17を介して工具19が点O2 を中心として低速で回転される。
【0029】
例えば、工具19が切削工具である場合、高速回転用モーター1により工具19が半径δの微量高速回転によりワークが切削されるため、微量高速回転により切削力を分散させて高能力で切削され、かつ工具自体が回転軸廻りに高速回転するものに比べて、切削層が周囲に飛散する状態が激減する。
【0030】
さらに、低速回転用モーター16により工具19が回転されると、ワークを切削する工具19の切削当接部が低速で位置変位されて、工具19の広い面の部分で切削することとなり、工具19の発熱および摩耗が分散されて、結果として工具寿命を長くすることができる。
【0031】
図3は、本発明に係る自動切削・研磨装置の概略構成図であって、ワークが溶接ビードを有する溶接物であるものとして説明する。
【0032】
詳細な説明は後述するが、概略構成について説明すると、図3において、35はワークの表面および溶接ビードの状態を測定するためワーク測定装置34とワーク取扱装置25とを備えたワーク測定ステーション、36は上記した回転用駆動装置20に切削工具191を取付けた切削ステーション、37は上記した回転用駆動装置20に研磨工具192を取付けた研磨ステーション、38はワークの搬出ステーション、39は各ステーション間に位置変位されるロボットマニピュレータである
40は切削・研磨制御装置で、この切削・研磨制御装置40には、基本プログラム41と、基本プログラム41により作動されてワーク計測装置34の測定データを受信する機能と、基本プログラム41および測定データにより自動生成される作業プログラム42と、切削時に、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるための切削用揺動プログラム43と、ロボットマニピュレータ39に電気的に接続されたモーションコントローラ44と、切削および研磨ステーションの夫々の回転駆動装置20,20とが電気的に接続されている。
【0033】
さて、図4および図5に示されるごとく、ワーク測定ステーション35においては、例えば、複数のワークを所定の状態に、すなわち基準点に合わせて設置するターンテーブル21と、ターンテーブル21を回転させてワークを計測位置まで移動させる回転機構22と、計測位置のワークを昇降動させる昇降機構23と、昇降機構23に載置されてワークを回転させるワーク回転機構24とによりワーク取扱装置25が構成されている。
【0034】
さらに、ワーク取扱装置25により測定状態におかれたワークの溶接ビードWB の高さHを測定するための第1の測定器31と、円筒部を有する第1のワークW1 の表面高さLを測定するための第2の測定器32と、テーパ部を有する第2のワークW2 の表面高さMを測定するための第3の測定器33とによりワーク測定装置34が構成されている。
【0035】
なお、測定器31,32はY方向の値を測定するに対して、第3の測定器33はワークW2 の傾面と直交する方向の値を測定するものである。
また、第2および第3の測定器32,33は理想とするワークが測定状態に置かれた場合を基準,すなわち測定値をゼロとするものであり、第2の測定器32は、ワークW1 の表面が理想の位置よりもY2 方向に位置する場合にはプラスの測定値を測定する。
さらに第3の測定器33は、ワークW2 の表面が、理想のワークの傾斜面に対して該傾斜面と直交するY2 方向側に位置する場合には、プラスの測定値を測定する。
【0036】
なお、ワーク測定装置34はワークの全周に亘って所定角度、例えば1度毎に上記H,LおよびMの値が測定される。
この場合、第1の測定箇所における上記の値が測定された後、ワーク取扱装置25のワーク回転機構24によりワークが所定角度回転されて第2回目の上記の値が測定される。
続いて、ワークの回転→測定が繰返されて、ワークの全周に亘って複数回の測定が行なわれて、例えば表1に示される測定結果が切削・研磨制御装置40へと送信される。
【0037】
【表1】
Figure 0003821909
【0038】
さて、基本プログラム41は、基本的にはロボットマニピュレータ39の動作内容を記述したもので、例えばNC工作機械でよく使用されるNC言語であるGコードにより、理想形状のワークを想定して所望の切削および研磨を行なう場合のワークのX,YおよびZ方向の設定値などが記述されている。
この基本プログラム41としては、図6,図11および図14に示されるごとく、円筒部用,テーパ部用および研磨用の夫々の基本プログラム411〜413が準備されている。例えば、ワークが理想形状の表面状態で、かつ真円の場合には、円筒部切削用基本プログラム411通りにワークが位置決めされたときに、図8(B)に示されるごとく、ワークの表面と切削工具面とが一致するものとされている。
【0039】
ところで、上記表1に示される測定結果が切削・研磨制御装置40に受信されると、各測定位置毎に、溶接ビードの高さHとワークW1 の表面高さLとにより、真の溶接ビード高さhが計算されて、真の溶接ビード高さhの最大値が計算されて特定される。
例えば、ワークW1 の全周方向の測定値において、例えば測定点Pj での溶接ビード高さHj ,ワークW1 の表面高さLj の差が最大であったとする。
すなわち真の溶接ビードの高さの最大値hMAX は次式で表わされる。
MAX =Hj −Lj ………(1)
【0040】
この場合、切削工具191による1回の設定切削代A、複数回の切削作業後における溶接ビードの設定残量Eとすれば、切削回数nは次式で計算される。
n=(hMAX −E)/A ………(2)
【0041】
ところで、ワークW1 に対する切削作業は、図8に示される座標系において、ワークW1 の表面位置を基準として行なわれる。
勿論、表1に示されるごとく、ワークW1 の表面位置は理想とするワークの表面位置に対してY方向に位置変位するため、表1に示される測定データと設定切削代との円筒部の切削用基本プログラムの相当値を変更して円筒部用の切削作業プログラム421が自動生成される。
【0042】
すなわち、ワークの測定状態と切削状態とは、図5および図8に示されるごとく180度反転されるため、第1回目の切削作業用として、ワークW1 の表面高さのプラスの値および(hMAX −A)の合計値が、円筒部切削用基準プログラム411におけるワークW1 の全周に亘る複数の測定相当点のY座標値を減算するように、すなわち上記合計値分だけ図8におけるY2 方向の値となるように円筒部の切削用基本プログラム411の相当Y座標値が変更される。
更に、第2回目の切削作業用として、第1回目における測定相当点のY座標値が更にY1 方向に設定切削代A相当分加算、すなわち積算される。
以下、第n−1回目の切削作業用として、Y座標値が設定切削代A相当分だけ順次に積算されて切削用基本プログラム411の相当Y座標値が変更される。
最後の第n回目の切削作業時には、ワークW1 の表面高さLと溶接ビードの設定残量Eとの加算値に相当する切削用プログラム411のY座標値が変更される。
上記により、ワークW1 の溶接ビードをn回に亘って切削するための、円筒部用の切削作業プログラム421(図9参照)が自動生成される。
【0043】
この後、テーパ部を有するワークW2 側の溶接ビードは、図10に示されるごとく、ワークW2 のテーパ線がX−Z面と平行となる状態で切削が行なわれる。このテーパ部の溶接ビードは、例えば図11に示されるテーパ部の切削用基本プログラム412および表1に示される測定データによりテーパ部用の切削作業プログラム422が後述のごとく自動生成される。
【0044】
この場合、テーパ部の溶接ビード高さは、円筒部の場合と同様にして求めることができる。
しかし、上記したようにワークW1 表面よりの溶接ビードの残量が所望の値となるように、円筒部の溶接ビードが切削された後、テーパ部の溶接ビードが切削される。このため、テーパ部の溶接ビードを切削する際には、図12に示されるごとく、大半の溶接ビードが切削されている状態である。したがって上記のような面倒な演算を行なうよりも幾何学的に求められる簡易値として取扱うことができる。
【0045】
例えば、板厚0.8mmの溶接における溶接ビードは高さが1.0〜1.5mm,幅が2.5〜3.5mmであるため、ワークの傾斜角度が30度の場合、最大の溶接ビードの形状が図12に示されるごとく、幅3.5mm,高さが1.5mmであると仮定すれば、幾何学的にテーパ部の切削すべき溶接ビードの高さhMAX は、最大で0.7mm程度である。
【0046】
したがって、1回の設定切削代Aと、切削作業後の溶接ビードの設定残量Eとを設定すれば切削回数nは上記の(2)式として求められる。
例えばA=0.5mm,E=0.1とすればn=1.2となり切削は2回で行なわれる。
【0047】
この場合、第1回目はワークW2 の表面高さLj と設定切削代Aとの加算値に相当するテーパ部の切削用基本プログラム412のY座標値が変更され、第2回目、すなわち最終回の切削時には、ワークW2 の表面高さLj と溶接ビードの設定残量Eとの加算値に相当するテーパ部の切削用基本プログラム412のY座標値が変更されて、テーパ部用の切削作業プログラム422が自動生成される。
【0048】
次に、切削用揺動プログラム43は円筒部およびテーパ部の溶接ビードを切削するときに、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるために使用されるものであって、例えば、ワークがZ方向に50mm昇降動される場合、図16に示されるごとくの切削用揺動プログラム43が採用される。
【0049】
上記において、円筒部の溶接ビード切削時には、図9に示される円筒部の切削作業プログラム421と図16に示される切削用揺動プログラム43とがモーションコントローラ44を介して実行されてロボットマニピュレータ39が作動されると共に切削用の回転駆動装置20が作動されて、円筒部の溶接ビードがn回に亘って切削される。この円筒部の溶接ビード切削時のフローを図17に示す。
【0050】
上記において、円筒部の切削作業においては、ワークの全周に亘る複数の測定位置が理想とするワークの表面位置となる状態で切削されるため、第1回目の切削時には最大高さの溶接ビードが設定切削代A,例えば0.5mm切削される。勿論、最大高さの溶接ビードよりも低い高さの部分では0.5mm未満だけ切削される。
第2回目から第(n−1)回目の切削時に、ワークの全周に亘って0.5mmだけ切削される。
【0051】
勿論、最後の第n回目の切削時には、設定残量Eとなるように、例えば0.195mmだけワークの全周に亘って切削される。
【0052】
次に、テーパ部の溶接ビード切削時には、図13に示されるテーパ部の切削作業プログラム422と図16に示される切削用揺動プログラム43とがモーションコントローラ44を介して実行されてロボットマニピュレータ39が作動されると共に切削用の回転駆動装置20が作動されて、テーパ部の溶接ビードがn回に亘って切削される。この円筒部の溶接ビード切削時のフローを図18に示す。
【0053】
このテーパ部の切削作業においても、ワークの全周に亘る複数の測定位置が理想とするワークの表面位置となる状態で切削されるが、第1回目の切削時における設定切削代A,例えば0.5mmは仮定の最大ビードを0.5mm切削することを前提としているため、実際の切削量は0.5mm未満となるかもしれない。
しかし、第2回目から第(n−1)回目の切削時に、ワークの全周に亘って0.5mm切削される。
勿論、最後の第n回目の切削時には、設定残量Eとなるように、例えば0.1mmだけワークの全周に亘って切削される。
なお、図12に示されるワークにおいては、第2回目の切削が最後の切削作業となっている。
【0054】
なお、最終回の切削時には、ワークと切削工具との相対位置 E1 は、
E1 =(理想のワーク位置)−L( OR M)−E
とすることにより、設定残量Eとなるように切削される。
しかし、計算が面倒となるが、(n−1)回目の位置 n-11 を用いて下記(3)式とすることができる。
n1 n-11 +(hMAX −(n−1)A−E) ………(3)
勿論、上記(3)式を展開すれば、
Figure 0003821909
となり、上記 E1 n1 とは同じ値であることが分かる。
【0055】
図14は研磨用基本プログラム413で、理想形状の円筒部とテーパ部のワークを複数の測定点毎に、円筒部の軸線とテーパ線とを垂直となるように反転させるもので、例えばワークのテーパ角度が30度の場合に、ワークが30度反転される。
複数の測点毎に円筒部の軸線とテーパ線とが垂直となるように反転させる際に、図15に示されるごとく、複数の測定データに基いて、円筒部およびテーパ部の夫々のワーク表面高さの研磨用基本プログラムの相当値を変更して研磨作業プログラム423が自動生成される。
【0056】
さて、研磨作業時には、図15に示される研磨用作業プログラム423がモーションコントローラ44を介して実行されてロボットマニピュレータ39が作動されると共に研磨用の回転駆動装置20が作動されて、例えばワークが30度反転されつつ、ワークの全周に亘って研磨作業が施される。この研磨作業のフローを図19に示す。
【0057】
なお、例えば切削工具191としては、いわゆる80番のサンダーが使用されるに対して、研磨工具192としては、例えば180番のサンダーが用いられる。
この場合、図20に示されるごとく、回転される研磨工具192の回転面に対してワークが、例えば30度反転されつつ溶接ビード部近傍が研磨されるが、研磨用のサンダー52と面板50との間に、ウレタン樹脂や石綿等のクッション材51を挿入しておけば、研磨用のサンダーと被研磨部とがなじむため、良好な研磨面を得ることができる。
【0058】
切削および切削・研磨作業終了後、ワークは搬出ステーション38へと移送される。
【0059】
上記において、溶接ビードの高さを定性的に把握すると共に、ワークの表面位置を測定して、実際のワークの表面が理想とするワーク表面位置となるように制御しつつ切削作業が行なわれるため、実際のワークの表面に対する溶接ビードの残量Eが所望とする値となるように、ワークの全周に亘って切削される。
【0060】
勿論、実際のワークの表面を基準として溶接ビードが切削されているため、仮に円周方向に対して歪んだワークであってもワークの全周に亘って均一な状態で切削される。
このため所望とする上質の切削結果を得ることができる。
【0061】
勿論、上記のごとく溶接ビードの残量が所望の値に切削されたワークであって、回転される研磨工具の回転面とワークとを相対的に反転されつつ研磨されるため、上質の研磨部を得ることができる。
【0062】
さらに、ワークを把持するロボットマニピュレータを用いれば、ワーク自体が比較的軽量であることと相俟ってワークの取扱いが自在に行なえるため、小形のロボットマニピュレータとして高能率に切削および切削・研磨作業を行なうことができる。
【0063】
上記に拘わらず、ワークを固定とし、切削および研磨用の回転用駆動装置を比較的大形のロボットマニピュレータに取付けて適宜に切削および研磨作業を行なうことができる。この場合、切削あるいは研磨時に切削工具あるいは研磨工具を回転用駆動装置に取替えて作業することができる。
【0064】
上記において、切削時には、高速回転用モーター1により切削工具19が半径δの微量高速回転によりワークが切削されるため、微量高速回転により切削力を分散させて高能力で切削され、かつ工具自体が回転軸廻りに高速回転するものに比べて、切削層が周囲に飛散する状態が激減する。
【0065】
さらに、低速回転用モーター16により工具19が回転されると、ワークを切削する工具19の切削当接部が低速で位置変位されて、工具19を有効利用することとなり、工具19の発熱および摩耗が分散されて、結果として工具寿命を長くすることができる。
【0066】
さらに、上記に加えて、切削時に、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるため、回転している切削工具の切削点は、切削工具の半径方向に次々と移動して、結果として冷えている切削工具部分で切削が行なわれるため、切削性がよく、しかも切削工具の全面を確実に有効利用するため、切削工具の発熱および摩耗が可及的に分散されて、工具寿命を著しく長くすることができる。
【0067】
勿論、測定ステーションにおいて、複数個のワークを予じめ測定するものとすれば、ワークの切削および切削・研磨作業と平行してワークの測定作業が行なえるため作業性がよい。
【0068】
これにも拘わらず、切削または切削・研磨作業を行なう寸前にワークの測定作業を適宜に行なうことができる。
【0069】
なお、請求項1記載のごとく、高速および低速用モーターに連動連結されてなる切削工具の回転用駆動装置と、ワークを把持し、切削時にワークを回転させると共にワークの回転方向と直交する方向にワークを揺動させるロボットマニピュレータとを具備してなる自動切削装置とすれば、高速回転用モーターにより切削工具が微量高速回転によりワークが切削され、かつ低速回転用モーターにより切削工具が回転されて切削工具の切削当接部が低速で位置変位されることと相候って、切削工具の全面を切削当接部として有効利用することができるため、切削力を分散させて均一の切削力で切削が行なわれる。
【0070】
すなわち、切削時の反力が小さいため、従来のごとく切削工具とワークとが噛み合うことなく、均一の切削力で切削が行なわれる。
【0071】
さらに、請求項2記載のごとく、高速および低速用モーターに連動連結されてなる切削工具の回転用駆動装置と、前記切削工具の回転用駆動装置を自由端部に支持したマニピュレータであって、切削時に、回転用駆動装置を固定されたワークの円周方向に回転させると共に、ワークの円周方向と直交する方向に回転用駆動装置を揺動させるロボットマニピュレータとを具備してなる自動切削装置とすれば、請求項1に記載の装置と同等の効果を得ることができる。しかしこの場合、比較的重い回転用駆動装置を支持するため、ロボットマニピュレータが幾分大形化する。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本第1の発明に係る自動切削装置は、
ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置であって、
(1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに切削工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
(2)ワークを把持し、切削時にワークを回転させると共にワークの回転方向と直交する方向にワークを揺動させるロボットマニピュレータと
を具備してなるため、
高速回転用モーターにより切削工具が微量高速回転によりワークが切削され、かつ低速回転用モーターにより切削工具が回転されて切削工具の切削当接部が低速で位置変位されることと相候って、切削工具の全面を切削当接部として有効利用することができるため、切削力を分散させて均一の切削力で切削が行なわれる。
すなわち、切削時の反力が小さいため、従来のごとく切削工具とワークとが噛み合うことなく、均一の切削力で切削が行なわれる。
【0073】
本第3の発明は、ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置において、
(1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに切削工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
(2)ワークを把持したロボットマニピュレータと、
(3)ワークの突起物を跨いだワークの表面高さおよびワークの突起物の高さをワークの円周部の複数点に亘って測定する測定装置と、
(4)理想形状のワークを切削するために、ロボットマニピュレータを制御するための切削用基本プログラムと、
(5)切削後におけるワーク表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、前記複数組の測定データに基いて前記突起物の最大値を演算し、該最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数組の測定データのワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成される切削作業プログラムと、
(6)切削時に、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるための切削用揺動プログラムと、
(7)前記切削作業プログラムおよび切削用揺動プログラムに接続されて前記ロボットマニピュレータと切削工具の回転用駆動装置とを作動させる切削制御装置と
を具備してなるため、
本第1の発明の効果に加えて、溶接ビードの高さを定性的に把握すると共に、ワークの表面位置を測定して、実際のワークの表面が理想とするワーク表面位置となるように制御しつつ切削作業が行なわれるため、実際のワークの表面に対する溶接ビードの残量Eが所望とする値となるように、ワークの全周に亘って切削される。
勿論、実際のワークの表面を基準として溶接ビードが切削されているため、仮に円周方向に対して歪んだワークであってもワークの全周に亘って均一な状態で切削される。
したがって、所望とする上質の切削結果を得ることができる。
【0074】
本第4の発明は、本第3の発明において、前記ワークは突起物を跨いで円筒部とテーパ部とに形成され、該円筒部の切削時には前記(5)項による円筒部用の切削作業プログラムが作成され、かつ前記円筒部の切削後に前記テーパ部の切削用として、切削後におけるテーパ表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、仮想の最大突起物が前記円筒部の切削により切削されたものとして仮想突起物の残部の最大値を演算し、該仮想の残部最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数個の測定データのテーパ部のワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の仮想最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更してテーパ部用の切削作業プログラムが自動生成されてなるため、本第3の発明の効果に加えて、
ワークの円筒部とテーパ部との接合部に形成される突起部を、円筒面とテーパ面に対する突起部の残量が所望の値となるようにワークの全周に亘って均一な状態で切削することができる。
【0075】
さらに、本第5の発明は、本第3または本第4の発明において、前記測定装置は、測定ステーションの所定位置に配置され、かつ該測定ステーションには、複数個のワークを載置して回動されるターンテーブルと、測定位置でワークをターンテーブルに対して昇降動させる昇降機構と、ワークの昇動時に所定の測定角度毎に回動させるワーク回転機構とよりなるワーク取扱装置が配設されてるため、本第3の発明の効果に加えて、ワークの切削作業と平行してワークの測定作業が行なえるため、能率的に作業を行なうことができる。
【0076】
さらに、本第6の発明は、ワークの円筒部とテーパ部との接合部の突起物を切削し、この後該切削部近傍を研磨する自動切削・研磨装置において、
(1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具及び研磨工具用の2組の回転用駆動装置と、
(2)ワークを把持したロボットマニピュレータと、
(3)ワークの突起物を跨いだワークの表面高さおよびワークの突起物の高さをワークの円周部の複数点に亘って測定する測定装置と、
(4)理想形状のワークを切削するために、ロボットマニピュレータを制御するための切削用基本プログラムと、
(5A)円筒部の突起物の切削を行うために、切削後における円筒部のワーク表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、前記複数組の測定データに基いて前記突起物の最大値を演算し、該最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数組の測定データのワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成される円筒部の切削作業プログラムと、
(5B)テーパ部の突起物の切削を行うために、切削後におけるテーパ表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、仮想の最大突起物が前記円筒部の切削により切削されたものとして仮想突起物の残部の最大値を演算し、該仮想の残部最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数個の測定データのテーパ部のワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の仮想最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成されるテーパ部の切削作業プログラムと、
(6)切削時に、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるための切削用揺動プログラムと、
(7)理想形状の円筒部とテーパ部のワークを複数の測定点毎に、円筒部の軸線とテーパ線とを垂直となるように反転させるように、ロボットマニピュレータを制御するための研磨用基本プログラムと、
(8)前記円筒部の軸線とテーパ線とが垂直となるように反転させる際に、前記複数の測定データに基いて、円筒部およびテーパ部の夫々のワーク表面高さの研磨用基本プログラムの相当値を変更して自動生成される研磨作業プログラムと、
(9)前記切削作業プログラムおよび切削用揺動プログラムと、研磨作業プログラムとに接続されて、前記ロボットマニピュレータと切削工具および研磨工具の夫々の回転用駆動装置とを順次に作動させる切削・研磨制御装置と
を具備してなるため、本第3の発明の効果に加えて、
研磨時には、前作業である切断作業において、突起物の残量は研磨作業に好適な値に切断されており、かつ回転される研磨工具の回転面とワークとが相対的に、例えば30度反転されつつ研磨工具とワークとがワークの円周方向に相対的に回転されつつ研磨されるため、極めて良好な上質の研磨部を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動切削装置および自動切削・研磨装置に好適な切削工具および研磨工具の回転用駆動装置を説明するための縦断面正面図
【図2】図1におけるII−II線断面矢視図
【図3】本発明の実施例の要部を示す概略構成図
【図4】本発明の実施例の要部である測定ステーションの要部を示す概略構成図
【図5】図4における要部拡大説明図
【図6】本発明で用いられる切削用基本プログラムの一部であって、理想形状のワークを切削するためにロボットマニピュレータを制御するための円筒部の切削用基本プログラムを示す図
【図7】円筒部の切削用基本プログラムを変更するために、測定データを用いて演算される演算例
【図8】図3での切削作業における配置状況説明図
【図9】円筒部の切削作業プログラムの生成状況説明図
【図10】図3におけるワークのテーパ部の切削状況説明図
【図11】図10の切削作業で用いられる切削用基本プログラムであって、理想形状のワークを切削するためにロボットマニピュレータを制御するためのテーパ部の切削用基本プログラムを示す図
【図12】ワークのテーパ部の切削を行なうに当って、円筒部の切削作業が行なわれた状態における、理想のワークに最大の溶接ビードが形成されると仮定して示す溶接ビードの幾何学的説明図
【図13】テーパ部の切削作業プログラムの生成状況説明図
【図14】本発明で用いられる研磨用基本プログラムを示す図
【図15】研磨作業プログラムの生成状況説明図
【図16】本発明で用いられる切削用揺動プログラムを示す図
【図17】円筒部の切削作業の流れを示す図
【図18】テーパ部の切削作業の流れを示す図
【図19】研磨作業の流れを示す図
【図20】研磨作業の状況説明図
【図21】本発明の対象とするワークの製作工程説明図
【図22】図21に示されるワークの製作工程で形成される溶接ビードの説明図
【図23】図21に示されるワークの製作工程において、溶接ビードの切削量が少ない状況を説明するための拡大図
【図24】図21に示されるワークの製作工程において、溶接ビードが必要以上に切削された状況を説明するための拡大図
【図25】図21に示されるワークの製作工程において、溶接ビードの切削量が好適である状況を説明するための拡大図
【図26】従来例の要部を示す斜視図
【図27】従来の切削作業による切削不良状況を説明するための拡大図
【符号の説明】
1 高速回転用モーター
3 回転軸
8 回転軸3の端部に一体的に支持された偏心部材
801 偏心部材に形成されて、回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔
9 係合用孔801と同軸に回転自在に支持されたスピンドル
11 回転軸3と同軸に回転軸3に回転自在に支持された回転部材
16 低速回転用モーター
17 スピンドル9に固定された、スピンドル9の半径方向の外方に突出する突出ピン
18 案内ローラー
19 スピンドルと同軸に固定された工具
20 工具の回転用駆動装置
25 ワーク取扱装置
34 ワーク測定装置
35 ワーク測定ステーション
36 回転用駆動装置20に切削工具191を取付けた切削ステーション
37 回転用駆動装置20に研磨工具192を取付けた研磨ステーション
39 ロボットマニピュレータ
40 切削・研磨制御装置
41 理想形状のワークの切削および研磨を行なわせる基本プログラム
411 理想形状のワークの円筒部の切削を行なわせる円筒部の切削基本プログラム
412 理想形状のワークのテーパ部の切削を行なわせるテーパ部の切削基本プログラム
413 理想形状の円筒部とテーパ部のワークの研磨を行なわせる研磨用基本プログラム
42 測定データおよび設定値に基いて、基本プログラムの相当値を変更して自動生成される切削および研磨作業プログラム
421 測定データおよび設定値に基いて、基本プログラムの相当値を変更して自動生成される円筒部用の切削作業プログラム
422 測定データおよび設定値に基いて、基本プログラムの相当値を変更して自動生成されるテーパ部用の切削作業プログラム
423 測定データおよび設定値に基いて、基本プログラムの相当値を変更して自動生成される研磨作業プログラム
43 円筒部およびテーパ部の溶接ビードを切削するときに、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるための切削用揺動プログラム

Claims (7)

  1. ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置において、
    (1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに切削工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
    (2)ワークを把持し、切削時にワークを回転させると共にワークの回転方向と直交する方向にワークを揺動させるロボットマニピュレータと
    を具備してなる自動切削装置。
  2. ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置において、
    (1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに切削工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
    (2)前記切削工具の回転用駆動装置を自由端部に支持したマニピュレータであって、切削時に、固定されたワークの円周方向に前記回転用駆動装置を回転させると共に、ワークの円周方向と直交する方向に前記回転用駆動装置を揺動させるロボットマニピュレータと
    を具備してなる自動切削装置。
  3. ワークの円周状の突起物を切削する自動切削装置において、
    (1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに切削工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具の回転用駆動装置と、
    (2)ワークを把持したロボットマニピュレータと、
    (3)ワークの突起物を跨いだワークの表面高さおよびワークの突起物の高さをワークの円周部の複数点に亘って測定する測定装置と、
    (4)理想形状のワークを切削するために、ロボットマニピュレータを制御するための切削用基本プログラムと、
    (5)切削後におけるワーク表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、前記複数組の測定データに基いて前記突起物の最大値を演算し、該最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数組の測定データのワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成される切削作業プログラムと、
    (6)切削時に、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるための切削用揺動プログラムと、
    (7)前記切削作業プログラムおよび切削用揺動プログラムに接続されて前記ロボットマニピュレータと切削工具の回転用駆動装置とを作動させる切削制御装置と
    を具備してなる自動切削装置。
  4. 前記ワークは突起物を跨いで円筒部とテーパ部とに形成され、該円筒部の切削時には前記(5)項による円筒部用の切削作業プログラムが作成され、かつ前記円筒部の切削後に前記テーパ部の切削用として、切削後におけるテーパ表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、仮想の最大突起物が前記円筒部の切削により切削されたものとして仮想突起物の残部の最大値を演算し、該仮想の残部最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数個の測定データのテーパ部のワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の仮想最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更してテーパ部用の切削作業プログラムが自動生成されてなる請求項3に記載の自動切削装置。
  5. 前記測定装置は、測定ステーションの所定位置に配置され、かつ該測定ステーションには、複数個のワークを載置して回動されるターンテーブルと、測定位置でワークをターンテーブルに対して昇降動させる昇降機構と、ワークの昇動時に所定の測定角度毎に回動させるワーク回転機構とよりなるワーク取扱装置が配設されていることを特徴とする請求項3または4に記載の自動切削装置。
  6. ワークの円筒部とテーパ部との接合部の突起物を切削し、この後該切削部近傍を研磨する自動切削・研磨装置において、
    (1)高速回転用モーターにより回転される回転軸と、該回転軸の軸芯に対して軸芯が偏心した係合用孔を有する偏心部材とを一体的に取付け、前記係合用孔に回転自在に支持されたスピンドルに半径方向に突出する突出ピンを取付け、前記スピンドルに工具を取付け、前記回転軸と同軸に回転自在に支持された回転部材に相対向する案内ローラを取付けて、該案内ローラにより前記突出ピンをスピンドルの円周方向に間隙を設けて拘束すると共に、前記回転部材を低速回転用モーターに連動連結してなる切削工具及び研磨工具用の2組の回転用駆動装置と、
    (2)ワークを把持したロボットマニピュレータと、
    (3)ワークの突起物を跨いだワークの表面高さおよびワークの突起物の高さをワークの円周部の複数点に亘って測定する測定装置と、
    (4)理想形状のワークを切削するために、ロボットマニピュレータを制御するための切削用基本プログラムと、
    (5A)円筒部の突起物の切削を行うために、切削後における円筒部のワーク表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、前記複数組の測定データに基いて前記突起物の最大値を演算し、該最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数組の測定データのワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成される円筒部の切削作業プログラムと、
    (5B)テーパ部の突起物の切削を行うために、切削後におけるテーパ表面よりの突起物の残量値と、1回の設定切削代とを設定した際に、仮想の最大突起物が前記円筒部の切削により切削されたものとして仮想突起物の残部の最大値を演算し、該仮想の残部最大値と設定切削代とより切削回数nを演算すると共に、複数個の測定データのテーパ部のワーク表面高さと、第1回乃至第(n−1)回目用の前記突起物の仮想最大値から順次に積算して減算される設定切削代および第n回目用の前記突起物の残量値とに相当する切削用基本プログラムの値を変更して自動生成されるテーパ部の切削作業プログラムと、
    (6)切削時に、円周切削方向と直交する方向にワークと切削工具とを相対的に所定量揺動させるための切削用揺動プログラムと、
    (7)理想形状の円筒部とテーパ部のワークを複数の測定点毎に、円筒部の軸線とテーパ線とを垂直となるように反転させるように、ロボットマニピュレータを制御するための研磨用基本プログラムと、
    (8)前記円筒部の軸線とテーパ線とが垂直となるように反転させる際に、前記複数の測定データに基いて、円筒部およびテーパ部の夫々のワーク表面高さの研磨用基本プログラムの相当値を変更して自動生成される研磨作業プログラムと、(9)前記切削作業プログラムおよび切削用揺動プログラムと、研磨作業プログラムとに接続されて、前記ロボットマニピュレータと切削工具および研磨工具の夫々の回転用駆動装置とを順次に作動させる切削・研磨制御装置と
    を具備してなる自動切削・研磨装置。
  7. 前記測定装置は、測定ステーションの所定位置に配置され、かつ該測定ステーションには、複数個のワークを載置して回動されるターンテーブルと、測定位置でワークをターンテーブルに対して昇降動させる昇降機構と、ワークの昇動時に所定の測定角度毎に回動させるワーク回転機構とよりなるワーク取扱装置が配設されていることを特徴とする請求項6に記載の自動切削・研磨装置。
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