JP3807584B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ用モニターディスプレイ及び、ビデオ映像等を表示する液晶表示装置に関し、特に視角特性に優れた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の視角を拡大するために、様々な表示モードが提案されている。代表的な例として、▲1▼横電界を用いることで液晶分子を基板表面に平行に運動させるIPS(In−P1aneSwitching)モード、▲2▼電圧無印加時に液晶分子を基板表面に対して概ね垂直配向させておき、電圧印加時の液晶の傾斜方向を分割する液晶表示装置(特開平7−28068号公報)、▲3▼電圧無印加時に液晶分子を基板表面に概水平に配向させておき、電圧印加時に液晶分子の立ち上がり方向の異なる領域を形成することにより視角を拡大する液晶表示装置(特開平10−3081号公報)や▲4▼電圧無印加時に黒表示をするノーマリブラックモードにおいて、光学補償素子を用いて視角を拡大する液晶表示装置(特開平5−289097号公報)を挙げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼IPSモードでは、表示絵素内に非透明の電極を複数設ける必要があるため、開口部分が減少し、表示装置の透過率(表示輝度)が低くなるという問題があった。▲2▼特開平7−28068号公報に開示の液晶表示装置は、誘電率異方性が負の液晶材料(n型液晶)と垂直配向処理した基板を用いているので、通常の誘電率異方性が正の液晶材料(p型液晶)と水平配向処理した基板を用いる場合に比べて液晶材料の注入に要する時間が2倍以上長くなり、製造効率が低下するという問題があった。▲3▼特開平10−3081号公報に開示の液晶表示装置では基板の上下に配置した透明電極により液晶分子を駆動するので、IPSモードで問題となった透過率の低下は生じず、また誘電率異方性が正の液晶材料と水平配向処理した基板を用いるので特開平7−28068号公報で問題となった製造効率が低下する問題は生じないが、視角特性が特開平7−28068号公報に開示されている液晶表示装置よりも劣るという問題があった。特開平10−3081号公報に開示の液晶表示装置は、特に、表示面の上下方向での階調特性が非対称であるという問題があった。
【0004】
また、▲4▼特開平5−289097号公報開示の液晶表示装置は、図48に示すように、駆動用液晶パネル4と、その平面方向における複屈折異方性を光学的に補償する複屈折異方性補償パネル3とが光学的に連続的に積層されてなり、さらに、視角依存補償パネル2を重ねてなり、一対の偏光子1,5が、上記パネル2,3,4を挟持して、それらの吸収軸(1.1、5.1)が互いに直交するように配置されている。複屈折異方性補償パネル3は、その光軸(3.1又は3.2)(ラビング方向)が駆動用液晶パネル4の基板表面に平行で、かつ、駆動用液晶パネル4の光軸(4.1又は4.2)(ラビング方向)に直交するように配置されており、視角依存補償パネル2は、その光軸(2.1)(ラビング方向)が駆動用液晶パネル4の基板表面に直交するように配置されている。上記従来技術においては、視角依存補償パネル2を重ねていることにより、ある程度の視角改善の効果が得られるものの、視角を倒していったときにコントラストが低下し、十分な視角特性が得られていなかった。加えて、従来技術に開示された駆動用液晶パネルでは、電圧印加時に表示面内で均一な配向及び透過率を安定して得ることが困難であった。
【0005】
本発明は、上述の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、製造効率及び透過率を犠牲にすることなく視角の特性に優れた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、それぞれが透明な第1及び第2基板と、該第1と第2基板との間に挟持され、正の誘電異方性を有するネマティック液晶材料からなる液晶層と、該第1及び第2基板にそれぞれ設けられ、該第1及び第2基板に略垂直な電界を該液晶層に印加する第1及び第2電極と、該第1及び第2基板のそれぞれの外側に設けられ、直交ニコル状態に配置された第1及び第2偏光板と、該第1基板と該第1偏光板との間に設けられた正の屈折率異方性を有する第1位相差補償素子と、該第2基板と前記第2偏光板との間に設けられた正の屈折率異方性を有する第2位相差補償素子と、該第1位相差補償素子と該第1偏光板との間、または該第2位相差補償素子と該第2偏光板との間に設けられた、基板の法線方向に最大の屈折率を有する第3位相差補償素子とを有し、該液晶層は、表示絵素領域ごとに、電圧印加状態において液晶分子の配向が互いに異なる第1及び第2ドメインを少なくとも有し、該第1及び第2ドメインの液晶分子は、電圧無印加状態において、配向状態が略同一であって該第1及び第2基板の表面に対して略平行に配向し、前記第1及び第2位相差補償素子のリタデーションの合計が概ね液晶層のリタデーションと一致し、電圧無印加状態に正面方向からの観測において黒表示がなされるように前記第1及び第2位相差補償素子が配置され、前記第3位相差補償素子の遅相軸は前記第1及び第2基板と略直交しており、前記第1、第2および第3の位相差補償素子は、電圧無印加状態において、前記第1及び第2ドメインの該液晶分子の屈折率異方性を補償し、そのことにより上記目的が達成される。
【0010】
前記第3位相差補償素子が設けられていない該第1位相差補償素子と該第1偏光板との間、または該第2位相差補償素子と該第2偏光板との間に、第4位相差補償素子をさらに有し、該第4位相差補償素子は、基板の法線方向に最大の屈折率を有し、該第4位相差補償素子の遅相軸は前記第1及び第2基板と略直交する構成としてもよい。
【0013】
前記第1ドメイン及び第2ドメイン内の前記液晶分子は、平行配向している、構成としてもよい。
【0014】
前記第1ドメイン及び第2ドメイン内の前記液晶分子は、ツイスト配向している、構成としてもよい。
【0016】
前記液晶層は、前記表示絵素領域ごとに、複数の前記第1ドメインと複数の前記第2ドメインを有し、該第1ドメインと該第2ドメインの数は同数である、構成としてもよい。前記第1及び第2ドメインの面積の総和が互いに等しいことが好ましい。
【0017】
以下、作用について説明する。
【0018】
本発明の液晶表示装置は、直交ニコル状態に配置された一対の偏光板の間に配置された、正の誘電異方性を有するネマティック液晶材料からなる液晶層に略垂直な電界を印加することによって、ノーマリーブラックモード(電圧無印加時に黒表示)の表示を行う。液晶層は、表示絵素領域ごとに、液晶分子の配向が互いに異なる第1及び第2ドメインを少なくとも有するので、視角方向による表示品質の変化を抑制することができる。位相差補償素子は、電圧無印加状態において、基板の表面に対して略平行に配向する液晶分子の屈折率異方性を正面を含むすべての観測方向で補償し、視角依存性の少ない黒表示を実現する。また、位相差補償素子として、正の屈折率異方性を有し、液晶層の両側に配置された一対の位相差板を用い、それらの遅相軸を基板表面に平行で且つ液晶層の遅相軸と直交するように配置すると、正面方向から観測したときの液晶分子の屈折率異方性を効果的に補償することができる。
【0019】
さらに、正の屈折率異方性を有する位相差板を、その遅相軸が基板と略垂直となるように配置することによって、遅相軸が基板面内にある液晶層と位相差補償素子との観測方向(視角方向)を倒した時のリタデーションの変化を補償することができる。
【0020】
さらに、正の屈折率異方性を有する位相差板を、その遅相軸が偏光板の偏光軸と直交する(液晶層の遅相軸と45°となる)ように配置することによって、楕円偏光の回転を補償することができる。結果、正面を含むすべての観測方向で良好な黒表示が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照いながら、本発明の実施形態を説明する。先ず、図1を参照しながら、本発明の液晶表示装置の動作原理を説明する。
【0022】
図1は、本発明による液晶表示装置100を模式的に表した図である。図1では、透過型液晶表示装置を例示する。
【0023】
液晶表示装置100は、液晶層101と、液晶層101に電圧を印加する一対の電極100a及び100bと、液晶層101の両側に配置された一対の位相差板(勿論、位相差補償フィルム、液晶セル等適切な屈折率異方性を有するものであれば何を用いてもよい)102及び103と、さらに、位相差板102及び103のそれぞれの外側に設けられた位相差板104及び105と位相差板110及び111、これらの構成要素を挟持し、直交ニコル状態に配置された一対の偏光板108及び109を有している。なお、位相差板104及び105と位相差板110及び111は、省略しても良いし、1枚または任意組み合わせで複数設けても良い。図1中の楕円は液晶分子を模式的に表し、矢印は各位相差板の屈折率楕円体(全て正の一軸性の特性を有する)の最大の屈折率を有する軸(すなわち遅相軸)であり、偏光板108及び109中の矢印は偏光板の偏光軸(透過軸)である。
【0024】
図1に示した液晶層101は、電圧を印加していない状態における、1表示絵素領域内の液晶分子の配向を示している。液晶材料としては、正の誘電異方性を有するネマティック液晶材料(Np液晶材料と略す)を用いる。液晶分子は、電圧無印加状態において、一対の基板(不図示)の表面に概平行に配向している。液晶層101を挟持するように一対の基板の液晶層101側に形成された電極100a及び100bに電圧を印加することによって、基板の表面に略垂直な方向の電界が液晶層に印加される。
【0025】
液晶層101は、図1に示したように、各表示絵素領域内で、互いに異なる配向状態を有する第1ドメイン101a及び第2ドメイン101bを有している。図1の例では、第1ドメイン101a内の液晶分子と第2ドメイン101b内の液晶分子のダイレクターが互いに180°異なる方位角方向に配向している。電極100aと100bとの間に電圧を印加すると、第1ドメイン101a内の液晶分子は時計回りに立ち上がり、第2ドメイン101b内の液晶分子は反時計回りに立ち上がるように、すなわち互いに反対方向に立ち上がるように、液晶分子の配向が制御されている。この様な液晶分子のダイレクターの配向は、配向膜を用いた公知の配向制御技術を用いて実現できる。ダイレクターの配向方向が180°異なる第1ドメインと第2ドメインを1つの表示絵素領域内に複数形成すると、視角特性を更に均一にすることができる。
【0026】
このように、配向分割された表示絵素を有する液晶表示装置100の中間調表示画像を、表示面の法線方向から第1ドメイン101a側に視角を倒して観察した画像の輝度変化と、第2ドメイン101b側に倒して観察した画像の輝度変化とは、対称になる。好ましくは、第1ドメイン101aの面積と第2ドメイン101bの面積はほぼ同じであることが好ましい。なお、各表示絵素領域ごとに各ドメインの面積を同じにする必要は必ずしも無く、表示面全体で、第1ドメイン101aの面積の和と第2ドメイン101bの面積の和とが互いに等しい構成としてもよい。配向分割の構成は上記の例に限られない。
【0027】
図1に示したように、第1ドメイン101a内の液晶分子のダイレクターと第2ドメイン101b内の液晶分子のダイレクターとは、方位角方向が互いに180°異なる方向に配向しており、この方向は、図1中の矢印609で表される方向と平行である。従って、表示面に垂直に入射する光に対する液晶分子の屈折率は、方向609に偏光方向を有する偏光に対する屈折率が最大で、方向609に直交する方向608に対する屈折率が最小となる。本願明細書においては、方向609を電圧無印加状態における液晶層の遅相軸方向とする。より一般的には、電圧無印加状態における液晶層の遅相軸方向は、液晶層の厚さ方向の中央付近の液晶分子が電圧によって立ち上がる方向の方位角方向と定義する。この定義は、液晶分子が基板表面に対して平行配向(反平行も含む)した液晶層だけでなく、ツイスト配向した液晶層についても適用できる。
【0028】
位相差板102及び103は、典型的にはともに正の一軸性の屈折率異方性を有し、その遅相軸(図1中の矢印方向)は、電圧無印加時の液晶層101の遅相軸と直交するように配置されている。従って、電圧無印加状態における液晶分子の屈折率異方性に起因する光漏れを抑制し、その結果として黒表示(ノーマリーブラック特性)が得られる。
【0029】
位相差板104及び105は、典型的にはともに正の一軸性の屈折率異方性を有し、その遅相軸(図1中の矢印方向)は、基板表面に対して垂直(すなわち、液晶層101、位相差板102及び103の遅相軸と垂直)に配置されており、視角変化に伴う透過率変化を補償する。特に黒表示時における、視角変化に伴う光漏れ(黒浮き)を抑制する。したがって、位相差板104及び105を設けることにより、さらに視角特性が優れた表示を提供することができるものの、位相補償板104及び105は省略しても良いし、いずれか一方のみ用いていも良い。
【0030】
位相差板110及び111は、典型的にはともに正の一軸性の屈折率異方性を有し、その遅相軸(図1中の矢印方向)は、偏光板の偏光軸に対して直交(すなわち、液晶層101、位相差板102及び103の遅相軸と45°をなす)に配置されており、楕円偏光の偏光軸の回転を補償する。したがって、位相差板1110及び111を設けることにより、さらに視角特性が優れた表示を提供することができるものの、位相補償板110及び111は省略しても良いし、いずれか一方のみ用いていも良い。
【0031】
上記の位相差板は、必ずしも一軸性の屈折率異方性を有する必要はなく、正の2軸性屈折率異方性を有してもよい。正の2軸性屈折率異方性を有する位相差板を用いた例については、後の実施形態において例示する。
【0032】
以下に、本発明の構成要素について、さらに詳細に説明する。
【0033】
(正の誘電異方性を有するネマティック液晶材料:Np液晶材料)
本発明では、現在広く用いられているTNモードの液晶表示装置と同様、水平配向処理を施した基板とNp液晶材料を用いる。従って、特開平7−28068号公報の液晶表示装置のように垂直配向処理を施した基板とNn液晶材料を用いる場合に比べて、液晶材料の注入時間を約1/2以下に短縮できる。一般に、Np液晶材料はNn液晶材料に比べて低粘度であること、及び、水平配向処理基板表面は垂直配向処理基板表面に比べて液晶材料に対して高い濡れ性を有していること等の要因が相乗的に影響し、その結果、液晶材料を高速で注入できる。液晶表示装置の製造の各工程に要する時間の中で、液晶材料の注入時間は大きな割合を占めており、その時間を大幅に短縮することは、液晶表示装置の製造効率の大幅な向上につながる。
【0034】
(垂直電界)
本発明では、液晶層を挟持するように配設された一対の電極(少なくとも一方は必然的に透明電極である)によって、液晶層に垂直(基板に垂直)な電界を印加し、液晶分子を駆動する。すなわち、従来のTNモードの液晶表示装置と同様の開口率が得られるので、IPSモードのように不透明な電極を表示絵素領域内に形成する必要がないので、IPSモードの液晶表示装置よりも高い絵素開口率を有する液晶表示装置が得られる。
【0035】
(配向分割)
現在、広く用いられているTNモードを含め、液晶分子を液晶層の厚さ方向に運動させることにより透過率を変化させる液晶表示装置では、表示輝度の視角依存性が大きい(視角特性が劣る)という問題がある。この問題を図2A、2B、2Cを参照しながら説明する。図2A及び2Bは、ツイスト配向した液晶層203を有する液晶表示装置を模式的に示す。こられの図において、直交ニコル状態に配置された一対の偏光板206と207の間に、一対の電極201と202に液晶層203が挟持されている。液晶層203の厚さ方向の中央付近に位置する液晶分子の長軸が図面の面内に位置する(一番長く見える)ように描いてある。図2Aは電圧無印加状態、図2Bは電圧印加状態を示す。
【0036】
図2Aに示したように、電圧無印加状態においては、厚さ方向の中央付近の液晶分子203aは基板表面とほぼ平行に配向している。この状態を、視角方向204と205とから観察しても、差は認められない。一方、図2Bに示したように、中間調を表示する電圧を印加した状態では、視角方向によって、観察される状態は異なる。これは、液晶分子が正の一軸性の屈折率異方性(葉巻状の屈折率楕円体)を有していることに起因する。電圧を印加すると、液晶分子203bは、プレチルトで決められた方向に立ち上がる(この例では、反時計回り)。この液晶分子203bを204方向(液晶分子203bの長軸方向に一致)から観察すると、葉巻状の液晶分子203bの屈折率異方性は消失する(液晶分子203bは円形に見える)。一方、205方向から、液晶分子203bを観察すると、屈折率異方性は最大となる。
【0037】
従って、矢印204の方向から液晶セル中の液晶分子203bを見ると、大多数の液晶分子は円形に見える、即ち液晶層の屈折率異方性は小さなる。故に、偏光板206を透過した直線偏光は液晶層203で何ら偏光状態を変化させること無く偏光板207に到達し、偏光板206の偏光軸に直交した偏光軸を持つ偏光板207によって遮断されるため透過率が低下する。一方、矢印205の方向から液晶セル中の液晶分子203bを見るとき大多数の液晶分子は棒状に見える。即ち、液晶層203の屈折率異方性は最大となる。故に、偏光板206を通過した偏光は液晶層203によってその偏光状態が変化し、偏光板207を透過する光の量は最大となる。
【0038】
その結果、図2Cに示すように液晶分子の立ち上がり方向(図2B)の矢印204の方向)と、その逆方向(図2Bの矢印205の方向に視角を変化させたときの表示の輝度変化が大きく異なる。一般的には、液晶表示装置上方向(12時方向)が205方向、下方向(6時方向))が204方向となるように設定されている。なお、図2中のそれぞれの曲線は、異なる印加電圧に対する透過率を示す。正面透過率の高い方から順に印加電圧が高くなる(ノーマリホワイト)。
【0039】
即ち、従来のTNモードでは、液晶分子の配向方向に沿って視角を変化させた場合に著しく輝度変化を生じていた。前述の説明から理解されるように、このような階調特性の非対称性は、TNモードに限らず、液晶分子が液晶セルのセル厚方向に運動する表示モードであって、かつ配向分割が成されていないモードに共通してみられる。
【0040】
絵素領域毎に配向分割することによって、階調特性の視角方向に対する非対称性を改善し、上下、左右対称な階調特性(視角特性)が得られる。このことを図3A〜3Eを参照しながら説明する。図3A、3Bに示すように、例えば一絵素領域を電圧による液晶分子の立ち上がり方向が180°異なるA、B二つの領域(第1ドメイン及び第2ドメイン)に分割する。電圧無印加状態においては、図3Aに示すように、いずれの領域の液晶分子も基板表面に対してほぼ平行に配向している(プレチルト角を簡単のために無視する)。中間調表示の電圧を印加すると、図3Bに示したように、領域Aの液晶分子303aは反時計回り、領域Bの液晶分子303bは時計回り方向にそれぞれ立ち上がる(この立ち上がり方向はプレチルト方向によって決められる)。領域A及びBのそれぞれの階調特性は、先に説明したように、視角方向304及び305に依存し、それぞれ、図3C及び図3Dのようになる。領域Aと領域Bは一つの絵素領域内に存在するため、一絵素領域全体の階調特性は、図3Cと図3Dの階調特性を、それぞれの領域の面積比を考慮して平均したものとなる。従って、領域Aの面積SAと領域Bの面積をSBを1:1に設定すれば、図3Eに示すように矢印304方向と矢印305の両方向で対称な階調特性が得られる。
【0041】
次に、配向分割の効果が得られる範囲を見積もる為に、SAとSBの比率と階調特性について説明する。図3Eで示した階調特性のうち、正面での透過率が50%の電圧印加状態の視角依存性を図4Aに示す。上下の対称性の目安として、図3A及び3Bの矢印304(上)及び305(下)の方向の視角50°の透過率TA及びTBの比TA/TBと、領域A及び領域Bの面積SAとSBとの割合SA/(SA+SB)との関係を図4Bに示す。図4Bより、SAの割合が、0.5付近で上下の階調特性がほぼ対称(TA/TB=約1)であることがわかる。
【0042】
なお、配向分割は、2分割に限られず、表示面全体で電圧印加時の液晶分子の起上り方向が逆の2つの領域の面積の和が実質的に同じであれば良い。表示の均一性を考慮すると、配向分割の単位は小さいほうが好ましく、一絵素領域ごとに2つ以上に配向分割することが好ましい。さらに、図4C及び図4Dに示したように、絵素領域毎に複数の領域Aと複数の領域Bとを設け、2つの領域A及びBを交互に配置する構成としても良い。絵素領域ごとに領域Aと領域Bをそれぞれ複数形成し、配向分割の単位を小さくすることによって、視角特性を更に均一にすることができる。その理由は、図4Eに示すように、液晶表示装置を斜め方向から観測するときにA,B各領域のみを透過してくる光(矢印402A,402B)に対して、AB2領域をまたがって透過する光(矢印401)の割合が増加するからである。
【0043】
(ノーマリーブラックモード及びコントラスト比の改善)
電圧無印加時に黒表示状態となるノーマリーブラックモードにおいて、位相差補償素子を用いることによって、視角特性を改善する。視角特性とは、液晶表示装置の表示面に垂直な方向からずれた方向(斜め方向)から観察した際に生じる表示画像の見かけ上の変化であり、視角特性(視角に依存して変化する表示特性)には、階調変化、コントラスト比の変化、色変化などがある。階調変化に関しては、上述のように、配向分割によって改善できる。以下では、ノーマリーブラックモードと位相差補償素子との組み合わせによる、コントラスト比の視角依存性の改善について説明する。
【0044】
コントラスト比(CR)とは最大透過率(白表示時の透過率)を最低透過率(黒表示時の透過率)で除した値で定義される。通常の液晶表示装置では、斜め方向からの観測に伴なう透過率変化は、白表示状態場合に比して黒表示状態の場合の方が大きい。従って、コントラスト比の視角特性を改善する為には、黒表示時の斜め観測に伴う透過率変化(黒浮き)を改善すればよい。
【0045】
このことを図5A〜図5Fを参照しながら説明する。ノーマリーブラックモードを実現する為には、電圧無印加時に水平配向した液晶層の持つ屈折率異方性を補償すればよい(キャンセルすればよい)。この補償は、図1の位相差板102,103によって成される。図5Aにおいては位相差板502,503が位相差板102,103と同一の役割を果たしている。本発明の液晶層は図5Aに示したように電圧無印加時に概ね水平配向している。液晶層を液晶表示装置の正面方向からみたとき、図5Bの矢印508の方向(配向方向)の屈折率が最大で、それに直交する方向の屈折率は最小である。本発明では、例えば、最大の屈折率と最小の屈折率の差に液晶層の厚さを乗じた値、即ち液晶層のリタデーション値は概ね250nm(50nm〜500nm)程度に設定する。よって、仮に位相差板502,503を用いなければ偏光板504,505で挟まれた液晶層501は複屈折効果により光を透過することは言うまでもない。そこで、ノーマリーブラックの特性を実現する為に正の一軸性の屈折率異方性を有する位相差板502,503を用いる。具体的には、位相差板502及び503のリタデーション値は概ね液晶層のリタデーション値の1/2の値、即ち概ね125nmとし、その遅相軸を矢印509、510(508に直交)に一致させる。このとき、502及び503のリタデーション値は125nmに限定されない。
【0046】
502と503のリタデーション値の合計が概ね液晶層のリタデーション値と一致し、結果、電圧無印加時に正面方向からの観測において黒表示がなされていればよい。
【0047】
さらに、液晶層のリタデーション値の波長依存特性と位相差板502,503のリタデーション値の合計の波長依存特性についても適切に調整する(例えば一致させる)ことにより、結果電圧無印加時の正面からの観測において良好な黒表示が得られていることが好ましい。これにより液晶層での複屈折効果を位相差板の複屈折効果により補償できる為、ノーマリーブラック特性を得る事ができる。
【0048】
次に、ノーマリーブラック型と、ノーマリーホワイト型での黒浮き改善の為の位相差補償方法の違いについて説明する。図5Aに示すように電圧無印加時に黒表示となる液晶表示装置の場合、領域Aと領域Bの液晶層は略同一の配向を状態にある。一方図5Dに示すノーマリーホワイト型、即ち電圧印加時に黒表示を行なう場合では領域Aと領域Bの配向が異なっている。黒表示状態のリタデーション値の角度依存性に影響を与える。
【0049】
図5Aにおいて矢印520及び521の方向から観測した場合のA,B各領域のリタデーション値の変化を図5Cに、矢印522及び523の方向に変化させた場合のリタデーション値の変化を図5Gに示す。比較の為に図5Dに示したノーマリーホワイト型での矢印520及び521の方向から観測したした場合のA,B領域のリタデーション値の変化を図5Fに、矢印522及び523の方向に傾いて観測した場合のリタデーション値の変化を図5Hに示す。
【0050】
図5C及び図5Gによれば、矢印520,521,522及び523何れの方向への角度変化に対しても領域Aのリタデーション値の角度依存性は領域Bのそれに一致している。加えて、520、521、522及び523いずれの方向への角度変化に対するリタデーション値の変化も概ね同一である。特に何れの領域でも、何れの方向への角度変化でもリタデーション値の極点(図では下に凸の点)が、一致している(図では0deg)である。かつそれぞれも一致している。即ち、本発明によると、ノーマリーブラック状態において、領域A、領域Bとも同一の位相差補償素子による位相差補償が可能となる。さらに、前記極点が0degであるので、位相補償素子の屈折率の主軸の2つを液晶パネル表面に平行な面内に、残る1つの主軸を液晶パネル表面の法線に平行に設定できる。そして一軸でよい。これは、領域Aと領域Bの黒表示時の液晶層の配向がほぼ同様であることに起因している。更に、図5Cと図5Gとを比較すれば、矢印520,521,522及び523何れの方向への角度変化に対してもほぼ同一の変化をしている。これは、液晶層501の液晶分子が水平配向しているため液晶層の遅相軸と、位相差板502,503の遅相軸が同一平面内にあって、且つ直交していることに起因している。以上より、本発明では、領域A、領域B同一の、且つ屈折率の主軸の一つが位相差板表面の法線に平行で、かつ残る2つの主軸が位相差板表面に平行な面内にある位相差補償素子による位相差補償による黒浮き改善が可能であることが解る。
【0051】
一方、図5Fによれば矢印520,521の方向への角度変化に対するリタデーション値の変化は、領域Aと領域Bで大きく異なっている。一例を示せば、領域Aのリタデーション値は矢印520の方向に角度を傾けたとき最小値を取るのに対して領域Bのリタデーション値は矢印521の方向に傾けたときに最小値をとる。以上より、図5Aの液晶表示装置で黒浮きを改善する為には、領域A、領域Bそれぞれに対応する、異なった位相差補償素子が必要となる。領域A,B一つの絵素を分割した領域であり、それぞれの面積が非常に微少である点から、実際には黒浮き改善の為の位相差補償は困難である。
【0052】
(表示面の法線方向に遅相軸を有する位相差板)
図1の位相差板104,105によって、斜め観測に伴なう液晶層101、位相差板102、103のリタデーション変化を補償し、黒浮きを補償することにある。即ち、図5C及び図5Gのリタデーション角度依存性を補償し、リタデーション値を角度によらず一定(ほぼゼロ)にすることにある。その具体的な手法を上げれば、図1に示すように正の一軸性の屈折率屈折率異方性を有する液晶セル及び位相差板を用い、且つ黒表示時にその遅相軸が液晶セル表面に平行な面内に含まれている液晶表示装置の場合には、正の一軸性の屈折率異方性を有する位相差板を用い、その遅相軸を液晶セル表面の法線に平行に配置すれば良い。
【0053】
この事について、液晶分子及び位相差板の屈折率異方性の角度変化に注目しつつ図6を用いて簡単に説明する。図6においては。図1の液晶層101の屈折率楕円体を601、位相差板102,103の屈折率楕円体を602,603とした。何れの屈折率楕円体も、正の一軸性を有しており、且つその光学軸は液晶セル表面に平行な面内にある。
【0054】
これら屈折率楕円体706(遅相軸704、遅相軸に直交する円705)を斜め方向から見たときの屈折率変化を図7A〜7Eを用いて説明する。先ず、液晶表示装置を正面から見る場合にを考える。液晶層あるいは位相差板の複屈折に寄与する屈折率異方性は入射直線偏光の進行方向を法線とする平面内にあって直線偏光の偏光軸701と45°を成す二軸702と703に平行な方向の屈折率差である。従って、正面方向の透過率に寄与する屈折率異方性は図7Aのna1とnb1の差na1−nb1である。
【0055】
液晶分子あるいは位相差板の屈折率楕円体の長軸方向に視角を傾斜させた場合に透過率に寄与する屈折率異方性は、図7Bのna2とnb2の差na2−nb2となる。この場合図7Bに示すように屈折率na2は、図7Aに示したna1に比して小さくなる。一方、nb1とnb2は等しい(nb1=nb2)。即ち、屈折率楕円体の長軸に沿って視角を傾斜させる場合屈折率異方性は減少していく方向にある。
【0056】
図7Cに示すように屈折率楕円体の短軸に沿って視角を変化させる場合透過率に寄与する屈折率異方性はna3とnb3との差na3−nb3となる。即ち、屈折率楕円体の短軸方向に沿って視角を変化させる場合には屈折率異方性は変化しない。
【0057】
最後に、屈折率楕円体の主軸が表示装置の表示面の法線に一致している場合について考える。正面方向から見た場合に透過率に寄与する屈折率は図7Dに示したna4とnb4の差na4−nb4となる。即ち、na4=nb4なる屈折率楕円体を有する位相差板を用いる場合には正面方向の透過率は何ら変化しないことになる。視角を斜め方向に変化させた場合、図7Eに示すna5とnb5との差na5−nb5となる。即ち、このような屈折率楕円体では視角を正面方向から傾斜させるに連れて屈折率異方性は増加する。つまり、図7Bの屈折率変化を補償する効果がある。
【0058】
図7において述べた単一の屈折率楕円体の場合の議論を踏まえて、本発明の一実施形態である図6の屈折率楕円体群おける位相差補償効果をまとめる。図6に示した本発明の一実施形態における電圧無印加時の液晶層及び位相差板を表す屈折率楕円体群において、直線偏光(偏光方向607)が入射した場合に、2つの方位角方向608及び609で示される方位角方向に視角を変化した場合の透過率に影響する屈折率異方性の変化、増減を表1にまとめる。
【0059】
【表1】
【0060】
上表により、液晶表示装置表面の法線方向に最大の屈折率を有する屈折率楕円体を持つ位相差板によって斜め方向の視角変化を補償できることが解る。さらに、透過率に寄与する屈折率は入射直線偏光の偏光軸と45°を成す方向の屈折率である。よって、この方向の屈折率が液晶表示装置表面の法線方向の屈折率よりも小さければ良いことは容易に理解できる。
【0061】
(液晶層の遅相軸に対して45°方向の遅相軸を有する位相差板)
図1に示した位相差板110及び111は、それらに入射した楕円偏光(直線偏光を含む)の主軸を回転させる。
【0062】
コントラスト比の改善のためには黒表示状態において、斜め方向から見たときの透過率の増加(黒浮き)を抑制する必要がある。すなわち、いかなる角度からでも偏光板109に入射する偏光は、偏光板109の偏光軸(透過軸)に直交する偏光軸を有する直線偏光、すなわち楕円率がゼロで、且つ主軸が109の偏光軸に直交する楕円偏光とする必要がある。視角変化に伴う液晶層101のリターデーション変化は、上述の位相差板104及び105で補償される。このリターデーション変化の補償は、主に楕円偏光の楕円率の増加を抑制する(ゼロにする)ことに対応する。さらに、良好なコントラストを得るためには、視角変化に伴う楕円偏光の主軸の回転を補償する必要がある。位相差板110及び111は、この楕円偏光の主軸の回転を補償する。
【0063】
図8に、液晶分子の長軸に平行な方位角方向(矢印609の方向)において視角を60°に設定した場合の黒表示状態における透過率と、位相差板110及び111のリターデーション値との関係を示す。図8から明らかなように、位相差板110及び111のリタデーション値を適宜設定し、楕円偏光の主軸の回転角度を調節することによって、良好な黒表示が得られることが分かる。位相差板110及び111のいずれか一方のみを用いることもできる。
【0064】
【実施例】
まず、以下の実施例の説明で共通して使用する、液晶層、偏光板、位相差板の構成を特徴付けるパラメータを次のように定義する。
【0065】
各パラメータ、特に角度の値の定義は液晶パネルに上に適当に設定したXYZ直交座標系を基準として行なう。図9(a)〜(c)に示したように基準となる座標系は、XY平面が液晶パネル表面に平行であればよく、X軸及びY軸の向きは何ら制限されない(図9(b)〜(c)のいずれでもよい)。ただし、一つの液晶表示装置においては、液晶層、偏光板、位相差板何れに対しても共通の軸とする。以下の説明ではこの基準となる座標系の主軸をX_REF,Y_REF,Z_REFとする。
【0066】
液晶層の液晶分子の配向状態を特徴付けるパラメータについて図10を用いて説明する。図10(a)は液晶セルの斜視図である。以下の説明は、簡単の為に均一な配向状態にあるドメインについて説明する。絵素領域が複数のドメインに配向分割された構成において、各ドメインの液晶層を特徴付けるパラメータは、▲1▼液晶層のリタデーション値、▲2▼液晶層のツイスト角度及び▲3▼液晶分子(液晶層の厚み方向の中間に位置する液晶分子)の配向方向(液晶層の遅相軸)である。
【0067】
図10(b)は液晶層の断面図である。液晶層のリタデーション値は、基板5101及び5102で挟持された液晶層の液晶分子5103の屈折率異方性△nと、基板5101(例えば、カラーフィルタを形成した基板)と基板5102(例えばTFTアレイを形成した基板)との距離(液晶層の厚さ=セルギャップ)dとの積d・△nとする。
【0068】
図10(c)は液晶セルを観測者側から観測したときの平面図である。直線5104は光源側基板5102に隣接した液晶分子の長軸に平行な直線であり、直線5105は観測者側基板5101に隣接した液晶分子の長軸に平行な直線である。簡単の為に液晶分子のツイスト角度が90°以下の場合について説明する。この場合、液晶層のツイスト角は直線5104を直線5104が直線5105に一致するまで回転させたときの回転角度であって、反時計回りの回転を正とする。この角度を、図中にθtwistとして示した。
【0069】
液晶層の配向方向は次のように定義する。図10(c)に示したθtwistを二等分する直線を直線5106とする。この直線5106は、液晶層の厚さ方向の中間に位置する液晶分子が電界によって立ち上がる方向と一致し、液晶層の配向方向または遅相軸と呼ぶ。液晶層に中間的な透過率を与える電圧(中間調電圧)を印加したとき、液晶層中の液晶分子の中でその長軸が直線5106と平行な液晶分子を考える。液晶セルの直線5106に平行な断面図を図10(d)に示す。液晶分子の起き上がり方向を矢先とし、かつ直線5106に平行な矢印を5107とする。液晶層の配向方向は反時計回りを正としたときの基準軸X_REFとの成す角度βとする。
【0070】
偏光板のパラメータは、偏光軸(透過軸)の方向(角度)である。偏光軸の方向の規定の仕方を説明する(図示せず)。偏光軸の方向は、基準軸X_REFとの成す角度で規定し、反時計回りを正として表した。無論、任意の偏光軸の方向αで表される偏光板と、α+180°及びα−180°で表される偏光板の偏光軸の方向はすべて等価である。
【0071】
位相差板のパラメータについて定義する。位相差板のパラメータは▲1▼面内リタデーション値(表示面に平行な面内)、▲2▼厚さ方向リタデーション値(液晶表示面に垂直な方向)、▲3▼a軸の角度(X_REFとa軸の成す角度)である。
【0072】
位相差板の屈折率楕円体を図11に示す。本実施例で用いる位相差板の屈折率楕円体の3つの主軸をa,b及びcとする。主軸a,b及びcは直交座標系を成している。また主軸a,bは位相板表面に平行な面内、即ち表示面に平行な面内にある。この時、主軸a,b及びcに沿った屈折率の値をそれぞれna,nb及びncとする。また、位相差板の厚さをdとする。
【0073】
▲1▼ 位相差板の面内リタデーションは、d・(na−nb)と定義する。
【0074】
▲2▼ 厚さ方向リタデーションは、d・(na−nc)と定義する。
【0075】
▲3▼ a軸の角度は、基準軸X_REFとa軸の成す角度γと定義する。角度の符号は反時計回りを正とする。
【0076】
(液晶セルの作製・配向分割)
本実施例で用いる液晶セルの作製方法、とくに配向分割の方法について説明する。本発明の液晶表示装置は公知の製造方法を適宜組み合わせることによって製造することができる。
【0077】
液晶セルは、通常のTFT(薄膜トランジスタ)基板上に現行のTN液晶セルを作製するのとほぼ同様の条件で作製する。但し、本実施例では、ラビング方向(角度)が、従来のTN型液晶セルと異なる。また、二分割配向を形成する為に、配向膜に対するUV光照射によってプレチルト角度を制御する。
【0078】
図12(a)は本実施例における液晶セルを観測者側基板からみた模式図である。図中の矢印1202はカラーフィルタ基板側のラビング方向、矢印1203はTFT基板側のラビング方向である。
【0079】
前記のラビング方向でラビング処理を施した基板に液晶を注入し、再配向処理を施した後の液晶分子の配向状態について説明する。図12(a)のX−X’断面、即ちラビング方向に平行な断面の液晶分子1206の配向は、模式的に図12(b)のように表されると考えられる。液晶分子1206と観測者側基板1205あるいは光源側基板1204との成す角度はほぼ同一であり、しかも液晶セルのほぼ中間層の液晶分子は基板表面とほぼ平行に配向している。この液晶層に電圧を印加すれば中間層の液晶分子は矢印1207あるいは1208の方向に同一の確率で回転し得る(立ち上がり得る)。
【0080】
そこで、本発明では上下基板のいずれか一方にUV光を照射してからラビングを行なった。この状態でのX−X’断面の液晶分子の配向を模式的に図12(c)に示す。一つの絵素を二つの領域A,Bに分割してUV照射を行なった。
【0081】
領域Aでは対向基板の配向膜に対してUV光を照射し、領域BではTFT基板側の配向膜のみにUV光を照射する。このような処理を施した液晶セルの光学特性を評価した結果、領域Aの中間層の液晶分子は矢印1207の方向に、領域Bの液晶分子は矢印1208の方向に回転したことを確認した。即ち、液晶層の厚さ方向の中間付近に位置する液晶分子の配向(プレチルト)を制御することができた。なお、ラビング処理を行った後で、UV照射をおこなってもよい。さらに、UV照射とラビング以外の手段で分割配向を行ってもよい。
【0082】
さらに、スペーサービーズには、遮光性のビーズを用いるのが好ましい。
【0083】
なぜなら、本発明は液晶層のリタデーションを位相差板で補償することにより、ノーマリーブラック特性を得ているからである。すなわち、ビーズ等により液晶層のリタデーション値が変化すればその部分では黒表示が得られなくなり、結果コントラストを低下するからである。故にそのような部分は遮光する(遮光性のビーズを用いる)か、そのような部分を設けない(ビーズレスにする)等適切な対策が必要になる。
【0084】
(実施例1)
本発明の一実施例を図1に示す。図1において101は液晶セルを、102,103,104,105,110、111は位相差板を、108,109は偏光板を表している。
【0085】
液晶セル101は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0086】
【表2】
【0087】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0088】
【表3】
【0089】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0090】
【表4】
【0091】
図13に本実施例の液晶表示装置の透過率と印加電圧との関係を示す。図13においては、印加電圧4Vの時の透過率を100%とした。図13から本実施例の液晶表示装置は、印加電圧0Vにおいて黒を表示し、印加電圧の上昇に伴い透過率が上昇(白表示)していることが分かる。
【0092】
図14A〜14Cに、8階調表示状態における、各階調における透過率の視角(極角:表示面法線に対する角度)依存性を示す。図14AはX_REF軸に平行な方位各方向における視角変化を、図14BはX_REF±45°の軸に平行な方位角方向の視角変化、図14CはY_REF軸に平行な方位角方向の視角変化をそれぞれ示す。これらの図から、本実施例の液晶表示装置の階調特性は、概ね対称であることが分かる。
【0093】
図15に、印加電圧4Vの時の透過率を印加電圧0Vの時の透過率で除した値(コントラスト比)の等コントラスト線図を示す。円の中心は表示面の法線方向(視角0°)、各同心円は内側から、視角20°、40°、60°、80°をそれぞれ示す。また、図の横軸はX_REF軸、縦軸はY_REFをそれぞれ示している。等コントラスト曲線は、内側から、コントラスト比(CR)=100,50,20をそれぞれ示す。この図より明らかに様に、本実施例の液晶表示装置は、全ての方位角方向において、CR=50以上の表示が、視角60°以上の範囲で得られ、優れた視角特性に有することが分かる。
【0094】
(実施例2)
本発明の実施例2の液晶表示装置の構成を図16に模式的に示す。図16において6101は液晶セルを、6102,6103,6104,6105は位相差板を、6106,6107は偏光板を表している。
【0095】
液晶セル6101は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0096】
【表5】
【0097】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0098】
【表6】
【0099】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0100】
【表7】
【0101】
本実施例の液晶表示装置も実施例1と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0102】
(実施例3)
本発明の実施例3の液晶表示装置の構成を図17に模式的に示す。図17において6201は液晶セルを、6202,6203,6204,6205は位相差板を、6206,6207は偏光板を表している。
【0103】
液晶セル6201は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0104】
【表8】
【0105】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0106】
【表9】
【0107】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0108】
【表10】
【0109】
本実施例の液晶表示装置も実施例1と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0110】
(実施例4)
本発明の実施例4の液晶表示装置の構成を図18に模式的に示す。図18において6301は液晶セルを、6302,6303,6304は位相差板を、6305,6306は偏光板を表している。液晶セル6301は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0111】
【表11】
【0112】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0113】
【表12】
【0114】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0115】
【表13】
【0116】
本実施例の液晶表示装置も実施例1と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0117】
(実施例5)
本発明の実施例5の液晶表示装置の構成を図19に模式的に示す。図19において6401は液晶セルを、6402,6403,6404,6405は位相差板を、6406,6407は偏光板を表している。
【0118】
液晶セル6401は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0119】
【表14】
【0120】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0121】
【表15】
【0122】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0123】
【表16】
【0124】
本実施例の液晶表示装置も実施例1と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0125】
(実施例6)
本発明の実施例6の液晶表示装置の構成を図23に模式的に示す。図23において6501は液晶セルを、6502,6503,6504は位相差板を、6505,6506は偏光板を表している。
【0126】
液晶セル6501は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0127】
【表17】
【0128】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0129】
【表18】
【0130】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0131】
【表19】
【0132】
実施例1〜6は全て液晶層のツイスト角度が0°であったが、本発明の効果はこれに限定されない。液晶層に任意のツイスト角度を設けることにより、各パラメータの選択範囲、及びマージン等を拡大することが出来る。また、特にツイスト角度が0°以上90°より小さい範囲では液晶にカイラル剤を混入すること無く容易に配向分割が行なえる。以下で、その一例としてツイスト角度30°の実施例を示す。
【0133】
(実施例7)
本発明の実施例7の液晶表示装置の構成を図1に模式的に示す。図1において101は液晶セルを、102,103,104,105,110,111は位相差板を、108,109は偏光板を表している。
【0134】
液晶セル101は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0135】
【表20】
【0136】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0137】
【表21】
【0138】
位相差板102,103,104,105,110,111のパラメータを以下に示す。
【0139】
【表22】
【0140】
図20に本実施例の液晶表示装置の透過率と印加電圧との関係を示す。図20においては、印加電圧4Vの時の透過率を100%とした。図20から本実施例の液晶表示装置は、印加電圧0Vにおいて黒を表示し、印加電圧の上昇に伴い透過率が上昇(白表示)していることが分かる。
【0141】
図21A〜21Cに、8階調表示状態における、各階調における透過率の視角(極角:表示面法線に対する角度)依存性を示す。図21AはX_REF軸に平行な方位各方向における視角変化を、図21BはX_REF±45°の軸に平行な方位角方向の視角変化、図21CはY_REF軸に平行な方位角方向の視角変化をそれぞれ示す。これらの図から、本実施例の液晶表示装置の階調特性は、概ね対称であることが分かる。
【0142】
図22に、印加電圧4Vの時の透過率を印加電圧0Vの時の透過率で除した値(コントラスト比)の等コントラスト線図を示す。円の中心は表示面の法線方向(視角0°)、各同心円は内側から、視角20°、40°、60°、80°をそれぞれ示す。また、図の横軸はX_REF軸、縦軸はY_REFをそれぞれ示している。等コントラスト曲線は、内側から、コントラスト比(CR)=100,50,20をそれぞれ示す。この図より明らかに様に、本実施例の液晶表示装置は、全ての方位角方向において、CR=10以上の表示が、視角60°以上の範囲で得られ、優れた視角特性に有することが分かる。
【0143】
(実施例8)
本発明の実施例8の液晶表示装置の構成を図16に模式的に示す。図16において6101は液晶セルを、6102,6103,6104,6105は位相差板を、6106,6107は偏光板を表している。
【0144】
液晶セル6101は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0145】
【表23】
【0146】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0147】
【表24】
【0148】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0149】
【表25】
【0150】
本実施例の液晶表示装置も実施例7と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0151】
(実施例9)
本発明の実施例9の液晶表示装置の構成を図17に模式的に示す。図17において6201は液晶セルを、6202,6203,6204,6205は位相差板を、6206,6207は偏光板を表している。
【0152】
液晶セル6201は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0153】
【表26】
【0154】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0155】
【表27】
【0156】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0157】
【表28】
【0158】
本実施例の液晶表示装置も実施例7と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0159】
(実施例10)
本発明の実施例10の液晶表示装置の構成を図18に模式的に示す。図18において6301は液晶セルを、6302,6303,6304は位相差板を、6305,6306は偏光板を表している。
【0160】
液晶セル6301は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0161】
【表29】
【0162】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0163】
【表30】
【0164】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0165】
【表31】
【0166】
本実施例の液晶表示装置も実施例7と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0167】
(実施例11)
本発明の実施例11の液晶表示装置の構成を図19に模式的に示す。図19において6401は液晶セルを、6402,6403,6404,6405は位相差板を、6406,6407は偏光板を表している。
【0168】
液晶セル6401は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0169】
【表32】
【0170】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0171】
【表33】
【0172】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0173】
【表34】
【0174】
本実施例の液晶表示装置も実施例7と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0175】
(実施例12)
本発明の実施例12の液晶表示装置の構成を図23に模式的に示す。図23において6501は液晶セルを、6502,6503,6504は位相差板を、6505,6506は偏光板を表している。
【0176】
液晶セル6501は絵素毎にA,B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0177】
【表35】
【0178】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0179】
【表36】
【0180】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0181】
【表37】
【0182】
本実施例の液晶表示装置も実施例7と同様に、極めて良好な視角特性を有する。
【0183】
(実施例13)
実施例3では、位相差板6204,6205によって、斜め観測に伴なう液晶層6201、位相差板6202,6203のリタデーション変化による黒表示時における黒浮きを補償している。本発明で用いられる偏光板は、その表面にTAC等の保護フィルムを設けてもよい。偏光板の保護材料にTAC等の屈折率異方性を有するものを用いる場合、斜め観測に伴う黒表示時における黒浮きを抑制するための光学設計を行う場合でもTACの屈折率異方性を考慮する必要がある。液晶層6201、位相差板6202,6203のリタデーション変化に加えて、TACのリタデーション変化をも考慮して、位相差板6204,6205のリタデーション値を適切に選び、黒浮きを補償することにより、視角特性をより改善することが可能となる。以下の実施例では、TACを独立した位相差補償素子(位相差板)と見なしている。
【0184】
図24を参照しながら本実施例を説明する。図24において2401は液晶セルを、2402,2403,2404,2405は位相差板を、2408,2409は偏光板を表している。また、2406,2407は偏光板を保護する目的で設けたTACである。TACは屈折率異方性を有しているため、図24では偏光板と液晶セルの間のTACは独立の位相差板として示した。
【0185】
液晶セル2401は絵素毎にA、B二つの領域に配向分割されている。各領域の配向パラメータは次の通りである。
【0186】
【表38】
【0187】
偏光板のパラメータは以下の通りである。
【0188】
【表39】
【0189】
位相差板のパラメータを以下に示す。
【0190】
【表40】
【0191】
図25に本実施例の液晶表示装置の透過率と印加電圧との関係を示す。図25においては、印加電圧4Vの時の透過率を100%とした。図25から本実施例の液晶表示装置は、印加電圧0Vにおいて黒を表示し、印加電圧の上昇に伴い透過率が上昇(白表示)するノーマリーブラックの電気光学特性を有している。
【0192】
図26〜図29に、8階調表示状態における、各階調における透過率の視角(極角:表示面法線に対する角度)依存性を示す。図26はX_REF軸に平行な方位各方向における視角変化を、図27はX_REF+45°の軸に平行な方位角方向の視角変化、図28はX_REF−45°の軸に平行な方位角方向の視角変化、図29はY_REF軸に平行な方位角方向の視角変化をそれぞれ示す。これらの図から、本実施例の液晶表示装置の階調特性は、概ね対称であることが分かる。
【0193】
図30に、印加電圧4Vの時の透過率を印加電圧0Vの時の透過率で除した値(コントラスト比)の等コントラスト線図を示す。円の中心は表示面の法線方向(視角0°)、各同心円は内側から、視角20°、40°、60°、80°をそれぞれ示す。また、図の横軸はX_REF軸、縦軸はY_REFをそれぞれ示している。等コントラスト曲線は、内側から、コントラスト比(CR)=50を示す。この図より明らかな様に、本実施例の液晶表示装置は、全ての方位角方向において、CR=50以上の表示が、視角60°以上の範囲で得られ、優れた視角特性に有することが分かる。
【0194】
実施例13は、表38〜表40に示した諸条件の基で行なっているが、本発明の効果はこの条件に限られない。即ち、電圧無印加状態で略水平配向しており、かつ電圧印加時に少なくとも2種類の配向状態を呈する液晶層を有し、その液晶層が電圧無印加時に呈する屈折率異方性を全方向に渡って略補償する様に設計した位相差補償素子を有していればよい。
【0195】
例えば、図24に示した構成の液晶表示装置において液晶層のリタデーション値を変化させた場合でも、それぞれに最適な位相差板を見出すことが出来る。その結果を図31〜図33に示す。図31の横軸RLCは液晶層のリタデーション値(表38参照)、縦軸R1は図24に示した位相差補償素子2402,2403のリタデーション値d・(na−nb)(=R1)であり、図中の曲線は液晶層のリタデーション値に対応した最適なR1の値を示している。
【0196】
図32の横軸は前記R1、縦軸R2aは位相差板番号2404,2405のリタデーション値d・(na−nb)であり、図中の曲線はR1に対応した最適なR2aの値を示している。
【0197】
図33の横軸は前記R2a、縦軸−R2bは位相差板番号2404,2405のリタデーション値−d・(na−nc)であり、図中の曲線はR2aに対応した最適なR2bの値を示している。
【0198】
図31〜図33に示した各リタデーション値で構成した液晶表示装置は何れも良好な視野角特性を呈する。即ち、本発明の効果は本発明に記載の各施例に記載した各リタデーション設定値に限定されるものではなく、液晶層と位相差補償素子のリタデーション値を適切に設定することで良好な視野角特性を得ることができる。また、液晶層のリタデーション値が概ね240nm〜320nmの範囲で本発明の効果が十分に得られる。
【0199】
更に、本発明の効果は図31〜図33に示した条件に限定されない。なぜなら、図31、32に示した曲線は液晶セルのリタデーション変化に対して表40に示した、偏光板保護材料TAC、2406及び2407のリタデーション値を基に最適化した値であり、その材料及びリタデーション値等が変化すれば、それに伴なって図31及び32に示した曲線が変化するからである。また、図31に示した曲線は表38に示したツイスト角度、配向方向と表40に示した位相差板2402、2403のna軸の設定値の場合に成立する曲線であり、これらの値が変化すれば図30の曲線も変化する。さらに、図31は液晶セル2401が電圧無印加状態で黒表示を呈するようにすればよく、一般にポアンカレ球等を用いればこのような効果を発生する位相差補償素子の設定、様々な液晶配向(ツイスト角、配向方向)に対して無数に見出すことが出来る。この場合でも、例えば位相差補償素子2402,2403もしくはそれに代わる位相差補償素子を用いて、電圧無印加時での斜め観察において黒浮きが抑制でき、良好な視野角特性が得られる。前記の各実施例に対して黒浮きが抑制されることは具体的に示されている。また、ノーマリーブラック特性を得ることのできる液晶セル、位相差補償素子及び偏光板の配置の組合せが無数に存在することについては、実施例14で簡単に説明する。
【0200】
(実施例13−A〜13−D及び比較例13−E〜13−H)
実施例13では液晶セル2401の上下に同一の屈折率異方性を有する位相差補償素子2402と2403、2404と2405及び2406と2407を配置してある。本実施例ではこれらセルの上下に配した位相差補償素子を片側に配した場合の効果を確認する。但し、偏光板を保護するためのTAC、即ち位相差板2406と2407は常に液晶セル上下に配置する。
【0201】
以下で説明する実施例における各位相差補償素子の配置(有り無し)を下表にまとめる。
【0202】
【表41】
【0203】
(実施例13−A)
実施例13−Aにおける液晶表示装置の構成について以下に説明する。液晶表示装置の基本的な構成は図24に示した通りである。但し、表41で示したように位相差補償素子2405は取り除いてある。
【0204】
先ず、液晶セルのパラメータを表42に示す。
【0205】
【表42】
【0206】
次に、偏光子のパラメータを表43に示す。
【0207】
【表43】
【0208】
最後に、位相差補償素子のパラメータを表44に示す。
【0209】
【表44】
【0210】
本実施例13−Aにおける液晶表示装置での、印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した等コントラスト・コンタ曲線を図34に示す。
【0211】
(実施例13−B)
実施例13−Bにおける液晶表示装置の構成について以下に説明する。液晶表示装置の基本的な構成は図24に示した通りである。但し、表41で示したように位相差補償素子2404は取り除いてある。
【0212】
先ず、液晶セルのパラメータを表45に示す。
【0213】
【表45】
【0214】
次に、偏光子のパラメータを表46に示す。
【0215】
【表46】
【0216】
最後に、位相差補償素子のパラメータを表47に示す。
【0217】
【表47】
【0218】
本実施例13−Bにおける液晶表示装置での、印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した等コントラスト・コンタ曲線を図35に示す。
【0219】
(実施例13−C)
実施例13−Cにおける液晶表示装置の構成について以下に説明する。液晶表示装置の基本的な構成は図24に示した通りである。但し、表41で示したように位相差補償素子2402は取り除いてある。
【0220】
先ず、液晶セルのパラメータを表48に示す。
【0221】
【表48】
【0222】
次に、偏光子のパラメータを表49に示す。
【0223】
【表49】
【0224】
最後に、位相差補償素子のパラメータを表50に示す。
【0225】
【表50】
【0226】
本実施例13−Cにおける液晶表示装置での、印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した等コントラスト・コンタ曲線を図36に示す。
【0227】
(実施例13−D)
実施例13−Dにおける液晶表示装置の構成について以下に説明する。液晶表示装置の基本的な構成は図24に示した通りである。但し、表41で示したように位相差補償素子2403は取り除いてある。
【0228】
先ず、液晶セルのパラメータを表51に示す。
【0229】
【表51】
【0230】
次に偏光子のパラメータを表52に示す。
【0231】
【表52】
【0232】
最後に、位相差補償素子のパラメータを表53に示す。
【0233】
【表53】
【0234】
本実施例13−Dにおけるにおける液晶表示装置での、印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した等コントラスト・コンタ曲線を図37に示す。
【0235】
(比較例13−E)
比較例13−Eにおける液晶表示装置の構成について以下に説明する。液晶表示装置の基本的な構成は図24に示した通りである。但し、表41で示したように位相差補償素子2402及び2405は取り除いてある。
【0236】
先ず、液晶セルのパラメータを表54に示す。
【0237】
【表54】
【0238】
次に、偏光子のパラメータを表55に示す。
【0239】
【表55】
【0240】
最後に、位相差補償素子のパラメータを表56に示す。
【0241】
【表56】
【0242】
本比較例13−Eにおける液晶表示装置での、印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した等コントラスト・コンタ曲線を図38に示す。
【0243】
(比較例13−F)
比較例13−Fにおける液晶表示装置の構成について以下に説明する。液晶表示装置の基本的な構成は図24に示した通りである。但し、表41で示したように位相差補償素子2402及び2404は取り除いてある。
【0244】
先ず、液晶セルのパラメータを表57に示す。
【0245】
【表57】
【0246】
次に、偏光子のパラメータを表58に示す。
【0247】
【表58】
【0248】
最後に、位相差補償素子のパラメータを表59に示す。
【0249】
【表59】
【0250】
本比較例13−Fにおける液晶表示装置での、印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した等コントラスト・コンタ曲線を図39に示す。
【0251】
(比較例13−G)
比較例13−Gにおける液晶表示装置の構成について以下に説明する。液晶表示装置の基本的な構成は図24に示した通りである。但し、表41で示したように位相差補償素子2403及び2405は取り除いてある。
【0252】
先ず、液晶セルのパラメータを表60に示す。
【0253】
【表60】
【0254】
次に、偏光子のパラメータを表61に示す。
【0255】
【表61】
【0256】
最後に、位相差補償素子のパラメータを表62に示す。
【0257】
【表62】
【0258】
本比較例13−Gにおける液晶表示装置での、印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した等コントラスト・コンタ曲線を図40に示す。
【0259】
(比較例13−H)
比較例13−Hにおける液晶表示装置の構成について以下に説明する。液晶表示装置の基本的な構成は図24に示した通りである。但し表41で示したように位相差補債素子2403及び2404は取り除いてある。
【0260】
先ず、液晶セルのパラメータを表63に示す。
【0261】
【表63】
【0262】
次に、偏光子のパラメータを表64に示す。
【0263】
【表64】
【0264】
最後に、位相差補償素子のパラメータを表65に示す。
【0265】
【表65】
【0266】
本比較例13−Hにおける液晶表示装置での、印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した等コントラスト・コンタ曲線を図41に示す。
【0267】
実施例13に比して位相差補償素子2402また2403の何れか一方と位相差補償素子2404または2405の何れか一方を同時に取り除いた比較例13−E,13−F,13−G及び13−Hの等コントラスト・コンタ曲線(図38、図39、図40及び図41)では、X−REF±45deg軸方向、X−REF及びY−REF軸方向を含め視野角50deg以上ではコントラストが20以下であり、視野角特性が劣っている。
【0268】
実施例13に比して位相差補償素子2402または2403の何れか一方のみを取り除いた実施例13−C,13−Dの等コントフスト・コンタ曲線(図36、図37参照)は、前記比較例13−E,13−F,13−G及び13−Hの等コントラスト・コンタ曲線に比してX−REF及びY−REF軸方向の特性が優れている。
【0269】
実施例13に比して位相差補償素子2404または2405の何れか一方のみを取り除いた実施例13−A,13−Bの等コントラスト・コンタ曲線(図34、図35参照)は、前記比較例13−E,13−F,13−G及び13−Hの等コントラスト・コンタ曲線に比してX−REF±45deg軸方向の特性が優れている。
【0270】
位相差補償素子2402と2403の組み合わせ、あるいは位相差補償素子2404と2405の組み合わせのうち、何れか一つの組み合わせの位相差補償素子を液晶セルの上下に配すれば良好な視野角特性が得られる。
【0271】
望ましくは、実施例13に示すように液晶セルを挟んで光源側と観測者側に同数の位相差補償素子を略対称に配した場合がより良好な視野角特性がられる。更に望ましくは、液晶セルの中間層から等距離にある位相差補償素子のリタデーション値を、光源側と観測者側で同一の値とすればよい。また、実施例13では、位相差補償素子2402と2403及び2404と2405の組合せが同一のリタデーション値を有する位相差補償素子の組合せであり、実施例13−A〜実施例13−Dでは位相差補償素子2402と2403及び2404と2405の組合せの中で何れかの位相差補償素子を取り除いてあった、即ちリタデーション値がゼロであった。このことから、位相差補償素子2402と2403及び2404と2405の組合せの中で何れかの位相差補償素子を取り除かず、且つ同一の組合せとしない場合でも良好な視野角特性が得られると推測できる。
【0272】
また、実施例9と実施例13を比較すれば、両実施例に共通点として光源側偏光子(6206,2408)の透過軸と観測者側偏光子(6207,2409)の透過軸が直交している点、位相差補償素子6204,6205,2404,2405のna軸がそれらにもっとも近接した位相差補償素子の透過軸に概ね直交している点である。この時、光源側偏光子の角度には何ら制限はない。即ち実施例で示した45degに限らず、−45degでもその他の任意の角度でよい。但し、それが概ね0deg又は90degの時は、電圧印加時(白表示時に)十分な透過率を得られないことに注意しなければならない。これらの共通点が満たされればツイスト角0degの液晶セルに対して本発明の効果が得られる。更に良好な効果を得るために実施例9及び13では位相差補償素子6202と6203及び2402と2403のna軸を平行にし、且つそれらna軸を液晶セル6201、2401のラビング軸に直交してある。
【0273】
(実施例14)
先に示した実施例9では、ツイスト角度30°の液晶セルに対して液晶表示装置の正面方向で良好な黒表示を得るために、実施例13等に示したツイスト無しの状態の時の液晶セルに隣接した位相差板のna軸を変化させた。具体的には、ツイスト角度ゼロでは液晶セル上下の位相差補償素子のna軸は平行であったが、ツイスト角30°では適切な挟み角(実施例9では18.8°)を持ったものとした。本実施例ではこれ以外の方法によってもツイスト角度が0°以外の液晶セルに対して実施例9と同様正面方向で良好な黒表示を得ることが可能であることを示す。また、最後にポアンカレ球の考えを用いれば電圧無印加時に於いて正面方向で黒表示を得ることの出来る位相差補償素子の組み合わせが無数に存在することを簡潔に示す。
【0274】
実施例14の液晶セルの構成は図24と同様である。但し、偏光子、液晶セル及び位相差補償素子のパラメータは異なる。実施例14における液晶セル2401のパラメータを表66に示す。
【0275】
【表66】
【0276】
次に、実施例14における偏光板のパラメータを表67に示す。
【0277】
【表67】
【0278】
最後に、実施例14における位相差補償素子のパラメータを表68に示す。
【0279】
【表68】
【0280】
本実施例の液晶表示装置の正面方向での印加電圧−透過率特性を図42に示す。図42に示す様に、本実施例の液晶表示装置は印加電0V程度で透過率が概ね0%であり、印加電圧が概ね1.5V以上の領域では印加電圧の増加に伴って透過率が増加するノーマリー・ブラックの電気光学特性を示すことがわかる。また、印加電圧0V付近の透過率が概ね0%程度であることから良好なコントラスト特性が得られていることもわかる。
【0281】
次に、本実施例の液晶表示装置における視角変化に対する等コントラスト曲線を図43に示す。図43の等コントラスト・コンタ曲線は印加電圧4Vの透過率を印加電圧0Vの透過率で除した値である。図43より、本実施例の液晶表示装置はその他の実施例13及び実施例9等と同様良好な電気光学特性を示すことが解る。
【0282】
次に、正面方向で黒表示を得るための液晶セル、偏光板及び位相差補償素子それぞれの設定の組み合わせは無数存在することを以下に例示する。
【0283】
先ず、実施例14において液品表示装置の正面方向からの観測で黒表示が得られる点についてを図44のポアンカレ球を用いて概観する。
【0284】
点A 偏光子2408及び位相差補償素子2406を透過した光の偏光状態を示す点
点B 位相差補償素子2404を透過した光の偏光状態を示す点
点C 位相差補償素子2402を透過した光の偏光状態を示す点
点D 液晶セル2401を透過した光の偏光状態を示す点
点E 位相差補償素子2403を透過した光の偏光状態を示す点
点F 位相差補償素子2405及び2407を透過した光の偏光状態を示す点
点G 偏光子2409が透過する光の偏光状態を示す点
軸1 位相差補償素子2406による復屈折作用に対応するポアンカレ球での回転軸
軸m 位相差補償素子2404及び2405よる復屈折化作用に対応するポアンカレ球での回転軸
軸n 位相差補償素子2402による復屈折化作用に対応するポアンカレ球での回転軸
軸o1 液晶セル中の位相差補償素子2402に隣接した液晶分子による復屈折作用に対応するポアンカレ球での回転軸
軸o2 液晶セル中の位相差補償素子2403に隣接した液晶分子による復屈折作用に対応するポアンカレ球での回転軸
軸p 位相差補償素子2407による復屈折化作用に対応するポアンカレ球での回転軸
図44はポアンカレ球を極点から見た図である。従って、図44の中心点Sは円偏光、外周の円上(赤道上)の点は直線偏光を、中心点Sの外であって外周の内側の点は楕円偏光を示している。また図の外周に付記した数字は対応する直線偏光の偏光軸とX−REF軸の成す角度である。
【0285】
図44を参照しながら、実施例14で示した液晶表示装置において、波長550nmの光の光源から観測者までの偏光状態の変化を説明する。
【0286】
図24に示した偏光板2408を透過する直線偏光は赤道上のA点である。位相差補償素子2406のna軸は偏光板2408の透過軸に直行しているのでA点の直線偏光は位相差補償素子2406によって軸lの周りに回転する。その結果A点は移動しない。
【0287】
次に、位相差補償素子2404のna軸は−45degであるので赤道上のA点は軸mの周りに回転する。また、位相差補償素子2404のd・(na−nb)の値は92nmであるから、その回転角度は60°である。その結果、赤道上のA点はB点に移動する。
【0288】
次に、位相差補償素子2402のna軸は0°であるから、B点は軸nの周りに回転する。また、位相差補償素子2402のd・(na−nb)の値は75nmであるから、その回転角度は49°である。その結果、B点はC点へと移動する。
【0289】
次に、液晶セル2401は光源側から観測者側へ向かって、その屈折率異方性の主軸が105°〜75°まで連続的に回転しているから、o1〜o2まで連続的に変化する軸の周りを回転する。また、液晶セル2401のリタデーションの値は260nmであるから、軸周りの回転角は170°である。その結果、C点は概ね図のような軌跡をたどりつつ、赤道を経由してC点のある半球とは異なる半球状のD点に到達する。
【0290】
次に、位相差補償素子2403のna軸は0°であるから、軸nの周りに回転する。また、位相差補償素子2403のリタデーション値d・(na−nb)は75nmであるから回転角度は49°である。その結果、D点はE点に到達する。
【0291】
次に、位相差補償素子2405のna軸は45degであるから、E点は軸mの周りに回転する。また、位相差補償素子2405のd・(na−nb)の値は92nmであるから、その回転角度は60°である。その結果、E点は概ね赤道上にあるF点に移動する。
【0292】
次に、位相差補償素子2407のna軸は偏光子2409の透過軸に直行しているから、D点は軸pの周りに回転する。その結果、F点は移動しない。
【0293】
最後に、偏光板2409の透過軸G点はF点の対角に位置しているので、位相差補償素子2407を透過した偏光は偏光子2409によって遮断される。結果、本実施例の液晶表示装置は印加電圧0Vの透過率が略0%であるノーマリー・ブラックの電気光学特性を示す。
【0294】
次に、液晶セルのツイスト角度が30°である今一つの実施例9の場合についても実施例14同様に検証できる。図45に実施例9における偏光状態の変化の軌跡を示す。
【0295】
点A 偏光子6206及び位相差補償素子6204を透過した光の偏光状態を示す点
点B 位相差補償素子6202を透過した光の偏光状熊を示す点
点C 液晶セル6201を透過した光の偏光状態を示す点
点D 位相差補償素子6203及び6205を透過した光の偏光状態を示す点
点E 偏光子6207が透過する光の偏光状態を示す点
詳細な説明は省略するが、図17に示した偏光子6206を透過した直線偏光はA点にある、位相差補償素子6204はA点を移動しない、位相差補償素子6202はA点の偏光をB点に移動する、液晶セル6201はB点の偏光をC点に移動する、位相差補償素子6203はC点の偏光をD点に移動する。位相差補償素子6205はD点を移動しない。D点はA点と同一の点であり、それは観測者側の偏光子6207が透過する直線偏光の偏光状態Eの対角にあるため、位相差補償素子6205を透過した偏光は偏光子6207によって遮断される。結果、実施例9の液晶表示装置もまた印加電圧0Vの透過率が略0%であるノーマリー・ブラックの電気光学特性を示す。
【0296】
最後に、液晶セルのツイスト角度が0°である場合、例えば実施例13についても実施例14同様に検証する。図46(a)及び(b)に実施例13における偏光状態の変化の軌跡を示す。
【0297】
点A 偏光子2408、位相差補償素子2406及び2404を透過した光の偏光状態を示す点
点B 位相差補償素子2402を透過した光の偏光状態を示す点
点C 液晶セル2401を透過した光の偏光状態を示す点
点D 位相差補償素子2403、2405及び2407を透過した光の偏光状態を示す軸
点E 偏光子2409が透過する光の偏光状態を示す点
詳細な説明は省略するが、図24に示した偏光子2408を透過した直線偏光はA点にある。位相差補償素子2406及び2404はA点を移動しない。位相差補償素子2402はA点の偏光をB点に移動する、液晶2401はB点の偏光をB点と異なる半球上にあるC点に移動する。位相差補償素子2403はC点の偏光を赤道上のD点に移動する。位相差補償素子2405及び2407はD点を移動しない。D点はA点と概ね同一の点であり、それは観測者側の偏光子2409が透過する直線偏光の偏光状態Eの対角にあるため、位相差補償素子2407を透過した偏光は偏光子2409によって遮断される。結果、実施例13の液晶表示装置もまた印加電圧0Vの透過率が略0%であるノーマリー・ブラックの電気光学特性を示す。
【0298】
以上、実施例について説明したように、電圧無印加時に黒表示となるノーマリー・ブラックの特性を得るためには、光源側の偏光板を透過した時の光の偏光状態を観測者側の偏光板が透過する光の偏光状態の対角、即ち観測者側の偏光板が吸収する光の偏光状態に移動するように液晶セル及び位相差補償素子のパラメータを適切に設定すれば良い。この様な設定はポアンカレ球の考えを用いれば無数に見出すことが出来る。なぜなら、図47に示すようにポアンカレ球上で光源側偏光板の透過する偏光状態Aを観測者側偏光板の吸収する偏光状態Zに移動する軌跡は無数に取り得るからである。
【0299】
但し、良好な視野角特性を得るという観点からは、液晶セルを光源側と観測者側に同数の位相差補償素子を略対称に配しするほうが好ましいことは上記比較例で述べた通りである。
【0300】
【発明の効果】
上述したように、本発明によると、視角方向による表示品質の変化が著しく小さいノーマリーブラックモードの液晶表示装置が提供される。本発明の液晶表示装置は、従来の広視角液晶表示装置のように製造効率や透過率を犠牲にすることがない。本発明の液晶表示装置は、コンピュータ用モニターディスプレイ及びビデオ映像等を表示する液晶表示装置など、広視角が要求される表示装置に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の一実施例を模式的に示した斜視図である。
【図2A】電圧無印加時の液晶分子配向を模式的に示す断面図である。
【図2B】電圧印加時の液晶分子配向を模式的に示す模式図である。
【図2C】領域AとBの断面内で視角を変化した場合の領域Aの透過率変化を正面の透過率をパラメータとしてあらわしたグラフである。
【図3A】黒表示状態における配向分割した液晶領域A及びB内の液晶分子の配向状態を模式的に示す断面図である。
【図3B】中間調表示状態における配向分割した液晶領域A及びB内の液晶分子の配向状態を模式的に示す断面図である。
【図3C】領域Aの視角変化に対する透過率変化を正面の透過率をパラメータとしてあらわしたグラフである。
【図3D】領域Bの視角変化に対する透過率変化を正面の透過率をパラメータとしてあらわしたグラフである。
【図3E】領域AとBとの視角変化に対する総合的な透過率変化を正面の透過率をパラメータとしてあらわしたグラフである。
【図4A】絵素分割比(領域A,Bの面積比)と階調の対称性を説明する図であり、対称性の評価に用いる透過率の定義を説明する図である。
【図4B】絵素分割比(領域A,Bの面積比)と階調の対称性を説明する図であり、領域A、Bの面積比と階調の対称性を示す図である。
【図4C】本発明による1表示絵素領域の配向分割の変形例を模式的に示す図である。
【図4D】本発明による1表示絵素領域の配向分割のた他の変形例を模式的に示す図である。
【図4E】配向分割の単位を小さくすることによって、視角特性を更に均一にすることができる理由を説明するための模式図である。
【図5A】ノーマリーブラックの液晶表示装置において、黒表示時の液晶分子配向の模式断面図である。
【図5B】水平配向セルにおいて、ノーマリーブラック特性を得る為の偏光板の吸収軸、液晶分子の配向軸、位相差板の遅相軸の相対的な関係を示す図である。
【図5C】ノーマリーブラックの表示装置において、黒表示状態で液晶分子の配向方向に沿って視角を変化させた場合のリタデーション値の変化を示すグラフである。
【図5D】ノーマリーホワイトの液晶表示装置において、黒表示時の液晶分子配向の模式断面図である。
【図5E】水平配向セルにおいて、ノーマリーホワイト特性を得る為の偏光板の吸収軸、液晶分子の配向軸の相対的な関係を示す図である。
【図5F】ノーマリーホワイトの液晶表示装置において、黒表示状態で液晶分子の配向方向に沿って視角を変化させた場合のリタデーション値の変化を示すグラフである。
【図5G】ノーマリーブラックの表示装置において、黒表示状態で液晶分子の配向方向に直交する向に沿って視角を変化させた場合のリタデーション値の変化を示すグラフである。
【図5H】ノーマリーホワイトの液晶表示装置において、黒表示状態で液晶分子の配向方向に直交する方向に沿って視角を変化させた場合のリタデーション値の変化を示すグラフである。
【図6】本発明においてコントラストの視角特性の改善について説明する図である。本発明の一実施形態における、液晶層、位相差板群の屈折率楕円体及び入射直線偏光の偏光軸を示してある。
【図7A】正の一軸性の屈折率異方性を有する屈折率楕円体を示す図である。
【図7B】平面の法線方向から、その遅相軸との成す角度が45°である直線偏光を入射した場合の透過光を説明する図である。
【図7C】正の一軸性の屈折率異方性を有する屈折率楕円体に、その遅相軸が含まれる平面の法線に遅相軸に沿って傾斜した方向から、その遅相軸との成す角度が45°である直線偏光を入射した場合の透過光を説明する図である。
【図7D】正の一軸性の屈折率異方性を有する屈折率楕円体に、その遅相軸の方向から、直線偏光を入射した場合の透過光を説明する図である。
【図7E】正の一軸性の屈折率異方性を有する屈折率楕円体に、その遅相から傾斜した方向から、直線偏光を入射した場合の透過光を説明する図である。
【図8】45°位相差板のリタデーションと黒表示状態における透過率との関係を示すグラフである。
【図9】実施例の構成を説明するための主軸方向の定義をあらわす図である。
【図10】実施例の構成を説明するための模式図である。
【図11】実施例で用いられる位相差板の屈折率楕円体を模式的に示す図である。
【図12】本発明の液晶表示装置における液晶セルを説明する模式図である。(a)はラビング方向を示す図であり、(b)は、(a)のラビング処理によるセル厚方向の液晶分子の配向状態を示す模式図である。(c)は、(a)のラビング処理と、配向分割処理を併用した場合のセル厚方向の液晶分子の配向状態を示す模式図である。
【図13】本発明による実施例の液晶表示装置の透過率と印加電圧との関係を示すグラフである。
【図14A】本発明による実施例の液晶表示装置の8階調表示状態における、各階調における透過率の視角依存性を示す(X_REF軸に平行な方位各方向)グラフである。
【図14B】本発明による実施例の液晶表示装置の8階調表示状態における、各階調における透過率の視角依存性を示す(X_REF±45°の軸に平行な方位各方向)グラフである。
【図14C】本発明による実施例の液晶表示装置の8階調表示状態における、各階調における透過率の視角依存性を示す(Y_REF軸に平行な方位各方向)グラフである。
【図15】本発明による実施例の液晶表示装置の等コントラスト線図を示す。
【図16】本発明の一実施例の構成を模式的に示す図である。
【図17】本発明の他の実施例の構成を模式的に示す図である。
【図18】本発明の他の実施例の構成を模式的に示す図である。
【図19】本発明の他の実施例の構成を模式的に示す図である。
【図20】本発明による実施例の液晶表示装置の透過率と印加電圧との関係を示すグラフである。
【図21A】本発明による実施例の液晶表示装置の8階調表示状態における、各階調における透過率の視角依存性を示す(X_REF軸に平行な方位各方向)グラフである。
【図21B】本発明による実施例の液晶表示装置の8階調表示状態における、各階調における透過率の視角依存性を示す(X_REF±45°の軸に平行な方位各方向)グラフである。
【図21C】本発明による実施例の液晶表示装置の8階調表示状態における、各階調における透過率の視角依存性を示す(Y_REF軸に平行な方位各方向)グラフである。
【図22】本発明による実施例の液晶表示装置の等コントラスト線図を示す。
【図23】本発明の他の実施例の構成を模式的に示す図である。
【図24】実施例13、実施例13−A〜13−D、比較例13−E〜13−H及び14における液晶表示装置の構成を説明する図である。
【図25】実施例13の液晶表示装置における、正面方向から観測した透過率−印加電圧特性を示す図である。
【図26】実施例13の液晶表示装置における、8階調表示でのX_REF軸方向の視角変化に対する各階調の透過率変化を示す図である。
【図27】実施例13の液晶表示装置における、8階調表示でのX_REF+45deg軸方向の視覚化に対する各階調の透過率変化を示す図である。
【図28】実施例13の液晶表示装置における、8階調表示でのX_REF−45deg軸方向の視角変化に対する各階調の透過率変化を示す図である。
【図29】実施例13の液晶表示装置における、8階調表示でのY_REF軸方向の視角変化に対する各階調の透過率変化を示す図である。
【図30】実施例13の液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図31】実施例13における液晶セルのリタデーション値d・△n(RLC)に対する位相差補償素子2402及び2403のリタデーション値d・(na−nb)(R1)の最適値を示す図である。
【図32】実施例13における位相差補償素子2402及び2403のリタデーション値d・(na−nb)(R1)に対する位相差補償素子2404及び2405のリタデーション値d・(na−nb)(R2a)の最適値を示す図である。
【図33】実施例13における位相差補償素子2404及び2405のリタデーション値d・(na−nb)(R2a)に対する位相差補償素子2404及び2405のリタデーション値−d・(na−nc)(−R2b)の最適値を示す図である。
【図34】実施例13−Aの液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図35】実施例13−Bの液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図36】実施例13−Cの液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図37】実施例13−Dの液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図38】比較例13−Eの液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図39】比較例13−Fの液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図40】比較例13−Gの液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図41】比較例13−Hの液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図42】実施例14の液晶表示装置における、正面方向から観測した透過率−印加電圧特性を示す図である。
【図43】実施例14の液晶表示装置における、等コントラスト・コンタ曲線を示す図である。
【図44】実施例14の液晶表示装置において、液晶表示装置内で印加電圧0Vのとき、液晶セル表面の法線に平行に透過する光の偏光状態の変化を説明する図を示す図である。
【図45】実施例9の液晶表示装置において、液晶表示装置内で印加電圧0Vのとき、液晶セル表面の法線に平行に透過する光の偏光状態の変化を説明する図である。
【図46】(a)及び(b)は、実施例13の液晶表示装置において、液晶表示装置内で印加電圧0Vのとき、液晶セル表面の法線に平行に透過する光の偏光状態の変化を説明する図である。
【図47】電圧無印加時に概ね水平配向した液晶セルを用いて、ノーマリー・ブラックの電気光学特性を得ることの出来る液晶セル、位相差補償素子及び偏光子のパラメーターが無数に存在することを説明する図である。
【図48】特開平5−289097号公報に開示されている液晶表示装置の模式図である。
【符号の説明】
100 液晶表示装置
100a、100b 電極
101 配向二分割液晶層
101a、100b 配向分割された領域
102、103、104、105、110、111 位相差板
108、109 偏光板
1201 対向基板のラビング方向
1202 TFT基板のラビング方向
1204 TFT基板
1205 対向基板
1206 液晶分子
1207 電圧印加により液晶分子が起き上がる方向を示す矢印
1208 電圧印加により液晶分子が起き上がる方向を示す矢印
Claims (6)
- それぞれが透明な第1及び第2基板と、
該第1と第2基板との間に挟持され、正の誘電異方性を有するネマティック液晶材料からなる液晶層と、
該第1及び第2基板にそれぞれ設けられ、該第1及び第2基板に略垂直な電界を該液晶層に印加する第1及び第2電極と、
該第1及び第2基板のそれぞれの外側に設けられ、直交ニコル状態に配置された第1及び第2偏光板と、
該第1基板と該第1偏光板との間に設けられた正の屈折率異方性を有する第1位相差補償素子と、
該第2基板と前記第2偏光板との間に設けられた正の屈折率異方性を有する第2位相差補償素子と、
該第1位相差補償素子と該第1偏光板との間、または該第2位相差補償素子と該第2偏光板との間に設けられた、基板の法線方向に最大の屈折率を有する第3位相差補償素子とを有し、
該液晶層は、表示絵素領域ごとに、電圧印加状態において液晶分子の配向が互いに異なる第1及び第2ドメインを少なくとも有し、
該第1及び第2ドメインの液晶分子は、電圧無印加状態において、配向状態が略同一であって該第1及び第2基板の表面に対して略平行に配向し、
前記第1及び第2位相差補償素子のリタデーションの合計が概ね液晶層のリタデーションと一致し、電圧無印加状態に正面方向からの観測において黒表示がなされるように前記第1及び第2位相差補償素子が配置され、前記第3位相差補償素子の遅相軸は前記第1及び第2基板と略直交しており、
前記第1、第2および第3の位相差補償素子は、電圧無印加状態において、前記第1及び第2ドメインの該液晶分子の屈折率異方性を補償する、液晶表示装置。 - 前記第3位相差補償素子が設けられていない該第1位相差補償素子と該第1偏光板との間、または該第2位相差補償素子と該第2偏光板との間に、第4位相差補償素子をさらに有し、
該第4位相差補償素子は、基板の法線方向に最大の屈折率を有し、該第4位相差補償素子の遅相軸は前記第1及び第2基板と略直交する、請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記第1ドメイン及び第2ドメイン内の前記液晶分子は、平行配向している、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
- 前記第1ドメイン及び第2ドメイン内の前記液晶分子は、ツイスト配向している、請求項1または2記載の液晶表示装置。
- 前記液晶層は、前記表示絵素領域ごとに、複数の前記第1ドメインと複数の前記第2ドメインを有し、該第1ドメインと該第2ドメインの数は同数である請求項1から4のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記第1及び第2ドメインの面積の総和が互いに等しい請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
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