JP3802822B2 - 気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法及びその鋳片を加工した鋼材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気泡性の欠陥が少なく鋳片の表層品質、および鋼材の表面品質に優れた鋳片の連続鋳造方法及びその鋳片を加工した鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶鋼鍋からタンディッシュに受湯し、タンディッシュの底部に設けた浸漬ノズルを介して鋳型に注湯して鋳型による冷却を行なった後、支持セグメントに配置したスプレーノズルから冷却水を噴霧しながら凝固させて鋳片の製造が行われる。この浸漬ノズルを用いて溶鋼を鋳型に注湯する際、溶鋼中の介在物が浸漬ノズル内に付着するため、吐出口が閉塞して注湯が不可能になったり、溶鋼の吐出流が偏流して鋳造操業の継続に支障をきたす事態を招く。また、付着した介在物が剥離して溶鋼中に混入して介在物に起因した欠陥を生じる。
【0003】
この問題を解消するため、浸漬ノズルにアルゴンガスを送給し、浸漬ノズルへの介在物の付着の防止と、鋳型内の介在物をアルゴンガス気泡によって浮上させて溶鋼中から分離し、介在物に起因する欠陥を防止することが行われている。しかし、アルゴンガスを吹き込むことによって浸漬ノズル内の介在物の付着を抑制することはできたが、吹き込まれたアルゴンガスの気泡が溶鋼の凝固によって形成される凝固殻に捕捉され、この気泡が圧延加工時に表面に露出し、線状あるいは膨れ等の表面疵になり、製造された鋼板の品質を損なう問題が生じた。
【0004】
この対策として、一般的には、鋳造速度を遅くし、鋳型内の溶鋼中のアルゴンガス気泡を浮上させ、気泡が凝固殻に捕捉されるのを防止することが行われている。更に、特開平9−192801号公報、特開2000−202603号公報等のように、移動磁場型等の通常の電磁攪拌装置を用い、鋳型内の溶鋼の吐出流の下向きの流れを抑制して溶鋼中のアルゴンガス気泡の浮上を促進したり、鋳型の内壁に沿って旋回する溶鋼の流れを形成し、凝固殻の近傍のアルゴンガス気泡や介在物の凝固殻への付着を防止して清浄な凝固殻を形成し、気泡欠陥、介在物欠陥等を防止することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鋳造速度を遅くして鋳型内の溶鋼中のアルゴンガス気泡を浮上させる方法では、鋳造速度が大幅に低下し、連続鋳造装置の生産性が低下したり、一回当たりの溶鋼量が大きい場合、この溶鋼が放熱によって温度低下を生じ、鋳造末期の溶鋼の温度が目標温度から低目側に外れ、低温度に起因した地金付着や浸漬ノズル詰まり等から鋳造操業の継続に支障を生じる。更に、特開平9−192801号公報、特開2000−202603号公報等のように、移動磁場型等の通常の電磁攪拌装置を用い、鋳型内の溶鋼の吐出流の下向きの流れを抑制して溶鋼中のアルゴンガス気泡の浮上を促進したり、鋳型の内壁に沿って旋回する溶鋼の流れを形成する方法では、上向きの溶鋼流によるパウダーの巻き込み、あるいは旋回流の下方に体積する介在物や気泡が存在し、これ等が新たな欠陥が生じたり、電磁攪拌等の装置の設置に多大の費用を要し、使用中の電力消費の増加等の問題がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡単で、しかも安価に溶鋼中のアルゴンガス気泡が凝固殻に捕捉されるのを抑制し、表面欠陥を防止して優れた品質の鋳片を製造し、この鋳片を圧延加工を施した鋼材の品質を向上することができる気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法及びその鋳片を加工した鋼材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法は、凝固時の初晶としてγ相が晶出する組成の溶鋼を、取鍋からタンディッシュに受湯し、ノズルを介して前記溶鋼を水冷鋳型に注湯して鋳片を鋳造する鋳片の連続鋳造方法において、前記溶鋼の成分濃度から下式により計算されるZ値を2500以下になるように予め該溶鋼の成分濃度を調整してから連続鋳造する。
Z=Σy(i)×(1−k(i))/k(i)×c(i) … (1)
この方法により、凝固シェルの内方側の前面に形成される濃度境界層の表面張力勾配を小さくし、侵入した気体の気泡が凝固シェルの内方表面に吸着するのを抑制でき、冷却して成長した凝固シェルに捕捉される気泡を大幅に減少することができる。Z値が2500を超えると、溶鋼が凝固した凝固シェルの内方表面の表面張力勾配が大きくなり、凝固シェルの内方表面への気泡の付着個数が増加する。なお、y(i)は溶鋼の表面張力に及ぼすi元素の影響を表す濃度係数であり、添加した際に表面張力を低下させる場合を正の値とする。k(i)は溶鋼中のi元素の平衡分配係数、c(i)はi元素の質量%、Σは溶鋼中の構成元素の総和を示す。
【0008】
また、本発明に係る気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法は、凝固時の初晶としてγ相が晶出する組成の溶鋼を、取鍋からタンディッシュに受湯し、ノズルを介して前記溶鋼を水冷鋳型に注湯して鋳片を鋳造する鋳片の連続鋳造方法において、前記溶鋼の成分濃度から下式により計算されるM値を2500以下になるように予め該溶鋼の成分濃度を調整してから連続鋳造する。
この方法により、一部の特定成分である炭素(C)、硫黄(S)、窒素(N)、酸素(O)の溶鋼中における濃度を調整することにより、凝固シェルの内方側の前面に形成される濃度境界層の表面張力勾配を小さくし、侵入した気体の気泡が凝固シェルの内方表面に吸着するのを抑制することができる。M値が2500を超えると、溶鋼が凝固した凝固シェルの内方表面の表面張力勾配が大きくなり、凝固シェルの内方表面への気泡の付着個数が増加する。
なお、Cは溶鋼中に含まれる炭素、Sは溶鋼中に含まれる硫黄、Nは溶鋼中に含まれる窒素、Oは溶鋼中に含まれる酸素を示す。
【0009】
さらに、本発明に係る気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法において、前記ノズルから溶鋼中に供給するアルゴンガスを0.5NL/分以上とすることが望ましい。これにより、タンディッシュノズルや浸漬ノズルに付着するAl2 O3 系の介在物の付着を抑制したり、付着したAl2 O3 系の介在物の剥離に起因した鋳片の欠陥を防止することができ、鋳型内を浮遊する介在物を浮上させて除去することができる。アルゴンガスの供給量が0.5NL/分未満になると、ノズルや浸漬ノズルに付着するAl2 O3 系の介在物を抑制する効果が低下し、溶鋼の吐出流の変動やノズル閉塞を生じる。
【0010】
また、本発明に係る気泡欠陥の少ない鋼材は、凝固時の初晶としてγ相が晶出する組成の溶鋼を、取鍋からタンディッシュに受湯し、ノズルを介して前記溶鋼を水冷鋳型に注湯して鋳片を鋳造した鋳片に圧延加工を施した鋼材において、前記溶鋼の成分濃度から下式により計算されるZ値を2500以下になるように予め該溶鋼の成分濃度を調整してから連続鋳造した鋳片を圧延加工して製造する。この鋼材は、凝固シェルに捕捉される気泡を抑制した鋳片を圧延加工して製造しているので、鋼材の表面に発生する気泡に起因した表面欠陥が少なく、外観性の良好な製品を製造することができる。
Z=Σy(i)×(1−k(i))/k(i)×c(i) … (1)
ここで、y(i)は溶鋼の表面張力に及ぼすi元素の影響を表す濃度係数であり、添加した際に表面張力を低下させる場合を正の値とする。k(i)は溶鋼中のi元素の平衡分配係数、c(i)はi元素の質量%、Σは溶鋼中の構成元素の総和を示す。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。図1は、本発明の一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造装置の全体図である。この図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造に用いられる連続鋳造装置Aにおいて、タンディッシュ1内の溶鋼2は鋳型3に浸漬ノズル4を介して注湯される。このとき、溶鋼中の介在物のノズルへの付着によるノズル閉塞を防止するため、さらには、連鋳鋳型内の介在物を浮上分離させるために浸漬ノズル4内にアルゴンガスが吹き込まれる。鋳型内に注湯された溶鋼2は、鋳型3および複数の支持ロール群より構成される支持セグメント5により支持されながら、支持セグメント5に付設した図示しない冷却ノズルからの冷却水の噴射により、外側から凝固が進行し、ピンチロール6により鋳片7として引き抜きが行われる。
【0012】
このようにして、鋳造された鋳片の凝固シェルにはアルゴンガスが捕捉され、鋳造後に表面に露出するか表層に残留する。また、このような鋳片を加熱処理・圧延加工すると、アルゴンガスを起因とした線状の表面疵や膨れ状の表面欠陥が発生しやすく、鋼板の品位が大きく損なわれる。この対策として、▲1▼鋳型内のアルゴンガスの浮上性を確保するために鋳造速度を低下させる方法が考えられるが、この方法では鋳造速度を低下させるため生産性が損なわれるといった副次的な問題が生じる。▲2▼ノズルの吐出角度を溶鋼が鋳型内の溶鋼内の溶鋼プールの深部に侵入しないように上向きに調整する方法が考えられるが、この方法でもモールドフラックスを巻き込み易くなるため、モールドフラックス起因の表面欠陥が増えるといった問題が生じる。
【0013】
▲3▼鋳型内の溶鋼を電磁攪拌することで、アルゴンガスの捕捉を防止する方法も考えられるが、電磁攪拌装置を設置するための設備費用や電力を要するなどの問題がある。また、▲4▼アルゴンガス吹き込み量自体を低減する方法も考えられるが、アルゴンガスの吹き込み量としては、前記ノズルへの介在物の付着防止効果と連鋳鋳型内での介在物の浮上分離効果の両方を満足するために、本発明者らの研究によると0.5L/min以上が必要であり必ずしも十分な対策にならない場合もある。
【0014】
そこで、発明者らは、溶鋼中のアルゴンガスの挙動について研究を積み重ね、以下の手段を用いることで、上記課題を解決できることを知見した。すなわち、溶鋼鍋からタンディッシュに溶鋼を受給し、耐火物製の溶鋼供給用ノズルを介して、アルゴンガスを0.5L/min以上ノズル内の溶鋼に吹き込みながら、該溶鋼を水冷鋳型内に供給する鋼の連続鋳造方法について、鋼の成分濃度から(1)式で計算されるZ値が2500以下になるように予め溶鋼成分を調整した後、該溶鋼を連続鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
Z=Σy(i)×(1−k(i))/k(i)×c(i) … (1)
ここで、y(i)は溶鋼の表面張力に及ぼすi元素の影響を表す濃度係数(添加した際に表面張力を低下させる場合を正の値とする)、k(i)は溶鋼中のi元素の平衡分配係数、c(i)はi元素の質量%、Σは溶鋼の構成元素の総和を示す。
【0015】
前記(1)式の右辺は、鋼に含まれる成分元素の凝固時の固液分配により、連続鋳造中の凝固シェルの前面に形成される濃度境界層中に侵入したアルゴンガスを凝固シュルに吸引する力の大小を表すものである。すなわち、刊行物:「鉄と鋼」80(1994)p.527に示されているように、凝固シュル前面の濃度勾配によって形成される表面張力勾配∂Y/∂Xによりアルゴンガスを吸引する速度Vは(3)式で表される。
ここで、dはアルゴンガスの径、μは溶鋼の粘度、Yは溶鋼の表面張力、Xは凝固界面からの距離である。また、∂Y/∂Xは表面張力勾配、∂Y/∂Cは表面張力の成分濃度Cの依存項、∂C/∂Xは成分濃度の勾配である。
【0016】
凝固の定常状態を考えると、バルク溶鋼中の成分濃度をCo、平均分配係数をkとすれば、凝固シェルと溶鋼界面の成分濃度はCo/kで表され、濃度境界層の幅をδとして直線的な濃度分布を仮定すると、濃度勾配は次式で表される。
∂C/∂X=(Co/k−Co)/δ=(1−k)k・Co/δ ‥‥(4)
よって、(3)式は(5)式のように書き直すことができる。
【0017】
次に、(5)式の右辺の成分濃度に関する項だけ取り出し、全ての構成元素に対して総和をとると、(1)式が得られる。
Z値=ΣY(i)・(1−k(i))/k(i)・C(i) ‥‥ (1)
ここで、Y(i)=−∂Y/∂C(i)(mN/m/mass%)は鉄の表面張力Yに及ぼすi元素の影響を表す濃度係数(添加した際に表面張力を低下させる場合を正の値とする)で公知刊行物「マテリア、vol,36(1997).p.47」等に示されている。k(i)は鉄中のi元素の平衡分配係数で公知刊行物「第3版鉄鋼便覧I,日本鉄鋼協会編(1981)、p.193」等で示されている。C(i)はi元素の質量%、Σは構成元素に対する総和を示す。
【0018】
次に、本発明者らは、種々の組成の溶鋼を鋳造し、(1)式で計算されるZ値と鋳片に捕捉されたアルゴンガスの個数との関係を調査した結果を図2に示す。図2は、本発明の一実施の形態に係る溶鋼の成分から計算されるZ値、M値と鋳片に捕捉された気泡の個数との関係を示す図ある。この図2に示すようにZ値を2500以下とすることで、アルゴンガスの凝固シェルへの捕捉を防止し工業的に無害な0.1個/cm3 以下のレベルまで低減できることを知見した。言い換えると、Z値が2500以下となるように成分調整することで、気泡性の欠陥を計画的に低減できることになる。また、材質上成分調整が難しい鋼種でもZ値を用いて気泡の捕捉性を予測することで、低速鋳造やノズル角度変更などの対策を限定的に講ずることが出来るようになり生産効率も向上する効果が得られる。
【0019】
また、凝固時の初晶としてγ相が晶出する組成の溶鋼に対しては、Z値に大きな影響を及ぼす元素は、C(炭素)、S(硫黄)、N(窒素)、O(酸素)であり、(2)式に示すような、これらの元素だけで計算したM値を用いても、実用上問題なくアルゴンガス気泡の捕捉防止だできることが判った。ただし、計算に用いる成分濃度としては、表面張力に影響を与える溶鋼中に単独(フリー)の形で溶解している濃度であり、化合物(窒化物、酸化物など)の形で存在している濃度は影響を及ぼさないことに注意すべきである。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例について説明する。
表1に示す化学成分の溶鋼350トン(溶鋼鍋容量)を鋳型内寸が250mm厚み×1000mm幅の図1に示すような連続鋳造装置で、アルゴンガスの吹き込み量を5NL/minとし、鋳造速度1.0m/minの条件で鋳造した。鋳造後は、鋳片の表層(表面から0〜20mm)に捕捉されたガスの個数をX線探傷法で調査すると共に、圧延後の気泡性欠陥の発生状況についても一貫的に調査した。表2に調査結果を示すが、本発明例の鋼種A,D,Gは鋼片のアルゴンガス個数も少なく圧延後の鋼板の気泡性欠陥の発生もなく良好である。一方、比較例として示した鋼種B,C,E,F,H,Iの場合は鋳片のアルゴンガス個数が多く圧延後の鋼板にも気泡性欠陥が認められる。以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は本発明の適用範囲である。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、従来の製造技術での課題であったアルゴンガスによるノズルへの介在物の付着防止と連鋳鋳型内での介在物の浮上分離の効果とアルゴンガスの鋳片の凝固シェルへの捕捉防止を両立できるため、表面品位の優れた鋳片・鋼板を工業的に安価かつ安定に製造できる極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造装置の全体図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る溶鋼の成分から計算されるZ値、M値と鋳片に捕捉された気泡の個数との関係を示す図ある。
【符号の説明】
A 連続鋳造装置
1 タンディッシュ
2 溶鋼
3 鋳型
4 浸漬ノズル
5 支持セグメント
6 ピンチロール
7 鋳片
8 曲げ戻し矯正点
9 軽圧下ロールセグメント
Claims (4)
- 凝固時の初晶としてγ相が晶出する組成の溶鋼を、取鍋からタンディッシュに受湯し、ノズルを介して前記溶鋼を水冷鋳型に注湯して鋳片を鋳造する鋳片の連続鋳造方法において、前記溶鋼の成分濃度から下式により計算されるZ値を2500以下になるように予め該溶鋼の成分濃度を調整してから連続鋳造することを特徴とする気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法。
Z=Σy(i)×(1−k(i))/k(i)×c(i) … (1)
ここで、y(i)は溶鋼の表面張力に及ぼすi元素の影響を表す濃度係数であり、添加した際に表面張力を低下させる場合を正の値とする。k(i)は溶鋼中のi元素の平衡分配係数、c(i)はi元素の質量%、Σは溶鋼中の構成元素の総和を示す。 - 請求項1または2記載の気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法において、前記ノズルから溶鋼中に供給するアルゴンガスを0.5NL/分以上とすることを特徴とする気泡欠陥の少ない鋳片の連続鋳造方法。
- 凝固時の初晶としてγ相が晶出する組成の溶鋼を、取鍋からタンディッシュに受湯し、ノズルを介して前記溶鋼を水冷鋳型に注湯して鋳片を鋳造した鋳片に圧延加工を施した鋼材において、前記溶鋼の成分濃度から下式により計算されるZ値を2500以下になるように予め該溶鋼の成分濃度を調整してから連続鋳造した鋳片に圧延加工することを特徴とする気泡欠陥の少ない鋼材。
Z=Σy(i)×(1−k(i))/k(i)×c(i) … (1)
ここで、y(i)は溶鋼の表面張力に及ぼすi元素の影響を表す濃度係数であり、添加した際に表面張力を低下させる場合を正の値とする。k(i)は溶鋼中のi元素の平衡分配係数、c(i)はi元素の質量%、Σは溶鋼中の構成元素の総和を示す。
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