JP3899981B2 - Fluid filled vibration isolator - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に振動が入力される受圧室に対して第一のオリフィス通路を通じて接続された平衡室と、該受圧室に対して第二のオリフィス通路を通じて接続された副液室とを併せ備えており、それら第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を流動せしめられる流体の流動作用に基づき、異なる周波数域の振動に対してそれぞれ防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車用エンジンマウントやボデーマウント等のように、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体の一種として、特開平4−357344号公報や特開平10−184775号公報等に記載されているように、振動入力に際して弾性変形せしめられる本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成された受圧室と、壁部の一部がゴム弾性板で構成された副液室と、壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を設けて、それら各室に非圧縮性流体を封入すると共に、受圧室と平衡室を接続する第一のオリフィス通路と、受圧室と副液室を接続する第二のオリフィス通路を設けた構造の流体封入式防振装置が知られている。かかる流体封入式防振装置においては、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を異なる周波数域にチューニングすることにより、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路をそれぞれ流動せしめられる流体の共振作用に基づいて互いに異なる周波数の振動に対して有効な防振効果を得ることが出来るのである。
【0003】
ところで、このような流体封入式防振装置においては、第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路の長さを大きく設定可能としてチューニング自由度を十分に確保しつつ、受圧室や副液室,平衡室,第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路を、少ない部品点数と簡単な構造で形成することが要求される。
【0004】
しかしながら、従来構造の流体封入式防振装置にあっては、前記公報にも記載されているように、仕切部材や可動膜の配設および支持構造を含めて第一及び第二のオリフィス通路の構造が複雑で、部品点数も多く、そのために製造が面倒で製造コストも高くなるという問題があった。
【0005】
なお、このような問題に対処するために、本出願人は、先に、特開平11−264436号公報において、ゴム弾性板の外周面に円筒形状の固定金具を加硫接着せしめて、該固定金具によりゴム弾性板の外周縁部を仕切部材に対して固定的に支持せしめると共に、該固定金具を利用してオリフィス通路を形成するようにした構造の流体封入式防振装置を提案した。ところが、かかる先の出願のものにおいても、ゴム弾性板に加硫接着される固定金具の形状が複雑となって製造や組付けが難しくなったり、オリフィス通路を形成するに際して固定金具に組み付けられるオリフィス形成用の金具が複数必要となったりする不具合があり、未だ、改良の余地があった。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、第一及び第二のオリフィス通路のチューニング自由度を十分に確保しつつ、受圧室や副液室,平衡室,第一のオリフィス通路および第二のオリフィス通路を、少ない部品点数と簡単な構造で形成することの出来る、改良された構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0008】
本発明の第一の態様は、第一の取付部材を略円筒形状を有する第二の取付部材の軸方向一方の開口部側に離隔配置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、該第二の取付部材で支持せしめた仕切部材を該本体ゴム弾性体に対向配置して、該仕切部材の該本体ゴム弾性体に対する対向面側にゴム弾性板を変形可能に配設支持せしめ、該本体ゴム弾性体と該ゴム弾性板の対向面間に隔壁部材を配設して該第二の取付部材で支持せしめることにより、該隔壁部材を挟んだ一方の側に該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された受圧室を形成すると共に、該隔壁部材を挟んだ他方の側に該ゴム弾性板で壁部の一部が構成された副液室を形成する一方、前記仕切部材を挟んで該受圧室や該副液室と反対側に壁部の一部が可撓性ゴム膜で構成された平衡室を形成し、それら受圧室と副液室および平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、該受圧室を該平衡室に接続する第一のオリフィス通路と、該受圧室を該副液室に接続する第二のオリフィス通路を形成した流体封入式防振装置において、前記仕切部材の前記本体ゴム弾性体への対向面に支持突部を設ける一方、前記ゴム弾性板の外周面に円筒形状の固定スリーブを加硫接着して、該固定スリーブの軸方向一方の開口端部を該支持突部に外嵌固定することにより、該ゴム弾性板の外周縁部を該仕切部材によって支持せしめると共に、前記隔壁部材を略ハット形状として該仕切部材に向かって開口する周壁の開口周縁部に鍔状部を形成して、該隔壁部材の周壁を該仕切部材から突出せしめられた該固定スリーブの軸方向先端部分に外嵌固定せしめ、該固定スリーブの軸方向中間部分で該鍔状部を広がるように該鍔状部を該仕切部材から離隔位置せしめると共に、前記第二の取付部材の内周面にシールゴム層を被着形成し、該隔壁部材における該鍔状部の外周縁部を該シールゴム層を介して該第二の取付部材に当接させて、それら鍔状部と仕切部材の対向面間で該固定スリーブの外周側を周方向に延びるようにして前記第二のオリフィス通路を形成したことを、特徴とする。
【0009】
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、仕切部材に突設した支持突部に対して、ゴム弾性板に固着された固定スリーブを外嵌固定すると共に、該固定スリーブに対して隔壁部材を外嵌固定することによって一体的な組付体が構成されることとなる。そして、この組付体を第二の取付部材に組み付けることによって、本体ゴム弾性体とゴム弾性板の対向面間が隔壁部材で流体密に仕切られて、本体ゴム弾性体と隔壁部材の間に受圧室が形成されると共に、隔壁部材とゴム弾性板の間に副液室が形成されることとなり、更に、隔壁部材と仕切部材の対向面間には、ゴム弾性板の外周側を周方向に延びるようにして第二のオリフィス通路が形成されることとなる。
【0010】
従って、このような流体封入式防振装置においては、受圧室や副液室および第二のオリフィス通路などを、少ない部品点数によって効率的に形成することが出来るのであり、しかも、仕切部材に対してゴム弾性板を備えた固定スリーブや隔壁部材を予め固定的に組み付けて組付体とした後、かかる組付体を第二の取付部材に対して組み付けることが出来ることから、製造も容易となるのである。
【0011】
なお、本態様において、仕切部材は、支持突部が一体形成されていることが望ましく、好適には合成樹脂材やアルミニウム合金等の金属材などによって型成形されたものが採用される。また、固定スリーブとしては、金属製筒体が好適に採用され得、それによって、製造が容易で低コスト化が図られることに加えて、固定スリーブをゴム弾性板に対して接着で強固に固着することが出来ると共に、絞り加工やかしめ加工により仕切部材の支持突部に対して容易に且つ強固に外嵌固定することが可能となる。更にまた、隔壁部材は、合成樹脂材等で形成しても良いが、プレス金具で形成したものが望ましく、それによって、固定スリーブに対する外嵌固定部位におけるシール性や固定強度を一層有利に得ることが出来る。
【0012】
また、本発明の前記第一の態様に係る流体封入式防振装置においては、前記第二の取付部材の内周面に前記シールゴム層を被着形成して、該シールゴム層を介して該第二の取付部材を前記仕切部材の外周面に嵌着固定すると共に、前記隔壁部材における前記鍔状部の外周縁部を該シールゴム層を介して該第二の取付部材に当接させる態様が、好適に採用され得る。このような本態様においては、隔壁部材を、簡単な構造で高いシール性をもって、第二の取付部材に対して組み付けることが可能となる。特に本態様においては、ゴム弾性板に固着された固定スリーブの支持突部に対する外嵌固定と、該固定スリーブに対する隔壁部材の外嵌固定に加えて、該隔壁部材の外周縁部の第二の取付部材に対する当接固定までも、径方向での固定力で実現されることから、それら各部材間の固定部位における固定力とシール性を一層容易に且つ高度に得ることが可能となる。
【0013】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る流体封入式防振装置において、互いに嵌着固定された前記固定スリーブと前記隔壁部材の周壁を周上の適当な箇所で離隔させることにより、該固定スリーブの外周側に形成された前記第二のオリフィス通路を前記副液室に連通せしめる副液室側連通孔を形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、ゴム弾性板に対して切欠き等の異形部分を設けることなく、第二のオリフィス通路の副液室への連通路を有利に形成することが可能となる。
【0014】
また、本発明の第三の態様は、前記第二の態様に係る流体封入式防振装置において、前記隔壁部材の周壁を周上の適当な箇所で外周側に膨らませて径方向突部を形成し、該径方向突部を前記固定スリーブから離隔させることにより前記副液室側連通孔を形成すると共に、該径方向突部の周壁にエア抜孔を貫設し、且つ該隔壁部材の前記第二の取付部材への組み付けによって該エア抜孔が該第二の取付部材で覆蓋されるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、仕切部材に対するゴム弾性板を備えた固定スリーブや隔壁部材の組み付けを大気中で行なった後、かかる組付体を非圧縮性流体中に浸漬して非圧縮性流体中で第二の取付部材に組み付けるに際して、組付体に残存する残留エアを、エア抜孔を通じて容易に排出することが出来る。しかも、組付体の第二の取付部材への組付完了に際して、特別な作業を必要とすることなく、隔壁部材の第二の取付部材への組付けに伴って径方向突部のエア抜孔の開口部に第二の取付部材が重ね合わされて該エア抜孔が覆蓋されることから、エア抜孔によるオリフィス通路の短絡等が問題となることもなく、オリフィス通路を流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果も、安定して有効に発揮され得るのである。
【0015】
また、本発明の第四の態様は、前記第三の態様に係る流体封入式防振装置において、前記隔壁部材において軸直角方向で略対向位置する部分に前記径方向突部を一対形成すると共に、それら各径方向突部に前記エア抜孔を設けたことを、特徴とする。即ち、前記第三の態様においてエア抜孔を複数設けることは、一方のエア抜孔から噴流を吹き付けて他方のエア抜孔から残留エアを一層効率的に速やかに排出させる上に望ましく、より好適には、本態様の如く、一対のエア抜孔を隔壁部材の径方向で対向位置するように形成することが望ましく、それによって残留エアの排出効率の向上が図られ得る。
【0016】
また、本発明の第五の態様は、前記第二乃至第四の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、前記隔壁部材の前記鍔状部と前記仕切部材との対向面間に周方向の全周に亘って連続して延びる環状通路を設けて、該環状通路の径方向で対向位置する部分に、該鍔状部を貫通して該環状通路を前記受圧室に連通せしめる受圧室側連通孔と、前記仕切部材を貫通して該環状通路を前記平衡室に連通せしめる平衡室側連通孔を形成することにより、それら受圧室側連通孔と環状通路および平衡室側連通孔によって前記第一のオリフィス通路を形成する一方、該環状通路における該受圧室側連通孔と該平衡室側連通孔の対向方向に略直交する径方向で対向する位置において、それぞれ、互いに嵌着固定された前記固定スリーブと前記隔壁部材の周壁を離隔せしめ前記副液室側連通孔を一対形成することにより、該受圧室側連通孔から該環状通路を周方向両側に分流してかかる一対の副液室側連通孔を通じて前記副液室に至る形態をもって前記第二のオリフィス通路を形成したことを、特徴とする。
【0017】
このような本態様においては、固定スリーブの外周を延びる環状通路を利用してそれぞれ四半周の長さで並列的に形成された一対の流路部分により一つの第二のオリフィス通路が形成されるのであり、それ故、例えば隔壁部材の鍔状部と仕切部材の対向面間距離が小さい場合でも、第二のオリフィス通路の通路断面積を実質的に大きく設定することが可能となる。また、第一のオリフィス通路も、第二のオリフィス通路を一部に含んで利用するようにして、優れたスペース効率をもって、有効な通路長さと通路断面積を確保しつつ、有利に形成され得る。なお、例えば、平衡室側連通孔の平衡室側の開口には、仕切部材の外周面に開口する凹溝を第二の取付部材で覆蓋することで形成される流路が含まれていることが望ましく、それによって、かかる流路で第一のオリフィス通路の一部を構成することが可能となり、第一のオリフィス通路の長さの設定範囲が一層大きくなる。
【0018】
また、前記第一乃至第五の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、ゴム弾性板を挟んで副液室と反対側には、例えば平衡室を形成する他、外部空間に対して密閉された空気室を形成することも可能である。このような空気室を備えた流体封入式防振装置では、例えば、空気室に対して外部から空気圧を及ぼすための空気通路を形成して、かかる空気通路を通じて、空気室の圧力を、防振すべき振動の入力状態等に応じて能動的乃至は積極的に調節することにより、防振特性を制御することが可能となる。また、ゴム弾性板を挟んで副液室と反対側に平衡室を形成すれば、複雑な空気圧の制御装置等を必要としない簡単な構造をもって、第一のオリフィス通路による防振効果と第二のオリフィス通路による防振効果を、互いに異なる周波数域でそれぞれ容易に且つ有効に得ることの出来る流体封入式防振装置が有利に実現され得る。
【0019】
また、本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、前記本体ゴム弾性体の外周部分に前記第二の取付部材の軸方向一方の開口部分を加硫接着すると共に、前記可撓性ゴム膜の外周部分に支持筒部材の軸方向一方の開口部分を加硫接着せしめて、それら第二の取付部材と支持筒部材におけるそれぞれの軸方向他方の開口部分を前記仕切部材の軸方向両側から外嵌固定したことを、特徴とする。このような本態様においては、第二の取付部材を本体ゴム弾性体に対して直接に加硫接着することが出来るのであり、その結果、本体ゴム弾性体に第二の取付部材を固定するための特別な部材が不要となって、製造が容易となると共に、本体ゴム弾性体と第二の取付部材間での非圧縮性流体の漏れも極めて高度に防止され得る。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が離隔配置されていると共に、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された構造を有しており、第一の取付金具12が自動車のパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14が自動車のボデー側に取り付けられることによって、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
【0022】
より詳細には、第一の取付金具12は、略逆円錐台形状を有しており、その大径側端部には、軸方向上方に向かって突出するナット部18が一体形成されている。そして、ナット部18のねじ穴20に螺着される図示しないボルトにより、第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられるようになっている。
【0023】
一方、第二の取付金具14は、全体として大径の段付円筒形状を有しており、軸方向中間部分に形成された段差部22を挟んで軸方向上側が大径部24とされていると共に、軸方向下側が小径部26とされている。また、第二の取付金具14における小径部26側の開口端縁部には、径方向内方に向かって屈曲されて僅かに突出する係止突部28が、周方向に連続した円環形状で一体形成されている。なお、このような第二の取付金具14は、プレス加工によって有利に製造することが出来、それによって、係止突部28を容易に形成することが可能となる。即ち、ブランクを所定の軸方向長さを有する有底円筒形状に絞り加工した後、底部中央部分を打抜加工することによって、係止突部28を形成することが出来るのである。そして、第二の取付金具14は、図示しない筒状のブラケット金具に圧入固定されて、該ブラケット金具を介して、ボデー側に取り付けられるようになっている。
【0024】
また、このような第二の取付金具14の大径部24側に離隔して、第一の取付金具12が略同一中心軸上で対向配置されており、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。
【0025】
この本体ゴム弾性体16は、大径の略円錐台形状を有しており、大径側端面には、中央部分に開口する略すり鉢状の凹所30が形成されている。そして、本体ゴム弾性体16の小径側端部に対して第一の取付金具12が軸方向に差し込まれた状態で加硫接着されていると共に、本体ゴム弾性体16の大径側端部の外周面に対して第二の取付金具14の大径部24の内周面が加硫接着されており、第二の取付金具14の大径部24側の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。また、第二の取付金具14の小径部26の内周面には、全体に亘って、本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴム層32が被着されている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が、第一及び第二の取付金具12,14を備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0026】
また、第二の取付金具14の小径部26側の開口部には、仕切部材36が組み付けられている。この仕切部材36は、硬質の合成樹脂材や金属材等の硬質材によって形成されており、全体として円形ブロック形状を呈している。また、仕切部材36の外周面には、軸方向中間部分において、径方向外方に僅かに突出する位置決め突起38が、軸方向に略一定の幅寸法で周方向の全周に亘って連続して延びるように一体形成されており、この位置決め突起38を軸方向に挟んだ両側において、第一の周溝40と第二の周溝42が形成されている。これら第一及び第二の周溝40,42は、何れも、仕切部材36の外周面に開口して略一定の幅寸法で全周に亘って周方向に延びるように形成されている。
【0027】
更にまた、仕切部材36の軸方向上端面の中央には、上方に向かって開口する略すり鉢状の上側凹所46が形成されており、後述する作用空気室78の容積がこの上側凹所46で有利に確保されるようになっている。また、上側凹所46の開口周縁部は、上方に向かって突出せしめられており、以て、仕切部材36の上端面において、支持突部としての環状突部44が、上方に向かって突出する円環形状をもって形成されている。更に、この環状突部44には、その基端部において外周面に開口して略一定の幅寸法で全周に亘って延びる係合溝48が形成されている。また一方、仕切部材36の軸方向下端面には、中央部分に開口する下側凹所50が形成されており、後述する平衡室124の容積がこの下側凹所50で有利に確保されるようになっている。
【0028】
また、仕切部材36には、環状突部44よりも軸方向下方に位置する部分において、外周面に開口して周方向に所定長さで延びる外周凹溝58が形成されていると共に、この外周凹溝58の周方向一方の端部が、仕切部材36内を軸方向に延びる通孔60を通じて、仕切部材36の上端面において環状突部44の外周側に開口せしめられている。また一方、外周凹溝58の周方向他方の端部は、仕切部材36内を径方向に延びる通孔62を通じて、仕切部材36の下側凹所50に開口せしめられている。
【0029】
さらに、仕切部材36には、ゴム弾性板64と、隔壁部材としての隔壁金具66が組み付けられている。ゴム弾性板64は、所定厚さの略円板形状を有しており、その外周面には、固定スリーブとしての金属スリーブ68が加硫接着されている。この金属スリーブ68は、仕切部材36に突設された環状突部44よりも僅かに大径の薄肉円筒形状を有していると共に、その軸方向長さは、環状突部44の突出高さよりも大きくされている。また、金属スリーブ68の軸方向両側の開口端縁部は、それぞれ径方向内方に向かって僅かに屈曲されており、円環形状を有する上下の内方突起74,76が一体形成されている。更にまた、金属スリーブ68は、その軸方向上側部分の内周面がゴム弾性板64の外周面に加硫接着されていると共に、その軸方向下側部分には、ゴム弾性板64と一体形成された薄肉のシールゴム層72が、内周面の略全体に亘って被着されている。
【0030】
そして、図2に示されているように、金属スリーブ68の下側開口部分を仕切部材36の環状突部44に外挿せしめ、仕切部材36の上面に当接させて位置合わせした状態で、金属スリーブ68を八方絞り等で縮径加工することにより、金属スリーブ68の下側開口部分が環状突部44に外嵌固定されていると共に、下側の内方突起76が環状突部44の基端周縁部に形成された係合溝48に嵌着固定されている。なお、ゴム弾性板64は、その装着状態下、上下両面が拘束されることなく、他部材から離隔して位置せしめられており、板厚方向(上下方向)への弾性変形が許容されるようになっている。また、特に本実施形態では、ゴム弾性板64が、全体として皿を伏せた形状とされており、外周部分が僅かな傾斜の逆テーパ状とされて、中央の平坦な円板状の上底部が外周部分から上方に僅かに持ち上がった形状とされている。
【0031】
これによって、仕切部材36の上側凹所46の開口部がゴム弾性板64で流体密に覆蓋されており、そこにゴム弾性板64で壁部の一部が構成された密閉状の作用空気室78が形成されている。また、仕切部材36には、空気通路80が形成されており、この空気通路80の一方の開口端部が作用空気室78に開口連通せしめられている一方、空気通路80の他方の開口端部が、仕切部材36の外周面に突設されたポート部81に開口せしめられている。そして、マウント装着状態下では、このポート部81に外部の空気管路が接続されることにより、図示しない圧力制御手段から及ぼされる空気圧変動が、かかる空気管路から空気通路80を通じて作用空気室78に及ぼされるようになっている。なお、ポート部81は、仕切部材36の位置決め突起38の外周面に開口して形成された収容凹部83内に収容状態で形成されている。
【0032】
一方、隔壁金具66は、図3〜4に示されているように、全体として略ハット形状を有しており、中央に形成された浅底の逆カップ状部82の開口端縁部から径方向外方に広がるようにして鍔状部84が一体形成されている。逆カップ状部82は、円筒形状を有する周壁部85の内径寸法が、ゴム弾性板64に加硫接着された金属スリーブ68の外径寸法よりも僅かに大きくされている。また、鍔状部84は、円環板形状を有しており、その外径寸法が、仕切部材36の外径寸法と略同じとされている。
【0033】
また、隔壁金具66の周壁部85は、径方向一方向で対向位置する部分で、それぞれ、周方向に所定幅に亘って大径化されており、以て、周方向所定幅で径方向外方に向かって突出する一対の径方向突部86,88が一体形成されている。なお、これら径方向突部86,88は、鍔状部84の外周縁部にまで略達する径方向寸法をもって形成されている。更に、各径方向突部86,88には、周壁部85の一部が径方向に突出されることによって形成された径方向の突出先端部分90,92において、それぞれ、径方向に貫通するエア抜孔94が形成されている。即ち、隔壁金具66の周壁部85には、径方向一方向で対向位置する部分に一対のエア抜孔94,94が形成されているのである。更にまた、隔壁金具66の鍔状部84には,一対の径方向突部86,88を繋ぐ周方向一方の側の中間部分において、受圧室側連通孔としての切欠窓98が形成されている。
【0034】
そして、図5〜6に示されているように、隔壁金具66における逆カップ状部82の開口部分を、仕切部材36に組み付けた金属スリーブ68に対して、軸方向上方から圧入して外嵌固定する。このように隔壁金具66が金属スリーブ68に組み付けられることによって、仕切部材36と、金属スリーブ68を備えたゴム弾性板64、および隔壁金具66によって一体的な組付体96が形成されている。
【0035】
かかる組付体96においては、隔壁金具66の鍔状部84が金属スリーブ68の軸方向中間部分に位置決めされており、以て、金属スリーブ68の外周面上において、仕切部材36の上端面と鍔状部84の軸方向対向面間を周方向に連続して延びる環状溝104が形成されている。また、隔壁金具66は、仕切部材36に対して周方向で相対的に位置合わせされており、その鍔状部84に形成された切欠窓98が、仕切部材36に形成された通孔60に対して径方向で対向位置せしめられており、それによって、切欠窓98と通孔60が対向位置する径方向が、隔壁金具66の径方向突部86,88が対向位置する径方向に対して略直交せしめられている。
【0036】
また、隔壁金具66における逆カップ状部82の開口部がゴム弾性板64で流体密に覆蓋されており、それら逆カップ状部82とゴム弾性板64の対向面間に、後述する副液室112を形成するための空所106が形成されている。更に、隔壁金具66は、一対の径方向突部86,88において金属スリーブ68から離隔されており、それら径方向突部86,88と金属スリーブ68の離隔部間において、環状溝104を空所98に連通せしめる一対の副液室側連通孔100,100が形成されている。
【0037】
要するに、金属スリーブ68の外周面上に形成された環状溝104は、周上の一箇所で、切欠窓98を通じて隔壁金具66の上面に開口せしめられており、そこから周方向両側に分岐して周方向にそれぞれ略1/4周の長さで延びた位置で、それぞれ副液室側連通孔100,100を通じて空所106に連通せしめられている。更に、これら副液室連通孔100,100を超えて、切欠窓98から周方向両側にそれぞれ略半周の長さで延びた位置で合流し、通孔62を通じて外周凹溝58に接続されている。
【0038】
そして、このような構造とされた組付体96には、軸方向上方から本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品が組み付けられている。かかる組付けは、仕切部材36の軸方向上方から第二の取付金具14を外挿せしめ、第二の取付金具14の係止突部28を位置決め突起38の軸方向上面に当接させて位置合わせした状態で、第二の取付金具14を八方絞り等で縮径加工することにより、第二の取付金具14の小径部26の開口部分が仕切部材36の上端部分に対して外嵌固定すると共に、第二の取付金具14の小径部26に設けられた係止突部28を、位置決め突起38の上方に形成された第一の周溝40に嵌着固定せしめることによって、行なうことが出来る。
【0039】
これによって、第二の取付金具14における小径部26側の開口部内周面が、シールゴム層32を挟んで仕切部材36の外周面に当接されており、以て、かかる小径部26側の開口が仕切部材36で流体密に閉塞されている。また、第二の取付金具14の縮径加工により、隔壁金具66の鍔状部84の外周縁部が、第二の取付金具14の小径部26に対して、シールゴム層32を介して径方向で流体密に当接されている。これによって、組付体96に形成された環状溝104が小径部26で覆蓋されて、環状通路108が形成されている。更に、径方向突部86,88における径方向の突出先端部分90,92は、第二の取付金具14の小径部26に対して、シールゴム層32を介して径方向で流体密に当接されており、それによって、突出先端部分90,92に形成されたエア抜孔94,94が流体密に閉塞されている。
【0040】
また、第二の取付金具14に組付体96が組み付けられることにより、本体ゴム弾性体16とゴム弾性板64が離隔して対向位置せしめられていると共に、それら本体ゴム弾性体16とゴム弾性板64の対向面間を仕切るようにして隔壁金具66が配設されている。そして、隔壁金具66と本体ゴム弾性体16の対向面間には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が生ぜしめられる受圧室110が形成されている。また、隔壁金具66とゴム弾性板64の対向面間には、壁部の一部がゴム弾性板64で構成されて、作用空気室78の圧力制御によりゴム弾性板64のばね剛性を調節したり、ゴム弾性板64を加振変形させることによって圧力制御することの出来る副液室112が構成されている。
【0041】
さらに、仕切部材36の下方には、可撓性ゴム膜としてのダイヤフラム116が配設されている。このダイヤフラム116は、薄肉のゴム膜によって形成されており、全体として弛みをもった薄肉円板形状を有していると共に、その外周縁部には、支持筒部材としての筒金具118が加硫接着されている。筒金具118は、全体として大径の円筒形状を呈しており、筒金具118の軸方向上側の開口端縁部には、径方向内方に向かって屈曲されて僅かに突出する係止突部120が、周方向に連続した円環形状で一体形成されている。なお、このような筒金具118は、第二の取付金具14と同様に、プレス加工によって有利に製造することが出来る。そして、筒金具118における下側の開口端部内周面に対して、ダイヤフラム116の外周縁部が加硫接着されており、筒金具118の軸方向下側の開口部が流体密に閉塞されている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、ダイヤフラム116は、筒金具118を備えた一体加硫成形品として形成されている。また、筒金具118の内周面には、その全体に亘って、ダイヤフラム116と一体形成されたシールゴム層122が被着されている。
【0042】
そして、仕切部材36の軸方向下方から筒金具118を外挿せしめ、筒金具118の係止突部120を位置決め突起38の軸方向下面に当接させて位置合わせした状態で、筒金具118を八方絞り等で縮径加工することにより、筒金具118の上側開口部分が、仕切部材36の下端部分に対して、シールゴム層122を挟んで外嵌固定されていると共に、筒金具118に設けられた係止突部120が位置決め突起38の下方に形成された第二の周溝42に嵌着固定されている。これによって、仕切部材36の下側凹所50の開口部がダイヤフラム116で流体密に閉塞されている。なお、第二の取付金具14の縮径加工と筒金具118の縮径加工は、同時に行うことが可能である。
【0043】
而して、仕切部材36にダイヤフラム116が組み付けられて下側凹所50が流体密に覆蓋されることにより、仕切部材36とダイヤフラム116の間には、壁部の一部がダイヤフラム116で構成されて、該ダイヤフラム116の変形に基づいて容易に容積変化が許容され、圧力変化が速やかに解消され得る平衡室124が形成されている。また、仕切部材36に形成された外周凹溝58も、筒金具118によって流体密に覆蓋されており、以て周方向に所定長さで延びる外周通路130が形成されている。
【0044】
また、上述の如くして形成された受圧室110と副液室112および平衡室124には、それぞれ、非圧縮性流体が封入されている。なお、かかる封入流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が何れも採用可能であり、特に後述するオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るためには、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。更にまた、受圧室110は、平衡室124および副液室112に対して、それぞれ、環状通路108を利用して構成された第一のオリフィス通路126および第二のオリフィス通路128によって連通せしめられている。
【0045】
ここにおいて、第一のオリフィス通路126は、受圧室110に開口する切欠窓98から環状通路108を周方向に分岐してそれぞれ周方向に半周の長さで並列的に延び、通孔60を通じて外周通路130に至り、通孔62から平衡室124に達する流体流路によって構成されている。また、第二のオリフィス通路128は、受圧室110に開口する切欠窓98から環状通路108内で周方向に分岐してそれぞれ周方向に略四半周の長さで延び、副液室側連通孔100,100を通じて副液室112に至る流体流路によって構成されている。特に本実施形態では、第一のオリフィス通路126が、第二のオリフィス通路128よりも通路長さが大きくされて低周波数域にチューニングされている。
【0046】
また、受圧室110や副液室112,平衡室124に対する非圧縮性流体の充填と封入は、例えば組付体96に対する第二の取付金具14と金属スリーブ68の組付けを非圧縮性流体中で行なうことによって有利に為され得る。
【0047】
より具体的には、例えば、先ず図2に示されているように、仕切部材36に対して、ゴム弾性板64に加硫接着された金属スリーブ68を組み付けるた後、図5〜6に示されているように、別途形成した隔壁金具66を金属スリーブ68に外嵌固定することにより、組付体96を得る。そして、この組付体96における仕切部材36のポート部81にゴム栓132(図6参照)を差し入れて作用空気室78や空気通路80の開口を流体密に覆蓋せしめた後、かかる組付体96を非圧縮性流体中に浸漬する。続いて、非圧縮性流体中で組付体96を傾斜や回転等させて、下側凹所50や外周凹溝58,空所106,環状溝104等に空気が残留しないように非圧縮性流体を行き渡らせる。
【0048】
ここにおいて、組付体96において略密閉構造とされた空所106は、一対の径方向突部86,88で形成された副液室側連通孔100,100を通じて環状溝104に開口せしめられていることに加えて、一対の径方向突部86,88の突出先端部分90,92にエア抜孔94,94が貫設されており、これらのエア抜孔94,94を通じて、空所106が直接に外部に連通せしめられていることから、比較的容易に非圧縮性流体を空所106に充填することが出来る。特に、例えば、非圧縮性流体中でノズル等から非圧縮性流体を噴出させて、それを一方のエア抜孔94から空所106に吹き込むことにより、残留エアを他方のエア抜孔94から速やかに排出させることも可能となる。
【0049】
そして、組付体96のエア除去を完了した後、それぞれ別途加硫成形した本体ゴム弾性体16とダイヤフラム116の加硫成形品を非圧縮性流体中に浸漬し、本体ゴム弾性体16に加硫接着された第二の取付金具14と、ダイヤフラム116に加硫接着された筒金具118を、それぞれ、非圧縮性流体中で組付体96の軸方向両側から外挿し、絞り加工して仕切部材36に嵌着固定する。これによって、受圧室110や副液室112,平衡室124,第一及び第二のオリフィス通路126,128を形成すると同時に、それらに非圧縮性流体を充填して封入せしめることが出来るのであり、以て、目的とするエンジンマウント10が完成する。
【0050】
このような構造とされたエンジンマウント10においては、例えば、エンジンシェイク等の低周波数域の振動入力時には、受圧室110と平衡室124の間に受動的に生ぜしめられる相対的な圧力変動に基づいて、第一のオリフィス通路126を通じて流動せしめられる流体の共振作用により有効な防振効果が発揮される。一方、アイドリング振動等の高周波数域の振動入力時には、外部から作用空気室78にアイドリング振動に対応した周期の空気圧変動を及ぼしてゴム弾性板64を加振駆動することによって副液室112に生ぜしめた内圧変動を、第二のオリフィス通路128を通じて受圧室110に及ぼすことにより、受圧室110の圧力変動を能動的乃至は積極的に制御することが可能であり、それによって、能動的な防振効果が発揮され得ることとなる。
【0051】
ここにおいて、かかるエンジンマウント10にあっては、仕切部材36に対してゴム弾性板64を組み付けるための金属スリーブ68と、副液室112を形成するための隔壁金具66を巧く利用して、第一のオリフィス通路126と第二のオリフィス通路128を、少ない部品点数と簡単な構造をもって形成せしめ得たのである。
【0052】
すなわち、金属スリーブ68が仕切部材36の環状突部44に対して外嵌固定されて径方向で当接されていると共に、この金属スリーブ68に対して隔壁金具66が外嵌固定されて径方向で当接されており、更に、隔壁金具66の外周縁部が第二の取付金具14の小径部26に対して径方向に当接された状態で第二の取付金具14が仕切部材36に対して嵌着固定されている。このように、仕切部材36と金属スリーブ68,隔壁金具66,第二の取付金具14が、何れも径方向に当接されて固定されていることから、前述の如く、仕切部材36に対して金属スリーブ68,隔壁金具66,第二の取付金具14を、順次に組み付けることによって、最終的に全体として径方向に強固な組付力と、安定した部材間のシール性が効率的に発揮され得るのである。
【0053】
しかも、このように各部材を径方向に当接させて組み付けるようにしたことにより、各部材を軸方向に重ね合わせて組み付ける場合に比して、エンジンマウント10の全体の軸方向サイズを小さく抑えつつ、各部材間のシール性を有利に得ることが可能となる。
【0054】
加えて、本実施形態では、環状通路108を利用して形成された第二のオリフィス通路128が、受圧室110に開口する切欠窓98から周方向両側に分流して並列的に略四半周に亘って延びる構造とされていることから、第二のオリフィス通路128の通路断面積を全体として大きく確保することが可能となる。また、この環状通路108を一部に利用し、仕切部材36の外周面に形成された外周通路130と協働して、第一のオリフィス通路126が形成されていることから、第一のオリフィス通路126の長さを全体として大きく確保することが出来る。それ故、これら第一のオリフィス通路126や第二のオリフィス通路128のチューニング自由度が大きく確保され得るのである。
【0055】
また、本実施形態においては、仕切部材36の軸方向両側から第二の取付金具14と筒金具118が外嵌固定されており、それら第二の取付金具14と筒金具118の何れも外嵌されていない仕切部材36の軸方向中間部分(位置決め突起38)の外周面に形成された収容凹部83内にポート部81が収容されていることから、ポート部81に接続される外部管路を配設するために第二の取付金具14や筒金具118に対して特別に加工を施す必要がなく、シール性が損なわれるようなこともない。
【0056】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0057】
例えば、前記実施形態では、本体ゴム弾性体16に対して第二の取付金具14が加硫接着されていたが、第二の取付金具14に対して本体ゴム弾性体16を加硫接着せずに、第二の取付金具14を本体ゴム弾性体16と別部材とし、第二の取付金具14に対してダイヤフラム116を加硫接着することも可能であり、そのような場合には、例えば図7に示されているような態様が好適に採用される。
【0058】
すなわち、図7に示された態様においては、第二の取付金具14における小径筒部26が軸方向に長尺とされており、軸方向下端部分によって、前記実施形態における筒金具(118)が一体的に構成されている。そして、この第二の取付金具14は、本体ゴム弾性体16に加硫接着されておらず、本体ゴム弾性体16から別部材とされており、小径部26側の開口部に対してダイヤフラム116が加硫接着されている。一方、本体ゴム弾性体16の外周面には、円筒形状の嵌着筒金具140が加硫接着されており、この嵌着筒金具140に対して、第二の取付金具14の大径部24が外挿されて、絞り加工等で流体密に嵌着固定されることによって、前記実施形態と同様な構造とされたエンジンマウント142が形成されている。
【0059】
なお、かかるエンジンマウント142においては、第二の取付金具14の小径部26に対して、ポート部81に接続する外部管路を挿通するための挿通孔144が形成されている。また、隔壁金具66は、逆カップ状部82の周壁部85が、開口周縁部で折り返されて二重壁構造とされており、鍔状部84の位置が、逆カップ状部82の開口縁部よりも上底部側に位置せしめられていることによって、鍔状部84と仕切部材36の対向面間に形成される環状通路108、延いては第二のオリフィス通路128の断面積を大きく設定することが可能とされている。
【0060】
また、前記実施形態では、ゴム弾性板64の背後に形成された作用空気室78に対して、防振すべき振動の周波数に対応した空気圧変動を及ぼして副液室112の圧力を能動制御するようになっていたが、その他、例えば、作用空気室78における静的な空気圧値を、防振すべき振動の周波数に応じて変更設定することにより、ゴム弾性板64の壁ばね剛性を調節し、以て、第二のオリフィス通路128を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮される受動的な防振効果のチューニング周波数を変更するようにしても良い。
【0061】
或いはまた、図8に示されているように、作用空気室78を形成することなく、ゴム弾性板64の背後に平衡室124を形成することも可能である。なお、かかるエンジンマウント146においては、ゴム弾性板64を含んで構成された仕切部材36を挟んで、副液室112と反対側に平衡室124が形成されている。そして、副液室112の壁部を構成するゴム弾性板64と平衡室124の壁部を構成するダイヤフラム116のばね剛性の相違を利用して、第一のオリフィス通路126および第二のオリフィス通路128をそれぞれ流動せしめられる流体の共振作用に基づく受動的な防振効果によって、互いに異なる周波数域の振動に対して有効な防振効果を得ることが出来るのである。
【0062】
なお、図7及び図8においては、その理解を容易とするために、前記実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、それぞれ、図中に、前記実施形態と同一の符号を付しておく。
【0063】
また、第一及び第二のオリフィス通路126,128のチューニング周波数は、防振すべき振動に応じて適宜に設定,変更され得るものであり、何等、限定されるものでない。
【0064】
そして、第一及び第二のオリフィス通路126,128のチューニング周波数によって、オリフィス通路の構造は適宜に変更可能であり、例えば、環状通路108を周方向一周以下の長さとして、該環状通路108を利用して形成される第二のオリフィス通路128を、受圧室110に開口する切欠窓98から周方向に分流させることなく、周方向一方の側にだけ延び出させて、周方向に半周以上の長さで形成することも可能である。或いは、仕切部材36の軸方向上面における通孔60の開口位置を、隔壁金具66における切欠窓98に対して周方向に近接位置せしめて、実質的に環状通路108を利用することなく第一のオリフィス通路126を形成したり、また、外周凹溝58を形成しないで、第一のオリフィス通路126を、通孔60から直接に平衡室124に接続すること等も可能である。
【0065】
加えて、前記第一及び第二の実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、その他、本発明は、振動の低減が要求される各種振動部材における防振装置に対して、何れも、有効に適用され得る。
【0066】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、ゴム弾性板を仕切部材に組み付けるための固定スリーブと、受圧室と副液室を仕切るための隔壁部材とを、巧く利用して、第二のオリフィス通路を少ない部品点数と簡単な構造で形成せしめ得たのであり、特に、略ハット形状を有する特定構造の隔壁部材を採用したことにより、該隔壁部材を固定スリーブに外嵌固定するだけの簡単な組付構造をもって、隔壁部材とゴム弾性板の対向面間に位置する副液室と、固定スリーブの外周面上を周方向に延びる第二のオリフィス通路を有利に形成することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材とゴム弾性板の組付体を示す縦断面図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントを構成する隔壁部材を示す平面図である。
【図4】図3におけるIV−IV矢視図である。
【図5】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材とゴム弾性板および隔壁部材の組付体を示す平面図である。
【図6】図3におけるVI−VI断面図である。
【図7】本発明の別の具体的態様例を示す縦断面図である。
【図8】本発明の更に別の具体的態様例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
36 仕切部材
44 環状突部
64 ゴム弾性板
66 隔壁金具
68 金属スリーブ
78 作用空気室
82 逆カップ状部
84 鍔状部
85 周壁部
86,88 径方向突部
94 エア抜孔
96 組付体
108 環状通路
110 受圧室
112 副液室
116 ダイヤフラム
118 筒金具
124 平衡室
126 第一のオリフィス通路
128 第二のオリフィス通路[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a fluid-filled vibration isolator that obtains a vibration isolation effect based on a fluid action such as a resonance action of an incompressible fluid sealed inside, and particularly to a pressure receiving chamber to which vibration is input. And an auxiliary chamber connected to the pressure receiving chamber through a second orifice passage, and the first orifice passage and the second orifice. The present invention relates to a fluid-filled vibration isolator that obtains a vibration isolating effect against vibrations in different frequency ranges based on the fluid action of a fluid that can flow through a passage.
[0002]
[Background]
Conventionally, as a type of anti-vibration coupling body and anti-vibration support body interposed between members constituting a vibration transmission system, such as an automobile engine mount and a body mount, JP-A-4-357344 and As described in Kaihei 10-184775 and the like, a pressure receiving chamber in which a part of the wall is constituted by a main rubber elastic body that is elastically deformed upon vibration input, and a part of the wall is a rubber elastic plate. A secondary liquid chamber is formed, and equilibrium chambers in which a part of the wall portion is made of a flexible membrane are provided, incompressible fluid is sealed in each chamber, and the pressure receiving chamber and the equilibrium chamber are connected to each other. There is known a fluid-filled vibration isolator having a structure in which one orifice passage and a second orifice passage connecting a pressure receiving chamber and a sub liquid chamber are provided. In such a fluid-filled vibration isolator, the resonance of the fluid that can flow through the first orifice passage and the second orifice passage by tuning the first orifice passage and the second orifice passage to different frequency ranges, respectively. An effective anti-vibration effect can be obtained against vibrations having different frequencies based on the action.
[0003]
By the way, in such a fluid-filled type vibration isolator, the lengths of the first orifice passage and the second orifice passage can be set to be large, and a sufficient degree of freedom in tuning is ensured, while the pressure receiving chamber, the secondary liquid chamber, It is required to form the balance chamber, the first orifice passage, and the second orifice passage with a small number of parts and a simple structure.
[0004]
However, in the fluid-filled vibration isolator having the conventional structure, as described in the above publication, the first and second orifice passages including the partition member and the movable film are disposed and supported. There is a problem in that the structure is complicated and the number of parts is large, so that the manufacturing is troublesome and the manufacturing cost is high.
[0005]
In order to cope with such a problem, the applicant previously disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-264436 by vulcanizing and bonding a cylindrical fixture to the outer peripheral surface of the rubber elastic plate. A fluid-filled vibration isolator having a structure in which an outer peripheral edge portion of a rubber elastic plate is fixedly supported by a metal fitting with respect to a partition member and an orifice passage is formed by using the metal fitting is proposed. However, even in the prior application, the shape of the fixing bracket vulcanized and bonded to the rubber elastic plate is complicated, making it difficult to manufacture and assembling, or the orifice to be assembled to the fixing bracket when forming the orifice passage. There was a problem that a plurality of metal fittings were required, and there was still room for improvement.
[0006]
[Solution]
Here, the present invention has been made in the background as described above, and the problem to be solved is that the pressure receiving pressure is ensured while sufficiently securing the degree of freedom of tuning of the first and second orifice passages. Provided is a fluid-filled vibration isolator having an improved structure in which a chamber, a secondary liquid chamber, an equilibrium chamber, a first orifice passage, and a second orifice passage can be formed with a small number of parts and a simple structure. There is.
[0007]
[Solution]
Hereinafter, the aspect of this invention made | formed in order to solve such a subject is described. In addition, the component employ | adopted in each aspect as described below is employable by arbitrary combinations as much as possible. In addition, aspects or technical features of the present invention are not limited to those described below, but are described in the entire specification and drawings, or can be understood by those skilled in the art from those descriptions. It should be understood that it is recognized on the basis of.
[0008]
According to the first aspect of the present invention, the first mounting member and the second mounting member are separated from each other on the one opening side in the axial direction of the second mounting member having a substantially cylindrical shape. The member is connected by the main rubber elastic body, and the partition member supported by the second mounting member is disposed to face the main rubber elastic body, and the rubber is disposed on the surface of the partition member facing the main rubber elastic body. An elastic plate is disposed and supported in a deformable manner, and a partition wall member is disposed between the opposing surfaces of the main rubber elastic body and the rubber elastic plate and supported by the second mounting member, thereby sandwiching the partition wall member. On the other hand, a pressure receiving chamber in which a part of the wall portion is constituted by the main rubber elastic body is formed on one side, and a part of the wall portion is constituted by the rubber elastic plate on the other side across the partition member. The auxiliary liquid chamber is formed on the opposite side of the pressure receiving chamber and the auxiliary liquid chamber with the partition member interposed therebetween. A part of the part forms an equilibrium chamber composed of a flexible rubber film, and an incompressible fluid is sealed in the pressure receiving chamber, the auxiliary liquid chamber, and the equilibrium chamber, and the pressure receiving chamber is connected to the equilibrium chamber. In a fluid-filled vibration isolator having a first orifice passage and a second orifice passage connecting the pressure receiving chamber to the sub liquid chamber, a support protrusion is provided on a surface of the partition member facing the main rubber elastic body. A cylindrical fixing sleeve on the outer peripheral surface of the rubber elastic plate. Vulcanization adhesion Then, the outer peripheral edge of the rubber elastic plate is supported by the partition member by externally fitting and fixing one opening end of the fixing sleeve in the axial direction to the support protrusion, and the partition member is substantially hatted. As a shape, a bowl-shaped part is formed on the peripheral edge of the opening of the peripheral wall that opens toward the partition member. The , The peripheral wall of the partition member Protruded from the partition member Axial direction of the fixed sleeve At the tip External fitting fixation Caulking, so that the hook-shaped portion spreads at the axially intermediate portion of the fixing sleeve The hook-like portion is positioned away from the partition member. In addition, a seal rubber layer is formed on the inner peripheral surface of the second mounting member, and the outer peripheral edge portion of the flange-shaped portion of the partition wall member is brought into contact with the second mounting member via the seal rubber layer. Let me The second orifice passage is formed such that the outer peripheral side of the fixed sleeve extends in the circumferential direction between the flange-shaped portions and the opposing surfaces of the partition member.
[0009]
In the fluid-filled vibration isolator having the structure according to this aspect, the fixing sleeve fixed to the rubber elastic plate is fitted and fixed to the support protrusion protruding from the partition member, and the fixing is performed. By integrally fitting and fixing the partition wall member to the sleeve, an integrated assembly is formed. Then, by assembling this assembly to the second mounting member, the opposing surfaces of the main rubber elastic body and the rubber elastic plate are partitioned fluid-tightly by the partition member, and between the main rubber elastic body and the partition member. A pressure receiving chamber is formed, and a secondary liquid chamber is formed between the partition member and the rubber elastic plate. Further, the outer peripheral side of the rubber elastic plate extends in the circumferential direction between the opposing surfaces of the partition member and the partition member. Thus, the second orifice passage is formed.
[0010]
Therefore, in such a fluid filled type vibration damping device, the pressure receiving chamber, the secondary liquid chamber, the second orifice passage, and the like can be efficiently formed with a small number of parts, and further, with respect to the partition member. Since a fixed sleeve or a partition member having a rubber elastic plate is fixedly assembled in advance to form an assembled body, the assembled body can be assembled to the second mounting member. It becomes.
[0011]
In this aspect, it is desirable that the support member is integrally formed with the partition member, and preferably, the partition member is molded by a metal material such as a synthetic resin material or an aluminum alloy. Further, as the fixing sleeve, a metal cylindrical body can be suitably adopted, thereby facilitating manufacture and cost reduction, and in addition to firmly fixing the fixing sleeve to the rubber elastic plate by adhesion. In addition, it can be easily and firmly fitted and fixed to the support protrusions of the partition member by drawing or caulking. Furthermore, the partition member may be formed of a synthetic resin material or the like, but is preferably formed of a press fitting, thereby obtaining more advantageous sealing performance and fixing strength at an external fitting fixing portion with respect to the fixing sleeve. I can do it.
[0012]
In addition, the present invention Before In the fluid-filled vibration isolator according to the first aspect Is , On the inner peripheral surface of the second mounting member Said A seal rubber layer is formed and attached, and the second mounting member is fitted and fixed to the outer peripheral surface of the partition member via the seal rubber layer, and the outer peripheral edge portion of the flange-shaped portion of the partition member is the seal rubber. Abutting the second mounting member through a layer Can be suitably employed. In this embodiment, the partition member can be assembled to the second mounting member with a simple structure and high sealing performance. In particular, in this embodiment, in addition to the external fitting fixing to the support protrusion of the fixing sleeve fixed to the rubber elastic plate and the external fitting fixing of the partition wall member to the fixing sleeve, the second outer peripheral edge portion of the partition wall member Since the abutting and fixing to the mounting member is also realized by the fixing force in the radial direction, the fixing force and the sealing performance at the fixing portion between these members can be obtained more easily and highly.
[0013]
In addition, the first of the present invention two The aspect of the above One In the fluid filled type vibration damping device according to the aspect, the fixing sleeve and the peripheral wall of the partition wall member that are fitted and fixed to each other are separated from each other at an appropriate position on the periphery, thereby forming the fixing sleeve on the outer peripheral side of the fixing sleeve. A sub-liquid chamber side communication hole that allows the second orifice passage to communicate with the sub-liquid chamber is formed. In this embodiment, it is possible to advantageously form a communication path to the secondary liquid chamber of the second orifice passage without providing a deformed portion such as a notch to the rubber elastic plate.
[0014]
In addition, the first of the present invention three The aspect of the above two In the fluid-filled vibration isolator according to the above aspect, the peripheral wall of the partition member is expanded to the outer peripheral side at an appropriate position on the periphery to form a radial protrusion, and the radial protrusion is separated from the fixed sleeve. As a result, the secondary liquid chamber side communication hole is formed, an air vent hole is formed through the peripheral wall of the radial projection, and the air vent hole is formed by assembling the partition member to the second mounting member. It is characterized by being covered with two attachment members. In this embodiment, after the fixing sleeve having the rubber elastic plate and the partition wall member are assembled to the partition member in the atmosphere, the assembled body is immersed in the incompressible fluid to incompressible fluid. Among these, when assembling to the second mounting member, residual air remaining in the assembly can be easily discharged through the air vent hole. In addition, when the assembly of the assembly body to the second mounting member is completed, no special work is required, and the air vent hole of the radial protrusion is attached as the partition member is assembled to the second mounting member. Since the second mounting member is overlapped on the opening of the air gap and the air vent hole is covered, there is no problem of a short circuit of the orifice passage due to the air vent hole, so that the fluid flowing action of the orifice passage is effective. The anti-vibration effect based on it can also be exhibited stably and effectively.
[0015]
In addition, the first of the present invention Four The aspect of the above three In the fluid-filled vibration isolator according to the above aspect, a pair of the radial protrusions are formed at portions of the partition wall member that are substantially opposed to each other in the direction perpendicular to the axis, and the air vent holes are provided in the radial protrusions. This is a feature. That is, the first three In this aspect, it is desirable to provide a plurality of air vent holes in order to spray a jet flow from one air vent hole and to discharge residual air from the other air vent hole more efficiently and quickly, and more preferably, as in this aspect, It is desirable to form the pair of air vent holes so as to be opposed to each other in the radial direction of the partition wall member, thereby improving the discharge efficiency of the residual air.
[0016]
In addition, the first of the present invention Five The aspect of the above two Thru Four In the fluid-filled vibration isolator according to any one of the above aspects, an annular passage that continuously extends over the entire circumference in the circumferential direction is provided between the opposed surfaces of the rib-shaped portion of the partition wall member and the partition member. A pressure receiving chamber side communication hole that penetrates the flange-shaped portion and communicates the annular passage with the pressure receiving chamber at a portion opposed to the radial direction of the annular passage, and the annular passage through the partition member. By forming an equilibrium chamber side communication hole that communicates with the equilibrium chamber, the pressure receiving chamber side communication hole, the annular passage, and the equilibrium chamber side communication hole form the first orifice passage, while the pressure receiving pressure in the annular passage The auxiliary liquid chamber is configured such that the fixed sleeve and the peripheral wall of the partition wall member are spaced apart from each other at positions facing each other in the radial direction substantially perpendicular to the facing direction of the chamber side communication hole and the equilibrium chamber side communication hole. Forming a pair of side communication holes Thus, the second orifice passage is formed in such a form that the annular passage is branched from the pressure receiving chamber side communication hole to both sides in the circumferential direction and reaches the sub liquid chamber through the pair of sub liquid chamber side communication holes. Is a feature.
[0017]
In this embodiment, one second orifice passage is formed by a pair of flow passage portions formed in parallel with a length of a quarter circumference using an annular passage extending around the outer periphery of the fixed sleeve. Therefore, for example, even when the distance between the facing surfaces of the rib-like portion of the partition wall member and the partition member is small, the passage sectional area of the second orifice passage can be set to be substantially large. Also, the first orifice passage can be advantageously formed by using the second orifice passage as a part, and with an excellent space efficiency and ensuring an effective passage length and passage sectional area. . For example, the equilibrium chamber side opening of the equilibrium chamber side communication hole includes a flow path formed by covering the concave groove opening on the outer peripheral surface of the partition member with the second mounting member. This makes it possible to form a part of the first orifice passage with such a flow path, and the setting range of the length of the first orifice passage is further increased.
[0018]
Also, the first to the first Five In the fluid filled type vibration damping device according to any one of the above, on the opposite side of the secondary liquid chamber across the rubber elastic plate, for example, an equilibrium chamber is formed, and an air chamber sealed with respect to the external space is formed It is also possible to do. In a fluid-filled vibration isolator equipped with such an air chamber, for example, an air passage for applying air pressure to the air chamber from the outside is formed, and the pressure of the air chamber is reduced through the air passage. It is possible to control the anti-vibration characteristics by actively or positively adjusting according to the input state of vibration to be performed. In addition, if an equilibrium chamber is formed on the opposite side of the secondary liquid chamber with the rubber elastic plate in between, a simple structure that does not require a complicated air pressure control device, etc., and the vibration isolation effect by the first orifice passage and the second Thus, it is possible to advantageously realize a fluid filled type vibration isolator capable of easily and effectively obtaining the vibration isolation effect by the orifice passages in different frequency ranges.
[0019]
In addition, the first of the present invention Six The first to the second aspects Five In the fluid filled type vibration damping device according to any one of the above, the one opening portion in the axial direction of the second mounting member is vulcanized and bonded to the outer peripheral portion of the main rubber elastic body, and the flexible rubber film One opening portion of the supporting cylinder member in the axial direction is vulcanized and bonded to the outer peripheral portion of the first cylindrical member, and the other opening portion of each of the second mounting member and the supporting cylinder member is removed from both sides in the axial direction of the partition member. It is characterized by being fitted and fixed. In this embodiment, the second mounting member can be directly vulcanized and bonded to the main rubber elastic body. As a result, the second mounting member is fixed to the main rubber elastic body. This special member is not required and the manufacture is facilitated, and the leakage of the incompressible fluid between the main rubber elastic body and the second mounting member can be prevented to a very high degree.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, in order to clarify the present invention more specifically, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0021]
First, FIG. 1 shows an
[0022]
More specifically, the first mounting
[0023]
On the other hand, the second mounting
[0024]
Further, the first mounting
[0025]
The main rubber
[0026]
In addition, a
[0027]
Furthermore, a substantially mortar-shaped
[0028]
In addition, the
[0029]
Further, the
[0030]
Then, as shown in FIG. 2, in a state where the lower opening portion of the
[0031]
As a result, the opening of the
[0032]
On the other hand, as shown in FIGS. 3 to 4, the
[0033]
Further, the
[0034]
Then, as shown in FIGS. 5 to 6, the opening portion of the reverse cup-shaped
[0035]
In such an
[0036]
In addition, the opening of the reverse cup-shaped
[0037]
In short, the
[0038]
The
[0039]
As a result, the inner peripheral surface of the opening on the
[0040]
Further, by assembling the
[0041]
Further, a
[0042]
Then, the
[0043]
Thus, when the
[0044]
Further, incompressible fluid is sealed in each of the
[0045]
Here, the
[0046]
The
[0047]
More specifically, for example, as shown in FIG. 2, a
[0048]
Here, the void 106 having a substantially sealed structure in the
[0049]
After the air removal of the
[0050]
In the
[0051]
Here, in the
[0052]
That is, the
[0053]
In addition, since the members are assembled in contact with each other in the radial direction in this way, the overall axial size of the
[0054]
In addition, in the present embodiment, the
[0055]
In the present embodiment, the second mounting
[0056]
The embodiment of the present invention has been described in detail above, but this is merely an example, and the present invention is not construed as being limited by the specific description in the embodiment, and those skilled in the art will understand. It is possible to implement the invention in various modifications, corrections, improvements, etc. based on the knowledge of the above, and any such implementation is within the scope of the present invention without departing from the gist of the present invention. Needless to say, it is included.
[0057]
For example, in the embodiment, the second mounting
[0058]
That is, in the embodiment shown in FIG. 7, the small-diameter
[0059]
In the
[0060]
Further, in the above-described embodiment, the pressure of the
[0061]
Alternatively, as shown in FIG. 8, the
[0062]
In FIGS. 7 and 8, for ease of understanding, members and parts having the same structure as those of the above embodiment are denoted by the same reference numerals as those of the above embodiment. Keep it.
[0063]
Further, the tuning frequencies of the first and
[0064]
The structure of the orifice passage can be appropriately changed according to the tuning frequencies of the first and
[0065]
In addition, in the first and second embodiments, specific examples of the present invention applied to an engine mount for automobiles have been shown. In addition, the present invention is applicable to various vibration members that are required to reduce vibration. Any of them can be effectively applied to the vibration isolator.
[0066]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, in the fluid filled type vibration damping device structured according to the present invention, the fixed sleeve for assembling the rubber elastic plate to the partition member, and the partition wall for partitioning the pressure receiving chamber and the auxiliary liquid chamber The second orifice passage can be formed with a small number of parts and a simple structure by skillfully using the member, and in particular, by adopting a partition member having a specific structure having a substantially hat shape, A secondary liquid chamber located between the opposing surfaces of the partition wall member and the rubber elastic plate, and a second extending in the circumferential direction on the outer peripheral surface of the fixed sleeve, with a simple assembly structure in which the partition wall member is simply fitted and fixed to the fixed sleeve. It is possible to advantageously form the orifice passage.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing an automobile engine mount as an embodiment of the present invention.
2 is a longitudinal sectional view showing an assembly of a partition member and a rubber elastic plate constituting the engine mount shown in FIG. 1;
3 is a plan view showing a partition member constituting the engine mount shown in FIG. 1. FIG.
4 is a view taken along arrow IV-IV in FIG. 3;
5 is a plan view showing an assembly of a partition member, a rubber elastic plate, and a partition member constituting the engine mount shown in FIG. 1. FIG.
6 is a sectional view taken along line VI-VI in FIG.
FIG. 7 is a longitudinal sectional view showing another specific example of the present invention.
FIG. 8 is a longitudinal sectional view showing still another specific example of the present invention.
[Explanation of symbols]
10 Engine mount
12 First mounting bracket
14 Second mounting bracket
16 Body rubber elastic body
36 Partition members
44 Annular protrusion
64 Rubber elastic plate
66 Bulkhead bracket
68 Metal sleeve
78 Working air chamber
82 Reverse cup-shaped part
84 bowl
85 Perimeter wall
86,88 radial projection
94 Air vent
96 Assembly
108 Annular passage
110 Pressure receiving chamber
112 Secondary liquid chamber
116 Diaphragm
118 Tube fitting
124 Equilibrium room
126 first orifice passage
128 Second orifice passage
Claims (7)
前記仕切部材の前記本体ゴム弾性体への対向面に支持突部を設ける一方、前記ゴム弾性板の外周面に円筒形状の固定スリーブを加硫接着して、該固定スリーブの軸方向一方の開口端部を該支持突部に外嵌固定することにより、該ゴム弾性板の外周縁部を該仕切部材によって支持せしめると共に、前記隔壁部材を略ハット形状として該仕切部材に向かって開口する周壁の開口周縁部に鍔状部を形成して、該隔壁部材の周壁を該仕切部材から突出せしめられた該固定スリーブの軸方向先端部分に外嵌固定せしめ、該固定スリーブの軸方向中間部分で該鍔状部を広がるように該鍔状部を該仕切部材から離隔位置せしめると共に、前記第二の取付部材の内周面にシールゴム層を被着形成し、該隔壁部材における該鍔状部の外周縁部を該シールゴム層を介して該第二の取付部材に当接させて、それら鍔状部と仕切部材の対向面間で該固定スリーブの外周側を周方向に延びるようにして前記第二のオリフィス通路を形成したことを特徴とする流体封入式防振装置。The first mounting member is spaced apart from one opening in the axial direction of the second mounting member having a substantially cylindrical shape, and the first mounting member and the second mounting member are connected by the main rubber elastic body. In addition, the partition member supported by the second mounting member is disposed opposite to the main rubber elastic body, and the elastic rubber plate is disposed and supported so as to be deformable on the side of the partition member facing the main rubber elastic body. The partition rubber member is disposed between the opposing surfaces of the main rubber elastic body and the rubber elastic plate and supported by the second mounting member, so that the main rubber elastic member is sandwiched between the main rubber elastic member and the second elastic member. While forming a pressure receiving chamber in which a part of the wall part is configured by the body, and forming a sub liquid chamber in which a part of the wall part is configured by the rubber elastic plate on the other side across the partition member, A part of the wall part is a flexible rubber on the opposite side of the pressure receiving chamber and the auxiliary liquid chamber across the partition member A first orifice passage connecting the pressure receiving chamber to the equilibrium chamber, and the pressure receiving chamber. In a fluid-filled vibration isolator having a second orifice passage connecting the sub liquid chamber to the sub liquid chamber,
A supporting protrusion is provided on the surface of the partition member facing the main rubber elastic body, and a cylindrical fixing sleeve is vulcanized and bonded to the outer peripheral surface of the rubber elastic plate, so that one axial opening of the fixing sleeve is provided. The outer peripheral edge of the rubber elastic plate is supported by the partition member by externally fitting and fixing the end portion to the support projection, and the partition wall member has a substantially hat shape and is open to the partition member. the opening edge to form a flange portion, externally secured allowed the peripheral wall of the partition wall member in the axial tip portion of the fixing sleeve which is caused to protrude from the partition member, the axially intermediate portion of the fixed sleeve brought apart position the collar-like portion so as to expand the flange portion from the partition member Rutotomoni, the sealing rubber layer on the inner peripheral surface of the second mounting member is deposited and formed, the the collar-like portion of the partition wall member The outer peripheral edge of the sealing rubber layer It is brought into contact with the second mounting member and, to the formation of the second orifice passage so as to extend the outer periphery of the fixed sleeve in a circumferential direction between the opposing surfaces thereof flange portion and the partition member A fluid-filled vibration isolator characterized by the above.
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