JP3895997B2 - 開閉装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易に解錠できる開閉装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の開閉装置としては、例えば窓開口部の下端位置で施錠するものとして、特開平８−１０９７８０号公報に記載の開閉装置が知られている。
【０００３】
この開閉装置は、窓開口部を開閉するシャッタカーテン等の開閉体と、この開閉体の下端部に設けられたラッチ体等の移動規制体と、この移動規制体を受け止めて閉鎖状態の開閉体の上方への移動を規制するラッチ掛り等の受止側移動規制体とを備えている。
【０００４】
そして、受止側移動規制体が移動規制体を受け止める施錠状態から、受止側移動規制体が移動規制体を受け止めない解錠状態に切り換える際には、開閉体の下端部の座板に設けられた操作レバーを操作しなければならない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の特開平８−１０９７８０号公報に記載の開閉装置では、施錠状態から解錠状態に切り換える際に、例えば腰を大きくかがめて操作レバーを操作しなければならず、容易に解錠できないおそれがある。
【０００６】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、容易に解錠できる開閉装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の開閉装置は、下方への移動により閉鎖状態になって開口部を閉鎖し、上方への移動により開口状態になって前記開口部を開口させる開閉体と、この開閉体の下端部に左右方向の回動中心軸線を中心として上下方向に回動可能に設けられた移動規制体と、前記開閉体の下端部が当接する被当接部に設けられ、前記移動規制体を受け止めることにより閉鎖状態の前記開閉体の上方への移動を規制する受止側移動規制体と、この受止側移動規制体が前記移動規制体を受け止める施錠状態から前記受止側移動規制体が前記移動規制体を受け止めない解錠状態に切り換える際に操作する操作部を有するとともに前記移動規制体と直接当接する作用当接部を有する機械的な操作手段とを備え、前記操作手段の前記操作部は、閉鎖状態の前記開閉体の上下方向中間部の位置に配置されており、前記操作部を操作して前記操作手段を上方に移動させると、前記作用当接部が前記移動規制体に下方から直接当接することで、前記移動規制体が前記回動中心軸線を中心として上方に回動して解錠状態になるものである。
【０００８】
請求項２記載の開閉装置は、請求項１記載の開閉装置において、開閉体の移動を案内する案内体を備え、前記案内体は、上下方向に長孔状の案内孔部とこの案内孔部の上端に連通した引掛孔部とにて構成された第１レバー挿通用孔と、前記第１レバー挿通用孔の案内孔部に対応する長孔状の案内孔部にて構成された第２レバー挿通用孔とを有し、操作手段は、前記案内体に施錠位置および解錠位置に位置変更可能に設けられた操作レバー体であ り、前記操作レバー体は、上下方向に長手方向を有する縦杆部と、この縦杆部の下端部に設けられ、前記第２レバー挿通用孔に挿通され、作用当接部が形成された下横杆部と、前記縦杆部の上端部に設けられ、前記第１レバー挿通用孔に挿通され、操作部が形成された上横杆部とを有し、前記操作レバー体が施錠位置に位置した状態では、前記下横杆部が前記第２レバー挿通用孔の案内孔部の下端位置に位置し、かつ前記上横杆部が前記第１レバー挿通用孔の案内孔部の下端位置に位置し、前記操作レバー体が解錠位置に位置した状態では、前記下横杆部が前記第２レバー挿通用孔の案内孔部の上端位置に位置し、かつ前記上横杆部が前記第１レバー挿通用孔の引掛孔部内に位置するものである。
【０００９】
請求項３記載の開閉装置は、請求項１または２記載の開閉装置において、開口部は、この開口部の一方側部分が引違戸にて開閉され、前記開口部の他方側部分が開閉体にて開閉されるようになっており、操作手段の操作部は、閉鎖状態の前記開閉体の上下方向中間部における左右方向端部との近傍対向位置に配置されているものである。
【００１０】
請求項４記載の開閉装置は、請求項２記載の開閉装置において、操作レバー体の縦杆部が、案内体内にこの案内体に沿って配置されているものである。
【００１１】
請求項５記載の開閉装置は、請求項１ないし４のいずれか一記載の開閉装置において、移動規制体は、開閉体の軸受部分に回動可能に連結された支軸部分が前端部に形成された第１板部と、この第１板部の後端部から下方に向って突出する第２板部と、この第２板部の下端部から前方に向って突出する係止片部とを有し、受止側移動規制体は、被当接部から上方に向って立ち上がった立上り板部と、この立上り板部の上端から後方に向って突出し、施錠状態時に前記係止片部と係合する受止め板部とを有するものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の開閉装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【００１３】
図１および図２において、１は開閉装置で、この開閉装置１は、例えば建物の躯体２に設けられた矩形状の開口部である窓開口部３の周囲に固定された窓シャッタ装置である。
【００１４】
まず、図２に示す開閉装置１の後面図から明らかなように、窓開口部３の一方側部分である屋内側部分（後側部分）の上半部は、複数枚（例えば２枚）のガラス戸等の引違戸４，５と１枚の網戸６とにて開閉される。
【００１５】
各引違戸４，５および網戸６は、建物の躯体２に固定されたサッシ枠等の窓枠７の上部に左右方向に移動可能にそれぞれ取り付けられている。そして、屋内側の引違戸４は、窓枠７のレール部7aにて案内されながら左右方向に移動して窓開口部３の屋内側部分の上半部における後面視右側半部を開閉する。屋外側の引違戸５は、窓枠７のレール部7bにて案内されながら左右方向に移動して窓開口部３の屋内側部分の上半部における後面視左側半部を開閉する。網戸６は、窓枠７のレール部7cにて案内されながら左右方向に移動して窓開口部３の屋内側部分の上半部における後面視左右いずれか一方の半部を開閉する。
【００１６】
窓開口部３の屋内側部分の下半部は、窓枠７の下部に固定的に取り付けられた例えば１枚のガラス戸等の固定戸８にて常時閉鎖されている。
【００１７】
また、開閉装置１は、図１および図２に示すように、上下方向に長手方向を有する細長略筒状の左右一対の案内体であるガイドレール11を備え、これら両ガイドレール11は、窓開口部３を介して互いに離間対向した状態に配置されている。そして、両ガイドレール11の上端部相互にわたって左右方向に長手方向を有する細長状の図示しないまぐさが設けられ、両ガイドレール11の下端部相互にわたって左右方向に長手方向を有する細長状の被当接部である下枠12が設けられている。
【００１８】
ここで、両ガイドレール11は、左右対称形状のもので、図３に示されるように、上下方向に細長いガイド溝部14を有し、このガイド溝部14は、窓開口部３に向って開口した断面略コ字状に形成されている。すなわち、ガイド溝部14は、互いに離間対向した前後一対の略矩形状をなす対向板15a，15bと、両対向板15a，15bの窓開口部３側とは反対側の短手方向端部相互を一体に連結した連結板16とにて構成されて断面略コ字状をなしており、両対向板15a，15b 間には断面コ字状の部材17が嵌着されている。
【００１９】
また、ガイド溝部14の屋内側である後側の対向板15bにおける窓開口部３側の短手方向端部からは、上下方向に細長い矩形状の突出板部19が後方に向って対向板15bに対して直交状に突出しており、この突出板部19の先端側がねじ等の固定具20にて窓枠７に固定されている。
【００２０】
この突出板部19は、図４ないし図６に示されるように、この突出板部19の上下方向中間部、すなわち例えば上下方向略中央部には、第１レバー挿通用孔21が開口形成されている。この第１レバー挿通用孔21は、上下方向に長手方向を有する長孔状の案内孔部22と、この案内孔部22の上端後面に連通した略丸孔状の引掛孔部23とにて構成されている。また、この突出板部19の下端部には、第２レバー挿通用孔25が開口形成されている。この第２レバー挿通用孔25は、第１レバー挿通用孔21の案内孔部22に対応する長孔状の案内孔部26にて構成されている。
【００２１】
さらに、ガイド溝部14の後側の対向板15bにおける窓開口部３側とは反対側の短手方向端部からは、上下方向に細長い矩形状の突出板部28が後方に向って対向板15bに対して直交状に突出しており、この突出板部28の先端側には断面略く字状の連結板部29が一体に連結されている。そして、この連結板部29、対向板15bおよび左右の突出板部19，28とにて、上下方向に細長い四角柱状の空間部30が区画形成されている。
【００２２】
下枠12は、図４ないし図６に示されるように、左右方向に細長い略矩形板状の下枠本体部31を有し、この下枠本体部31の前端側上面が、緩やかに前下がりに傾斜した傾斜状の被当接面32になっている。
【００２３】
また、この下枠本体部31の前後方向中間部、すなわち例えば前後方向略中央部における上面からは、フック等の受止側移動規制体であるラッチ掛り33が突出している。すなわち、下枠本体部31の前後方向略中央部における上面には、固定式の第１係合体である突出状のラッチ掛り33が略全長にわたって一体に設けられている。
【００２４】
このラッチ掛り33は、例えば左右方向に長手方向を有する細長状で断面略逆Ｌ字状をなすもので、下枠本体部31上面から上方に向って垂直状に立ち上がった立上り板部34と、この立上り板部34の上端から後方に向って水平状に突出した受止め板部35とにて構成されている。この受止め板部35の後端部である自由端部は、下方に向って略円弧状に折り曲げられている。
【００２５】
なお、図１、図３および図４から明らかなように、ラッチ掛り33の左右方向の長さ寸法は、下枠本体部31の左右方向の長さ寸法より短い値になっており、このラッチ掛り33は、左右一対のガイドレール11の下端部間の位置に配置されている。このラッチ掛り33の左右方向端部と、対応するガイドレール11の突出板部19の第２レバー挿通用孔25とは、間隙36を介して互いに離間対向している。
【００２６】
さらに、開閉装置１は、図１および図２に示すように、移動方向イ一方（下方）への移動により閉鎖状態になって窓開口部３を閉鎖し、移動方向イ他方（上方）への移動により開口状態になって窓開口部３を開口させる開閉体であるシャッタカーテン41を備えている。すなわち、窓開口部３の他方側部分である屋外側部分（前側部分）の全部が、例えば可撓性を有する矩形面状で１枚板状のシャッタカーテン41にて開閉されるようになっている。
【００２７】
このシャッタカーテン41は、このシャッタカーテン41の移動方向イである上下方向に沿った両側端部である左右方向両端部がガイド溝部14内に挿入された状態で、両ガイドレール11にて案内されながら上下方向に移動つまり昇降して窓開口部３の屋外側部分全部を開閉する。すなわち、シャッタカーテン41は、収容体であるシャッタボックス42内の巻体である巻軸43から巻き戻されながら窓開口部３に沿って下降して略平面状の閉鎖状態になって窓開口部３を全面的に閉じたり、巻軸43に巻き取られながら窓開口部３に沿って上昇して略円柱状の開口状態になって窓開口部３を全面的に開いたりする。
【００２８】
ここで、シャッタカーテン41は、図５および図６に示されるように、例えば左右方向に長手方向を有する細長板状の金属製の複数枚のスラット45が互いに回動自在に連結されて構成された本体部46を有している。
【００２９】
この本体部46の基端部である上端部が巻軸43に取り付けられ、この本体部46の先端部である下端部には、窓開口部３の閉鎖時に下枠12の下枠本体部31の被当接面32に当接する当接部である座板部47が設けられている。
【００３０】
この座板部47は、左右方向に長手方向を有する略矩形板状をなすもので、この座板部47の下端部後面からは、取付部48が後斜め上方に向って突出しており、この取付部48の上端部には略Ｃ字状をなす軸受部分49が形成されている。
【００３１】
そして、このシャッタカーテン41の取付部48には、施錠バー等の移動規制体であるラッチ体53が、左右方向の回動中心軸線αを中心として上下方向に回動可能に取り付けられている。
【００３２】
すなわち、シャッタカーテン41の移動方向イ一方側の端部である下端部には、この下端部におけるガイド溝部14内に挿入されない部分の略全体にわたって位置するように可動式の第２係合体であるラッチ体53が回動可能に設けられ、このラッチ体53は、下枠12から突出したラッチ掛り33に対して係脱可能になっている。
【００３３】
このラッチ体53は、例えば左右方向に細長い略矩形板状の第１板部54を有し、この第１板部54の前端部には円柱状の支軸部分55が形成され、この支軸部分55がシャッタカーテン41の取付部48の軸受部分49に回動可能に連結されている。また、第１板部54の後端部からは、左右方向に細長い矩形板状の第２板部56が下方に向って突出しており、この第２板部56の下端からは突出片部である係止片部57が前方に向って突出している。
【００３４】
なお、図３および図４から明らかなように、ラッチ体53の左右方向の長さ寸法は、ラッチ掛り33の左右方向の長さ寸法より長い値になっている。また、このラッチ体53は、窓開口部３の閉鎖時に左右一対のガイドレール11の下端部間の位置に配置され、このラッチ体53の左右方向端部が対応するガイドレール11の突出板部19の第２レバー挿通用孔25の近接位置に位置する。なお、ラッチ掛り33およびラッチ体53にて施錠手段60が構成されている。
【００３５】
また、開閉装置１は、図１および図２に示すように、ラッチ掛り33がラッチ体53を受け止める施錠状態からラッチ掛り33がラッチ体53を受け止めない解錠状態に切り換える際に操作する左右一対の機械的な操作手段である操作レバー体61を備えている。すなわち、シャッタカーテン41の移動を移動方向イに案内するガイドレール11には、ラッチ体53を上方に回動させる解錠バー等の解錠用の操作レバー体61が、施錠位置および解錠位置に位置変更可能つまり切換え可能に設けられている。
【００３６】
両操作レバー体61は、同一形状のもので、図４に示されるように、上下方向に長手方向を有する断面円形の細長棒状の縦杆部62を有し、この縦杆部62全体がガイドレール11の空間部30内にこのガイドレール11の長手方向に沿って配置され、突出板部19の対向板15b寄りの部分に沿って位置する。
【００３７】
そして、この縦杆部62の下端部からは、左右方向に長手方向を有する断面円形の細長棒状の下横杆部63が窓開口部３側の側方に向って水平状に突出し、第２レバー挿通用孔25に挿通されている。
【００３８】
この下横杆部63の基端部を除く部分にて作用当接部64が形成され、この作用当接部64がガイドレール11の空間部30外の間隙36内に配置され、この作用当接部64とラッチ掛り33の左右方向端部とが互いに近接して離間対向している。また、下横杆部63の基端側外周面には一対の環状部材65が取り付けられることにより移動規制部66が一体的に設けられ、この移動規制部66にて下横杆部の左右方向の移動が規制されている。
【００３９】
なお、図３から明らかなように、窓開口部３の閉鎖時であるシャッタカーテン41の閉鎖状態時には、操作レバー体61の作用当接部64とラッチ体53の第１板部54とが平面視で互いに重なり合った状態になる。
【００４０】
また、縦杆部62の上端部からは、左右方向にやや細長い断面円形の棒状の上横杆部68が窓開口部３側の側方に向って水平状に突出し、第１レバー挿通用孔21に挿通されている。この上横杆部68の先端部が、突出板部19から窓開口部３側にやや突出した状態でガイドレール11の空間部30外に配置され、この上横杆部68の先端部外周面には中央に孔の開いた略円板状の操作部形成部材69が嵌合により取り付けられ、この操作部形成部材69および上横杆部68の先端部にて操作摘みである操作部70が形成されている。
【００４１】
そして、左右両側の操作レバー体61の操作部70は、窓開口部３の閉鎖時に閉鎖状態になったシャッタカーテン41の移動方向イ中間部における移動方向イに沿った両端部の位置つまりその端部に対応する位置にそれぞれ配置されている。すなわち、各操作部70は、垂直面に沿った略平面状の閉鎖状態のシャッタカーテン41の上下方向略中央部における左右方向端部との近傍対向位置、つまりシャッタカーテン41の上下方向略中央部の対応する側端部と近接状に対向した位置に配置されている。
【００４２】
また、各操作レバー体61は、その略全体がガイドレール11に沿ってこのガイドレール11内に配置されている。すなわち、操作レバー体61における操作部70および作用当接部64を除く部分全体が、対応するガイドレール11の空間部30内に配置されてこのガイドレール11にて覆われている。
【００４３】
なお、各操作レバー体61の操作部70は、図５に示すように、施錠位置に位置した状態時において、シャッタカーテン41の下端部の位置を基準とする高さＨが約５００ｍｍ〜１５００ｍｍとなるように設定されている。
【００４４】
次に、上記一実施の形態の作用等について説明する。
【００４５】
窓開口部３の屋外側部分を閉じる場合、左右両側の操作レバー体61を施錠位置に位置させた状態、すなわち、操作レバー体61の下横杆部63を第２レバー挿通用孔25の案内孔部26の下端位置に位置させかつ操作レバー体61の上横杆部68を第１レバー挿通用孔21の案内孔部22の下端位置に位置させた状態で、シャッタカーテン41を下方に向けて移動させる。
【００４６】
このシャッタカーテン41の下方への移動時には、ラッチ体53がラッチ掛り33との当接により回動中心軸線αを中心として上下方向に回動し、ラッチ体53の係止片部57がラッチ掛り33の受止め板部35の下方に進入し、その結果、開閉装置１が図５に示す施錠状態になる。
【００４７】
すなわち、シャッタカーテン41の座板部47が下枠12の下枠本体部31の被当接面32に当接する直前の段階で、ラッチ体53の係止片部57が、回動によりラッチ掛り33の受止め板部35を乗り越えて、この受止め板部35の下方に回り込み、こうして、開閉装置１がシャッタカーテン41の下降に伴って自動的に施錠され、シャッタカーテン41が閉鎖状態にロックされる。
【００４８】
そして、この施錠状態時に、閉鎖状態のシャッタカーテン41に対して上向きの力が加えられた場合、このシャッタカーテン41は、係止片部57と受止め板部35との離間距離だけわずかに上方に移動した時点で、ラッチ体53がラッチ掛り33の受止め板部35によって受け止められることにより、上方への移動が規制され、窓開口部３を閉鎖する閉鎖状態が維持される。つまり、ラッチ体53とラッチ掛り33とが引掛り係合し、このラッチ体53の係止片部57がラッチ掛り33の受止め板部35にて係止されることで、閉鎖状態のシャッタカーテン41の上方への移動が規制され、窓開口部３の閉鎖が維持される。
【００４９】
一方、窓開口部３の屋外側部分を開く場合、窓開口部３の屋内側部分の上半部が左右両側の引違戸４，５で閉じられていれば、引違戸４，５のいすれか一方を少し移動させて窓開口部３の屋内側部分の上半部一部分を開いた後に、対応する左右いずれか一方の操作レバー体61の操作部70を摘んで、この操作レバー体61を上方に持ち上げるように操作し、施錠位置から解錠位置に位置変更させる。
【００５０】
すなわち、操作レバー体61の下横杆部63を第２レバー挿通用孔25の案内孔部26に沿って上昇させてこの案内孔部26の上端位置に位置させかつ操作レバー体61の上横杆部68を第１レバー挿通用孔21の案内孔部22に沿って上昇させた後に後方に移動させて引掛孔部23内に位置させることにより、この操作レバー体61を引掛孔部23に引っ掛ける。
【００５１】
そして、この操作レバー体61の移動の際に、操作レバー体61の作用当接部64がラッチ体53の第１板部54に下方から当接することで、ラッチ体53が回動中心軸線αを中心として上方に回動し、ラッチ体53の係止片部57がラッチ掛り33の受止め板部35の下方から後退し、その結果、開閉装置１が図６に示す解錠状態になる。
【００５２】
この解錠状態で、閉鎖状態のシャッタカーテン41に対して上向きの力を加えれば、シャッタカーテン41が上方に移動し、窓開口部３が開口する。
【００５３】
そして、上記一実施の形態によれば、閉鎖状態のシャッタカーテン41の上下方向略中央部の左右方向両端部と近接状に対向して位置する左右一対の操作部70のいずれか一方を持上げ操作するだけで、ラッチ掛り33がラッチ体53を受け止める施錠状態からラッチ掛り33がラッチ体53を受け止めない解錠状態に切り換えることができるので、腰をかがめることなく、また引違戸４，５を多く動かすことなく、容易に解錠できる。
【００５４】
また、シャッタカーテン41の下方への移動時つまり下降時に、このシャッタカーテン41の下降に伴ってラッチ体53がラッチ掛り33と当接して上下方向に回動して施錠状態になるので、施錠のための操作を省くことができ、施錠の際にも腰をかがめる必要がない。
【００５５】
さらに、各操作レバー体61は、その略全体がガイドレール11に沿ってこのガイドレール11内に配置されているので、その略全体をガイドレール11で保護でき、耐久性を良好にできる。
【００５６】
また、ラッチ掛り33およびラッチ体53にて構成した施錠手段60を用いて、窓開口部３の下端位置つまりシャッタカーテン41の下端部位置で施錠するので、中間施錠の場合に比べて、閉鎖状態のシャッタカーテン41のがたつきを防止でき、かつシャッタカーテン41の閉鎖状態を適切に維持できる。
【００５７】
さらに、シャッタカーテン41の上下方向略中央部に施錠手段60を設ける構成、すなわち例えば施錠専用スラットを通常のスラット間に連結する構成ではないので、意匠的な不具合が生じることがなく、シャッタカーテン41の本体部46の構成を簡単にできる。
【００５８】
なお、上記実施の形態では、窓開口部３の屋内側部分の上半部を引違戸４，５および網戸６で開閉しその下半部を固定戸８で閉鎖する下部固定式の変則サッシの場合について説明したが、例えば図７に示すように、窓開口部３の屋内側部分の全部を引違戸４，５で開閉する通常のサッシの場合でも、同様の作用効果を奏し得る。
【００５９】
また、開閉装置１は、複数、例えば左右一対で２本の操作レバー体61を備えたものには限定されず、図７に示すように、左右いずれか１本の操作レバー体61のみを備えるものでもよい。
【００６０】
さらに、操作レバー体61の操作部70は、図７に示すように、操作部形成部材69を用いずに上横杆部68の先端部のみにて形成したものでもよい。
【００６１】
また、操作部70は、閉鎖状態のシャッタカーテン41の上下方向略中央部位置における例えば左右方向両端部位置に配置したもの以外に、例えば上横杆部68の先端部を延長して左右方向略中央部位置に配置したものでもよい。
【００６２】
さらに、操作部70は、閉鎖状態のシャッタカーテン41の上下方向略中央部位置には限定されず、閉鎖状態のシャッタカーテン41の上下方向中間部位置であればいずれの位置でもよい。
【００６３】
また一方、開閉装置１は、窓開口部３の周囲に固定された窓シャッタ装置には限定されず、例えば、その他の開口部の周囲に固定されたその他のシャッタ装置、雨戸、引戸等のドア装置、ブラインド装置、スライディングウォール装置、スクリーン装置等、或いは、これら装置のうちの同種または異種を複数並設したものでもよい。
【００６４】
また、シャッタカーテン41等の開閉体は、上下方向に移動可能つまり昇降可能なものには限定されず、例えば左右方向に移動可能なもの、床面等に沿って水平方向に移動可能なもの、床面等に対して傾斜した傾斜方向に移動可能なもの、或いは、これらの複合した方向に移動可能な構成としてもよい。
【００６５】
さらに、開閉体は、複数のスラット45等を用いる構成には限定されず、パネル、パイプ、シート、ネット等を用いる構成や、これらを適宜組み合わせた構成、１枚のシート部材や１枚の板状部材にて形成した構成等でもよい。
【００６６】
また、開閉体は、電動式や、手動式のものでもよく、開閉機のブレーキの解除により自重下降して閉鎖するものでもよい。また、開閉体の収納方式は、巻体の回転による巻取式であると説明したが、例えば、折り畳み式、送り込み式、分離重合式等の任意のものとしてもよい。
【００６７】
さらに、開閉体の移動方向一方側の端部が当接する被当接部は、下枠12には限定されず、例えば床面、或いはガイドレール11等の案内体に突設された突出部であってもよい。
【００６８】
また、ラッチ掛り33等の受止側移動規制体は、下枠12の略全長にわたって設けられたものには限定されず、例えば下枠12の長手方向端部近傍に設けられたもの等でもよく、要するにラッチ体53等の移動規制体を受け止めうるものであれば、いかなる構成であってもよい。
【００６９】
さらに、操作レバー体61等の操作手段は、その略全体がガイドレール11内に配置されたものには限定されず、例えばガイドレール11外に露出した状態で配置されたもの等でもよい。なお、操作手段のガイドレール11外の露出部分は、カバー体にて覆い隠すようにしてもよい。
【００７０】
また、前記実施の形態は、移動規制体を操作手段により操作することで解錠するものであったが、例えば、受止側移動規制体が可動する構成で、その受止側移動規制体を操作することで解錠するものでもよく、移動規制体と受止側移動規制体の両方が可動する構成で、その何れか一方又は両方を操作することで解錠するもの等でもよい。
【００７１】
【発明の効果】
本発明によれば、閉鎖状態の開閉体の上下方向中間部の位置に配置された操作部を操作することにより、受止側移動規制体が移動規制体を受け止める施錠状態から受止側移動規制体が移動規制体を受け止めない解錠状態に切り換えることができるので、容易に解錠できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の開閉装置の一実施の形態を示す前面図である。
【図２】 同上開閉装置の後面図である。
【図３】 同上開閉装置の横断面図である。
【図４】 図３におけるＡ−Ａ断面図である。
【図５】 施錠状態にある同上開閉装置の縦断面図である。
【図６】 解錠状態にある同上開閉装置の縦断面図である。
【図７】 本発明の開閉装置の他の実施の形態を示す前面図である。
【符号の説明】
１ 開閉装置
３ 開口部である窓開口部
４，５ 引違戸
11 案内体であるガイドレール
12 被当接部である下枠
21 第１レバー挿通用孔
22 案内孔部
23 引掛孔部
25 第２レバー挿通用孔
26 案内孔部
33 受止側移動規制体であるラッチ掛り
34 立上り板部
35 受止め板部
41 開閉体であるシャッタカーテン
49 軸受部分
53 移動規制体であるラッチ体
54 第１板部
55 支軸部分
56 第２板部
57 係止片部
61 操作手段である操作レバー体
62 縦杆部
63 下横杆部
64 作用当接部
68 上横杆部
70 操作部

Claims (5)

1. 下方への移動により閉鎖状態になって開口部を閉鎖し、上方への移動により開口状態になって前記開口部を開口させる開閉体と、
   この開閉体の下端部に左右方向の回動中心軸線を中心として上下方向に回動可能に設けられた移動規制体と、
   前記開閉体の下端部が当接する被当接部に設けられ、前記移動規制体を受け止めることにより閉鎖状態の前記開閉体の上方への移動を規制する受止側移動規制体と、
   この受止側移動規制体が前記移動規制体を受け止める施錠状態から前記受止側移動規制体が前記移動規制体を受け止めない解錠状態に切り換える際に操作する操作部を有するとともに前記移動規制体と直接当接する作用当接部を有する機械的な操作手段とを備え、
   前記操作手段の前記操作部は、閉鎖状態の前記開閉体の上下方向中間部の位置に配置されており、
   前記操作部を操作して前記操作手段を上方に移動させると、前記作用当接部が前記移動規制体に下方から直接当接することで、前記移動規制体が前記回動中心軸線を中心として上方に回動して解錠状態になる
   ことを特徴とする開閉装置。
2. 開閉体の移動を案内する案内体を備え、
   前記案内体は、
   上下方向に長孔状の案内孔部とこの案内孔部の上端に連通した引掛孔部とにて構成された第１レバー挿通用孔と、
   前記第１レバー挿通用孔の案内孔部に対応する長孔状の案内孔部にて構成された第２レバー挿通用孔とを有し、
   操作手段は、前記案内体に施錠位置および解錠位置に位置変更可能に設けられた操作レバー体であり、
   前記操作レバー体は、
   上下方向に長手方向を有する縦杆部と、
   この縦杆部の下端部に設けられ、前記第２レバー挿通用孔に挿通され、作用当接部が形成された下横杆部と、
   前記縦杆部の上端部に設けられ、前記第１レバー挿通用孔に挿通され、操作部が形成された上横杆部とを有し、
   前記操作レバー体が施錠位置に位置した状態では、前記下横杆部が前記第２レバー挿通用孔の案内孔部の下端位置に位置し、かつ前記上横杆部が前記第１レバー挿通用孔の案内孔部の下端位置に位置し、
   前記操作レバー体が解錠位置に位置した状態では、前記下横杆部が前記第２レバー挿通用孔の案内孔部の上端位置に位置し、かつ前記上横杆部が前記第１レバー挿通用孔の引掛孔部内に位置する
   ことを特徴とする請求項１記載の開閉装置。
3. 開口部は、この開口部の一方側部分が引違戸にて開閉され、前記開口部の他方側部分が開閉体にて開閉されるようになっており、
   操作手段の操作部は、閉鎖状態の前記開閉体の上下方向中間部における左右方向端部との近傍対向位置に配置されている
   ことを特徴とする請求項１または２記載の開閉装置。
4. 操作レバー体の縦杆部が、案内体内にこの案内体に沿って配置されている
   ことを特徴とする請求項２記載の開閉装置。
5. 移動規制体は、
   開閉体の軸受部分に回動可能に連結された支軸部分が前端部に形成された第１板部と、
   この第１板部の後端部から下方に向って突出する第２板部と、
   この第２板部の下端部から前方に向って突出する係止片部とを有し、
   受止側移動規制体は、
   被当接部から上方に向って立ち上がった立上り板部と、
   この立上り板部の上端から後方に向って突出し、施錠状態時に前記係止片部と係合する受止め板部とを有する
   ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか一記載の開閉装置。

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