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JP3879803B2 - 半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器 Download PDF

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    • H01L2224/73201Location after the connecting process on the same surface
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    • H01L2224/73204Bump and layer connectors the bump connector being embedded into the layer connector

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  • Wire Bonding (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板、半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器に関する。
【0002】
【発明の背景】
電子機器の小型化に伴い、複数の半導体チップを高密度に組み込んだマルチチップモジュールの開発が進められている。マルチチップモジュールによれば、既存の複数の半導体チップを使用することができるので、新規の集積回路を設計するよりもコストの引き下げが可能になる。
【0003】
例えば、特開平10−242379号公報に開示される半導体モジュールでは、複数の半導体チップが搭載されたテープ状の基板が折り畳まれて多層化されている。テープ状の基板の一方の端部には外部端子が設けられ、その長手方向に沿って他方の端部に至るまで複数の半導体チップが搭載されている。したがって、テープ状の基板の一方の端部に設けられた外部端子と、他方の端部に搭載される半導体チップとの距離が長くなる。その結果、電気信号の伝達距離が長くなり、信号の遅延が生じる。
【0004】
本発明は、この問題点を解決するものであり、その目的は、外部端子と半導体チップとの距離を短くすることができる配線基板、半導体装置及びその製造製造、回路基板並びに電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る配線基板は、複数の外部端子を設けるための第1構造を有する第1領域と、半導体チップを搭載するための第2構造を有する複数の第2領域と、を含んで屈曲可能な基板と、
前記第1領域及び第2領域に形成された配線パターンと、
を含み、
それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に対して異なる方向に位置する。
【0006】
本発明によれば、半導体チップが搭載される第2領域が、外部端子が設けられる第1領域に対して異なる方向に位置する。したがって、従来のように同一方向に複数の半導体チップが並べられる配線基板と比べて、第1領域と各第2領域との距離が短くなる。その結果、外部端子と半導体チップとの距離を短くすることができ、信号伝達特性の劣化を最小限に抑えることができる。また、この配線基板は、屈曲可能な基板を含むので、複数の第2領域に搭載された複数の半導体チップを積み重ねることができる。
【0007】
(2)この配線基板において、
それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に接続されて形成されていてもよい。
【0008】
(3)この配線基板において、
前記第1構造は、前記配線パターンの一部からなる、前記外部端子を設ける部分を含んでもよい。
【0009】
(4)この配線基板において、
前記第1構造は、前記第1領域に形成された貫通穴をさらに含み、
前記配線パターンの一部は前記貫通穴上を通ってもよい。
【0010】
これによれば、貫通穴を通って配線パターン上に外部端子を設けることができる。この場合、外部端子は、基板における配線パターンが形成された面とは反対側の面から突出する。
【0011】
(5)この配線基板において、
前記第2構造は、前記配線パターンの一部からなる、前記半導体チップを接続する部分を含んでもよい。
【0012】
(6)この配線基板において、
前記第1領域は、半導体チップを搭載するための第3構造をさらに有してもよい。
【0013】
すなわち、第1領域は、外部端子が設けられるとともに、半導体チップを搭載できるようになっていてもよい。
【0014】
(7)この配線基板において、
前記第3構造は、前記配線パターンの一部からなる、前記半導体チップを接続する部分を含んでもよい。
【0015】
(8)この配線基板において、
前記第1領域の前記第1構造は、一方の面側に前記外部端子を突出させて設ける構造であり、
前記第1領域の前記第3構造は、他方の面に前記半導体チップを搭載する構造であってもよい。
【0016】
すなわち、第1領域の一方の面に外部端子が突出し、他方の面に半導体チップが搭載されてもよい。
【0017】
(9)この配線基板において、
前記第1領域と前記第2領域との境界を含む部分に、少なくとも一つの穴を有してもよい。
10)本発明に係る半導体装置は、複数の半導体チップと、
複数の外部端子と、
第1領域と複数の第2領域とを含み、前記第1領域と第2領域との境界を含む部分で屈曲した基板と、
前記第1領域及び第2領域に形成された配線パターンと、
を含み、
前記外部端子は、前記第1領域に設けられ、
前記半導体チップは、前記第1領域及び第2領域のうち、少なくとも前記第2領域に搭載され、前記基板が屈曲することで積み重ねられ、
前記基板を平面的に展開したときに、それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に対して異なる方向に位置する。
【0018】
本発明によれば、基板を展開したときに、半導体チップが搭載される第2領域が、外部端子が設けられる第1領域に対して異なる方向に位置する。したがって、従来のように同一方向に複数の半導体チップが並べられる配線基板と比べて、第1領域と各第2領域との距離が短くなる。その結果、外部端子と半導体チップとの距離を短くすることができ、信号伝達特性の劣化を最小限に抑えることができる。
【0019】
また、この半導体装置では、基板が屈曲して複数の半導体チップを積み重ねられるので、半導体装置の平面方向のサイズを小さくすることができる。
【0020】
11)この半導体装置において、
それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に接続されて形成されていてもよい。
【0021】
12)この半導体装置において、
前記第1領域には、複数の貫通穴が形成され、
前記配線パターンの一部は、前記貫通穴上を通り、
前記外部端子は、前記貫通穴を通って前記配線パターン上に設けられ、前記基板における前記配線パターンが形成された面とは反対側の面から突出してもよい。
【0022】
13)この半導体装置において、
前記半導体チップは、前記第1領域及び第2領域に搭載されてもよい。
【0023】
すなわち、第1領域は、外部端子が設けられるとともに、半導体チップを搭載できるようになっていてもよい。
【0024】
14)この半導体装置において、
前記第1領域の一方の面側に、前記外部端子が突出して設けられ、
前記第1領域の他方の面に、少なくとも一つの前記半導体チップが搭載されてもよい。
【0025】
すなわち、第1領域の一方の面に外部端子が突出し、他方の面に半導体チップが搭載されてもよい。
【0026】
15)この半導体装置において、
前記半導体チップは、接着剤に導電粒子が分散されてなる異方性導電材料を介して前記配線パターンに電気的に接続されてもよい。
【0027】
これによれば、異方性導電材料を使用して、半導体チップと配線パターンとを電気的に導通させるので、信頼性及び生産性に優れている。
【0028】
(16)この半導体装置において、
前記基板は、前記第1領域と前記第2領域との境界を含む部分に少なくとも一つの穴を有してもよい。
(17)この半導体装置において、
前記複数の半導体チップは、前記第1の領域または前記第2の領域と対向している第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面を有し、
前記複数の半導体チップは、接着剤を介して前記第2の面同士が対向して接着されている半導体チップを含んでもよい。
(18)この半導体装置において、前記接着剤は、導電性の接着剤であってもよい。
(19)この半導体装置において、前記接着剤は、熱伝導性の接着剤であってもよい。
20)本発明に係る回路基板には、上記半導体装置が実装されている。
【0029】
21)本発明に係る電子機器は、上記半導体装置を備える。
【0030】
22)本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1領域と複数の第2領域とを含んで屈曲可能な基板と、前記第1領域及び第2領域に形成された配線パターンと、を含み、それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に対して異なる方向に位置する配線基板を用意する工程と、
複数の外部端子を前記第1領域に設ける工程と、
前記第1領域及び第2領域のうち、少なくとも前記第2領域に、複数の半導体チップを搭載する工程と、
前記基板を屈曲させて、前記半導体チップを積み重ねる工程と、
を含む。
【0031】
本発明によれば、半導体チップが搭載される第2領域が、外部端子が設けられる第1領域に対して異なる方向に位置する配線基板を使用する。したがって、従来のように同一方向に複数の半導体チップが並べられる配線基板と比べて、第1領域と各第2領域との距離が短くなる。その結果、外部端子と半導体チップとの距離を短くすることができ、信号伝達特性の劣化を最小限に抑えることができる。
【0032】
また、この製造方法では、基板を屈曲させて複数の半導体チップを積み重ねるので、半導体装置の平面方向のサイズを小さくすることができる。
【0033】
23)この半導体装置の製造方法において、
前記第1領域には、複数の貫通穴が形成され、
前記配線パターンの一部は、前記貫通穴上を通り、
前記外部端子を、前記貫通穴を通って前記配線パターン上に設け、前記基板における前記配線パターンが形成された面とは反対側の面から突出させてもよい。
【0034】
24)この半導体装置の製造方法において、
前記半導体チップを、前記第1領域及び第2領域に搭載してもよい。
【0035】
25)この製造方法において、
前記外部端子を、前記第1領域の一方の面から突出させて設け、
少なくとも一つの前記半導体チップを、前記第1領域の他方の面に搭載してもよい。
【0036】
すなわち、第1領域の一方の面に外部端子を突出させ、他方の面に半導体チップを搭載してもよい。
【0037】
26)この半導体装置の製造方法において、
前記半導体チップを、接着剤に導電粒子が分散されてなる異方性導電材料を介して前記配線パターンに電気的に接続してもよい。
【0038】
これによれば、異方性導電材料を使用して、半導体チップと配線パターンとを電気的に導通させるので、信頼性及び生産性に優れた半導体装置を製造することができる。
【0039】
27)この半導体装置の製造方法において、
前記配線基板は、上述したものであってもよい。
(28)この半導体装置の製造方法において、
前記複数の半導体チップは、前記第1の領域または前記第2の領域と対向している第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面を有し、
前記複数の半導体チップのうち、少なくとも一組の半導体チップの第2の面同士を接着剤を介して接着する工程を更に含んでもよい。
(29)この半導体装置の製造方法において、
前記接着剤は、導電性の接着剤であってもよい。
(30)この半導体装置の製造方法において、
前記接着剤は、熱伝導性の接着剤であってもよい。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0041】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置を示す図である。半導体装置は、基板10と、複数の半導体チップ20と、複数の外部端子30と、を含み、マルチチップモジュールということができる。また、基板10が屈曲して半導体チップ20が積み重ねられている。半導体装置は、その平面形状が半導体チップ20の外形に近ければ、CSP(Chip Scale/Size Package)に分類することができる。図2は、図1に示す半導体装置の基板を平面的に展開した図である。
【0042】
基板10に配線パターン12を形成して、配線基板1を構成することができる。なお、図2には配線パターン12を省略してある。配線パターン12は、基板10の一方の面に形成される。基板10の一方の面の配線パターン12の他に、他方の面にも配線パターンを形成してもよい。配線パターン12は、スパッタリング等により基板10に銅などの導電性の膜を被着し、これをエッチングして形成することができる。この場合には、基板10に配線パターン12が直接形成され、接着剤が介在しない2層基板となる。あるいは、基板10と配線パターン12との間に接着剤が介在する3層基板を使用してもよい。あるいは、基板に絶縁樹脂と配線パターンを積層して構成されるビルドアップ多層構造の基板や、複数の基板が積層された多層基板を使用してもよい。
【0043】
基板10は、材質において特に限定されないが、屈曲できる、あるいは折り畳むことができるものである。有機系の材料から形成された基板10として、例えばポリイミド樹脂からなるフレキシブル基板が挙げられる。
【0044】
基板10は、1つの第1領域14及び複数の第2領域16とを含む。図2に示すように基板10が平面的に展開されたときに、複数の第2領域16は、第1領域14に対して異なる方向に位置する。具体的には、第1領域14に対して、2方向に第2領域16が位置している。この構成が採用されているので、従来のように同一方向に複数の半導体チップが並べられる配線基板と比べて、第1領域14と各第2領域16との距離が短くなる。その結果、第1領域14に設けられる外部端子30と、第2領域16に搭載される半導体チップ20との距離を短くすることができ、信号伝達特性の劣化を最小限に抑えることができる。
【0045】
例えば、図2に示す例では、第1領域14に対して所定の方向(例えば図において上方向)に一つの第2領域16が位置し、その方向とは180°逆の方向(例えば図において下方向)に他の第2領域16が位置している。第2領域16は、第1領域14に接続されていることが好ましい。基板10の第1領域14及び第2領域16に、配線パターン12が形成されている。
【0046】
第1領域14は、複数の外部端子30を設けるための第1構造を有する。第1構造は、配線パターン12の一部からなる、外部端子30を設けるための部分を含む。さらに、第1構造は、基板10の第1領域14に形成された貫通穴18を含む。配線パターン12の一部は、貫通穴18上を通る。外部端子30は、貫通穴18を通して配線パターン12上に設けられており、基板10の第1領域14における配線パターン12が形成された面とは反対側に突出する。複数の貫通穴18をマトリクス状に配列し、複数の外部端子30をマトリクス状に配列することが好ましい。
【0047】
第2領域16は、半導体チップ20を搭載するための第2構造を有する。第2構造は、配線パターン12の一部からなる、半導体チップ20を接続するための部分を含む。半導体チップ20は、基板10の第2領域16における配線パターン12が形成された面上に搭載されている。半導体チップ20と配線パターン12との電気的な接続には、フェースアップボンディング又はフェースダウンボンディングのいずれを適用してもよい。
【0048】
基板10の第1領域14は、半導体チップ20を搭載するための第3構造も有する。すなわち、第1領域14には、外部端子30が設けられるとともに、半導体チップ20も搭載される。例えば、基板10の第1領域14の一方の面から外部端子30が突出し、他方の面に半導体チップ20が搭載される。第1領域14に搭載される半導体チップ20と、第2領域16に搭載される半導体チップ20とは、基板10における同じ面に位置することが好ましい。
【0049】
外部端子30を設けるため又は半導体チップ20との接続のために、配線パターン12に複数のランド部を形成してもよい。すなわち、第1〜3構造は、ランド部を含んでもよい。ランド部は、配線のための部分よりも広い面積で形成される。なお、半導体チップ20との接続のためのランド部にはバンプを形成してもよい。
【0050】
複数の半導体チップ20は、第1領域14及び第2領域16のうち、少なくとも第2領域16に搭載される。半導体チップ20は、例えば、フラッシュメモリ、SRAM、DRAM、メモリ、ASIC又はMPUなどである。複数の半導体チップ20の組み合わせとして、例えば、フラッシュメモリとSRAM、SRAM同士、DRAM同士、メモリとASIC、あるいはMPUとメモリなどがある。半導体チップ20は、アルミニウムなどで形成された複数の電極22を有する。フェースダウンボンディングが適用されるときには、電極22にバンプ24が設けられることが好ましい。バンプ24は、メッキや、ワイヤーで形成された金であることが多いが、ニッケル、ハンダなどを材料としてもよい。複数の半導体チップ20は、大きさ及び形状が異なるものであっても、同じ大きさ及び形状のものであってもよい。
【0051】
フェースダウンボンディングの一例として、図1では、異方性導電材料32が使用されている。半導体チップ20と配線パターン12とは、異方性導電材料32を介して電気的に接続されている。半導体チップ20は、電極22が形成された面を配線パターン12に向けてフェースダウンボンディングされる。フェースダウンボンディングは、ハンダあるいは金属接合によるフェースダウン実装、絶縁樹脂の硬化収縮力による圧接接合によるフェースダウン実装などの方法でもよい。
【0052】
異方性導電材料32は、接着剤(バインダ)に導電粒子(導電フィラー)が分散されたもので、分散剤が添加される場合もある。異方性導電材料32は、予めシート状に形成されてから基板10に貼り付けてもよく、あるいは液状のまま基板10に設けてもよい。なお、異方性導電材料32の接着剤として、熱硬化性の接着剤が使用されることが多い。異方性導電材料32は、少なくとも配線パターン12における半導体チップ20とのボンディング部上に設けられる。あるいは、基板10の全体を覆うように異方性導電材料32を設ければ、簡単にその工程を行うことができる。異方性導電材料32は、バンプ24と配線パターン12との間で押しつぶされて、導電粒子によって両者間での電気的導通を図るようになっている。また、ワイヤーボンディングされた半導体チップにモールドを施す実装形態を適用してもよく、シングルポイントボンディングやギャングボンディング(TAB又はフェースダウンボンディング)による実装形態を適用してもよい。
【0053】
本実施の形態では、半導体チップ20が積み重ねられている。すなわち、図1に示すように、基板10が屈曲又は折り畳まれて、複数の半導体チップ20が重なった状態になっている。詳しくは、外部端子30が突出する面とは反対側の面を谷として基板10を屈曲あるいは折り曲げて、基板10のいずれか1つの第2領域16を、第1領域14の上方に位置させる。屈曲あるいは折り曲げる位置は、第1領域14と第2領域16との境界を含む部分である。第1領域14と第2領域16との境界は明確に存在する必要はなく、第1領域14における半導体チップ20が搭載された部分と、第2領域16における半導体チップ20が搭載された部分との間で、基板10を屈曲させればよい。
【0054】
第1領域14に搭載された半導体チップ20と、第2領域16に搭載された半導体チップ20とは、電極22の形成面とは反対側面同士が対向し、図1に示すように、接着剤26を介して接着される。接着剤26の接着力によって、基板10の屈曲が維持される。また、半導体チップ20の面は、平坦になっているので接着がしやすい。接着剤26が、導電性の接着剤であれば、接着される半導体チップ20の接着面の電位を同じにすることができる。接着剤26が、熱伝導性の接着剤であれば、半導体チップ20間で熱の伝達が可能になる。例えば、半導体チップ20のうち一方の発熱量が大きく他方の発熱量が小さい場合には、一方から他方へと熱を伝えることで冷却が可能になる。接着剤26は、粘着剤でもよい。シート状もしくは液状の接着剤26を、基板10が平面的な状態のときに、半導体チップ20の裏面に貼り付け、その後両方の半導体チップ20の裏面同士を貼り付けてもよい。もしくは、半導体チップ20の裏面同士を位置合わせした状態で液状の接着剤26を充填してもよい。あるいは、係合部及び被係合部を形成したり、ピンなどの固定手段を使用することで、基板10の屈曲を維持してもよい。
【0055】
さらに、他の第2領域16と第1領域14との境界を含む部分で、基板10を屈曲又は折り曲げる。一方の第2領域16における半導体チップ20の搭載面とは反対側の面と、他方の第2領域16に搭載された半導体チップ20における電極22の形成面とは反対側の面とは、対向して接着剤26を介して接着される。こうして、複数の半導体チップ20は、積み重なった状態になっている。
【0056】
図1には、折り目を付けずに基板10が屈曲した状態が示されているが、基板10は折り曲げてもよい。基板10には、屈曲する領域に、少なくとも一つ又は複数の穴が形成されてもよい。これによって、基板10の弾力が小さくなって曲げやすくなるとともに、屈曲した状態を維持しやすくなる。なお、穴を避けて、配線パターン12を形成することが好ましいが、穴上に配線パターン12が形成されてもよい。穴には、変成ポリイミド、変成ウレタン等の軟らかい樹脂を充填してもよい。
【0057】
本実施の形態は、上記のように構成されており、以下その製造方法の一例を説明する。まず、図2に示す配線基板1を用意する。配線基板1は、第1領域14及び複数の第2領域16を含む基板10と、基板10に形成された配線パターン12(図1参照)と、を含む。基板10は、屈曲可能なものであるが、平面的に展開された状態で用意する。
【0058】
次に、第1領域14及び複数の第2領域16のうち、少なくとも複数の第2領域16に半導体チップ20を搭載する。フェースダウンボンディングの例として、半導体チップ20と配線パターン12との電気的な接続に異方性導電材料32を使用するときには、基板10における配線パターン12が形成された面に、異方性導電材料32を設ける。詳しくは、配線パターン12における少なくともボンディング領域に、異方性導電材料32を設ける。そして、複数の電極22を有する複数の半導体チップ20を用意する。バンプ24を位置合わせして、半導体チップ20を基板10上に載せる。続いて、半導体チップ20と基板10との少なくともいずれか一方を押圧して、異方性導電材料32の導電粒子を介して、配線パターン12とバンプ24とを電気的に接続する。
【0059】
フェースダウンボンディングの別の例として、光、熱、圧力及び振動のうちの少なくとも1つによって、バンプ24と配線パターン12とを接合してもよい。この場合、金属同士で接合される方が信頼性が高い。その場合は、半導体チップ20と基板10との間に、アンダーフィル樹脂が充填されることが多い。あるいは、ワイヤなどを使用してフェースアップボンディングを適用してもよい。
【0060】
また、基板10の第1領域14に複数の外部端子30を設ける。例えば、第1領域14における配線パターン12の形成された面とは反対側から、貫通穴18を介して、ランド部16に外部端子30を形成する。
【0061】
外部端子30は、基板10における外部端子30が突出する側の面で貫通穴18上にフラックスと共にハンダボールを搭載して、リフローを通して形成することが多い。外部端子30と配線パターン12との電気的な接続は、貫通穴18の内面にメッキされた金や銅などの導電部材によって図ってもよい。あるいは、ハンダボールを外部端子30とする場合には、ハンダボールの材料となるハンダを貫通穴18に充填して、ハンダボールと一体化した導電部材を貫通穴18内に形成してもよい。あるいは、外部端子30が突出する側の面に、配線パターン12とビアホールやスルーホールで接続された外部電極用のランドを形成し、その上に外部端子を形成してもよい。また、外部端子30は、上述のハンダ以外の金属や導電性樹脂などから形成してもよい。
【0062】
続いて、基板10を屈曲、折り曲げ又は折り畳んで、図1に示すように、複数の半導体チップ20を積み重ねる。必要であれば、半導体チップ20を、他の半導体チップ20又は基板10に接着する。
【0063】
以上の工程により、半導体装置が得られる。本実施の形態によれば、半導体チップ20が搭載される第2領域16が、外部端子30が設けられる第1領域14に対して異なる方向に位置する配線基板1を使用する。したがって、従来のように同一方向に複数の半導体チップが並べられる配線基板と比べて、第1領域14と各第2領域16との距離が短くなる。その結果、外部端子30と半導体チップ20との距離を短くすることができ、信号伝達特性の劣化を最小限に抑えることができる。また、この製造方法では、基板10を屈曲させて複数の半導体チップ20を積み重ねるので、半導体装置の平面方向のサイズを小さくすることができる。
【0064】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る半導体装置の展開図である。本実施の形態では、基板40が1つの第1領域44及び3つの第2領域46を有する。3つの第2領域46は、第1領域44に対して3方向に位置する。そのため、基板40はT字状をなしている。これ以外の構成は、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態でも、第1領域44と第2領域46との境界を含む領域で基板40を屈曲、折り曲げ又は折り畳んで、複数の半導体チップ20を積み重ねることができる。
【0065】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明を適用した第3の実施の形態に係る半導体装置の展開図である。本実施の形態では、基板50が1つの第1領域54及び4つの第2領域56を有する。4つの第2領域56は、第1領域54に対して4方向に位置する。そのため、基板50は十字状をなしている。これ以外の構成は、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態でも、第1領域54と第2領域56との境界を含む領域で基板50を屈曲、折り曲げ又は折り畳んで、複数の半導体チップ20を積み重ねることができる。
【0066】
以上述べてきた全ての実施の形態において、第2領域よりも、第1領域からさらに離れた第3領域に半導体チップを搭載し、屈曲又は折り畳んでもよい。この際、第1及び第2領域には、高速応答の必要な回路を内蔵した半導体チップ同士を搭載することが好ましい。
【0067】
図5には、本発明を適用した半導体装置110を実装した回路基板100が示されている。回路基板には例えばガラスエポキシ基板等の有機系基板を用いることが一般的である。回路基板には例えば銅からなる配線パターンが所望の回路となるように形成されていて、それらの配線パターンと半導体装置の外部端子とを機械的に接続することでそれらの電気的導通を図る。
【0068】
そして、本発明を適用した半導体装置110を備える電子機器として、図6には、ノート型パーソナルコンピュータ120が示されている。
【0069】
なお、上記本発明の構成要件「半導体チップ」を「電子素子」に置き換えて、半導体チップと同様に電子素子(能動素子か受動素子かを問わない)の電極にバンプを形成することもできる。このような電子素子から製造される電子部品として、例えば、抵抗器、コンデンサ、コイル、発振器、フィルタ、温度センサ、サーミスタ、バリスタ、ボリューム又はヒューズなどがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置を示す図である。
【図2】図2は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る半導体装置の展開図である。
【図3】図3は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る半導体装置の展開図である。
【図4】図4は、本発明を適用した第3の実施の形態に係る半導体装置の展開図である。
【図5】図5は、本実施の形態に係る半導体装置が実装された回路基板を示す図である。
【図6】図6は、本実施の形態に係る半導体装置を備える電子機器を示す図である。
【符号の説明】
1 配線基板
10 基板
12 配線パターン
14 第1領域
16 第2領域
18 貫通穴
20 半導体チップ
30 外部端子
40 異方性導電材料

Claims (16)

  1. 複数の半導体チップと、
    複数の外部端子と、
    第1領域と複数の第2領域とを含み、前記第1領域と第2領域との境界を含む部分で屈曲した基板と、
    前記第1領域及び第2領域に形成された配線パターンと、
    を含み、
    前記外部端子は、前記第1領域に設けられ、
    前記半導体チップは、前記第1領域及び第2領域のうち、少なくとも前記第2領域に搭載され、前記基板が屈曲することで積み重ねられ、
    前記基板を平面的に展開したときに、それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に対して異なる方向に位置し、
    前記複数の半導体チップは、それぞれ、前記第1の領域または前記第2の領域と対向している第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面を有し、
    前記複数の半導体チップは、導電性の接着剤を介して前記第2の面同士が対向して接着されている半導体チップを含む半導体装置。
  2. 複数の半導体チップと、
    複数の外部端子と、
    第1領域と複数の第2領域とを含み、前記第1領域と第2領域との境界を含む部分で屈曲した基板と、
    前記第1領域及び第2領域に形成された配線パターンと、
    を含み、
    前記外部端子は、前記第1領域に設けられ、
    前記半導体チップは、前記第1領域及び第2領域のうち、少なくとも前記第2領域に搭載され、前記基板が屈曲することで積み重ねられ、
    前記基板を平面的に展開したときに、それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に対して異なる方向に位置し、
    前記複数の半導体チップは、それぞれ、前記第1の領域または前記第2の領域と対向している第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面を有し、
    前記複数の半導体チップは、熱伝導性の接着剤を介して前記第2の面同士が対向して接着されている半導体チップを含む半導体装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の半導体装置において、
    それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に接続されて形成されている半導体装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記第1領域には、複数の貫通穴が形成され、
    前記配線パターンの一部は、前記貫通穴上を通り、
    前記外部端子は、前記貫通穴を通って前記配線パターン上に設けられ、前記基板における前記配線パターンが形成された面とは反対側の面から突出する半導体装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記半導体チップは、前記第1領域及び第2領域に搭載される半導体装置。
  6. 請求項5記載の半導体装置において、
    前記第1領域の一方の面側に、前記外部端子が突出して設けられ、
    前記第1領域の他方の面に、少なくとも一つの前記半導体チップが搭載される半導体装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記半導体チップは、異方性導電材料を介して前記配線パターンに電気的に接続される半導体装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の半導体装置において、
    前記基板は、前記第1領域と前記第2領域との境界を含む部分に少なくとも一つの穴を有する半導体装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の半導体装置が実装された回路基板。
  10. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の半導体装置を備える電子機器。
  11. 第1領域と複数の第2領域とを含んで屈曲可能な基板と、
    前記第1領域及び第2領域に形成された配線パターンと、を含み、それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に対して異なる方向に位置する配線基板を用意する工程と、
    複数の外部端子を前記第1領域に設ける工程と、
    前記第1領域及び第2領域のうち、少なくとも前記第2領域に、複数の半導体チップを搭載する工程と、
    前記基板を屈曲させて、前記半導体チップを積み重ねる工程と、
    を含み、
    前記複数の半導体チップは、それぞれ、前記第1の領域または前記第2の領域と対向している第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面を有し、
    前記複数の半導体チップのうち、少なくとも一組の前記半導体チップの前記第2の面同士を、導電性の接着剤を介して接着する工程を更に含む半導体装置の製造方法。
  12. 第1領域と複数の第2領域とを含んで屈曲可能な基板と、
    前記第1領域及び第2領域に形成された配線パターンと、を含み、それぞれの前記第2領域は、前記第1領域に対して異なる方向に位置する配線基板を用意する工程と、
    複数の外部端子を前記第1領域に設ける工程と、
    前記第1領域及び第2領域のうち、少なくとも前記第2領域に、複数の半導体チップを搭載する工程と、
    前記基板を屈曲させて、前記半導体チップを積み重ねる工程と、
    を含み、
    前記複数の半導体チップは、それぞれ、前記第1の領域または前記第2の領域と対向している第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面を有し、
    前記複数の半導体チップのうち、少なくとも一組の前記半導体チップの前記第2の面同士を、熱伝導性の接着剤を介して接着する工程を更に含む半導体装置の製造方法。
  13. 請求項11又は請求項12記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1領域には、複数の貫通穴が形成され、
    前記配線パターンの一部は、前記貫通穴上を通り、
    前記外部端子を、前記貫通穴を通って前記配線パターン上に設け、前記基板における前記配線パターンが形成された面とは反対側の面から突出させる半導体装置の製造方法。
  14. 請求項11から請求項13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半導体チップを、前記第1領域及び第2領域に搭載する半導体装置の製造方法。
  15. 請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
    前記外部端子を、前記第1領域の一方の面から突出させて設け、
    少なくとも一つの前記半導体チップを、前記第1領域の他方の面に搭載する半導体装置の製造方法。
  16. 請求項11から請求項15のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半導体チップを、異方性導電材料を介して前記配線パターンに電気的に接続する半導体装置の製造方法。
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