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JP3878767B2 - 分煙システム - Google Patents

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JP3878767B2
JP3878767B2 JP11328199A JP11328199A JP3878767B2 JP 3878767 B2 JP3878767 B2 JP 3878767B2 JP 11328199 A JP11328199 A JP 11328199A JP 11328199 A JP11328199 A JP 11328199A JP 3878767 B2 JP3878767 B2 JP 3878767B2
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典子 小川
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松下エコシステムズ株式会社
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院や事務所などに使用される喫煙者の煙草の煙を排気あるいは浄化して、非喫煙者に迷惑を及ぼさない分煙システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の分煙システムは、特開平8−182911号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
以下、その分煙システムについて図16を参照しながら説明する。図に示すように、喫煙ユニット101は4隅に立設された円筒形の柱102の上端部に設けられた矩形枠状の案内枠壁103と、案内枠壁103に囲まれた天井部104と、天井部104に取付けられた空気清浄機105と複数の吹出し孔106とからなり、空気清浄機105により吸込まれた空気を天井部104の内部に吹出し、下方に向かって吹出し孔106より浄化された空気を吹出し、エアーカーテンを形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の分煙システムでは、エアーカーテンにより気流感を与え不快であると同時に、エアーカーテンが床面に衝突した後に巻き上がる気流により煙草の灰などを吹き飛ばすという課題があった。喫煙者にとっても非喫煙者、周囲の人々にとっても、様々な場所において喫煙領域を確保し、快適環境を維持することが要求されている。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、気流感を与えず快適でありながら分煙できる分煙システムを提供することを第1の目的としている。第2の目的は、煙草の灰などが吹き飛ばない分煙システムを提供することである。
【0006】
第3の目的は、吸込効率を上げることができる分煙システムを提供することである。
【0007】
第4の目的は、打合せコーナーなどの10人程度が集うのに望ましい規模である分煙システムを提供することである。
【0008】
第5の目的は、構造が簡素であり、喫煙領域の空気を浄化することにより非喫煙領域に排気することができる分煙システムを提供することである。
【0009】
第6の目的は、浄化空気を旋回流に用いて喫煙領域内の空気を循環利用することができる分煙システムを提供することである。
【0010】
第7の目的は、汚染空気の処理が速くできることである。
【0011】
第8の目的は、空調しながら喫煙領域を確保して汚染空気の処理を行うことができることである。
【0012】
第9の目的は、レイアウト変更時にも既存の建物の大掛かりな改修を必要とせずに喫煙領域を形成することができることである。
【0013】
第10の目的は、移動・移設が容易であることができる分煙システムを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の分煙システムは上記目的を達成するために、居住者に気流感を与えず分煙できるように、吹出流により旋回流を形成する旋回流形成手段を天井部に設け、前記旋回流形成手段の中央部に天井部下面方向に喫煙領域内の空気を吸込む吸込口を設け、前記旋回流形成手段は、前記天井部に設置された所定の方向に旋回流を形成するように空気を吹出す複数の旋回流吹出装置と、前記吸込口を略中央とし、前記複数の旋回流吹出装置の外周に矩形状のフードとで構成し、旋回流により喫煙領域内の煙草の灰や書類を吹き飛ばすことがないように、前記矩形状のフードは、天井から4面の垂直平面により構成され、前記垂直平面の寸法が4面とも水平方向の長さがL(m)、垂直方向の長さが0.075L(m)であり、前記旋回流吹出装置を前記フード内部の4隅に所定の方向に吹出すように配し、前記旋回流吹出装置より各々吹出風速V=1.25L(m/s)の空気を前記フード平面に平行かつ水平に吹出し、前記吸込口での吸込風速がで0.3V(m)であることを特徴とするものである。本発明によれば、吸込効率の良い分煙システムが得られる。
【0015】
また、他の手段は、前記垂直平面の寸法が水平方向の長さが約4m、垂直方向の長さが約0.3mであり、前記旋回流吹出装置からの吹出風速が各々約5m/sであり、前記吸込口での吸込風速が約1.5m/sであることを特徴とするものである。
【0016】
本発明によれば、打合せコーナーなどの10人程度が集うのに望ましい規模である分煙システムが得られる。
【0017】
また、他の手段は、前記吸込口部に空気浄化手段を設け、喫煙領域内の空気を浄化するのである。
【0018】
本発明によれば、構造が簡素であり、喫煙領域の汚染空気を浄化して非喫煙領域に排気できる分煙システムが得られる。
【0019】
また、他の手段は、前記吸込み口部の前記空気浄化手段の出口部と前記旋回流吹出口とを連通させ、前記空気浄化手段により浄化された空気を前記旋回流吹出口より吹出すことのできるものである。
【0020】
本発明によれば、浄化空気を旋回流に用いて喫煙領域の空気を循環利用することができる分煙システムが得られる。
【0021】
また、他の手段は、前記分煙システムの直下の床に加熱装置を設け、床付近の空気を暖め、喫煙領域内の空気の温度差による浮力により速やかに排気あるいは浄化できるたものである。
【0022】
本発明によれば、喫煙領域内の空気の温度差による浮力により速やかに排気あるいは浄化できる分煙システムが得られる。
【0023】
また、他の手段は、前記床の上面に空調吹出口を設けたものである。
【0024】
本発明によれば、空調しながら喫煙領域を確保し、汚染空気の処理を行うことができる分煙システムが得られる。
【0025】
また、他の手段は、複数の支柱と前記支柱により支持される内部を空洞とした天井屋根と、前記天井屋根には前記旋回流形成手段と中央下面に前記吸込口とを設け、建物の前記天井部と前記分煙システムの前記天井屋根を独立したものである。
【0026】
本発明によれば、レイアウト変更時にも既存の建物の大掛かりな改修を必要とせず、喫煙領域を形成することができる分煙システムが得られる。
【0027】
また、他の手段は、前記支柱を固定設置する前記床と前記床を移動可能とする可動装置を前記床の下部に設けたものである。
【0028】
本発明によれば、移動・移設が容易であることができる分煙システムが得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明は、居住者に気流感を与えず分煙できるように、吹出流により旋回流を形成する旋回流形成手段を天井部に設け、前記旋回流形成手段の中央部に天井部下面方向に喫煙領域内の空気を吸込む吸込口を設け、前記旋回流形成手段は、前記天井部に設置された所定の方向に旋回流を形成するように空気を吹出す複数の旋回流吹出装置と、前記吸込口を略中央とし、前記複数の旋回流吹出装置の外周に矩形状のフードとで構成し、旋回流により喫煙領域内の煙草の灰や書類を吹き飛ばすことがないように、前記フードは、天井から4面の垂直平面により構成され、前記垂直平面の寸法が4面とも水平方向の長さがL(m)、垂直方向の長さが0.075L(m)であり、前記旋回流吹出装置を前記フードの内部の4隅に所定の方向に吹出すように配し、前記旋回流吹出装置より各々吹出風速V=1.25L(m/s)の空気を前記フード平面に平行かつ水平に吹出し、前記吸込口での吸込風速がで0.3V(m/s)であることを特徴とするものであり、フードの内側の4隅に設置した旋回流吹出口から、フードに沿って吹出された空気は、互いに影響を及ぼしながら所定の方向に旋回する。また、天井部の下面中央に形成した吸込口から喫煙領域の空気が吸込まれ、上方への気流成分を形成する。旋回流と空気清浄機の吸込流の相互作用により、喫煙領域の空気は旋回しながら、吸込口に吸込まれ、排気されるという作用を有する。
【0030】
また、前記垂直平面の寸法が水平方向の長さが約4m、垂直方向の長さが約0.3mであり、前記旋回流吹出装置からの吹出風速が各々約5m/sであり、前記吸込口での吸込風速が約1.5m/sであることを特徴とするものであり、フードの内側に所定の方向に旋回気流を形成し、吸込口の吸込気流により上方への気流成分を形成するが、これら旋回流と吸込気流の相互作用により、喫煙領域の空気は非喫煙領域に漏れることなく、排気されるという作用を有する。
【0031】
また、前記吸込口部に空気浄化手段を設けたものであり、前記吸込口から汚染空気が吸込まれ、空気浄化手段により浄化された空気は喫煙領域外部へ吹出される。吹出された空気は浄化されているため、喫煙領域外への煙草の煙やにおいが外部へもれないという作用を有する。
【0032】
また、前記吸込み口部の前記空気浄化手段の出口部と前記旋回流吹出口とを連通させたものであり、前記吸込口から吸込まれた空気は、空気浄化手段により浄化され、前記吸込口と連通した前記旋回流吹出口から前記喫煙領域へ吹出されるという作用を有する。
【0033】
また、前記分煙システムの直下の床に加熱装置を設けたものであり、加熱装置を床面に設置することにより、床面付近の温度が上昇し、温度差による浮力により喫煙領域内の床面付近から上方へ向かう上昇気流が形成される。この上昇気流が、喫煙領域内の空気が旋回しながら吸込口へ吸込まれるための上昇流を助長することになり、喫煙領域内の汚染空気をより速く処理することができるという作用を有する。
【0034】
また、前記床の上面に空調吹出口を設けたものであり、空調吹出口を床面に設置することにより、床面から上方へ吹出す空調吹出し空気により、喫煙領域内の床面付近から上方へ向かう上昇気流が形成される。この上昇気流は、喫煙領域内の空気が旋回しながら吸込口へ吸込まれるための上昇流を助長することになり、喫煙領域内の汚染空気をより速く、空調を行いながら処理することができるという作用を有する。
【0035】
また、複数の支柱と前記支柱により支持される内部を空洞とした天井屋根と、前記天井屋根には前記旋回流形成手段と中央下面に前記吸込口とを設けたものであり、前記吸込口を設置する場所を建物の天井と別に設けたことにより、建物から独立させるという作用を有する。
【0036】
また、前記支柱を固定設置する前記床と前記床を移動可能とする可動装置を前記床の下部に設けたものであり、移設時は、支柱に設けた稼動装置により容易に移設できるという作用を有する。
【0037】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同一であるものは同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
【実施例】
参考例1)図1、2および図3に示すように、分煙システム1は、天井2に旋回流形成装置3を設けており、旋回流形成装置3は、環状ガイド4と、環状ガイド4の内側の天井2付近に均等間隔に取付けられた複数の旋回流吹出装置5とで構成され、旋回流吹出装置5は環状ガイド4の内側空間に連通した旋回空気吸込口6と旋回空気吹出口7と、旋回空気吸込口6の下流であり旋回空気吹出口7の上流である連通経路内に旋回空気送風機8と旋回空気送風機8を駆動するモータ(図示せず)を備えている。さらに、旋回流吹出装置5からの吹出空気と環状ガイド4により形成される旋回流9の中央部となるように天井2の下面10に吸込口11を備えた排気装置12と、排気装置12と外気とを連通した排気ダクト13を設けている。図示はしていないが、排気装置12は排気用の送風機およびモータを備えている。
【0039】
旋回流吹出装置5のモータにより駆動された旋回空気送風機8により送風され、旋回流吹出口7より吹出した空気は、環状ガイド4に沿って流れ、互いに影響を受けながら旋回流9aを形成する。旋回流吹出装置5は天井2付近に設置されているため、この旋回流9aは天井2付近、すなわち、居室の比較的上部の空間に主流を形成するものである。一方、居住域14、すなわち、居室の比較的下部空間では、旋回主流より派生した旋回流9bと、天井2の下面10に設けた排気装置12の吸込口11へ向かって吸込み気流が形成されている。吸込口11が設けられた喫煙領域15の中央部は、排気装置12により吸込口11から空気が吸込まれるために負圧となる。この負圧のために、旋回流9bは喫煙領域15の中央部へ向かうようになり、喫煙領域15内の空気は中央へ旋回しながら排気装置12の吸込口11へ吸込まれて排気される。このように分煙システム1は、喫煙領域15内の空気を優先的に排気するため、喫煙領域15内での喫煙による汚染空気を速やかに排出することとなり、非喫煙領域16への汚染空気の漏洩を防ぐ。このため、喫煙領域15と非喫煙領域16を形成することができる。旋回流吹出装置5は天井2付近に設けているので居住域14に気流が到達する時点で気流速は弱まっているため、居住者に不快感を与えることはない。
【0040】
なお、本参考例では、旋回流吹出装置を複数個設けたが、旋回流を形成するのであれば、たとえば、環状の吹出口を1個設けて旋回流を形成するようにしても作用効果は変わらないことは言うまでもない。
【0041】
なお、本参考例では、旋回流吹出装置を均等配置したが、旋回流を形成するのであれば、その配置を変えても作用効果は変わらないことは言うまでもない。なお、本実施例では、旋回流吹出装置内に旋回空気送風機およびモータを設けたが、旋回空気送風機およびモータの設置場所を変更しても、旋回空気吹出口から旋回空気が吹出されれば良く、その作用効果は変わらない。
【0042】
なお、本参考例では、旋回流吹出装置から吹出される空気を喫煙領域より吸込んだが、非喫煙領域から吸込んでも良く、その作用効果に差異を生じない。
【0043】
なお、本参考例では、旋回流形成装置として環状ガイドを用いたが、旋回流を形成するのであれば、その形状はこの限りではない。
【0044】
なお、本参考例では排気装置に排気用送風機およびモータを設けたが、吸込口から汚染空気を吸込み排気できれば良く、排気手段を変更しても作用効果は変わらない。
【0045】
なお、本参考例では分煙システムを単独使用しているが、これを組合わせても良い。
【0046】
なお、本参考例では分煙システムを単独使用したが、組合わせて使用した場合、各分煙システムの旋回空気送風機を統合し、集中送風としても良い。
【0047】
なお、本参考例では分煙システムを単独使用したが、組合わせて使用した場合、各分煙システムの排気装置を統合し、集中排気としても良い。
【0048】
参考例2)図4および5に示すように、天井2(図示せず)の下面10(図示せず)に設置された矩形の枠形状のフード17と、フード17の内部に所定の方向に旋回流9を形成するように空気を吹出す旋回流吹出装置5をフード17の4隅にそれぞれ設けている。旋回流吹出装置5は、非喫煙領域16と喫煙領域15に連通しており、非喫煙領域16の空気を喫煙領域15に吹出すための旋回空気送風機8を備えている。排気装置12は、内部に排気送風機18を有しており、喫煙領域15の空気を外部へ排気するための排気ダクト13を配管接続している。
【0049】
上記構成において、旋回流吹出装置5は旋回空気送風機8により非喫煙領域16であるフード17の外部の空気を吸込み、喫煙領域15であるフード17の内部に空気を吹出す。旋回流吹出装置5より吹出された空気はフード17の内部壁に沿って一定の方向に流れ、フード17の内部を旋回する旋回流9を形成する。一方、排気送風機18は、喫煙領域15の空気を吸込口11より吸込み、排気ダクト13を通って喫煙領域外へ吐出す。つまり、排気送風機18によって吸込口11へ向かう気流が生成されている。この吸込口11へ向かう気流と旋回流9の相互作用により喫煙領域15の空気は旋回しながら吸込口11へ向かって流れるようになる。しかも、旋回流9の主流は、喫煙領域15の上部で旋回しており、居住域14では気流が充分に減衰しているので、旋回流9により喫煙領域15内の煙草の灰や書類などを吹き飛ばすことがない。
【0050】
なお、本参考例ではフードの形状を平板の組合わせとしたが、旋回流を形成するのであれば、その形状についてはこの限りではない。
【0051】
なお、本参考例では、旋回流吹出装置から吹出される空気を非喫煙領域より吸込んだが、喫煙領域から吸込んでも良く、その作用効果に差異を生じない。なお、本参考例では旋回流吹出口をフードの4隅に各1個ずつ設けたが、旋回流を形成するのであれば、その個数および配置についてはこの限りではない。
【0052】
(実施例)図6は本実施例の構成を示し、フード17が、天井2から4面の垂直平面により構成され、垂直平面の寸法割合が4面とも水平方向の長さがL(m)、垂直方向の長さが0.075L(m)であり、旋回流吹出装置5をフード17の内部の4隅に所定の方向に吹出すように設置し、旋回流吹出装置5より各々吹出風速V=1.25L(m/s)の空気をフード17の平面に平行かつ水平に吹出し、排気装置12の吸込口11での吸込風速が0.3V(m/s)であることを特徴としている。
【0053】
上記構成において、フード17の内側の4隅に設置した旋回流吹出口16から、フード17に沿ってVの風速で吹出された吹出流は、互いに影響を及ぼしながら所定の方向に旋回する。また、天井2の下面10の中央に形成した吸込口11から喫煙領域15の空気が風速0.075Vで吸込まれ、上方への気流成分を形成する。旋回流9と排気装置12の吸込流の相互作用により、喫煙領域15の空気は旋回しながら、吸込口11に吸込まれ、排気される。吹出流の風速の割合が吸込流に対して大きくなると旋回流9は喫煙領域15より外へ向かって流れる傾向になり、吹出流の風速の割合が吸込流に対して小さくなると旋回流9が弱まり、好ましくない気流性状となる。
【0054】
たとえば、理論計算の結果の一例を図7と図8に示す。図7は、上述の寸法および風速における喫煙者の位置を想定した代表ポイントからの流線を示しており、流線は旋回を描きながら吸込口11へ吸込まれていることがわかる。また、図8は、フード17の寸法が1/2L(m)とした条件、すなわち、フード17の水平寸法L’(m)、垂直寸法が0.15L’(m)、旋回空気の吹出風速V=2.5L’(m/s)、吸込み風速が0.3V(m)である条件における結果を、喫煙者の位置を想定した代表ポイントからの流線により示しており、吹出流の風速の割合が吸込流に対して大きくなると旋回流9は喫煙領域15より外へ向かって流れることがわかる。
【0055】
このように、旋回流9と吸込口11の吸込風速の適切な組合わせにより吸込口11への喫煙領域15内の空気が誘導され、吸込効率があがる。
【0056】
なお、本実施例では旋回流吹出口をフードの4隅に各1個ずつ設けたが、旋回流を形成するのであれば、その個数および配置についてはこの限りではない。
【0057】
なお、本実施例ではフードの形状を平板の組合わせとしたが、旋回流を形成するのであれば、その形状および寸法についてはこの限りではない。
【0058】
(実施例)図9は本実施例の構成を示し、フード17の垂直平面の寸法が4面とも水平方向の長さが4m、垂直方向の長さが0.3mであり、旋回流吹出装置5より吹出す風速が各々約5m/s、排気装置12の吸込口11での吸込風速が約1.5m/sであることを特徴としている。
【0059】
上記構成において、フード17の内側の4隅に設置した旋回流吹出口16から、フード17に沿って約5m/sの風速で吹出された吹出流は、互いに影響を及ぼしながら所定の方向に旋回する。また、天井2の下面10の中央に形成した吸込口11から喫煙領域15の空気が吸込まれ、上方への気流成分を形成する。旋回流9と排気装置12の吸込流の相互作用により、喫煙領域15の空気は旋回しながら、吸込口11に吸込まれ、排気される。フード17が変わらない時、吹出流の風速が大きくなると旋回流9は喫煙領域15より外へ向かって流れる傾向になり、吹出流の風速が小さくなると旋回流9が弱まり、好ましくない気流性状となる。フード17が所定寸法であり、吹出流と吸込流が所定の値である時、旋回流9と吸込口11の吸込風速の適切な組合わせとなり、吸込口11への喫煙領域15内の空気の誘導および吸込の効率があがる。喫煙領域15を所定の大きさとしたので、打合せコーナーなどの10人程度が集うのに望ましい規模である。
【0060】
なお、本実施例では旋回流吹出口をフードの4隅に各1個ずつ設けたが、旋回流を形成するのであれば、その個数および配置についてはこの限りではない。
【0061】
なお、本実施例ではフードの形状を平板の組合わせとし、寸法を水平方向約4m、垂直方向約0.3mとしたが、旋回流を形成するのであれば、その形状および寸法についてはこの限りではない。
【0062】
なお、本実施例では旋回流吹出し風速を5m/s、吸込風速を1.5m/sとしたが、旋回しながら吸込まれる気流を形成するのであれば、その値についてはこの限りではない。
【0063】
(実施例)図10は本実施例の構成を示し、天井2の下面10の中央に吸込口11を配し、内部に空気清浄フィルター19および空清送風機20を設けた空気清浄機21を設けている。
【0064】
上記構成において、空清送風機20により、喫煙領域15内の汚染空気を吸込口11から吸込み、空気清浄フィルター19は吸込んだ汚染空気を浄化し、浄化空気を非喫煙領域16へ排気する。吹出された空気は浄化されているため、煙草の煙やにおいが喫煙領域15外へもれず、浄化空気を非喫煙領域16へ排気しても、非喫煙領域16の空気を汚染することがない。
【0065】
なお、本実施例では空気浄化装置に空気清浄フィルターを用いたが、機械式集塵装置、電気式集塵装置、イオン式集塵装置、脱臭吸着剤および脱臭触媒を用いても良い。
【0066】
(実施例)図11は本実施例の構成を示し、空気清浄機21の空清吹出口22と旋回空気吹出口7とを連通させる接続ダクト23を設けている。
【0067】
上記構成において、喫煙領域15内の汚染空気を吸込口11から空気清浄機21に吸込み、空気清浄機21は吸込んだ汚染空気を浄化し、空気清浄機21により浄化された浄化空気は接続ダクト23を通り、旋回空気吹出口7より喫煙領域15に吹出し、旋回流9を形成する。
【0068】
なお、本実施例では空気清浄機と旋回流吹出口をダクト接続したが、連通させることができれば、その方法はチャンバーなどの他の方法を用いても良い。
【0069】
(実施例)図12は本実施例の構成を示し、床24の内部にヒーター25を設けている。上記構成において、喫煙領域15内では、ヒーター25により床24付近の空気が暖められる。空気の温度差による密度差が生じ、浮力により床24付近の空気は上昇する。一方、喫煙領域15のさらに上部では、旋回流9および空気清浄機21への吸込み気流により、喫煙領域15内の汚染空気は吸込口11より吸込まれており、さらに、浮力により上昇気流が生じているために、上方への気流が加速されて、より速やかに吸込まれることになる。また、床24付近の空気が上昇して、喫煙領域15内を天井2まで到達し吸込まれてくるため、喫煙領域15内の広い範囲の汚染空気を空気清浄機21に導いており、喫煙領域15内の汚染空気の浄化効率があがる。
【0070】
なお、本実施例ではヒーターを用いたが、温水配管などの一般的な床暖房装置あるいは電気カーペットを用いても良く、床面を加熱できればその方式はこの限りではない。
【0071】
なお、本実施例ではヒーターを用いたが、温水配管などの一般的な床暖房装置あるいは電気カーペットなどを用いても良く、床付近を加熱できればその方式はこの限りではない。
【0072】
なお、本実施例ではヒータを床に設置したが、机などの天板に設置しても良く、喫煙領域内に上昇気流が生じれば、その設置場所にこだわらない。
【0073】
(実施例)図13は本実施例の構成を示し、床24と、床24の内部を空洞とし、床24の内部に空調装置26と、床24の上面に空調装置26と連通し、空調空気を吹出す空調吹出口27を設けている。
【0074】
上記構成において、床24内の空気を空調装置26により加熱あるいは冷却して作られた空調空気を空調吹出口27へ送風し、空調吹出口27より喫煙領域15へ吹出す。床24の上面に空調吹出口27が設置されており、喫煙領域15内の床面付近から上方へ向かう上昇気流が形成される。この上昇気流は、喫煙領域15内の空気が旋回しながら吸込口9へ吸込まれるための上昇流を助長することになり、喫煙領域15内の汚染空気をより速く、しかも、空調を行いながら処理することができる。
【0075】
なお、本実施例では空調装置を床内に設置したが、空調装置は別途設けても良く、空調吹出口から空調空気が吹出されれば、その作用効果はかわらない。なお、本実施例では空調装置により床内の空気を加熱あるいは冷却して空調吹出口より吹出したが、中間期など空気調和の必要のない時は加熱および冷却は必ずしも必要でなく、空調吹出口から上方に空気が吹出されれば、その作用効果はかわらない。
【0076】
(実施例7)図14は本実施例の構成を示し、4本の支柱28と支柱28により4ヶ所を支持され、内部を空洞とした天井屋根104と、天井屋根104には旋回流形成装置3を設け、天井屋根104の下面、旋回流形成装置3の中央に空気清浄機21の吸込口11を配し、天井屋根104の内部の空洞に接続ダクト23を収容している。上記構成により、空気清浄機21を設置する天井屋根104を建物の天井2と別に構成したことにより、分煙システム1を建物から独立させ、レイアウト変更時には、分煙システムのみを移動させることができる。
【0077】
なお、本実施例では空気清浄機と旋回流吹出口をダクト接続したが、連通させることができれば、その方法はチャンバーなどの他の方法を用いても良い。
【0078】なお、本実施例では支柱を4本としたが、天井屋根を支持できれば、その形状本数は問わない。
【0079】
なお、本実施例では天井屋根の内部を空洞にし、空気清浄機およびダクトを収容したが、空気清浄機の設置板としても良く、空気清浄機、ダクト、フード、旋回流吹出口が支持できれば良い。
【0080】
(実施例)図15は本実施例の構成を示し、支柱28を固定設置する床段29と床段29を可動とする車輪30を床段29の下部に設けたものである。
【0081】
上記構成により、分煙システム1を移設する際は、車輪30により容易に分煙システム1を動かすことができる。
【0082】
なお、本実施例では床段の下部に稼動装置を設けたが、支柱の最下部に可動装置を設けてもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、気流感を与えず快適でありながら分煙でき、煙草の灰などが吹き飛ばず、吸込効率を上げることができ、打合せコーナーなどの10人程度が集うのに望ましい規模であり、構造が簡素であり、喫煙領域の空気を浄化することにより非喫煙領域に排気することができ、浄化空気を旋回流に用いて喫煙領域内の空気を循環利用することができ、汚染空気の処理が速くでき、空調しながら喫煙領域を確保して汚染空気の処理を行うことができ、レイアウト変更時にも既存の建物の大掛かりな改修を必要とせずに喫煙領域を形成することができ、移動・移設が容易であることができる分煙システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1の斜視図
【図2】 同上平面図
【図3】 同断面構成図
【図4】 本発明の参考例2の斜視図
【図5】 同上平面図
【図6】 本発明の実施例の断面構成図
【図7】 本発明の実施例の論理計算結果図
【図8】 本発明の実施例の論理計算結果図
【図9】 本発明の実施例の断面構成図
【図10】 本発明の実施例の断面構成図
【図11】 本発明の実施例の断面構成図
【図12】 本発明の実施例の断面構成図
【図13】 本発明の実施例の断面構成図
【図14】 本発明の実施例の断面構成図
【図15】 本発明の実施例の断面構成図
【図16】 従来の分煙システムの断面構成を示す図
【符号の説明】
1 分煙システム
2 天井
3 旋回流形成装置
9 旋回流
10 下面
11 吸込口
17 フード
19 空気清浄フィルター
21 空気清浄機
22 空清吹出口
23 接続ダクト
24 床
25 ヒーター
26 空調装置
27 空調吹出口
28 支柱
29 床段
30 車輪
104 天井部

Claims (8)

  1. 居住者に気流感を与えず分煙できるように、吹出流により旋回流を形成する旋回流形成手段を天井部に設け、前記旋回流形成手段の中央部における天井部下面に喫煙領域内の空気を吸込む吸込口を設け、前記旋回流形成手段は、前記天井部に設置された所定の方向に旋回流を形成するように空気を吹出す複数の旋回流吹出装置と、前記吸込口を略中央とし、前記複数の旋回流吹出装置の外周に矩形状のフードとで構成し、旋回流により喫煙領域内の煙草の灰や書類を吹き飛ばすことがないように、前記矩形状のフードは、天井から4面の垂直平面により構成され、前記垂直平面の寸法が4面とも水平方向の長さがL(m)、垂直方向の長さが0.075L(m)であり、前記旋回流吹出装置は前記フードの内部の4隅に所定の方向に吹出すように配し、前記旋回流吹出装置より各々吹出風速V=1.25L(m/s)の空気を前記フード平面に平行かつ水平に吹出し、前記吸込口での吸込風速が0.3V(m/s)であることを特徴とする分煙システム。
  2. 前記垂直平面の寸法が水平方向の長さが約4m、垂直方向の長さが約0.3mであり、前記旋回流吹出装置からの吹出風速が各々約5m/sであり、前記吸込口での吸込風速が約1.5m/sであることを特徴とする請求項1記載の分煙システム。
  3. 前記吸込口部に空気浄化手段を設けた請求項1または2記載の分煙システム。
  4. 前記吸込み口部の前記空気浄化手段の出口部と前記旋回流吹出口とを連通させた請求項3記載の分煙システム。
  5. 前記分煙システムの直下の床に加熱装置を設けた請求項1、2、3または4記載の分煙システム。
  6. 前記床の上面に空調吹出口を設けた請求項1、2、3、4または5記載の分煙システム。
  7. 前記天井部が、複数の支柱により支持され内部を空洞とした天井屋根である請求項1、2、3、4、5または6記載の分煙システム。
  8. 前記支柱を固定設置する前記床と前記床を移動可能とする可動装置を前記床の下部に設けた請求項1、2、3、4、5、6または7記載の分煙システム。
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