JP3876355B2 - 点眼液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製容器に吸着しやすく、且つ、水に難溶なプロスタグランジン誘導体を有効成分として含有する点眼液において、非イオン性界面活性剤および/または抗酸化剤を配合することで、点眼液中での該プロスタグランジン誘導体の含有率の低下を防止することを特徴とする点眼液に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然のプロスタグランジンは、種々の生理活性を有する物質として広く知られており、また、それらのプロスタグランジンをリード化合物として、多数のプロスタグランジン誘導体が研究開発されている。例えば、眼科用途に用いられるプロスタグランジン誘導体として、特表平3−501025、特開平2−108、特開平11−71344に開示されているプロスタグランジン誘導体などが眼圧下降作用を有する緑内障や高眼圧症の治療薬として有用であることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プロスタグランジン誘導体は上記の様に緑内障や高眼圧症の治療剤として有用なものであるが、プロスタグランジン誘導体には、水に難溶で且つ樹脂製容器に吸着しやすい性質を有するものがあり、この様なプロスタグランジン誘導体を点眼液に調製するには、水に対する溶解性の課題と、容器に吸着することによる薬物濃度低下の課題を解決しなければならない。また、プロスタグランジン誘導体には、水に溶解すると分解しやすい性質を有するものがあり、このようなプロスタグランジン誘導体を点眼液に調製するには安定性の課題を解決する必要がある。点眼容器への吸着および点眼液中での薬物の分解は薬物の点眼液中での含有率の低下につながり、これらの課題を解決することは点眼液の調製において重要な課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、樹脂製容器に吸着しやすく、且つ、水に難溶なプロスタグランジン誘導体を点眼液に調製する方法について鋭意研究を行った。その結果、点眼液にポリソルベート80やポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などの非イオン性界面活性剤を配合することで、プロスタグランジン誘導体の水に対する溶解性が向上し、且つ、樹脂製容器に対する吸着性が顕著に抑制できることを見出した。また、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムやジブチルヒドロキシトルエンなどの抗酸化剤を配合することで、プロスタグランジン誘導体の分解が顕著に抑制できることも併せて見出した。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、16−フェノキシ−15−デオキシ−15,15−ジフルオロ−17,18,19,20−テトラノルプロスタグランジンF2α(以下、本プロスタグランジン誘導体という)もしくはそのアルキルエステルまたはその塩を有効成分として含有する点眼液であって、非イオン性界面活性剤および抗酸化剤を配合することで、点眼液中での該有効成分の含有率の低下を防止することを特徴とする点眼液、および、16−フェノキシ−15−デオキシ−15,15−ジフルオロ−17,18,19,20−テトラノルプロスタグランジンF2αもしくはそのアルキルエステルまたはその塩を有効成分として含有する点眼液に、非イオン性界面活性剤および抗酸化剤を配合することで、点眼液中での該有効成分の含有率の低下を防止する方法に関するものである。
【0006】
ここで、本プロスタグランジン誘導体は、特開平11−71344に開示されている16−フェノキシ−15−デオキシ−15,15−ジフルオロ−17,18,19,20−テトラノルプロスタグランジンF2αもしくはそのアルキルエステルまたはその塩である。アルキルエステルの具体例としては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、tert-ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステルなどの低級アルキルエステルが挙げられる。
【0007】
本発明の点眼液においては、本プロスタグランジン誘導体は水に溶解した状態で存在する。
【0008】
プロスタグランジン誘導体が樹脂製容器に吸着しやすいとは、プロスタグランジン誘導体を水溶液にして樹脂製容器に保管したとき、残存率(残存率とは溶解させた本プロスタグランジンの量に対して、点眼液中に有効に溶解して存在する量をいう。)が大きく低下することをいい、たとえば、本プロスタグランジン誘導体水溶液の濃度が、0.001%(%は特に記載しないかぎり、質量%を示す。以下同様。)の場合、40℃で6ヶ月間、ポリエチレン製容器またはポリプロピレン製容器に保存後、同化合物の40%以上(液中の残存率60%未満)、通常は40−60%、典型的には約50%が容器に吸着している状態をいう。
【0009】
水に難溶なプロスタグランジン誘導体とは、1gを溶解するのに1000ml以上の水を要するものをいう(第十三改正 日本薬局方解説書 通則 A−51(1996))。
【0010】
本発明で用いられる非イオン性界面活性剤は、点眼液中での本プロスタグランジン誘導体の水溶性を向上させ、且つ、樹脂製容器に対する吸着を抑制することによって含有率の低下を防止する目的で配合するものであり、それらの具体例としては、ポリソルベート80[ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート]、ポリソルベート60[ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート]、ポリソルベート40[ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート]、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリソルベート65[ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート]などのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール[プルロニックF68]、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール[プルロニックP123]、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール[プルロニックP85]、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール[プルロニックF127]、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール[プルロニックL−44]などのポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられ、好ましくは、ポリソルベート80[ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ステアリン酸ポリオキシル40などが挙げられる。また、これらの非イオン性界面活性剤はそれぞれ単独または2種以上を併せて使用できる。
【0011】
特に好ましい非イオン性界面活性剤としては、点眼液の添加物として汎用されるポリソルベート80[ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート]またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60が挙げられる。
【0012】
抗酸化剤は、点眼液中での本プロスタグランジン誘導体の分解を抑制することによって含有率の低下を防止する目的で配合するものであり、それらの具体例としては、亜硝酸ナトリウム、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム、アルファチオグリセリン、エチレンジアミン四酢酸、エリソルビン酸、塩酸システイン、クエン酸、酢酸トコフェロール、ジクロルイソシアヌル酸カリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、大豆レシチン、チオグリコール酸ナトリウム、チオリンゴ酸ナトリウム、天然ビタミンE、トコフェロール、パスチミン酸アスコルビル、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、1,3−ブチレングリコール、ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、没食子酸プロピル、2−メルカプトベンズイミダゾール、硫酸オキシキノリンなどが挙げられる。また、これらの抗酸化剤はそれぞれ単独または2種以上を併せて使用できる。
【0013】
好ましい抗酸化剤としては、点眼液の添加物として汎用されるエチレンジアミン四酢酸若しくはその塩またはジブチルヒドロキシトルエンが挙げられ、エチレンジアミン四酢酸またはその塩とジブチルヒドロキシトルエンを併せて使用することが特に好ましい。
【0014】
樹脂製容器の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン6などが挙げられ、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、これらの樹脂は高密度樹脂であっても、低密度樹脂であってもよい。
【0015】
本プロスタグランジン誘導体の点眼液中の配合量(濃度)は、対象疾患や症状等に応じて適宜選択できるが、0.00005〜0.05%が好ましい。
【0016】
非イオン性界面活性剤の点眼液中の配合量(濃度)は、本プロスタグランジン誘導体の配合量に応じて適宜増減できるが、本プロスタグランジン誘導体の水溶性向上の観点から、非イオン性界面活性剤の濃度は、本プロスタグランジン誘導体の濃度の5倍以上に設定するのが好ましく、さらにより確実な水溶性の保証の観点から、10倍以上に設定することが特に好ましい。非イオン性界面活性剤の配合量を増加すればするほど本プロスタグランジン誘導体の水溶性は上昇するので、濃度の上限には理論上の制約はないが、点眼液への使用の観点から自ずと制約がある。即ち、非イオン性界面活性剤を高濃度に配合すると角膜等の眼組織に悪影響を与えるので、有効成分の濃度には関係なく、点眼液における非イオン性界面活性剤の配合量は、通常0.5%以下に設定される。
【0017】
抗酸化剤の点眼液中の配合量(濃度)は、抗酸化剤の種類により適宜選択できるが、例えば、抗酸化剤がエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの場合には、通常0.005%〜0.5%であり、0.01〜0.1%が好ましい。また、抗酸化剤がジブチルヒドロキシトルエンの場合には、通常0.00001%〜0.001%であり、0.00005〜0.0005%が好ましい。
【0018】
本発明の効果は、後述の実施例で詳細に説明するが、点眼液にポリソルベート80やポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などの非イオン性界面活性剤を配合することで、本プロスタグランジン誘導体の水溶性を向上させ、且つ、樹脂製容器に対する吸着性を顕著に抑制した。また、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムやジブチルヒドロキシトルエンなどの抗酸化剤を配合することで、本プロスタグランジン誘導体の点眼液中での分解を効果的に抑制した。これらの実験結果は、点眼液中の本プロスタグランジン誘導体の含有率の低下を顕著に防止できることを示すものである。
【0019】
本発明の点眼液を調製するに際しては、上記の非イオン性界面活性剤や抗酸化剤以外に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、グリセリン、プロピレングリコールなどの等張化剤、ホウ酸、ホウ砂、クエン酸、リン酸水素二ナトリウム、ε−アミノカプロン酸などの緩衝剤、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチルなどの防腐剤等の製剤的に許容される種々の添加物を配合することができる。
【0020】
本プロスタグランジン誘導体の点眼液のpHは3〜8、特に4〜7とするのが好ましい。
【0021】
本発明の点眼液の調製方法は特別な手法や操作を要さず、汎用されている方法によって調製することができる。
【0022】
以下に、本発明の点眼液が、プロスタグランジン誘導体の含有率の低下を有効に防止することを実施例を挙げて説明するが、これらの例は、本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
【実施例】
以下、実施例では、本プロスタグランジン誘導体の代表例として、16−フェノキシ−15−デオキシ−15,15−ジフルオロ−17,18,19,20−テトラノルプロスタグランジンF2α イソプロピルエステル(以下、本化合物)を用いた。
【0024】
1.安定性試験1
非イオン性界面活性剤の配合による本化合物の樹脂製容器に対する吸着防止効果を調べた。非イオン性界面活性剤を配合していない溶液をコントロール1とし、非イオン性界面活性剤としてポリソルベート80を配合した溶液(処方1)および非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(以下、HCO60)を配合した溶液(処方2)における本化合物の残存率を比較した。尚、表中の%は質量%を表す。
【0025】
【表1】
【0026】
試験方法:各処方の溶液をポリエチレン製容器およびポリプロピレン製容器に充填し、40℃で6ヶ月間保存した後、溶液中の本化合物の残存率を高速液体クロマトグラフィー法(以下、HPLC法)にて測定した。
【0027】
結果および考察:HPLC法で測定した結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2は、ポリエチレン製またはポリプロピレン製のいずれの樹脂製容器においても、非イオン性界面活性剤を配合していないコントロール1に比べて、非イオン性界面活性剤を配合した処方1または処方2の方が、溶液中の本化合物の残存率が高く、本化合物の樹脂製容器への吸着が顕著に抑制されたことを示している。
【0030】
2.安定性試験2
抗酸化剤の配合による本化合物の分解抑制効果を調べた。抗酸化剤を配合していない溶液をコントロール2とし、抗酸化剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(以下、EDTA塩)を配合した溶液(処方3)における本化合物の残存率を比較した。尚、本化合物の溶解補助剤として各処方において、ポリソルベート80を0.05%配合し、また、本化合物の分解性のみを評価する為、保存容器としてガラス製容器(これは本化合物の吸着性をほとんど示さない)を用いた。さらに、本化合物の分解を促進させる物質として塩化第二鉄(尚、下記表3中には、鉄イオン濃度に換算し記載した)を加えた。表中の%は質量%を表す。
【0031】
【表3】
【0032】
試験方法:各処方の溶液をガラス製容器に充填し、40℃で6ヶ月間保存した後、溶液中の本化合物の残存率をHPLC法にて測定した。
【0033】
結果および考察:HPLC法で測定した結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
表4は、EDTA塩を配合していないコントロール2に比べて、EDTA塩を配合した処方3の方が、溶液中の本化合物の残存率が高く、本化合物の分解が顕著に抑制されたことを示している。
【0036】
3.安定性試験3
2種類の抗酸化剤の併用による本化合物の分解抑制効果を調べた。抗酸化剤を配合していない溶液をコントロール3とし、抗酸化剤として、EDTA塩とジブチルヒドロキシトルエンの二種の抗酸化剤を配合した溶液(処方4)における本化合物の残存率を比較した。尚、本化合物の溶解補助剤として各処方において、ポリソルベート80を0.05%配合し、また、本化合物の分解性のみを評価する為、保存容器としてガラス製容器(これは本化合物の吸着性をほとんど示さない)を用いた。さらに、本化合物の分解を促進させる為、保存温度を60℃とした。表中の%は質量%を表す。
【0037】
【表5】
【0038】
試験方法:各処方の溶液をガラス製容器に充填し、60℃で2週間保存した後、溶液中の本化合物の残存率をHPLC法にて測定した。
【0039】
結果および考察:HPLC法で測定した結果を表6に示す。
【0040】
【表6】
【0041】
表6は、抗酸化剤を配合していないコントロール3に比べて、抗酸化剤としてEDTA塩とジブチルヒドロキシトルエンを配合した処方4の方が、溶液中の本化合物の残存率が高く、本化合物の分解が顕著に抑制されたことを示している。
【0042】
4.安定性試験4
非イオン性界面活性剤および抗酸化剤の配合による本化合物の樹脂製容器に対する吸着防止効果および分解抑制効果について調べた。非イオン性界面活性剤としてポリソルベート80を配合し、且つ、抗酸化剤としてEDTA塩を配合した点眼液(処方5)における本化合物の残存率を調べた。尚、表中の%は質量%を表す。
【0043】
【表7】
【0044】
試験方法:処方5の点眼液をポリプロピレン製容器に充填し、40℃で6ヶ月保存した後、点眼液中の本化合物の残存率をHPLC法にて測定した。
【0045】
結果および考察:HPLC法で測定した結果を表8に示す。
【0046】
【表8】
【0047】
表8は、処方5の点眼液をポリプロピレン製容器にて、長期保存した場合においても、本化合物の残存率は高く、点眼液中での本化合物の含有率の低下が顕著に防止されたことを示している。
【0048】
5.溶解度試験
水に難溶な薬物を点眼液の形に調製するには、薬物を溶解させる工夫が必要となる。非イオン性界面活性剤はこの溶解補助剤としての働きがあり、その必要量を見極めるために、つぎの溶解度試験を行った。
【0049】
試験方法:水10mlに本化合物(溶解度を上回る量)およびポリソルベート80を加え5℃、室温および40℃で24時間攪拌した後、20000rpmで遠心分離し、その上清中に含まれる本化合物濃度をHPLC法にて測定した。
【0050】
結果および考察:HPLC法で測定した結果を図1に示す。尚、図中の%は質量%を表す。
【0051】
この結果は、ポリソルベート80の添加量に応じて、本化合物の溶解度が向上することを示しているが、保存条件や本化合物の濃度の変動を考慮すると、本化合物を溶解するためのポリソルベート80(非イオン性界面活性剤)の添加量は本化合物の濃度の5倍以上配合することが好ましいことを示している。尚、本化合物は、低い温度の方が高い温度に比べて水溶性が増す性質を有している。
【0052】
【発明の効果】
本発明の効果は、点眼液にポリソルベート80やポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などの非イオン性界面活性剤を配合することで、本プロスタグランジン誘導体の水に対する溶解性を向上し、且つ、樹脂製容器に対する吸着性を顕著に抑制し、また、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムやジブチルヒドロキシトルエンなどの抗酸化剤を配合することで、本プロスタグランジン誘導体の点眼液中での分解を効果的に抑制することであり、これらの実験結果は、点眼液中の本プロスタグランジン誘導体の含有率の低下を顕著に防止したことを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本化合物の溶解度に及ぼすポリソルベート80濃度の影響を示すグラフである。
Claims (9)
- 16−フェノキシ−15−デオキシ−15,15−ジフルオロ−17,18,19,20−テトラノルプロスタグランジンF2αもしくはそのアルキルエステルまたはその塩を有効成分として含有する点眼液であって、非イオン性界面活性剤および抗酸化剤を配合することで、点眼液中での該有効成分の含有率の低下を防止することを特徴とする点眼液。
- 非イオン性界面活性剤を配合することで、有効成分の樹脂製容器への吸着を抑制することを特徴とする請求項1に記載の点眼液。
- 抗酸化剤を配合することで、有効成分の分解を抑制することを特徴とする請求項1に記載の点眼液。
- 非イオン性界面活性剤がポリソルベート80またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である請求項1または2に記載の点眼液。
- 抗酸化剤がエチレンジアミン四酢酸若しくはその塩またはジブチルヒドロキシトルエンである請求項1または3に記載の点眼液。
- 樹脂製容器の材質がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートである請求項2に記載の点眼液。
- 非イオン性界面活性剤の濃度が有効成分の濃度の少なくとも5倍である請求項1〜6のいずれかに記載の点眼液。
- 16−フェノキシ−15−デオキシ−15,15−ジフルオロ−17,18,19,20−テトラノルプロスタグランジンF2αもしくはそのアルキルエステルまたはその塩を有効成分として含有する点眼液に、非イオン性界面活性剤および抗酸化剤を配合することで、点眼液中での該有効成分の含有率の低下を防止する方法。
- 16−フェノキシ−15−デオキシ−15,15−ジフルオロ−17,18,19,20−テトラノルプロスタグランジンF2αもしくはそのアルキルエステルまたはその塩を有効成分として含有する点眼液に抗酸化剤を配合することで、該有効成分の分解を抑制する方法。
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