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JP3869070B2 - 油検知装置 - Google Patents

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JP3869070B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラント内機器および車両などの部品からの油漏れを検知し、この油の漏洩膜厚,漏洩面積,および漏洩量を演算することができるとともに、漏洩した油の油種および部位を特定可能な油検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、蛍光法を用いた油に関する膜厚の測定技術には、特公平4−18763号公報に開示された生産中の「鋼板表面の塗油量測定方法及び装置」が挙げられる。この従来例は、塗油された鋼板または鋼板の表面にレーザ光を照射して蛍光させ、上記鋼板表面からの蛍光の内、油のみに含まれる成分の蛍光スペクトル強度を測定すると、この蛍光スペクトル強度が膜厚に比例するため、塗布した油膜を求めることができるようにしたものである。
【0003】
しかし、上記従来例において実際に油膜の測定を行うと、蛍光強度の測定値が下地鋼板や鋼帯の表面粗度の影響を受けるため、予め表面粗度毎の蛍光強度−塗油量の関係を示す検量線で用意しておき、この検量線と蛍光強度の測定結果から塗油量を求めるようにしている。したがって、塗布面積が既知であれば、塗油量から膜厚を容易に推定することが可能となる。
【0004】
一方、漏洩面積の測定技術には、特開平6−129987号公報に開示された「柑橘等の油胞損傷判定装置」が挙げられる。この従来例においては、装置と検査対象である柑橘が、蛍光灯などによる外乱の影響を防ぐため暗室内に置かれ、柑橘の表面に紫外線を照射して油胞の損傷部位を蛍光させている。そして、フィルタを用い、この蛍光の内で強度が強いスペクトル領域を選択して高感度カメラや光検出センサで観測し、画像処理または信号処理を行って損傷部位の蛍光面積を求めるものである。
【0005】
また、プラント内機器などで微小な破損部が存在し、その破損部から高圧作動油が漏洩すると、上記破損部から油が高圧で吹き出すため、霧状の微粒子になって広域に飛散して漏洩する場合がある。この霧状漏油の検知技術には、巡回による機器の目視検査,油触により静電容量や抵抗が変化する油センサ,および霧状漏油により屈折率が変化する光ファイバ式センサが知られている。
【0006】
さらに、プラントや建物の排水口における油流出を監視する技術には、水表面にレーザ光を照射して、その反射光を検知して水と油の反射率の違いから油の流出を検知する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特公平4−18763号公報に開示された油膜測定装置や、特開平6−129987号公報に開示された油胞判定装置をプラント内機器および車両などの部品からの油漏れ検知に適用した場合、以下の課題が生じる。
【0008】
すなわち、上記各従来例では、第一に、太陽光や照明などの外乱光が存在する明るい環境では適用することができない。これは、外乱光が増加するため、検知する油の蛍光強度に対する外乱光の割合が多くなり、S/N比が低下するためである。
【0009】
第二に、照射装置の経年劣化などによる膜厚測定精度の低下が挙げられる。すなわち、油の蛍光強度は、膜厚の他に照射装置の照射強度に依存する。このため、照射装置が劣化して照射強度が低下するに従って、膜厚が同一でも油が発する蛍光強度が弱くなる。その結果、油検知装置では上記蛍光強度から膜厚を演算するため、照射強度が低下すると、膜厚を本来の膜厚より薄く判定することになる。
【0010】
以上の課題に加えて、蛍光法を用いた従来の油検知技術では、プラント内機器および車両などの部品からの油漏れに対して、漏洩した油の膜厚分布,漏洩面積,漏洩量の演算,および漏洩油種の特定が不可能である。
【0011】
一方、プラント内機器などの目視検査では、検査員が霧状漏油の雰囲気中を巡視することは安全上好ましくなく、このような視界不良になると、予想される状況下で漏洩部位を特定することは困難である。
【0012】
また、静電容量式や抵抗式の油センサの検知感度は、機器から漏れて滴下する程度の油量である。油が霧状の微粒子になって広域に飛散する霧状油では、油センサで検知する油の量が微量となるため、検知することが困難である。
【0013】
さらに、光ファイバ式のセンサでは、油が光ファイバに付着した部分を漏洩部位と判定する。この光ファイバ式による検知では、霧状漏油は広域に飛散して光ファイバに広く付着するため、漏洩部位の特定が困難になるといった課題がある。
【0014】
そして、水と油の反射率の違いからプラントや建物の排水口からの油流出を監視する反射式の油検知技術では、水面に浮いて薄膜状になった油の反射率が水の反射率より大きいことを利用して検知する。このため、水より反射率が大きければ油以外でも検知する可能性があるといった課題がある。また、反射式の油検知技術では、流出する油の膜厚,流出面積,流出量,および流出油種を把握することができないといった課題もある。
【0015】
そこで本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、プラント内機器および車両などの部品からの油漏れ,霧状の微粒子になって漏洩する霧状油,および水面に浮いて流出する薄膜状の油を検知することができ、検知場所や検知雰囲気の制限、太陽光や蛍光灯などの外乱や照射装置の劣化などによる誤検知が少なく、漏洩面積,膜厚やその分布,漏洩量,漏洩油種および漏洩部位を特定することができる油検知装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、検知対象とする油の吸収波長を含むパルス光を照射し、油を構成する分子を励起して蛍光させる照射装置と、この照射装置により励起された油の蛍光波長を選択する波長選択素子と、前記照射装置により油が蛍光を発している時間を選択して観測する観測装置と、この観測装置の出力を画像処理および信号処理のいずれかを行う処理装置とを備え、前記照射装置は、検知対象油の吸収特性に基づいてパルス光の照射波長を選択し測定できる膜厚範囲を調節可能な照射波長選択装置を備えたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1記載の油検知装置において、照射装置が、パルス光源と、このパルス光源からのパルス光の照射波長を選択する波長選択素子とを有し、この波長選択素子を曲面形状に形成したことを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1記載の油検知装置において、観測装置がゲート機能を備え油の発光を観測する光検出素子を有し、この光検出素子により観測した漏油の検知信号を積算処理する信号積算処理装置を処理装置に設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1記載の油検知装置において、観測装置が高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有し、この映像増倍管にて油の蛍光を検知した検知画像を積算処理する画像積算処理装置を処理装置に設けたことを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1記載の油検知装置において、処理装置が漏洩した油の膜厚を演算する膜厚演算装置を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1または5記載の油検知装置において、照射装置がパルス光の照射強度を測定して漏洩した油の膜厚の測定精度を補正する光源劣化補正装置を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項7の発明は、請求項5記載の油検知装置において、膜厚演算装置が観測装置で観測した油の蛍光強度に基づいて膜厚を演算することを特徴とする。
【0024】
請求項8の発明は、請求項5記載の油検知装置において、膜厚演算装置が観測装置で観測した漏油の検知信号が一定値になるまで積算処理し、その積算回数から油の膜厚を推定することを特徴とする。
【0025】
請求項9の発明は、請求項1記載の油検知装置において、処理装置が、監視対象に対する距離情報から検知画像の蛍光強度を補正して蛍光強度分布を求め、この蛍光強度分布から油膜の厚さ分布を演算する膜厚分布演算装置を備えたことを特徴とする。
【0026】
請求項10の発明は、請求項1または9記載の油検知装置において、観測装置が、高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有する一方、処理装置が、検知画像から油の蛍光領域を抽出し、これと膜厚分布演算装置による膜厚の演算結果から漏洩量を求める油量演算装置を備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項11の発明は、請求項1記載の油検知装置において、観測装置が、高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有する一方、処理装置が霧状の微粒子になって飛散して漏洩した油の検知画像から漏洩部位を特定する漏洩箇所特定装置を備えたことを特徴とする。
【0028】
請求項12の発明は、請求項1記載の油検知装置において、照射装置がパルス光を目的の監視領域に照射する照射ヘッドを有し、この照射ヘッドの前部に所定間隔をおいて反射板を取り付けたことを特徴とする。
【0029】
請求項13の発明は、請求項1記載の油検知装置において、観測装置が二種以上の観測波長で油を観測し、その蛍光強度の比から油種を判別する油種判別装置を処理装置に設けたことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
〔第1実施形態〕
図1〜図11は本発明に係る油検知装置の第1実施形態を示し、図1はその構成図である。この第1実施形態の油検知装置は、火力発電所内の各種機器における漏油を検知するものである。
【0032】
図1に示すように、本実施形態の油検知装置は、検知対象とする油の吸収波長を含むパルス光を照射して、油を構成する分子を励起して蛍光させる照射装置10と、この照射装置10により励起された油の蛍光波長を選択する波長選択素子を有し、油が蛍光を発している時間を選択して観測する観測装置20と、この観測装置20の出力を画像処理または信号処理する処理装置30とから大略構成されている。
【0033】
照射装置10は、例えば、Xe(キセノン)フラッシュランプなどのパルス光源11と、このパルス光源11から照射されたパルス光12を絞り光ファイバ13に導入するためのレンズ14と、このレンズ14に導入されたパルス光12を監視領域の近傍まで伝送する上記光ファイバ13と、この光ファイバ13を通して伝送されたパルス光12を目的の監視領域に照射するための照射ヘッド15とから構成されている。
【0034】
また、照射ヘッド15は、複数の波長選択素子を備え、パルス光12の照射波長を選択することが可能な照射波長選択装置16と、光ファイバ13により伝送されたパルス光12の照射強度を測定して膜厚の測定精度を補正する光源劣化補正装置17と、光ファイバ13により伝送されたパルス光12を監視領域の広さに拡大して照射するための照射レンズ18とから構成されている。
【0035】
観測装置20は、油の発光波長を選択して観測するための波長選択素子である観測フィルタ21と、観測する領域を監視領域に合わせるレンズ22と、油の発光を観測するとともに、ゲート機能を有し光検出素子としての光電子増倍管23とから構成されている。また、観測装置20は信号伝送線24を介して処理装置30と接続されている。
【0036】
処理装置30は、パルス光源11の照射タイミングを制御するタイミング制御装置31と、このタイミング制御装置31からのタイミング信号をパルス光源11へ伝送するタイミング信号伝送線32と、光電子増倍管23の出力信号を積算処理する信号積算処理装置33と、漏洩した油の膜厚を演算する膜厚演算装置34と、信号積算処理装置33の処理結果および膜厚演算装置34で求めた膜厚を表示する出力モニタ装置35と、油漏れの有無を知らせる警告器36とから構成されている。また、処理装置30は信号伝送線37を介して照射ヘッド15と接続されている。
【0037】
機器38から漏洩した油(以下、漏油と称する。)39は、火力発電所で使用されている油を例に挙げる。火力発電所で使用されている油には、ガスタービン油(G/T油),スチームタービン油(S/T油),高圧作動油としての電気作動油(EHC油)などがある。ここで、検知対象とする漏油39は、ガスタービン油として蛍光灯などの通常照明下に設置された機器38から漏洩しているものとする。また、このような漏油39には、表面にゴミやほこりが付着した漏油,漏洩後ラード状に変質した漏油,さらにはグリースなどの半固体潤滑剤の漏油,および固体潤滑剤の漏油なども含まれる。
【0038】
次に、第1実施形態の作用および効果を説明する。
【0039】
パルス光源11は、発光のパルス幅が短くかつ高出力であるほうが望ましく、発光のパルス幅が短ければ、パルス光12の照射後の油が発光している時間をより長く選択して観測できるため、S/N比が大きくなるからである。また、高出力であれば、監視領域を広げることが可能となる。ここでは、パルス光源11にXe(キセノン)フラッシュランプした場合を例にとり説明する。
【0040】
まず、タイミング制御装置31によってパルス光源11を発光させる。この発光の繰り返しタイミングは、監視したい時間間隔に合わせ任意に決めることが可能であり、3Hzとした。そして、パルス光源11から出射したパルス光12は、レンズ14によって絞られて光ファイバ13に導入される。そして、この光ファイバ13によってパルス光12が照射ヘッド15へ導かれる。なお、光ファイバ13はパルス光12を伝送可能であればよく、ここでは石英コアの光ファイバとした。この光ファイバ13により、遠隔で狭隘な部分に設置された照射ヘッド15へパルス光12を容易に導くことができる。
【0041】
照射ヘッド15では、複数の波長選択素子を備え、パルス光12の照射波長を選択することができる照射波長選択装置16によって照射波長を選択する。この照射波長選択装置16の波長選択素子には、例えば、カラーガラスフィルタや干渉フィルタが選択され、その形状は一般的な平板形状であり、照射波長は、油種がガスタービン油である漏油39の吸収波長を含み、この油を励起発光させてその蛍光強度から膜厚が演算できる波長とする必要がある。
【0042】
ところで、膜厚dの油が吸収する励起光と、この励起光により発する蛍光には式(1)に示す関係がある。すなわち、
【数1】
Figure 0003869070
【0043】
この式(1)をグラフ化して図2に示す。図2に示すように、膜厚dが薄いと膜厚dと蛍光強度If が一対一の対応関係にあって蛍光強度If から膜厚dの演算が可能であるが、膜厚dが厚くなると蛍光強度If が飽和するため膜厚の演算が不可能になる。この時、蛍光強度If の飽和は、式(1)におけるe - β d 項の吸収係数βに大きく依存する。このため、目的の膜厚dを測定するには、測定範囲で蛍光強度If が飽和せず、膜厚dと蛍光強度If とが一対一の対応関係となる照射波長を選択する必要がある。
【0044】
そこで、適切な吸収係数βを決め、検知対象油の吸収特性に基づいてこの吸収係数βを満たす照射波長を選定する。まず、膜厚演算装置34では、式(1)の蛍光強度If がIa ・α・(1−e-1)/β以下の場合、蛍光強度が一対一の対応関係にあって蛍光強度If から膜厚dの演算が可能になるように設定する。したがって、e - β d 項からβ・dは式(2)を満たす必要がある。
【0045】
【数2】
d・β≦1 ……(2)
【0046】
また、目的とする測定範囲を0〜10-4m(100μm)とすると、βは式(3)を満たす必要がある。
【0047】
【数3】
β≦104 -1 ……(3)
【0048】
一方、分光光度計を用いて測定したガスタービン油の吸収波長を図3に示す。吸光度Aには、式(4)に示す関係がある。
【0049】
【数4】
Figure 0003869070
【0050】
図3において、油の濃度c=0.0026、光路長さL=0.01mであり、この値と式(3)の値を式(4)に代入すれば、吸光度A≦0.26となる。ここで、吸光度A=0.26として図3に示す吸収特性からこの値となる波長を選択すると、照射波長は360nm付近が望ましいと選定することができる。
【0051】
したがって、膜厚0〜100μmのガスタービン油を測定するためには、照射波長が360nmとなるような波長選択素子を照射波長選択素子16に設け、また、膜厚演算装置34には、式(1)と蛍光強度の測定値から膜厚dを求めることができるように、この時の励起光強度Ia ,蛍光の効率α,吸収係数βの膜厚演算条件を記憶している。
【0052】
同様の手順により、各種油について膜厚0〜100μmを測定するため求めた照射波長を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003869070
【0054】
また、スチームタービン油の吸収波長を図4に、高圧作動油としての電気作動油(EHC油)の吸収波長を図5に示す。表1より、照射波長が280nm、360nmとなるような波長選択素子が照射波長選択装置16に設けられている。そして、膜厚演算装置34には、膜厚演算条件と式(1)から膜厚を求めることができるように、各油の膜厚演算条件が記憶されている。
【0055】
以上により、照射波長選択装置16を用い、照射波長を360nmと選定したパルス光12を照射ヘッド15から漏油39に照射する。漏油39は、このパルス光12を吸収して蛍光を発する。この蛍光は、ガスタービン油であるため図7に示す発光波長を有している。一方、監視領域には、漏油39の蛍光の他に太陽や蛍光灯などの外乱光や背景となる機器38の発光が存在している。
【0056】
そこで、観測フィルタ21の観測波長を400〜450nmに設定した観測装置20の光電子増倍管23により、漏油39の蛍光を観測する。観測装置20の観測フィルタ21は、ガスタービン油の発光波長を選択して観測できるように選定されている。但し、漏油39を蛍光させる照射波長360nmと観測フィルタ21によって選択する観測波長が重ならないように考慮した。ここで、参考に電気作動油およびスチームタービン油の発光波長を図6および図8にそれぞれ示す。したがって、油種ごとに観測フィルタ21の観測波長を選定することで、特定の油種のみを選択的に検知することができる。
【0057】
また、スチームタービン油、ガスタービン油および高圧作動油である電気作動油の漏油の発光時間は、それぞれ図9、図10および図11に示すように、概ね500ns以内で減衰している。このため、S/N比を大きくするには、パルス光12の時間幅は油の発光時間より十分短い方が有利である。
【0058】
次いで、観測装置20の光電子増倍管23で観測した漏油39の蛍光を検知した検知信号は、信号伝送線24を経て処理装置30へ伝送される。この処理装置30では、タイミング制御装置31の照射タイミングに基づいてパルス光12の照射後で漏油39が蛍光している時間の信号だけを抽出する。この信号が、漏油39の蛍光を検知した漏油検知信号である。この漏油検知信号を膜厚演算装置34に送出すれば、この膜厚演算装置34により予め記憶しておいた膜厚演算条件と式(1)から膜厚を求めることができる。
【0059】
以上のような作用の結果、観測装置20の観測フィルタ21による観測波長の選択機能と、処理装置30による観測時間の選択機能とにより、太陽や蛍光灯などの外乱光や背景となる機器38の発光があっても、漏油39の蛍光を高感度に検知可能となる。
【0060】
また、照射波長選択装置16により照射波長を選択して漏油39を蛍光させると、膜厚演算条件と式(1)を記憶した膜厚演算装置34によって、太陽や蛍光灯などの外乱光や背景となる機器38の発光があっても、測定できる膜厚範囲を調整して漏油39の膜厚を求めることができる。この時の油種には、例えばガスタービン油,スチームタービン油,および高圧作動油が挙げられる。
【0061】
さらに、油漏れの有無は、この膜厚から判定することができ、出力モニタ装置35に油漏れの有無,膜厚,および漏油検知信号を必要に応じてモニタ表示することができる。そして、警告器36によって警告ランプまたは警告音を発して油漏れを知らせることも可能である。
【0062】
次に、本実施形態における光源劣化補正装置17の作用および効果を説明する。
【0063】
経年劣化などによりパルス光源11の照射強度Ia が低下すると、式(1)から同じ膜厚でも蛍光強度If が減少する。この場合、処理装置30では照射強度Ia の低下を認識することができず、蛍光強度If の減少は漏油39の膜厚が薄くなったと判断する。このため、パルス光源11の低下により膜厚の測定精度が低下することになる。
【0064】
そこで、本実施形態では、この測定精度の低下を照射ヘッド15に備えた光源劣化補正装置17により改善する。すなわち、光源劣化補正装置17により、照射ヘッド15から照射されるパルス光12の照射強度Im を測定する。そして、予め記憶しておいた基準照射強度Ib を用い、式(5)に従い劣化率γを求める。
【0065】
【数5】
Figure 0003869070
【0066】
この劣化率γの信号を信号伝送線37を経て処理装置30に送出し、光電子増倍管23の検知信号に劣化率γを掛ける。この演算を式(1)で考えれば、低下した照射強度Im の場合から基準照射強度Ib における蛍光強度を算出したことになる。この光電子増倍管23の検知信号に劣化率γを演算してパルス光源11の照射強度の低下を校正した補正検知信号に基づいて漏油検知信号を抽出して膜厚演算装置34に送出し、予め記憶しておいた膜厚演算条件と式(1)から膜厚を求める。
【0067】
以上のような作用の結果、光電子増倍管23の検知信号に劣化率γを演算した補正検知信号に基づいて漏油39の膜厚を求めることで、経年劣化などが原因となるパルス光源11の照射強度の低下を校正することができ、膜厚測定精度の低下を防止することが可能となる。
【0068】
次に、本実施形態における信号積算処理装置33の作用および効果を説明する。
【0069】
光源劣化補正装置17により劣化率γを求め、照射波長選択装置16を用い照射波長を360nmと選定したパルス光12を照射ヘッド15から漏油39に照射する。この漏油39は、このパルス光12を吸収して蛍光を発する。
【0070】
そこで、観測フィルタ21の観測波長を400〜450nmに設定した観測装置20を光電子増倍管23により漏油39の蛍光を観測する。
【0071】
そして、観測装置20の光電子増倍管23で観測した漏油39の蛍光を検知した検知信号は、信号伝送線24を経て処理装置30へ伝送される。この処理装置30では、まず上記検知信号に光源劣化補正装置17で求めた劣化率γを演算することで、補正検知信号とする。これにより、パルス光源11の劣化による膜厚測定精度の低下を改善することができる。
【0072】
次いで、タイミング制御装置31の照射タイミングに基づいてパルス光12の照射後で漏油39が蛍光している時間の補正検知信号だけを抽出する。この補正検知信号は、パルス光源11の繰り返しタイミングが3Hzであるため、1/3秒毎に得られ、順に信号積算処理装置33へ送出される。そして、この信号積算処理装置33では、上記補正検知信号を積算回数だけ積算して漏油検知信号を得る。ここで、上記積算回数は20 回、21 回、22 回、……27 回、28 回で任意に変えることができ、漏油検知信号は以下の式(6)である。
【0073】
【数6】
Figure 0003869070
【0074】
この漏油検知信号を求めることで、油の検知信号以外に、発光波長が油の蛍光波長に近く、高強度で時間的にランダムな外乱を検知して誤検知信号を観測しても、積算処理の効果によって、この誤検知信号による影響を低減させることができる。上記漏油検知信号は、膜厚演算装置33に送出され、予め記憶しておいた膜厚演算条件と式(1)から膜厚を求める。
【0075】
以上のような作用の結果、補正検知信号を設定回数だけ積算処理した漏油検知信号によって漏油を判断するため、油の蛍光以外に、発光波長が油の蛍光波長に近く高強度で時間的にランダムな外乱を検知して誤検知信号を観測しても、積算処理の効果によって、この誤検知信号による影響を低減することができる。また、出力モニタ装置35では、積算設定回数,漏油検知信号を必要に応じてモニタ表示することができる。
【0076】
〔第2実施形態〕
図12は本発明に係る油検知装置の第2実施形態を示す構成図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して説明する。以下の各実施形態も同様である。
【0077】
図12に示すように、本実施形態の漏油検知装置は、前記第1実施形態と同様に照射装置10と、観測装置20と、処理装置30とから大略構成されている。照射装置10は、パルス光源11と、このパルス光源11から照射されたパルス光12を絞り光ファイバ13に導入するためのレンズ14と、このレンズ14に導入されたパルス光12を監視領域の近傍まで伝送する上記光ファイバ13と、この光ファイバ13を通して伝送されたパルス光12を目的の監視領域に照射するための照射ヘッド15とから構成されている。
【0078】
また、照射ヘッド15は、パルス光12の照射強度を測定して膜厚の測定精度を補正する光源劣化補正装置17と、パルス光12を監視領域の広さに拡大して照射するための照射レンズ18と、光ファイバ13により伝送されたパルス光12から照射波長を選択し、曲面形状に形成された波長選択素子40とから構成されている。
【0079】
観測装置20は、油の発光波長を選択して観測するための波長選択素子である観測フィルタ21と、観測する領域を監視領域に合わせるレンズ22と、油の発光を観測するため高速シャッタ機能を備えた光検出素子としてのアバランシュフォトダイオード41とから構成されている。また、観測装置20は信号伝送線24を介して処理装置30と接続されている。
【0080】
処理装置30は、パルス光源11の照射タイミングを制御するタイミング制御装置31と、このタイミング制御装置31からのタイミング信号をパルス光源11へ伝送するタイミング信号伝送線32と、アバランシュフォトダイオード41の出力信号を積算処理して、その積算回数から漏洩した油の膜厚を演算する膜厚演算装置42と、この膜厚演算装置42で求めた膜厚を表示する出力モニタ装置35と、油漏れの有無を知らせる警告器36とから構成されている。また、処理装置30は信号伝送線37を介して照射ヘッド15と接続されている。
【0081】
ここで、本実施形態において検知対象とする漏油39は、ガスタービン油であり、蛍光灯などの通常照明下にある機器38から漏洩しているものとする。
【0082】
次に、第2実施形態の作用および効果を説明する。
【0083】
パルス光源11は、前記第1実施形態と同様にXeフラッシュランプとし、その照射波長は検知対象である漏油39の吸収波長を含み、漏油39を励起発光させ、その蛍光強度が膜厚に比例する波長とする。そこで、膜厚dの油が吸収する励起光と、これにより発する蛍光の関係を示す式(1)を式(7)に示すように近似する。
【0084】
【数7】
Figure 0003869070
【0085】
この場合、蛍光強度If と膜厚dが比例する。そして、この近似式が成立するのは、式(8)が成り立つ場合である。
【0086】
【数8】
β・d<< 1 ……(8)
【0087】
目的とする測定範囲を0〜100μmとして、0≦d≦10-4の条件で式(8)を満たすβを選定する。βは任意に選定可能であり、ここではβ=102 とする。
【0088】
β=102 を式(4)へ代入して吸光度を求め、図3に示す検知対象油であるガスタービン油の吸収波長から、この吸光度を満たす波長を選択する。式(4)から吸光度Aを求める。
【0089】
【数9】
Figure 0003869070
【0090】
そして、図3に示す吸収波長から吸光度A=0.0026となる波長を選択すると、照射波長は380nm付近が望ましいと選定できる。したがって、膜厚0〜100μmのガスタービン油を測定するため、照射波長が380nmとする必要がある。また、膜厚演算装置42には、漏油と判定する漏油判定膜厚の蛍光強度を基準蛍光強度値として記憶する。
【0091】
同様の手順により、各種油について膜厚0〜100μmを測定するために求めた照射波長を表2に示す。
【0092】
【表2】
Figure 0003869070
【0093】
表2より、照射波長が300nm、330nm、380nmとなるような波長選択素子40が設けられている。また、同様に膜厚演算装置42には、漏油と判定する各油の基準蛍光強度値が記憶されている。
【0094】
以上のような作用の結果、パルス光源11の照射波長を380nmに選定して膜厚0〜100μmのガスタービン油,スチームタービン油,高圧作動油の漏油を蛍光させると、式(8)に示すように蛍光強度が膜厚に比例する関係を得ることができる。
【0095】
次に、本実施形態における波長選択素子40の作用および効果を説明する。
【0096】
図12に示すように、蛍光灯などの通常照明下にある機器38からガスタービン油の漏油39を検知するため、タイミング制御装置31によってパルス光源11を前記第1実施形態と同様に3Hzの繰り返しタイミングで発光させる。パルス光源11から出射したパルス光12は、レンズ14によって絞られて光ファイバ13に導入される。そして、この光ファイバ13によってパルス光12が照射ヘッド15へ導かれる。この照射ヘッド15では、まず、パルス光源11の劣化による測定精度の低下を改善するため、光源劣化補正装置17で劣化率γを求める。
【0097】
その後、曲面形状の波長選択素子40によって、漏油の油種に合わせてパルス光12の照射波長を選択して照射する。漏油39はガスタービン油であるため、照射波長が380nmとなるような波長選択素子40とした。この際、波長選択素子40を曲面形状の構造とすることで、照射ヘッド15内部で光ファイバ13から出射して拡がるパルス光12の全角度成分が波長選択素子40に対して常に垂直に入射するようになる。
【0098】
なお、波長選択素子40には、光が波長選択素子に垂直に入射しないと、選択波長が目的とする波長からずれる特性がある。このため、平板状の波長選択素子を適用した場合には、光ファイバ13から出射したパルス光12が拡がって波長選択素子に垂直入射しない角度成分があるため、選択波長が照射角度によって変化してしまう。
【0099】
以上のような作用の結果、曲面形状の波長選択素子40を用いることにより、波長選択素子40の選択波長がパルス光12の入射角度によって変わり、このために起こる照射ヘッド15の照射波長が照射角度によって変わる照射波長の角度依存性を取り除くことができ、照射波長をあらゆる方向にも一様に380nmとすることができる。この曲面形状の波長選択素子40には、例えば、カラーガラスフィルタや干渉フィルタが挙げられる。
【0100】
次に、本実施形態におけるアバランシュフォトダイオード41および膜厚演算装置42の作用および効果を説明する。
【0101】
漏油39は、照射ヘッド15から照射されたパルス光を吸収して蛍光を発する。この蛍光は、前記のように図7に示す発光波長で、図10に示す発光時間を有している。そこで、観測フィルタ21の観測波長を400〜450nmと設定した観測装置20のアバランシュフォトダイオード41をタイミング制御装置31を用いてゲート動作させ、パルス光照射後の200nsの間だけ蛍光を観測する。
【0102】
観測装置20のアバランシュフォトダイオード41で観測した検知信号は、処理装置30へ伝送される。この処理装置30では、検知信号に光源劣化補正装置17で求めた劣化率γを演算することで補正検知信号とする。これにより、パルス光源11の劣化による膜厚測定精度の低下を改善することができる。この補正検知信号は、パルス光源11の繰り返しタイミングが3Hzであるため1/3秒毎に得られ、順に膜厚演算装置42へ送出される。
【0103】
膜厚演算装置42では、この補正検知信号を積算処理していき、各積算回数における蛍光強度を演算する。この積算処理は、蛍光強度の測定値が予め記憶しておいた基準蛍光強度値になるまで行い、この時の積算回数値を求める。膜厚は、この積算回数値を用い、膜厚と蛍光強度が比例することを利用して式(10)により求める。
【0104】
【数10】
Figure 0003869070
【0105】
漏油39の有無は、この膜厚から判定し、設定した漏油判定膜厚になると漏油と判定する。出力モニタ装置35では、漏油の有無,膜厚,積算回数値,補正検知信号,基準蛍光強度値とその膜厚を必要に応じてモニタ表示することができる。また、警告器36によって警告ランプまたは音を発して漏油を知らせることも可能である。
【0106】
以上のような作用の結果、観測フィルタ21による観測波長を選択して、アバランシュフォトダイオード41をゲート動作させてパルス照射後の一定時間だけ油の蛍光を観測することにより、蛍光灯の外乱や背景となる機器38の発光があっても、油の発光波長を選択して発光時間だけを観測することができる。また、式(7)が成り立つ照射波長を選択すると、油の蛍光と膜厚を比例させることができる。そして、アバランシュフォトダイオード41の検知信号を予め記憶した基準蛍光強度値になるまで積算処理してその積算回数値を求めれば、式(10)により漏油の膜厚を演算することが可能となる。
【0107】
〔第3実施形態〕
図13は本発明に係る油検知装置の第3実施形態を示す構成図である。
【0108】
図13に示すように、本実施形態の漏油検知装置は、前記第1実施形態と同様に照射装置10と、観測装置20と、処理装置30とから大略構成されている。照射装置10は、パルス光源11と、このパルス光源11から照射されたパルス光12を絞り光ファイバ13に導入するためのレンズ14と、このレンズ14に導入されたパルス光12を監視領域の近傍まで伝送する上記光ファイバ13と、この光ファイバ13を通して伝送されたパルス光12を目的の監視領域に照射するための照射ヘッド15とから構成されている。
【0109】
また、照射ヘッド15は、複数の波長選択素子を備え、パルス光12の照射波長を選択することが可能な照射波長選択装置16と、光ファイバ13により伝送されたパルス光12の照射強度を測定して膜厚の測定精度を補正する光源劣化補正装置17と、光ファイバ13により伝送されたパルス光12を監視領域の広さに拡大して照射するための照射レンズ18とから構成されている。
【0110】
観測装置20は、油の発光波長を選択して観測するための波長選択素子である観測フィルタ21と、観測する領域を監視領域に合わせるレンズ22と、油の発光時間のみを選択して観測するための高速シャッタ機能および映像増倍機能を備えた映像増倍管である高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43と、この高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43で観測した油の蛍光した画像を像伝送するためのイメージファイバ44と、このイメージファイバ44で伝送された画像をモニタ表示するために撮像するCCDカメラ45とから構成されている。
【0111】
処理装置30は、パルス光源11の照射タイミングと高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43のシャッタタイミングを制御してパルス光12の照射後の油が発光している時間のみを選択して観測するためのタイミング制御装置31と、このタイミング制御装置31からのタイミング信号をパルス光源11へ伝送するタイミング信号伝送線32と、CCDカメラ45の出力画像を積算処理する画像積算処理装置46と、監視対象と照射ヘッド15間の距離情報,監視対象と観測装置20間の距離情報から油の蛍光強度を補正して漏洩した油の膜厚分布を演算する膜厚分布演算装置47と、漏洩した油の漏洩量を求める油量演算装置48と、画像積算処理装置46の処理結果,膜厚分布演算装置47で求めた膜厚分布,油量演算装置48で求めた漏洩量を表示する画像モニタ49と、油漏れの有無を知らせる警告器36とから構成されている。また、検知対象とする漏油39は、ガスタービン油であり、蛍光灯などの通常照明下にある機器38から漏洩しているものとする。
【0112】
次に、第3実施形態の作用および効果を説明する。
【0113】
パルス光源11は、前記第1、第2実施形態と同様にXeフラッシュランプが使用され、タイミング制御装置31によって3Hzの繰り返しタイミングで発光させる。パルス光源11から出射したパルス光12は、レンズ14によって絞られて光ファイバ13に導入される。この光ファイバ13によってパルス光12が照射ヘッド15へ導かれる。この照射ヘッド15では、まず、照射波長を選択する。漏油39はガスタービン油であるため、照射波長選択装置16の波長選択素子によって上記照射波長を380nmとした。
【0114】
さらに、パルス光源11の劣化による測定精度の低下を改善するため、光源劣化補正装置17で劣化率γを求めておく。この後、監視領域の大きさに合わせて任意の大きさに調節して照射する。漏油39は、照射ヘッド15から照射されたパルス光を吸収して蛍光を発する。この蛍光は、前記のように図7に示す発光波長で図10に示す発光時間を有している。
【0115】
そこで、観測フィルタ21の観測波長を400〜450nmと設定し、タイミング制御装置31によりパルス光照射後の200nsの間だけ高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43をシャッタ動作をさせて漏油39の蛍光を観測する。以上のような作用の結果、観測フィルタ21と高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43によって、油の発光波長を選択して発光時間だけを観測すると、蛍光灯などの外乱や背景となる機器38の発光があっても油の蛍光だけを選択的に観測することができる。
【0116】
また、高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43で観測した漏油39の検知画像は、イメージファイバ44で像伝送された後、CCDカメラ45で撮影される。この後、上記検知画像は処理装置30へ画像信号として送出される。
【0117】
処理装置30では、まず検知画像に光源劣化補正装置17で求めた劣化率γを演算することで補正検知画像とする。これにより、パルス光源11の劣化により膜厚測定精度の低下を改善することができる。この補正検知画像は、パルス光源11の繰り返しタイミングが3Hzであるため1/3秒毎に得られ、順に画像積算処理装置46へ送出される。
【0118】
そして、画像積算処理装置46により補正検知画像を積算回数だけ積算して漏油検知画像を得る。ここで、積算回数は1〜28 回で任意に変えることができ、漏油検知画像は以下の式(11)である。
【0119】
【数11】
Figure 0003869070
【0120】
以上のような作用の結果、この漏油検知画像を求めることで、油の検知画像以外に、発光波長が油の蛍光波長に近く高強度で時間的にランダムな外乱を検知して誤検知画像を観測しても、積算処理の効果によってこの誤検知画像による影響を低減させることができる。
【0121】
次に、本実施形態における膜厚分布演算装置47の作用および効果を説明する。
【0122】
イメージインテンシファイア43にて観測した漏油検知画像中で各画素の位置を横xと縦yで表し、1≦x≦X、1≦y≦Yとする。ここで、Xは画像モニタ49の横方向画素の最大値、Yは画像モニタ49の縦方向画素の最大値を示している。
【0123】
ところで、漏油検知画像の蛍光強度分布から膜厚分布を求めるが、画素(x,y)に対応する実際の監視部位が変わると、観測装置20までの距離や照射されるパルス光強度が異なるため、単純に各画素の蛍光強度から膜厚分布を求めることができない。
【0124】
そこで、膜厚分布演算装置47には、蛍光強度を補正して膜厚分布を求めるため、検知距離条件と基準膜厚条件を記憶しておく。ここで、上記検知距離条件とは、画素(x,y)に対応する監視部位と照射ヘッド15間の距離Lp (x,y)、監視部位と観測装置20間の距離Lo (x,y)である。上記基準膜厚条件とは、監視部位と照射ヘッド15間の基準距離Lpb,監視部位と観測装置20間の基準距離Lobにおける励起光強度Ia ,蛍光の効率α,吸収係数βの膜厚演算条件である。そして、以下の式(12)に従い、各画素の蛍光強度I(x,y)から補正した蛍光強度分布If (x,y)を求める。
【0125】
【数12】
Figure 0003869070
【0126】
式(12)は、監視部位のパルス光照射強度が距離の二乗に反比例し、これにより発する蛍光強度も距離の二乗に反比例することを利用して、各画素の蛍光強度I(x,y)から蛍光強度分布If (x,y)を求めている。そして、この蛍光強度分布If (x,y)と式(1)とから膜厚分布F(x,y)が求まる。
【0127】
以上のような作用の結果、膜厚分布演算装置47を用い、監視対象と油検知装置の距離情報から検知画像の蛍光強度を補正して蛍光強度分布If (x,y)求め、この蛍光強度分布と式(1)から油膜の厚さ分布F(x,y)を求めることができる。
【0128】
次に、本実施形態における油量演算装置48の作用および効果を説明する。
【0129】
油量演算装置48によって漏洩量を求めるには、まず漏油検知画像から漏油の蛍光領域を抽出して、1≦x≦X、1≦y≦Yで以下に定義するS(x,y)を求める。
【0130】
【数13】
Figure 0003869070
【0131】
そして、式(14)によって漏洩量Vを計算する。
【0132】
【数14】
Figure 0003869070
【0133】
また、漏油の面積Dは、式(15)によって計算することができる。
【0134】
【数15】
Figure 0003869070
【0135】
以上のような作用の結果、油量演算装置48によって、膜厚分布演算装置47で求めた膜厚分布と漏油検知画像から抽出した蛍光領域を演算することで、式(14)に示す漏洩量および式(15)に示す漏油の面積を求めることができる。
【0136】
また、漏油の有無は、漏油の膜厚分布F(x,y),面積D,漏洩量Vのいづれからでも判定可能であり、いづれの場合も設定値を越えると漏油と判定することができる。漏油検知画像は、画像表示するための画像モニタ49により逐次モニタすることができる。同時に、漏油の膜厚分布F(x,y),面積D,漏洩量Vを画像モニタ49に表示することも可能である。
【0137】
そして、漏油を知らせる警告器36によって警告ランプまたは音を発して漏油を知らせることもできる。加えて、油の膜厚分布F(x,y),面積D,漏洩量Vを把握できるため、製造中あるいは使用中にある機器や車両の潤滑部などを監視すれば、油の塗布状況や潤滑状態の監視が可能となる。
【0138】
〔第4実施形態〕
図14は本発明に係る油検知装置の第4実施形態を示す構成図である。
【0139】
図14に示すように、本実施形態の漏油検知装置は、前記第1実施形態と同様に照射装置10と、観測装置20と、処理装置30とから大略構成されている。照射装置10は、パルス光源11と、このパルス光源11から照射されたパルス光12を絞り光ファイバ13に導入するためのレンズ14と、このレンズ14に導入されたパルス光12を監視領域の近傍まで伝送する上記光ファイバ13と、この光ファイバ13を通して伝送されたパルス光12を目的の監視領域に照射するための照射ヘッド15とから構成されている。また、照射ヘッド15は、パルス光12を監視領域の広さに拡大して照射するための照射レンズ18を具備している。
【0140】
観測装置20は、油の発光波長を選択して観測するための波長選択素子である観測フィルタ21と、観測する領域を監視領域に合わせるレンズ22と、油の発光時間のみを選択して観測するための高速シャッタ機能および映像増倍機能を備えた高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43と、この高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43で観測した油の蛍光した画像を像伝送するためのイメージファイバ44と、このイメージファイバ44で伝送された画像をモニタ表示するために撮像するCCDカメラ45とから構成されている。
【0141】
処理装置30は、パルス光源11の照射タイミングと高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43のシャッタタイミングを制御してパルス光12の照射後の油が発光している時間のみを選択して観測するためのタイミング制御装置31と、このタイミング制御装置31からのタイミング信号をパルス光源11へ伝送するタイミング信号伝送線32と、観測した油粒子の時間変化から油の漏洩部位を特定する漏洩箇所特定装置50と、この漏洩箇所特定装置50によって特定された漏洩部位を画像表示する画像モニタ49と、油漏れの有無を知らせる警告器36とから構成されている。
【0142】
ところで、本実施形態の油漏れは、スチームタービン油が蛍光灯などの通常照明下にある機器38から霧状の微粒子になって飛散して漏洩した場合を想定する。この霧状漏油51は、プラント内機器で高圧作動用に使用されている油が漏洩した場合に起こる可能性がある。
【0143】
次に、第4実施形態の作用および効果を説明する。
【0144】
パルス光源11は、パルスレーザとし、このパルスレーザの選定は、発光波長によって決定し、その発光波長は検知対象である霧状漏油51の吸収波長を含み、霧状漏油51を励起発光させる波長である必要がある。
【0145】
そこで、図3〜図5に示す各油の吸収波長から考えて、全ての油を励起発光させるためにパルスレーザの発光波長は200〜280nmの紫外領域にあればよいことがわかる。また、監視領域が拡がるためパルスレーザは高出力で、かつレーザ光自体が外乱とならないように短パルスであることが望ましい。
【0146】
以上のような発光波長,出力,およびパルスの観点から油検知装置に利用可能なパルス光源としては、チタンサファイアレーザ,エキシマレーザ,窒素レーザ,およびYAGレーザなどがある。ここでは、パルス光源11としてYAGレーザの第四高調波(発光波長266nm、パルス幅5ns:FWHM(半値全幅))を用いた。
【0147】
図8に示すスチームタービン油の発光波長から観測フィルタ21の観測波長を350〜400nmと設定した観測装置20によって、図14に示す蛍光灯などの通常照明下にある機器38からスチームタービン油の霧状漏油51を検知する。そして、タイミング制御装置31によってパルス光源11を発光させる。この時の発光の繰り返しタイミングは、監視したい時間間隔に合わせ任意に決めることが可能であり10Hzとした。
【0148】
パルス光源11から出射したパルス光12は、レンズ14によって絞られて光ファイバ13に導入される。この光ファイバ13によってパルス光12が照射ヘッド15へ導かれる。この照射ヘッド15では、照射レンズ18によりパルス光を監視領域の大きさに合わせて任意の大きさに調節して照射する。すると、霧状漏油51は、照射ヘッド15から照射されたパルス光を吸収して蛍光を発する。この蛍光は、前記のように図8に示す発光波長で図9に示す発光時間を有している。
【0149】
そこで、タイミング制御装置31によって、パルス光照射後の200nsの間だけ観測装置20の高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43をシャッタ動作させる。このように、観測フィルタ21と高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43を用いて油の発光波長を選択して発光時間だけ観測すると、蛍光灯などの外乱や背景となる機器38の発光があっても油の蛍光だけを選択的に観測することができる。
【0150】
次いで、高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43で観測した漏油の検知画像は、イメージファイバ44で像伝送されCCDカメラ45で撮影される。この検知画像は、パルス光源11の繰り返しタイミングが10Hzであるため1/10秒毎に得られ、順に処理装置30の漏洩箇所特定装置50へ画像信号として送出される。
【0151】
この漏洩箇所特定装置50では、1/10秒毎に伝送されてくる検知画像の時間変化から漏洩部位を特定する。その検知画像は、霧状漏油51であるため画像中に無数の小さな油粒子が蛍光を発した画像となる。そこで、ある検知画像と、さらに1/10秒後の検知画像とを比較する。これらの両検知画像を比較すると、各油粒子の軌跡からその移動方向を求めることができる。そして、各油粒子の移動方向元を追っていくことにより、機器38の漏洩部位を特定することができる。
【0152】
さらに、画像表示するための画像モニタ49により検知画像は逐次モニタすることができる。この画像モニタ49には、漏油のみ蛍光した検知画像を得ることができ、また微量の漏洩でも蛍光すれば検知できるため、早期検知が可能となる。さらに、必要に応じて漏洩部位を明示することもできる。加えて、漏油を知らせる警告器36によって警告ランプまたは音を発して漏油を知らせることも可能である。
【0153】
以上のような作用の結果、観測フィルタ21と高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43によって、油の発光波長を選択して発光時間だけを観測すると、蛍光灯などの外乱や背景となる機器38の発光があっても、油の蛍光だけを選択して観測することができる。そして、検知画像が画像中に無数の小さな油粒子が蛍光を発した画像となるため、検知画像とその一定時間後の検知画像とを比較することにより、各霧状油粒子の移動方向を計算して移動元を辿ることで、機器38の漏洩部位を特定することができる。
【0154】
〔第5実施形態〕
図15は本発明に係る油検知装置の第5実施形態を示す構成図である。
【0155】
図15に示すように、本実施形態の漏油検知装置は、前記第1実施形態と同様に照射装置10と、観測装置20と、処理装置30とから大略構成されている。照射装置10は、パルス光源11と、このパルス光源11から照射されたパルス光12を絞り光ファイバ13に導入するためのレンズ14と、このレンズ14に導入されたパルス光12を監視領域の近傍まで伝送する上記光ファイバ13と、この光ファイバ13を通して伝送されたパルス光12を目的の監視領域に照射するための照射ヘッド15とから構成されている。また、照射ヘッド15は、パルス光12を監視領域の広さに拡大して照射するための照射レンズ18を具備している。
【0156】
観測装置20は、油の発光波長を選択して観測するための波長選択素子である観測フィルタ21と、観測する領域を監視領域に合わせるレンズ22と、油の発光時間のみを選択して観測するための高速シャッタ機能および映像増倍機能を備えた高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43と、この高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43で観測した油の蛍光した画像を像伝送するためのイメージファイバ44と、このイメージファイバ44で伝送された画像をモニタ表示するために撮像するCCDカメラ45とから構成されている。
【0157】
また、観測装置20の前部には、4本の支持部材54が取り付けられ、この支持部材54に反射板53が固定されている。これにより、反射板53は、観測装置20の前部に対して所定の間隔をおいて配設されることになる。
【0158】
処理装置30は、パルス光源11の照射タイミングと高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43のシャッタタイミングを制御してパルス光12の照射後で油が発光している時間のみを選択して観測するためのタイミング制御装置31と、このタイミング制御装置31からのタイミング信号をパルス光源11へ伝送するタイミング信号伝送線32と、油漏れの状態を画像表示するための画像モニタ49と、油漏れの有無を知らせる警告器36とから構成されている。
【0159】
ところで、本実施形態の検知対象である漏油は、プラントや建物の排水口から流出するスチームタービン油とする。上記排水口からの流出油は数μm程度の非常に薄い油膜であり、汚水表面に浮いた薄膜状漏油52となって流出する場合が多い。そこで、装置の検知感度を向上させるため、監視部位の排水口底面に漏油の蛍光を反射する反射板53を設置し、底面で反射する漏油の蛍光も観測するようにしている。
【0160】
次に、第5実施形態の作用および効果を説明する。
【0161】
本実施形態の油検知装置を用いて図15に示す排水口から流出したスチームタービン油の薄膜状漏油52を検知する。そして、タイミング制御装置31によってパルス光源11を発光させる。この時の発光の繰り返しタイミングは、監視したい時間間隔に合わせ任意に決めることが可能であり10Hzとした。
【0162】
パルス光源11から出射したパルス光12は、レンズ14によって絞られて光ファイバ13に導入される。この光ファイバ13によってパルス光12が照射ヘッド15へ導かれる。この照射ヘッド15では、照射レンズ18によりパルス光を監視領域の大きさに合わせて任意の大きさに調節して照射する。すると、薄膜状漏油52は、照射ヘッド15から照射されたパルス光を吸収して蛍光を発する。この際、観測装置20では、薄膜状漏油52から直接観測する蛍光に加えて排水口底面に設置した反射板53により排水口底面で反射した蛍光も観測することができるため、観測光量を増加させることができる。この蛍光は、前記のように図8に示す発光波長で図9に示す発光時間を有している。
【0163】
そこで、観測フィルタ21の観測波長を350〜400nmと設定し、タイミング制御装置31によって、パルス光照射後の200nsの間だけ観測装置20の高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43をシャッタ動作をさせて薄膜状漏油52の蛍光を観測する。
【0164】
このように反射板53により観測光量を増大させ、観測フィルタ21と高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43を用いて油の発光波長を選択して発光時間だけ観測すると、水面に蛍光灯などの反射光やその他の外乱となる光があっても、薄膜状で微量な漏油も感度よく検知することができる。
【0165】
次いで、高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43で観測した漏油の検知画像は、イメージファイバ44で像伝送されCCDカメラ45で撮影される。この検知画像は、パルス光源11の繰り返しタイミングが10Hzであるため1/10秒毎に得られ、順に処理装置30へ画像信号として送出される。
【0166】
処理装置30では、画像表示するための画像モニタ49により検知画像は逐次モニタすることができる。この画像モニタ49には、漏油のみ蛍光した検知画像を得ることができ、また微量の漏洩でも蛍光すれば検知できるため、早期検知が可能となる。さらに、漏油を知らせる警告器36によって警告ランプまたは音を発して漏油を知らせることも可能である。
【0167】
以上のような作用の結果、薄膜状漏油52から直接観測する蛍光に加え、排水口底面に設置した反射板53により排水口底面で反射した蛍光も観測することができるため、観測光量を増加させることができる。そして、この薄膜状漏油52の蛍光に対して、観測フィルタ21と高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43を用い、油の発光波長を選択して発光時間だけを観測すると、水面に蛍光灯などの反射光やその他の外乱となる光があっても、薄膜状で微量な薄膜状漏油52を感度よく検知することができる。
【0168】
〔第6実施形態〕
図16は本発明に係る油検知装置の第6実施形態を示す構成図である。
【0169】
図16に示すように、本実施形態の漏油検知装置は、前記第1実施形態と同様に照射装置10と、観測装置20と、処理装置30とから大略構成されている。照射装置10は、パルス光源11と、このパルス光源11から照射されたパルス光12を絞り光ファイバ13に導入するためのレンズ14と、このレンズ14に導入されたパルス光12を監視領域の近傍まで伝送する上記光ファイバ13と、この光ファイバ13を通して伝送されたパルス光12を目的の監視領域に照射するための照射ヘッド15とから構成されている。また、照射ヘッド15は、パルス光12を監視領域の広さに拡大して照射するための照射レンズ18を具備している。
【0170】
観測装置20は、漏洩した油の油種を判別するために観測波長を選択する観測波長選択装置55と、観測する領域を監視領域に合わせるレンズ22と、油の発光時間のみを選択して観測するための高速シャッタ機能および映像増倍機能を備えた高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43と、この高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43で観測した油の蛍光した画像を像伝送するためのイメージファイバ44と、このイメージファイバ44で伝送された検知画像をモニタ表示するためのCCDカメラ45とから構成されている。観測波長選択装置55は、複数の波長選択素子を備えており、観測波長を選択することができる。
【0171】
処理装置30は、パルス光源11の照射タイミングと高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43のシャッタタイミングを制御してパルス光12の照射後で油が発光している時間のみを選択して観測するためのタイミング制御装置31と、このタイミング制御装置31からのタイミング信号をパルス光源11へ伝送するタイミング信号伝送線32と、監視対象に対する距離情報から油の蛍光強度を補正して漏洩した油の膜厚分布を演算する膜厚分布演算装置47と、漏洩した油の油種を判別する油種判別装置56と、膜厚分布演算装置47で求めた膜厚分布,油種判別装置56で判定した油種を画像表示する画像モニタ49と、油漏れの有無を知らせる警告器36とから構成されている。
【0172】
ここで、検知対象とする漏油39は、その油種が不明であり、蛍光灯などの通常照明下にある機器から漏洩しているものとする。
【0173】
次に、第6実施形態の作用および効果を説明する。
【0174】
油種判別装置56では、二種の観測波長で漏油を観測してその蛍光強度の比から漏洩油種を判別する。これは、油の蛍光波長が油種に特有であるため、蛍光強度比が油種に固有の値となることを利用したものである。例えば、式(16)で定義する観測波長300nmと観測波長400nmの蛍光強度比を求めると、表3に示すように蛍光強度比が油種に固有の値となって油種判別が可能となる。また、二種の観測波長は任意に選ぶことが可能である。
【0175】
【数16】
Figure 0003869070
【0176】
【表3】
Figure 0003869070
【0177】
以上のような作用の結果、二種の観測波長で漏油を観測してその蛍光強度の比を求めると、この蛍光強度の比が油種に固有の値となるため漏油の油種判別が可能となる。
【0178】
本実施形態の油検知装置を用い、図16に示す蛍光灯などの通常照明下にある機器38から漏洩した漏油39の油種を判別するに際し、YAGレーザの第四高調波(発光波長266nm、パルス幅5ns:FWHM)を用いた。また発光波長を266nmとすることで、油種に拘わらず検知対象とする全油種を励起発光させることが可能となる。
【0179】
まず、タイミング制御装置31によって10Hzで発光させる。パルス光源11から出射したパルス光は、レンズ14によって絞られて光ファイバ13に導入される。この光ファイバ13によってパルス光12が照射ヘッド15へ導かれる。この照射ヘッド15では、照射レンズ18によりパルス光を監視領域の大きさに合わせて任意の大きさに調節して照射する。すると、漏油39は、照射ヘッド15から照射されたパルス光を吸収して蛍光を発する。
【0180】
そこで、まず観測波長選択装置55の観測波長を300nmとし、タイミング制御装置31によってパルス光照射後の200nsの間だけ観測装置20の高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43をシャッタ動作をさせて観測波長300nmの検知画像を観測する。この高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43で観測した検知画像は、イメージファイバ44で像伝送され、CCDカメラ45で撮影される。その後、検知画像は処理装置30へ送出される。また、観測波長選択装置55の観測波長を400nmとして、同様に観測波長400nmの検知画像が観測されその画像信号が処理装置30へ送出される。
【0181】
処理装置30では、膜厚分布演算装置47によって観測波長300nmの検知画像における蛍光強度分布I300 (x,y)を求め、次に観測波長400nmの蛍光強度I400 (x,y)を求め、それらの信号を油種判別装置56へ送出する。この油種判別装置56では、式(17)に示す観測波長300nmと観測波長400nmの蛍光強度比分布R(x,y)を求め、この蛍光強度比分布R(x,y)と表3から、画素(x,y)に対応する漏洩部位の漏洩油種を判別する。
【0182】
【数17】
Figure 0003869070
【0183】
このようにして判別した漏洩油種,検知画像,蛍光強度分布,および蛍光強度比分布は、画像モニタ49によって逐次表示することができる。この画像モニタ49には、漏油のみ蛍光した検知画像を得ることができ、また微量の漏洩でも蛍光すれば検知できるため、早期検知が可能となる。さらに、漏油を知らせる警告器36によって警告ランプまたは音を発して漏油と漏洩油種を知らせることも可能である。
【0184】
以上のような作用の結果、観測フィルタ21と高速ゲート付きのイメージインテンシファイア43によって、油の発光波長を選択して発光時間だけを観測すると、蛍光灯などの外乱や背景となる機器38の発光があっても油の蛍光だけを選択して観測することができ、さらに二種の観測波長で漏油を観測してその蛍光強度の比を求め、この蛍光強度の比が油種に固有の値となるため漏油の油種判別を行うことができる。
【0185】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、検知対象とする油の吸収波長を含むパルス光を照射し、油を構成する分子を励起して蛍光させる照射装置と、この照射装置により励起された油の蛍光波長を選択する波長選択素子と、前記照射装置により油が蛍光を発している時間を選択して観測する観測装置と、この観測装置の出力を画像処理および信号処理のいずれかを行う処理装置とを備え、前記照射装置は、検知対象油の吸収特性に基づいてパルス光の照射波長を選択し測定できる膜厚範囲を調節可能な照射波長選択装置を備えたことにより、照射装置が検知対象油の吸収波長を含むパルス光を放出可能となり、油を励起発光させることができる。この油の蛍光波長を選択するための波長選択素子を備え、油の発光時間を選択して観測する観測装置によって検知することで、油の発光波長と発光時間を選択して観測することができ、各種機器や物質の発光や蛍光灯などの外乱光の中から検知対象である油の微弱な蛍光を選択的に検知することができる。
また、処理装置により検知結果に信号処理または画像処理を施すことで、検知感度を向上させて検知場所や検知雰囲気に制限がなく、蛍光灯などの外乱や照射装置の劣化による誤検知を低下させ、漏洩面積,膜厚やその分布,漏洩量,漏洩油種および漏洩部位を特定することができる。
【0186】
さらに、照射装置は、検知対象油の吸収特性に基づいてパルス光の照射波長を選択し測定できる膜厚範囲を調節可能な照射波長選択装置を備えたことにより、照射装置において、測定する膜厚で照射強度と蛍光強度との関係が飽和せず、対応関係にある条件の照射波長を選択することで、処理装置において、膜厚と蛍光強度が対応することを利用して油の膜厚を求める際に、測定可能な膜厚範囲を調節することができる
【0187】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の油検知装置において、照射装置は、パルス光源と、このパルス光源からのパルス光の照射波長を選択する波長選択素子とを有し、この波長選択素子を曲面形状に形成したことにより、点光源から発したパルス光を波長選択素子に対して常に垂直に入射させることができ、波長選択素子の選択波長がパルス光の入射角度によって変わることを防止でき、いかなる方向にも目的とする波長を放射する照射装置を提供することができる。
【0188】
請求項3の発明によれば、請求項1記載の油検知装置において、観測装置がゲート機能を備え油の発光を観測する光検出素子を有し、この光検出素子により観測した漏油の検知信号を積算処理する信号積算処理装置を処理装置に設けたことで、観測装置の検知信号を一定時間で積算処理し、この処理信号によって油漏れを判断することにより、監視点付近において発光波長が油の蛍光波長に近く高強度で時間的にランダムな外乱が発生しても、一定時間の処理信号で油漏れの有無を判断するため、誤検知を低減させることができる。
【0189】
請求項4の発明によれば、請求項1記載の油検知装置において、観測装置が高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有し、この映像増倍管にて油の蛍光を検知した検知画像を積算処理する画像積算処理装置を処理装置に設けたことで、観測装置の検知画像を一定時間で積算処理し、この処理画像によって油漏れを判断することにより、監視領域において発光波長が油の蛍光波長に近く、高強度で時間的にランダムな外乱が発生しても、一定時間の処理画像で油漏れを判断するため、誤検知を低減させることができる。
【0190】
請求項5の発明によれば、請求項1記載の油検知装置において、処理装置が漏洩した油の膜厚を演算する膜厚演算装置を備えたことにより、観測装置の検知強度が油の膜厚に依存することを利用して、処理装置で信号処理または画像処理を施すことにより、油の膜厚を演算することができる。
【0191】
請求項6の発明によれば、請求項1または5記載の油検知装置において、照射装置がパルス光の照射波長を選択し測定できる膜厚範囲を調節可能な照射波長選択装置を備えたことにより、照射装置において、測定する膜厚で照射強度と蛍光強度との関係が飽和せず、対応関係にある条件の照射波長を選択することで、処理装置において、膜厚と蛍光強度が対応することを利用して油の膜厚を求める際に、測定可能な膜厚範囲を調節することができる。
【0192】
請求項6の発明によれば、請求項1または5記載の油検知装置において、照射装置がパルス光の照射強度を測定して漏洩した油の膜厚の測定精度を補正する光源劣化補正装置を備えたことにより、照射強度が低下して油の蛍光強度が低下することによる膜厚測定の精度低下を改善することができる。
【0193】
請求項7の発明によれば、請求項5記載の油検知装置において、膜厚演算装置が観測装置で観測した油の蛍光強度に基づいて膜厚を演算することで、処理装置において、膜厚と蛍光強度が対応することにより、観測した蛍光強度から油の膜厚を求めることができる。
【0194】
請求項8の発明によれば、請求項5記載の油検知装置において、膜厚演算装置が観測装置で観測した漏油の検知信号が一定値になるまで積算処理し、その積算回数から油の膜厚を推定することにより、処理装置に油漏れと判定する油漏れ判定膜厚の蛍光強度を記憶しておき、観測装置の検知信号がこの蛍光強度になるまで積算処理して積算回数を求め、膜厚と蛍光強度が比例することを利用して(油漏れ判定膜厚)/(積算回数)により、油の膜厚を求めることができる。
【0195】
請求項9の発明によれば、請求項1記載の油検知装置において、処理装置は、監視対象に対する距離情報から検知画像の蛍光強度を補正して蛍光強度分布を求め、この蛍光強度分布から油膜の厚さ分布を演算する膜厚分布演算装置を備えたことで、監視対象に対する距離関係から検知画像の蛍光強度を補正して蛍光強度分布を求めると、膜厚と蛍光強度が対応することにより、油の膜厚分布を求めることができる。
【0196】
請求項10の発明によれば、請求項1または9記載の油検知装置において、観測装置は、高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有する一方、処理装置は、検知画像から油の蛍光領域を抽出し、これと膜厚分布演算装置による膜厚の演算結果から漏洩量を求める油量演算装置を備えたことにより、検知画像から油の蛍光領域を抽出して、これに膜厚分布演算装置で演算した膜厚分布を演算することで、漏洩量を求めることができる。
【0197】
請求項11の発明によれば、請求項1記載の油検知装置において、観測装置は、高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有する一方、処理装置が霧状の微粒子になって飛散して漏洩した油の検知画像から漏洩部位を特定する漏洩箇所特定装置を備えたことで、検知画像とその一定時間後の検知画像を比較することにより、各霧状油粒子の移動方向を計算して移動元を辿ることで機器の漏洩部位を特定することができる。
【0198】
請求項12の発明によれば、請求項1記載の油検知装置において、照射装置がパルス光を目的の監視領域に照射する照射ヘッドを有し、この照射ヘッドの前部に所定間隔をおいて反射板を取り付けたので、この反射板をプラントや建物の排水口底面部に配置して油の蛍光を反射させることにより、観測装置において、油からの蛍光に加えて反射板で反射する蛍光も観測することができ、検知感度を向上させることができる。
【0199】
請求項13の発明によれば、請求項1記載の油検知装置において、観測装置が二種以上の観測波長で油を観測し、その蛍光強度の比から油種を判別する油種判別装置を処理装置に設けたので、二種以上の観測波長で油を観測し、それらの蛍光強度の比を求めると、この蛍光強度の比が油種に固有の値となるため油種を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油検知装置の第1実施形態を示す構成図。
【図2】膜厚と油の蛍光強度との関係を示すグラフ。
【図3】検知対象油としてガスタービン油の吸収スペクトル測定データを示す波形図。
【図4】検知対象油としてスチームタービン油の吸収スペクトル測定データを示す波形図。
【図5】検知対象油として高圧作動油である電気作動油の吸収スペクトル測定データを示す波形図。
【図6】検知対象油として高圧作動油である電気作動油の発光スペクトルの測定結果を示す波形図。
【図7】検知対象油としてガスタービン油の発光スペクトルの測定結果を示す波形図。
【図8】検知対象油としてスチームタービン油の発光スペクトルの測定結果を示す波形図。
【図9】検知対象油としてスチームタービン油の発光時間データを示す波形図。
【図10】検知対象油としてガスタービン油の発光時間データを示す波形図。
【図11】検知対象油として高圧作動油である電気作動油の発光時間データを示す波形図。
【図12】本発明に係る油検知装置の第2実施形態を示す構成図。
【図13】本発明に係る油検知装置の第3実施形態を示す構成図。
【図14】本発明に係る油検知装置の第4実施形態を示す構成図。
【図15】本発明に係る油検知装置の第5実施形態を示す構成図。
【図16】本発明に係る油検知装置の第6実施形態を示す構成図。
【符号の説明】
10 照射装置
11 パルス光源
12 パルス光
13 光ファイバ
14 レンズ
15 照射ヘッド
16 照射波長選択装置
17 光源劣化補正装置
18 照射レンズ
20 観測装置
21 観測フィルタ(波長選択素子)
22 レンズ
23 光電子増倍管(光検出素子)
24 信号伝送線
30 処理装置
31 タイミング制御装置
32 タイミング信号伝送線
33 信号積算処理装置
34 膜厚演算装置
35 出力モニタ装置
36 警告器
37 信号伝送線
38 機器
39 漏油
40 波長選択素子
41 アバランシュフォトダイオード(光検出素子)
42 膜厚演算装置
43 イメージインテンシファイア(映像増倍管)
44 イメージファイバ
45 CCDカメラ
46 画像積算処理装置
47 膜厚分布演算装置
48 油量演算装置
49 画像モニタ
50 漏洩箇所特定装置
51 霧状漏油
52 薄膜状漏油
53 反射板
54 支持部材
55 観測波長選択装置
56 油種判別装置

Claims (13)

  1. 検知対象とする油の吸収波長を含むパルス光を照射し、油を構成する分子を励起して蛍光させる照射装置と、この照射装置により励起された油の蛍光波長を選択する波長選択素子と、前記照射装置により油が蛍光を発している時間を選択して観測する観測装置と、この観測装置の出力を画像処理および信号処理のいずれかを行う処理装置とを備え、前記照射装置は、検知対象油の吸収特性に基づいてパルス光の照射波長を選択し測定できる膜厚範囲を調節可能な照射波長選択装置を備えたことを特徴とする油検知装置。
  2. 請求項1記載の油検知装置において、前記照射装置は、パルス光源と、このパルス光源からのパルス光の照射波長を選択する波長選択素子とを有し、この波長選択素子を曲面形状に形成したことを特徴とする油検知装置。
  3. 請求項1記載の油検知装置において、前記観測装置は、ゲート機能を備え油の発光を観測する光検出素子を有し、この光検出素子により観測した漏油の検知信号を積算処理する信号積算処理装置を処理装置に設けたことを特徴とする油検知装置。
  4. 請求項1記載の油検知装置において、前記観測装置は、高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有し、この映像増倍管にて油の蛍光を検知した検知画像を積算処理する画像積算処理装置を前記処理装置に設けたことを特徴とする油検知装置。
  5. 請求項1記載の油検知装置において、前記処理装置は、漏洩した油の膜厚を演算する膜厚演算装置を備えたことを特徴とする油検知装置。
  6. 請求項1または5記載の油検知装置において、前記照射装置は、パルス光の照射強度を測定して漏洩した油の膜厚の測定精度を補正する光源劣化補正装置を備えたことを特徴とする油検知装置。
  7. 請求項5記載の油検知装置において、前記膜厚演算装置は、前記観測装置で観測した油の蛍光強度に基づいて膜厚を演算することを特徴とする油検知装置。
  8. 請求項5記載の油検知装置において、前記膜厚演算装置は、前記観測装置で観測した漏油の検知信号が一定値になるまで積算処理し、その積算回数から油の膜厚を推定することを特徴とする油検知装置。
  9. 請求項1記載の油検知装置において、前記処理装置は、監視対象に対する距離情報から検知画像の蛍光強度を補正して蛍光強度分布を求め、この蛍光強度分布から油膜の厚さ分布を演算する膜厚分布演算装置を備えたことを特徴とする油検知装置。
  10. 請求項1または9記載の油検知装置において、前記観測装置は、高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有する一方、前記処理装置は、検知画像から油の蛍光領域を抽出し、これと膜厚分布演算装置による膜厚の演算結果から漏洩量を求める油量演算装置を備えたことを特徴とする油検知装置。
  11. 請求項1記載の油検知装置において、前記観測装置は、高速シャッタおよび映像増倍機能を有する映像増倍管を有する一方、前記処理装置は、霧状の微粒子になって飛散して漏洩した油の検知画像から漏洩部位を特定する漏洩箇所特定装置を備えたことを特徴とする油検知装置。
  12. 請求項1記載の油検知装置において、前記照射装置は、パルス光を目的の監視領域に照射する照射ヘッドを有し、この照射ヘッドの前部に所定間隔をおいて反射板を取り付けたことを特徴とする油検知装置。
  13. 請求項1記載の油検知装置において、前記観測装置が二種以上の観測波長で油を観測し、その蛍光強度の比から油種を判別する油種判別装置を処理装置に設けたことを特徴とする油検知装置。
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