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JP6989444B2 - 作業端末、漏油検出装置、及び、漏油検出方法 - Google Patents

作業端末、漏油検出装置、及び、漏油検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、作業端末、漏油検出装置、及び、漏油検出方法に係り、特に、変圧器、コンデンサ、GIS(ガス絶縁開閉装置)の油圧操作器、整流器などの、油入機器の漏油検出に好適な、作業端末、漏油検出装置、及び、漏油検出方法に関する。
従来から、貯油タンクや変圧器等の油入機器では、劣化或いは事故等により、油漏れ(漏油)が発生する懸念があった。漏油は、環境汚染や災害につながる可能性があるため、初期段階の漏油を簡易、かつ、高精度に検出する技術が求められてきた。
この問題を解決する従来技術として、特許文献1に記載されたものがある。この文献には、漏油の吸収波長を含む紫外光を被測定物(変圧器などの検査対象物)に照射した際に、漏油が反射する蛍光を検出することで漏油を検出する技術が記載されており、より具体的には、紫外光照射中の撮影画像の各ピクセルを画像処理することで各ピクセルの明度と彩度を演算し、明度−彩度グラフおよび明度−彩度特性曲線を作成するとともに、この明度−彩度特性曲線から所定値以上乖離したピクセルを蛍光箇所、すなわち、漏油箇所と認識する技術が記載されている。
特開2016−90560号公報
特許文献1に記載の技術は、漏油の可能性の高い箇所に、紫外光源やカラー撮像機を固定したものであり、これらと検査対象となる油入機器の距離が一定、すなわち、油入機器に照射される紫外光の照射強度が固定である場合を前提としたものである。この構成は、漏油を高精度に検出できるものであるが、漏油の検査範囲が限定されるものでもある。
ここで、特許文献1の漏油検出技術は、漏油付着の有無の判断基準となる明度−彩度グラフ上の閾値直線を、明度−彩度特性曲線から各ピクセルの明度、彩度のバラツキを考慮した一定幅だけ離れた位置に固定し、この閾値直線を上回る、あるいは、下回るピクセルに相当する箇所を漏油と判断している。
ところが、各ピクセルの明度、彩度のバラツキは、被測定物に照射される紫外光強度に依存するため、検査対象物の様々な箇所を検査できるように、紫外光源やカラー撮像機の自由移動を許容する構成(例えば、ウェアラブル測定装置にそれらを配置)にすると、これらと被測定物の距離が変化し、検査対象物上での紫外光の照射強度が変化する結果、各ピクセルの明度、彩度のバラツキ幅も変化してしまうため、明度、彩度のバラツキ幅が固定された状況での使用を想定した特許文献1の技術では、漏油を正確に検出できないという問題があった。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、紫外光源やカラー撮像機と、検査対象物の距離が変化する場合であっても、漏油を正確に検出できるようにすることである。
上記課題を解決するために、本発明の漏油検出装置は、油入機器との距離を測定する距離測定部と、前記油入機器に紫外光を照射する紫外光源と、紫外光が照射された前記油入機器を撮影するカラー撮像部と、前記距離測定部が測定した距離と前記カラー撮像部の撮影画像に基づいて、前記油入機器の漏油を診断する画像処理部と、該画像処理部が処理した処理画像を表示する表示部と、を具備し、前記画像処理部は、前記撮影画像の各ピクセルの、Red値、Green値、Blue値から、各ピクセルの明度値、彩度値を演算し、それらを横軸彩度、縦軸明度の明度−彩度グラフにプロットし該明度−彩度グラフから、前記油入機器の明度−彩度特性直線を作成し、前記明度−彩度特性直線と平行な上側閾値直線を上回ったピクセル群に対応した部位、或いは、前記明度−彩度特性直線と平行な下側閾値直線を下回ったピクセル群に対応した部位を、漏油と診断するものであり、前記画像処理部は、前記明度−彩度特性直線と前記上側閾値直線の間隔、および、前記明度−彩度特性直線と前記下側閾値直線の間隔を、前記距離測定部が測定した距離に反比例させるものとした。
また、本発明の漏油検出方法は、油入機器との距離を測定し、前記油入機器に紫外光を照射し、紫外光が照射された前記油入機器を撮影し、測定距離と撮影画像に基づいて、前記油入機器の漏油を診断し、診断処理した処理画像を表示する漏油検出方法であって、前記漏油の診断は、前記撮影画像の各ピクセルの、Red値、Green値、Blue値から、各ピクセルの明度値、彩度値を演算し、それらを横軸彩度、縦軸明度の明度−彩度グラフにプロットし、該明度−彩度グラフから、前記油入機器の明度−彩度特性直線を作成し、前記明度−彩度特性直線と平行な上側閾値直線を上回ったピクセル群に対応した部位、或いは、前記明度−彩度特性直線と平行な下側閾値直線を下回ったピクセル群に対応した部位を、漏油と診断するものであり、前記明度−彩度特性直線と前記上側閾値直線の間隔、および、前記明度−彩度特性直線と前記下側閾値直線の間隔を、測定距離と反比例した間隔とするものとした。
本発明によれば、紫外光源やカラー撮像機と、検査対象物の距離が変化する場合であっても、漏油を正確に検出することができる。
実施例1の漏油検出装置の概略構成図。 実施例1のウェアラブル装置の概略構成図。 実施例1の漏油検出装置の明度−彩度グラフの概略図。 実施例1の漏油検出処理を説明するフローチャート。 実施例1の漏油検出装置での撮影画像と処理画像の一例を示す図面。 実施例2のウェアラブル装置を現場作業員と共に示す概略構成図。 実施例3の漏油検出装置における現場作業員の位置の概略図。 実施例3の漏油検出装置の各撮影画像を合わせる方法の概略図。 実施例3の明度−彩度グラフで漏油を診断する原理図。 実施例4のウェアラブル装置の概略構成図。 実施例4のウェアラブル装置を現場作業員と共に示す概略構成図。 実施例4の検査対象物と現場作業員を三次元表示する手法を示す図。 実施例5の漏油検出装置の処理画像の時間変化と機械学習の関係を示す概略原理図。 実施例6の漏油検出装置の概略構成図。 実施例7の漏油検出装置の概略構成図。 実施例8の漏油検出装置の概略構成図。 実施例8のウェアラブル測定装置の概略構成図。
以下、図面を用いながら、本発明の漏油検出装置及び漏油検出方法の実施例を説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
図1から図5を用いて、油入機器の漏油を検査する、本発明の実施例1の漏油検出装置100を説明する。
図1は、検査対象物6と、実施例1の漏油検出装置100の関係を示す概略構成図である。この検査対象物6は、変圧器、コンデンサ、GIS(ガス絶縁開閉装置)の油圧操作器、整流器等の、大型の油入機器であり、図1は、現場作業員12が大型の油入機器の一面の漏油を検査している状況を示している。
ここに示す如く、漏油検出装置100は、現場作業員12が操作する作業端末の一種であるウェアラブル装置1と、遠隔設置された通信部9b、画像処理部10から構成されている。なお、本実施例では、パソコン等の汎用コンピューターで画像処理部10の機能を実現するため、ウェアラブル装置1と画像処理部10等が分離した構成を例示しているが、小型かつ高速なマイコン等を利用できる場合は、画像処理部10をウェアラブル装置1に内蔵しても良く、その場合は、通信部9b等を省略することができる。
ウェアラブル装置1は、検査対象物6に紫外光を照射する紫外光源2と、紫外光が照射された検査対象物6の表面の検査範囲15を撮影するカラー撮像部3と、ウェアラブル装置1と検査対象物6の距離を測定するレーザ変位計等の距離測定部4と、これらを制御する制御部5と、後述する処理画像17を表示する表示部11と、を備えている。
これらのうち、紫外光源2は、ブラックライトやLED光源を利用することができる。カラー撮像部3は、可視光を撮影するデジタルカメラや監視カメラ等の汎用品を利用することができる。距離測定部4は、レーザ変位計やGPS受信機を利用することができる。制御部5は、検査対象物6の撮影画像16を記録する記録部8と、通信部9bと通信する通信部9aを備え、紫外光源2、カラー撮像部3、距離測定部4を制御する。
図2は、ウェアラブル装置1の具体例である。ここに示すウェアラブル装置1は、メガネ状のものであり、フレームの右側に紫外光源2とカラー撮像部3を配置し、フレームの左側に距離測定部4と制御部5を配置している。紫外光源2、カラー撮像部3、距離測定部4をこのように近接配置することで、紫外光源2が紫外光を照射する領域とカラー撮像部3が撮影する領域を略一致させることができる。また、距離測定部4がレーザ変位計である場合、レーザ光の照射位置を紫外光照射領域や撮影領域の範囲内とすることができ、紫外光源2やカラー撮像部3から検査対象物6までの距離を十分な精度で測定することができる。
なお、後述する図3、図4の処理精度をより高めるには、距離測定部4を、紫外光源2やカラー撮像部3と同じく右側のフレームに配置し、これらを近接させる構成が好ましいが、検査対象物6と現場作業員12の距離に比べ、ウェアラブル装置1の左右フレーム間の距離は十分に小さいため、図2のように左右フレームに分かれた配置としても大きな問題はない。
また、本実施例のウェアラブル装置1では、右側のレンズ上に表示部11を配置している。この表示部11を半透過型ディスプレイとすれば、画像処理部10から処理画像17を受信している場合はそれを表示し、受信していない場合は透明にしておくことができる。
図1、図2に例示した構成により、本実施例の漏油検出装置100では、カラー撮像部3の撮影画像16と距離測定部4の測定距離を基に、遠隔設置した画像処理部10で漏油診断を実行し、画像処理部10で処理した処理画像17をウェアラブル装置1の表示部11に表示することができる。
図5は、カラー撮像部3が撮影した撮影画像16と、表示部11に表示される処理画像17の比較図である。図5(a)の撮影画像16では、右上にある漏油付着部7が存在するが、油が無色や漏油非付着部14と同系統の色である場合は、非熟練の現場作業員にとっては漏油付着部7の識別が困難である。一方、図5(b)の処理画像17では、漏油付着部7がハッチング処理、点滅処理、着色処理等により強調されているため、非熟練の現場作業員であっても漏油付着部7を容易に特定することができる。
このように、本実施例のウェアラブル装置1の表示部11には、目で見えた画面と同じような画面(撮影画像16)を基にした、漏油付着部7を色付け等の形で強調した処理画像17を表示する。これにより、ウェアラブル装置1を装着した現場作業員12は、漏油の有無を確認したい場所に移動し、検査対象物6の方向を見るだけで、画像処理部10での漏油診断結果が表示部11に表示されるため、非熟練の現場作業員であっても漏油の有無や漏油場所を迅速、正確に知ることができ、精密点検や保守作業の要否を正確に判断することができる。
なお、上述したように、本実施例の画像処理部10は、パソコンなどの一般的なコンピューターが利用される。このコンピューターには、検査対象物6の関連情報が保存されており、後述する画像処理機能に加え、漏油の可能性が高く検査が必要な場所への移動を、非熟練の現場作業員に促すこともできる。
次に、図3を用いて、画像処理部10での画像処理方法の詳細を具体的に説明する。
図3(a)は、検査対象物6の漏油検査時にカラー撮像部3で撮影した撮影画像16の各ピクセルから算出した明度Iと彩度Sを、横軸彩度、縦軸明度の明度−彩度グラフ13にプロットした一例である。
図3(b)は、図3(a)等に基づいて、検査対象物6自体の明度−彩度特性直線I=aS、バラツキ幅Dを描画した一例である。これらの求め方については、図4を用いて後述する。
図3(c)は、図3(b)の明度−彩度特性直線I=aSを基準とした上側閾値直線I、下側閾値直線I´を基に、検査範囲15の表面の漏油有無を識別している一例である。具体的には、明度Iが上側閾値直線Iを上回った、或いは、下側閾値直線I´を下回ったピクセル群に対応した部位を、漏油付着部7と判定する。なお、図3(c)では、上側閾値直線Iを上回ったピクセル群が存在するが、下側閾値直線I´を下回ったピクセル群が存在しない場合を例示している。
ここで、一般的に、変圧器等の絶縁油には、紫外光を照射すると蛍光を放出する特性がある。ブラックライトなどの紫外光源2は、紫外光に加え可視光も照射するため、撮影画像16中に漏油付着部7が存在する場合、紫外光の反射と、可視光の反射の両方が観測されることになる。これらの反射光は、検査対象物6の表面が鏡面である場合を除き、基本的には拡散反射となる。
画像処理部10では、撮影画像16中の検査範囲15表面に対応する各ピクセルのR(Red)、G(Green)、B(Blue)の各値を利用して、各ピクセルの彩度Sと明度Iを演算する。
彩度Sと明度Iの計算式としては、数1、数2が知られている。
Figure 0006989444
Figure 0006989444
ここで演算した、各ピクセルの明度I、彩度Sを利用することで、図3(a)の明度−彩度グラフ13を作成することができる。
また、検査対象物6の漏油非付着部14で拡散反射が発生する場合、彩度Sと明度Iの関係を示す明度−彩度特性直線I=aSは以下の数3に従う。
Figure 0006989444
ここで、aは定数、R0、0、は検査対象物6の漏油非付着部14でのR、G、Bの値である。検査対象物6の表面色と入射光が一定の場合、検査範囲15の各点の照射光とカラー撮像部3に対する撮影角度の変化により、彩度Sと明度Iは、数3の比例関係を保って変化する。
また、検査対象物6の漏油非付着部14の表面粗さや入射光の強度及び入射光の空間的に分布の不均一さにより、同じ値の彩度Sであっても、明度Iの値にはバラツキ幅がある。このバラツキ幅Dは、特許文献1のように、紫外光源やカラー撮像機と検査対象物の距離が固定であれば、一定値とすればよいが、本実施例では、ウェアラブル装置1を現場作業員12が装着するものとし、また、現場作業員12は検査対象物6の周囲を自由に移動するため、紫外光源2やカラー撮像部3と検査対象物6の距離は不定であり、検査対象物6の検査範囲15に到達した入射光の強度がこの距離に依存して変化する。このような入射光強度の変化により、バラツキ幅Dが変化するため、入射光強度の変化に応じてバラツキ幅Dを調整する必要がある。
次に、図4のフローチャートを利用して、本実施例の漏油診断のプロセスを更に詳細に説明する。
先ず、STEP1では、距離測定部4の一種であるレーザ変位計からレーザ光を検査対象物6の表面の検査範囲15に照射する。ここで求まった、ウェアラブル装置1と検査範囲15の距離を以下では、距離Lとする。
STEP2では、レーザ変位計を消灯する。
STEP3では、画像処理部10内のデータベースから、紫外光源2の照射強度Aと距離Lの関係式(A=K/L)を呼び出す(Kは所定の定数)。
STEP4では、STEP1で得た距離LとSTEP3で得たA=K/Lに基づいて、距離L離れた検査範囲15に当たる入射光の中心強度A=K/Lを算出する。
STEP5では、画像処理部10内のデータベースから、バラツキ幅Dと紫外光源2の照射光の強度Aの関係式(D=αA)を呼び出す(αは所定の定数)。なお、この関係式は表面状態により異なるため、それぞれの表面状態に応じた関係を予め作成しておき、画像処理部10に保存しておく必要がある。
STEP6では、紫外光源2から距離L離れた検査範囲15に入射光が当たる時の、漏油非付着部14の各ピクセルのバラツキ幅D=αA=αK/Lを算出し、画像処理部10に保存する。なお、この式から自明な通り、距離Lが大きくなるほど、バラツキ幅Dが小さくなる反比例の関係が成立している。
STEP7では、紫外光源2の紫外光を検査対象物6に照射して、検査範囲15の検査を開始する。
STEP8では、紫外光が照射された検査範囲15をカラー撮像部3で撮影し、得られた撮影画像16を画像処理部10に送信する。撮影画像16の一例を図5(a)に示す。画像処理部10では、受信した撮影画像16に基づいて、検査範囲15の各ピクセルのR、G、Bから、数1、数2に基づいて、彩度Sと明度Iを算出し、図3(a)に例示した明度−彩度グラフ13を作成する。
STEP9では、STEP6で求めたバラツキ幅Dを利用して、図3(a)の明度−彩度グラフ13中の点群から漏油非付着部14に対応した点群を特定し、漏油非付着部14に対応した点群に最小二乗法を利用した処理を施し、特性直線I=aSを描画する。
このSTEP9の処理は、更に詳細には次のように実施される。すなわち、先ず、図3(a)の明度−彩度グラフ13中の点群において、彩度値毎に明度値が最小となる点群を選択する。次に、選択した点群を利用して、基準直線Iを作成する。例えば、選択した点群から任意の二点を順次選択し、基準直線候補I0a、I0b、…、I0nを作成する。そして、それらの基準直線候補中で最も傾きの小さいものを基準直線Iとして登録する(図3(b))。最後に、直線Iより明度が大きい方向にバラツキ幅Dに収まる点群を、漏油非付着部14に対応する点群として選択し、これらの点群に対して最小二乗法による処理を施し、特性直線I=aSを演算する。
STEP10では、特性直線I=aSから距離D/2の離れた距離に上側閾値直線I、下側閾値直線I’を設定する(図3(c))。なお、ここでは閾値直線を特性直線I=aSから「D/2」離れた位置に設置したものを例示しているが、分子にバラツキ幅Dを含んでいれば、分母の値は適当な値に置換しても良い。
STEP11では、上側閾値直線Iより上側の点群、或いは、下側閾値直線I’より下側の点群に対応したピクセル群を漏油付着部7と判断し、図5(b)のように、漏油付着部7をハッチング等で強調した処理画像17(例えば、図5(b))を生成する。
STEP12では、漏油付着部7にハッチング等を施した処理画像17を、画像処理部10からウェアラブル装置1に送信し、表示部11に表示する。
STEP13では、現場作業員12は処理画像17を確認し、漏油付着部7があれば、その付近の精密点検や保守作業を実施する。
STEP14では、一連の処理が完了するが、他にも検査すべき箇所がある場合は、現場作業員12はそこに移動し、上記したSTEP1からSTEP13の処理を繰り返し、当該他の箇所での点検を実施する。
なお、STEP2では、レーザ光を消灯する例を説明したが、バラツキ幅Dや撮影画像を適宜更新したい場合は、レーザ光や紫外光は照射したままであっても良い。また、このフローチャート中の各STEPの順番は、必要な情報を全て取得できる範囲で、一部前後させても、漏油を正常に検出することができる。
また、上記のマークは紫外光照射しない時に撮影された同じ部位の画像上に貼り付けても良い。
以上で説明したように、本実施例の漏油検出装置により、紫外光源やカラー撮像部がウェアラブル装置に配置され、ウェアラブル装置を装着した現場作業員の移動に伴い、紫外光源やカラー撮像部と検査対象物の距離が変化する場合であっても、漏油検出装置を複雑化することなく、漏油が無色等であっても高い精度で漏油検出を行うことができる。これにより、紫外光源やカラー撮像部が固定された従来の漏油検出装置に比べ、漏油検出の自由度を大幅に高めることができる。
また、本実施例の漏油検出装置では、ウェアラブル装置を介して検査対象物のどこを検査すればよいかの指示を出すこともできるので、非熟練の現場作業員であっても、熟練の現場作業員と同等の手順で検査を実施することができる。また、図1では、現場作業員がウェアラブル装置を装着する例を示したが、ロボット、ドローンに紫外光源、カラー撮像部、距離測定部等を配置し、汎用コンピューター等の指示によりロボット等を操作する構成としても、上述したと同等の効果を実現することができる。
なお、以上の実施例では、油入機器の漏油を検出する漏油検出装置を例に説明したが、本発明は蛍光を発する物質と、蛍光を発しない物質を識別する検査装置一般に適用することもできる。
次に、図6を用いて、実施例2の漏油検出装置100を説明する。なお、実施例1との共通点は重複説明を省略する。
実施例1では、頭部に装着するウェアラブル装置1に、紫外光源2、カラー撮像部3、距離測定部4、制御部5、および、表示部11を設けた構成であったが、これらを分散配置する構成としても良い。
例えば、図6に示すように、ウェアラブル装置1を、頭部ユニット1aと胴部ユニット1bに分離し、胴部ユニット1b側に紫外光源2と距離測定部4と制御部5を配置しても良い。この結果、頭部ユニット1aにはカラー撮像部3と表示部11だけが配置されるため、頭部ユニット1aを大幅に軽量化でき、現場作業員12の頸部等への負荷を大幅に軽減できる。
上記の通り、本実施例の漏油検出装置では、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、ウェアラブル装置1の頭部ユニット1aの重量の低減を図ることができる。なお、図6の胴部ユニット1bの採用時には、この内部に比較的大きな画像処理部10を配置し、図1の通信部9bを省略することができる。
次に、図7から図9を用いて、実施例3の漏油検出装置100を説明する。なお、上述した実施例との共通点は重複説明を省略する。
実施例1では、検査対象物6の所定の検査範囲15の漏油の有無を検査する際に、一ヶ所から撮影した撮影画像16を利用したが、本実施例では、同じ検査範囲15を異なる位置から撮影した複数の撮影画像16を重ね合わせて利用することで、漏油検査の精度を高めている。
たとえば、図7に示すように、検査対象物6から距離Lの位置Pと距離Lの位置Pの二箇所から、検査対象物6の同じ部位を撮影する。多方向から撮影された撮影画像16を利用して漏油の有無を検査するには、その前処理として、それらの画像の同じ位置を重ね合わせる必要がある。画像を重ね合わせる手法には、様々なものがあるが、以下その中のひとつの手法を説明する。
図8は、二方向から撮影された撮影画像16を重ね合わせる方法の一種である。画像処理部10では、先ず、一枚目の撮影画像16aから特徴点B、Cを抽出するとともに、二枚目の撮影画像16bからもそれらと同じ位置に相当する特徴点B、Cを抽出する。続いて、図8(a)に示すように、二枚目の撮影画像16bを移動させ、特徴点Bを特徴点Bに重ねる。次に、図8(b)に示すように、二枚目の撮影画像16bを回転させ、特徴点Cを特徴点Cに重ねる。これらの一連の処理により、一枚目の撮影画像16aと二枚目の撮影画像16bを重ね合わせることができる。なお、特徴点B、Cの抽出方法として、検査対象物6上に印をつけて、画像認識する方法等があるが、周知の他の方法を用いても良い。
更に、画像処理部10では、重ね合わせた撮影画像16a、16bを用いて、漏油付着部7を特定する。この具体的な手法を図9に示す。ここように、位置Pからの撮影画像16aを基にした明度−彩度グラフ13aから、漏油付着と推定されるピクセル群18が得られる。また、位置Pからの撮影画像16bを基にした明度−彩度グラフ13bから漏油付着と推定されるピクセル群19が得られる。そして、ピクセル群18とピクセル群19のAND条件を取って、両者の積集合であるピクセル群20(ハッチングしたピクセル群)を漏油と認識する。
上記の通り、本実施例では、違う測定位置から撮影した二枚の撮影画像16a、16bを利用して漏油を検出するので、実施例1に比べ、漏油診断精度の向上を図ることができる。
なお、本実施例では、二方向からの撮影を例として説明したが、多方向からの撮影も同じ効果が得られる。
次に、図10を用いて、実施例4の漏油検出装置100を説明する。なお、上述した実施例との共通点は重複説明を省略する。
実施例1では、ウェアラブル装置1と検査対象物6の距離の測定に、レーザ変位計等の距離測定部4を用いる構成としたが、本実施例では、GPS受信機を用いて両者間の距離を測定できるようにした。
図10は、本実施例のウェアラブル装置1であり、実施例1のカラー撮像部3、距離測定部4に代え、角度測定カメラ21、GPS受信機22を備えている。
GPS受信機22は、実施例1の位置測定装置4と同様に、ウェアラブル装置1と検査範囲15との間の距離を測定するものであるが、GPS受信機22で測定できる距離は、図11に示すように、検査対象物6との垂直距離Lであり、検査範囲15との距離L3を直接測定することはできない。そこで、本実施例では、角度測定カメラ21から、ウェアラブル装置1が面している方向と垂直方向との間の角度θを求め、これを用いて検査範囲15との距離L=L/cosθを算出する。この距離Lを利用して、検査範囲15に当たる紫外光の照射強度Aを算出する。
なお、角度測定には、必ずしも角度測定カメラ21を用いる必要はなく、ウェアラブル装置1上に角度測定可能な他の装置を装着する構成としても良い。
また、ウェアラブル装置1にGPS受信機22を装着すれば、場所や形状が既知である検査対象物6との相対位置がわかるので、この位置関係を利用して、検査対象物6の漏油状態の三次元診断が可能である。
具体的な診断方法としては、図12に示すように、まず、検査対象物6の三次元画像を予め描画し、画像処理部10に保存する。GPS受信機22から得られた位置情報から、現場作業員12は検査対象物6のどちらの面を診断する情報がわかる。たとえば、現場作業員12は位置P3にいる時に、検査対象物6の一面を診断しているため、診断結果として、たとえば漏油付着部7aと7bは検査対象物6の対応する面に表示すれば良い。なお、点線で示す漏油付着部7cは検査未実施の面に存在する漏油であり、未だ把握されていないものであるため現時点での三次元画像には記録されていないものであるが、当該面の漏油診断後には三次元画像に登録されることになる。
上記の通り、本実施例では、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、GPS受信機22を利用することで、精度高い漏油の診断ができる。また、検査対象物の漏油状態を三次元的に記憶しておき、表示することができる。
次に、図13を用いて、実施例5の漏油検出装置100を説明する。なお、上述した実施例との共通点は重複説明を省略する。
本実施例の漏油検出装置100は、所定の検査範囲15の漏油の経時変化を機械学習して、保守時期などの情報を得るものである。
図13に示すように、本実施例では、tからtのそれぞれの時間で、撮影画像16を取得し、画像処理部10に保存する。そして、保存された撮影画像16の同じ部位に対して、「漏油の有無」の変化、「漏油時刻」、「漏油部位」などの情報を抽出し、これらを入力データとした機械学習により、次の漏油部位や漏油量などを予測する。このような機械学習の結果、油入機器等の検査対象物6の保守時期などの提案が可能となる。
上記の通り、本実施例の漏油検出装置では、検査対象物6の漏油検出だけではなく、機械学習を利用して油入機器の保守時期の管理も実現することができる。
次に、図14を用いて、実施例6の漏油検出装置100を説明する。なお、上述した実施例との共通点は重複説明を省略する。
実施例1の漏油検出装置100では、紫外光源2、カラー撮像部3、距離測定部4を備えたウェアラブル装置1を用いたが、本実施例の漏油検出装置100では、このウェアラブル装置1に代え、単独で運用可能な紫外光源装置2aと、カラー撮像部3、距離測定部4を備えたスマート端末23を作業端末として利用する。このスマート端末23は、現場作業員12が携帯できる程度の大きさの端末であり、例えば、スマートフォンやタブレットのような市販端末等が元より備えるカラー撮像部3の隣に距離測定部4を追加したものである。また、本実施例の紫外光源装置2aは、検査対象物6から一定距離L4a離れたところに配置され、検査中は検査対象物6の所望範囲に紫外光線を照射するものである。
ここで、図14に示すように、スマート端末23の距離測定部4により測定された検査範囲15との距離を距離L4bとする。このとき、本実施例の漏油検出装置100では、先ず、画像処理部10内のデータベースから、検査範囲15内の漏油非付着部14からの反射光の強度Bと距離Lの関係式(例えば、B=K/L、Kは所定の定数)を呼び出し、検査範囲15内の漏油非付着部14を距離L4bの位置から撮像した時の反射光の強度B=K/L4bを算出する。さらに、漏油非付着部14の各ピクセルのバラツキ幅D=αB=αK/L4bを算出し、画像処理部10に保存する。このような手順で算出したバラツキ幅Dを利用して、閾値直線Iを決定することで、本実施例のように、スマート端末23と紫外光源装置2aを利用した構成であっても、上記の実施例と同様に、漏油を検出することができる。
なお、図14では、検査範囲15と紫外光源装置2aの距離L4aを固定し、検査範囲15とスマート端末23の距離L4bを現場作業員12が変更することで漏油を検出する漏油検出装置100を例示したが、距離測定部4を備えた紫外光源2aを用いれば、検査範囲15とスマート端末23の距離L4bを固定し、検査範囲15と紫外光源装置2aの距離L4aを現場作業員12が変更することで漏油を検出する漏油検出装置100とすることもできる。
なお、これらの装置を用いて、実施例3のように多方向からの照射や多方向からの撮影を行うことで、漏油検出の精度を高めても良い。
次に、図15を用いて、実施例7の漏油検出装置100を説明する。なお、上述した実施例との共通点は重複説明を省略する。
上述した実施例におけるウェアラブル装置1やスマート端末23等は、現場作業12によって検査対象物6の検査範囲15との距離が変更されるものであった。すなわち、上記の実施例では、漏油検出をする際に、現場作業員12による現場作業が必須であった。
これに対し、本実施例の漏油検出装置100では、検査対象物6の近傍を車輪や脚を利用して自律移動可能な自律移動装置24に、紫外光源2、カラー撮像部3、距離測定部4を搭載し、これを作業端末として利用することで、検査対象物6の近傍に現場作業員12が赴かずとも、検査対象物6の所望の検査範囲15の漏油を検出できるようにした。
図15は、本実施例の漏油検出装置100の概略を例示するものであり、ここでは、検査対象物6の周囲に予め設置されたレール等の軌道上を走行する自律移動装置24を示している。このような自律移動装置24を自動制御、または、作業者により遠隔制御し、検査対象物6の所望の検査範囲15を撮像させることによっても、上記した何れかの漏油検出方法を利用することで、上記実施例同様に漏油を検出することができる。
なお、図15においては、自律移動装置24に、紫外光源2と、カラー撮像部3と、距離測定部4と備える構成を例示しているが、これら全てを自律移動装置24に設ける必要はなく、例えば、実施例6のような、単独で運用可能な紫外光源装置2aと、紫外光源6を持たない自律移動装置24を組み合わせて、漏油検出装置100を構成する等、上記の何れかの実施例と本実施例の自律移動装置24の組み合わせでよい。また、図15では、固定されたレール上を走行する自律移動装置24を例示したが、自律移動装置24の移動範囲は固定された起動である必要はなく、検査対象物6の近傍を自由に移動できるようにしても良い。
次に、図16、図17を用いて、実施例8の漏油検出装置100を説明する。なお、上述した実施例との共通点は重複説明を省略する。
図17に示すように、本実施例では、漏油検出装置100の構成のうち、表示部11のみをウェアラブル装置1に配置しており、現場作業員12は、この表示部11を介して測定結果を確認することができる。また、図16に示すように、漏油検出装置100の構成のうち、紫外光源2と、カラー撮像部3と、レーザ変位計等の距離測定部4と、制御部5は、ウェアラブル装置1と別体の移動装置25に配置している。この移動装置25は、光ファイバーなどの柔軟な信号線を内蔵した柔軟な細長型のものであり、制御部5を、その一端側に配置し、紫外光源2と、カラー撮像部3と、距離測定部4を、その他端側に配置している。そして、現場作業員12は、移動装置25の制御部5側を把持し、カラー撮像部3などを配置した先端部を検査対象物6の検査範囲15に向けることで漏油検出作業を行う。
このような柔軟な移動装置25を利用すれば、検査対象物6の下部や隙間など、上述した実施例の構成では撮影困難な箇所へ移動装置25の先端側(カラー撮像部3側)を挿入して撮影でき、漏油の検出をより広範囲に実行できる。また、紫外光源2とカラー撮像部3が近接配置されるため、強度の弱い紫外光源2利用しても、漏油の高感度の検出が可能である。
なお、制御部5はウェアラブル装置1上に配置しても良い。また、この移動装置25は実施例8で説明したような自律移動装置でもよい。
本実施例のウェアラブル装置1はスマートフォンやタブレットのような市販スマート端末でも良い。
100 漏油検出装置
1…ウェアラブル装置
1a…頭部ユニット
1b…胴部ユニット
2…紫外光源
3…カラー撮像部
4…距離測定部
5…制御部
6…検査対象物
7、7a、7b、7c…漏油付着部
8…記録部
9a、9b…通信部
10…画像処理部
11…表示部
12…現場作業員
13、13a、13b、13c…明度−彩度グラフ
14…漏油非付着部
15…検査範囲
16、16a、16b…撮影画像
17…処理画像
18、19、20…ピクセル群
21…角度測定カメラ
22…GPS受信機
23…スマート端末
24…自律移動装置
25…移動装置
I…明度
S…彩度
D…バラツキ幅
,I’…閾値直線
L,L,L,L,L,L4a,L4b,L…距離

Claims (12)

  1. 油入機器との距離を測定する距離測定部と、
    前記油入機器に紫外光を照射する紫外光源と、
    紫外光が照射された前記油入機器を撮影するカラー撮像部と、
    前記距離測定部が測定した距離と前記カラー撮像部の撮影画像に基づいて、前記油入機器の漏油を診断する画像処理部と、
    該画像処理部が処理した処理画像を表示する表示部と、
    を具備し、
    前記画像処理部は、
    前記撮影画像の各ピクセルの、Red値、Green値、Blue値から、各ピクセルの明度値、彩度値を演算し、
    それらを横軸彩度、縦軸明度の明度−彩度グラフにプロットし、
    該明度−彩度グラフから、前記油入機器の明度−彩度特性直線を作成し、
    前記明度−彩度特性直線と平行な上側閾値直線を上回ったピクセル群に対応した部位、或いは、前記明度−彩度特性直線と平行な下側閾値直線を下回ったピクセル群に対応した部位を、漏油と診断するものであり、
    前記画像処理部は、前記明度−彩度特性直線と前記上側閾値直線の間隔、および、前記明度−彩度特性直線と前記下側閾値直線の間隔を、前記距離測定部が測定した距離に反比例させることを特徴とする漏油検出装置。
  2. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    該漏油検出装置は、現場作業員が装着するウェアラブル装置と、該ウェアラブル装置と別体のコンピューターを有し、
    前記ウェアラブル装置には、前記距離測定部、前記紫外光源、前記カラー撮像部、前記表示部、及び、第一の通信部が配置され、
    前記コンピューターには、前記第一の通信部と通信する第二の通信部、及び、前記画像処理部が配置されることを特徴とする漏油検出装置。
  3. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    前記ウェアラブル装置は、前記現場作業員の頭部に装着する頭部ユニットと、前記現場作業員の胴部に装着する胴部ユニットを有し、
    前記頭部ユニットには、前記カラー撮像部、および、前記表示部が配置され、
    前記胴部ユニットには、前記紫外光源、および、前記距離測定部が配置されることを特徴とする漏油検出装置。
  4. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    前記表示部に表示される処理画像は、前記撮影画像の漏油付着部を強調した画像であることを特徴とする漏油検出装置。
  5. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    前記距離測定部は、レーザ変位計であり、
    該レーザ変位計のレーザ光の照射位置は、前記紫外光源の照射範囲内にあることを特徴とする漏油検出装置。
  6. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    前記画像処理部は、
    前記距離測定部が測定した距離を利用して、前記紫外光源が前記油入機器の表面に照射する紫外光の照射強度を算出し、
    該照射強度を利用して、漏油非付着部に対応したピクセル群の明度または彩度のバラツキ幅を算出し、
    該バラツキ幅を利用して、前記漏油非付着部の明度−彩度特性直線を作成し、
    前記バラツキ幅を利用して、前記明度−彩度特性直線と平行な上側閾値直線および下側閾値直線を決めることを特徴とする漏油検出装置。
  7. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    前記カラー撮像部は、異なる方向から、前記油入機器の同じ部位を撮影し、
    前記画像処理部は、複数の撮影画像のそれぞれに基づいて前記油入機器の漏油部位を抽出し、抽出した複数の漏油部位の重なる部位を最終的な漏油部位と診断することを特徴とする漏油検出装置。
  8. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    前記距離測定部は、GPS受信機であり、
    前記カラー撮像部は、角度測定カメラであることを特徴とする漏油検出装置。
  9. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    前記画像処理部は、漏油の診断結果を三次元表示した前記油入機器上にマークすることを特徴とする漏油検出装置。
  10. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    前記カラー撮像部は、前記油入機器の経時変化を撮影し、
    前記画像処理部は、それぞれの時刻の撮影画像による漏油診断結果を機械学習して、
    前記油入機器の次の漏油部位の予測、漏油量の予測、保守時期の予測の何れかを実施することを特徴とする漏油検出装置。
  11. 請求項に記載の漏油検出装置において、
    該漏油検出装置は、現場作業員が装着するウェアラブル装置と、該ウェアラブル装置と別体の柔軟な細長型の移動装置を有し、
    前記ウェアラブル装置には、前記表示部が配置され、
    前記移動装置の先端側には、前記距離測定部と、前記紫外光源と、前記カラー撮像部が配置されることを特徴とする漏油検出装置。
  12. 油入機器との距離を測定し、
    前記油入機器に紫外光を照射し、
    紫外光が照射された前記油入機器を撮影し、
    測定距離と撮影画像に基づいて、前記油入機器の漏油を診断し、
    診断処理した処理画像を表示する漏油検出方法であって、
    前記漏油の診断は、
    前記撮影画像の各ピクセルの、Red値、Green値、Blue値から、各ピクセルの明度値、彩度値を演算し、
    それらを横軸彩度、縦軸明度の明度−彩度グラフにプロットし、
    該明度−彩度グラフから、前記油入機器の明度−彩度特性直線を作成し、
    前記明度−彩度特性直線と平行な上側閾値直線を上回ったピクセル群に対応した部位、或いは、前記明度−彩度特性直線と平行な下側閾値直線を下回ったピクセル群に対応した部位を、漏油と診断するものであり、
    前記明度−彩度特性直線と前記上側閾値直線の間隔、および、前記明度−彩度特性直線と前記下側閾値直線の間隔を、測定距離と反比例した間隔とすることを特徴とする漏油検出方法。
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