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JP3861659B2 - ゴシックアーク溝の超仕上げ方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴシックアーク溝の超仕上げ方法に係り、特に、4点接触玉軸受,ボールねじ,リニアガイド装置等の転動装置におけるゴシックアーク形状の軌道溝の超仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
玉軸受の軌道溝がゴシックアーク溝である場合は、溝面が2つの曲面で形成されているので、軌道溝の溝面に超仕上げを施す際には、従来は片面ずつ加工を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の方法は、両面に超仕上げを施すのに時間を要するため、加工コストが高くなるという問題があった。また、片面ずつ加工を行うと、両面間の加工精度にバラツキが生じやすかった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術の有する問題点を解決し、加工に要する時間が短く、低コストで高精度なゴシックアーク溝の超仕上げ方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1のゴシックアーク溝の超仕上げ方法は、溝直角断面が中心の異なる2つの同一円弧を組合せた略V字状をなすゴシックアーク溝の溝面を構成する2つの曲面に、1つの砥石で超仕上げを施す方法であって、前記ゴシックアーク溝の幅方向の中央を通る平面上に揺動中心を設定し、前記2つの曲面に接触させた前記砥石を、前記揺動中心を軸として前記ゴシックアーク溝の幅方向に揺動させて、前記溝面に超仕上げを施すに際して、前記揺動中心に平行な方向の前記砥石の幅の中央における前記揺動中心と前記溝面との間の距離の最小値が前記ゴシックアーク溝の肩において得られるような位置で、且つ、前記ゴシックアーク溝の底部から最も近い位置に、前記揺動中心を配したことを特徴とする。
【0005】
また、本発明に係る請求項2のゴシックアーク溝の超仕上げ方法は、請求項1のゴシックアーク溝の超仕上げ方法において、前記砥石の揺動角度を6°以下とすることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係るゴシックアーク溝の超仕上げ方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図における同一又は相当する部分には、共通の符号を付してある。
〔第一実施形態〕
ラジアル玉軸受用の内輪の軌道溝に砥石を用いて超仕上げを施す方法について説明する。図1及び図2はその説明図であって、図1の(a)は内輪10及び砥石20を内輪10の側方から見た図であり、図1の(b)は内輪10を砥石20の位置する側から見た図である。また、図2の(a)及び(b)は図1のA−A線断面図、図2の(c)は図1のB−B線断面図である。
【0007】
玉軸受用の内輪10の外周面に、周方向に連続する軌道溝が形成されている。該軌道溝はゴシックアーク溝11とされており、溝に対して直角な断面の形状は、中心の異なる2つの同一円弧を組合せた略V字状となっている。すなわち、ゴシックアーク溝11の溝面は、2つの曲面によって構成されている。なお、これ以降は、これらの2つの曲面のうち図2における右側の曲面を右フランク12R と記し、左側の曲面を左フランク12L と記す。そして、右フランク12R ,左フランク12L の円弧中心をそれぞれOR ,OL と記す。
【0008】
ゴシックアーク溝11の内側には、溝面の断面形状とほぼ同一の断面形状を有する砥石20が内輪10の中心に向けて配置されていて、砥石20は左右両フランク12R ,12L と接触している。この砥石20は、ゴシックアーク溝11の連続方向の接線に平行な揺動中心Oを軸としてゴシックアーク溝11の幅方向に(図2においては左右に)繰り返し揺動するようになっており、該揺動によって砥石20が溝面に擦り付けられて、左右両フランク12R ,12L に同時に超仕上げが施されるようになっている。なお、砥石20の揺動角度の最大値はθ0 であり、砥石20は−θ0 からθ0 の間で揺動される。
【0009】
そして、砥石20を揺動させつつ内輪10を回転させれば(内輪10の中心を通りゴシックアーク溝11の幅方向に平行な線を中心に回転させる)、ゴシックアーク溝11の連続方向全域にわたって超仕上げが施される。
このとき揺動中心Oは、ゴシックアーク溝11の幅方向の中央を通る平面上に配され、しかも、揺動中心Oに平行な方向の砥石20の幅Wの中央における揺動中心Oと溝面との間の距離の最小値がゴシックアーク溝11の肩において得られるような位置で、且つ、ゴシックアーク溝11の底部から最も近い位置に配されている。前記底部からこれ以上離れた位置に揺動中心Oが位置すると、砥石20による前記底部の削り残し量が大きくなる。
【0010】
次に、前記揺動により溝面に超仕上げが施されるメカニズムを、さらに詳細に説明する。
砥石20がθ(θ<θ0 )揺動している状態における図1のA−A線断面図を図2の(a)に示し、同状態における図1のB−B線断面図を図2の(c)に示す。また、砥石20がθ0 揺動している状態における図1のA−A線断面図を、図2の(b)に示す。
【0011】
砥石20がθ揺動しているときの砥石20と溝面とは、ゴシックアーク溝11を横切り内輪10の中心を含むA−A線断面においては、揺動中心Oとゴシックアーク溝11の溝面との間の距離が最小値を取る点PR 及び点PL で接触している(図2の(a)を参照)。また、A−A線断面から離れたB−B線断面においては、砥石20と溝面とは、ゴシックアーク溝11の肩上の点QR 及び点QL で接触している(図2の(c)を参照)。
【0012】
一方、砥石20がθ0 揺動しているときの砥石20と溝面とは、A−A線断面においては、右フランク12R のうち点PR からゴシックアーク溝11の肩までの間の部分(図2の(b)において多数の点を付した部分)、及び、左フランク12L のうち点PL から砥石20の先端が位置している点までの間の部分(図2の(b)において多数の点を付した部分)で面接触している。
【0013】
なお、上記の4点PR ,PL ,QR ,QL においては、砥石20と溝面とは砥石20の揺動角度に関係なく常に接触している。
ここで、図1の(b)を参照しながら、砥石20とゴシックアーク溝11の溝面との接触状態をまとめて説明する。
砥石20と溝面との接触部分には、砥石20の揺動角度に関係なく常に接触している部分と、揺動角度が最大(−θ0 の場合及びθ0 の場合)となったときのみ接触する部分とがある。すなわち、前者は図1の(b)の曲線(連続的線接触線)14の部分であり、後者は領域I(点線の斜線を付した部分)及び領域II(実線の斜線を付した部分)の部分である。領域Iは、砥石20の揺動角度がθ0 の場合に面接触している部分であり、領域IIは、砥石20の揺動角度が−θ0 の場合に面接触している部分である。
【0014】
このように、上記曲線14の部分の連続的線接触と、領域I及び領域IIの部分の断続的面接触とによって、溝面の加工(超仕上げ)が行われる。
次に、連続的線接触線14の軌跡を計算する方法を、図3を参照しながら説明する。この計算を行うにあたっては、内輪10の中心から揺動中心Oに降ろした垂線をy軸、内輪10の中心を通りゴシックアーク溝11の幅方向に平行な線をz軸、y軸とz軸の交点を通り両軸に直角をなす線をx軸として、xyz座標系を定義した。
【0015】
なお、図3の(a)は、内輪10及び砥石20を内輪10の側方から見た図である。また、図3の(b)は、(a)のx=0なる平面による断面図であり、図3の(c)は、(a)のx=kなる平面による断面図である。
x=kなる平面によって破断された溝面(右フランク12R のみ)の曲線は、下記の式(1)で表される。
【0016】
【数1】
Figure 0003861659
【0017】
式(1)中のri は溝面を構成する円弧の曲率半径、eは溝面を構成する2つの円弧の中心間距離の1/2の値、Rb はゴシックアーク溝11の底部と内輪10の中心との間の距離(以降は、溝底半径と記す)である。また、Ri は、溝面を構成する円弧の中心と内輪10の中心との間の距離であり、下記式(2)で表される。
【0018】
【数2】
Figure 0003861659
【0019】
式(1)を変形すると下記式(3)のようになり、該式はzにおける溝面の高さ(z軸からの距離)を表している。
【0020】
【数3】
Figure 0003861659
【0021】
揺動中心Oと溝面との間の距離Rは、揺動中心Oと内輪10の中心との間の距離をηt とすると、下記式(4)で表されるから、該式(4)に式(3)を代入して下記式(5)が得られる。
【0022】
【数4】
Figure 0003861659
【0023】
【数5】
Figure 0003861659
【0024】
なお、ηt は、溝底半径Rb と、ゴシックアーク溝11の底部及び揺動中心Oの間の距離Ht (以降は、芯高Ht と記す)とを用いて、下記式(6)のように表すことができる。
【0025】
【数6】
Figure 0003861659
【0026】
砥石20が±θ0 揺動しているとき、揺動中心Oからの距離Rが最小になる点で、砥石20は溝面と常に接触する。それは、揺動中心Oからの最端接触半径で砥石20が規制,成形されるからである。左フランク12L に対しても式(5)を用いて計算を行い、各kに対し距離Rが最小となるZとの関係をプロットすることにより、連続的線接触線が得られる。図4に、芯高Ht の値を種々変更して計算した連続的線接触線を示す。図4は溝面を砥石20の位置する側から見た展開図であって、図4の横軸はx軸方向の距離であり、縦軸はz軸方向の距離である。ここで、Rb =18.96mm,Rc =20.2mm,ri =3.11mm,e=0.0915mmである。なお、Rc は、内輪10の中心と外周面との間の距離(内輪10の外径の1/2)である。
【0027】
図4から分かるように、Ht =2.0mm,2.5mmのように芯高が低いと、ゴシックアーク溝11の底部近傍において、連続的線接触線の分布密度が高くなっている。そして、芯高Ht が低いほど、この傾向は大きい。これは、ゴシックアーク溝11の底部近傍は砥石20によって良く加工されるが、他部はあまり加工されないことを意味しており、すなわち、取り代の分布が不均一となりやすいことを意味している。
【0028】
芯高Ht を高くするにしたがって、連続的線接触線がゴシックアーク溝11の肩に近づいていき、芯高Ht が3.1mmの場合には、砥石20と溝面10とが肩のみで連続的に接触することとなる。芯高Ht が2.0〜3.0mmの場合は、溝面において連続的に接触することとなるが、芯高Ht が低いほど連続的線接触線の分布が不均一となり、取り代の分布が不均一となりやすい。
【0029】
このようなことから、溝面においては連続的に接触せず、断続的な面接触を主体として超仕上げを施せば、取り代の分布を均一化できることが分かる。そして、上記の例においては、芯高Ht が3.03mmの場合が最も好適であった。芯高Ht の許容値は、ゴシックアーク溝11の寸法や溝面を構成する2つの円弧の中心間距離の許容値の公差によって決まってくるが、−5〜+5%の範囲内とすることが好ましい。
【0030】
芯高Ht が2.8mm以下であると、超仕上げ後の揺動中心Oと溝面との間の距離Rが小さくなるので好ましくない。例えば、芯高Ht が2.7mmの場合を例に説明すると、図4から分かるように、縦軸の値が0.6〜0.7mmの範囲に連続的線接触線の分布密度が高くなっている。よって、この部分の取り代が局部的に大きくなってしまう。
【0031】
高Ht が3.03mmの場合の砥石20とゴシックアーク溝11の溝面との接触状態を図5に示す。なお、図5は、ゴシックアーク溝11の幅方向に平行で内輪10の中心を含む平面で、内輪10及び砥石20を破断した部分断面図である。
【0032】
砥石20がθ揺動しているときの砥石20と溝面とは、図5の(b)に示すように、ゴシックアーク溝11の肩のみで接触している。また、砥石20がθ0 及び−θ0 揺動しているときの砥石20と溝面とは、図5の(a)及び(c)に示すように、砥石20の先端が位置している点からゴシックアーク溝11の肩までの間の部分で面接触している。
【0033】
なお、このように砥石20を揺動させて超仕上げを施した場合、揺動角度の最大値θ0 の大きさによっては、ゴシックアーク溝11の底部のうちの揺動角度が−θ0 〜θ0 のときに砥石20の先端が振れる範囲の形状に誤差を生じるおそれがある。
つまり、取り代が小さいと、砥石20がゴシックアーク溝11の底部まで届かないため、図6の(a)に示すように、底部が削り残しとなってしまう(斜線を付した部分)。一方、取り代が十分であると、図6の(b)に示すように、底部が円弧状となってしまい、ゴシックアーク形状から誤差を生じてしまう。したがって、揺動角度の最大値θ0 は可能な限り小さくすることが望ましく、6°以下が好ましい。軸受の機能上許容できる誤差の限界と加工能率を考慮すると、3°が実用的である。
【0034】
また、揺動中心Oに平行な方向の砥石20の幅W(図1の左右方向の幅)は、2Rb の15%以下が好ましく、ゴシックアーク溝11の幅方向の砥石20の幅T(図2の左右方向の幅)は、θ0 及び−θ0 に揺動させたときに、砥石20がゴシックアーク溝11からはみ出さない程度とすることが好ましい。
〔第二実施形態〕
ラジアル玉軸受用の外輪の軌道溝にも、第一実施形態と同様にして砥石により超仕上げを施すことができる。
【0035】
第一実施形態と同様の計算により(図7を参照)、外輪のゴシックアーク溝について連続的線接触線を求めた。ここで、Ra =24.54mm,Rd =23.43mm,ri =3.11mm,e=0.0915mmである。なお、Ra は、ゴシックアーク溝の底部と外輪の中心との間の距離であり、Rd は、外輪の中心と内周面との間の距離(外輪の内径の1/2)である。
【0036】
その結果を図8に示す。図8から分かるように、芯高Ht が3.03mmの場合に、揺動中心Oに平行な方向の砥石20の幅(砥石のx軸方向の幅)の中央においてはゴシックアーク溝の肩で砥石と溝面とが連続的に接触することとなる。砥石のx軸方向の幅を2mm程度とすれば、ゴシックアーク溝の肩の近傍部分にしか連続的線接触線が存在しないこととなるので、実質的な加工への影響は少なくなり、揺動角度が最大(−θ0 の場合及びθ0 の場合)となったときの面接触による加工が支配的となる。
【0037】
〔第三実施形態〕
ボールねじのねじ軸のねじ溝に砥石を用いて超仕上げを施す方法について説明する。
図9はその説明図であって、図9の(a)は砥石20及びねじ軸30を軸方向から見た図であり、図9の(b)は砥石20及びねじ軸30を砥石20の位置する側から見た図である。
【0038】
ねじ軸30の外周面に、螺旋状に連続するねじ溝が形成されている。該ねじ溝はゴシックアーク溝31とされており、溝に対して直角な断面の形状は、中心の異なる2つの同一円弧を組合せた略V字状となっている。すなわち、ゴシックアーク溝31の溝面は、2つの曲面(フランク)によって構成されている。
ゴシックアーク溝31の内側には、溝面の断面形状とほぼ同一の断面形状を有する砥石20がねじ軸30の中心に向けて配置されていて、砥石20は両フランクと接触している。この砥石20は、揺動装置40の先端に取り付けられていて、ゴシックアーク溝11の連続方向の接線に平行な揺動中心Oを軸としてゴシックアーク溝31の幅方向に繰り返し揺動するようになっている。そして、該揺動によって砥石20が溝面に擦り付けられて、両フランクに同時に超仕上げが施されるようになっている。なお、砥石20の揺動角度の最大値はθ0 であり、砥石20は−θ0 からθ0 の間で揺動される。
【0039】
そして、砥石20を揺動させつつねじ軸30の回転に応じて軸方向に移動させれば、ゴシックアーク溝31の連続方向全域にわたって超仕上げが施される。
このとき揺動中心Oは、ゴシックアーク溝31の幅方向の中央を通る平面上に配され、しかも、揺動中心Oに平行な方向の砥石20の幅(ねじ溝の連続方向の長さ)の中央における揺動中心Oと溝面との間の距離の最小値がゴシックアーク溝31の肩において得られるような位置で、且つ、ゴシックアーク溝31の底部から最も近い位置に配されている。
【0040】
なお、揺動により溝面に超仕上げが施されるメカニズムや、揺動角度の最大値θ0 などは、前述の第一実施形態と同様であるので説明は省略する。
このような方法によりねじ軸30のねじ溝に超仕上げを施せば、ねじ溝の連続方向と砥石20の揺動方向とが直交しているので、直交していない場合と比較して、砥石20の幅(ねじ溝の連続方向の長さ)を大きく取ることができる。そのため、フランクの真円度の誤差を超仕上げによって正確に修正することが可能である。
【0041】
ねじ溝の連続方向と砥石20の揺動方向とのなす角度が直交からずれていると、ねじ溝と砥石20との間に干渉が生じるので、砥石20の幅が制限される。そうすると、フランクの真円度の誤差を超仕上げによって正確に修正することができない場合がある。
以上説明したように、第一〜第三実施形態の方法によれば、両フランクに対して同時に超仕上げを施すことができるので、加工に要する時間が短く低コストで、しかも加工精度のバラツキが生じにくい。
【0042】
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、ラジアル玉軸受用の内外輪及びボールねじのねじ軸が備えるゴシックアーク溝に超仕上げを施す方法について説明したが、本発明は、いかなる装置,機器が備えるゴシックアーク溝に対しても適用可能であることは勿論である。例えば、リニアガイド装置等の上記以外の転動装置が備えるゴシックアーク溝に対しても好適に適用可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るゴシックアーク溝の超仕上げ方法は、加工に要する時間が短く、低コストで高精度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】内輪の軌道溝に砥石を用いて超仕上げを施す方法を説明する説明図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】内輪のゴシックアーク溝の連続的線接触線の軌跡を計算するためのパラメータを説明する図である。
【図4】芯高Ht の値を種々変更して計算した内輪のゴシックアーク溝の連続的線接触線を示す図である。
【図5】芯高Ht が3.03mmの場合の砥石とゴシックアーク溝の溝面との接触状態を示す部分断面図である。
【図6】ゴシックアーク溝の底部の形状を示す部分断面図である。
【図7】外輪のゴシックアーク溝の連続的線接触線の軌跡を計算するためのパラメータを説明する図である。
【図8】芯高Ht の値を種々変更して計算した外輪のゴシックアーク溝の連続的線接触線を示す図である。
【図9】ねじ軸のねじ溝に砥石を用いて超仕上げを施す方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
11,31 ゴシックアーク溝
12R 右フランク
12L 左フランク
20 砥石
O 揺動中心
θ 揺動角度

Claims (2)

  1. 溝直角断面が中心の異なる2つの同一円弧を組合せた略V字状をなすゴシックアーク溝の溝面を構成する2つの曲面に、1つの砥石で超仕上げを施す方法であって、
    前記ゴシックアーク溝の幅方向の中央を通る平面上に揺動中心を設定し、前記2つの曲面に接触させた前記砥石を、前記揺動中心を軸として前記ゴシックアーク溝の幅方向に揺動させて、前記溝面に超仕上げを施すに際して、
    前記揺動中心に平行な方向の前記砥石の幅の中央における前記揺動中心と前記溝面との間の距離の最小値が前記ゴシックアーク溝の肩において得られるような位置で、且つ、前記ゴシックアーク溝の底部から最も近い位置に、前記揺動中心を配したことを特徴とするゴシックアーク溝の超仕上げ方法。
  2. 前記砥石の揺動角度を6°以下とすることを特徴とする請求項1に記載のゴシックアーク溝の超仕上げ方法。
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