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JP3852559B2 - 換気装置 - Google Patents

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JP3852559B2
JP3852559B2 JP2000394950A JP2000394950A JP3852559B2 JP 3852559 B2 JP3852559 B2 JP 3852559B2 JP 2000394950 A JP2000394950 A JP 2000394950A JP 2000394950 A JP2000394950 A JP 2000394950A JP 3852559 B2 JP3852559 B2 JP 3852559B2
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信昌 佐々木
宏二 小川
哲也 田中
宏康 桑沢
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理に伴う油煙や湯気・臭気等を排出する厨房用の換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厨房用の換気装置は、レンジフードファンとも称され厨房の調理台の上方の壁面に設置され、調理に伴う油煙や湯気・臭気等を捕集して厨房の外に排出するものである。従来のこの種の換気装置は、例えば、実公平6―25786号公報に示されているような構成が採られている。即ち、図8に示すように側面形状が略直角三角形をしたフード本体50内に、送風ユニット51が組込まれ、フード本体50の上側両側部分及び上端部分から油煙や湯気・臭気等を吸込み、フード本体50の天面から排気するように構成されている。フード本体50の下面の下半分は斜めの案内板52で閉止され、上半分に遮蔽板53が斜めに設けられている。遮蔽板53の両側と上端に隙間が設けられ、この隙間が吸込口として機能する。調理に伴う油煙や湯気・臭気は、案内板52に沿って遮蔽板53側に導かれ、遮蔽板53の両側及び上端からフード本体50内へ吸込まれ、送風ユニット51により外部に排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の厨房用の換気装置において、側面形状が略直角三角形をしたフード本体50で構成されるものは、側方の囲いがないため閉塞感がなく、開放感のある意匠を構成でき、取付け位置が低くても利用者の頭部がぶつかったりしない利点があるものの、側面の囲みがないため、左右方向への漏れが多くなる。このためこれを補償するために大容量(400〜600m3/h)の送風ユニット51が組込まれており、運転音も大きく足元に冷風感を覚えるといった問題点がある。また、上方の空間はダクトの配管スペースとなるため、その空間を有効に利用することができないといった不都合もある。
【0004】
本発明は、係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その課題とするところは、閉塞感が少なく低所取付けの可能な捕集性能の良好な換気装置を得ることであり、その換気装置の小風量換気化を推進することであり、デッドスペースの削減を図ることができる換気装置を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために請求項1の発明は、吸込口として下面が開放し、室外へ連絡させ得る排気口を備えた扁平で横長の中空の箱体、箱体内に組込み、吸込口から排気口へ向う空気流を形成させる排気用の送風機、箱体の両側及び背面を下方に延出させ、側面形状を略直角三角形として構成したフード部、フード部内において、箱体の前縁下部との間の隙間と、フード部の左右の内側面との間に上側ほど開口面積を広くした隙間を形成するとともに、下端縁が箱体の背面下端にほぼ一致し、フード部の側面の傾斜縁より水平面に対する傾斜角度の大きい誘導板を備える手段を採用する。
【0006】
前記課題を達成するために請求項2の発明は、請求項1に係る前記手段における誘導板の傾斜角度を、50度前後に設定する手段を採用する。
【0007】
前記課題を達成するために請求項3の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る前記手段における誘導板と箱体前縁下部との隙間の幅を、40mm前後に設定する手段を採用する。
【0008】
前記課題を達成するために請求項4の発明は、請求項1〜請求項3までのいずれかに係る前記手段における誘導板と箱体前縁下部との隙間の位置を、箱体の背面から430mm前後に設定する手段を採用する。
【0009】
前記課題を達成するために請求項5の発明は、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記手段における誘導板とフード部の内側面との隙間を、上側ほど広い略三角形に構成する手段を採用する。
【0010】
前記課題を達成するために請求項6の発明は、請求項5に係る前記手段におけるフード部に、その側面の傾斜縁から隙間に向う傾斜板を設け、その傾斜板に上側の広い逆三角形状の開口部を設ける手段を採用する。
【0011】
前記課題を達成するために請求項7の発明は、請求項1〜請求項6までのいずれかに係る前記手段における誘導板と箱体前縁下部との隙間の吸込み風速を2m/sec前後に設定する手段を採用する。
【0012】
前記課題を達成するために請求項8の発明は、請求項1〜請求項7までのいずれかに係る前記手段における排気用の送風機の処理風量を毎時100立方メートルから毎時290立方メートルに設定する手段を採用する。
【0013】
前記課題を達成するために請求項9の発明は、請求項1〜請求項8までのいずれかに係る前記手段における誘導板に隙間に向う傾斜を付ける手段を採用する。
【0014】
前記課題を達成するために請求項10の発明は、請求項1〜請求項9までのいずれかに係る前記手段における誘導板の下端を、チャンネル状に構成した油受け部分に保持させる手段を採用する。
【0015】
前記課題を達成するために請求項11の発明は、請求項1〜請求項10までのいずれかに係る前記手段における箱体の天面を取付け状態で略水平面となるように構成し、箱体の天面上に間隔をおいて物品の収納可能な収納部を設ける手段を採用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図6によって示す本実施の形態は、調理に伴う油煙や湯気・臭気等を排出する厨房用の換気装置に関するものである。この換気装置は、吸込口1として下面が開放し、室外へ連絡させ得る排気口2を備えた扁平(縦寸法に対して横寸法が4倍ほど)で横長の中空の箱体3内に排気用の送風機4が、その羽根回転面が略水平となるように組込まれている(図2参照)。箱体3の吸込口1にはグリスフィルター5が着脱可能に装着され、送風機4は、グリスフィルター5を経て吸込口1から背面又は側面に開設される排気口2へ向う空気流を形成する。送風機4の処理風量は100m3/hから290m3/hほどに設定されている。
【0017】
箱体3の両側及び背面は下方に延出され、図3に示すように側面形状が略直角二等辺三角形状のフード部6が構成されている。フード部6の背面の下端には内向きのチャンネル状の油受け7が形成されている。箱体3の前面には前カバー8が装着され、前カバー8内にはランプ9が組込まれ、前面には操作パネル10が取付けられている。フード部6の両側には、その傾斜縁11から内側に斜めに入込む傾斜板12が設けられ、この傾斜板12の上端と油受け7間に等脚台形状の誘導板13が斜めに装着されている(図1参照)。傾斜板12には上側が広い逆三角形状の開口部14が設けられている。誘導板13の下縁は略側面間の寸法で油受け7内の支持部15に受承され、上縁は下縁より短く傾斜板12にネジ付けにされている。送風機4のモーター16の回転軸が略垂直方向にあることにより、油受け7の前方への突出は少なく、この油受け7部分に誘導板13を保持させることにより、構成が簡素になり意匠性も増す。
【0018】
誘導板13はフード部6内にあり、フード部6の側面の傾斜縁11より水平面に対する角度の大きい傾斜角度θが付けられている。この傾斜角度θは、例えば、フード部6の側面の傾斜縁11の角度が水平面に対して45度であれば50度前後とする。これによって、誘導板13の両側には上方に向うほど下方への張出しの大きい側面による囲みができることになる。誘導板13の上縁は、箱体3の前縁下部に略対応した背面から430mm前後の位置にあり、箱体3前縁との間に隙間17が形成されている。この隙間17の幅は40mm前後に設定されている。この隙間と逆三角形状のフード部6の両側の隙間18が実質的な吸込口となる。
【0019】
この換気装置は、図3に示すように厨房の壁面19に背面を当て沿わせた状態で取付けられる。施工に当ってはガス台や電磁調理器20の加熱作業面からグリスフィルター5までの高さを800mm以上確保する。誘導板13の上縁の隙間17は、背面から430mm前後の前側位置にあるため、ガス台や電磁調理器20の加熱作業面に置いた鍋やフライパンの直上に位置することになる。
【0020】
電磁調理器20での調理では火炎を使わないため調理に伴い鍋等から発生する蒸気や臭気あるいは油滴等は、温度差によって弱いドラフトで上昇する。上昇した蒸気や臭気あるいは油滴等は、直上の誘導板13に当り、コアンダー効果により誘導板13の表面に寄り付くようにして上昇成分を持って広がる。蒸気等が誘導板13に衝突して発生する水滴や油滴は、誘導板13の表面をその傾斜に沿って流下し下端において油受け7に受容される。
【0021】
一方、送風機4の羽根車の回転によりグリスフィルター5を経て吸込口1に吸込まれる空気は、昇圧されて排気口2から室外へ排気される。この送風機4の運転による空気の流れは、傾斜板12の逆三角形の開口部14及び誘導板13の上縁の隙間17から毎秒約2mの流速で吸込まれていく。この吸込みスピードは、誘導板13に沿ってドラフトにより広がって行く蒸気や臭気あるいは油滴等を含む気流のスピードより速い値であり、蒸気や臭気あるいは油滴等を拡散させることなく効果的に吸入し排出することができる。
【0022】
誘導板13の下側(壁近傍側)には加熱対象となる物はなく、立昇る蒸気や臭気等も殆どなく、立昇る蒸気や臭気等は加熱作業面に置いた鍋やフライパンの直上が多く、誘導板13に当った蒸気や臭気も上昇方向の成分を帯びている。従って、蒸気や臭気等が多く発生し、そして集まる場所に40mm前後の隙間17を設定し、また、開口面積を上側ほど広くした開口部14を左右に設けることにより小風量で効率よく蒸気や臭気を吸入し排出することができる。傾斜板12は開口部14への気流を滑らかに導き、捕集性を高める働きをする。そして、誘導板13の傾斜角度θがフード部6の側面の傾斜縁11の角度より大きくなっており、上側に向うほどフード部6の両側の囲みが大きくなっているので、立昇る蒸気や臭気あるいは油滴等の側方への拡散を効果的に防止することができる。この換気装置は、側面形状が直角三角形であるため閉塞感が少なく、使用者の頭が当るようなことも少ないので、低所取付けが可能であり調理にあたりドラフトの少ない特徴を持つ電磁調理器20を備えた厨房の局所換気に好適である。
【0023】
電磁調理器20に対する換気装置であれば、排気用の送風機4の処理風量は100m3/hから290m3/h程度で十分に調理に伴う蒸気や臭気を捕集し排出することができ、低騒音で足元に冷風感も及ぼさない使用感の良い換気装置となる。誘導板13については、平板態でなくても図4や図5に示すように吸込み方向に曲げ面21を設けた構成としても、曲面構成22としても良い。こうした構成を採ることにより、誘導板13の剛性を上げることができ、質感も付与することができる。
【0024】
なお、図6は図8に示した従来の換気装置(B)と、本実施の形態の換気装置(A)との風量と捕集率の関係を比較して示した説明図である。
【0025】
実施の形態2.
図7に示す本実施の形態は、実施の形態1で示した換気装置に収納性を持たせる工夫を講じたものであり、それに係る構成以外は実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形態1のものと同じ部分については、実施の形態1のものと同じ符号を用いそれらについての説明は省略する。
【0026】
本実施の形態の換気装置の箱体3の天面23は、背面を壁面19に当て沿わせた取付け状態において略水平面となり、その上方に天面23との間に20mm以上の隙間を保持して開閉可能な収納箱24が取付けられている。この収納箱24は、天面23上に固定されたチャンネル状の支持部材25にネジ等により支持されている。箱体3の天面23から20mm以上の間隔を持った収納箱24は、法規のうえからも問題なく物品の収納が可能なものであり、換気装置の天面23上方がデッドスペースとならず、物品の収納スペースとして有効に利用することができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、閉塞感が少なく低所取付けの可能な捕集性能の良好な換気装置が得られる。
【0028】
請求項2の発明によれば、請求項1に係る前記効果とともに側方への拡散を防止でき捕集性能が向上する。
【0029】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2のいずれかに係る前記効果とともに捕集性能が向上する。
【0030】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3までのいずれかに係る前記効果とともに調理台等に対する適合性が高まり、効果的な捕集が可能になる。
【0031】
請求項5の発明によれは、請求項1〜請求項4までのいずれかに係る前記効果とともに捕集性能が一層向上する。
【0032】
請求項6の発明によれば、請求項5に係る前記効果とともに捕集性能が一層向上する。
【0033】
請求項7の発明によれば、請求項1〜請求項6までのいずれかに係る前記効果とともに効率よく効果的な捕集が可能となる。
【0034】
請求項8の発明によれば、請求項1〜請求項7までのいずれかに係る前記効果とともに低騒音化とともに使用感が向上する。
【0035】
請求項9の発明によれば、請求項1〜請求項8までのいずれかに係る前記効果とともに誘導板の性能を維持したまま剛性を高めることができる。
【0036】
請求項10の発明によれば、請求項1〜請求項9までのいずれかに係る前記効果とともに構成が簡素になり意匠性が増す。
【0037】
請求項11の発明によれば、請求項1〜請求項10までのいずれすかに係る前記効果とともにデッドスペースの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の換気装置の斜視図である。
【図2】 実施の形態1の換気装置の断面図である。
【図3】 実施の形態1の換気装置を設置状態で示す側面図である。
【図4】 実施の形態1の換気装置の他の誘導板を示す斜視図である。
【図5】 実施の形態1の換気装置の他の誘導板を示す斜視図である。
【図6】 実施の形態1の換気装置の捕集率と風量の関係を従来と比較して示す説明図である。
【図7】 実施の形態2の換気装置を設置状態で示す側面図である。
【図8】 従来の換気装置の断面図である。
【符号の説明】
1 吸込口、 2 排気口、 3 箱体、 4 送風機、 6 フード部、 7 油受け、 11 傾斜縁、 12 傾斜板、 13 誘導板、 14 開口部、 17 隙間、 18 隙間、 21 曲げ面、 24 収納箱。

Claims (11)

  1. 吸込口として下面が開放し、室外へ連絡させ得る排気口を備えた扁平で横長の中空の箱体、この箱体内に組込み、前記吸込口から前記排気口へ向う空気流を形成させる排気用の送風機、前記箱体の両側及び背面を下方に延出させ、側面形状を略直角三角形として構成したフード部、このフード部内において、前記箱体の前縁下部との間の隙間と、前記フード部の左右の内側面との間に上側ほど開口面積を広くした隙間を形成するとともに、下端縁が前記箱体の背面下端にほぼ一致し、前記フード部の側面の傾斜縁より水平面に対する傾斜角度の大きい誘導板を備えた換気装置。
  2. 請求項1に記載の換気装置であって、誘導板の傾斜角度を50度前後に設定した換気装置。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の換気装置であって、誘導板と箱体前縁下部との隙間の幅を40mm前後に設定した換気装置。
  4. 請求項1〜請求項3までのいずれかに記載の換気装置であって、誘導板と箱体前縁下部との隙間の位置を、箱体の背面から430mm前後に設定した換気装置。
  5. 請求項1〜請求項4までのいずれかに記載の換気装置であって、誘導板とフード部の内側面との隙間を上側ほど広い略三角形に構成した換気装置。
  6. 請求項5に記載の換気装置であって、フード部の側面の傾斜縁から隙間に向う傾斜板を設け、その傾斜板に上側の広い逆三角形状の開口部を設けた換気装置。
  7. 請求項1〜請求項6までのいずれかに記載の換気装置であって、誘導板と箱体前縁下部との隙間における吸込み風速を2m/sec前後に設定した換気装置。
  8. 請求項1〜請求項7までのいずれかに記載の換気装置であって、排気用の送風機の処理風量を毎時100立方メートルから毎時290立方メートルに設定した換気装置。
  9. 請求項1〜請求項8までのいずれかに記載の換気装置であって、誘導板に隙間に向う傾斜を付けた換気装置。
  10. 請求項1〜請求項9までのいずれかに記載の換気装置であって、誘導板の下端をチャンネル状に構成した油受け部分に保持させた換気装置。
  11. 請求項1〜請求項10までのいずれかに記載の換気装置であって、箱体の天面を取付け状態で略水平面となるように構成し、この箱体の天面上に間隔をおいて物品の収納可能な収納部を設けた換気装置。
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