JP3849412B2 - 2−アルキリデンアダマンタンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−アルキリデンアダマンタンの製造方法に関する。詳しくは、2−アルキルアダマンタン−2−オールを脱水反応させて2−アルキリデンアダマンタン−2−オールを製造する方法の改良に関する。
本発明により得られる2−メチレンアダマンタンとアクリル酸又はメタクリル酸との三級アルコールエステルは高性能なフォトレジスト原料として注目されている。
【0002】
【従来の技術】
ケトン化合物を原料としてアルケン類を製造する方法については、例えばケトン化合物とウィティッヒ試薬とを反応させ、次いで塩化チオニルと反応させる方法、或いはケトン化合物とスワン酸化試薬とを反応させ、次いで塩化チオニルと反応させる方法等がこれ迄に知られている。
そして、ケトン化合物が2−アダマンタノンである場合、これをヨウ化メチルマグネシウムと反応させ、次いで塩化チオニルでスルホニル化した後、アルケンを製造する反応が報告されている(G.A.Olah,et al.,Journal of Organic Chemistry,54,1375(1989))。但し、この場合、2−ヒドロキシアダマンタンが主成物(86%)であり、目的とする2−メチレンアダマンタンの収率は約10%である。
【0003】
一方、2−メチル−2−アダマンタノールを85%の燐酸で脱水反応させた場合、室温では二量体が得られ、120〜150℃で反応させると2−メチレンアダマンタンと2−メチルアダマンタンが2:1の割合で得られることが報告されている(J.L.Fry et al.,Collection Czechoslov.Chem.Commun.,40(1975))。
また、特開平8−310995号公報には第3級アルコールと(メタ)アクリル酸との反応では、エステルは殆んど形成されず、第3級アルコールの脱離反応が進行し、アルケン又は溶媒との付加体が形成されると記載されているが、アルケン類のみが高選択率で得られることについては何ら述べられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上、述べたように、アダマンタノンを原料としてアルケン類を製造する従来の方法は、高価なグリニア試薬を用い、しかも目的とするアルキリデンアダマンタンの収率が低く、一方、2−メチル−2−アダマンタノールを85%の燐酸で脱水反応させる方法も目的とする2−メチレンアダマンタンの収率が低いという問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる事情に鑑み、2−メチル−2−アダマンタノールを脱水反応させて2−メチレンアダマンタンを製造する方法について鋭意検討した結果、この脱水反応を鉱酸又は有機スルホン酸の存在下で行う際に、カルボン酸を共存させることにより、二量体等の副生物が少なく、ほぼ定量的に目的とする2−メチレンアダマンタンが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明の要旨は、2−アルキルアダマンタン−2−オールを脱水反応させて2−アルキリデンアダマンタンを製造する方法において、カルボン酸を共存させることを特徴とする2−アルキリデンアダマンタンの製造方法、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、2−アルキルアダマンタン−2−オールを脱水反応させて2−アルキリデンアダマンタンを製造する際に、カルボン酸を共存させることを特徴とする。
本発明に用いられる原料の2−アルキルアダマンタン−2−オールのアルキル基としては、アダマンチル基に直接結合する炭素上に少なくとも一個の水素原子を有するものであれば特に限定されるものではないが、2−メチルアダマンタン−2−オールが好ましい。
なお、この2−アルキルアダマンタン−2−オールは、例えば2−アダマンタノンと塩化アルキルマグネシウム又は臭化アルキルマグネシウム等のグリニヤール試薬との反応により容易に製造することができる。
【0008】
本発明に用いられるカルボン酸としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、メタクリル酸等の飽和又は不飽和の脂肪族カルボン酸類;安息香酸、フェニル酢酸、ナフタレンカルボン酸、ケイ皮酸等の飽和又は不飽和の芳香族カルボン酸類の何れも用いることが可能である。またアジピン酸やベンゼンジカルボン酸等の二塩基酸を使用することもできる。
これらの中、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸等が好ましい。
【0009】
カルボン酸の使用量はその種類にもよるが、一般的には原料である2−アルキリルアダマンタン−2−オールに対して0.1モル%〜5倍モル当量、好ましくは0.1モル%〜1倍モル当量、より好ましくは1モル%〜80モル%の範囲である。この範囲よりも少ないと二量体等の副生物の量が多くなり、この範囲よりも多いと製造コストの観点から好ましくない。
本発明の脱水反応は、酸触媒の存在下で行うのが好ましい。本発明に用いられる酸触媒としては、この脱水反応に触媒として作用するものであれば(但し、カルボン酸を除く)、特に限定されるものではないが、鉱酸及び有機スルホン酸が好ましい。また、スルホン酸型のイオン交換樹脂を用いることもできる。これらの中、有機スルホン酸がより好ましい。
【0010】
鉱酸の具体例としては、例えば塩酸、硫酸、等が挙げられる。
また、有機スルホン酸の具体例としては、例えばベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クレゾールスルホン酸、メタンスルホン酸、等が挙げられる。
そして、有機スルホン酸の中、クレゾールスルホン酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、その種類にもよるが、通常、原料の2−アルキルアダマンタン−2−オールに対して、0.0001〜20モル%、好ましくは0.01〜5モル%である。
【0011】
本発明の方法においては、反応系において安定な溶媒を使用することもできる。その際、この脱水反応は平衡反応であるので、生成する水と共沸可能な溶媒を使用し、反応進行に伴って生成する水を溶媒との共沸によって、反応系外へ除去することが有利である。
このような溶媒の具体例としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類:クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
生成水を共沸によって反応系外に除去するに際して、ディーンシュタルク管等の水滴分離器を使用し、水分が除去された溶媒を反応系中に戻す等の方法も採られることがある。溶媒の使用量は一概に決められず、任意であるが、一般には原料である2−アルキルアダマンタン−2−オールに対する重量倍で0.01〜1000倍、好ましくは0.1〜500倍の範囲である。
【0012】
脱水反応は、例えば反応器に原料の2−アルキルアダマンタン−2−オール、触媒のカルボン酸、必要に応じて酸触媒及び溶媒を仕込み、好ましくは攪拌下に、好ましくは反応により生成する水を系外に留去しながら、所定の温度、時間で行われる。
【0013】
反応温度は室温〜200℃、好ましくは50〜150℃の範囲である。反応時間は反応温度によって最適反応時間が変化するが、一般的には0.1〜50時間、好ましくは0.5〜20時間の範囲である。
その他の添加剤、例えばモレキュラーシーブや無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の脱水剤を共存させることで反応により生成する水をトラップしながら反応させることもできる。その使用量は一般に原料である2−アルキルアダマンタン−2−オールに対する重量倍で0.01〜1000倍、好ましくは0.1〜500倍の範囲である。
本反応は回分操作の下に行うこともできるが、適当な反応装置を使用すれば連続操作でも実施可能である。
【0014】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
100mlナス型フラスコに、2−メチルアダマンタン−2−オール1.001g(6.02mmol)、メタクリル酸1.262g(14.66mmol)、クレゾールスルホン酸0.025g(0.13mmol)及びトルエン50mlを仕込み、ここに逆流冷却器を付したディーンシュタルク水滴分離器を取り付け、系内ガスを窒素で置換した。内容物を攪拌しながら、生成する水をトルエンとの共沸混合物として除去しつつ、油浴上で4時間還流した。フラスコ内容物の温度を室温とし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlで洗浄の後、有機層をガスクロマトグラフィーを用いて生成物の定性及び定量分析を行った。原料の転化率は99.5%であった。生成物としては、目的とする2−メチレンアダマンタン以外に、少量の2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレートが得られた。結果を表1に示す。
【0015】
(実施例2)
実施例1において、50mlナス型フラスコを使用し、2−メチルアダマンタン−2−オールを1.066g(6.41mmol)、メタクリル酸を1.386g(16.10mmol)、クレゾールスルホン酸0.006g(0.03mmol)及びトルエン30mlを仕込み、反応時間を2時間とした以外は実施例1と同様の操作及び分析を行ったところ、原料の転化率は99.6%であった。結果を表1に示す。
【0016】
(実施例3)
実施例1において、30mlナス型フラスコを使用し、2−メチルアダマンタン−2−オールを0.501g(3.01mmol)、酢酸を0.093g(1.55mmol)、クレゾールスルホン酸0.003g(0.016mmol)及びトルエン10mlを仕込み、反応時間を2時間とした以外は実施例1と同様の操作及び分析を行ったところ、原料の転化率は99.3%であった。結果を表1に示す。
【0017】
(比較例1)
実施例1において、2−メチルアダマンタン−2−オールを5.0g(30.08mmol)、メタクリル酸を使用せず、クレゾールスルホン酸0.883g(1.502mmol)及びトルエン50mlを仕込み、それ以外は実施例1と同様の操作及び分析を行ったところ、原料の転化率は99.0%であった。結果を表1に示す。なお、主生成物は2−メチレンアダマンタンの二量体である4−[(2−メチルアダマンタン−2−イル)メチレン]アダマンタンであった。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、2−メチルアダマンタン−2−オールを出発原料として、2−メチル−2−アダマンチルエステル等の原料として有用な2−メチレンアダマンタンが、従来法に比べて飛躍的に簡便に、且つ収率よく製造することができる。
Claims (6)
- 2−アルキルアダマンタン−2−オールを脱水反応させて2−アルキリデンアダマンタンを製造する方法において、カルボン酸を共存させることを特徴とする2−アルキリデンアダマンタンの製造方法。
- 2−アルキルアダマンタン−2−オールが2−メチル−アダマンタン−2−オールである請求項1に記載の製造方法。
- カルボン酸の使用量が2−アルキルアダマンタン−2−オールに対して、0.1モル%〜5倍モル当量である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 脱水反応時に鉱酸及び有機スルホン酸から選ばれる酸触媒を用いる請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法。
- 酸触媒が硫酸、クレゾールスルホン酸及びトルエンスルホン酸から選ばれる少なくとも一種の酸である請求項4に記載の製造方法。
- カルボン酸がアクリル酸、メタクリル酸及び酢酸から選ばれる少なくとも一種の酸である請求項1ないし5のいずれかに記載の製造方法。
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