JP3846310B2 - 流体封入式防振装置および流体封入式防振装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置とその製造方法に係り、特に振動が入力される受圧室と容積変化が許容される平衡室をオリフィス通路で連通せしめて、それら受圧室と平衡室の間でオリフィス通路を通じて流動せしめられる非圧縮性流体の流動作用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置とその製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、振動伝達系を構成する部材間に装着される防振装置の一種として、特開昭57−9340号公報等に記載されているように、互いに離隔配置せしめた第一の取付金具と第二の取付金具を本体ゴム弾性体で連結して、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成されて振動が入力される受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積変化が許容される平衡室を形成し、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置が、知られている。そして、このような流体封入式防振装置は、第一の取付金具と第二の取付金具の間への振動入力時にオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等に基づいて、ゴム弾性体のみでは得られ難い程の有効な防振効果を得ることが出来ることから、例えば自動車用エンジンマウントやボデーマウント等への適用が検討されている。
【0003】
ところで、上述の如き構造の流体封入式防振装置においては、振動入力時に平衡室が容積変化することに伴って膨出変形せしめられる可撓性膜を保護して、他部材の可撓性膜への干渉を防止するために、上述の公報にも記載されているように、可撓性膜を外側に離隔して覆う剛性の蓋金具が好適に採用される。
【0004】
ところが、本発明者が検討したところ、このように可撓性膜を保護する蓋金具を設けた従来構造の流体封入式防振装置においては、振動入力時に可撓性膜が膨出変形した際に蓋金具に当接することに起因して打音や振動が発生し易く、かかる打音や振動が問題となる場合があり、特に高性能化が進んだ自動車用のエンジンマウント等の防振装置においては、かかる可撓性膜の蓋金具への当接に起因する打音や振動が問題視されるレベルとなる場合のあることが明らかとなったのである。
【0005】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、防振装置の基本的な防振性能や製作容易性を損なうことなく、可撓性膜の蓋金具への当接に起因する打音や振動を防止することの出来る、新規な構造の流体封入式防振装置とその有利な製造方法を提供することにある。
【0006】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0007】
すなわち、流体封入式防振装置に関する本発明の第一の態様の特徴とするところは、互いに離隔配置された第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室を形成すると共に、該第二の取付部材に形成された筒状開口部を可撓性膜で覆蓋せしめて、該可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を該受圧室から独立して形成し、更にそれら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、前記可撓性膜の外側に剛性の蓋部材を配設して該蓋部材の外周縁部を前記第二の取付部材の前記筒状開口部にかしめ固定し、該蓋部材と該第二の取付部材のかしめ固定部位で該可撓性膜の外周部分を挟持せしめて該第二の取付部材の該筒状開口部に対して流体密に組み付ける一方、該可撓性膜と該蓋部材の間に空気室を形成すると共に、該空気室を外部空間に連通せしめる貫通孔を該蓋部材に形成し、該貫通孔をブラインドリベットによって外部から流体密に閉塞せしめて該空気室を気密状態とすることにより、振動荷重の入力に際して該空気室の空気ばね作用が該可撓性膜に及ぼされるようにして、且つ、前記蓋部材を、底部と周壁部を有する略カップ形状乃至は略皿形状として、該周壁部の開口縁部において前記第二の取付部材の他方の開口部にかしめ固定すると共に、該底部の外周縁部において該周壁部が立ち上がる角部に前記貫通孔を形成して、更に、該貫通孔が形成された前記角部の外周面において、前記ブラインドリベットの頭部を収容する切欠部を形成したことにある。
【0008】
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、装着状態下で振動が入力されて可撓性膜が膨出変形せしめられると、気密状態とされた空気室の容積が減少せしめられることに伴って発揮される該空気室の空気ばねが可撓性膜の外面に対する押圧力として作用せしめられるのであり、この空気ばね作用に基づいて可撓性膜の外方への膨出変形量が緩衝的に且つ有効に制限されることとなって、可撓性膜の蓋部材への当接に起因する打音や振動の問題が回避され得るのである。
【0009】
しかも、本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、可撓性膜を覆う蓋部材に貫通孔が形成されて、ブラインドリベットで外部から流体密に閉塞されていることから、第二の取付部材に対して可撓性膜や蓋部材まで組み付けて受圧室や平衡室を流体密に構成せしめた略最終製品に近い状態でも、ブラインドリベットの取付前であれば空気室を外部空間に連通状態とし、最後にブラインドリベットで貫通孔を閉塞して空気室を気密状態とすることが可能となるのであり、このような構造上の特徴から、略最終製品に近い状態までの各部品の組付けを非圧縮性流体中で行って受圧室および平衡室を形成すると同時に、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を充填するという、従来から流体封入式防振装置の製造方法として有利に採用されている液中組立法が採用可能とされ得ることとなって、液中組立法の利点である非圧縮性流体の受圧室や平衡室への優れた充填作業性や流体密性の信頼性などが技術的効果が何れも有効に発揮され得るのである。
【0010】
すなわち、流体封入式防振装置の製造方法としては、例えば特開2000−161420号公報に記載されているように受圧室や平衡室を形成する各部材を大気中で組み付けて受圧室と平衡室を密閉空間として形成した後に、第一の取付部材等に貫設した注入孔を通じて非圧縮性流体を受圧室や平衡室に充填し、充填後に該注入孔をブラインドリベット等で封止する方法も提案されているが、上述の如く、受圧室や平衡室を形成する各部材を非圧縮性流体中で組み付ける液中組立法においては、そのような大気中での組立法に比して、受圧室や平衡室に対して非圧縮性流体を容易且つ確実に充填してエアの残留を防止することが出来ると共に、受圧室や平衡室の流体密性も高度に安定して得ることが可能となって、流体封入式防振装置の性能安定性や信頼性が高度に達成され得る等といった利点があるのである。なお、このことから明らかなように、本発明は、特開2000−161420号公報等に記載されている大気中での組立法によって製造される流体封入式防振装置とは、基本的構造を異にする別異のものである。
また、本態様においては、略カップ形状乃至は略皿形状の蓋部材を採用したことにより、空気室の容積を有利に確保することが可能となって、可撓性膜と蓋部材の対向面間距離を大きく設定することが容易となる。
【0011】
なお、本態様において、平衡室の壁部を構成する可撓性膜は、例えば、適当な厚さで広がるゴム膜や適当な補強材を固着せしめた複合的なゴム膜等を用い、変形し易いように適当な弛みをもって配設することによって有利に形成される。また、蓋部材の貫通孔を閉塞せしめるブラインドリベットは、差し入れられる蓋部材の外部からの操作によってかしめ固定することの出来る公知のものであり、流体密に閉塞するために、O−リングや適当な封止剤(液状や粉状のものを含む)をブラインドリベットによる貫通孔の閉塞部位に採用することが望ましい。更に、本態様が適用される流体封入式防振装置は、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動が入力される受圧室と可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室とをオリフィス通路によって連通せしめた流体封入式の基本構造を備えた広い範囲に及び、例えば、前述の特開昭57−9340号公報等に記載された比較的簡単な構造のものの他、特開平2−50102号公報や特開平4−277338号公報等に記載された流体の流動作用に基づいて発揮される防振効果を切換制御するようにした構造のもの、或いは特開平10−184769号公報等に記載された加振手段を備えて能動的な防振効果を発揮する構造のものなどに対して、何れも有利に適用され得る。なお、可撓性膜が組み付けられる筒状開口部を備えた第二の取付部材は、特開平10−18476号公報等に記載されているように底部を有する有底筒体形状の他、例えば特開昭57−9340号公報等に記載されているように、以下に本発明の第二の態様として述べる如き略筒体形状等であっても良い。
【0012】
すなわち、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る流体封入式防振装置であって、前記第二の取付部材を略筒体形状として該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔配置すると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することによって該第二の取付部材における該一方の開口部を流体密に覆蓋する一方、該第二の取付部材の前記他方の開口部を前記可撓性膜で覆蓋すると共に、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に仕切部材を配設して該第二の取付部材で支持せしめることにより、該仕切部材の一方の側に該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された前記受圧室を形成すると共に、該仕切部材の他方の側に該可撓性膜で壁部の一部が構成された前記平衡室を形成し、更に該第二の取付部材の該他方の開口部における該可撓性膜の外側に前記蓋部材を配設して該蓋部材の外周縁部を該第二の取付部材の該他方の開口部にかしめ固定したことを、特徴とする。
【0013】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る流体封入式防振装置において、装用状態での振動入力に際して、前記可撓性膜の前記蓋部材への当接が完全に防止されるように、前記空気室の内法寸法が設定されていることを、特徴とする。このような本態様においては、予め装用状態での荷重条件や環境条件を考慮して空気室の形状や大きさが設計されるのであり、それによって、可撓性膜の蓋部材への当接に起因する打音や振動、或いは損傷等が、略完全に回避され得るのである。なお、空気室の内法寸法を設定するに際しては、第一の取付部材と第二の取付部材の間への振動入力に際して受圧室の容積変化から求められる平衡室の容積変化量や、空気室の空気ばねの大きさに影響する温度条件等も考慮されることとなるが、例えば第一の取付部材と第二の取付部材の相対的変位量を制限するストッパ機構が設けられる場合には、かかるストッパ機構で制限されるまで第一の取付部材と第二の取付部材が接近方向に相対変位せしめられた状態を考慮して、かかる状態下でも可撓性膜が蓋部材に当接しないように空気室の内法寸法を設定することが望ましい。
【0015】
さらに、流体封入式防振装置の製造方法に関する本発明の特徴とするところは、上述の如き本発明の第二又は第三の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置を製造するに際して、(a)前記第一の取付部材と前記第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結せしめて、該第二の取付部材の前記一方の開口部を該本体ゴム弾性体で流体密に閉塞せしめた一体加硫成形品を準備する工程と、(b)該一体加硫成形品に対して前記仕切部材と前記可撓性膜を組み合わせると共に、前記非圧縮性流体中で該一体加硫成形品の前記第二の取付部材における前記他方の開口部に、前記底部と前記周壁部を有する略カップ形状乃至は略皿形状の前記蓋部材を組み合わせ、該蓋部材を該周壁部の開口縁部において該第二の取付部材の該他方の開口部にかしめ固定せしめて、該蓋部材の外周部分と該第二の取付部材の該他方の開口部との間で該可撓性膜の外周縁部を挟圧せしめることにより、該第二の取付部材の該他方の開口部を該可撓性膜で流体密に閉塞せしめて前記受圧室と前記平衡室を形成した組付体を得る工程と、(c)該組付体を前記非圧縮性流体から大気中に取り出した後、大気中において、前記蓋部材の前記底部の外周縁部において前記周壁部が立ち上がる前記角部に形成された前記貫通孔を通じて前記空気室に入り込んだ該非圧縮性流体を排出する工程と、(d)前記空気室から前記非圧縮性流体を排出した後、前記蓋部材の前記貫通孔を前記ブラインドリベットで閉塞せしめると共に、該ブラインドリベットの頭部を該蓋部材の外周面に形成した切欠部に収容せしめて該空気室を気密状態とする工程とを、含む流体封入式防振装置の製造方法にある。
【0016】
このような本発明方法に従えば、受圧室や平衡室を形成する各部材を非圧縮性流体中で組み付ける液中組立法によって目的とする気密空気室を備えた流体封入式防振装置を製造することが出来るのであり、それ故、受圧室や平衡室への非圧縮性流体の充填を容易且つ確実に行い、受圧室や平衡室の流体密性を高度に設定することが可能となると共に、空気室への非圧縮性流体の残留を容易に解消せしめられ得ることとなり、以て、非圧縮性流体の流動作用に基づく所期の防振効果が安定して発揮され得る流体封入式防振装置を有利に製造することが可能となるのである。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0018】
先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、互いに所定距離を隔てて配設された第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結された構造とされており、第一の取付金具12が図示しないパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14が図示しないボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として図1中の上下方向をいうものとする。
【0019】
より詳細には、第一の取付金具12は、略平板形状を有していると共に、中央部分には上方に向かって突出する取付ボルト18が固設されており、この取付ボルト18によって第一の取付金具12がパワーユニットに取付固定されるようになっている。なお、第一の取付金具12の下面略中央には、カップ状の保持金具17がその開口部で重ね合わせられて溶着されていると共に、第一の取付金具12の周上の一箇所には、外周方向に延び出してストッパ部20が一体形成されている。
【0020】
また、第二の取付金具14は、略円筒形状を有しており、その筒壁部には上方に向かって拡開するテーパが略全体に亘って付されている。また、第二の取付金具14の下側開口端部には、径方向外方に所定幅で広がる円環状の段差部22と、該段差部22の外周縁部から軸方向下方に延びる大径のかしめ筒部24が一体形成されている。更にまた、第二の取付金具14の上側開口端部には、周上の一箇所において軸方向斜め上方に向かって延び出す当接金具26が溶着されており、この当接金具26が第一の取付金具12のストッパ部20に対して略上下方向で離隔して、緩衝ゴム27を挟んで対向配置されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の離隔方向(リバウンド方向)での相対変位量を緩衝的に制限するストッパ機構が構成されている。
【0021】
そして、第二の取付金具14の一方の開口部としての上側開口部の上方に離隔して第一の取付金具12が配設されて、軸直角方向に僅かに偏倚して対向配置されており、これら第一の取付金具12と第二の取付金具14の対向面間に本体ゴム弾性体16が介在せしめられている。この本体ゴム弾性体16は、全体として大径の円錐台形状とされており、その小径側端面に対して第一の取付金具12の下面が重ね合わせられて、保持金具17が軸方向に差し入れられた状態で加硫接着されている一方、その大径側の端部外周面に対して第二の取付金具14の内周面が重ね合わせられて加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16には、大径側端面に開口する大径のすりばち状の凹所28が下方に向かって開口して形成されており、パワーユニットの支持荷重などバウンド方向荷重の入力時における引張応力の発生が軽減されている。
【0022】
さらに、このように第一及び第二の取付金具12,14を含んで形成された本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品30には、仕切部材32と可撓性膜としてのダイヤフラム34が組み付けられている。仕切部材32は、互いに重ね合わせられたそれぞれ薄肉の上下板金具36,38を含んで構成されており、これら上下板金具36,38が、互いに密接状態で重ね合わせられた外周縁部において第二の取付金具14の下側開口周縁部に形成された段差部22に載置されることによって、仕切部材32が全体として第二の取付金具14の他方の開口部としての下側開口部で軸直角方向に広がる状態で配設されている。
【0023】
また、上下板金具36,38は、中央部分が円形台地状に上方に向かって突出せしめられており、これら両板金具36,38の円形台地状の突出部分の外径寸法が互いに異ならされることによって、両板金具36,38の重ね合わせ面間には、外周部分を周方向に所定長さで延びる略環状のオリフィス通路42が形成されている。そして、このオリフィス通路42の一方の端部は、上板金具36に形成された連通孔を通じて凹所28内に接続されていると共に、オリフィス通路42の他方の端部は、下板金具38に形成された連通孔を通じて凹所28の外部に開口せしめられている。更にまた、上板金具36の中央には大径の透孔44が形成されていると共に、この透孔44に可動ゴム板40が配設されている。かかる可動ゴム板40は、所定厚さの円板形状を有するゴム弾性体で形成されており、外周縁部において透孔44の周壁部に対して加硫接着されていることによって、透孔44が可動ゴム板40で流体密に閉塞されている。また、この可動ゴム板40に対向位置する下板金具38の中央部分は、可動ゴム板40から下方に所定距離だけ離隔せしめられていると共に、そこに複数の通孔46が貫設されている。
【0024】
また一方、ダイヤフラム34は、薄肉のゴム弾性膜によって形成されており、中央部分には変形し易いように多少の弛みが設定されている。また、ダイヤフラム34の外周縁部には、円環プレート形状の支持金具48が加硫接着されている。そして、このダイヤフラム34は、仕切部材32の下方から重ね合わせられることにより、全体として第二の取付金具14の下側開口部で軸直角方向に広がるように配設されており、支持金具48が下板金具38の下面に重ね合わせられて支持されている。なお、ダイヤフラム34には、支持金具48の上面を経て外周側で環状に広がるシールゴム部50が一体形成されており、このシールゴム部50が、上下板金具36,38の外周側を取り囲むようにして、段差部22上に配設位置せしめられている。
【0025】
さらに、上述の如く仕切部材32とダイヤフラム34が配設された第二の取付金具14の下側開口部には、ダイヤフラム34の外側から蓋部材としての蓋金具52が重ね合わせられて組み付けられている。この蓋金具52は、図3にも示されているように、底壁部54と周壁部56からなる浅底の有底円筒形状を有しており、更に周壁部56の開口端縁部には、径方向外方に延び出して広がる円環板形状の挟持部58が一体形成されている。そして、この蓋金具52によってダイヤフラム34が離隔して覆われており、ダイヤフラム34と蓋金具52の間には、ダイヤフラム34の弾性変形を許容する空気室59が形成されている。なお、挟持部58の外周縁部は、軸方向上方に向かって僅かに立ち上げられて環状保持部60とされている。そして、かかる蓋金具52は、開口部側においてダイヤフラム34にかぶせられるようにして配設されており、挟持部58が第二の取付金具14の段差部22に重ね合わせられるようにして第二の取付金具14の下側開口部に対してかしめ固定されて組み付けられている。
【0026】
すなわち、蓋金具52の環状保持部60が第二の取付金具14のかしめ筒部24に嵌め込まれており、かしめ筒部24が蓋金具52の挟持部58を包むようにかしめ固定されていることによって、蓋金具52が、第二の取付金具14の下側開口部を覆蓋する状態で固定的に組み付けられている。また、このような組付状態下では、蓋金具52の挟持部58と第二の取付金具14の段差部22の間で、上下板金具36,38の外周縁部と、ダイヤフラム34に固着された支持金具48が互いに重ね合わせられて全体として挟圧保持されている。これにより、第二の取付金具14の下側開口部がダイヤフラム34によって流体密に閉塞されている。なお、第二の取付金具14の下側開口部に対するダイヤフラム34の取付部位は、蓋金具52の挟持部58と第二の取付金具14の段差部22の間でシールゴム部50が挟圧されることによって高度な流体密性が確保されるようになっている。
【0027】
そして、第二の取付金具14の下側開口部がダイヤフラム34で覆蓋されることによって、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム34の対向面間には、外部空間に対して密閉された液体収容領域が形成されており、この液体収容領域に対して非圧縮性流体が充填されている。また、かかる液体収容領域は、第二の取付金具14で固定的に支持された仕切部材32によって上下両側に二分されており、以て、仕切部材32の上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室70が形成されている一方、仕切部材32の下側には、壁部の一部がダイヤフラム34で構成されて該ダイヤフラム34の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室72が形成されている。
【0028】
而して、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略上下方向の振動が入力されると、受圧室70と平衡室72の間に惹起される相対的な圧力変動に基づいて、それら両室70,72間でのオリフィス通路42を通じての流体流動や、可動ゴム板40の弾性変形に基づく通孔46を通じての流体流動が生ぜしめられることとなり、以て、それら流体の共振作用等の流動作用に基づいて有効な防振効果が発揮されるようになっているのである。なお、オリフィス通路42の長さや断面積等、或いは可動ゴム板40のばね定数や有効面積等は、要求される防振特性に応じて設定されることとなり、それらを調節することによって発揮される防振特性をチューニングすることが可能である。
【0029】
また、蓋金具52には、底壁部54を貫通して下方に突出する取付ボルト62,62が組み付けられて固着されており、これらの取付ボルト62,62により、第二の取付金具14が、蓋金具52を介して、図示しない自動車のボデーに対して固定的に取り付けられるようになっている。なお、図面上に明示はされていないが、各取付ボルト62は、蓋金具52の貫通部位において十分な気密性が確保される構造とされており、好適には、例えば取付ボルト62の頭部を底壁部54の内面に対して全周溶接したり、取付ボルト62の頭部に対して液状や紛状のシール剤を塗布したり、或いは取付ボルト62の頭部と底壁部54の間にO−リングを配設した構成が、採用される。
【0030】
更にまた、蓋金具52には、底壁部54から周壁部56が立ち上がる外周角部において、径方向で略対向位置する外周面部位に一対の傾斜した切欠部63,63が形成されており、これらの切欠部63,63によって蓋金具52の外周面に平坦なリベット取付座面が形成されている。また、各切欠部63の略中央には、蓋金具52の内外に貫通して延びる貫通孔66が形成されており、この貫通孔66を通じて、空気室59が外部空間に連通されるようになっている。
【0031】
そして、この蓋金具52の貫通孔66は、連通状態のままで放置されておらず、ブラインドリベット64が取り付けられており、それによって、両貫通孔66,66が、何れも、流体密に封止されている。なお、ブラインドリベット64は、蓋金具52の外側から貫通孔66に差し入れて、外側からのみの作業で、図4に示されているように貫通孔66にかしめ固定することのできるものであって、特に流体密性を確保するために、かしめ作業用に形成された中心軸上の作業孔が軸方向に貫通していない構造のものが好適に採用される。更に、本実施形態では、ブラインドリベット64による貫通孔66の封止シール性を一層確実なものにするために、シール材としてのO−リング68が採用されており、ブラインドリベット64をかしめ固定することによって、かかるO−リング68がブラインドリベット64の頭部と蓋金具52の切欠部63の平坦面との間で挟持されることによって、ブラインドリベット64と蓋金具52の間が流体密にシールされている。
【0032】
上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、装着状態下で第一の取付金具12と第二の取付金具14の間にパワーユニットの分担支持荷重が及ぼされて本体ゴム弾性体16が所定量だけ弾性変形せしめられると共に、振動入力時には、受圧室70に圧力変動が生ぜしめられることにより、オリフィス通路42を通じて受圧室70から平衡室72に流体が流入せしめられることとなり、それによって、図1に仮想線で示されているように、ダイヤフラム34が外方(空気室59内)に向かって膨出変形せしめられることとなる。
【0033】
ここにおいて、かかるエンジンマウント10にあっては、空気室59が気密状態とされていることから、ダイヤフラム34が空気室59に膨出変形せしめられると、空気室59に充填された空気による空気ばね作用が、ダイヤフラム34の膨出変形を抑える方向に作用することとなる。その結果、通常振動の入力時など、ダイヤフラム34の膨出変形量が小さい間は、作用する空気ばね力が小さくてダイヤフラム34の膨出変形に基づく平衡室72の容積変化が容易に許容されるが、衝撃的荷重の入力時などに、ダイヤフラム34の膨出変形量が大きくなると、ダイヤフラム34に対して大きな空気ばね力が及ぼされることとなり、ダイヤフラム34の膨出変形量が抑えられるのであり、それによって、ダイヤフラム34の蓋金具52への当接が防止されるようになっているのである。
【0034】
従って、このようなエンジンマウント10においては、通常状態で入力される振動に対しては、平衡室72の容積変化が容易に許容されて所期の防振効果が有効に発揮され得ると共に、大荷重の振動入力時にもダイヤフラム34の蓋金具52への当接が回避されて、ダイヤフラム34の当接に起因する打音や衝撃が有効に防止されるのである。しかも、ダイヤフラム34に対する膨出変形量の制限力は、空気ばねの作用によって緩衝的に及ぼされることから、ダイヤフラム34の耐久性の向上も図られ得るのである。
【0035】
加えて、上述の如き構造とされたエンジンマウント10は、一体加硫成形品30に仕切部材32やダイヤフラム34だけでなく、蓋金具52まで組み付けて、受圧室70や平衡室72の流体密性を確保した、略最終製品状態に近い最終段階で、蓋金具52の貫通孔66をブラインドリベット64で封止することによって空気室59を密閉することが出来ることから、所謂液中組立法を採用することが可能であり、それによって、受圧室70や平衡室72の流体密性を高度に且つ容易に確保することが出来るのである。
【0036】
以下に、液中組立法を利用した上述の如きエンジンマウント10の製造工程について、説明を加える。
【0037】
すなわち、先ず、図5に示されているように、一体加硫成形品30を予め準備し、それとは別体形成された上下板金具36,38やダイヤフラム34も準備する。そして、これらを受圧室70や平衡室72に充填する非圧縮性流体(例えば、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等)中に漬けて、空気残留が高度に防止されるように一体加硫成形品30を上下反対向きにして凹所28を上方に開口せしめた状態で、第二の取付金具14の開口部に対して、上述の上下板金具36,38とダイヤフラム34を重ね合わせて組み合わせる。なお、上下板金具36,38や、更にダイヤフラム34を、予め大気中で組み合わせておくことも可能であり、或いは、一体加硫成形品30に対して上下板金具36,38や、更にダイヤフラム34を、予め大気中で組み合わせてから非圧縮性流体中に浸漬せしめるようにしても良い。
【0038】
次いで、それらの組付体を非圧縮性流体中に浸漬したままの状態で、一体加硫成形品30と別体形成した蓋金具52を、該一体加硫成形品30の上方から重ね合わせて、蓋金具52の環状保持部60を、未だかしめ加工されてない円筒形状の第二の取付金具14のかしめ筒部24に対して嵌め込んで、ダイヤフラム34の上に被せる。
【0039】
続いて、図面上に明示はされていないが、上述の組付体を非圧縮性流体中に浸漬したままの状態で、第二の取付金具14のかしめ筒部24にかしめ加工を施して、該かしめ筒部24で蓋金具52の環状保持部60と挟持部58を巻き込み固定することによって、第二の取付金具14に対して蓋金具52を固着する。これによって、ダイヤフラム34の外周縁部が第二の取付金具14の開口部に対して流体密に組み付けられて、受圧室70および平衡室72が高度な流体密性をもって形成されると共に、それら両室70,72には、形成と同時に、非圧縮性流体が充填されるのである。
【0040】
その後、略製品に近い状態まで液中で組み付けられた組付体74を非圧縮性流体中から大気中に取り出して、図6に示されているように、上下を反対にして、必要に応じて斜めに傾けることにより、蓋金具52に形成されて開口状態のままとされた貫通孔66,66を通じて、空気室59に充填状態で入り込んだ非圧縮性流体を排出せしめる。なお、この非圧縮性流体の排出作業は、必要に応じてエアガン等の圧縮空気を利用することが可能である。
【0041】
そして、空気室59から非圧縮性流体を排出せしめた後、図4に示されているように、蓋金具52の貫通孔66,66に対して、外部からブラインドリベット64,64を差し入れて、外部からの作業で貫通孔66,66を気密に閉塞せしめることによって、目的とする前述の如き構造のエンジンマウント10が完成せしめられる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、また、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えたい態様において実施可能であり、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0043】
例えば、前記実施形態では、第二の取付金具14と蓋金具52のかしめ固定までを非圧縮性流体中で行なうようになっていたが、例えば、蓋金具52を第二の取付金具14のかしめ筒部24に圧入するだけで有効な仮シール性がダイヤフラム34と第二の取付金具14の間で確保され得るならば、蓋金具52の第二の取付金具14への圧入作業までを非圧縮性流体中で行い、かかる組付体を大気中に取り出した後、かしめ筒部24に対してかしめ加工を大気中で行なうようにしても良い。
【0044】
また、前記実施形態とは反対に、蓋金具52の外周縁部を第二の取付金具14側に向かって軸方向に筒状に立ち上げることにより蓋金具52にかしめ筒部を一体形成せしめて、該かしめ筒部を第二の取付金具14の開口端部に対して外から巻き付けるようにかしめ固定するようにしても良い。
【0045】
更にまた、蓋金具52に形成される貫通孔66の数は、何等、限定されるものでなく、例えば、一つ或いは三つ以上の貫通孔66を蓋金具52に形成することも可能である。
【0046】
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したものの一具体例を示したが、本発明は、エンジンマウント以外の自動車用のボデーマウント等の各種防振装置、或いは自動車以外の防振装置に対して、何れも適用可能であることは、言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、振動入力に際しての可撓性膜の膨出変形量が気密状態とされた空気室の空気ばね作用によって緩衝的に且つ有効に制限されることから、可撓性膜の蓋部材への当接に起因する打音や振動の問題が可及的に防止され得るのである。
【0048】
また、本発明方法に従えば、そのような本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置を、第一の取付部材に蓋部材まで組み付けて受圧室や平衡室の流体密性を確保した略最終製品状態に近い最終段階まで非圧縮性流体中で組み立てる液中組立法を採用して製造することが出来るのであり、それによって、受圧室や平衡室の流体密性を高度に且つ容易に確保することが可能となって、製品の信頼性が高度に実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面説明図である。
【図2】図1における半裁左側面図である
【図3】図1に示されたエンジンマウントを構成する蓋金具の底面図である。
【図4】図1に示されたエンジンマウントを要部拡大断面図である。
【図5】図1に示されたエンジンマウントの一製造工程を示す説明図である。
【図6】図1に示されたエンジンマウントの図5とは別の製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
17 保持金具
24 かしめ筒部
30 一体加硫成形品
32 仕切部材
34 ダイヤフラム
42 オリフィス通路
50 シールゴム部
52 蓋金具
59 空気室
64 ブラインドリベット
66 貫通孔
68 O−リング
70 受圧室
72 平衡室
74 組付体
Claims (4)
- 互いに離隔配置された第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室を形成すると共に、該第二の取付部材に形成された筒状開口部を可撓性膜で覆蓋せしめて、該可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を該受圧室から独立して形成し、更にそれら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、
前記可撓性膜の外側に剛性の蓋部材を配設して該蓋部材の外周縁部を前記第二の取付部材の前記筒状開口部にかしめ固定し、該蓋部材と該第二の取付部材のかしめ固定部位で該可撓性膜の外周部分を挟持せしめて該第二の取付部材の該筒状開口部に対して流体密に組み付ける一方、該可撓性膜と該蓋部材の間に空気室を形成すると共に、該空気室を外部空間に連通せしめる貫通孔を該蓋部材に形成し、該貫通孔をブラインドリベットによって外部から流体密に閉塞せしめて該空気室を気密状態とすることにより、振動荷重の入力に際して該空気室の空気ばね作用が該可撓性膜に及ぼされるようにして、且つ、
前記蓋部材を、底部と周壁部を有する略カップ形状乃至は略皿形状として、該周壁部の開口縁部において前記第二の取付部材の他方の開口部にかしめ固定すると共に、該底部の外周縁部において該周壁部が立ち上がる角部に前記貫通孔を形成して、更に、
該貫通孔が形成された前記角部の外周面において、前記ブラインドリベットの頭部を収容する切欠部を形成した
ことを特徴とする流体封入式防振装置。 - 前記第二の取付部材を略筒体形状として該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔配置すると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することによって該第二の取付部材における該一方の開口部を流体密に覆蓋する一方、該第二の取付部材の前記他方の開口部を前記可撓性膜で覆蓋すると共に、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に仕切部材を配設して該第二の取付部材で支持せしめることにより、該仕切部材の一方の側に該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された前記受圧室を形成すると共に、該仕切部材の他方の側に該可撓性膜で壁部の一部が構成された前記平衡室を形成し、更に該第二の取付部材の該他方の開口部における該可撓性膜の外側に前記蓋部材を配設して該蓋部材の外周縁部を該第二の取付部材の該他方の開口部にかしめ固定した請求項1に記載の流体封入式防振装置。
- 装用状態での振動入力に際して、前記可撓性膜の前記蓋部材への当接が完全に防止されるように、前記空気室の内法寸法が設定されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
- 請求項2又は3に記載の流体封入式防振装置を製造するに際して、
前記第一の取付部材と前記第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結せしめて、該第二の取付部材の前記一方の開口部を該本体ゴム弾性体で流体密に閉塞せしめた一体加硫成形品を準備する工程と、
該一体加硫成形品に対して前記仕切部材と前記可撓性膜を組み合わせると共に、前記非圧縮性流体中で該一体加硫成形品の前記第二の取付部材における前記他方の開口部に、前記底部と前記周壁部を有する略カップ形状乃至は略皿形状の前記蓋部材を組み合わせ、該蓋部材を該周壁部の開口縁部において該第二の取付部材の該他方の開口部にかしめ固定せしめて、該蓋部材の外周部分と該第二の取付部材の該他方の開口部との間で該可撓性膜の外周縁部を挟圧せしめることにより、該第二の取付部材の該他方の開口部を該可撓性膜で流体密に閉塞せしめて前記受圧室と前記平衡室を形成した組付体を得る工程と、
該組付体を前記非圧縮性流体から大気中に取り出した後、大気中において、前記蓋部材の前記底部の外周縁部において前記周壁部が立ち上がる前記角部に形成された前記貫通孔を通じて前記空気室に入り込んだ該非圧縮性流体を排出する工程と、
前記空気室から前記非圧縮性流体を排出した後、前記蓋部材の前記貫通孔を前記ブラインドリベットで閉塞せしめると共に、該ブラインドリベットの頭部を該蓋部材の外周面に形成した切欠部に収容せしめて該空気室を気密状態とする工程とを、
含むことを特徴とする流体封入式防振装置の製造方法。
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