JP3732839B2 - 電圧測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄電装置の出力電圧を測定する電圧測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電池の過放電や過充電を防止するために、二次電池からなる複数個の単位セルを直列に接続してなる組電池において、単位セル間の残容量(SOC:State Of Charge )のばらつきを判定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、組電池の充放電制御を行う際に、組電池に発生する異常を判定するための異常検出装置等も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−92732号公報
【特許文献2】
特開2001−174531号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の組電池等、直列に接続された複数のセルから構成される高電圧の蓄電装置(エネルギーストレージデバイス)の出力電圧を測定する場合、高電圧の出力電圧を直接測定するには、高耐圧の部品や大規模な構成の回路等が必要となる。そのため、蓄電装置を構成する各セル毎の出力電圧を個別に測定し、測定された電圧値を合算して蓄電装置全体の出力電圧とする方法が用いられる。また、蓄電装置を構成する各セル毎の出力電圧を個別に測定する方法では、全てのセルに対応してA/D変換器等の検出装置を個別に設けると、部品コストが増加するため、検出対象のセルを順次切り替えながらセル毎の出力電圧を検出することで、検出装置の数を削減する方法が用いられる。
【0005】
しかし、従来の電圧測定装置では、検出対象のセルを順次切り替えながらセル毎の出力電圧を検出するため、蓄電装置を構成するセルの数が多くなると、セル毎に出力電圧を検出する時刻が異なることになる。従って、個々のセルの出力電圧を測定するのに問題は無くとも、セル毎の出力電圧を合算して蓄電装置の出力電圧を算出する場合、検出時刻の差によるセル毎の出力電圧のばらつきが、蓄電装置の出力電圧の誤差として測定されてしまうという問題がある。また、検出時刻の差によるセル毎の出力電圧のばらつきが所定値以上になると、正常な蓄電装置を、セル間の電圧偏差に基づく異常な蓄電装置と判断してしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、検出対象のセルを順次切り替えながらセル毎の出力電圧を検出する場合でも、正確な出力電圧を測定する電圧測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る電圧測定装置は、セル(例えば実施の形態のセル2a〜2e)毎に測定された前記セルの出力電圧を合算して、該セルを複数個直列に接続した蓄電装置(例えば実施の形態のバッテリ2)の出力電圧を算出する電圧測定装置であって、検出対象の前記セルを順次切り替えながら前記セル毎の出力電圧を検出する電圧検出手段(例えば実施の形態のフォトMOSリレー7a〜7f及びオペアンプ8)と、今回検出された出力電圧と前回検出された出力電圧、及び各出力電圧の検出時刻とから、それぞれの前記セルにおける出力電圧の変化特性を算出する変化特性算出手段(例えば実施の形態の高電圧計測CPU1で実行されるステップS2の動作)と、算出されたそれぞれの前記セルにおける出力電圧の変化特性に基づいて、検出された前記セル毎の出力電圧を補正し、希望時刻の出力電圧を算出する電圧補正手段(例えば実施の形態の高電圧計測CPU1で実行されるステップS3の動作)とを備えたことを特徴とする。
【0008】
以上の構成を備えた電圧測定装置は、電圧検出手段が、検出対象のセルを順次切り替えながらセル毎の出力電圧を検出すると、セル毎の出力電圧に検出時刻の差に基づくばらつきが発生するので、変化特性算出手段が、今回検出された出力電圧と前回検出された出力電圧、及び各出力電圧の検出時刻とから、それぞれのセルにおける出力電圧の変化特性を算出し、電圧補正手段が、算出されたそれぞれのセルにおける出力電圧の変化特性に基づいて、検出されたセル毎の出力電圧を希望時刻の出力電圧に補正することにより、複数のセルにおいて検出時刻を合わせた出力電圧を算出することができる。
【0009】
請求項2の発明に係る電圧測定装置は、請求項1に記載の電圧測定装置において、前記希望時刻が、前回検出された出力電圧の検出時刻以後で、かつ今回検出された出力電圧の検出時刻以前の時刻であって、前記電圧補正手段は、前記変化特性算出手段が内挿処理により算出した前記変化特性に基づいて、前記希望時刻の出力電圧を算出することを特徴とする。
【0010】
以上の構成を備えた電圧測定装置は、前回検出された出力電圧と今回検出された出力電圧とから、内挿処理により出力電圧の変化特性を算出することで、前回検出された出力電圧の検出時刻と今回検出された出力電圧の検出時刻との間の希望時刻における出力電圧を算出することができる。
【0011】
請求項3の発明に係る電圧測定装置は、請求項1に記載の電圧測定装置において、前記希望時刻が、前回検出された出力電圧の検出時刻以前、または今回検出された出力電圧の検出時刻以後の時刻であって、前記電圧補正手段は、前記変化特性算出手段が外挿処理により算出した前記変化特性に基づいて、前記希望時刻の出力電圧を算出することを特徴とする。
【0012】
以上の構成を備えた電圧測定装置は、前回検出された出力電圧と今回検出された出力電圧とから、外挿処理により出力電圧の変化特性を算出することで、前回検出された出力電圧の検出時刻より過去、または今回検出された出力電圧の検出時刻より未来の希望時刻における出力電圧を算出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡単化のために、一例として5個のセルを直列に接続したバッテリを測定対象のバッテリとし、これに対応する電圧測定装置について説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の一実施の形態の電圧測定装置の構成を示すブロック図である。図1において、高電圧計測CPU1は、測定対象のバッテリ2の電圧測定を制御する制御部である。また、高電圧計測CPU1は、バッテリ2の負荷(図示せず)との間に設けられると共に、主にインバータ回路から構成されたPDU(Power Drive Unit:図示せず)によるバッテリ2の充放電を制御するバッテリ制御CPU3と、パルストランス4を介して接続されている。ここで、パルストランス4は、高電圧系の高電圧計測CPU1側と、低電圧系のバッテリ制御CPU3側とを分離するためのトランスであって、高電圧計測CPU1が取得したバッテリ2の電圧測定値は、パルストランス4を介してバッテリ制御CPU3へ通知される。
【0014】
一方、測定対象のバッテリ2は、複数のセル2a〜2eを直列に接続した構成を持ち、バッテリ2の両端及びセル2a〜2eのセル同士の各接点には、抵抗5a〜5fの一端が接続されている。また、セル2a〜2eと接続された端子の反対側において、抵抗5a〜5fの各抵抗間をコンデンサ6a〜6eで接続し、抵抗5a〜5fとコンデンサ6a〜6eとで、バッテリ2の各セル2a〜2eの電圧を計測する際に雑音を除去するための各セル毎のフィルタを構成する。
【0015】
更に、各抵抗5a〜5fと各コンデンサ6a〜6eとの接点は、各セルの電圧を計測するための出力端子として、各セルの出力端子を電気的に分離するためのフォトMOSリレー7a〜7fを介して、共通にオペアンプ8へ入力されている。具体的には、フォトMOSリレー7a、7c、7eの出力が、共通にオペアンプ8の一方の差動入力端子へ、フォトMOSリレー7b、7d、7fの出力が、共通にオペアンプ8のもう一方の差動入力端子へ、それぞれ入力されている。
【0016】
ここで、オペアンプ8は、高電圧計測CPU1によって一定時間毎に順番に駆動されたフォトMOSリレー7a〜7fから出力されるフォトMOSリレー7aとフォトMOSリレー7bとに出力されるコンデンサ6aの両端の電位、あるいはフォトMOSリレー7bとフォトMOSリレー7cとに出力されるコンデンサ6bの両端の電位、あるいはフォトMOSリレー7cとフォトMOSリレー7dとに出力されるコンデンサ6cの両端の電位、あるいはフォトMOSリレー7dとフォトMOSリレー7eとに出力されるコンデンサ6dの両端の電位、あるいはフォトMOSリレー7eとフォトMOSリレー7fとに出力されるコンデンサ6eの両端の電位のいずれかを差動増幅する増幅器であって、オペアンプ8の出力は、コンデンサの両端電圧として高電圧計測CPU1へ入力される。
【0017】
なお、オペアンプ8の差動入力端子に対する接続方向により、コンデンサ6aの両端電圧、コンデンサ6cの両端電圧、及びコンデンサ6eの両端電圧に対して、コンデンサ6bの両端電圧、コンデンサ6dの両端電圧、及びコンデンサ6fの両端電圧は、その極性が反転して検出されるので、高電圧計測CPU1は、両者の極性を統一してから扱うものとする。
【0018】
従って、高電圧計測CPU1は、フォトMOSリレー7a〜7fを順次駆動して、コンデンサ6a〜6eの両端の電位をスキャンすると共に、フォトMOSリレー7a〜7fの出力をオペアンプ8を介して取得することにより、順番にコンデンサ6a〜6eの両端に印加される両端電圧、すなわちバッテリ2を構成するセル2a〜2eの出力電圧を計測することができる。
また、以下の説明において高電圧計測CPU1は、セル2aの出力電圧をCH1(チャネル1)、セル2bの出力電圧をCH2(チャネル2)、セル2cの出力電圧をCH3(チャネル3)、セル2dの出力電圧をCH4(チャネル4)、セル2eの出力電圧をCH5(チャネル5)の電圧として取得するものとする。
【0019】
(測定電圧補正動作)
次に、本実施の形態の電圧測定装置の測定電圧補正動作について、図面を参照して説明する。図2は、高電圧計測CPU1における測定電圧補正動作を示すフローチャートである。
図2において、まず高電圧計測CPU1は、上述のようにフォトMOSリレー7a〜7fを順次駆動して、コンデンサ6a〜6eの両端の電位をスキャンすると共に、フォトMOSリレー7a〜7fの出力をオペアンプ8を介して取得することにより、順番にコンデンサ6a〜6eの両端に印加される両端電圧(コンデンサの両端電圧)、すなわちバッテリ2を構成するセル2a〜2eの出力電圧をCH1〜CH5の電圧として計測する(ステップS1)。
【0020】
具体的に一例を挙げて、セル2a〜2eの出力電圧のスキャンタイミングを図面を参照して説明すると、図3に示すように、高電圧計測CPU1は、10[msec]毎に1回ずつ、セル2a〜2eの出力電圧のスキャンを実行すると共に、1回のスキャンにおいて、1.6[msec]毎にフォトMOSリレー7a〜7fを順次駆動して、検出対象のセルを切り替え、順番にバッテリ2を構成するセル2a〜2eの出力電圧を検出する。
【0021】
次に、高電圧計測CPU1は、今回検出された出力電圧と前回検出された出力電圧を直線内挿処理すると共に、各出力電圧の検出時刻に基づいて、それぞれのセルにおける出力電圧の変化特性を算出する(ステップS2)。
【0022】
ここで、上述のステップ2における動作を、先に図面を参照して説明する。なお、ここでは説明の簡単化のため、セル2bにおける出力電圧の変化特性の算出方法について説明する。図4は、セル2bにおける出力電圧の変化特性の算出方法を示す図である。高電圧計測CPU1は、上述のように10[msec]毎に1回ずつ、セル2a〜2eの出力電圧のスキャンを実行すると共に、1回のスキャンにおいて、1.6[msec]毎にフォトMOSリレー7a〜7fを順次駆動して、検出対象のセルを切り替える。そのため、例えば時刻t1=10[msec]に開始されたスキャンにおいて、1.6[msec]後の時刻t2=11.6[msec]に、まずセル2aの出力電圧が検出される。
【0023】
そして、更に1.6[msec]後の時刻t3=13.2[msec]には、図4に示すように、セル2bの出力電圧B1が検出される。また、高電圧計測CPU1は、10[msec]毎に1回ずつ、セル2a〜2eの出力電圧のスキャンを実行するので、同様に時刻t4=20[msec]に開始されたスキャンの3.2[msec]後の時刻t5=23.2[msec]において、セル2bの出力電圧B2が検出される。
【0024】
ところで、従来の電圧測定装置のように、全てのセルに対応してA/D変換器等の検出装置を個別に設け、セル2a〜2eの出力電圧を一括して計測する方法であれば、本来検出されるべきセルの出力電圧は、出力電圧のスキャンを開始した時刻t1=10[msec]、あるいは時刻t4=20[msec]における出力電圧であることが望ましい。そこで、まず高電圧計測CPU1は、時刻t3=13.2[msec]において検出された出力電圧B1と、時刻t5=23.2[msec]において検出された出力電圧B2との間を直線内挿処理することにより、図4において太線で示す時刻t3から時刻t5までのセル2bにおける出力電圧の変化特性を算出する。また、ステップS2では、同様にしてセル2a〜2eの全てのセルにおける出力電圧の変化特性を算出する。
【0025】
一方、ステップS2において、それぞれのセルにおける出力電圧の変化特性を算出することができたら、高電圧計測CPU1は、算出されたそれぞれのセルにおける出力電圧の変化特性に基づいて、検出されたセル毎の出力電圧を希望時刻の出力電圧に補正する(検出された出力電圧を同期させる)と共に、補正された出力電圧値を、例えば次のスキャンタイミングの時刻t6=30[msec]において、パルストランス4を介してバッテリ制御CPU3へ電圧測定値として通知する処理を行う(ステップS3)。
【0026】
具体的には、セル2bを例に取ると、図4に示すセル2bにおける出力電圧の変化特性に従って、セル2bの時刻t4=20[msec]における出力電圧を下記(1)式に基づいて算出する。
【0027】
Vi=Vi(n−1)+(Vi(n)−Vi(n−1))×補正係数P ・・・(1)
【0028】
但し(1)式において、iは電圧を計測するセルを区別するチャネル番号(例えばセル2bの場合は「2」、Vi(n)はチャネル番号iにおける今回の計測値(例えば上述の例では、時刻t5=23.2[msec]において検出された出力電圧B2)、Vi(n−1)はチャネル番号iにおける前回の計測値(例えば上述の例では、時刻t3=13.2[msec]において検出された出力電圧B1)、Viはチャネル番号iにおける希望時刻の出力電圧(例えば上述の例では、時刻t4=20[msec]における出力電圧)を示す。
【0029】
また、補正係数Pは、チャネル番号iに応じて求まる係数であって、チャネル番号iに対応するセルのスキャンタイミングにより決定される。上述の例では、高電圧計測CPU1は、10[msec]毎に1回ずつ、セル2a〜2eの出力電圧のスキャンを実行すると共に、1回のスキャンにおいて、1.6[msec]毎にフォトMOSリレー7a〜7fを順次駆動して、検出対象のセルを切り替えるため、時間の経過と共にセルの出力電圧が変化することを考慮して、補正係数Pを下記(2)式により算出する。
【0030】
P=(10−1.6×i)/10 ・・・(2)
【0031】
従って、上述の例におけるセル2bの時刻t4=20[msec]における出力電圧は、チャネル番号i=2として、
【0032】
V2=V2(n−1)+(V2(n)−V2(n−1))×(10−1.6×2)/10
=B1+(B2−B1)×0.68
=0.32×B1+0.68×B2
【0033】
と算出される。ステップS3では、このようにして、各チャネルにおいて検出されたセル毎の出力電圧を、スキャンタイミングに基づいて内挿処理を行い、希望時刻の出力電圧に補正する(検出された出力電圧を同期させる)ことで、各チャネルの測定電圧の時刻を統一することができる。
【0034】
なお、上述の実施の形態では、図2に示すフローチャートのステップS2において、直線内挿処理により時刻t3=13.2[msec]以後、時刻t5=23.2[msec]以前(時刻t3と時刻t5の内側)の出力電圧の変化特性を算出し、ステップS3においてt4=20[msec]における出力電圧を求めたが、時刻t3=13.2[msec]において検出された出力電圧B1と、時刻t5=23.2[msec]において検出された出力電圧B2とを、直線外挿処理することにより、時刻t3=13.2[msec]以前、時刻t5=23.2[msec]以後(時刻t3と時刻t5の外側)の出力電圧の変化特性を算出し、例えば時刻t1=10[msec]、あるいは時刻t6=30[msec]における出力電圧を求めるようにしても良い。
【0035】
また、内挿処理あるいは外挿処理も直線内挿処理や直線外挿処理に限らず、複数の出力電圧の検出値から、出力電圧の変化特性を算出できる処理方法であれば何を用いても良い。更に、上述の例では、高電圧計測CPU1は、内挿処理により補正した出力電圧を1点だけ算出したが、算出する電圧は1点に限らず、何点算出しても良い。また、例えばt4=20[msec]における出力電圧を求め、次のスキャンタイミングの時刻t6=30[msec]において、パルストランス4を介してバッテリ制御CPU3へ電圧測定値として通知すると説明したが、電圧測定値をバッテリ制御CPU3へ通知するタイミングは、内挿処理あるいは外挿処理により補正した出力電圧を算出した後であれば何時でも良い。
【0036】
更に、上述の実施の形態では、高電圧計測CPU1が、変化特性算出手段と、電圧補正手段とを含んでいる。より具体的には、図2のステップS2の動作が変化特性算出手段に相当し、図2のステップS3の動作が電圧補正手段に相当する。
また、本実施の形態の電圧測定装置が出力電圧を測定する蓄電装置は、上述のバッテリ2に限らず、直列に接続されたセルを有し直流電力を蓄電可能な、キャパシタ等を含む蓄電装置(エネルギーストレージデバイス)であれば何であっても良い。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態の電圧測定装置によれば、高電圧計測CPU1は、フォトMOSリレー7a〜7fを順次駆動してコンデンサ6a〜6eの両端の電位をスキャンし、その出力をオペアンプ8を介して取得することにより、バッテリ2を構成する検出対象のセル2a〜2eを順次切り替えながらセル毎の出力電圧を検出する。
【0038】
一方、セル毎の出力電圧には検出時刻の差に基づくばらつきが発生するので、高電圧計測CPU1の変化特性算出手段は、今回検出された出力電圧と前回検出された出力電圧、及び各出力電圧の検出時刻とから、それぞれのセルにおける出力電圧の変化特性を算出する。また、高電圧計測CPU1の電圧補正手段が、出力電圧の変化特性に基づいて、検出されたセル毎の出力電圧を全て希望時刻の出力電圧に補正することにより、検出時刻を合わせた出力電圧を算出することができる。
【0039】
従って、検出時刻の差によるセル毎の出力電圧のばらつきが、バッテリ2の出力電圧の誤差として測定されてしまうことを防止し、正確な出力電圧を測定する電圧測定装置を実現することができるという効果が得られる。また、バッテリ2のセル毎の正確な出力電圧を測定することで、セル間の電圧偏差に基づいてバッテリ2の異常の有無を判定する場合、正確に判定を行うことができるという効果が得られる。
【0040】
具体的に示すと、図5は、従来の電圧測定装置によって、5個のセルを直列に接続してなる正常なバッテリのそれぞれのセル電圧を測定した結果であって、10[msec]毎に1回ずつ、セルの出力電圧のスキャンを実行すると共に、1回のスキャンにおいて、1.6[msec]毎に検出対象のセルを切り替え、順番にセルの出力電圧を検出すると共に、次のスキャンタイミングに合わせて全チャネルの電圧測定値を実電圧と共に一括で表示した結果である。
【0041】
図5に示すように、従来の電圧測定装置では、検出対象のセルを切り替えることにより発生する検出時刻の差によるセル毎の出力電圧のばらつきが測定されてしまうため、実電圧は同一であるにもかかわらず、表示された電圧測定値は、実電圧の変化と検出時刻の差に基づくほぼ一定の間隔でずれて表示されている。
【0042】
しかし、図6に示すように、本実施の形態の電圧測定装置によって、同じバッテリのそれぞれのセル電圧を測定した場合、検出時刻の差が補正された電圧測定値が表示されるため、各セル毎の電圧測定値がばらつかず、その結果、図7に示すように、従来の電圧測定装置によるセル毎の測定電圧の電圧差、及び本実施の形態の電圧測定装置によるセル毎の測定電圧の電圧差を同一グラフ上に表すと、明らかに本実施の形態の電圧測定装置によるセル毎の測定電圧の電圧差の方が小さく、本実施の形態の電圧測定装置が正確にセル電圧を測定できていることがわかる。
【0043】
また、従来の電圧測定装置による測定では、セル電圧相互の電圧差が例えばバッテリの異常判定の目安として設定された基準電圧0.5[V]を超えているため、バッテリが正常であるにもかかわらず異常と判定してしまう可能性があったが、本実施の形態の電圧測定装置による測定では、セル電圧相互の電圧差がバッテリの異常判定の目安として設定された基準電圧0.5[V]を超えていないため、バッテリは正常であると正確に判定することができるようになる。
【0044】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の電圧測定装置によれば、電圧検出手段が、検出対象のセルを順次切り替えながらセル毎の出力電圧を検出すると共に、変化特性算出手段が、今回検出された出力電圧と前回検出された出力電圧、及び各出力電圧の検出時刻とから、それぞれのセルにおける出力電圧の変化特性を算出し、電圧補正手段が、出力電圧の変化特性に基づいて、検出されたセル毎の出力電圧を希望時刻の出力電圧に補正することにより、複数のセルにおいて検出時刻を合わせた出力電圧を算出することができる。
【0045】
従って、検出対象のセルを順次切り替えながらセル毎の出力電圧を検出すると共に、セル毎の出力電圧を合算して蓄電装置の出力電圧を算出する場合、検出時刻の差によるセル毎の出力電圧のばらつきが、蓄電装置の出力電圧の誤差として測定されてしまうことを防止し、正確な出力電圧を測定する電圧測定装置を実現することができるという効果が得られる。
また、蓄電装置のセル毎の正確な出力電圧を測定することで、セル間の電圧偏差に基づいて蓄電装置の異常の有無を判定する場合、正確に判定を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の電圧測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施の形態の電圧測定装置による測定電圧補正動作を示すフローチャートである。
【図3】 同実施の形態の電圧測定装置によるセルの出力電圧のスキャンタイミングを示す図である。
【図4】 セル2bにおける出力電圧の変化特性の算出方法を示す図である。
【図5】 従来の電圧測定装置による測定電圧の一例を示す図である。
【図6】 同実施の形態の電圧測定装置による測定電圧の一例を示す図である。
【図7】 従来の電圧測定装置による測定電圧と同実施の形態の電圧測定装置による測定電圧との差を示す図である。
【符号の説明】
1 高電圧計測CPU
2 バッテリ(蓄電装置)
2a〜2e セル
7a〜7f フォトMOSリレー(電圧検出手段)
8 オペアンプ(電圧検出手段)
S2 変化特性算出手段
S3 電圧補正手段
Claims (3)
- セル毎に測定された前記セルの出力電圧を合算して、該セルを複数個直列に接続した蓄電装置の出力電圧を算出する電圧測定装置であって、
検出対象の前記セルを順次切り替えながら前記セル毎の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
今回検出された出力電圧と前回検出された出力電圧、及び各出力電圧の検出時刻とから、それぞれの前記セルにおける出力電圧の変化特性を算出する変化特性算出手段と、
算出されたそれぞれの前記セルにおける出力電圧の変化特性に基づいて、検出された前記セル毎の出力電圧を補正し、希望時刻の出力電圧を算出する電圧補正手段と
を備えたことを特徴とする電圧測定装置。 - 前記希望時刻が、前回検出された出力電圧の検出時刻以後で、かつ今回検出された出力電圧の検出時刻以前の時刻であって、前記電圧補正手段は、前記変化特性算出手段が内挿処理により算出した前記変化特性に基づいて、前記希望時刻の出力電圧を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電圧測定装置。 - 前記希望時刻が、前回検出された出力電圧の検出時刻以前、または今回検出された出力電圧の検出時刻以後の時刻であって、前記電圧補正手段は、前記変化特性算出手段が外挿処理により算出した前記変化特性に基づいて、前記希望時刻の出力電圧を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電圧測定装置。
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