JP3724237B2 - 流体封入式能動型防振装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、非圧縮性流体が封入された主液室の圧力を制御することにより、防振すべき対象における振動を相殺的乃至は積極的に低減せしめ得る流体封入式の能動型防振装置に係り、特に、自動車用のエンジンマウントや制振器等として好適に用いられる流体封入式能動型防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車のボデーや各種部材等のように振動(振動に起因する騒音等を含む)が問題とされる防振対象部材においては、その振動を低減するために、各種の防振装置が採用されている。具体的には、例えば、振動源と防振対象部材の間に介装されて振動源から防振対象部材に伝達される振動を低減するエンジンマウント等の防振連結体や、防振対象部材に直接取り付けられて防振対象部材自体の振動を吸収,低減するダイナミックダンパ等の制振器などが、それである。
【0003】
このような防振装置の一種として、実開昭61−191543号公報や特開平9−49541号公報等に記載されているように、防振すべき振動の入力によって弾性変形せしめられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成された主液室と、変位可能に支持された加振部材で壁部の一部が構成されて該加振部材の変位によって圧力変動が生ぜしめられる副液室とを形成して、それら主液室と副液室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら主液室と副液室を相互に連通するオリフィス通路を設け、加振部材を加振することによって副液室に生ぜしめられる圧力変動を、オリフィス通路を通じて主液室に伝達するようにした流体封入式の能動型防振装置が知られている。このような防振装置では、主液室の内圧を制御することにより、防振装置自体の防振特性を調節して積極的な防振効果を発揮させたり、或いは加振力を生ぜしめて防振対象部材の振動を相殺的に低減せしめること等によって、能動的な防振効果を得ることが出来る。しかも、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用を利用することによって、加振部材の加振に伴って副液室に生ぜしめられる内圧変動を主液室に対して効率的に伝達することが出来ることから、能動的な防振効果をより効率的に得ることが可能となるのである。
【0004】
ところが、本発明者が検討したところ、このような構造の防振装置では、オリフィス通路を通じての流体の共振作用等を利用した主液室の効率的な内圧制御効果を広い周波数域で得ることが難しく、特に、オリフィス通路における流体の共振作用等が最も有効に発揮されるチューニング周波数よりも高い周波数域では、オリフィス通路の流通抵抗が著しく増大するために、主液室の内圧制御、ひいては能動的な防振効果を有効に得ることが困難であることが、明らかとなった。
【0005】
【解決課題】
本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、主液室と副液室を連通するオリフィス通路のチューニング周波数よりも高い周波数域においても、副液室から主液室への圧力伝達が有利に為されて、主液室の内圧制御に基づく能動的な防振効果が、広い周波数域の振動に対して有効に発揮され得る、新規な構造の流体封入式能動型防振装置を提供することにある。
【0006】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体の記載および図面に記載の発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0007】
本発明の第一の態様は、防振すべき振動の入力によって弾性変形せしめられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された主液室と、変位可能に支持された加振部材で壁部の一部が構成されて該加振部材の変位によって圧力変動が生ぜしめられる非圧縮性流体が封入された副液室とを形成すると共に、それら主液室と副液室を第一のオリフィス通路によって相互に連通せしめて、前記加振部材を加振することによって前記副液室に生ぜしめられる圧力変動が、該第一のオリフィス通路を通じて前記主液室に伝達されるようにした流体封入式能動型防振装置において、前記主液室と前記副液室を仕切る隔壁部に対して、主液室と副液室の圧力差に基づいて変位せしめられる可動部材を配設すると共に、該可動部材の変位量を制限して、前記第一のオリフィス通路を通じての流体流動量を確保する変位量制限手段を設けたことを、特徴とする。
【0008】
このような第一の態様に係る能動型防振装置においては、加振部材の加振によって副液室に内圧変動が生ぜしめられると、第一のオリフィス通路を通じての流体流動により、副液室の内圧変動が主液室に伝達される。それ故、防振すべき振動等に応じて加振部材の加振制御を行うことによって、主液室の内圧を制御せしめて、防振装置のばね特性を変更,調節したり、防振すべき対象に伝達される加振力を生ぜしめたりすることが出来るのであり、特に、第一のオリフィス通路のチューニング周波数域では、流体の共振作用等に基づいて副液室から主液室への圧力伝達効率が有利に確保されて、能動的な防振効果がより有効に発揮されることとなる。また、加振部材の加振による副液室の内圧変動が、第一のオリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域になると、第一のオリフィス通路の流体流通抵抗が著しく大きくなるが、その場合には、隔壁部に設けられた可動部材の変位に基づいて、副液室から主液室に圧力変化が伝達される。それ故、第一のオリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域の振動に対しても、主液室の圧力制御に基づく能動的な防振効果が有効に発揮されるのである。しかも、可動部材の変位量は、変位量制限手段によって制限されることから、第一のオリフィス通路がチューニングされた低周波数域の大振幅振動に対しては、第一のオリフィス通路における流体の共振作用等に基づいて、副液室の圧力変動が主液室に効率的に伝達されて、能動的防振効果がより有効に発揮され得る。
【0010】
そこにおいて、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る流体封入式能動型防振装置において、前記可動部材を、外周縁部が固定的に支持されたゴム弾性板によって構成したことを、特徴とする。このような本態様の能動型防振装置においては、可動部材の変位が、それ自体の弾性変形として生ぜしめられると共に、変位量制限手段が、可動部材自体の弾性によって実現される。そして、かかる変位量制限手段によれば、可動部材の変位量が緩衝的に制限されることから、加振部材の加振によって副液室に圧力変動を生ぜしめた際、可動部材の変位量が変位量制限手段で制限された際における圧力変化の大きな歪みが防止される。それ故、例えば、防振すべき振動に対応した略サイン波的な圧力制御が可能となって、圧力変化の歪みによる高次成分の発生が抑えられることにより、入力振動に対する防振効果の更なる向上が図られ得るのである。
【0011】
なお、可動部材をゴム弾性板で構成する場合には、変位量制限手段を構成するゴム弾性板のばね特性を、第一のオリフィス通路がチューニングされた周波数域で、該第一のオリフィス通路を通じての流体流動が十分に確保されて有効な流体の共振作用が生ぜしめられるように設定することが望ましい。具体的には、かかるゴム弾性板の動ばね定数が小さ過ぎると、加振部材の変位による副液室の内圧変動がゴム弾性板の弾性変形で吸収されて第一のオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保され難くなるおそれがあることから、ゴム弾性板の動ばね定数は、第一のオリフィス通路がチューニングされた周波数域において、10N/mm以上とすることが望ましい。また、例えば、ゴム弾性板に帆布等の補強材を固着することも可能であり、それによって、ゴム弾性板の弾性変形量をより高精度に制限し、耐久性を向上させることも出来る。
【0012】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る流体封入式能動型防振装置において、壁部の一部が変形容易な可撓性膜で構成されて該可撓性膜の変形に基づいて容積変化が許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室を形成すると共に、該平衡室を前記主液室に対して直接的または間接的に連通せしめる第二のオリフィス通路を形成し、且つ該第二のオリフィス通路を前記第一のオリフィス通路よりも低周波数域にチューニングしたことを、特徴とする。このような本態様の能動型防振装置においては、第一のオリフィス通路のチューニング周波数よりも低周波数域の振動に対して、第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて発揮される低動ばね効果により、受動的な防振効果が発揮され得る。また、エンジンマウント等のように、装着状態下で、被支持体重量等の初期荷重が入力される場合にも、平衡室の容積可変および液圧吸収作用によって、主液室や副液室の内圧増加が回避されることから、加振部材の加振による主液室の圧力制御が容易且つ有効に為され得て、目的とする防振効果をより安定して得ることが可能となる。なお、第二のオリフィス通路は、直接に主液室と平衡室を連通するものであっても良いが、その他、副液室と平衡室を連通し、副液室を介して、主液室と平衡室を間接的に連通する構成等も、採用可能である。また、可撓性膜としては、変形容易な薄肉のゴム弾性膜の他、流体密性のシート等も採用可能である。
【0013】
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る流体封入式能動型防振装置において、前記可動部材に対する前記主液室側および前記副液室側の少なくとも一方の側に第三のオリフィス通路を形成し、該第三のオリフィス通路を通じての流体流動によって、主液室および副液室の圧力が該可動部材に及ぼされるようにすると共に、該第三のオリフィス通路を前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングしたことを、特徴とする。このような本態様の能動型防振装置においては、第三のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用によって、第三のオリフィス通路のチューニング周波数域における副液室と主液室との圧力伝達効率が向上されることから、第三のオリフィス通路のチューニング周波数域の振動に対する能動的な防振効果を、より効率的に発揮せしめることが可能となる。
【0014】
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る流体封入式能動型防振装置において、前記可動部材の有効ピストン面積を、前記加振部材の有効ピストン面積よりも大きくしたことを、特徴とする。このような本態様の能動型防振装置においては、パスカルの原理に従って、加振部材の駆動力が副液室の液圧を介して増幅されて可動部材から主液室に伝達される。従って、加振部材に対して小さな駆動力を与えることにより、主液室に大きな圧力変化を生ぜしめることが可能となるのであり、それ故、例えば、防振すべき対象に伝達される大きな加振力をより効率的に得ることが可能となるのである。
【0015】
また、本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係る流体封入式能動型防振装置において、前記本体ゴム弾性体によって弾性的に連結された第一の取付部材と第二の取付部材を設けて、該第二の取付部材によって前記加振板と前記可動部材をそれぞれ変位可能に支持せしめる一方、それら第一の取付部材と第二の取付部材の何れか一方を、防振すべき対象に取り付けるようにしたことを、特徴とする。このような態様に従えば、目的とする流体封入式能動型防振装置を簡単な構造をもって有利に実現することが出来る。特に、第一の取付部材を、振動伝達部材(振動発生部材等)と被振動伝達部材(防振対象部材)の何れか一方に取り付けると共に、第二の取付部材を、それらの他方に取り付けることにより、本発明に従う構造とされたエンジンマウント等の防振連結体が有利に実現され得る。また、第一の取付部材と第二の取付部材の何れか一方を防振対象部材に取り付けることにより、それら第一の取付部材と第二の取付部材の他方を、防振対象部材に対して、本体ゴム弾性体で弾性支持せしめて一つの振動系を構成することにより、制振器が有利に構成され得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0017】
先ず、図1には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、互いに所定距離を隔てて配された第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されており、第一の取付金具12がパワーユニット側に固着されると共に、第二の取付金具14がボデー側に固着されることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、かかるエンジンマウント10は、自動車への装着状態下でパワーユニットの重量が及ぼされることにより、本体ゴム弾性体16が圧縮変形して、第一の取付金具12と第二の取付金具14が互いに接近方向に所定量だけ変位せしめられる。また、そのような装着状態下、防振すべき主たる振動が、第一の取付金具12と第二の取付金具14の略対向方向(図中、略上下方向)に入力されることとなる。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいう。
【0018】
より詳細には、第一の取付金具12は、略有底円筒形状を有するカップ状金具18の開口部に、略円板形状の蓋金具20が重ね合わされてボルト固定されることにより、中空構造をもって形成されている。なお、カップ状金具18には、開口周縁部から軸直角方向外方に向かって所定幅で突出する当接片22が一体形成されており、後述するストッパ部材24への当接により、第一の取付金具12と第二の取付金具14の上下方向の相対変位量が制限されるようになっている。また、蓋金具20には、中央部分から軸方向外方に突出する取付ボルト26が固設されており、この取付ボルト26によって、第一の取付金具12が図示しないパワーユニット側に取り付けられるようになっている。
【0019】
また、第一の取付金具12の中空内部には、可撓性膜としての変形容易な薄肉の略袋状乃至はカップ状を有するゴム製のダイヤフラム28が収容配置されており、外周縁部をカップ状金具18と蓋金具20の間で挟持されている。これにより、第一の取付金具12の中空内部が、ダイヤフラム28を挟んで、カップ状金具18の底部側と開口部側とに流体密に仕切られている。そして、ダイヤフラム28を挟んで、カップ状金具18の底部側には、非圧縮性流体が封入されてダイヤフラム28の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室30が形成されている一方、カップ状金具18の開口部側には、蓋金具20に穿孔された連通孔32を通じて外部空間に連通されてダイヤフラム28の変形を許容する空気室34が形成されている。なお、封入流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油、或いはそれらの混合物等が何れも採用可能であるが、後述の如き流体の共振作用をより有効に生ぜしめるためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
【0020】
さらに、第一の取付金具12を構成するカップ状金具18の底壁部には、円板形状の流路形成金具36が内面に重ね合わされてボルト固定されている。そして、これらカップ状金具18の底壁部と流路形成金具36の重ね合わせ面間において、周方向に一周弱の長さで延びる流体連通路38が形成されており、この流体連通路38の一方の端部が流路形成金具36を貫通して平衡室30に連通されていると共に、他方の端部がカップ状金具18の底壁部を貫通して外側に開口せしめられている。
【0021】
また一方、第二の取付金具14は、それぞれ略円環形状を有する連結金具40および支持金具42と、略円形ブロック形状のヨーク部材44が、互いに軸方向に重ね合わされてボルト連結されることにより構成されている。なお、ヨーク部材44の軸方向下端部には、軸直角方向外方に延び出す固定片46が一体形成されており、この固定片46に設けられたボルト孔48において、ヨーク部材44、ひいては第二の取付金具14が、図示しない自動車ボデーにボルト固定されるようになっている。また、支持金具42には、軸直角方向外方に突出するストッパ支持片60が一体形成されており、このストッパ支持片60に対して、上方に向かって延び出すストッパ部材24がボルト固定されている。かかるストッパ部材24の上端部には、第一の取付金具12に設けられた当接片22が内挿される挿通孔62が形成されており、当接片22が緩衝ゴム64を介して挿通孔62の内周面に当接することによって、第一の取付金具12と第二の取付金具14の相対的な変位量が制限されるようになっている。
【0022】
そして、かかる第二の取付金具14が、第一の取付金具12に対して、軸方向下方に離間して対向配置されており、それら両金具14,12の間に介装された本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。この本体ゴム弾性体16は、軸方向上方に向かって小径化する厚肉のテーパ筒形状を有しており、その小径側端部開口部が第一の取付金具12を構成するカップ状金具18の筒部外周面に加硫接着されている一方、その大径側端部開口部が第二の取付金具14を構成する連結金具40に加硫接着されている。要するに、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が、カップ状金具18と連結金具40を有する一体加硫成形品として形成されている。
【0023】
また、第二の取付金具14を構成する支持金具42は、その中央孔48の内径寸法が連結金具40の内径寸法より小さくされることにより、連結金具40の内周面よりも径方向内方に突出した円環形状の環状突部54を有している。また、支持金具42の中央孔48内には、該中央孔48の内径寸法よりも小さな外径寸法の略円板形状を有する加振金具50が略同軸的に配されており、この加振金具50が、支持金具42に対して、支持ゴム弾性体52により、連結支持されている。即ち、支持ゴム弾性体52は、略円環板形状を有しており、この支持ゴム弾性体52の内周面に加振金具50の外周縁部が加硫接着されていると共に、該支持ゴム弾性体52の外周面に支持金具42における環状突部54の内周縁部が加硫接着されている。これにより、支持ゴム弾性体52の弾性変形に基づいて、加振金具50の支持金具42に対する軸方向変位が許容されるようになっている。なお、加振金具50の外周縁部には、軸方向上方に立ち上がる筒状の竪壁部が一体形成されており、支持ゴム弾性体52への接着面積が大きくされている。
【0024】
このように支持金具42の中央孔48内に配設された加振金具50を、支持ゴム弾性体52を介して、支持金具42で弾性支持せしめることにより、支持金具42の中央孔48が流体密に閉塞されている。また、第二の取付金具14を構成する連結金具40には、円筒形状のオリフィス金具56が挿入されており、下端を支持金具42の環状突部54で支持された状態で、連結金具40の内周面に嵌着固定されている。そして、このオリフィス金具56の中心孔に、可動部材としてのゴム弾性板58が配設されている。かかるゴム弾性板58は、一定形状への復元力を発揮し得るように所定の肉厚寸法をもった円板形状を有しており、その外周面には、金属リング66が加硫接着されている。そして、この金属リング66が、オリフィス金具56の中心孔に圧入固定されることによって、ゴム弾性板58が、オリフィス金具56の中心孔内において軸直角方向に広がる状態で組み付けられており、以て、オリフィス金具56の中心孔の軸方向上端部が、ゴム弾性板58で流体密に閉塞されている。これにより、ゴム弾性体58は、変位量制限手段としても機能するようになっている。
【0025】
これにより、ゴム弾性板58の上方には、ゴム弾性板58と第一の取付金具12の対向面間において、外周壁が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変化が生ぜしめられる主液室68が形成されている。一方、ゴム弾性板58の下方には、ゴム弾性板58と加振金具50の対向面間において、壁部の一部が加振金具50と支持ゴム弾性体52で構成されて、加振金具50の強制的な変位によって圧力変化が生ぜしめられる副液室70が形成されている。また、これら主液室68と副液室70には、第一の取付金具12内に形成された平衡室30と同じ非圧縮性流体が封入されている。なお、これら平衡室30と主液室68,副液室70への流体の注入充填は、例えば、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対して、蓋金具20をボルト固定すると共に、ゴム弾性板58を組み付けたオリフィス金具56を挿入固定した後、非圧縮性流体中において、加振金具50と支持ゴム弾性体52を備えた支持金具42を組み付けること等によって、有利に為され得る。
【0026】
さらに、副液室70の周壁部を構成するオリフィス金具56には、外周面および軸方向下方にそれぞれ開口して周方向に延びる凹溝72が形成されており、この凹溝72の開口が連結金具40と支持金具42で覆蓋されることによって、周方向に所定長さで延び、周方向一方の端部が主液室68に連通されると共に、周方向他方の端部が副液室70に連通された第一のオリフィス通路としてのオリフィス通路72が構成されている。そして、このオリフィス通路72によって、主液室68と副液室70の間での流体流動が許容されるようになっている。また、主液室68には、第一の取付金具12に形成された流体連通路38が開口連通されており、以て、この流体連通路38によって、主液室68と平衡室30の間での流体流動が許容されるようになっている。なお、このことから明らかなように、本実施例では、流体連通路38によって、第二のオリフィス通路が構成されている。
【0027】
そして、上記流体連通路38が、防振すべき低周波数域の振動、例えばシェイク等の低周波大振幅振動に対してチューニングされており、低周波数域において流体連通路38を通じて流動する流体の共振作用が生ぜしめられるようになっている。一方、オリフィス通路72は、流体連通路38よりも高い周波数域にチューニングされており、防振すべき中周波数域の振動、例えばアイドリング振動等の中周波中振幅振動に対してチューニングされて、中周波数域においてオリフィス通路72を通じて流動する流体の共振作用が生ぜしめられるようになっている。なお、これら流体連通路38やオリフィス通路72のチューニングは、主液室68や平衡室30,副液室70の壁ばね剛性や封入流体の密度や粘度等を考慮して、流体連通路38やオリフィス通路72の流路長さと流路断面積の比の値を調節すること等によって行うことが出来る。また、主液室68と副液室70を仕切るゴム弾性板58は、オリフィス通路72のチューニング周波数で加振金具50を加振した際に、副液室70に対して、オリフィス通路72を流動せしめられる流体に有効な共振現象が惹起され得るに十分な壁ばね剛性を付与し得るように、ばね特性が設定されている。なお、本実施形態では、副液室70の壁部のうち、加振金具50と支持ゴム弾性体52の変位部分における副液室70に対する有効ピストン面積よりも、ゴム弾性板58の変位部分における副液室70に対する有効ピストン面積の方が大きく設定されており、それによって、加振金具50と支持ゴム弾性体52の変位によって、より大きな加振力が、ゴム弾性板58の変位に伴って主液室68に及ぼされるようになっている。
【0028】
また一方、第二の取付金具14を構成するヨーク部材44は、鉄等の強磁性材で形成されており、上面に開口して周方向に連続して延びる円環形状の凹溝74を有している。そして、この凹溝74の内周壁面と外周壁面には、周方向に連続した若しくは不連続の円筒状の内周側永久磁石76と外周側永久磁石78が固設されている。これらの永久磁石76,78は、何れも、内周面と外周面が両磁極面とされており、それによって、内周側永久磁石76の内周側磁極面と外周側永久磁石78の外周側磁極面を繋ぐ閉磁路形態の磁路が、ヨーク部材44によって形成されていると共に、かかる磁路上には、凹溝74内で径方向に対向位置せしめられた内周側永久磁石76の外周側磁極面と外周側永久磁石78の内周側磁極面の対向面間において、環状の磁気ギャップ80が形成されている。
【0029】
また、加振金具50の下面には、逆カップ形状を有するボビン82が、その上底中央部において重ね合わされて、ガイドボルト84によってボルト固定されている。更に、このボビン82の筒壁部には、コイル86が巻回されて固着されており、かかる筒壁部が、ヨーク部材44に形成された磁気ギャップ80に装入されて、磁気ギャップ80の両側対向面(内周側永久磁石76の外周側磁極面と外周側永久磁石78の内周側磁極面の対向面)に対して僅かな隙間を隔てて位置せしめられている。これにより、コイル86が巻回されたボビン82が、磁気ギャップ80内において、軸方向(上下方向)に変位可能に配設されている。そして、コイル86に通電することによって、磁気ギャップ80における磁界との相互作用で、コイル86に対して軸方向の電磁力(ローレンツ力)が及ぼされ、かかる電磁力が、ボビン82を介して、加振金具50に対して軸方向の変位力として及ぼされるようになっている。
【0030】
なお、ヨーク部材44には、軸方向上面に開口して軸方向に延びるガイド穴90が形成されていると共に、このガイド穴90の開口部分に円筒形状の摺動ブッシュ92が内挿固定されている。また、ボビン82を加振金具50に固定するガイドボルト84は、ヘッド部分が軸方向下方に延び出すガイドロッド88とされており、このガイドロッド88が、ヨーク部材44のガイド穴90に差し込まれて、摺動ブッシュ92の案内孔94に対して摺動可能に内挿されている。そして、ガイドロッド88の摺動ブッシュ92による軸方向案内作用により、ボビン82や加振金具50の変位方向の安定化が図られて、コイル86が巻回されたボビン82の永久磁石76,78等への干渉等が防止されるようになっている。
【0031】
上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、コイル86への通電のON/OFFや交番電流の通電等によって加振金具50を上下方向に加振すると、副液室70に対して、加振金具50の加振周波数と振幅に対応した周波数と圧力の内圧変動が生ぜしめられて、主液室68と副液室70の間での相対的な内圧差により、それら両室68,70間でオリフィス通路72を通じての流体流動が生ぜしめられる。その結果、副液室70の圧力が、オリフィス通路72を通じて主液室68に伝達され、以て、主液室68に圧力変動が生ぜしめられ、更にこの主液室68の圧力変動に対応した加振力が、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に及ぼされることとなる。それ故、例えば、防振しようとする振動に対応した周波数と振幅で加振金具50を加振して、防振しようとする振動に対応した加振力を発生させることにより、パワーユニットからボデーに伝達される振動に対して、能動的(相殺的)な防振効果を得ることが出来るのである。
【0032】
特に、オリフィス通路72がチューニングされたアイドリング振動等の中周波中振幅の振動入力時には、オリフィス通路72を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、副液室70から主液室68へのより優れた圧力伝達効率が発揮されるのであり、目的とする能動的防振効果をより効率的に得ることが出来る。
【0033】
また、オリフィス通路72のチューニング周波数よりも高周波数域では、オリフィス通路72の流通抵抗が著しく増大するために、オリフィス通路72を通じての流体流動に基づく副液室70から主液室68への圧力伝達が困難となるが、かかる状態下で、加振金具50を高周波数域で加振して副液室70に圧力変動を生ぜしめると、副液室70と主液室68の圧力差に基づいて、ゴム弾性板58に弾性変形が生ぜしめられることとなる。そして、このゴム弾性板58が、副液室70と主液室68の圧力差を解消する方向に弾性変形することにより、副液室70の圧力が主液室68に伝達されることとなる。それ故、オリフィス通路72のチューニング周波数よりも高い周波数域の広い範囲に亘って、例えばこもり音等の高周波小振幅振動に対しても、加振金具50を高周波加振することにより、加振金具50の加振周波数と振幅に対応した加振力、ひいては能動的な防振効果を有効に得ることが出来るのである。
【0034】
なお、オリフィス通路72のチューニング周波数域で加振金具50を加振した場合に、オリフィス通路72を通じての流体の共振現象が有効に生ぜしめられるように、且つオリフィス通路72のチューニング周波数よりも高い周波数域で加振金具50を加振した場合に、ゴム弾性板58の弾性変形に基づく副液室70と主液室68の間での圧力伝達が有利に為されるように、ゴム弾性板58のばね剛性を設定することが望ましい。また、副液室70に有効な圧力変動を生ぜしめるために、副液室70の壁部の一部を構成する支持ゴム弾性体52のばね剛性は、副液室70の壁部の別の一部を構成するゴム弾性板58のばね剛性よりも大きく設定することが望ましい。
【0035】
また、本実施形態のエンジンマウント10においては、オリフィス通路72のチューニング周波数よりも低い周波数域の振動に対しても、それに対応した周波数と振幅で加振金具50を加振して副液室70に圧力変化を生ぜしめることにより、オリフィス通路72を通じての流体流動によって副液室70から主液室68に圧力が伝達されて、能動的な防振効果を得ることが可能である。
【0036】
加えて、本実施形態のエンジンマウント10では、オリフィス通路72よりも低周波数域にチューニングされた流体連通路38を備えていることから、この流体連通路38のチューニング周波数域の振動、例えばシェイク等の低周波大振幅振動が入力された場合には、主液室68と平衡室30の相対的な圧力差に基づいて流体連通路38を通じての流体流動が生ぜしめられることとなり、かかる流体の共振作用に基づいて、高減衰効果等の受動的な防振効果が有効に発揮され得る。
【0037】
なお、この流体連通路38は、常時開口状態とされているが、オリフィス通路72よりも低周波数域にチューニングされており、そのチューニング周波数よりも高周波数域では実質的に閉塞状態となることから、前述の如き、オリフィス通路72を通じての流体流動やゴム弾性板58の弾性変形による圧力伝達等に基づいて発揮される能動的な防振効果に対して、問題となる程の悪影響を及ぼすことはない。
【0038】
また、本実施形態のエンジンマウント10では、装着状態下でパワーユニット荷重が及ぼされることにより、本体ゴム弾性体16が圧縮変形せしめられるが、流体連通路38を通じての主液室68から平衡室30への流体流動によって、主液室68や副液室70の圧力増大が回避され得る。それ故、所期のマウントばね特性が安定して発揮されると共に、加振金具50の加振による能動的な防振効果も安定して発揮され得るのである。
【0039】
次に、図2及び図3には、本発明の第二の実施形態としての自動車用筒型エンジンマウント100が、示されている。
【0040】
かかるエンジンマウント100は、僅かに偏心して配された第一の取付部材としての内筒金具112と第二の取付部材としての外筒金具114が、本体ゴム弾性体116によって弾性的に連結されたマウント本体118を有していると共に、装着孔120を備えたブラケット122を有しており、このブラケット122の装着孔120にマウント本体118の外筒金具114が圧入固定されることにより、マウント本体118がブラケット122に対して固定的に組み付けられている。そして、かかるエンジンマウント100は、内筒金具112が、図示しない自動車のボデーに取り付けられる一方、外筒金具114が、ブラケット122を介して、図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持するようになっている。なお、そのような装着状態下、エンジンマウント100にあっては、内外筒金具112,114間にパワーユニット重量が及ぼされて本体ゴム弾性体116が弾性変形することにより、内外筒金具112,114が略同一軸上に位置せしめられると共に、防振すべき主たる振動が、それら内外筒金具112,114間において、略偏心方向(図中、上下方向)に入力されることとなる。
【0041】
より詳細には、内筒金具112は、厚肉の小径円筒形状を有しており、その内孔123に挿通される図示しないロッドによって、自動車のボデーに取り付けられるようになっている。また、内筒金具112の軸方向中央部分には、周方向に狭幅のアーチ状を有する突出金具124と、軸方向に広幅のアーチ状を有するストッパ金具126が、互いに径方向反対側の外周面に対して、それぞれ溶着されており、互いに反対の径方向外方(図中、上方および下方)に向かって突設されている。更に、突出金具124には、全体を覆うようにして傘ゴム128が被着されており、該傘ゴム128により、突出金具124の突出先端部から周方向両側に広がる傘部が形成されている。また一方、ストッパ金具126には、全体を覆うようにしてストッパゴム132が被着されており、ストッパ金具126の突出先端面に緩衝ゴム層が形成されている。
【0042】
さらに、内筒金具112の径方向外方には、薄肉の大径円筒形状を有する金属スリーブ134が、内筒金具112に対して突出金具124の突出方向に僅かに偏心して配設されている。そして、これら内筒金具112と金属スリーブ134の間に、全体として略厚肉の円筒形状を有する本体ゴム弾性体116が介装されている。即ち、この本体ゴム弾性体116は、内周面に内筒金具112が、外周面に金属スリーブ134が、それぞれ加硫接着された一体加硫成形品として形成されている。また、上述の傘ゴム128やストッパゴム132も、本体ゴム弾性体116と一体形成されている。
【0043】
ここにおいて、金属スリーブ134には、内筒金具112を偏心方向に挟んで対向位置する一方の側に、周方向に半周弱の長さで広がる第一の窓部136が形成されている一方、偏心方向他方の側には、それぞれ周方向に1/4周弱の長さで広がる第二の窓部138と第三の窓部140が形成されている。更に、第一,第二及び第三の窓部136,138,140間には、それぞれ外周面に開口して軸方向中間部分を周方向に延びる周方向溝150が形成されている。
【0044】
また、本体ゴム弾性体116には、内筒金具112を偏心方向に挟んで対向位置する一方の側に、周方向に半周弱の長さで広がって外周面に開口する第一のポケット部156が形成されている一方、偏心方向他方の側には、それぞれ周方向に1/4周弱の長さで広がって外周面に開口する第二のポケット部158と第三のポケット部160が形成されている。そして、第一のポケット部156が第一の窓部136を通じて、第二のポケット部158が第二の窓部138を通じて、第三のポケット部160が第三の窓部140を通じて、それぞれ、金属スリーブ134の外周面に開口せしめられている。なお、第一のポケット部156の中央部分には、内筒金具112側から傘部が突出位置せしめられている。また、第二及び第三のポケット部158,160においては、その底壁部が、本体ゴム弾性体116を軸方向に貫通して延びる肉抜空所162によって薄肉化されることにより、それぞれ、弾性変形の容易な可撓性膜164とされている。
【0045】
更にまた、金属スリーブ134には、その外周面を略全体に被覆するようにして、本体ゴム弾性体116と一体形成されたシールゴム層166が、加硫接着されている。また、金属スリーブ134の周方向溝150には、それぞれシールゴム層166が充填されており、かかるシールゴム層166に対して、周方向溝150内を周方向に延びて、第二のポケット部158と第三のポケット部160を相互に連通する幅広の第一の凹溝152と、第一のポケット部156と第三のポケット部160を相互に連通する狭幅の第二の凹溝154が形成されている。
【0046】
さらに、金属スリーブ134の周方向溝150のうち、第一のポケット部156と第二のポケット部158の間に跨がって周方向に延びる部分には、そこに充填されたシールゴム層166に対して、外周面上に突出して、金属スリーブ134の軸方向全長に亘って連続して直線的に延びるシール突起170が、一体形成されている。
【0047】
そして、このような本体ゴム弾性体116の一体加硫成形品には、必要に応じて金属スリーブ134に縮径加工が施されて本体ゴム弾性体116に予圧縮が加えられた後、外筒金具114が外挿され、八方絞り等で縮径されることによって、かかる外筒金具114が金属スリーブ134の外周面に嵌着固定されており、それによって、マウント本体118が形成されている。
【0048】
この外筒金具114は、全体として金属スリーブ134よりも一回り大きな大径円筒形状を有している。また、外筒金具114には、周上の一箇所において、一定幅をもって軸方向に連続して直線的に延びるスリット176が形成されており、略C字形の軸直角方向断面形状とされている。そして、外筒金具114は、スリット176にシール突起170が入り込むように、一体加硫成形品に対して周方向に相対的に位置合わせされて、一体加硫成形品に外挿せしめられ、その後、八方絞り等の縮径加工が施されている。それによって、外筒金具114は、金属スリーブ134の外周面に対して、シールゴム層166を介して、圧着されて流体密に嵌着固定せしめられている。
【0049】
また、外筒金具114が一体加硫成形品に外嵌固定されることにより、金属スリーブ134における第一〜三の窓部136,138,140が流体密に覆蓋されており、以て、それぞれ内部に非圧縮性流体が封入された第一の流体室180,第二の流体室182,第三の流体室184が形成されている。特に、第一の流体室180は、壁部の一部が本体ゴム弾性体116で構成されて振動入力時に圧力変化が生ぜしめられる主液室として構成されている一方、第二及び第三の流体室182,184は、何れも、壁部の一部が可撓性膜164で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室として構成されている。また、一体加硫成形品の外周面に開口して形成された第一の凹溝152と第二の凹溝154も、外筒金具114で流体密に覆蓋されており、以て、第一の凹溝152により、第二の流体室182と第三の流体室184を十分に大きな断面積で相互に連通して、それら両流体室182,184によって実質的に単一の平衡室を構成せしめる連通流路186が形成されていると共に、第二の凹溝154により、第一の流体室180と第三の流体室184を相互に連通せしめて、それら両室180,184の内圧差に基づいて流体流動を許容し、且つ流体の共振作用に基づいて防振効果を発揮し得る第二のオリフィス通路としての流体連通路188が形成されている。
【0050】
更にまた、外筒金具114には、第一の窓部136上に位置せしめられる部位において、複数の貫通孔190が形成されており、これらの貫通孔190を通じて、第一の流体室180が、外筒金具114の外周面上に開口せしめられている。
【0051】
そして、このようなマウント本体118は、ブラケット122の装着孔120に組み付けられている。かかるブラケット122は、全体として略矩形のブロック形状を有しており、中央部分を貫通して、円形の装着孔120が設けられていると共に、下端部(図中、下端部)の両側に突設された脚部194,194において、図示しないボルトによって自動車のパワーユニットに固定されるようになっている。なお、マウント本体118は、例えば、その外筒金具114が、ブラケット122の装着孔120に圧入されることによって、ブラケット122に組付固定されている。また、ブラケット122における装着孔120の上壁部には、上端面196から装着孔120まで軸直角方向に貫通して延びる中空孔198が形成されている。そして、マウント本体118は、外筒金具114の貫通孔190が、かかる中空孔198内に開口せしめられるように、ブラケット122の装着孔120内において、周方向に位置決めされている。
【0052】
さらに、ブラケット122の中空孔198には、軸方向一方の端部に外フランジ部200を有する円筒形状の嵌着金具202が嵌め込まれており、その外フランジ部200が、ブラケット122の上端面196にボルト固定されている。この嵌着金具202は、中空孔198への挿入側先端面が、全周に亘って、当接ゴム層204を介して、マウント本体118の外筒金具114における貫通孔190の周囲に流体密に圧接されている。
【0053】
また、嵌着金具202の中心孔内の軸方向上端部分には、嵌着金具202の内径よりも小さな外径寸法の円板形状を有する加振部材としての加振板206が配設されていると共に、この加振板206の外周縁部が、嵌着金具202の中心孔の内周面に対して、円環板形状の支持ゴム弾性体208により弾性的に連結されており、加振板206が、支持ゴム弾性体208によって、嵌着金具202ひいてはブラケット122に対して軸方向に変位可能とされている。また、これにより、嵌着金具202の中心孔の軸方向上側の開口部が、加振板206と支持ゴム弾性体208で流体密に覆蓋されており、内部には、前記第一の流体室180と同じ非圧縮性流体が封入されている。
【0054】
更にまた、嵌着金具202の中心孔内の軸方向中間部分には、可動部材としてのゴム弾性板210が配設されている。かかるゴム弾性板210は、第一実施形態のゴム弾性板(58)と同様、一定形状への復元力を発揮し得るように所定の肉厚寸法をもった円板形状を有しており、その外周面には、金属リング212が加硫接着されている。そして、この金属リング212が、嵌着金具202の中心孔に圧入固定されることによって、ゴム弾性板210が、嵌着金具202の中心孔内において軸直角方向に広がる状態で組み付けられており、以て、嵌着金具202の中心孔内が、軸方向中間部分において、ゴム弾性板210を挟んだ軸方向両側部分に流体密に二分されている。
【0055】
これにより、ゴム弾性板210の上側には、ゴム弾性板210と加振板206の対向面間において、壁部の一部が加振板206と支持ゴム弾性体208で構成されて、加振板206の強制的な変位によって圧力変化が生ぜしめられる副液室214が形成されている。また一方、ゴム弾性板210の下側は、マウント本体118の外筒金具114に設けられた貫通孔190を通じて第一の流体室180に連通されており、第一の流体室180の一部を構成している。要するに、ゴム弾性板210は、第一の流体室180と副液室214を仕切る隔壁として機能しており、その上面には、加振板206の変位によって生ぜしめられる副液室214の圧力が及ぼされると共に、その下面には、振動入力時に本体ゴム弾性体116の弾性変形に基づいて圧力変化が生ぜしめられる第一の流体室180の圧力が及ぼされるようになっている。
【0056】
更にまた、図4にも示されているように、ゴム弾性板210の外周面に加硫接着された金属リング212は、周上の一箇所において径方向内方に湾曲されており、凹陥部216が形成されている。そして、この凹陥部216により、嵌着金具202の中心孔の内周面と金属リング212の嵌着面間を軸方向に貫通して延びる第一のオリフィス通路としてのオリフィス通路218が形成されており、このオリフィス通路218を通じて、副液室214と第一の流体室180の間での流体流動が許容されるようになっている。
【0057】
そして、前記第一の実施形態と同様、本実施形態では、このオリフィス通路218が、主液室としての第一の流体室180と平衡室としての第二及び第三の流体室182,184を相互に連通する流体連通路188よりも高周波数域にチューニングされている。具体的には、例えば、流体連通路188が、シェイク等の低周波大振幅振動にチューニングされている一方、オリフィス通路218が、アイドリング振動等の中周波中振幅振動にチューニングされている。
【0058】
さらに、ブラケット122の上端面196には、駆動手段としての駆動ユニット220が重ね合わされて固定されており、この駆動ユニット220によって、加振板206が加振駆動されるようになっている。なお、この駆動ユニット220としては、軸方向に制御可能に往復駆動せしめられる出力軸222を備えた各種構造のアクチュエータが採用され得、ここでは詳細な説明を省略するが、例えば、コイルへの通電により永久磁石との間に生ぜしめられる電磁力によって出力軸222を軸方向に往復駆動するようにした電磁駆動式のものが好適に採用される。そして、この駆動ユニット220の出力軸222の先端部が加振板206にボルト固定されていることにより、駆動ユニット220による発生加振力が加振板206に及ぼされて、該加振板206が軸方向(上下方向)に加振されるようになっている。
【0059】
従って、このような構造とされた本実施形態のエンジンマウント100においては、前記第一の実施形態のエンジンマウント(10)と同様に、シェイク等の低周波大振幅振動に対しては、第一の流体室180と第二及び第三の流体室182,184の間での流体連通路188を通じての流体の流動作用(共振作用)に基づいて、有効な防振効果が発揮される一方、アイドリング振動等の中周波中振幅振動に対しては、加振板206を加振して防振しようとする振動に対応した加振力を生ぜしめることにより能動的な防振効果が有効に発揮されるのであり、特に、オリフィス通路218を通じての流体の流動作用(共振作用)に基づいて、副液室214から第一の流体室180への圧力伝達が効率的に為され得て、目的とする能動的防振効果を極めて有効に得ることが出来る。
【0060】
さらに、こもり音等の高周波小振幅振動に対しては、オリフィス通路218を通じての流体流動作用は期待できないものの、加振板206の加振に基づく副液室214の圧力変化が、ゴム弾性板210の弾性変形に基づいて、第一の流体室180に伝達され得ることから、能動的な防振効果を有効に得ることが出来るのである。
【0061】
また、本実施形態のエンジンマウント100においては、加振板206を高周波加振してゴム弾性板210に弾性変形を生ぜしめた際の第一の流体室180における圧力変化が、嵌着金具202の中心孔と外筒金具114の貫通孔190を通じての流体流動に基づいて、マウント本体118における第一のポケット部156内に伝達されることとなる。それ故、嵌着金具202の中心孔と外筒金具114の貫通孔190に対して、適当な流路断面積と流路長さを設定して第三のオリフィス通路を構成することにより、その内部を流動せしめられる流体の共振作用を利用して、第一の流体室180の圧力伝達効率を向上させ、より大きな発生加振力を効率的に得ることも可能である。
【0062】
加えて、本実施形態のエンジンマウント100では、第一の流体室180において、傘ゴム128によって、振動入力時に流体流動が生ぜしめられる環状の狭窄流路224が形成されていることから、この狭窄流路224の流路長さと流路断面積を適当な大きさにチューニングすることにより、例えば、高速こもり音等のより高周波数域の入力振動に対して、該狭窄流路224を流動せしめられる流体の共振作用に基づく能動的な防振効果を得ることが可能となる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、これらの実施形態における具体的に記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0064】
例えば、容積可変の平衡室(30,182,184)や、該平衡室を主液室(68,180)に接続する第二のオリフィス通路(38,188)は、必ずしも設ける必要はない。
【0065】
また、加振部材(50,206)を加振する加振手段としては、加振部材に対して目的とする周波数および振幅の変位を生ぜしめ得るものであれば良く、例示の如き電磁駆動手段の他、空気圧式や油圧式等の各種駆動手段が採用可能である。
【0066】
更にまた、主液室(68,180)と副液室(70,214)を仕切る隔壁部において、複数の可動部材を配設することも可能である。
【0067】
加えて、本発明は、例示の如き自動車用エンジンマウントの他、ボデーマウントやデフマウント、或いは自動車以外の各種装置に用いられる防振装置等に対して、何れも適用可能である。
【0068】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式能動型防振装置においては、加振部材の加振によって副液室に生ぜしめられる圧力変動が、第一のオリフィス通路を通じての流体の流動作用に基づいて主液室に効率的に伝達されることにより、該第一のオリフィス通路がチューニングされた周波数域で有効な能動的防振効果を得ることが出来る。また、第一のオリフィス通路のチューニング周波数より高い周波数域においても、可動部材の変位に基づいて、加振部材の加振によって副液室に生ぜしめられる圧力変動が主液室に伝達されることから、能動的防振効果が有効に発揮され得る。
【0070】
それ故、本発明に従う構造とされた流体封入式能動型防振装置においては、加振部材の加振による主液室の圧力制御に基づく能動的な防振効果を、広い周波数域の振動に対して、有効に得ることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを示す横断面図である。
【図3】図2に示されたエンジンマウントの縦断面図である。
【図4】図2に示されたエンジンマウントを構成するゴム弾性板と金属リングの一体加硫成形品を示す平面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
30 平衡室
38 流体連通路
50 加振金具
52 支持ゴム弾性体
58 ゴム弾性板
68 主液室
70 副液室
72 オリフィス通路
Claims (4)
- 防振すべき振動の入力によって弾性変形せしめられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された主液室と、変位可能に支持された加振部材で壁部の一部が構成されて該加振部材の変位によって圧力変動が生ぜしめられる非圧縮性流体が封入された副液室とを形成すると共に、それら主液室と副液室を第一のオリフィス通路によって相互に連通せしめて、前記加振部材を加振することによって前記副液室に生ぜしめられる圧力変動が、該第一のオリフィス通路を通じて前記主液室に伝達されるようにした流体封入式能動型防振装置において、
前記主液室と前記副液室を仕切る隔壁部に対して、主液室と副液室の圧力差に基づいて変位せしめられる可動部材を配設すると共に、該可動部材を、外周縁部が固定的に支持されたゴム弾性板で構成することにより、該可動部材自体の弾性によって、該可動部材の変位量を制限して、前記第一のオリフィス通路を通じての流体流動量を確保する変位量制限手段を実現する一方、該可動部材の有効ピストン面積が、前記加振部材の有効ピストン面積よりも大きくなるように構成し、更に、前記本体ゴム弾性体によって弾性的に連結された第一の取付部材と第二の取付部材を設けて、該第二の取付部材によって前記加振部材と前記可動部材をそれぞれ変位可能に支持せしめる一方、それら第一の取付部材と第二の取付部材の何れか一方を、防振すべき対象に取り付けるようにしたことを特徴とする流体封入式能動型防振装置。 - 壁部の一部が変形容易な可撓性膜で構成されて該可撓性膜の変形に基づいて容積変化が許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室を形成すると共に、該平衡室を前記主液室に対して直接的または間接的に連通せしめる第二のオリフィス通路を形成し、且つ該第二のオリフィス通路を前記第一のオリフィス通路よりも低周波数域にチューニングした請求項1に記載の流体封入式能動型防振装置。
- 前記可動部材に対する前記主液室側および前記副液室側の少なくとも一方の側に第三のオリフィス通路を形成し、該第三のオリフィス通路を通じての流体流動によって、主液室および副液室の圧力が該可動部材に及ぼされるようにすると共に、該第三のオリフィス通路を前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングした請求項1又は2に記載の流体封入式能動型防振装置。
- 前記ゴム弾性板の動ばね定数が、第一のオリフィス通路がチューニングされた周波数域において、10N/mm以上となるように構成されている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の流体封入式能動型防振装置。
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