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JP3711300B2 - ドライビングシュミレータ - Google Patents

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JP3711300B2
JP3711300B2 JP07776896A JP7776896A JP3711300B2 JP 3711300 B2 JP3711300 B2 JP 3711300B2 JP 07776896 A JP07776896 A JP 07776896A JP 7776896 A JP7776896 A JP 7776896A JP 3711300 B2 JP3711300 B2 JP 3711300B2
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hydraulic
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静 坂井
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は模擬的に自動車の走行状態を再現するドライビングシュミレータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のハンドル操作に伴って種々に変動する車両の走行姿勢を疑似的に再現するものとして、ドライビングシュミレータが知られている。
【0003】
これは自動車を模した疑似体験車の車体を複数の油圧シリンダにより支持し、これら油圧シリンダの伸縮をハンドル操作などに対応して制御することにより、例えば車体を左右に揺するローリング、前後に揺らすピッチングあるいはテールを左右に振るヨーイングなどを体験させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなドライビングシュミレータにあっては、上記した制御を実現するために多数の油圧シリンダが必要、例えば、ローリング、ピッチングのために車体の前、後輪位置に対応して少なくとも4本、またヨーイングのために車体に両側に少なくとも2本が必要で、これら各油圧シリンダを互いに連動させながら同期制御するため、その油圧制御システムが非常に複雑となるという問題点があった。
【0005】
本発明は、簡単な構造でありながら、より実車の走行操作状態に近い走行特性を疑似的に実現することのできるドライビングシュミレータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、車体を載置したターンテーブルと、このターンテーブルを所定の角度範囲にわたり左右に回転駆動する第1の油圧シリンダと、車体の前輪位置に配設され車体を支持する左右一対の第2、第3油圧シリンダと、これら各油圧シリンダの伸縮を疑似的な運転操作に応じて制御する手段とを備え、第2、第3の油圧シリンダを車体と左右の前輪との間にそれぞれ介装する。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、ターンテーブルの回転中心が左右の前輪を結ぶほぼ中心に配置される。
【0008】
第3の発明は、第2の発明において、ターンテーブルはベースに対して回転中心に配置した垂直軸と、この垂直軸を中心にした所定の円周上に配置したガイドレールとによって、回転自由に支持される。
【0009】
第4の発明は、第2または第3の発明において、第1の油圧シリンダは、一端をターンテーブルの回転中心から偏在した位置に、他端をベースの一部に連結される。
【0010】
第5の発明は、第1から第4の発明において、車体の運転席の前方には映像を映すモニターが配置される。
【0011】
【作用】
第1の発明にあっては、制御手段により第1の油圧シリンダを作動させることで、ターンテーブルを左右に所定の角度範囲にわたり回転させ、車体の疑似的なヨーイングを起こさせる。第2、第3の油圧シリンダを交互に伸縮させることにより車体のローリングを、また同時に伸縮させるとピッチングを起こさせる。
【0012】
第2の発明では、ターンテーブルの回転中心が車体の前輪中心近傍にあるため、より適確にヨーイング運動を起こすことができる。
【0013】
第3の発明では、ターンテーブルは垂直軸を中心にガイドレールに沿って円滑に回転運動し、第1の油圧シリンダの駆動力を軽減する。
【0014】
第4の発明では、ターンテブルは第1の油圧シリンダを伸ばすことにより一方向、縮めることにより反対方向に回転し、ヨーイングを生起するのに必要な油圧シリンダの制御が簡単となる。
【0015】
第5の発明では、モニターに走行時の前方景色を映し出すことにより、実車走行に近い状態で疑似的な走行操作を体験することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図5に示すように、ベース1の上方には、垂直軸2を中心に回転するターンテブル3が設けられる。ターンテブル3の一部はベース1に配設したガイドレール4により摺動自由に支持される。ガイドレール4は垂直軸2を中心とする同一円周上に所定の角度範囲にわたり円弧状に配設され、ターンテブル3の下面に配置した図示しない摺動部を介してターンテブル3を円滑に回転させる。
【0018】
ターンテブル3の上には自動車を模した疑似体験車5が載置され、前輪6と後輪7の位置において車体8が支持される。なお、前輪6と後輪7はターンテブル3に取付けられている。疑似体験車5の運転席の前方のターンテブル3には走行条件に応じた景色を映し出すモニター9が、運転席から視認できるように設置される。
【0019】
前記ターンテブル3を中立位置から左右に回転させるために、図2〜図4にも示すように、ターンテブル3とベース1との間に第1の油圧シリンダ11が水平に介装される。この油圧シリンダ11は車体8の前後方向に平行に配置され、一端がベース1の台座12の部分に結合され、他端がターンテブル3の回転中心(垂直軸2)から偏在した位置に結合され、油圧シリンダ11が中立状態から伸側に作動したときと、縮側に作動したときとで、垂直軸2を中心にターンテブル3を異なった方向に所定の角度範囲だけ回転駆動するようになっている。
【0020】
また、ターンテブル3の上で車体8を上下方向に駆動するため、左右の前輪6の各位置において、車体8と左右の前輪(車軸)6との間に第2、第3の油圧シリンダ13と14が垂直方向からやや傾斜した状態で介装される。
【0021】
また、左右の後輪7を結ぶ中間付近には、車体8をターンテブル3に対して上下、左右に回転自在に支持する軸受15が設けられる。
【0022】
したがって、上記油圧シリンダ13、14を同時に伸ばすと車体8の前方が浮き上がり、同じく縮めると前方が沈み込む。また油圧シリンダ13と14を交互に伸縮させると、車体8は左右に傾く。
【0023】
これら各油圧シリンダ11、13及び14には、各油圧配管群17を経由して油圧が供給され、この油圧の供給はベース1に設けた油圧制御弁18により制御される。ただし、油圧源については図示を省略してある。
【0024】
前記疑似体験車5にはハンドル20の外、図示しないアクセル、ブレーキ、変速用シフトレバー等が、実際の自動車と同じように備え付けられ、これらの操作については図示しないセンサが感知し、これをコントロールユニット(図示せず)に出力することにより、コントロールユニットからの信号で油圧制御弁18の作動を制御し、実際の走行操作状態に近い運動を実現する。同時に運転席前方のモニター9には走行に伴って変化する景色等が映し出される。
【0025】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0026】
疑似体験車5に乗車したドライバにより操作されるアクセルと変速機のシフトレバーの位置とにより、図示しないコントロールユニットが車速を算出し、この車速に対応して路面からの振動を求め、第2、第3の油圧シリンダ13、13を所定の周波数かつ微小ストロークでもって同期的に伸縮する。これにより走行に伴う路面振動を疑似的に体感させられる。同時に運転席の前方のモニター9には走行中にさまざまに変化する前方景色が映し出され、臨場感を高める。
【0027】
また、この状態からハンドル20を操作し、旋回運動を行うと、これに伴うローリング状態を算出し、車体8が旋回外側に傾くように左右の油圧シリンダ13と14のストローク差をつくだす。この場合車速が大きいほど、またハンドル操作角が大きいほど疑似的につくりだされるローリングは強くなる。
【0028】
また、このときヨー角も演算され、これに応じて第1の油圧シリンダ11を伸長または収縮させることにより、ターンテブル3が右または左に回転し、ヨーイングを体感させられる。
【0029】
一方、アクセルを急に踏み込んでの発進加速時、あるいは走行中にブレーキを操作をしての制動時には、左右の油圧シリンダ13、14を同期して伸長または収縮させることにより、車体前側の浮き上がり、あるいは車体前側の沈み込みなどに伴うピッチングを体感させることができる。この場合、アクセルやブレーキの操作速度(量)が大きくなるほどピッチングも増大する。
【0030】
【発明の効果】
以上のように第1の発明では、3つの油圧シリンダの伸縮作動により、実際の車両走行状態に近い、ローリング、ピッチング、ヨーイングを体感させることができ、少ないシリンダ数に基づく簡単な構成並びに制御機構でもって高性能な疑似的な走行操作の実現が可能となる。
【0031】
第2の発明によれば、ターンテーブルの回転中心が車体の前輪中心近傍にあるため、より適確にヨーイング運動を起こすことができる。
【0032】
第3の発明によれば、ターンテーブルは垂直軸とガイドレールによって支持され、軽微な駆動力でもって円滑に回転運動できる。
【0033】
第4の発明によれば、ターンテブルの左右の回転が一つの油圧シリンダの伸縮により実現でき、ヨーイングを生起するのに必要な油圧シリンダの制御も簡単となる。
【0034】
第5の発明によれば、ドライバの運転操作に応じて、モニターに走行時の前方景色を映し出すことにより、実車走行に近い状態で疑似的な走行操作を体感させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】主として油圧系統を示す側面図である。
【図4】同じくベース内の油圧系統を示す一部を省略した平面図である。
【図5】車体を後方から見た背面図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 垂直軸
3 ターンテブル
4 ガイドレール
5 疑似体験車
6 前輪
7 後輪
8 車体
9 モニター
11 油圧シリンダ
13 油圧シリンダ
14 油圧シリンダ
15 軸受

Claims (5)

  1. 車体を載置したターンテーブルと、このターンテーブルを所定の角度範囲にわたり左右に回転駆動する第1の油圧シリンダと、車体の前輪位置に配設され車体を支持する左右一対の第2、第3油圧シリンダと、これら各油圧シリンダの伸縮を疑似的な運転操作に応じて制御する手段とを備え、前記第2、第3の油圧シリンダを車体と左右の前輪との間にそれぞれ介装したことを特徴とするドライビングシュミレータ。
  2. 前記ターンテーブルの回転中心が左右の前輪を結ぶほぼ中心に配置される請求項1に記載のドライビングシュミレータ。
  3. 前記ターンテーブルはベースに対して回転中心に配置した垂直軸と、この垂直軸を中心にした所定の円周上に配置したガイドレールとによって、回転自由に支持される請求項2に記載のドライビングシュミレータ。
  4. 前記第1の油圧シリンダは、一端をターンテーブルの回転中心から偏在した位置に、他端をベースの一部に連結される請求項2または3に記載のドライビングシュミレータ。
  5. 前記車体の運転席の前方には映像を映すモニターが配置される請求項1〜4のいずれか一つに記載のドライビングシュミレータ。
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