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JP3706245B2 - 車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Navigation (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路状況に対応させて走行制御を行うことができるようにした車両制御装置が提供されている。この場合、例えば、車両がコーナに差し掛かると想定され、かつ、運転者の動作に基づく所定の条件が満たされるときに、前記走行制御としてのコーナ制御が行われ、該コーナ制御において、上限の変速段が決定され、該上限の変速段より上の変速段(高速側の変速段、変速比の小さい変速段等)が選択されないようになっている。
【0003】
そのために、車両にナビゲーション装置が搭載され、該ナビゲーション装置において、現在位置検出部によって検出された車両の現在の位置、すなわち、現在位置、データ記憶部から読み出された道路データ等に基づいてコーナを走行するのに望ましい変速段の推奨値が算出されるとともに、該推奨値、及び運転者の動作に基づいて上限の変速段が決定されるようになっている。したがって、該上限の変速段より上の変速段が選択されることがなく、車両を走行させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両制御装置においては、前記ナビゲーション装置のCPUは、前記推奨値を算出するために膨大な道路データを処理し、道路形状を判断する必要があるだけでなく、上限の変速段を決定するために、運転者の動作を検出するアクセルセンサ、ブレーキセンサ等から検出信号を受信する必要がある。また、CPUは、前記推奨値及び各検出信号に基づいて上限の変速段を決定した後、決定された上限の変速段を表す変速段信号を自動変速機制御装置に送信する必要がある。
【0005】
したがって、コーナ制御を行うための処理時間が、前記検出信号の受信及び変速段信号の送信に必要な通信時間だけ長くなり、運転者の意志に沿ったコーナ制御を行うのが困難になり、走行フィーリングが低下してしまう。
本発明は、前記従来の車両制御装置の問題点を解決して、車両制御部によって制御を行うための処理時間を短くすることができ、運転者の意志に沿った制御を行うことができる車両制御装置及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車両制御装置においては、車両の状態を検出して車両情報を発生させる車両状態検出手段と、ナビゲーション装置に配設され、道路データが記録されたデータ記憶部と、前記ナビゲーション装置に配設され、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合に、道路形状判断処理による道路形状の判断に従い、前記車両情報及び道路データに基づいて、車両の推奨される制御内容を制御パラメータとして設定する制御パラメータ設定手段と、前記制御パラメータを車両制御部の制御を行う制御装置に送信する制御内容送信手段と、前記制御装置に配設され、運転者による所定の動作に基づいて、前記制御パラメータに対応する制御内容を変更し、制御を行うための制御出力を発生させ、該制御出力を前記車両制御部に送信する制御出力送信手段とを有する。
【0007】
本発明の他の車両制御装置においては、車両の状態を検出して車両情報を発生させる車両状態検出手段と、ナビゲーション装置に配設され、道路データが記録されたデータ記憶部と、前記ナビゲーション装置に配設され、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合に、道路形状判断処理による道路形状の判断に従い、前記車両情報及び道路データに基づいて、車両の推奨される制御内容を制御パラメータとして設定する制御パラメータ設定手段と、前記制御パラメータを自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置に送信する制御内容送信手段と、前記自動変速機制御装置に配設され、運転者による所定の動作に基づいて、前記制御パラメータに対応する制御内容を変更し、走行制御を行うための制御出力を発生させ、該制御出力を前記自動変速機に送信する制御出力送信手段とを有する。
【0008】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記制御パラメータ設定手段は、前記道路データに基づいて道路形状を判断し、該道路形状に基づいて制御パラメータを設定する。
本発明の記録媒体においては、車両の状態を検出する車両状態検出手段によって発生させられた車両情報を読み込み、データ記憶部に記録された道路データを読み出し、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合に、道路形状判断処理による道路形状の判断に従い、前記車両情報及び道路データに基づいて、車両の推奨される制御内容を制御パラメータとして設定するとともに、該制御パラメータを、車両制御部の制御を行うために配設された制御装置であり、かつ、運転者による所定の動作に基づいて、前記制御パラメータに対応する制御内容を変更し、制御を行うための制御出力を発生させ、該制御出力を前記車両制御部に送信する制御出力送信手段を備えた制御装置に送信する車両制御装置のプログラムを記録する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
図において、14はナビゲーション装置、16は該ナビゲーション装置14に配設され、道路データが記録されたデータ記憶部、42は運転者の動作を検出するアクセルセンサ、43は前記運転者の動作を検出するブレーキセンサ、44は車速センサである。前記アクセルセンサ42、ブレーキセンサ43及び車速センサ44によって、車両の状態を検出する車両状態検出手段が構成される。そして、前記アクセルセンサ42及びブレーキセンサ43によって運転者の動作が検出され、アクセル信号及びブレーキ信号が車両情報として発生させられ、前記車速センサ44によって車速が検出され、車速信号が車両情報として発生させられる。
【0010】
また、102は前記ナビゲーション装置14に配設された制御パラメータ設定手段としての推奨値算出手段、203は制御出力送信手段、204は車両制御部である。
図2は本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図、図3は本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図、図4は本発明の実施の形態における減速線マップを示す図である。なお、図3において、横軸にノード半径を、縦軸に推奨車速VR を、図4において、横軸に車両の位置を、縦軸に車速Vを採ってある。
【0011】
図2において、10は車両制御部204(図1)としての自動変速機(A/T)、11はエンジン(E/G)、12は前記自動変速機10の全体の制御を行う自動変速機制御装置(ECU)、13は前記エンジン11の全体の制御を行うエンジン制御装置(EFI)、14はナビゲーション装置である。
また、42はアクセルセンサ、43はブレーキセンサ、44は車速センサ、45はスロットル開度センサ、46は記録媒体としてのROM、47は通常モードとナビモードとを選択するためのモード選択部、48は車両の旋回時に行われる車両安定性制御(VSC)のためのジャイロセンサである。
【0012】
前記ナビゲーション装置14は、現在位置を検出する現在位置検出部15、データ記憶部16、入力された情報に基づいてナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38を有する。
そして、現在位置検出部15は、GPS(グローバルポジショニングセンサ)21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。
【0013】
前記GPS21は、人工衛星によって発生させられた電波を受信して、地球上における現在位置を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の地点間の距離等を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
【0014】
また、前記ステアリングセンサ24は、舵(だ)角を検出するためのものであり、例えば、図示されないハンドルの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、前記ビーコンセンサ25は、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ26は、車両の回転角速度を検出するものであり、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ26によって検出された回転角速度を積分することにより、車両が向いている方位を検出することができる。
【0015】
なお、前記GPS21及びビーコンセンサ25においては、それぞれ単独で現在位置を検出することができるが、距離センサ23の場合は、該距離センサ23によって検出された距離と、地磁気センサ22及びジャイロセンサ26によって検出された方位とを組み合わせることにより現在位置が算出される。また、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を算出することもできる。
【0016】
前記データ記憶部16は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、及び各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の各主地域ごとの情報が記録されたデータファイルを備える。これら各データファイルには、経路を検索するためのデータのほか、前記表示部35の画面に、検索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが記録される。なお、前記データ記憶部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するための各種のデータも記録される。
【0017】
ところで、前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイルにはノード(点)に関するノードデータが、道路データファイルには道路に関する道路データがそれぞれ記録され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が表される。なお、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける道路の位置及び形状を表す要素であり、道路上の各ノード及び該各ノード間を連結するリンク(線)を示すデータから成る。そして、前記道路データによって、道路自体については、幅員、勾配(こうばい)、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等が、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等が、道路属性については、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道、高速道等)等がそれぞれ表される。
【0018】
また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行うCPU31、該CPU31が制御を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、及び制御プログラムのほか、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種のプログラムが記録された記録媒体としてのROM33から成るとともに、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。
【0019】
なお、前記データ記憶部16及びROM33は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって構成される。また、前記データ記憶部16及びROM33に代えて、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード、光カード等の各種の記録媒体を使用することもできる。
【0020】
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記録され、前記データ記憶部16に各種のデータが記録されるようになっているが、各種のプログラム及び各種のデータを同じ外部の記録媒体に記録することもできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション処理部17に図示されないフラッシュメモリを配設し、前記外部の記録媒体から前記各種のプログラム及び各種のデータを読み出してフラッシュメモリに書き込むこともできる。したがって、外部の記録媒体を交換することによって前記各種のプログラム及び各種のデータを更新することができる。また、自動変速機制御装置12の制御プログラム等を併せて前記外部の記録媒体に記録することもできる。このように、各種の記録媒体に記録された各種のプログラムを起動し、各種のデータに基づいて各種の処理を行うことができる。
【0021】
さらに、前記通信部38は、FM送信装置、電話回線等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPS21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。なお、本発明の機能を実現するためのプログラム及びデータの少なくとも一部を前記通信部38によって受信し、フラッシュメモリ等に記録することもできる。
【0022】
そして、前記入力部34は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、表示部35と別に配設されたキーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用することができる。また、前記入力部34は、表示部35に画像で表示されたキー又はメニューにタッチすることにより、入力を行うタッチパネルによって構成することもできる。
【0023】
そして、前記表示部35には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、目的地までの経路、走行する経路に沿った案内等が表示される。前記表示部35としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
そして、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができるようになっている。さらに、音声出力部37は、それぞれ図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声合成装置によって合成された音声による案内情報をスピーカから出力する。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の案内情報をテープに録音しておき、該案内情報をスピーカから出力することもできる。
【0024】
ところで、前記構成の車両制御装置において、自動変速機制御装置12は、ROM46に記録された制御プログラムに従ってシフトアップ又はシフトダウンの変速を行う。
そして、運転者がモード選択部47を操作することによって通常モードが選択されると、前記自動変速機制御装置12は、前記車速センサ44によって検出された車速V、及びスロットル開度センサ45によって検出されたスロットル開度に基づいて、ROM46内の図示されない変速マップを参照し、前記車速V及びスロットル開度に対応する変速段を選択する。
【0025】
また、運転者がモード選択部47を操作することによってナビモードが選択されると、前記ナビゲーション処理部17において、データ記憶部16から所定の道路データを読み出し、変速段を制限するための推奨値が算出されるとともに、該推奨値が制御内容として設定される。そして、各制御内容に対応する制御パラメータとしての制御推奨フラグが設定され、該制御推奨フラグが自動変速機制御装置12に送信される。また、該自動変速機制御装置12は、前記制御推奨フラグを受信し、図示されないアクセルペダルが緩められたこと等の所定の条件が満たされると、上限の変速段を決定し、該上限の変速段より上の変速段が選択されないようにする。なお、常時、前記ナビゲーション処理部17によって、ナビモードが選択されたときと同様の処理を行うことができる。
【0026】
次に、ナビモードが選択された場合の前記ナビゲーション処理部17の動作について説明する。なお、本実施の形態においては、走行制御としてコーナ制御を行う場合について説明する。
まず、前記CPU31は、現在位置検出部15によって検出された現在位置を読み込むとともに、データ記憶部16の道路データファイルにアクセスし、前記現在位置より前方の位置の道路データを読み出し、制御実施条件が成立しているかどうかを判断する。この場合、前記制御実施条件として、前記道路データが前記道路データファイル内に存在していること、フェール動作が発生していないこと等が設定される。
【0027】
そして、前記制御実施条件が成立すると、前記CPU31は、コーナ制御判定処理を開始し、道路形状判断処理を行い、道路形状を判断する。すなわち、CPU31は、前記現在位置、及び前記現在位置より前方の位置の道路データに基づいて、制御リストを作成し、現在位置を含む道路上の所定の範囲(例えば、現在位置から1〜2〔km〕)内の各ノードごとに道路のノード半径を算出する。
【0028】
なお、必要に応じて現在位置から目的地までの経路を検索し、検索した経路上のノードについてノード半径を算出することもできる。この場合、道路データに従って、各ノードの絶対座標、及び前記各ノードに隣接する二つのノードの各絶対座標に基づいて演算処理を行い、前記ノード半径を算出する。また、道路データとしてあらかじめデータ記憶部16にノード半径を、例えば、各ノードに対応させて記録しておき、必要に応じて前記ノード半径を読み出すこともできる。
【0029】
次に、CPU31は、前記所定の範囲内において前記ノード半径が閾(しきい)値より小さいノードが検出されると、コーナ制御を必要とするコーナが有ると判定し、図3の推奨車速マップを参照して、前記ノード半径に対応する推奨車速VR を読み込む。なお、前記推奨車速マップにおいては、ノード半径が小さくなると推奨車速VR が低くされ、ノード半径が大きくなると推奨車速VR が高くされる。次に、ナビゲーション処理部17は現在位置から各ノードまでの道路の勾配を算出する。
【0030】
ところで、本実施の形態においては、車両がコーナに差し掛かると、現在位置からコーナに到達するまでに、車速Vが前記推奨車速VR になるような減速が必要であると判断される。そこで、前記所定の範囲内の各ノードのうちノード半径が閾値より小さい特定のノードNdi (i=1、2、…)が選択され、該各ノードNdi について推奨車速VRi(i=1、2、…)が算出され、該推奨車速VRiに基づいて推奨変速段が決定されるようになっている。
【0031】
そのために、CPU31は、各ノードNdi について、現在の変速段を維持することが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値α、これ以上減速加速度(減速の度合い)が大きい場合は、変速段を3速以下にすることが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値β1、及びこれ以上減速加速度が大きい場合は、変速段を2速以下にすることが望ましいと考えられる閾値を表す減速加速度基準値β2を設定する。
【0032】
前記各減速加速度基準値α、β1、β2は、道路の勾配も考慮して設定される。これは、平坦(たん)な道路において減速を行う場合と、登坂路又は降坂路において減速を行う場合とでは、同じ距離を走行させても減速加速度が異なるからである。例えば、登坂路においては、運転者が車両を減速させようとした場合、積極的にシフトダウンの変速を行わなくても十分な減速が行われる。
【0033】
また、前記各減速加速度基準値α、β1、β2を、道路の勾配に対応させて複数設定したり、平坦な道路用として1組の減速加速度基準値α、β1、β2をあらかじめ設定し、道路の勾配を算出するとともに、算出された道路の勾配に対応させて前記各減速加速度基準値α、β1、β2を補正したりすることができる。さらに、車両の総重量を算出し、例えば、乗員が1名である場合と4名である場合とで減速加速度基準値α、β1、β2を異ならせることもできる。この場合、車両の総重量は、例えば、特定の出力軸トルクを発生させたときの加速度に基づいて算出することができる。
【0034】
続いて、CPU31は、推奨値算出処理を開始し、現在位置から各ノードNdi までの区間距離Lを算出し、該区間距離L、前記推奨車速VRi及び前記減速加速度基準値αに基づいて、現在の変速段を維持するためのホールド制御用減速線Mhを、区間距離L、前記推奨車速VRi及び減速加速度基準値β1、β2に基づいて、シフトダウンの変速を許可するための減速線、すなわち、変速許可制御用減速線M1、M2をそれぞれ設定する。なお、ホールド制御用減速線Mhは、前記変速許可制御用減速線M1に対応させて、例えば、変速許可制御用減速線M1より10〔km/h〕だけ低い値にされる。また、ホールド制御用減速線Mhを変速許可制御用減速線M1より所定距離分だけずらすこともできる。そして、前記ホールド制御用減速線Mh及び変速許可制御用減速線M1、M2はコーナ制御が終了するまで固定される。
【0035】
この場合、変速許可制御用減速線M1、M2は、区間距離Lにおいてそれぞれ減速加速度基準値β1、β2で減速が行われた場合に、各ノードNdi を推奨車速VRiで走行することができる車速Vの値を示す。
なお、前記ホールド制御用減速線Mh及び変速許可制御用減速線M1、M2は、いずれも演算処理を行うことによって設定することができるだけでなく、演算結果をROM33にマップとして記録しておき、該マップを参照することによって設定することもできる。
【0036】
続いて、CPU31は、現在位置に対応する第1の設定値としてのホールド制御用減速線Mhの値Vh、現在位置に対応する第2の設定値としての変速許可制御用減速線M1の値V1、及び現在位置に対応する第3の設定値としての変速許可制御用減速線M2の値V2を算出するとともに、現在の車速Vnow を読み込み、該車速Vnow と前記値Vh、V1、V2とを比較する。
【0037】
そして、車速Vnow が値Vh以上である場合、ホールド制御が行われ、推奨値算出手段102は、現在の実際の変速段(以下「実変速段」という。)と等しい推奨値を算出する。すなわち、実変速段が4速である場合、推奨値として4速が算出される。
また、前記車速Vnow が値V1以上であり、値V2より低い場合、変速許可制御が行われ、推奨値算出手段102は、推奨値として3速を算出する。さらに、前記車速Vnow が値V2以上である場合、変速許可制御が行われ、推奨値算出手段102は、推奨値として2速を算出する。
【0038】
なお、前記推奨値は、各ノードNdi について算出され、すべてのノードNdi についての算出が終了して制御終了条件が成立すると、前記各推奨値のうち、最小のものが推奨変速段として決定される。そして、該推奨変速段は、制御内容として設定される。
次に、交差点制御判定処理において、推奨値算出手段102によって交差点を通過するときの変速段の推奨値が算出され、該推奨値が制御内容として設定される。そして、CPU31の図示されない制御内容送信手段によって、各制御内容に対応する制御パラメータとしての制御推奨フラグが設定され、該制御推奨フラグが自動変速機制御装置12に送信される。
【0039】
このように、CPU31から自動変速機制御装置12に制御推奨値フラグが送信されると、自動変速機制御装置12の制御出力送信手段203としての図示されない上限変速段決定手段は、前記制御推奨フラグに基づいて、推奨値算出手段102によって算出された推奨値が2速、3速及び4速のいずれであるかを判断し、推奨値が4速である場合、上限の変速段を決定するための値SS に4をセットする。そして、推奨値が3速である場合、踏み込まれているアクセルペダルが緩められてアクセルオン→オフになるか、踏み込まれていないブレーキペダルが踏み込まれてブレーキオフ→オンになると、前記上限変速段決定手段は前記値SS に3をセットする。また、推奨値が2速である場合、ブレーキオフ→オンになると、前記上限変速段決定手段は前記値SS に2をセットする。この場合、例えば、アクセルオン→オフは、アクセルセンサ42によって検出されたアクセルペダルの踏込量が単位時間当たり10〔%〕以上少なくなり、しかも、アクセルセンサ42がオフになっている状態をいう。
【0040】
なお、推奨値が3速であり、アクセルオン→オフにならず、ブレーキオフ→オンにもならない場合、前記上限変速段決定手段は前記値SS に4をセットする。また、推奨値が2速であり、ブレーキオフ→オンにならない場合、前記上限変速段決定手段は前記値SS に3をセットする。
このようにして、値SS がセットされると、前記上限変速段決定手段は、前記値SS を上限の変速段として決定する。そして、該上限の変速段と、ナビゲーション装置14を備えない通常の車両制御装置において行われる基本自動変速機制御判断によって決定された上限の変速段とが比較され、制御出力として両上限の変速段のうち、いずれか低い方の上限の変速段が出力される。
【0041】
その結果、自動変速機制御装置12は、出力された上限の変速段で変速処理を行い、車両を走行させる。そして、道路のノード半径が閾値より大きくなると、コーナ制御が解除され、通常の制御が行われる。
ところで、前記推奨値を算出するに当たり、膨大な道路データを処理し、道路形状を判断する必要があるので、推奨値を算出するのに必要な時間が長くなる。したがって、前記自動変速機制御装置12によって推奨値を算出しようとすると、コーナ制御を行うための処理時間がその分長くなってしまう。
【0042】
また、前記CPU31において上限の変速段を決定しようとすると、運転者の動作を検出するアクセルセンサ42、ブレーキセンサ43等からアクセル信号、ブレーキ信号等の動作検出信号を受信したり、前記推奨値及び動作検出信号に基づいて上限の変速段を決定した後、決定された上限の変速段を自動変速機制御装置12に送信したりする必要が生じるので、コーナ制御を行うための処理時間がその分長くなってしまう。
【0043】
その結果、運転者の意志に沿ったコーナ制御を行うのが困難になり、走行フィーリングが低下してしまう。
そこで、本実施の形態においては、CPU31は、現在位置から目的地までの経路を検索して車両の走行ルートを設定した後、走行ルートを案内する前、表示部35の画面の表示が切り換えられる前等のように、ナビゲーション装置14の基本機能に関するナビ基本処理が行われていて、CPU31に加わる負荷が比較的小さいうちにタイミング信号を発生させ、前記道路形状判断処理を行う。
【0044】
すなわち、前記ナビゲーション装置14のCPU31は、目的地・通過点入力処理において目的地及び通過点を入力し、経路設定処理において前記目的地及び通過点に従って経路を設定し、続いて、地図・現在位置マーク表示処理において表示部35の画面に地図及び現在位置マークを表示する。
次に、現在位置検出処理において現在位置が検出されると、前記CPU31は、車両が経路上を走行しているかどうかを判断し、車両が経路上を走行している場合、経路情報検索処理において経路情報を検索する。続いて、経路案内タイミングが発生すると、CPU31は、経路案内処理(音声案内、交差点詳細表示等)を開始し、経路を案内する。
【0045】
一方、車両が経路上を走行していない場合、及び経路案内タイミングが発生していない場合において、地図読込タイミングが発生すると、CPU31は、地図読出処理を開始して、地図データを読み出すとともに描画タイミングによって地図を描画する。
また、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合、CPU31は、道路形状判断処理の開始指令としてのタイミング信号を発生させ、道路形状判断処理を行う。
【0046】
この場合、目的地・通過点入力処理、経路設定処理、地図・現在位置マーク表示処理、現在位置検出処理等のナビ基本処理だけが行われていて、経路情報検索処理、経路案内処理、地図読込処理等が行われておらず、CPU31に加わる負荷が比較的小さいうちに前記タイミング信号が発生させられる。
なお、CPU31は、前記地図読出処理において、表示部35の画面より大きい範囲についての地図データを読み出すと、該地図データの一部分について地図を描画するとともに、他の部分をRAM32に一時的に格納する。そして、現在位置が変化したり、オペレータの指示があったりすると、前記CPU31は、前記RAM32から前記他の部分を読み出して地図を描画する。
【0047】
このように、CPU31に加わる負荷が比較的小さいうちに道路形状判断処理が行われるので、膨大な道路データを処理する必要があるにもかかわらず、推奨変速段判断処理を早めに開始することができる。また、ナビゲーション処理部17側において、道路データ等に基づいて道路形状判断処理が行われ、車速Vnow 等に基づいて推奨変速段決定処理が行われるので、CPU31から自動変速機制御装置12にわずかな数の制御推奨フラグを送信するだけでよく、道路データを送信する必要がない。
【0048】
そして、自動変速機制御装置12側において、CPU31から受信した制御推奨フラグ及び運転者の動作に基づいて上限の変速段を決定するようになっているので、前記動作検出信号をCPU31に送信する必要がない。
なお、走行制御として交差点制御を行う場合、CPU31において周辺の道路状況が判定され、判定結果に基づいて交差点を通過するときの変速段の推奨値が算出されるようになっている。この場合も、変速段の推奨値によって制御内容が設定され、該制御内容に対応する制御推奨フラグが設定され、該制御推奨フラグが自動変速機制御装置12に送信される。
【0049】
さらに、登坂走行制御、降坂走行制御等を行う場合、自動変速機制御装置12において、スロットル開度、車速Vnow 等に基づいて算出された基準車両加速度と、車速Vnow に基づいて算出された実際の車両加速度とを比較し、登坂路を走行していることを示す登坂路信号、降坂路を走行していることを示す降坂路信号等を発生させ、CPU31において前記車速Vnow 、登坂路信号、降坂路信号等を読み込むようにしている。この場合も、車速Vnow 、登坂路信号、降坂路信号等を制御推奨フラグによって読み込むことができる。
【0050】
このように、各種の走行制御を行う場合に、自動変速機制御装置12とCPU31との間で制御推奨フラグだけを送受信するだけでよいので、コーナ制御、交差点制御、登坂走行制御、降坂走行制御等を行うための処理時間を短くすることができる。
また、運転者がアクセルペダルを踏み込んだり、ブレーキペダルを緩めたり、図示されないシフトレバー、ハンドル等を操作したりする動作が検出された場合の動作検出信号をCPU31に送信する必要がないので、通信遅れを無くすことができる。したがって、コーナ制御、交差点制御、登坂走行制御、降坂走行制御等を行うための処理時間を短くすることができる。
【0051】
その結果、運転者の意志に沿った走行制御を行うのが容易になり、走行フィーリングを向上させることができる。
次に、前記ナビゲーション装置14の走行制御用の動作を示すフローチャートについて説明する。
図5は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の走行制御用の動作を示すメインフローチャートである。
ステップS1 現在位置を読み込み、車両の前方の道路データを読み出す。
ステップS2 制御実施条件が成立したかどうかを判断する。制御実施条件が成立した場合はステップS3に進み、成立していない場合はリターンする。
ステップS3 コーナ制御判定処理を行う。
ステップS4 交差点制御判定処理を行う。
ステップS5 制御推奨フラグを自動変速機制御装置12(図2)に送信する。
【0052】
次に、図5のステップS3におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンについて説明する。
図6は本発明の実施の形態におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−1 道路形状判断処理を行う。
ステップS3−2 推奨変速段決定処理を行う。
ステップS3−3 制御内容を設定する。
【0053】
次に、図6のステップS3−1における道路形状判断処理のサブルーチンについて説明する。
図7は本発明の実施の形態における道路形状判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−1−1 制御リストを作成する。
ステップS3−1−2 コーナ制御を必要とするコーナが有ると判定する。
【0054】
次に、図6のステップS3−2における推奨変速段決定処理のサブルーチンについて説明する。
図8は本発明の実施の形態における推奨変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−2−1 減速線を変更する。
ステップS3−2−2 推奨値算出処理を行う。
ステップS3−3−3 制御終了条件が成立したかどうかを判断する。制御終了条件が成立した場合はリターンし、成立していない場合はステップS3−2−2に戻る。
【0055】
次に、図5のステップS4における交差点制御判定処理のサブルーチンについて説明する。
図9は本発明の実施の形態における交差点制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS4−1 周辺の道路状況を判定し、道路属性、複数の交差点の位置関係等をチェックする。
ステップS4−2 変速段の推奨値を算出する。
ステップS4−3 制御内容を設定する。
【0056】
次に、図8のステップS3−2−2における推奨値算出処理のサブルーチンについて説明する。
図10は本発明の実施の形態における推奨値算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS3−2−2−1 現在位置から各ノードまでの区間距離Lを算出する。
ステップS3−2−2−2 値Vh、V1、V2を算出する。
ステップS3−2−2−3 現在の車速Vnow を読み込む。
ステップS3−2−2−4 該車速Vnow が前記値Vh以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値Vh以上である場合はステップS3−2−2−5に、車速Vnow が値Vhより低い場合はステップS3−2−2−10に進む。
ステップS3−2−2−5 前記車速Vnow が前記値V1以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値V1以上である場合はステップS3−2−2−7に、車速Vnow が値V1より低い場合はステップS3−2−2−6に進む。
ステップS3−2−2−6 ホールドフラグをオンにする。
ステップS3−2−2−7 前記車速Vnow が前記値V2以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が値V2以上である場合はステップS3−2−2−9に、車速Vnow が値V2より低い場合はステップS3−2−2−8に進む。
ステップS3−2−2−8 推奨値として3速を算出する。
ステップS3−2−2−9 推奨値として2速を算出する。
ステップS3−2−2−10 ホールドフラグがオンであるかどうかを判断する。ホールドフラグがオンである場合はステップS3−2−2−11に進み、オフである場合はリターンする。
ステップS3−2−2−11 実変速段を推奨値とする。
【0057】
次に、自動変速機制御装置12の動作を示すフローチャートについて説明する。
図11は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すメインフローチャートである。
ステップS11 アクセルセンサ42(図2)のアクセル信号、ブレーキセンサ43のブレーキ信号、車速センサ44によって検出された車速Vnow 、スロットル開度センサ45によって検出されたスロットル開度等の車両情報を読み込む。
ステップS12 基本自動変速機制御判断処理を行う。
ステップS13 協調制御条件が成立しているかどうかを判断する。協調制御条件が成立している場合はステップS14に、成立していない場合はステップS16に進む。この場合、協調制御条件が成立しているかどうかは、車両が走行制御を行うのに適した状態にあるかどうかによって判断する。例えば、水温、油温、各種のセンサの検出信号等が正常な範囲内にあること、ナビゲーション装置14との間において通信が正常に行われていること、ナビゲーション装置14から受信したデータが正常であること等が協調制御条件にされる。また、オーバードライブ走行を選択するための図示されないオーバードライブスイッチがオンになっていること、雪道走行用の変速パターンを選択するための図示されないセレクトスイッチがオンになっていること等を協調制御条件にすることもできる。
ステップS14 ナビゲーション装置14から制御推奨フラグを受信する。
ステップS15 協調制御判断処理を行う。
ステップS16 基本自動変速機制御判断処理において基本の変速マップを参照することによって決定された変速段と協調制御判断処理において決定された上限の変速段とを比較し、低い方の変速段を選択する。
ステップS17 選択された変速段を変速出力として出力する。
【0058】
次に、図11のステップS15における協調制御判断処理のサブルーチンについて説明する。
図12は本発明の実施の形態における協調制御判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS15−1 ナビゲーション装置14(図2)から受信した制御推奨フラグのいずれかがオンになっているかどうかを判断する。制御推奨フラグのいずれかがオンになっている場合はステップS15−2に、全くオンになっていない場合はステップS15−3に進む。
ステップS15−2 上限変速段決定処理を行う。
ステップS15−3 協調制御実施中であるかどうかを判断する。協調制御実施中である場合はステップS15−4に進み、協調制御実施中でない場合はリターンする。なお、協調制御実施中であるかどうかは、コーナ制御において推奨値が算出され、算出された推奨値に従った変速段で車両が走行させられているかどうかによって判断する。
ステップS15−4 解除制御判断処理を行い、コーナ制御を終了する。前記解除制御判断処理においては、例えば、コーナから離れたことのほか、基本の変速マップを参照することによって3速の変速段が決定されたこと、所定以上の加速が行われたこと、所定の距離(ガード距離)以上走行してもコーナ制御の終了が行われないこと等の各解除条件が満たされたときにコーナ制御を終了する。
【0059】
なお、図示されないアクセルペダルを所定量以上戻したこと、アクセルペダルを所定以上の速度で戻したこと、運転者が図示されないオーバドライブスイッチをオンにしたこと等を解除条件にすることもできる。
次に、図12のステップS15−2における上限変速段決定処理のサブルーチンについて説明する。
【0060】
図13は本発明の実施の形態における上限変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
ステップS15−2−1 ナビゲーション装置14(図2)から受信した制御推奨フラグに基づいて推奨値を算出し、該推奨値が2速、3速及び4速のいずれであるかを判断する。推奨値が2速である場合はステップS15−2−2に、推奨値が3速である場合はステップS15−2−3に、推奨値が4速である場合はステップS15−2−6に進む。
ステップS15−2−2 ブレーキオフ→オンであるかどうかを判断する。ブレーキオフ→オンである場合はステップS15−2−4に、ブレーキオフ→オンでない場合はステップS15−2−5進む。
ステップS15−2−3 アクセルオン→オフであるか又はブレーキオフ→オンであるかどうかを判断する。アクセルオン→オフであるか又はブレーキオフ→オンである場合はステップS15−2−5に、アクセルオン→オフでもなく、ブレーキオフ→オンでもない場合はステップS15−2−6に進む。
ステップS15−2−4 値SS に2をセットする。
ステップS15−2−5 値SS に3をセットする。
ステップS15−2−6 値SS に4をセットする。
ステップS15−2−7 上限の変速段を決定する。
【0061】
次に、ナビゲーション装置14の動作を示すフローチャートについて説明する。
図14は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップS21 目的地・通過点入力処理を行う。
ステップS22 経路設定処理を行う。
ステップS23 地図・現在位置マーク表示処理を行う。
ステップS24 現在位置検出処理を行う。
ステップS25 車両が経路上を走行しているかどうかを判断する。車両が経路上を走行している場合はステップS26に、経路上を走行していない場合はステップS29に進む。
ステップS26 経路情報検索処理を行う。
ステップS27 経路案内タイミングが発生したかどうかを判断する。経路案内タイミングが発生した場合はステップS28に、発生していない場合はステップS29に進む。
ステップS28 経路案内処理を行う。
ステップS29 地図読込タイミングが発生したかどうかを判断する。地図読込タイミングが発生した場合はステップS30に、発生していない場合はステップS31に進む。
ステップS30 地図読出処理を行う。
ステップS31 道路形状判断処理のタイミング信号を発生させる。
ステップS32 目的地に到着したかどうかを判断する。目的地に到着した場合はリターンし、到着していない場合はステップS23に戻る。
【0062】
本実施の形態においては、車両各部の制御として、自動変速機における走行制御について説明しているが、車両各部の制御として、内燃エンジン11等の原動機の制御、ステアリング制御、ステアリングアシスト制御、ブレーキ制御、ブレーキアシスト制御、サスペンション(ダンパ減衰力等)制御、4WDにおける駆動力分配制御等に適用することもできる。
【0063】
この場合、CPU31(図2)は、所定のノードに到達するまでの車両各部の制御を許可するための減速線を設定し、推奨値算出手段102(図1)は、車速及び減速線によって与えられる設定値に基づいて車両各部の制御の推奨値を算出する。そして、制御出力送信手段203は、推奨値に基づいて車両各部の制御を行う。また、前記推奨値としては、例えば、推奨アクセル開度、推奨ブレーキアシスト力、推奨ダンパ減衰力、推奨駆動力分配値等が算出される。
【0064】
さらに、車両各部の制御を行うに当たり、検出された車両の状態、道路データ等に基づいて、車両各部の制御を行うための制御パラメータを設定し、該制御パラメータを車両各部の制御部に送信する。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、車両制御装置においては、車両の状態を検出して車両情報を発生させる車両状態検出手段と、ナビゲーション装置に配設され、道路データが記録されたデータ記憶部と、前記ナビゲーション装置に配設され、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合に、道路形状判断処理による道路形状の判断に従い、前記車両情報及び道路データに基づいて、車両の推奨される制御内容を制御パラメータとして設定する制御パラメータ設定手段と、前記制御パラメータを車両制御部の制御を行う制御装置に送信する制御内容送信手段と、前記制御装置に配設され、運転者による所定の動作に基づいて、前記制御パラメータに対応する制御内容を変更し、制御を行うための制御出力を発生させ、該制御出力を前記車両制御部に送信する制御出力送信手段とを有する。
【0066】
この場合、各種の制御を行うときに、制御装置とナビゲーション装置との間で車両の推奨される制御内容を表す制御パラメータを送受信するだけでよいので、制御を行うための処理時間を短くすることができる。
また、運転者による所定の動作を検出した場合の動作検出信号をナビゲーション装置に送信する必要がないので、通信遅れを無くすことができる。したがって、制御装置において制御を行うための処理時間を短くすることができる。
【0067】
その結果、運転者の意志に沿った制御を行うのが容易になり、走行フィーリングを向上させることができる。
本発明の他の車両制御装置においては、車両の状態を検出して車両情報を発生させる車両状態検出手段と、ナビゲーション装置に配設され、道路データが記録されたデータ記憶部と、前記ナビゲーション装置に配設され、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合に、道路形状判断処理による道路形状の判断に従い、前記車両情報及び道路データに基づいて、車両の推奨される制御内容を制御パラメータとして設定する制御パラメータ設定手段と、前記制御パラメータを自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置に送信する制御内容送信手段と、前記自動変速機制御装置に配設され、運転者による所定の動作に基づいて、前記制御パラメータに対応する制御内容を変更し、走行制御を行うための制御出力を発生させ、該制御出力を前記自動変速機に送信する制御出力送信手段とを有する。
【0068】
この場合、各種の走行制御を行うときに、自動変速機制御装置とナビゲーション装置との間で車両の推奨される制御内容を表す制御パラメータを送受信するだけでよいので、走行制御を行うための処理時間を短くすることができる。
また、運転者による所定の動作を検出した場合の動作検出信号をナビゲーション装置に送信する必要がないので、通信遅れを無くすことができる。したがって、自動変速機制御装置において、走行制御を行うための処理時間を短くすることができる。
【0069】
その結果、運転者の意志に沿った走行制御を行うのが容易になり、走行フィーリングを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における減速線マップを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の走行制御用の動作を示すメインフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態におけるコーナ制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における道路形状判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における推奨変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における交差点制御判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における推奨値算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における協調制御判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における上限変速段決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 自動変速機
12 自動変速機制御装置
14 ナビゲーション装置
16 データ記憶部
33、46 ROM
42 アクセルセンサ
43 ブレーキセンサ
44 車速センサ
102 推奨値算出手段
203 制御出力送信手段
204 車両制御部

Claims (4)

  1. 車両の状態を検出して車両情報を発生させる車両状態検出手段と、ナビゲーション装置に配設され、道路データが記録されたデータ記憶部と、前記ナビゲーション装置に配設され、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合に、道路形状判断処理による道路形状の判断に従い、前記車両情報及び道路データに基づいて、車両の推奨される制御内容を制御パラメータとして設定する制御パラメータ設定手段と、前記制御パラメータを車両制御部の制御を行う制御装置に送信する制御内容送信手段と、前記制御装置に配設され、運転者による所定の動作に基づいて、前記制御パラメータに対応する制御内容を変更し、制御を行うための制御出力を発生させ、該制御出力を前記車両制御部に送信する制御出力送信手段とを有することを特徴とする車両制御装置。
  2. 車両の状態を検出して車両情報を発生させる車両状態検出手段と、ナビゲーション装置に配設され、道路データが記録されたデータ記憶部と、前記ナビゲーション装置に配設され、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合に、道路形状判断処理による道路形状の判断に従い、前記車両情報及び道路データに基づいて、車両の推奨される制御内容を制御パラメータとして設定する制御パラメータ設定手段と、前記制御パラメータを自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置に送信する制御内容送信手段と、前記自動変速機制御装置に配設され、運転者による所定の動作に基づいて、前記制御パラメータに対応する制御内容を変更し、走行制御を行うための制御出力を発生させ、該制御出力を前記自動変速機に送信する制御出力送信手段とを有することを特徴とする車両制御装置。
  3. 前記制御パラメータ設定手段は、前記道路データに基づいて道路形状を判断し、該道路形状に基づいて制御パラメータを設定する請求項1又は2に記載の車両制御装置。
  4. 車両の状態を検出する車両状態検出手段によって発生させられた車両情報を読み込み、データ記憶部に記録された道路データを読み出し、車両が経路上を走行していない場合、並びに経路案内タイミング及び地図読込タイミングが発生していない場合に、道路形状判断処理による道路形状の判断に従い、前記車両情報及び道路データに基づいて、車両の推奨される制御内容を制御パラメータとして設定するとともに、該制御パラメータを、車両制御部の制御を行うために配設された制御装置であり、かつ、運転者による所定の動作に基づいて、前記制御パラメータに対応する制御内容を変更し、制御を行うための制御出力を発生させ、該制御出力を前記車両制御部に送信する制御出力送信手段を備えた制御装置に送信することを特徴とする車両制御装置のプログラムを記録した記録媒体。
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