JP3799046B2 - 杭抜装置 - Google Patents
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Description
この杭抜装置では、ケーシング回転手段の出力部にケーシングの上端部を取り付け、この出力部によってケーシングを軸周りに回転させている。そして、杭がケーシング内に内挿されるようにして、ケーシングを地盤内に掘進させることにより、杭の周囲の地盤を掘削することができる。このような杭抜装置では、ケーシング回転手段がガイド部材に案内されながら昇降するため、ケーシングを安定した状態で掘進させることができる。
これにより、掘進しているケーシングが屈曲した杭に地盤内で当接し、ケーシングが杭に案内されて傾動した場合に、ケーシングと共に駆動手段も傾動するため、ケーシング回転手段がガイド部材に案内されながら昇降する構成であっても、駆動手段の出力部の回転中心と、ケーシング全体の回転中心とを一致させるようにして、屈曲した杭に沿ってケーシングを掘進させることができる。
また、駆動手段の出力部の回転中心と、ケーシングの回転中心とを一致させるようにして、ケーシングを掘進させることにより、ケーシング全体を円滑に回転させながら、杭の周囲の地盤を効率良く掘削することができるため、作業効率を高めることができる。
なお、以下の説明における前後方向とは、図1の左右方向に対応するものであり、以下の説明における左右方向とは、図2の左右方向に対応するものである。
なお、昇降用ワイヤ13は、巻回手段からアーム部11の先端部に取り付けられた滑車
(図示せず)を介して、アーム部11の先端部から吊り下げられている。
さらに、アーム部11の先端部は、ガイド部材20の上端部が取り付けられており、移動式クレーン10によってガイド部材20を吊り上げて移動させることができる。
駆動手段31の出力部には、下方に向けて突出している出力軸34が連結されており、この出力軸34には、ケーシング50の上端部が取り付けられている。このようにして、駆動手段31では、出力部によって出力軸34を軸周りに回転させることにより、ケーシング50を軸周りに回転させることができる。
また、駆動手段31の上面には、垂直面を有する板状部材であり、軸方向が前後方向に配置されている一対の取り付けブラケット35,35が、左右方向に所定間隔を空けて取り付けられており、この各取り付けブラケット35,35には、貫通孔である取付孔36が形成されている。取付孔36は、後記するように、駆動手段31をフレーム部材32に支持させるための部位であり、フレーム部材32への取り付けを考慮して、各取り付けブラケット35,35の所定位置に形成されている。
なお、駆動手段31の出力軸34は、フレーム部材32の底板37の中央部に形成されている開口部39を通じて下方に突出している。開口部39は、出力軸34よりも拡径されており、出力軸34と開口部39との間には隙間が形成されている。
さらに、フレーム部材32において前後の側板38,38の内面の上端部には、垂直面を有する板状部材であり、軸方向が前後方向に配置されている一対の支持ブラケット40,40が、左右方向に所定間隔を空けて取り付けられている。この支持ブラケット40,40の上端部は、フレーム部材32から突出しており、各支持ブラケット40,40の間には、軸方向が左右方向に配置されている水平軸41が、フレーム部材32よりも上方に配置されるようにして架設されている。
さらに、駆動手段31は、取付孔36と水平軸41との隙間によって、鉛直方向の軸周りにも回動可能であるため、駆動手段31を鉛直方向の軸周りに回動させた状態で、上下方向に傾動させることもできる。
なお、駆動手段31の鉛直方向の軸周りにおける回動量は、取付孔36と水平軸41との隙間が大きい程、その回動量が大きくなる。このように、取付孔36と水平軸41との隙間を調整することによって、駆動手段31が傾動可能な方向を任意に設定することができる。
なお、フレーム部材32では、ストッパー43によって駆動手段31の傾動を規制するだけではなく、傾動した駆動手段31がフレーム部材32の底板37に形成されている開口部39の内周面に当接した場合にも、駆動手段31の傾動が規制されるように構成されている。
また、ケーシング50は、複数の分割されたケーシング52を上下方向に連結した構成となっており、ケーシング50の掘進に伴って順次に分割されたケーシング52を継ぎ足すことにより、ケーシング50は杭2の下端部まで掘進可能となっている。
また、分割したケーシング52の連結部は、前後左右方向に屈曲自在な構成となっている。なお、分割したケーシング52の連結部を屈曲させる機構は限定されるものではなく、例えば、ピンジョイントによる機構や各ケーシング52に形成した溝を嵌め合う機構など、既存の機構を用いて連結部を屈曲させることができる。
まず、図1に示すように、引き抜き対象である杭2の杭頭を突出させるようにして、掘削溝3を掘削する。
一方、移動式クレーン10によってガイド部材20を吊り上げることにより、ガイド部材20とともに、ケーシング回転手段30およびケーシングを移動させ、ケーシング50と杭2とが同一軸線上に配置される位置でガイド部材20を地盤に立設させる。
そして、ケーシング回転手段30を下降させ、ケーシング50の掘削刃51によって杭2の周囲の地盤を掘削することにより、ケーシング50を地盤内に掘進させる。このとき、ケーシング回転手段30は、ガイド部材20に案内されながら下降するため、ケーシング50を安定した状態で掘進させることができ、効率良く地盤を掘削することができる。
さらに、分割されたケーシング52を順次に継ぎ足しながら、杭2の上端部に沿ってケーシング50を掘進させる。
このとき、本実施形態では、図5に示すように、駆動手段31の各取り付けブラケット35,35の取付孔36の径が、フレーム部材32の水平軸41の径よりも拡径されており、駆動手段31は、フレーム部材32内で水平軸41周りに傾動可能であるとともに、取付孔36と水平軸41との隙間によって、水平軸41の軸方向、さらには、駆動手段31が鉛直方向の軸周りに回動した状態で上下方向にも傾動可能であるため、ケーシング50と共に駆動手段31も傾動することになる。
これにより、図6に示すように、駆動手段31の出力部の回転中心と、ケーシング50の回転中心とを一致させるようにして、ケーシング50全体を円滑に回転させながら、屈曲した杭2に沿ってケーシング50を掘進させることができる。
さらに、移動式クレーン10(図1参照)によって、ガイド部材20を吊り上げることにより、ガイド部材20と共にケーシング回転手段30およびケーシング50を杭2の上方から移動させた後に、他の移動式クレーンによって杭2を吊り上げることによって、地盤から杭2を引き抜いて撤去する。
また、駆動手段31の出力部の回転中心と、ケーシングの回転中心とを一致させるようにして、ケーシング50を掘進させることにより、ケーシング50全体を円滑に回転させながら、杭2の周囲の地盤を効率良く掘削することができるため、作業効率を高めることができる。
また、本実施形態では、分割したケーシング52の連結部が屈曲可能なケーシング50を用いているが、各連結部が屈曲しないように構成してもよく、ケーシング50の構成は限定されるものではない。
2 杭
10 移動式クレーン
20 ガイド部材
30 ケーシング回転手段
31 駆動手段
32 フレーム部材
33 滑車群(昇降手段)
36 取付孔
41 水平軸
50 ケーシング
51 掘削刃
Claims (1)
- 地盤に埋設された杭を引き抜くための杭抜装置であって、
地盤に立設されているガイド部材と、
前記ガイド部材に案内されながら昇降可能なケーシング回転手段と、
前記ケーシング回転手段に上端部が取り付けられており、引き抜き対象である前記杭を内挿可能であるとともに、前記杭の周囲の地盤を掘削可能な掘削刃を有するケーシングと、を備え、
前記ケーシング回転手段は、
前記ケーシングを軸周りに回転させるための駆動手段と、
前記ガイド部材に案内されながら昇降可能な状態で、前記ガイド部材に取り付けられているとともに、前記駆動手段を支持しているフレーム部材と、
前記フレーム部材を昇降させるための昇降手段と、から構成され、
前記駆動手段に設けられている取付孔に、前記フレーム部材に設けられている水平軸を貫通させることにより、前記駆動手段が前記フレーム部材に吊り下げられており、
前記駆動手段の前記取付孔の径は、前記フレーム部材の前記水平軸の径よりも拡径され、前記駆動手段が少なくとも前記水平軸周りおよび前記水平軸の軸方向に傾動可能であることを特徴とする杭抜装置。
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