JP3798085B2 - 複合加工機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転工具を有するツールホルダを備えたタレット旋盤等の複合加工機に関し、特に上記回転工具を回転駆動するための回転工具駆動機構の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
複合加工機として、従来、例えばタレット台のタレット本体にバイト等の固定工具を装着し、さらにドリルやエンドミル等の回転工具を有するツールホルダを装着し、該ツールホルダの回転工具を回転駆動機構により駆動するようにした複合加工タイプのタレット旋盤がある。
【0003】
このようなタレット旋盤における回転工具駆動機構として、従来例えば実開平3−88612号公報に記載されたものがあり、これは以下の構造を有する。各ツールホルダに設けられた個別回転伝達機構の工具回転軸をタレットの後方に突出するとともに、該突出部の後端に従動側クラッチ部材を設け、また駆動源により回転駆動される駆動軸のタレット後方に位置する前端部分に駆動側クラッチ部材を設ける。この従来装置では、上記タレット本体を所定のツールホルダが加工時位置に位置するように割り出すと、該割り出されたツールホルダの従動側クラッチ部材が上記駆動側クラッチ部材に自動的に係合する。
【0004】
また従来のタレット旋盤において、タレット本体に、主軸軸線と平行のZ軸回転工具を有するZ軸ツールホルダと主軸軸線と直角のX軸回転工具を有するX軸ツールホルダの両方を装着し、主軸に装着されたワークを上記何れかの回転工具により加工するようにした場合、駆動モータの回転の伝達方向をツールホルダ内に配設された傘歯車機構により変更して上記各回転工具に伝達するのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで最近では、特に大型機においてはミーリングの加工能力を高めることが要請されているが、上記従来の回転工具駆動機構の場合、各ツールホルダ毎に個別回転伝達機構を設ける必要があることから、該ツールホルダの剛性を確保する上で不利であるという問題がある。また各ツールホルダ毎に回転伝達機構が必要である点はコスト高の要因にもなる。
【0006】
上記ツールホルダの剛性向上,コスト低減等の観点から、上記回転工具駆動機構をタレット本体の外側後方(正面から見て右方)のタレットベース上に、該回転工具駆動機構と回転工具側の回転軸とが同軸となるように固定し、両者の間にクラッチ機構を介在させることが考えられる。
【0007】
しかしこのように回転工具駆動機構をタレット本体の後方のタレットベース上に配置固定した場合、特に上記バイト等の固定工具を割り出し、該固定工具により旋削加工等を行う場合に、上記回転工具駆動機構が、主軸のチャックに把持されたワークあるいは該ワークの端面を支持する心押台に干渉し易くなり、それだけ加工可能領域が狭くなるという問題が懸念される。
【0008】
また上記X軸,Z軸回転工具の両方を1つの共通の駆動モータにより回転駆動するようにした場合に、回転力の伝達方向をツールホルダ内の傘歯車機構により変えるようにした場合は、ツールホルダの剛性確保上不利であり、該ツールホルダが大型,大重量となって段取り作業性が低下する問題が懸念される。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、剛性確保が容易であり、かつ固定工具が割り出された場合に上記回転工具駆動機構が心押台等に干渉し難く加工可能領域を拡大でき、またツールホルダ内に傘歯車機構等を設ける必要がなくツールホルダを小型化,軽量化でき、段取り作業性を向上できる複合加工機を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転工具を有するツールホルダが装着されたタレット台を備え、主軸に装着されたワークを上記回転工具により又は上記タレット台に装着された固定工具により加工するようにした複合加工機において、割り出し位置に位置する上記回転工具を回転駆動する回転工具駆動機構を上記ツールホルダの後方に配置するとともに、該回転工具駆動機構を、駆動源と、該駆動源からの回転を上記ツールホルダの回転軸に伝達する回転伝達機構とを備えたものとし、上記回転工具駆動機構の少なくとも上記回転伝達機構を、上記主軸の回転軸線に近接する加工時位置と該回転軸線から遠ざかる待機時位置との間で、該回転軸線と直角方向に直線移動可能に構成し、上記回転伝達機構に、上記加工時位置に移動したときに上記駆動源と回転軸とを連結し、上記待機時位置に移動するときに上記駆動源と回転軸とを分離するクラッチ機構を設け、該クラッチ機構を、上記回転軸線と直角方向に嵌合又は分離するキー溝とキーとで構成したことを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明は、主軸軸線と平行のZ軸回転工具を有するZ軸ツールホルダと主軸軸線と直角のX軸回転工具を有するX軸ツールホルダとが装着されたタレット台を備え、主軸に装着されたワークを上記何れかの回転工具により加工するようにした複合加工機において、上記両回転工具を回転駆動するための1つの駆動源を設け、該駆動源の回転を割り出し位置に位置する上記Z軸回転工具のZ軸方向に突出する回転軸に伝達するZ軸回転伝達機構と、上記駆動源の回転を割り出し位置に位置する上記X軸回転工具のX軸方向に突出する回転軸に伝達するX軸回転伝達機構とを備え、上記Z軸回転伝達機構を、上記主軸の回転軸線に近接する加工時位置と該回転軸線から遠ざかる待機時位置との間で、該回転軸線と直角方向に直線移動可能に構成し、上記Z軸回転伝達機構に、上記加工時位置に移動したときに上記駆動源と回転軸とを連結し、上記待機時位置に移動するときに上記駆動源と回転軸とを分離するクラッチ機構を設け、該クラッチ機構を、上記回転軸線と直角方向に嵌合又は分離するキー溝とキーとで構成したことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図6は請求項1の発明に係る第1実施形態によるタレット旋盤(複合加工機)を説明するための図であり、図1はタレット旋盤の斜視図、図2はタレット台の斜視図、図3〜図6は動作説明図である。なお、本実施形態における前後左右とは、図1において旋盤の正面に立った状態での前後左右であり、手前側を前,向こう側を後とする。
【0014】
図において、1はタレット旋盤であり、該旋盤1は手前側が低くなるよう約45°に傾斜するスラント型のベッド2の左側に主軸台3を配設し、右側に心押台4を主軸回転軸線A(図5参照)と同軸をなしかつ該軸線方向に移動可能に配設し、両者の間にタレット台5を主軸回転軸線方向(Z軸方向)及び該軸線と直交し約45°に傾斜するする方向(X軸方向)に移動可能に配設した概略構造を有する。
【0015】
上記主軸台3は内蔵する主軸モータで回転駆動される主軸3aの先端にワークW(図5参照)を把持するチャック3bを装着したものである。また上記心押台4はスライドボディ4aを上記ベッド2上にZ軸方向にスライド可能に配置し、該スライドボディ4aにセンタ4bを上記チャック3bの軸線に対向するように挿入配置したものである。
【0016】
上記タレット台5は、上記ベッド2上にスライドベース6をZ軸方向に移動可能に配設し、該スライドベース6上にタレットベース7をX軸方向に移動可能に配設し、該タレットベース7によりタレット軸(図示せず)をZ軸回りに回転可能に支持し、該タレット軸によりタレット本体8を支持した概略構造のものである。
【0017】
上記ベッド2の左端部に上記スライドベース6を左右に移動させるZ軸送りモータ6aが配設され、また上記スライドベース6に上記タレットベース7を前後に移動させるX軸送りモータ7aが配設されている。さらにまた上記タレットベース7に上記タレット本体8を所定角度位置に割り出す割り出しモータ12が配設されている。
【0018】
上記タレット本体8は、タレット軸方向に見て多角形をなすドラム状のもので、外周面に多数形成された取り付け座8aにはタレット軸と平行の軸(Z軸)回りに回転するZ軸回転工具9aを有するツールホルダ10a、あるいは内径バイト,端面方向バイト等が着脱可能に取り付けられる。またタレット本体8の左側面の取り付け座8bにはタレット軸と直角の軸(X軸)回りに回転するX軸回転工具9bを有するツールホルダ10bあるいは固定工具11が着脱可能に取り付けられる。このタレット本体8は、上記割り出しモータ12により、所定の回転工具9a,9b又は固定工具11が加工時位置にくるように回転割り出しされる。
【0019】
上記X軸回転工具9bは、後述の第2実施形態において詳述するように、回転工具駆動モータ14の回転がX軸回転伝達機構により伝達され、タレット軸と直角のX軸回りに回転駆動される。なお、上記X軸回転伝達機構はタレット台5の内部に収容配設されている。
【0020】
上記Z軸回転工具9aは、タレット本体8の外側右方(タレット軸方向に見て後方、つまり反工具側)に配置された回転工具駆動機構13によりタレット軸と平行のZ軸回りに回転駆動される。この回転工具駆動機構13は、上記タレットベース7上にX軸方向に向けて配置された回転工具駆動モータ14と、該駆動モータ14の回転軸方向をZ軸方向に転換する傘歯車機構15と、該傘歯車機構15の回転を上記ツールホルダ10aに伝達する回転伝達機構17とを備えている
。
【0021】
上記傘歯車機構15は上記タレットベース7に対して固定配置されたギヤケース15a内に一対の傘歯車15b,15cを収容配置したものであり、該傘歯車機構15及び回転工具駆動モータ14は、上記主軸軸線Aから直角方向に遠ざかる位置(待機時位置)側寄りに配置されている。
【0022】
また上記回転伝達機構17は、上記タレットベース7上に上記主軸軸線Aと直角方向に向けて固定配置されたガイドレール16と、該ガイドレール16上にスライド可能に配置されたギヤケース18と、該ギヤケース18を進退駆動する切換シリンダ23とを備えている。上記ギヤケース18内には外周面に歯が形成された一対のプーリ19,20が内周面に歯が形成された伝達ベルト21で連結して配置されており、該両プーリ間にはベルト張力を確保するためのテンショナプーリ22がベルト面と直角方向に移動可能に配設されている。
【0023】
そして上記ギヤケース18の前端部(下端部)には上記切換シリンダ23のピストンロッド23aが連結されており、該切換シリンダ23のシリンダボディ23bの後端部(上端部)は上記ガイドレール16の上端部にブラケット16aを介して連結されている。この切換シリンダ23の伸長,収縮により上記回転伝達機構17は、上記主軸軸線Aに近接した位置でかつモータ回転力を加工時位置に割り出されたツールホルダ10aに伝達する加工時位置と、上記主軸回転軸線Aから遠ざかる位置でかつ上記モータ回転力を伝達しない待機時位置との間で進退する。なお、図1は上記ギヤケース18がカバー内に配置された状態を示している。
【0024】
上記上側のプーリ19のプーリ軸19aの右端部は上記傘歯車機構15側に、該傘歯車機構15の出力軸15dの左端部は上記ギヤケース18側にそれぞれ突出しており、それぞれの突出端部にはキー溝24aが凹設されたクラッチ部材24、キー25aが凸設されたクラッチ部材25が設けられている。回転伝達機構17が加工時位置,又は待機時位置に移動すると上記キー溝24aと上記キー25aとが嵌合し、又は分離する。また、クラッチ部材25の上方にはクラッチ部材24のキー溝24aを上記分離時の角度状態に保持しつつ上方に案内するガイドプレート24bが配置されている。
【0025】
また上記下側のプーリ20のプーリ軸20aの左端部は上記タレット本体8側に、上記ツールホルダ10aの回転軸32の右端部は上記ギヤケース18側にそれぞれ突出しており、それぞれの突出端部にはキー溝26aが凹設されたクラッチ部材26、キー27aが凸設されたクラッチ部材27が設けられている。回転力伝達機構17が加工時位置,又は待機時位置に移動すると上記キー溝26aと上記キー27aとが嵌合し、又は分離する。
【0026】
次に本実施形態における動作及び作用効果を説明する。
Z軸回転工具による加工を行う場合には、所定のZ軸回転工具9aを備えたツールホルダ10aが加工時位置にくるようにタレット本体8が所定角度位置に割り出される。そして回転工具駆動機構13において、切換シリンダ23が伸長して回転伝達機構17を加工時位置に前進させる。すると該回転伝達機構17の上側のクラッチ部材24のキー溝24aが傘歯車機構15のクラッチ部材25のキー25aに嵌合し、該回転伝達機構17の下側のクラッチ部材26のキー溝26aがツールホルダ10aのクラッチ部材27のキー27aに嵌合する。
【0027】
これにより回転工具駆動モータ14の回転が傘歯車機構15,回転伝達機構17を介してツールホルダ10aの回転軸32に伝達され、該回転軸32がZ軸回転工具9aを回転させる。この状態でタレット台5をZ軸方向,及びX軸方向に移動させることにより所望の加工が行われる。
【0028】
次に例えば固定工具11による加工を行う場合には、回転工具駆動機構13において、切換シリンダ23が収縮して回転伝達機構17を待機時位置に後退させる。この後退により回転伝達機構17の上側のクラッチ部材24のキー溝24aが傘歯車機構15のクラッチ部材25のキー25aから分離し、同時に下側のクラッチ部材26のキー溝26aがツールホルダ10aのクラッチ部材27のキー27aから分離する。また、上記キー溝24aをガイドプレート24bが案内することからクラッチ部材24及び26は上記分離時の角度状態に保持される。
【0029】
ここで、上記回転伝達機構17の加工時位置と待機位置との間で前進又は後退する場合には、傘歯車機構15,回転伝達機構17,ツールホルダ10aは、上記各クラッチ部材24〜27のそれぞれのキー溝,キーが上記進退方向と平行の状態に保持されており、その結果、回転伝達機構17を加工時位置に移動すると上記各クラッチ部材同士が嵌合でき、また待機時位置に移動すると上記クラッチ部材同士の嵌合を分離できる。
【0030】
上記回転伝達機構17が後退した後に、所定のX軸回転工具9b又は固定工具(バイト)11が加工時位置にくるようにタレット本体8が所定角度位置に割り出される。例えば固定工具11により主軸3aのチャック3bに把持されて旋回駆動されるワークWに旋削加工が施される。長尺のワークを加工する場合にはその先端部(右端部)が心押台4のセンタ4bで支持され、従って心押台4がタレット本体8の近傍に位置することとなるが、上述のように回転工具駆動機構13の回転伝達機構17は待機時位置に後退しているので、心押台4に回転伝達機構17が干渉することはない。
【0031】
このように本実施形態装置では、Z軸回転工具9aを、タレット本体8の外側後方(右方)に配置した回転工具駆動機構13により回転駆動するようにしたので、該工具9aを保持するツールホルダ10aに回転伝達方向を転換する傘歯車機構等を収容する必要がなく、該ツールホルダ10aの剛性確保上有利であり、またツールホルダ10aを小型化,軽量化でき、ツールホルダの交換等の段取り作業が容易である。
【0032】
また回転工具駆動機構13をタレット本体8の外方に配置するに当たり、駆動用モータ14,傘歯車機構15を主軸軸線Aから離れた待機時位置側寄りに配置し、該傘歯車機構15の回転を回転伝達機構17によりツールホルダ10aに伝達する構成とするとともに、該回転伝達機構17を上記待機時位置側に後退可能の構成としたので、固定工具11により加工する場合に、タレット本体8の後方に配置された回転工具駆動機構13が心押台4に干渉するのを回避でき、加工可能領域を拡大できる。
【0033】
さらにまた、回転伝達機構17を進退可能に構成するに当たり、該回転伝達機構17と傘歯車機構15,及びツールホルダ10aとの結合分離を行うクラッチ機構として、キー溝とキーとを係脱させる構造を採用したので、クラッチ機構部分の構造を簡素化できる。
【0034】
なお、上記実施形態では、回転工具駆動機構13の一部としての回転伝達機構17のみを進退可能とした場合を説明したが、回転工具駆動機構全体を進退可能に構成することも可能である。この場合には、例えば、回転伝達機構17を省略し、傘歯車機構15の出力軸15dをツールホルダ10の回転軸10cと同軸配置し、両軸15d,10cを1組のクラッチ機構を介して結合分離可能に構成するとともに、該傘歯車機構15及び駆動モータ14を進退可能とすることが考えられる。さらにまた、傘歯車機構を省略し、駆動モータ14を回転軸10cと同軸配置するとともに両者をクラッチ機構により結合分離可能とし、駆動モータを上記主軸軸線Aと直角方向に進退可能に構成することも可能である。
【0035】
また上記実施形態では、Z軸回転工具9aを回転駆動する機構を進退可能とする場合を説明したが、本発明の進退構造は、X軸回転工具9bを回転駆動する機構をタレット本体の外部に配設する場合にも採用可能である。なおこの場合回転軸方向を転換する傘歯車機構等をツールホルダ内に配設することとなる。
【0036】
次に請求項2の発明に係る第2実施形態を図1,図7,図8に基づいて説明する。図7はタレット台部分の正面図、図8は平面展開図であり、図中、図1〜図6と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0037】
本実施形態は、Z軸回転工具9a,X軸回転工具9bに1つの共通の駆動源40からの回転を別個独立のZ軸回転伝達機構17,X軸回転伝達機構42を介してそれぞれ伝達するように構成した例である。なお、図8は回転伝達系を説明するための模式図であり、Z軸回転工具9aとX軸回転工具9bとが同時に加工時位置に割り出される場合があることを示すものではない。
【0038】
上記駆動源40は、X軸方向に配置されたモータ14と、該モータ14の出力軸に固定された第1ギヤ40aに中間ギヤ40b,出力ギヤ40cを順次噛合させ、該出力ギヤ40cに接続された傘歯車15bに傘歯車15cを噛合させた構造となっている。
【0039】
上記Z軸回転伝達機構17は上記第1実施形態における回転伝達機構17と同一構成になっており、加工時位置と待機時位置との間で進退可能になっている。
【0040】
上記X軸回転伝達機構42は、上記駆動源40の中間ギヤ40bの回転軸に、外周面に歯が形成された駆動プーリ42aを固着し、上記タレット本体8の内部の加工時位置に割り出されたX軸回転工具9bの回転軸32と対向するように駆動軸42bを配置し、該駆動軸42bに外周面に歯が形成された従動プーリ42cを固着し、該従動プーリ42c,駆動プーリ42aを内周面に歯が形成された駆動ベルト42dを巻回して連結した構成のものである。なお、42eは駆動ベルト42dの張力を確保するためのテンショナプーリである。
【0041】
そして上記駆動軸42bの端部には、X軸回転工具9bののクラッチ部材27のキー27aに係合可能のキー溝26aを有するクラッチ部材26が設けられている。このクラッチ部材26は図示しない油圧シリンダ機構により進退可能になっており、これにより両クラッチ部材26,27を結合し、又は該結合を解除するようになっている。
【0042】
本実施形態におけるZ軸回転工具9aによる加工は上記第1実施形態と同じ要領で行われる。即ち、所定のZ軸回転工具9aが加工時位置に割り出されるとともに、Z軸回転伝達機構17が加工時位置に前進することにより、該回転伝達機構17が駆動源40の傘歯車15cとZ軸回転工具9aの回転軸32とを連結し、駆動源40の回転がZ軸回転工具9aに伝達される。またX軸回転工具9b又は固定工具11による加工時にはZ軸回転伝達機構17は待機時位置に後退する。
【0043】
一方、X軸回転工具9bによる加工に当たっては、所定のX軸回転工具9bが加工時位置に割り出されるとともに、駆動軸42b側のシリンダ機構によりクラッチ部材26が前進してクラッチ部材27に結合する。これにより駆動源40からの回転がX軸回転工具9bに伝達される。またZ軸回転工具9a又は固定工具11による加工時には上記シリンダ機構がクラッチ部材26を後退させる。
【0044】
このように本第2実施形態では、駆動源40の回転を別個のZ軸回転伝達機構17,X軸回転伝達機構42を介してZ軸回転工具9a,X軸回転工具9bに伝達するようにしたので、駆動源の共用化を図ることができる。
【0045】
そして上記回転の伝達に当たり、各回転工具9a,9bに結合された回転軸32,32をツールホルダ10a,10bの後方に突出させ、該回転工具9a,9bを回転駆動するようにしたので、ツールホルダ10a,10b内に回転伝達方向を変えるための傘歯車機構を不要にでき、ツールホルダの剛性確保が容易であり、またツールホルダを小型化,軽量化でき、ツールホルダを交換する等の段取り作業性を向上できる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明に係る複合加工機によれば、加工時位置に割り出された回転工具を回転駆動する回転工具駆動機構の少なくとも回転伝達機構を主軸の回転軸線に近接する加工時位置と該回転軸線から遠ざかる待機時位置との間で回転軸線と直角方向に直線移動可能に構成したので、固定工具による加工時には回転工具駆動機構の少なくとも一部を待機時位置に後退させることにより、該回転工具駆動機構がワーク,心押台等に干渉するのを回避でき、加工可能領域を拡大できる効果がある。
【0047】
また、駆動源を待機時位置側寄りに配置し、該駆動源からの回転を回転伝達機構によりツールホルダの回転軸に伝達するように構成するとともに該回転伝達機構を加工時位置と待機時位置との間で進退可能に構成したので、固定工具による加工時には回転伝達機構を待機時位置に後退させることにより心押台等との干渉を回避して加工可能領域を拡大できる効果があり、駆動源自体は固定配置できるので、駆動源をも進退させる場合に比較して構造が簡単である。
【0048】
請求項2の発明によれば、駆動源の回転を別個のZ軸回転伝達機構,X軸回転伝達機構を介してZ軸回転工具,X軸回転工具に伝達するとともに、Z軸,X軸回転工具の回転軸をツールホルダから突出させ、該回転軸を回転駆動するようにしたので、ツールホルダ内に回転伝達方向を変えるための傘歯車機構を不要にでき、ツールホルダの剛性確保が容易であり、またツールホルダを小型化,軽量化でき、ツールホルダを交換する等の段取り作業性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明に係る第1実施形態によるタレット旋盤の斜視図である。
【図2】 上記第1実施形態のタレット台の斜視図である。
【図3】 上記第1実施形態の動作を説明するための模式断面平面図である。
【図4】 上記第1実施形態の動作を説明するための模式斜視図である。
【図5】 上記第1実施形態の動作を説明するための模式断面平面図である。
【図6】 上記第1実施形態の動作を説明するための模式斜視図である。
【図7】 請求項2の発明に係る第2実施形態のタレット台の正面図である。
【図8】 上記第2実施形態の回転伝達系を説明するための平面展開図である。
【符号の説明】
1 タレット旋盤(複合加工機)
3a 主軸
5 タレット台
8 タレット本体
9a Z軸回転工具
9b X軸回転工具
10a Z軸ツールホルダ
10b X軸ツールホルダ
11 固定工具
13 回転工具駆動機構
17 Z軸回転伝達機構
32 ツールホルダの回転軸
40 駆動源
42 X軸回転伝達機構
A 主軸の回転軸線
W ワーク
Claims (2)
- 回転工具を有するツールホルダが装着されたタレット台を備え、主軸に装着されたワークを上記回転工具により又は上記タレット台に装着された固定工具により加工するようにした複合加工機において、割り出し位置に位置する上記回転工具を回転駆動する回転工具駆動機構を上記ツールホルダの後方に配置するとともに、該回転工具駆動機構を、駆動源と、該駆動源からの回転を上記ツールホルダの回転軸に伝達する回転伝達機構とを備えたものとし、上記回転工具駆動機構の少なくとも上記回転伝達機構を、上記主軸の回転軸線に近接する加工時位置と該回転軸線から遠ざかる待機時位置との間で、該回転軸線と直角方向に直線移動可能に構成し、上記回転伝達機構に、上記加工時位置に移動したときに上記駆動源と回転軸とを連結し、上記待機時位置に移動するときに上記駆動源と回転軸とを分離するクラッチ機構を設け、該クラッチ機構を、上記回転軸線と直角方向に嵌合又は分離するキー溝とキーとで構成したことを特徴とする複合加工機。
- 主軸軸線と平行のZ軸回転工具を有するZ軸ツールホルダと主軸軸線と直角のX軸回転工具を有するX軸ツールホルダとが装着されたタレット台を備え、主軸に装着されたワークを上記何れかの回転工具により加工するようにした複合加工機において、上記両回転工具を回転駆動するための1つの駆動源を設け、該駆動源の回転を割り出し位置に位置する上記Z軸回転工具のZ軸方向に突出する回転軸に伝達するZ軸回転伝達機構と、上記駆動源の回転を割り出し位置に位置する上記X軸回転工具のX軸方向に突出する回転軸に伝達するX軸回転伝達機構とを備え、上記Z軸回転伝達機構を、上記主軸の回転軸線に近接する加工時位置と該回転軸線から遠ざかる待機時位置との間で、該回転軸線と直角方向に直線移動可能に構成し、上記Z軸回転伝達機構に、上記加工時位置に移動したときに上記駆動源と回転軸とを連結し、上記待機時位置に移動するときに上記駆動源と回転軸とを分離するクラッチ機構を設け、該クラッチ機構を、上記回転軸線と直角方向に嵌合又は分離するキー溝とキーとで構成したことを特徴とする複合加工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29904496A JP3798085B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 複合加工機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29904496A JP3798085B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 複合加工機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10138014A JPH10138014A (ja) | 1998-05-26 |
JP3798085B2 true JP3798085B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=17867493
Family Applications (1)
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