JP3797727B2 - 複数エアゾール容器からの混合噴射装置及びこれを備えたエアゾール製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は複数エアゾール容器からの混合噴射装置及びこれを備えたエアゾール製品に関し、エアゾール容器のみを簡単に交換して再使用できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
予め混合することができない内容物、例えば2剤型永久染毛剤を構成する酸化剤と還元剤、2剤型フレタンフォームを構成するエポキシ系樹脂と硬化剤等を使用時に簡便に混合噴射して使用できるようにするためそれぞれの内容物をエアゾール容器に入れ、2つのエアゾール容器から同時に噴射させる装置として混合噴射装置が用いられている。
【0003】
従来から用いられている混合噴射装置には、大きく分けて2つの形式があり、2本のエアゾール容器全体をホールドするものと2本のエアゾール容器のネック部のみをホールドするものがある。
【0004】
2本のエアゾール容器全体をホールドするものでは、例えば2本のエアゾール容器を並べて収納できる収納容器を備え、この収納容器の上部に連結される容器蓋部に2つのステムに嵌合されてそれぞれの内容液を1つの噴射口に導く噴射口が形成されたアクチュエータを設け、この容器蓋部に取付けた押しボタンなどの操作によって2つのエアゾール容器から同時に噴射させて混合するように構成してある。
【0005】
また、2本のエアゾール容器のネック部のみをホールドするものでは、2本のエアゾール容器のネック部を嵌合する2つの嵌着孔が形成されたホルダを備え、このホルダ上部に2つのステムに嵌合されてそれぞれの内容液を1つの噴射口に導く噴射口が形成されたアクチュエータを設け、ホルダに取付けた押しボタンなどの操作によって2つのエアゾール容器から同時に噴射させて混合するように構成してある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような2本のエアゾール容器から同時に噴射させて混合する混合噴射装置のうち、収納容器を設けてエアゾール容器全体を収納するものでは、収納容器からエアゾール容器だけを取り出して交換することで混合噴射装置自体を再使用できるものの、収納容器を必要とするためその分だけコストが高くなってしまうという問題がある。
【0007】
一方、エアゾール容器のネック部のみを嵌合するホルダだけのものは、全体を収納するものに比べてコスト低減を図ることができるものの、エアゾール容器のネック部をきつく嵌合した状態で使用しないと、アクチュエータの操作によってステム部分から内容物が洩れ出たり2つのエアゾール容器から均等に噴射させることができなくなるなどの恐れがあり、エアゾール容器だけを交換しようとすると、大きな力が必要となったり、新たなエアゾール容器を嵌合装着する場合にその嵌合力によって内容物が噴射されてしまうなど簡単に再使用することができないという問題がある。
【0008】
この発明はかかる従来技術の有する課題を解決するためになされたもので、エアゾール容器のみを簡単に交換して再使用することができるとともに、製造コストも安い複数エアゾール容器からの混合噴射装置及びこれを備えたエアゾール製品を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明の請求項1記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置は、複数本のエアゾール容器のネック部またはマウンテンカップ部が装着される保持体をこれらエアゾール容器を両側から挾んで着脱固定する開閉可能な構造とする一方、この保持体の内部に前記複数のエアゾール容器のステムが嵌着されるとともに各ステムから中央頂部の混合噴射口に連通する通液路が形成されたステム嵌着部材を設け、このステム嵌着部を介して前記複数本のエアゾール容器の前記ステムを押すとともに、前記ステム嵌着部の前記混合噴射口に連通するバルブ押圧部を備えた噴射レバーを前記保持体に回動可能に設けてなることを特徴とするものである。
【0010】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、エアゾール容器のネック部またはマウンテンカップ部が装着される保持体をエアゾール容器を両側から挾むように開閉できる構造としてあり、これにより簡単にエアゾール容器の交換ができ、しかも強固にエアゾール容器を取付けることができるようになる。さらに、回動可能な噴射レバーに一体にバルブ押圧部を形成するようにしており、小さな操作力で噴射レバーの操作ができ、各エアゾール容器から同時かつ均一に噴射して混合することができるようにしている。
【0011】
また、この発明の請求項2記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置は、請求項1記載の構成に替え、前記保持体の前記複数本のエアゾール容器が装着される部分のみを開閉可能な構造としたことを特徴とするものである。
【0012】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、保持体のエアゾール容器が装着される部分のみを開閉できる構造とし、他の部分を一体構造とするようにしており、このような保持体によっても簡単にエアゾール容器の交換ができ、しかも強固にエアゾール容器を取付けることができるようになる。
【0013】
さらに、この発明の請求項3記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置は、請求項1または2記載の構成に加え、前記噴射レバーを使用噴射位置と収納位置との間で回動可能に設けたことを特徴とするものである。
【0014】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、噴射レバーを収納位置に回動することで収納スペースを小さくすることができるようになる。
【0015】
また、この発明の請求項4記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置は、請求項3記載の構成に加え、前記使用噴射位置に回動された前記噴射レバーを噴射させない状態に固定する固定機構を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、固定機構を設けて使用噴射位置で、噴射できる状態と固定した状態に変えることができるようにしており、これにより混合噴射された内容物を使用する場合にさらに噴射が起こることなどを防止できるようにしている。
【0017】
さらに、この発明の請求項5記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記ステム嵌着部材に各ステムからの内容物を混合する混合部材を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、ステム嵌着部材に混合部材を設けるようにしており、各エアゾール容器から噴射される内容物の混合が促進され、一層均一に混合した状態で噴射することができるようになる。
【0019】
また、この発明の請求項6記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記噴射レバーに混合噴射されるエアゾール製品を使用する使用治具を装着してなることとを特徴とするものである。
【0020】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、噴射レバーに使用治具を装着するようにしており、染毛剤用のブラシやウレタンフォーム用のノズル等を使用治具として装着することで噴射させたエアゾール製品をそのまま使用することができるようになる。
【0021】
さらに、この発明の請求項7記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の構成に加え、前記エアゾール容器を内容物で腐蝕しない2重構造容器としたことを特徴とするものである。
【0022】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、エアゾール容器の内容物で腐蝕しない2重構造容器としており、内容物の性状によらず広く使用できるようにしている。
【0023】
また、この発明の請求項8記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を備えたエアゾール製品は、請求項1〜7のいずれかに記載の構成に加え、前記エアゾール容器の内容物を2剤型永久染毛剤、2剤型塗料、2剤型接着剤、2剤型ウレタンフォーム剤のいずれかとしたことを特徴とするものである。
【0024】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置を備えたエアゾール製品によれば、エアゾール容器の内容物を2剤型永久染毛剤、2剤型塗料、2剤型接着剤、2剤型ウレタンフォーム剤のいずれかとしても均一に混合噴射することができるとともに、エアゾール容器だけを簡単に交換して混合噴射装置を再使用することができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置の一実施の形態について、図面に基づき具体的に説明する。
【0026】
図1〜図3は複数エアゾール容器からの混合噴射装置を2本のエアゾール容器から2剤の永久染毛剤を混合噴射する装置として構成した場合の一実施の形態にかかり、図1は櫛と一体にした使用噴射状態の中央断面図、側面図、C−C断面図、図2は固定機構の分解斜視図、図3は櫛と一体にした収納状態の正面図、側面図である。
【0027】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置10では、平面外形が略楕円形状で筒状に形成した合成樹脂製の保持体11を備えており、この保持体11に2本のエアゾール容器12,13のネック部14あるいはマウンテンカップ部を両側から挾むように装着し、エアゾール容器12,13の装着と交換が容易にできるようにする。
【0028】
このため保持体11は、図4に抽出して示すように、中央で半割り状態とされ、一側部に合成樹脂で一体に成形されたヒンジ部15が形成されて開閉可能に連結され、他側部には係止用突起16と係止用レバー17とが一体に形成してあり、係止用突起16に係止用レバー17を係止することで保持体11を閉じて楕円筒状を保持できるようにしてある。
【0029】
この保持体11には、エアゾール容器12,13のネック部14の外形に対応してこれらネック部14を2つ並列に嵌合できるネック嵌合部18が形成され、このネック嵌合部18の下端縁にネック部14の下端凹部に嵌まる突条19が形成してある。
【0030】
なお、マウンテンカップ部を備えたエアゾール容器の場合には、ネック部に替えマウンテンカップ部で固定するようにしても良く、この場合には、保持体11にネック嵌合部18に変えマウンテンカップ部の外形に対応したマウンテンカップ嵌合部を形成するようにすれば良い。
【0031】
したがって、開いた状態の保持体11の片方のネック嵌合部18にエアゾール容器12,13のネック部14を嵌合すると、ネック部14の上面および側面がネック嵌合部18の内面に当接するとともに、ネック部14の下端凹部が突条19に当接してエアゾール容器12,13の動きが規制され、保持体11を閉じることで2本のエアゾール容器12,13を強固に並べて装着した状態にすることができる。
【0032】
一方、保持体11の係止用レバー17を係止用突起16から外して保持体11の片方をヒンジ部15から開いた状態にすると、それぞれのエアゾール容器12,13を簡単に取り外すことができる。
【0033】
このような保持体11に装着した2本のエアゾール容器12,13から2剤を混合噴射するため、合成樹脂で成形されたステム嵌着部材20を予め2本のエアゾール容器12,13のステム21に装着するようになっている。
【0034】
このステム嵌着部材20は保持体11に装着された2本のエアゾール容器12,13のステム21の間隔に対応して下部に突き出した2つの筒部にステム装着孔22が形成されるとともに、上部中央に突き出した噴射部に混合噴射口23が形成され、2つのステム装着孔22と中央の混合噴射口23とが通液路24を介して連通するようになっている。
【0035】
このステム嵌着部材20では、中央の混合噴射口23の下端に混合部材25として突起軸26が設けられるとともに、ステム装着孔22から突起軸26の周囲に連通する通液路24が、図1(c)に示すように、偏芯させて配置され、内容物に旋回力が作用して上昇するようにしてあり、2つの内容物の均一な混合が促進されるようにしてある。
【0036】
なお、混合部材としては、突起軸と偏芯させた通液路とを組み合わせたものに限らず、軸の螺旋状の板を取付けて構成したり、軸の両側にそれぞれ逆向きの螺旋状の板を取付けて構成するなど混合を促進できるものであれば良い。
【0037】
このようなステム嵌着部材20の中央の混合噴射口23が形成された噴射部を押すことにより2つのエアゾール容器12,13のステム21を押して同時かつ均一に2つの内容物を混合噴射することが可能となる。
【0038】
そこで、保持体11の係止用突起および係止用レバーの上方に噴射レバー27取付用の支持孔28が形成され、噴射レバー27の一端部両側の突出軸部29が装着されて回動可能となっており、噴射レバー27をステム嵌着部材20側に位置させる使用噴射位置30と保持体11の外側に位置させる収納位置31に回動させることができるようにしてある。
【0039】
そして、この噴射レバー27の使用噴射位置30でのステム嵌着部材20の中央の混合噴射口23に対応する下部にバルブ押圧部32が形成され、このバルブ押圧部32を貫通して噴射液路33が形成してあり、噴射液路33の下端が円すい面に形成されて混合噴射口23と密着させて連通させることができるようになっている。さらに、噴射レバー27の上部には、バルブ押圧部32と対称に使用治具装着部34が形成され、ここでは、使用治具として永久染毛剤をぬるための櫛35が装着され、使用治具装着部34に連通する液通路を介して櫛歯部分に噴射されるようにしてある。
【0040】
このような噴射レバー27によれば、一端部を突出軸部29で回動可能とし、中央部にバルブ押圧部32を形成し、他端部で操作するようにしてあるので、小さな操作力でステム嵌着部材20を押し下げることができ、2つのエアゾール容器12,13のステム21を同時に操作する場合でも簡単に操作することができる。
【0041】
このような噴射レバー27に櫛35を装着した状態で使用噴射位置30に回動して噴射レバー27を押しさげると、下部のバルブ押圧部32がステム嵌着部材20の混合噴射口23に密着したのち、ステム嵌着部材20を押し下げることになり、ステム嵌着部材20に装着されている2本のエアゾール容器12,13のステム21を押し下げ、内容物を噴射する。
【0042】
噴射された内容物はそれぞれのステム21から通液路24を介して混合噴射口23の下端の突起軸26に衝突しながら旋回されて混合された状態で上昇し、混合噴射口23、バルブ押圧部32および使用治具装着部34の噴射液路33を介して櫛35内に噴射される。
【0043】
この後、エアゾール容器ごと櫛35を用いて頭髪にぬることで手を汚さずに染毛することができる。
【0044】
この櫛35による染毛の際、噴射レバー27を押すようなことがあると、さらにエアゾール容器12,13から内容物が噴射されるため、保持体11に噴射レバー27を使用噴射位置30に位置させた状態で内容物を噴射させないように固定する固定機構40が設けてある。
【0045】
この固定機構40は、図2に他の図面とは左右を反転して示すように、噴射レバー27と一体のバルブ押圧部32に固定用突起41が形成されて使用噴射位置30での操作側に突き出すようになっており、この固定用突起41を上下に挾むコ字状部42と上下方向の移動を拘束しない平坦部とを備えた固定片43で挾むようにしたり、拘束しないようにでき、これにより、噴射レバー27を固定状態にしたり、噴射状態にする。このため保持体11の上部側面に噴射レバー27と交差する両側から操作ロッド44が往復移動可能に装着され、これら操作ロッド44の間に固定片43が支持されて固定機構40が構成されており、いずれか一方側から操作ロッド44を押し込むことで固定用突起41を固定片43のコ字状部42で上下に挾むようにしたり、逆に他方側から操作ロッド44を押し込むことで平坦部で拘束せずに噴射レバー27を押し下げることができる状態にする。
【0046】
したがって、この固定機構40で噴射レバー27を固定状態にすれば、使用噴射位置30であっても噴射レバー27を押し込んで噴射させる操作ができなくなり、既に噴射させた染毛剤だけを使用して櫛35による染毛だけを行うことができ、誤って内容物を噴射させることを防止することができる。
【0047】
このように構成した複数エアゾール容器からの混合噴射装置10では、次のようにしてエアゾール容器12,13のセットと交換が行われる。
【0048】
まず、エアゾール容器12,13をセットする場合には、図5に示すように、例えば2本のエアゾール容器12,13を並べた状態にし、ステム嵌着部材20のステム装着孔22にそれぞれのエアゾール容器12,13のステム21を差し込んで内容物が洩れでないようにしておく。
【0049】
次に、保持体11を開いた状態にしてステム嵌着部材20で連結された状態の2本のエアゾール容器12,13のネック部14をネック嵌合部18に嵌合するように装着する。
【0050】
この後、保持体11を閉じるようにしてエアゾール容器12,13のネック部14を両側から挾むようにして押え、係止用突起16に係止用レバー17を係止して保持体11を閉じた状態にする。
【0051】
こうしてエアゾール容器12,13の装着が完了した後、内容物を噴射させて使用する場合には、噴射レバー27を収納位置31から使用噴射位置30に回動し、バルブ押圧部32をステム嵌着部材20の混合噴射口23に密着できる位置にする。
【0052】
そして、噴射レバー27を下に押し付けるようにすれば、ステム嵌着部材20を介して2本のエアゾール容器12,13のステム21が同時に押され、内容物が噴射されて混合した状態で混合噴射口23を経て櫛35内に噴射される。
【0053】
この混合噴射された内容物を使用する場合に、さらなる噴射を必要としない場合には、保持体11の突き出ている方の操作ロッド44を押し込んで固定機構40で噴射レバー27を固定状態にして使用する。
【0054】
なお、ウレタンフォームを発泡充填する場合などで連続して噴射させる必要がある場合には、固定機構40による固定を行わずに使用すれば良い。
【0055】
一方、エアゾール容器12,13の内容物がなくなった場合には、エアゾール容器12,13の装着とは逆に、保持体11の係止用レバー17で係止状態を解き、保持体11を開いた状態にしてネック嵌合部18からそれぞれのエアゾール容器12,13をステム嵌着部材20ごと取り外し、新たなエアゾール容器に取り外したもの、あるいは新たなステム嵌着部材20を取付けたのち2本のエアゾール容器12,13ごと装着し、ふたたび保持体11を閉じるようにすれば、簡単にエアゾール容器12,13を交換することができる。
【0056】
したがって、一体式の保持体に比べ、簡単にエアゾール容器の交換ができ、再使用することが容易となる。
【0057】
また、エアゾール容器全体を収納する保持体を用いる場合に比べ、構造も簡単であり製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
次に、この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置の他の一実施の形態について図6により説明する。
【0059】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置50は、例えば2剤型ウレタンフォームを発泡させて使用する場合に用いるものであり、使用治具としてL字状ノズル51が使用治具装着部34に装着されるようになっている。
【0060】
なお、他の構成は、既に説明した混合噴射装置10と同一であるので、同一部分に同一番号を記し説明を省略する。
【0061】
このようなL字状ノズル51を使用治具として装着しておくことで、ウレタンフォームなどの発泡充填を簡単に行うことができるとともに、エアゾール容器12,13の交換を簡単に行うことができることなどは既に説明した混合噴射装置10と同様である。
【0062】
さらに、この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置のさらに他の一実施の形態について図7により説明する。
【0063】
この複数エアゾール容器からの混合噴射装置60は、保持体61の全体を開閉可能な構造とせずに、上部を一体構造にする一方、エアゾール容器を装着する部分のみを開閉可能な構造としてあり、他の構成は、既に説明した混合噴射装置10と同一であるので、同一部分に同一番号を記し説明を省略する。
【0064】
この保持体61の上下の一体部分と開閉部分の分割位置は2本のエアゾール容器をネック嵌合部18に装着したり、取り外すことができる位置であれば良く、一体部分を設けることで、保持体61の剛性を上げることができる。
【0065】
また、保持体61の一体部分に噴射レバー27を取付けるが、例えば合成樹脂製の噴射レバー27の弾性を利用して取付けるようにすれば良い。
【0066】
このような一体部分と開閉部分で構成した保持体61を備えた混合噴射装置60でも、エアゾール容器12,13の交換を簡単に行うことができることなどは既に説明した混合噴射装置10と同様である。
【0067】
次に、これまでに説明した複数エアゾール容器からの混合噴射装置10,50,60を用いたエアゾール製品について説明する。
【0068】
既に説明した混合噴射装置10,50,60のエアゾール容器に充填される内容物としては、予め混合して置くことができない2剤型の内容物であり、2剤型永久染毛剤、2剤型塗料、2剤型接着剤、2剤型ウレタンフォーム剤などをそれぞれのエアゾール容器に充填してエアゾール製品とする。
【0069】
そして、内容物によっては金属製のエアゾール容器に直接充填すると、エアゾール容器自体を腐蝕するなどの恐れがある場合があり、かかる場合には、樹脂バックなどで二重構造とされたエアゾール容器が用いられる。特に腐蝕性の強い内容物の場合には、エアゾール容器のバルブが取付けられるマウンテンカップ部分にも合成樹脂カバーを取付けて直接内容物が金属と接触しないようにしたエアゾール容器を使用するようにする。
【0070】
このような2剤型の内容物を充填したエアゾール製品では、混合噴射装置の操作レバーを操作することで簡単に混合噴射することができるとともに、エアゾール容器の交換も簡単に行うことができる。
【0071】
【実施例】
次にこの発明のエアゾール製品の一例として2剤型永久染毛剤の場合について各内容物の成分を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明したように、この発明の請求項1記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、エアゾール容器のネック部またはマウンテンカップ部が装着される保持体をエアゾール容器を両側から挾むよう開閉できる構造としたので、簡単にエアゾール容器の交換ができ、しかも強固にエアゾール容器を取付けることができる。
【0074】
さらに、回動可能な噴射レバーに一体にバルブ押圧部を形成するようにしたので、小さな操作力で噴射レバーの操作ができ、各エアゾール容器から同時かつ均一に噴射して混合することができる。
【0075】
また、この発明の請求項2記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、保持体のエアゾール容器が装着される部分のみを開閉できる構造とし、他の部分を一体構造とするようにしたので、このような保持体によっても簡単にエアゾール容器の交換ができ、しかも強固にエアゾール容器を取付けることができるとともに、一体部分によって剛性向上を図ることができる。
【0076】
さらに、この発明の請求項3記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、噴射レバーを収納位置に回動することができ、特に噴射レバーに櫛などの使用治具を取付ける場合には、収納高さなどを低くすることができる。
【0077】
また、この発明の請求項4記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、固定機構を設けて使用噴射位置で、噴射できる状態と固定した状態に変えることができるようにしたので、これにより混合噴射された内容物を使用する場合にさらに噴射が起こることなどを防止できる。
【0078】
さらに、この発明の請求項5記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、ステム嵌着部材に混合部材を設けるようにしたので、各エアゾール容器から噴射される内容物の混合が促進され、一層均一に混合した状態で噴射することができる。
【0079】
また、この発明の請求項6記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、噴射レバーに使用治具を装着するようにしたので、染毛剤用のブラシやウレタンフォーム用のノズル等を使用治具として装着することで噴射させたエアゾール製品をそのまま使用することができる。
【0080】
さらに、この発明の請求項7記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置によれば、エアゾール容器の内容物で腐蝕しない2重構造容器としたので、内容物の性状によらず広く使用することができる。
【0081】
また、この発明の請求項8記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を備えたエアゾール製品によれば、エアゾール容器の内容物を2剤型永久染毛剤、2剤型塗料、2剤型接着剤、2剤型ウレタンフォーム剤のいずれかとしても均一に混合噴射することができるとともに、エアゾール容器だけを簡単に交換して混合噴射装置を再使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を2本のエアゾール容器から2剤の永久染毛剤を混合噴射する装置として構成した場合の一実施の形態にかかる櫛と一体にした使用噴射状態の中央断面図、側面図、C−C断面図である。
【図2】この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を2本のエアゾール容器から2剤の永久染毛剤を混合噴射する装置として構成した場合の一実施の形態にかかる固定機構の分解斜視図、である。
【図3】この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を2本のエアゾール容器から2剤の永久染毛剤を混合噴射する装置として構成した場合の一実施の形態にかかる櫛と一体にした収納状態の正面図、側面図である。
【図4】この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を2本のエアゾール容器から混合噴射装置として構成した場合の一実施の形態にかかる保持体の正面図、平面図、底面図である。
【図5】この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を2本のエアゾール容器から2剤の永久染毛剤を混合噴射する装置として構成した場合の一実施の形態にかかるエアゾール容器の着脱工程の説明図である。
【図6】この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を2本のエアゾール容器から2剤のウレタンフォーム薬剤を混合噴射する装置として構成した場合の一実施の形態にかかるノズルと一体にした使用噴射状態の正面図および側面図である。
【図7】この発明の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を2本のエアゾール容器から混合噴射装置として構成した場合の他の一実施の形態にかかる保持体の正面図、平面図、底面図である。
【符号の説明】
10,50,60 複数エアゾール容器からの混合噴射装置
11,61 保持体
12,13 エアゾール容器
14 ネック部
15 ヒンジ部
16 係止用突起
17 係止用レバー
18 ネック嵌合部
20 ステム嵌着部
21 ステム
23 混合噴射口
24 通液路
27 噴射レバー
32 バルブ押圧部
34 使用治具装着部
35 櫛
40 固定機構
41 固定用突起
43 固定片
44 操作ロッド
51 L字状ノズル
Claims (8)
- 複数本のエアゾール容器のネック部またはマウンテンカップ部が装着される保持体をこれらエアゾール容器を両側から挾んで着脱固定する開閉可能な構造とする一方、この保持体の内部に前記複数のエアゾール容器のステムが嵌着されるとともに各ステムから中央頂部の混合噴射口に連通する通液路が形成されたステム嵌着部材を設け、このステム嵌着部を介して前記複数本のエアゾール容器の前記ステムを押すとともに、前記ステム嵌着部の前記混合噴射口に連通するバルブ押圧部を備えた噴射レバーを前記保持体に回動可能に設けてなることを特徴とする複数エアゾール容器からの混合噴射装置。
- 前記保持体の前記複数本のエアゾール容器が装着される部分のみを開閉可能な構造としたことを特徴とする請求項1記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置。
- 前記噴射レバーを使用噴射位置と収納位置との間で回動可能に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置。
- 前記使用噴射位置に回動された前記噴射レバーを噴射させない状態に固定する固定機構を設けたことを特徴とする請求項3記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置。
- 前記ステム嵌着部材に各ステムからの内容物を混合する混合部材を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置。
- 前記噴射レバーに混合噴射されるエアゾール製品を使用する使用治具を装着してなることとを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置。
- 前記エアゾール容器を内容物で腐蝕しない2重構造容器としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置。
- 前記エアゾール容器の内容物を2剤型永久染毛剤、2剤型塗料、2剤型接着剤、2剤型ウレタンフォーム剤のいずれかとしたことを特徴とする請求項1〜7のずれかに記載の複数エアゾール容器からの混合噴射装置を備えたエアゾール製品。
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