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JP3792579B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP3792579B2
JP3792579B2 JP2002020566A JP2002020566A JP3792579B2 JP 3792579 B2 JP3792579 B2 JP 3792579B2 JP 2002020566 A JP2002020566 A JP 2002020566A JP 2002020566 A JP2002020566 A JP 2002020566A JP 3792579 B2 JP3792579 B2 JP 3792579B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射用画素電極と透過用画素電極とを備えるアクティブマトリックス型の液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、薄型で低消費電力であるという特徴を生かして、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータなどのOA機器や、電子手帳等の携帯情報機器、あるいは、液晶モニターを備えたカメラ一体型VTR等に広く用いられている。また、直視型の液晶表示装置には、画素電極にITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電性薄膜を用いた透過型液晶表示装置と、画素電極に金属などの反射電極を用いた反射型液晶表示装置とがある。
【0003】
上記反射型表示装置に用いられる表示モードには、現在透過型で広く用いられているTN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーツイステッドネマティック)モードといった偏光板を利用するモードや、偏光板を用いないため明るい表示が実現できる相転移ゲストホストモードも近年盛んに開発が行われている。
【0004】
また、上記液晶表示装置の液晶パネルは、CRT(ブラウン管)やEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置とは異なり、自らは発光しない。そこで、透過型液晶表示装置の場合には、バックライトと呼ばれる蛍光管を備えた装置を背後に設置して、バックライトからの光の透過により表示を行っている。また、反射型液晶表示装置の場合には、周囲からの入射光を上記反射電極により反射させることで表示を行っている。
【0005】
なお、上記透過型液晶表示装置は、上述したとおり、バックライトを用いて表示を行うために、周囲の明るさにさほど影響されることなく、明るくてコントラストの高い表示を行うことができる。しかし、通常、バックライトは透過型液晶表示装置の全消費電力のうち50%以上を占めるため、バックライトを設けることにより消費電力が多くなってしまう。さらに、周囲光が非常に明るい場合、例えば晴天下においては、周囲光に比べて表示光が暗く見え、視認性が低下してしまうという問題を有している。
【0006】
一方、上記反射型液晶表示装置は、バックライトを必要としないため消費電力を少なくすることができるが、周囲の明るさなどの使用環境等により表示の明るさやコントラストが左右され、特に周囲光が暗い場合には視認性が極端に低下するという問題点を有している。
【0007】
そこで、上記の問題点を解消するために、特開平7−333598号公報には、入射光をある反射率と透過率とで反射および透過させる半透過反射膜を用いることにより、透過型表示と反射型表示との両方の表示を1つの液晶パネルで実現する構成が開示されている。
【0008】
しかしながら、上記半透過反射膜を金属薄膜により形成する場合には、吸収係数の大きな材料を用いる必要があり、そのため入射光の内部吸収が大きくなり、表示に利用されない散乱光が生じてしまうため、光の利用効率が悪くなる。また、1画素の反射率と透過率とを制御して半透明膜と同じ効果を得るために、上記金属薄膜に微細な穴を形成する場合には、該金属薄膜の構造があまりにも微細なために制御が難しく、均一な特性を有する膜の生産が困難であるという問題点を有する。
【0009】
そこで、上記の問題点を解消するために、特開平11−101992号公報には、図13に示すように、同一画素内に金属膜からなる反射領域26と透明導電膜からなる透過領域28とを形成することにより光を効率的に利用し、かつ生産性に優れた液晶表示装置が開示されている。また、この液晶表示装置では、反射領域と透過領域との液晶の厚みを変えることにより、反射領域と透過領域との光路長を揃え、光の利用効率を高めている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の同一画素内に金属膜からなる反射領域 (反射用画素電極)26と透明導電膜からなる透過領域 (透過用画素電極)28とを形成した液晶表示装置では、後述するように、反射領域26の最適対向電圧と透過領域28の最適対向電圧とが互いに異なるために、各々の最適対向電圧からのずれ分だけ常に液晶層にDCバイアス電圧が印加されることになる。なお、上記最適対向電圧とは、DC電圧の印加による液晶の劣化を防止するために、液晶層に印加されるプラス電位とマイナス電位との絶対値が等しくなるように、対向電極の電圧を補正したときの対向電極電圧をいう。ここで、上記最適対向電圧が互いに異なる理由について説明する。
【0011】
上記各領域26・28の画素電極に印加されるドレイン電圧は、ソース電圧とは一致せず、ゲートを閉じた瞬間にソース電圧から、例えば、以下の式(1)により求められるΔVdだけシフトする。
【0012】
ΔVd=(ΔVg×Cgd/(Cgd+Clc+Ccs)) … (1)
なお、ゲート電極−ドレイン電極間の寄生容量をCgd、液晶層の容量をClc、補助容量素子の容量 (補助容量)をCcs、および、ゲート電位差をΔVgとする。
【0013】
また、上記従来の液晶表示装置では、反射領域と透過領域との液晶の厚みを異なるように変えているため、液晶層の容量Clcは互いに異なる値となる。また、上記液晶表示装置では、該液晶装置の構成上、ゲート電極−ドレイン電極間の寄生容量Cgd、補助容量Ccs、および、ゲート電位差ΔVgは、各領域26・28とも同一である。したがって、反射領域26と透過領域28とにおける各電圧のシフト値は相違する。それゆえ、反射領域26の最適対向電圧と透過領域28の最適対向電圧とは異なることになる。
【0014】
つまり、図14(a)〜(e)に示すように、反射用画素電極26のゲート電位差ΔVg(r)と透過用画素電極28のゲート電位差ΔVg(t)とが同一となるゲート信号を入力しても、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量(反射用画素電極26のシフト量)ΔVd(r)と透過用画素電極電位の該ソース信号電圧からの電圧シフト量 (透過用画素電極28のシフト量)ΔVd(t)とが異なるために、反射用画素電極26の最適対向電圧Vo(r)と透過用画素電極28の最適対向電圧Vo(t)とが相違することとなる。なお、各ゲート電位差ΔVg(r)・ΔVg(t)は、それぞれ、各ゲート信号の高レベル電圧Vgh(r)・Vgh(t)と各ゲート信号の低レベル電圧Vgl(r)・Vgl(t)との差とする。
【0015】
一方、対向電極(図示せず)の電圧は部分的に電位を変えることはできないため、対向電極の電圧と、反射領域26の最適対向電圧と、透過領域28の最適対向電圧との各電圧を同時に一致させることはできない。したがって、対向電極の電圧と反射領域26の最適対向電圧とのずれ、および/または、対向電極の電圧と透過領域28の最適対向電圧とのずれが、常に液晶層にDCバイアス電圧として印加されることになる。
【0016】
このため、長期間使用した場合には、ムラやかすみといった表示不良の原因となる。また、特にモバイル表示用デバイスとして用いられる液晶表示装置では、消費電力を抑えるために低周波駆動する方法が提案されているが、上記反射領域と透過領域との各最適対向電圧からのずれがフリッカー(ちらつき)としてより認知されやすくなり、表示品位を低下させる原因ともなっている。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、周囲光の状態によらず、光の利用効率が高く、かつ高品位な表示を可能とし得るアクティブマトリックス基板を備える液晶表示装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、反射表示を行うための反射用画素電極と透過表示を行うための透過用画素電極とを有するマトリックス状に配された複数の画素電極と、上記画素電極の電位を保持する補助容量素子と、ソース信号を供給するソース配線と、ゲート信号を供給するゲート配線と、ソース電極とゲート電極とドレイン電極とを備える、上記ゲート信号によって選択されてソース信号を上記画素電極に与えるスイッチング素子とを有するアクティブマトリックス基板と、上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とに対向する対向電極を有する対向基板と、上記アクティブマトリックス基板と上記対向基板との間に形成される液晶層とを備える液晶表示装置において、上記スイッチング素子は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とからなり、上記反射用画素電極は、第1のスイッチング素子を介して第1のゲート配線に接続され、上記透過用画素電極は、第2のスイッチング素子を介して第2のゲート配線に接続され、上記補助容量素子は、上記反射用画素電極に接続される反射用補助容量素子と、上記透過用画素電極に接続される透過用補助容量素子とを有し、第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅と、第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅と、上記第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、上記第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、上記反射用画素電極と上記対向電極との間の上記液晶層の容量と、上記透過用画素電極と上記対向電極との間の上記液晶層の容量と、上記反射用補助容量素子の容量と、上記透過用補助容量素子の容量とが、上記スイッチング素子のスイッチング時に生じる、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量と、透過用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量とが同じになるように設定されていることを特徴としている。
【0019】
上記の発明によれば、上記反射用画素電極は、第1のスイッチング素子を介して第1のゲート配線に接続されている。また、上記反射用画素電極には、反射用補助容量素子が接続されている。一方、上記透過用画素電極は、第2のスイッチング素子を介して第2のゲート配線に接続されている。また、上記透過用画素電極には、透過用補助容量素子が接続されている。
【0020】
したがって、上記第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅と、上記第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅と、上記第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、上記第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、上記反射用画素電極と上記対向電極との間の上記液晶層の容量と、上記透過用画素電極と上記対向電極との間の上記液晶層の容量と、上記反射用補助容量素子の容量と、上記透過用補助容量素子の容量とを、それぞれ個別に設定することが可能となる。
【0021】
ここで、上記スイッチング素子のスイッチング時、より詳しくはスイッチング素子がオフした瞬間に、上記スイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、画素電極と対向電極との間の液晶層の容量と、上記補助容量素子の容量と、上記スイッチング素子のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅との関係で決まる電圧分だけ、上記画素電極に印加される電圧は、上記ソース信号電圧からシフトする。つまり、上記ソース配線に交流の矩形波を入力した際に、該矩形波の振幅と位相とは同一のまま、該矩形波が電圧軸方向にシフトする。
【0022】
また、上記反射用画素電極と透過用画素電極とでも、電圧のシフト量はそれぞれ異なる。上記電圧のシフト量が異なる理由として以下の4つのが挙げられる。
【0023】
第1の理由は、上記反射用画素電極と透過用画素電極とでは、異なるゲート配線、つまり第1のゲート配線と第2のゲート配線とを用いているために、必ずしも各スイッチング素子のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅を一致させる必要がなく、この場合には、上記ゲート信号の振幅が異なるためである。
【0024】
第2の理由は、上記反射用画素電極と透過用画素電極とでは、異なるスイッチング素子、つまり第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とを用いているために、必ずしも各スイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量が一致しないためである。
【0025】
第3の理由は、上記反射用画素電極と上記対向電極との間の液晶層と、上記透過用画素電極と上記対向電極との間の液晶層とでは、各液晶層の厚さおよび面積が相違し、各液晶層の容量が一致しないためである。
【0026】
第4の理由は、上記反射用補助容量素子の容量と、上記透過用補助容量素子の容量とは、アクティブマトリックスの構造上、必ずしも一致しないからである。
【0027】
それゆえ、本発明では、上記電圧のシフト量を決定する上記スイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、画素電極と対向電極との間の液晶層の容量と、上記補助容量素子の容量と、上記スイッチング素子のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅とを、上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とで、それぞれ別々に設定し、上記電圧のシフト量が該反射用画素電極と該透過用画素電極とで同じとなるようにする。
【0028】
これにより、上記反射用画素電極と透過用画素電極との電圧のシフト量が同じになり、上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とにおいて同一のシフト量を有する波形の信号が得られる。
【0029】
それゆえ、上記シフト後の上記反射用画素電極と透過用画素電極とにおける、電圧波形についての時間軸に沿った中心軸の電圧を、上記対向電極の電圧とすることができる。これにより、上記反射用画素電極の電圧波形の中心軸の電圧と、上記透過用画素電極の電圧波形の中心軸の電圧と、上記対向電極の電圧とを一致させることが可能となる。
【0030】
例えば、上記ソース配線に交流矩形波を入力した場合には、上記対向電極に対する上記反射用画素電極のプラス電位とマイナス電位との絶対値が等しくなり、同時に、上記対向電極に対する上記透過用画素電極のプラス電位とマイナス電位との絶対値も等しくなる。なお、以下では、上記反射用画素電極と透過用画素電極とに対するそれぞれの最適な対向電極の電圧、つまり、上記の各電圧波形についての時間軸に沿った中心軸の電圧を、それぞれ反射用最適対向電圧と透過用最適対向電圧とする。よって、上記液晶表示装置では、電圧のシフト量が同じであるため、上記反射用最適対向電圧と透過用最適対向電圧とが一致している。
【0031】
以上により、本発明の液晶表示装置では、上記対向電極の電圧が、上記反射用最適対向電圧および透過用最適対向電圧となる。それゆえ、上記反射用最適対向電圧と透過用最適対向電圧とが異なる場合には、必ず対向電極との電圧のずれが生じるが、本発明の液晶表示装置では、ずれが生じることがない。よって、上記反射用および/または透過用最適対向電圧と上記対向電極の電圧とのずれがDCバイアス電圧として、常に液晶層に印加される現象が発生しない。
【0032】
したがって、本発明の液晶表示装置では、液晶表示装置を長期間使用した場合に生じる、ムラやかすみといった表示不良の発生を抑えることができる。さらに、フリッカーの発生も抑制することができる。一方、上記反射用画素電極と透過用画素電極とを用いているため、光の利用効率は上がっている。それゆえ、周囲光の状態によらず、光の利用効率が高く、かつ高品位な表示を可能とし得る液晶表示装置を提供することができる。
【0033】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(r)、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(r)、および、上記反射用補助容量素子の容量をCcs(r)とし、第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(t)、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(t)、および、上記透過用補助容量素子の容量をCcs(t)とし、上記第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(r)、および、上記第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(t)とした場合に、ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))=ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t))なる関係を満たすことを特徴としている。
【0034】
発明によれば、一般的な電圧のシフト量ΔVdをあらわす以下の関係式、ΔVd=ΔVg×Cgd/(Cgd+Clc+Ccs)において、上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とにおける、それぞれの電圧のシフト量ΔVdの値が等しくなる。
【0035】
したがって、上記液晶表示装置では、上記反射用最適対向電圧と透過用最適対向電圧とを一致させることが可能となる。
【0036】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、第1のゲート配線と、第2のゲート配線とに同一のゲート信号を入力することを特徴としている。
【0037】
上記の発明によれば、上記第1のゲート配線と上記第2のゲート配線とに、同一ゲート信号を入力している。
【0038】
したがって、第1のゲート配線からのゲート信号の位相と、第2のゲート配線からのゲート信号との位相とをずらす必要がなくなるため、位相をずらして順次ゲート信号を入力する場合と比較して、ゲート信号の周波数を半分にすることが可能となる。それゆえ、消費電力を低減しつつ、高品位な表示を可能とし得る液晶表示装置を提供することができる。
【0039】
本発明の液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、反射表示を行うための反射用画素電極と透過表示を行うための透過用画素電極とを有するマトリックス状に配された複数の画素電極と、上記画素電極の電位を保持する補助容量素子と、ソース信号を供給するソース配線と、ゲート信号を供給するゲート配線と、ソース電極とゲート電極とドレイン電極とを備える、上記ゲート信号によって選択されてソース信号を上記画素電極に与えるスイッチング素子とを有するアクティブマトリックス基板と、上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とに対向する対向電極を有する対向基板と、上記アクティブマトリックス基板と上記対向基板との間に形成される液晶層とを備える液晶表示装置において、上記スイッチング素子は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とからなり、上記反射用画素電極は、第1のスイッチング素子を介して第1のゲート配線に接続され、上記透過用画素電極は、第2のスイッチング素子を介して第2のゲート配線に接続され、上記補助容量素子は、上記反射用画素電極に接続される反射用補助容量素子と、上記透過用画素電極に接続される透過用補助容量素子とを有し、上記第1のスイッチング素子および上記第2のスイッチング素子のスイッチング時に生じる、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフトおよび透過用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフトの後の、反射用画素電極と透過用画素電極とにおける、電圧波形についての時間軸に沿った中心軸の電圧を一致させるように、上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とによるそれぞれの表示タイミングにあわせて、第1のスイッチング素子を介して反射用画素電極に印加されるソース信号電圧と、第2のスイッチング素子を介して透過用画素電極に印加されるソース信号電圧とを異ならせておくことを特徴としている。
【0040】
上記の発明によれば、上記反射用画素電極は、第1のスイッチング素子を介して第1のゲート配線に接続されている。一方、上記透過用画素電極は、第2のスイッチング素子を介して第2のゲート配線に接続されている。よって、各スイッチング素子のスイッチングのタイミングを異ならせることができる。また、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子のスイッチング時に生じる、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフトおよび透過用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフトの後の、反射用画素電極と透過用画素電極とにおける、電圧波形についての時間軸に沿った中心軸の電圧を一致させるように、それぞれの画素電極に接続されたスイッチング素子がオンするときのソース信号電圧を変化させている。
【0041】
ここで、上記スイッチング素子のスイッチング時、より詳しくはスイッチング素子がオフした瞬間に、上述したとおり、上記ソース信号電圧から電圧がシフトする。また、上記反射用画素電極と透過用画素電極とでも、上記した4つの理由により、電圧のシフト量はそれぞれ異なる。
【0042】
それゆえ、本発明では、あらかじめ、反射用画素電極の電圧シフト量と透過用画素電極の電圧シフト量との差を考慮して、ソース電圧の電圧を制御することにより、各電極のシフト量を同じにする。
【0043】
これにより、上記反射用画素電極と透過用画素電極との電圧のシフト量が同じになり、上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とにおいて同一のシフト量を有する波形の信号が得られる。
【0044】
それゆえ、上記したとおり、上記反射用画素電極の電圧波形の中心軸の電圧と、上記透過用画素電極の電圧波形の中心軸の電圧と、上記対向電極の電圧とを一致させることが可能となる。
【0045】
以上により、本発明の液晶表示装置では、上記対向電極の電圧を、上記反射用最適対向電圧および透過用最適対向電圧とすることができる。それゆえ、本発明の液晶表示装置では、対向電極との電圧のずれが生じない。
【0046】
したがって、本発明の液晶表示装置では、液晶表示装置を長期間使用した場合に生じる、ムラやかすみといった表示不良の発生を抑えることができる。さらに、フリッカーの発生も抑制することができる。一方、上記反射用画素電極と透過用画素電極とを用いているため、光の利用効率は上がっている。それゆえ、周囲光の状態によらず、光の利用効率が高く、かつ高品位な表示を可能とし得る液晶表示装置を提供することができる。
【0047】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(r)、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(r)、および、上記反射用補助容量素子の容量をCcs(r)とし、第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(t)、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(t)、および、上記透過用補助容量素子の容量をCcs(t)とし、上記第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(r)、および、上記第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(t)とした場合に、上記反射用画素電極に印加されるソース信号電圧と、上記透過用画素電極に印加されるソース信号電圧との差ΔVsは、ΔVs=ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))−ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t))なる関係を満たすことを特徴としている。
【0048】
上記の発明によれば、反射用画素電極の電圧のシフト量ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))と、透過用画素電極の電圧のシフト量ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t)との差だけ、反射用画素電極に印加されるソース配線のの信号電圧と透過用画素電極に印加されるソース信号電圧とが異なっている。
【0049】
したがって、反射用画素電極のシフト後の電位と、透過用画素電極のシフト後の電位とが、上記のソース信号電圧の差ΔVsにより、一致することになる。それゆえ、上記液晶表示装置では、上記反射用最適対向電圧と透過用最適対向電圧とを一致させることが可能となる。
【0050】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さを、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さよりも大きくすることを特徴としている。
【0051】
上記の発明によれば、上記反射画素電極の領域に対応する液晶層を往復して通過する周囲光の該液晶層での光路長と、上記透過画素電極の領域に対応する液晶層を通過する透過光の該液晶層での光路長とを近づけることができる。
【0052】
したがって、上記反射画素電極の領域に対応する液晶層と、上記透過画素電極の領域に対応する液晶層とにおける光の特性の変化を揃えることができる。それゆえ、光の利用効率をさらに高くすることが可能となる。
【0053】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さを、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さの2倍とすることを特徴としている。
【0054】
上記の発明によれば、上記反射画素電極の領域に対応する液晶層を往復して通過する周囲光の該液晶層での光路長と、上記透過画素電極の領域に対応する液晶層を通過する透過光の該液晶層での光路長とを一致させることができる。
【0055】
したがって、上記反射画素電極の領域に対応する液晶層と、上記透過画素電極の領域に対応する液晶層とにおける光の特性の変化を一致させることができる。それゆえ、光の利用効率をいっそう高くすることが可能となる。
【0056】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、透過用画素電極の周辺部が、一層以上の絶縁膜を介して、組をなす反射用画素電極により重畳されていることを特徴としている。
【0057】
上記の発明によれば、組をなす反射用画素電極が透過用画素電極に絶縁膜を介して重畳されているために、上記反射用画素電極の領域がさらに広がることとなり、結果として、上記反射用画素電極と透過用画素電極とをあわせた領域の面積が増加する。
【0058】
したがって、液晶表示装置全体での開口率が高くなり、光の利用効率を上げることが可能となる。
【0059】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、反射用補助容量素子は、反射用補助容量配線と、反射用画素電極と電気的に接続された導電膜とにより形成され、透過用補助容量素子は、透過用補助容量配線と、透過用画素電極とにより形成され、上記反射用補助容量配線と上記透過用補助容量配線とが、組をなす反射用画素電極と透過用画素電極では同一配線であり、上記補助容量配線は、反射用画素電極が重畳していない透過用画素電極の領域とは重畳しないことを特徴としている。
【0060】
上記の発明によれば、反射用画素電極の補助容量に用いられる補助容量配線と、透過用画素電極の補助容量に用いられる補助容量配線とが共通の補助容量配線となる。また、上記共通の補助容量配線は、液晶表示に用いられる透過画素電極の領域とは重ならない。
【0061】
したがって、上記透過用画素電極の液晶表示に利用される実面積を、補助容量配線の面積分、さらに増加させることが可能となる。それゆえ、液晶表示装置全体での開口率をさらに高くすることができ、光の利用効率をいっそう上げることが可能となる。
【0062】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、第1のゲート配線と第2のゲート配線とが、組をなす反射用画素電極と透過用画素電極とでは同一配線であることを特徴としている。
【0063】
上記の発明によれば、第1のゲート配線と第2のゲート配線とが、組をなす反射用画素電極と透過用画素電極とでは同一配線としているため、1組の反射用画素電極と透過用画素電極とからなる画素電極に対するゲート配線の数を2本から1本に減らすことが可能となる。
【0064】
したがって、上記画素の微細化を図ることができ、解像度の高い液晶表示装置が得られると同時に、液晶表示装置の生産時の歩留まりを大幅に低減することが可能となる。
【0065】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0066】
本実施の形態のアクティブマトリックス基板1aは、図1に示すように、画素電極2がマトリクス状に設けられている。また、上記画素電極2の周囲を通り互いに直交するように、走査信号を供給するためのゲート配線3と、表示信号を供給するためのソース配線4とが設けられている。
【0067】
上記ゲート配線3とソース配線4とは金属膜で形成されており、その一部が画素電極2の外周部分とゲート絶縁膜11(図2、3参照)を介して重なっている。
【0068】
また、上記ゲート配線3とソース配線4との交差部付近には、画素電極2に表示信号を供給するためのスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)5が設けられている。
【0069】
この薄膜トランジスタ(TFT)5のゲート電極6には、ゲート配線3が接続され、該ゲート電極6に入力される信号により薄膜トランジスタ(TFT)5が駆動制御される。また、薄膜トランジスタ(TFT)5のソース電極7には、ソース配線3が接続され、該ソース電極7にデータ信号が入力される。
【0070】
また、本実施の形態のアクティブマトリックス基板1aの特徴として、画素電極2は、金属膜からなる反射用画素電極2aと透明導電膜からなる透過用画素電極2bとから構成されている。さらに、上記ゲート配線3、薄膜トランジスタ(TFT)5、ゲート電極6、ソース電極7、ドレイン電極8、および、補助容量配線12は、上記反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとを、個別に制御するために、それぞれ個別に設けられている。
【0071】
すなわち、上記反射用画素電極2a用として、反射用ゲート配線3a(第1のゲート配線)、反射用薄膜トランジスタ(TFT)5a(第1のスイッチング素子)、反射用ゲート電極6a、反射用ソース電極7a、反射用ドレイン電極8a、および、反射用補助容量配線12aが設けられている。また、上記透過用画素電極2b用として、透過用ゲート配線3b(第2のゲート配線)、透過用薄膜トランジスタ(TFT)5b(第2のスイッチング素子)、透過用ゲート電極6b、透過用ソース電極7b、透過用ドレイン電極8b、および、透過用補助容量配線12bが設けられている。
【0072】
次に、上記アクティブマトリックス基板1aを用いた液晶表示装置の断面構造について説明する。
【0073】
上記アクティブマトリックス基板1aは、図2(図1のA−A線矢視断面図)に示すとおり、上記透明絶縁性基板15上に、反射用ゲート電極6aが設けられており、該反射用ゲート電極6aはゲート絶縁膜11によって覆われている。そして、上記ゲート絶縁膜11上に、半導体層16とドーピングされた半導体層17とが、この順で積層されている。さらに、上記ドーピングされた半導体層17を覆うように、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明導電膜と金属膜との2層で形成される反射用ソース電極7aと反射用ドレイン電極8aとが形成されている。
【0074】
また、上記反射用ソース電極7aには、上記透明導電膜と金属膜とからなるソース配線4が接続されており、上記反射用ドレイン電極8aには、上記透明導電膜と金属膜とからなる接続電極10が接続されている。なお、上記接続電極10は、コンタクトトホール9を介して反射用画素電極2aと接する箇所におていは、2層構造となっているが、その他の箇所においては、上記透明導電膜の1層で形成されている。
【0075】
さらに、上記電極7a・8aの上には、層間絶縁膜18を介して、上記反射用画素電極2aが形成されている。また、上記反射用画素電極2aと対向基板13に形成された対向電極14との間には、液晶層29が形成されている。
【0076】
また、上記透明絶縁性基板15上には、図3(図1のB−B線矢視断面図)に示すとおり、反射用補助容量配線12aが設けられている。そして、上記ゲート絶縁膜11上には、上記透明導電膜で形成される透過用画素電極2bが設けられている。ここで、接続電極10および透過用画素電極2bは、それぞれ、上記ゲート絶縁膜11を介して、上記反射用補助容量配線12a・12b上に形成されている。
【0077】
さらに、上記透明絶縁性基板15上には、図4(図1のC−C線矢視断面図)に示すとおり、透過用ゲート電極6bが設けられており、該透過用ゲート電極6bはゲート絶縁膜11によって覆われている。そして、上記ゲート絶縁膜11上に、半導体層16とドーピングされた半導体層17とが、この順で積層されている。さらに、上記ドーピングされた半導体層17を覆うように、上記透明導電膜と金属膜との2層で形成される透過用ソース電極7bと透過用ドレイン電極8bとが形成されている。
【0078】
また、上記透過用ソース電極7bには、上記透明導電膜と金属膜とからなるソース配線4が接続されており、上記透過用ドレイン電極8bには、透過用画素電極2bが接続されている。
【0079】
以上の構成により、上記ドレイン電極8aに電気的に接続されている接続電極10は、上記補助容量配線12aとその間に介在するゲート絶縁膜11とによって、反射用補助容量素子を形成する。また、上記透過用画素電極2bは、上記補助容量配線12bとその間に介在するゲート絶縁膜11とによって、透過用補助容量素子を形成する。
【0080】
さらに、上記透過用画素電極2bは、上述したとおり、ゲート絶縁膜11上に形成されているため直接透過用ドレイン電極8bに接続されており、反射用画素電極2aと反射用ドレイン電極8aとを接続するコンタクトホール9のような構成要素は不要となっている。
【0081】
なお、上記補助容量配線12a・12bは金属膜で形成され、図示しない配線により対向基板13に形成された対向電極14に接続される。また、上記ソース配線4を、上記透明導電膜と金属膜との2層構造としているのは、断線等の欠損に対する冗長性を持たせるためである。
【0082】
以上のように、アクティブマトリックス基板1aが構成されるが、次に、該アクティブマトリックス基板1aの製造方法について説明する。
【0083】
まず、ガラス等の透明絶縁性基板15上に反射用ゲート電極6aおよび透過用ゲート電極6bと、反射用ゲート配線3aおよび透過用ゲート配線3bと、反射用補助容量配線12aおよび透過用補助容量配線12bとをスパッタリング法等により成膜後、フォトリソグラフィー工程を経てパターニングを行う。
【0084】
次に、ゲート絶縁膜11、半導体層16、ドーピングされた半導体層17をプラズマCVD法を用いて成膜する。続いてITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極膜をスパッタリング法で成膜し、フォトリソグラフィー工程を経て、接続電極10および透過用画素電極2bを形成する。さらに、金属膜をスパッタリング法で成膜した後、パターニングを行い、ソース配線4と、反射用ソース電極7aおよび透過用ソース電極7bと、反射用ドレイン電極8aおよび透過用ドレイン電極8bとを形成する。
【0085】
その後、層間絶縁膜18として感光性のアクリル樹脂をスピン塗布法により、3μmの膜厚で形成する。さらに、上記アクリル樹脂に対して、パターン露光を行い、アルカリ性の溶液によって現像処理する。これにより、露光された部分のみが、アルカリ性の溶液によってエッチングされ、層間絶縁膜18を貫通するコンタクトホール9を形成する。なお、上記コンタクトホール9は、良好なテーパ形状を有するように形成する。
【0086】
このように、上記層間絶縁膜18として感光性のアクリル樹脂を用いることにより、薄膜の形成をスピン塗布法により行うことができる。したがって、数μmという膜厚の薄膜を容易に形成することができる。また、上記層間絶縁膜18のパターニングにはフォトレジストの塗布工程が不要となる等、生産性の点で有利になる。
【0087】
また、本実施の形態における上記アクリル樹脂は着色されており、パターニング後に全面を露光処理することにより透明化することができる。なお、上記アクリル樹脂の透明化は、化学的処理によっても行うことができる。
【0088】
次に、上記層間絶縁膜18上に反射用画素電極2aを、反射用ゲート配線3aおよび透過用ゲート配線3bと、ソース配線4と、反射用薄膜トランジスタ(TFT)5aおよび透過用薄膜トランジスタ(TFT)5bと、反射用補助容量配線12aとに重なるように形成する。なお、本実施の形態においては、上記反射用画素電極2aの形成に際し、アルミニウム(Al)をスパッタリング法で成膜後、フォトリソグラフィー工程によりパターニングを行っている。しかし、反射用画素電極2aの材料としては、アルミニウム(Al)に限定されることはなく、他の金属材料、例えば銀(Ag)、または、AlSi(Siの含有量1パーセント程度)等のアルミ系合金を用いてもよく、反射率の高い導電性を有する膜であればよい。
【0089】
以上により、本実施の形態におけるアクティブマトリックス基板1aを製造することができる。
【0090】
さらに、配向塗布膜および対向基板13との貼り合せ、液晶材料の注入、偏光板の貼り合わせ等の従来より知られている方法を用いて液晶セルを製造し、背面にバックライトを設置することにより、上記アクティブマトリックス基板1aを用いた液晶表示装置が完成する。
【0091】
また、上記アクティブマトリックス基板1aは、層間絶縁膜18上に反射用画素電極2aを設けているため、該層間絶縁膜18の表面にフォトリソグラフィー工程等によって凹凸を形成しておくことにより、表面に凹凸を有する反射用画素電極2aを得ることができる。したがって、この反射用画素電極2aの表面の凹凸により、さまざまな入射角度の周囲光を利用することが可能となり、より明るい液晶表示装置を実現することができる。
【0092】
なお、上記液晶装置においては、上記透過用画素電極2bと上記対向電極14との間の上記液晶層29の厚さを、上記反射用画素電極2aと上記対向電極14との間の上記液晶層29の厚さよりも、厚くすることが望ましい。これにより、反射用画素電極2aにより反射される光の液晶層29での光路長と、透過用画素電極2bを通過する光の液晶層29での光路長とを近づけることができる。したがって、両液晶層29での光の特性変化を揃えることができ、光の利用効率をあげることが可能となる。
【0093】
さらには、上記透過用画素電極2bと上記対向電極14との間の上記液晶層29の厚さを、上記反射用画素電極2aと上記対向電極14との間の上記液晶層29の厚さの2倍とすることがより好ましい。これにより、反射用画素電極2aにより反射される光の液晶層29での光路長と、透過用画素電極2bを通過する光の液晶層29での光路長とを同じにすることができる。したがって、両液晶層29での光の特性変化を一致させることができ、光の利用効率をさらにあげることが可能となる。
【0094】
以上のように、本実施の形態におけるアクティブマトリックス基板1aは、反射型表示を行う反射用画素電極2aと透過型表示を行う透過用画素電極2bとが独立した構成となっているため、反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとの制御を個別のパラメータを用いて行うことが可能となる。なお、本実施の形態においては、上述したとおり、上記反射用画素電極2aおよび透過用画素電極2bは別画素として独立に制御されるが、画像の表示に関しては、あくまでも一組として用いられる。
【0095】
ところで、従来の液晶表示装置においては、図13に示すとおり、同一画素内に反射領域(反射用画素電極)26と透過領域(透過用画素電極)28とを形成し、かつ、反射領域と透過領域との液晶の厚みを異なるように変えているため、液晶層の容量Clcは互いに異なる値となる。また、上記液晶表示装置では、該液晶装置の構成上、ゲート電極−ドレイン電極間の寄生容量Cgd、補助容量素子の容量 (補助容量)Ccs、および、ゲート電位差ΔVgは、各領域26・28とも同一である。それゆえ、それぞれの最適対向電圧が異なり、対向電極(図示せず)の電圧と反射領域26の最適対向電圧とのずれ、および/または、対向電極の電圧と透過領域28の最適対向電圧とのずれが、表示品位を低下させる一因となっている。
【0096】
一方、本実施の形態におけるアクティブマトリックス基板1aを用いた液晶表示装置は、反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとに対して、個別のパラメータを用いて制御するために、後述するように、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させ、かつ、対向電極14の電圧を該最適対向電圧の電圧値に設定することにより、対向電極14の電圧と反射用画素電極2aの最適対向電圧とのずれ、および、対向電極14の電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とのずれをなくすことが可能となる。
【0097】
したがって、光の利用効率の高い、高品位な表示が可能な信頼性の高い液晶表示装置が得られる。また、消費電力を抑えるために低周波駆動させる場合においても、フリッカー現象を抑制することが可能となる。
【0098】
以下に、上記反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させるためのパラメータによる制御方法について説明する。
【0099】
上記各画素電極2a・2bに印加される電圧は、上述したとおり、ソース電圧とは一致せず、ゲートを閉じた瞬間にソース電圧からシフトする。
【0100】
一方、上記電位のシフトを制御するパラメータとしては、例えば、配線パターン、構造、および、材料に起因する、上記ゲート電極−ドレイン電極間の寄生容量Cgd、液晶層29の容量Clc、および、補助容量素子の容量 (以下、補助容量という)Ccs等の各種容量設計パラメータと、上記ゲート電位差ΔVg等の入力信号によるパラメータとがある。
【0101】
そこで、反射用画素電極2aおよび透過用画素電極2bに対して、上記各種容量設計パラメータを個別に制御することにより、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させる第1の方法について説明する。次に、反射用画素電極2aおよび透過用画素電極2bに対して、入力信号によるパラメータを個別に制御することにより、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させる第2の方法について説明する。さらに、反射用画素電極2aおよび透過用画素電極2bに対して、それぞれの上記各種容量設計パラメータおよび入力信号によるパラメータを個別に制御することにより、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させる第3の方法について説明する。最後に、ソース信号を制御することにより、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させる第4の方法について説明する。
【0102】
まず、各種容量設計パラメータを個別に制御する第1の方法について説明する。なお、この方法では、上記反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとに同一振幅のゲート信号を入力することとする。
【0103】
ここで、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量(以下、反射用画素電極2aの電圧シフト量という)をΔVd(r)、透過用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量 (以下、透過用画素電極2bの電圧シフト量という)をΔVd(t)とすると、前述した式(1)により、ΔVd(r)およびΔVd(t)は、それぞれ、以下の式(2)および(3)により求められる。
【0104】
ΔVd(r)=ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r)) … (2)
ΔVd(t)=ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t)) … (3)
なお、上記反射用画素電極2aのゲート電位差をΔVg(r)、反射用ゲート電極6aと反射用ドレイン電極8aとの間の寄生容量をCgd(r)、反射用画素電極2aと対向電極14との間の液晶層29の容量をClc(r)、反射用画素電極に接続された補助容量をCcs(r)とする。また、透過用画素電極2bのゲート電位差をΔVg(t)、上記透過用ゲート電極6bと透過用ドレイン電極8bとの間の寄生容量をCgd(t)、透過用画素電極2bと対向電極14との間の液晶層29の容量をClc(t)、透過用画素電極に接続された補助容量をCcs(t)とする。ここで、各ゲート電位差ΔVg(r)・ΔVg(t)はそれぞれ、各ゲート信号の高レベル電圧Vgh(r)・Vgh(t)と各ゲート信号の低レベル電圧Vgl(r)・Vgl(t)との差とする。
【0105】
一方、上記反射用画素電極2aのゲート信号と透過用画素電極2bのゲート信号とは同一の振幅を有するため、反射用画素電極2aのゲート電位差ΔVg(r)と透過用画素電極2bのゲート電位差ΔVg(t)とは同じ値となる。
【0106】
したがって、反射用画素電極2aの電圧シフト量ΔVd(r)と透過用画素電極2bの電圧シフト量ΔVd(t)とを同じにするためには、以下の式(4)を満たすように液晶表示装置を設計すればよい。
【0107】
Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))=Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t)) … (4)
つまり、上記式(4)の関係を満たすように、各寄生容量Cgd(r)・Cgd(t)、各液晶層29の容量Clc(r)・Clc(t)、および、各補助容量Ccs(r)・Ccs(t)を選択することにより、反射用画素電極2aの電圧シフト量ΔVd(r)と透過用画素電極2bの電圧シフト量ΔVd(t)とを同じにすることが可能となる。
【0108】
以上により、上記反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させることが可能となる。
【0109】
また、反射用ゲート配線3aと透過用ゲート配線3bとを一組として、同一ゲート信号を入力してもよい。この場合には、ゲート信号の周波数が、従来構造のゲート信号の周波数の2倍になることを避けることができる。
【0110】
すなわち、本実施の形態のアクティブマトリックス基板1aでは、上述したとおり、画素電極2は、金属膜からなる反射用画素電極2aと透明導電膜からなる透過用画素電極2bとから構成され、それぞれに個別のゲート配線3a・3bが設けられている。このため、上記アクティブマトリックス基板1aでは、従来構造のアクティブマトリックス基板に比べ、反射用画素電極に接続されたゲート配線からのゲート信号の位相と透過用画素電極に接続されたゲート配線からのゲート信号の位相とが異なるため、2倍の周波数のゲート信号を入力する必要がある。しかし、上述したように、反射用ゲート配線3aと透過用ゲート配線3bとを一組として、同一ゲート信号、つまり同一振幅かつ同一位相のゲート信号を入力することにより、2倍の周波数のゲート信号を入力する必要がなくなり、従来の液晶表示装置に使われているアクティブマトリックス基板と同一の周波数のゲート信号の入力で表示が可能となる。
【0111】
次に、入力信号によるパラメータを個別に制御する第2の方法について説明する。
【0112】
従来の液晶表示装置に使われているアクティブマトリックス基板では、上述したとおり、反射領域26と透過領域28との液晶の厚みが異なるため、液晶層の容量Clcは互いに相違する。一方、ゲート電極−ドレイン電極間の寄生容量Cgd、補助容量Ccs、および、ゲート電位差ΔVgは、各領域26・28とも同一である。それゆえ、Cgd/(Cgd+Clc+Ccs)の値は、各領域26・28では異なっている。したがって、上記の式(1)に示す、各領域26・28の電圧シフト値ΔVdも異なる値となる。
【0113】
そこで、本実施の形態においては、上記反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとのCgd/(Cgd+Clc+Ccs)の値が異なる場合においても、上記反射用画素電極2aの電圧シフト量ΔVd(r)と透過用画素電極2bの電圧シフト量ΔVd(t)とが同じなるように、反射用画素電極2aのゲート電位差ΔVg(r)と透過用画素電極2bのゲート電位差ΔVg(t)とを個別に制御する。
【0114】
つまり、上記反射用画素電極2aの電圧シフト量ΔVd(r)と透過用画素電極2bの電圧シフト量ΔVd(t)とは、それぞれ、上記の式(2)および式(3)で示されるため、以下の式(5)を満たすように液晶表示装置を設計すればよい。
【0115】
ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))=ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t)) … (5)
これにより、上記反射用画素電極2aのCgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))の値と、透過用画素電極2bのCgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t))の値とが互いに異なる場合であっても、反射用画素電極2aのゲート電位差ΔVg(r)と透過用画素電極2bのゲート電位差ΔVg(t)とを個別に制御することにより、上記反射用画素電極2aの電圧シフト量ΔVd(r)と透過用画素電極2bの電圧シフト量ΔVd(t)とを同じにすることが可能となる。
【0116】
以下に、上記第2の方法を用いた制御について、図5(a)および図5(b)に基づいて、具体的に説明する。
【0117】
従来においては、図14(a)〜(e)に示すように、反射用画素電極26のゲート電位差ΔVg(r)と透過用画素電極28のゲート電位差ΔVg(t)とが同一となるゲート信号を入力しても、反射用画素電極26のシフト量ΔVd(r)と透過用画素電極28のシフト量ΔVd(t)とは異なる結果となる。そこで、本実施の形態においては、例えば、図5(a)に示すように、透過用画素電極2bにおけるゲート信号の高レベル電圧Vgh(t)を制御し、例えば、Vgh(t)>Vgh(t)’なるVgh(t)’に補正することとする。
【0118】
一方、透過用画素電極2bに印加されるドレイン電圧は、上記式(1)に従って、ゲート電位差ΔVg(ΔVg=Vgh×Vgl)に比例して変化する。したがって、ゲート信号の高レベル電圧Vgh(t)をVgh(t)’に補正するこにより、図5(b)に示すように、透過用画素電極2bに印加されるドレイン電圧のシフト量もΔVd(t)からΔVd(t)’へと変化する。
【0119】
したがって、補正後の透過用画素電極2bの電圧のシフト量ΔVd(t)’が、反射用画素電極2aの電圧のシフト量ΔVd(r)と等しくなるように、上記ゲート信号入力時の電圧Vgh(t)’の値を決定すればよい。つまり、図5(a)に示すように、Vgh(t)の値をより小さいVgh(t)’とし、電圧のシフト量を、ΔVd(t)とΔVd(r)との差ΔVsだけ少なくすれば、反射用画素電極2aの電圧のシフト量ΔVd(r)と補正後の透過用画素電極2bの電圧のシフト量ΔVd(t)’とが等しくなる。ただし、図14(d)および図14(e)においては、便宜的にΔVd(t)>ΔVd(r)としている。
【0120】
以上により、上記反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させることが可能となる。
【0121】
次に、各種容量設計パラメータおよび入力信号によるパラメータを個別に制御する第3の方法について説明する。
【0122】
上記反射用画素電極2aの電圧シフト量ΔVd(r)と透過用画素電極2bの電圧シフト量ΔVd(t)とは、それぞれ、上記の式(2)および式(3)で示される。したがって、上記反射用画素電極2aと透過用画素電極2bと入力されるゲート信号が同じであろうとなかろうと、また、上記反射用画素電極2aのCgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))の値と、透過用画素電極2bのCgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t))の値とが互いに異なる場合であろうとなかろうと、上記の式(5)を満たすように、上記反射用画素電極2aのゲート電位差ΔVg(r)、反射用ゲート電極6aと反射用ドレイン電極8aとの間の寄生容量Cgd(r)、反射用画素電極2aと対向電極14との間の液晶層29の容量Clc(r)、反射用画素電極に接続された補助容量Ccs(r)、透過用画素電極2bのゲート電位差ΔVg(t)、上記透過用ゲート電極6bと透過用ドレイン電極8bとの間の寄生容量Cgd(t)、透過用画素電極2bと対向電極14との間の液晶層29の容量Clc(t)、および、透過用画素電極に接続された補助容量Ccs(t)を選択すればよい。
【0123】
これによっても、反射用画素電極2aの電圧シフト量ΔVd(r)と透過用画素電極2bの電圧シフト量ΔVd(t)とを同じにすることが可能となる。
【0124】
以上により、上記反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させることが可能となる。
【0125】
次に、ソース信号を制御する第4の方法について説明する。
【0126】
上述したとおり、反射用画素電極2aの電圧シフト量ΔVd(r)と透過用画素電極2bの電圧シフト量ΔVd(t)とは、それぞれ、上記の式(2)および式(3)で与えられる。したがって、ΔVd(t)とΔVd(r)との差ΔVsは、以下の式(6)で示される。
【0127】
ΔVs=ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))−ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t)) … (6)
そこで、本実施の形態においては、例えば、図6(a)に示すように、あらかじめ、上記ΔVd(t)とΔVd(r)との差ΔVsを透過用画素電極2bに印加されるソース信号のみに加算する。これにより、図6(b)に示すように、電圧のシフト量が、ΔVd(t)とΔVd(r)との差ΔVsだけ少なくなる。したがって、2つ目の制御方法と同様に、反射用画素電極2aの電圧のシフト量ΔVd(r)と補正後の透過用画素電極2bの電圧のシフト量ΔVd(t)’とが等しくなる。
【0128】
以上により、上記反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させることが可能となる。
【0129】
したがって、上記アクティブマトリックス基板1aを備える液晶表示層装置を用いて、上述した、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させるためのパラメータによる制御を行うことにより、光の利用効率が高く、高品位な表示が可能な信頼性の高い液晶表示装置が得られる。また、消費電力を抑えるために低周波駆動させる場合においても、フリッカー現象を抑制することが可能となる。
【0130】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0131】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図7および図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0132】
本実施の形態のアクティブマトリックス基板1bは、図7に示すとおり、1画素に占める反射用画素電極2aの割合を大きくしたものである。また、上記反射用画素電極2aは、透過用画素電極2bの外周部に沿った形状を有する開口部P1を有しており、該開口部P1内においてのみ透過用画素電極2bによる表示を視認することができる。
【0133】
すなわち、図8に示すように、透過用画素電極2bの周辺部の上に、層間絶縁膜18を介して、組をなす反射用画素電極2aが重畳されている。
【0134】
より具体的には、上記反射用画素電極2aは、組をなす透過用画素電極2bの周辺部と、隣り合うソース配線4の間における透過用ゲート配線3bと、透過用ゲート電極6bと、透過用ソース電極7bと、透過用ドレイン電極8bの一部とに、少なくとも一層以上の層間絶縁膜18を介して重ねられている。
【0135】
以上のように、本実施の形態のアクティブマトリックス基板1bでは、前記実施の形態1のアクティブマトリックス基板1aよりも、開口率を高くすることができる。したがって、上記対向基板13側に遮光用のブラックマトリックスを設けることなく、コントラストの低下を防止することができ、光の利用効率を高めることが可能となる。
【0136】
一方、上記実施の形態1でも示したとおり、フリッカーを防止し、高品位な表示をするためには、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させ、かつ、対向電極14の電圧を該最適対向電圧とすることが望ましい。
【0137】
そこで、本実施の形態においても、上記実施の形態1で示した、パラメータによる制御方法を用いる。つまり、反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとに対して、個別のパラメータを用いて制御し、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させ、かつ、対向電極14の電圧を該最適対向電圧の電圧値に設定することにより、対向電極14の電圧と反射用画素電極2aの最適対向電圧とのずれ、および、対向電極14の電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とのずれをなくしている。
【0138】
上記のパラメータによる制御方法は、上記実施の形態1で示した、4つの方法の何れかを利用することにより実現できるため、記載を省略する。
【0139】
したがって、本実施の形態のアクティブマトリックス基板1bを用いることにより、光の利用効率が高く、高品位な表示が可能な信頼性の高い液晶表示装置を得ることが可能となる。また、消費電力を抑えるために低周波駆動させる場合においても、フリッカー現象を抑制することが可能となる。
【0140】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0141】
上記の実施の形態では、上記反射用画素電極2aは、組をなす透過用画素電極2bの周辺部と、隣り合うソース配線4の間における透過用ゲート配線3bと、透過用ゲート電極6bと、透過用ソース電極7bと、透過用ドレイン電極8bの一部とに、少なくとも一層以上の層間絶縁膜18を介して重ねられている。しかし、組をなす反射用画素電極2aにより重畳される領域は、上記のように、特に限定されるものではなく、十分な開口率が得られるだけの領域であればよい。
【0142】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図9ないし図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0143】
本実施の形態のアクティブマトリックス基板1cは、図9に示すとおり、上記実施の形態2と同様に、1画素に占める反射用画素電極2aの割合を大きくしたものである。また、上記反射用画素電極2aは、実施の形態2と同様に、開口部P2を有しており、該開口部P2内においてのみ透過用画素電極2bによる表示を視認することができる。
【0144】
すなわち、図10に示すように、透過用画素電極2bの周辺部の上に、層間絶縁膜18を介して、組をなす反射用画素電極2aが重畳されている。
【0145】
より具体的には、上記反射用画素電極2aは、組をなす透過用画素電極2bの周辺部と、隣り合うソース配線4の間における透過用ゲート配線3bと、透過用ゲート電極6bと、透過用ソース電極7bと、透過用ドレイン電極8bとに、少なくとも一層以上の層間絶縁膜18を介して重ねられている。
【0146】
また、一対の上記反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとに接続される補助容量配線20を共通化している。さらに、上記共通の補助容量配線20は、反射用画素電極2aに重畳される位置に配されている。
【0147】
また、上記透過用ゲート電極3bは、上記反射用ゲート電極3aと補助容量配線20の間に配されている。
【0148】
つまり、本実施の形態のアクティブマトリックス基板1cは、図10および図11に示すように、上記透過用画素電極2bによる表示を視認することができる範囲を除いた透過用画素電極2bの部分が、反射用画素電極2aと透明絶縁性基板15との間に配されており、かつ、上記共通の補助容量配線20が、透過用画素電極2bと透明絶縁性基板15との間に配される構造となっている。
【0149】
なお、上記透過用画素電極2bは、共通の補助容量配線20とその間に介在するゲート絶縁膜11とによって、透過用補助容量素子を形成する。
【0150】
以上のような構造をとることにより、上記対向基板13側から視認できる透過用画素電極2bの領域と補助容量配線20とが重ならないため、透過用画素電極2bの対向基板13側から視認できる領域の面積を広くすることができる。
【0151】
したがって、上記アクティブマトリックス基板1cでは、上記透過用画素電極2bによる表示を視認することができる範囲を除いた透過用画素電極2bの部分が反射用画素電極2aと透明絶縁性基板15との間に配されることにより、開口率が高くなることに加えて、上記補助容量配線20の配置位置により、開口率をさらに高くすることが可能となる。
【0152】
それゆえ、上記アクティブマトリックス基板1cでは、上記実施の形態2よりも、さらに開口率を高くすることが可能となり、上記対向基板13側に遮光用のブラックマトリックスを設けることなく、コントラストの低下を防止することができ、光の利用効率を高めることが可能となる。
【0153】
一方、上記アクティブマトリックス基板1cでは、反射画素電極2aの反射用補助容量素子は、図11に示すように、上記実施の形態1で示した接続電極10を介することなく、補助容量電極19をゲート絶縁膜11を介して共通の補助容量配線20に重畳することにより形成されている。また、従来どおりに接続電極10を用いて補助容量を形成した場合には、該接続電極10が透過用ゲート配線3bとゲート絶縁膜11とを介して重なり、かなり大きな寄生容量が発生することになる。そのため、上記アクティブマトリックス基板1cでは、上記コンタクトホール9を介して、補助容量電極19を反射用画素電極2aに接続させ、さらに、反射用画素電極2aと透過用ゲート配線3bとの間の層間絶縁膜18に誘電率が低くて膜厚の厚いアクリル系樹脂を採用することにより、上記寄生容量が大きくなることを抑えている。
【0154】
一方、上記実施の形態1でも示したとおり、フリッカーを防止し、高品位な表示をするためには、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させ、かつ、対向電極14の電圧を該最適対向電圧の電圧値に設定することが望ましい。
【0155】
そこで、本実施の形態においても、上記実施の形態1で示した、パラメータによる制御方法を用いる。つまり、反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとに対して、個別のパラメータを用いて制御し、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させ、かつ、対向電極14の電圧を該最適対向電圧の電圧値に設定することにより、対向電極14の電圧と反射用画素電極2aの最適対向電圧とのずれ、および、対向電極14の電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とのずれをなくしている。
【0156】
上記のパラメータによる制御方法は、上記実施の形態1で示した、4つの方法の何れかを利用することにより実現できるため、記載を省略する。
【0157】
したがって、本実施の形態のアクティブマトリックス基板1cを用いることにより、光の利用効率が高く、高品位な表示が可能な信頼性の高い液晶表示装置を得ることが可能となる。また、消費電力を抑えるために低周波駆動させる場合においても、フリッカー現象を抑制することが可能となる。
【0158】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0159】
例えば、組をなす反射用画素電極2aの平面形状は、上記のように補助容量配線20が反射用画素電極2aに重畳される位置に配されている範囲内で、さまざまな形状としてもよい。
【0160】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1または実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0161】
本実施の形態のアクティブマトリックス基板1dは、図12に示すとおり、上記実施の形態3のアクティブマトリックス基板1cの反射用ゲート配線3aと透過用ゲート配線3bとを共通のゲート配線3とし、それに伴い、アクティブマトリックス基板1cの反射用ゲート電極6aと透過用ゲート電極6bとを共通のゲート電極6としたものである。
【0162】
したがって、上記アクティブマトリックス基板1dのゲート配線数は、実施の形態3におけるアクティブマトリックス基板1cのゲート配線数の半分しか必要としない。これにより、本実施の形態においては、実施の形態3において得られる効果に加えて、1組の反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとからなる画素の微細化を図ることができ、解像度の高い液晶表示装置が得られる。さらに、上記アクティブマトリックス基板1dの生産時の歩留まりを低減することができ、上記アクティブマトリックス基板1dを備える液晶表示装置の生産効率をあげることが可能となる。
【0163】
一方、上記実施の形態1でも示したとおり、フリッカーを防止し、高品位な表示をするためには、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させ、かつ、対向電極14の電圧を該最適対向電圧の電圧値に設定することが望ましい。
【0164】
そこで、本実施の形態においても、上記実施の形態1で示した、パラメータによる制御方法を用いる。つまり、反射用画素電極2aと透過用画素電極2bとに対して、個別のパラメータを用いて制御し、反射用画素電極2aの最適対向電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とを一致させ、かつ、対向電極14の電圧を該最適対向電圧の電圧値に設定することにより、対向電極14の電圧と反射用画素電極2aの最適対向電圧とのずれ、および、対向電極14の電圧と透過用画素電極2bの最適対向電圧とのずれをなくしている。
【0165】
上記のパラメータによる制御方法は、上記実施の形態1で示した、4つの方法の何れかを利用することにより実現できるため、記載を省略する。
【0166】
したがって、本実施の形態のアクティブマトリックス基板1dを用いることにより、光の利用効率が高く、高品位な表示が可能な信頼性の高い液晶表示装置を得ることが可能となる。また、消費電力を抑えるために低周波駆動させる場合においても、フリッカー現象を抑制することが可能となる。
【0167】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0168】
例えば、実施の形態3にも示したとおり、組をなす反射用画素電極2aの平面形状を、上記のように補助容量配線20が反射用画素電極2aに重畳される位置に配されている範囲内で、さまざまな形状としてもよい。
【0169】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、上記スイッチング素子は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とからなり、上記反射用画素電極は、第1のスイッチング素子を介して第1のゲート配線に接続され、上記透過用画素電極は、第2のスイッチング素子を介して第2のゲート配線に接続され、上記補助容量素子は、上記反射用画素電極に接続される反射用補助容量素子と、上記透過用画素電極に接続される透過用補助容量素子とを有し、第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅と、第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅と、上記第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、上記第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、上記反射用画素電極と上記対向電極との間の上記液晶層の容量と、上記透過用画素電極と上記対向電極との間の上記液晶層の容量と、上記反射用補助容量素子の容量と、上記透過用補助容量素子の容量とが、上記スイッチング素子のスイッチング時に生じる、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量と、透過用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量とが同じになるように設定されているものである。
【0170】
それゆえ、本発明の液晶表示装置では、液晶表示装置を長期間使用した場合に生じる、ムラやかすみといった表示不良の発生を抑えることができる。さらに、フリッカーの発生も抑制することができる。一方、上記反射用画素電極と透過用画素電極とを用いているため、光の利用効率は上がっている。それゆえ、周囲光の状態によらず、光の利用効率が高く、かつ高品位な表示を可能とし得るという効果を奏する。
【0171】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(r)、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(r)、および、上記反射用補助容量素子の容量をCcs(r)とし、第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(t)、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(t)、および、上記透過用補助容量素子の容量をCcs(t)とし、上記第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(r)、および、上記第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(t)とした場合に、ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))=ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t))なる関係を満たすものである。
【0172】
それゆえ、上記液晶表示装置では、上記反射用最適対向電圧と透過用最適対向電圧とを一致させることが可能となるという効果を奏する。
【0173】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、第1のゲート配線と、第2のゲート配線とに同一のゲート信号を入力するものである。
【0174】
それゆえ、反射用画素電極に接続されたゲート配線からのゲート信号の位相と、透過用画素電極に接続されたゲート配線からのゲート信号との位相とをずらす必要がなくなるため、位相をずらして順次ゲート信号を入力する場合と比較して、ゲート信号の周波数を半分にすることが可能となる。それゆえ、消費電力を低減しつつ、高品位な表示を可能とし得るという効果を奏する。
【0175】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、上記スイッチング素子は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とからなり、上記反射用画素電極は、第1のスイッチング素子を介して第1のゲート配線に接続され、上記透過用画素電極は、第2のスイッチング素子を介して第2のゲート配線に接続され、上記補助容量素子は、上記反射用画素電極に接続される反射用補助容量素子と、上記透過用画素電極に接続される透過用補助容量素子とを有し、上記第1のスイッチング素子および上記第2のスイッチング素子のスイッチング時に生じる、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフトおよび透過用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフトの後の、反射用画素電極と透過用画素電極とにおける、電圧波形についての時間軸に沿った中心軸の電圧を一致させるように、上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とによるそれぞれの表示タイミングにあわせて、第1のスイッチング素子を介して反射用画素電極に印加されるソース信号電圧と、第2のスイッチング素子を介して透過用画素電極に印加されるソース信号電圧とを異ならせておくものである。
【0176】
それゆえ、本発明の液晶表示装置では、液晶表示装置を長期間使用した場合に生じる、ムラやかすみといった表示不良の発生を抑えることができる。さらに、フリッカーの発生も抑制することができる。一方、上記反射用画素電極と透過用画素電極とを用いているため、光の利用効率は上がっている。それゆえ、周囲光の状態によらず、光の利用効率が高く、かつ高品位な表示を可能とし得るという効果を奏する。
【0177】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(r)、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(r)、および、上記反射用補助容量素子の容量をCcs(r)とし、第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(t)、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(t)、および、上記透過用補助容量素子の容量をCcs(t)とし、上記第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(r)、および、上記第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(t)とした場合に、上記反射用画素電極に印加されるソース信号電圧と、上記透過用画素電極に印加されるソース信号電圧との差ΔVsは、ΔVs=ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))−ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t))なる関係を満たすものである。
【0178】
それゆえ、反射用画素電極のシフト後の電位と、透過用画素電極のシフト後の電位とが、上記のソース信号電圧の差ΔVsにより、一致することになる。それゆえ、上記液晶表示装置では、上記反射用最適対向電圧と透過用最適対向電圧とを一致させることが可能となるという効果を奏する。
【0179】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さを、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さよりも大きくするものである。
【0180】
それゆえ、上記反射画素電極の領域に対応する液晶層と、上記透過画素電極の領域に対応する液晶層とにおける光の特性の変化を揃えることができる。それゆえ、光の利用効率をさらに高くすることが可能となるという効果を奏する。
【0181】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さを、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さの2倍とするものである。
【0182】
それゆえ、上記反射画素電極の領域に対応する液晶層と、上記透過画素電極の領域に対応する液晶層とにおける光の特性の変化を一致させることができる。それゆえ、光の利用効率をいっそう高くすることが可能となるという効果を奏する。
【0183】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、透過用画素電極の周辺部が、一層以上の絶縁膜を介して、組をなす反射用画素電極により重畳されているものである。
【0184】
それゆえ、液晶表示装置全体での開口率が高くなり、光の利用効率を上げることが可能となるという効果を奏する。
【0185】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、反射用補助容量素子は、反射用補助容量配線と、反射用画素電極と電気的に接続された導電膜とにより形成され、透過用補助容量素子は、透過用補助容量配線と、透過用画素電極とにより形成され、上記反射用補助容量配線と上記透過用補助容量配線とが、組をなす反射用画素電極と透過用画素電極では同一配線であり、上記補助容量配線は、反射用画素電極が重畳していない透過用画素電極の領域とは重畳しないものである。
【0186】
それゆえ、上記透過用画素電極の液晶表示に利用される実面積を、補助容量配線の面積分、さらに増加させることが可能となる。それゆえ、液晶表示装置全体での開口率をさらに高くすることができ、光の利用効率をいっそう上げることが可能となるという効果を奏する。
【0187】
また、本発明の液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、第1のゲート配線と第2のゲート配線とが、組をなす反射用画素電極と透過用画素電極とでは同一配線であるものである。
【0188】
したがって、上記画素の微細化を図ることができ、解像度の高い液晶表示装置が得られると同時に、液晶表示装置の生産時の歩留まりを大幅に低減することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるアクティブマトリックス基板の実施の一形態を示す平面図である。
【図2】上記アクティブマトリックス基板を液晶表示装置に用いた場合の上記アクティブマトリックス基板のA−A線矢視断面図である。
【図3】上記アクティブマトリックス基板を液晶表示装置に用いた場合の上記アクティブマトリックス基板のB−B線矢視断面図である。
【図4】上記アクティブマトリックス基板を液晶表示装置に用いた場合の上記アクティブマトリックス基板のC−C線矢視断面図である。
【図5】(a)は上記アクティブマトリックス基板における透過用画素電極に接続される薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極に入力される補正されたゲート信号を示す波形図であり、(b)は上記アクティブマトリックス基板における透過用画素電極に印加される補正されたドレイン電圧を示す信号の波形図である。
【図6】(a)は上記アクティブマトリックス基板におけるソース電極に入力される補正されたソース信号の波形図であり、(b)は上記アクティブマトリックス基板における透過用画素電極に印加される補正されたドレイン電圧を示す信号の波形図である。
【図7】本発明におけるアクティブマトリックス基板の他の実施の一形態を示す平面図である
【図8】上記アクティブマトリックス基板を液晶表示装置に用いた場合の上記アクティブマトリックス基板のD−D線矢視断面図である。
【図9】本発明におけるアクティブマトリックス基板のさらに他の実施の一形態を示す平面図である
【図10】上記アクティブマトリックス基板を液晶表示装置に用いた場合の上記アクティブマトリックス基板のE−E線矢視断面図である。
【図11】上記アクティブマトリックス基板を液晶表示装置に用いた場合の上記アクティブマトリックス基板のF−F線矢視断面図である。
【図12】本発明におけるアクティブマトリックス基板のさらに他の実施の一形態を示す平面図である
【図13】従来のアクティブマトリックス基板を示す平面図である。
【図14】(a)は上記従来のアクティブマトリックス基板における反射用画素電極に接続される薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極に入力されるゲート信号を示す波形図であり、(b)は上記従来のアクティブマトリックス基板における透過用画素電極に接続される薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極に入力されるゲート信号の波形図であり、(c)は上記従来のアクティブマトリックス基板におけるソース電極に入力されるソース信号を示す波形図であり、(d)は上記従来のアクティブマトリックス基板における反射用画素電極に印加されるドレイン電圧を示す信号の波形図であり、(e)は上記従来のアクティブマトリックス基板における透過用画素電極に印加されるドレイン電圧を示す信号の波形図である。
【符号の説明】
1a・1b・1c・1d アクティブマトリックス基板
2 画素電極
2a 反射用画素電極
2b 透過用画素電極
3 ゲート配線
3a 反射用ゲート配線 (第1のゲート配線)
3b 透過用ゲート配線(第2のゲート配線)
4 ソース配線
5 薄膜トランジスタ (スイッチング素子)
5a 反射用薄膜トランジスタ (第1のスイッチング素子)
5b 透過用薄膜トランジスタ (第2のスイッチング素子)
6 ゲート電極
6a 反射用ゲート電極
6b 透過用ゲート電極
7 ソース電極
7a 反射用ソース電極
7b 透過用ソース電極
8 ドレイン電極
8a 反射用ドレイン電極
8b 透過用ドレイン電極
9 コンタクトホール
10 接続電極
11 ゲート絶縁膜
12 補助容量配線
12a 反射用補助容量配線
12b 透過用補助容量配線
13 対向基板
14 対向電極
15 透明絶縁性基板
16 半導体層
17 ドーピングされた半導体層
18 層間絶縁膜 (絶縁膜)
19 補助容量電極(導電膜)
20 補助容量配線
21 ゲート配線
22 ソース配線
23 薄膜トランジスタ(TFT)
24 コンタクトホール
25 接続配線
26 反射領域・反射用画素電極
27 補助容量配線
28 透過領域・透過用画素電極
29 液晶層
P1・P2 開口部

Claims (10)

  1. 反射表示を行うための反射用画素電極と透過表示を行うための透過用画素電極とを有するマトリックス状に配された複数の画素電極と、上記画素電極の電位を保持する補助容量素子と、ソース信号を供給するソース配線と、ゲート信号を供給するゲート配線と、ソース電極とゲート電極とドレイン電極とを備える、上記ゲート信号によって選択されてソース信号を上記画素電極に与えるスイッチング素子とを有するアクティブマトリックス基板と、
    上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とに対向する対向電極を有する対向基板と、
    上記アクティブマトリックス基板と上記対向基板との間に形成される液晶層とを備える液晶表示装置において、
    上記スイッチング素子は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とからなり、
    上記反射用画素電極は、第1のスイッチング素子を介して第1のゲート配線に接続され、
    上記透過用画素電極は、第2のスイッチング素子を介して第2のゲート配線に接続され、
    上記補助容量素子は、上記反射用画素電極に接続される反射用補助容量素子と、上記透過用画素電極に接続される透過用補助容量素子とを有し、
    第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅と、第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅と、上記第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、上記第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量と、上記反射用画素電極と上記対向電極との間の上記液晶層の容量と、上記透過用画素電極と上記対向電極との間の上記液晶層の容量と、上記反射用補助容量素子の容量と、上記透過用補助容量素子の容量とが、上記スイッチング素子のスイッチング時に生じる、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量と、透過用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフト量とが同じになるように設定されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(r)、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(r)、および、上記反射用補助容量素子の容量をCcs(r)とし、
    第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(t)、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(t)、および、上記透過用補助容量素子の容量をCcs(t)とし、
    上記第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(r)、および、上記第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(t)とした場合に、
    ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))=ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t))
    なる関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 第1のゲート配線と、第2のゲート配線とに同一のゲート信号を入力することを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 反射表示を行うための反射用画素電極と透過表示を行うための透過用画素電極とを有するマトリックス状に配された複数の画素電極と、上記画素電極の電位を保持する補助容量素子と、ソース信号を供給するソース配線と、ゲート信号を供給するゲート配線と、ソース電極とゲート電極とドレイン電極とを備える、上記ゲート信号によって選択されてソース信号を上記画素電極に与えるスイッチング素子とを有するアクティブマトリックス基板と、
    上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とに対向する対向電極を有する対向基板と、
    上記アクティブマトリックス基板と上記対向基板との間に形成される液晶層とを備える液晶表示装置において、
    上記スイッチング素子は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とからなり、
    上記反射用画素電極は、第1のスイッチング素子を介して第1のゲート配線に接続され、
    上記透過用画素電極は、第2のスイッチング素子を介して第2のゲート配線に接続され、
    上記補助容量素子は、上記反射用画素電極に接続される反射用補助容量素子と、上記透過用画素電極に接続される透過用補助容量素子とを有し、
    上記第1のスイッチング素子および上記第2のスイッチング素子のスイッチング時に生じる、反射用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフトおよび透過用画素電極電位のソース信号電圧からの電圧シフトの後の、反射用画素電極と透過用画素電極とにおける、電圧波形についての時間軸に沿った中心軸の電圧を一致させるように、
    上記反射用画素電極と上記透過用画素電極とによるそれぞれの表示タイミングにあわせて、第1のスイッチング素子を介して反射用画素電極に印加されるソース信号電圧と、第2のスイッチング素子を介して透過用画素電極に印加されるソース信号電圧とを異ならせておくことを特徴とする液晶表示装置。
  5. 第1のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(r)、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(r)、および、上記反射用補助容量素子の容量をCcs(r)とし、
    第2のスイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間の寄生容量をCgd(t)、透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の容量をClc(t)、および、上記透過用補助容量素子の容量をCcs(t)とし、
    上記第1のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(r)、および、上記第2のゲート配線に入力されるゲート信号の振幅をΔVg(t)とした場合に、
    上記反射用画素電極に印加されるソース信号電圧と、上記透過用画素電極に印加されるソース信号電圧との差ΔVsは、
    ΔVs=ΔVg(r)×Cgd(r)/(Cgd(r)+Clc(r)+Ccs(r))−ΔVg(t)×Cgd(t)/(Cgd(t)+Clc(t)+Ccs(t))
    なる関係を満たすことを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置。
  6. 透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さを、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さよりも大きくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 透過用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さを、反射用画素電極と対向電極との間の液晶層の厚さの2倍とすることを特徴とする請求項6記載の液晶表示装置。
  8. 透過用画素電極の周辺部が、一層以上の絶縁膜を介して、組をなす反射用画素電極により重畳されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  9. 反射用補助容量素子は、反射用補助容量配線と、反射用画素電極と電気的に接続された導電膜とにより形成され、
    透過用補助容量素子は、透過用補助容量配線と、透過用画素電極とにより形成され、
    上記反射用補助容量配線と上記透過用補助容量配線とが、組をなす反射用画素電極と透過用画素電極では同一配線であり、
    上記補助容量配線は、反射用画素電極が重畳していない透過用画素電極の領域とは重畳しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 第1のゲート配線と第2のゲート配線とが、組をなす反射用画素電極と透過用画素電極とでは同一配線であることを特徴とする請求項9記載の液晶表示装置。
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