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JP3788945B2 - 多重化光伝送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的短距離の高速配線を光伝送により行う光配線装置に係わり、特に複数の信号に対し一つの光伝送路で光配線するようにした多重化光配線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタ等の電子デバイスの性能向上に伴い電気配線の限界が問題となっており、この電気配線に代わるものとして、LSI間やプリント基板間を光で接続する光配線が提案されている。光配線の特徴は、信号伝送路が直流から数十GHz以上の周波数領域で損失などの周波数依存性が殆ど無く、また、電磁障害や接地電位変動雑音が無いため高速配線が容易なことにある。図12に、従来の光配線装置の一例を示す。
【0003】
図12において、1は光送信部、6は光受信部、4は光伝送路(光ファイバなど)、2は発光素子駆動回路、3は発光素子(半導体レーザなど)、7は受光素子(pinフォトダイオードなど)、8は電流電圧変換器(トランスインピーダンスアンプなど)、9は識別回路(デジタル再生器)であり、ここでは複数信号を複数の光伝送路により配線する並列光配線の例を示している。
【0004】
このような光配線装置では、各光配線チャネルに数Gbpsの信号を割り当てることが可能であり、その光配線チャネル数倍の信号が総配線容量として配線可能である。例えば、光配線チャネル当たりのデータ容量を5Gbpsとし、光配線チャネル数を32chとすれば、総配線容量として160Gbps(20GBps:Bはバイト単位を示す)といった非常に大容量の配線が可能になる。
【0005】
図13は、図12で示したような光配線装置で配線される信号の例を模式的に示したものであり、各光配線チャネルを通る信号波形を表す。図13において、CLKはクロック波形、Data1からData4は各データ波形を表している。一般に、デジタルLSI内部で用いられるデータは、クロック単位で“1”,“0”となる波形を有し、所謂NRZ(Non Return to Zero)信号となっているが、クロックは単位期間(1クロック)内で一周期する信号であり、その伝送にはデータチャネルの約2倍の伝送帯域が必要となる。
【0006】
例えば、前述した光配線チャネル当たり5Gbpsの光配線装置の場合、データ信号は基本周波数2.5GHzで、デジタル波形伝送のため3.5GHz程度の伝送帯域が必要となるが、クロック信号は基本周波数が5GHzであり、デジタル波形伝送のため7GHz程度の伝送帯域が必要となる。このため、クロック信号を同時転送する光配線装置においては、クロック信号チャネルの伝送帯域を2倍とする、2つのチャネルを用いて位相の異なる倍周期クロックを転送して合成するなどの手法が用いられてきた。
【0007】
なお、配線チャネル数の有効利用のためクロック信号の転送を行わず、データ波形からクロック抽出を行う方法もあるが、クロック抽出回路が必要となることや、NRZ信号からのクロック抽出が困難な場合(長周期データ:“11111・・・”など)もあり、確実な信号配線としてはクロック転送することが望ましい。従って、従来の光配線装置では、並列光配線を行う場合などにクロック信号チャネルの帯域制限に合わせてデータ信号チャネル伝送帯域を設定する必要があった。
【0008】
一方、図12に示したような従来の光配線装置においては、データ信号数分の光配線チャネルを用いるため、非常に多数のデータを配線する場合に光配線路が相応の数量を必要とし、配線の肥大化や可撓性が問題となることもあった。また、光配線路当たりの信号容量が、光素子や電子回路の動作帯域で制限されるという限界もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の光配線装置においては、クロック信号による帯域制限、光配線路の肥大化や可撓性喪失、光配線路当たりの信号帯域が光素子や電子回路の動作帯域により制限されるなどの問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、光配線チャネルの信号帯域効率化、光配線路当たりの信号容量の拡大を可能とする多重化光配線装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(構成)
本発明の骨子は、クロック信号帯域とデータ信号帯域の均等化、光合成の多値信号伝送により、光配線チャネル効率化と光配線路当たりの信号容量拡大を図るものである。
【0012】
即ち本発明は、クロック同期された複数のNRZ信号をクロック信号と共に光伝送路を用いて伝送する光配線装置であって、前記複数のNRZ信号を2つずつのペアに分け、各々のペア毎にNRZ信号を合成して前記クロック信号とほぼ同じ帯域周波数を有する光信号にし、各々のペアをそれぞれ1つの光伝送路に伝送させることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、クロック同期された2つのNRZ信号に対し、1つの光伝送路を用いて配線する多重化光配線装置であって、
(1)第1のNRZ信号をクロック信号との論理積により第1のRZ信号に変換する手段と、第2のNRZ信号を反転クロック信号との論理積により第2のRZ信号に変換する手段と、第1及び第2のRZ信号を合成して1つの光伝送路により伝送する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0014】
(2)第1のNRZ信号をクロック信号との論理積により変換して得られる第1のRZ信号と第2のNRZ信号を反転クロック信号との論理積により変換して得られる第2のRZ信号とが合成されて光伝送された合成信号を入力する手段と、前記入力された合成信号と前記クロック信号との論理積により第1のRZ信号を抽出する手段と、前記入力された合成信号と前記反転クロック信号との論理積により第2のRZ信号を抽出する手段と、前記抽出された第1のRZ信号及び第2のRZ信号をそれぞれNRZ信号への変換と位相調整を行って2つのNRZ信号を再生する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0015】
(3)第1のNRZ信号をクロック信号との論理積により変換して得られる第1のRZ信号と第2のNRZ信号を反転クロック信号との論理積により変換して得られる第2のRZ信号とが合成されて光伝送された合成信号を入力する手段と、前記入力された合成信号に対し、1/4周期シフトしたクロック信号のパルスエッジをトリガーとして信号の識別再生を行う手段と、前記クロック信号のパルスエッジの立ち上がりと立ち下りの識別結果を分離することにより前記2つのNRZ信号を再生する手段とを具備してなることを特徴とする多重化光配線装置。
【0016】
(4)上記の(1)+(2)の構成を特徴とする。
(5)上記の(1)+(3)の構成を特徴とする。
【0017】
また本発明は、クロック同期された2つのデジタル信号に対し、1つの光伝送路を用いて配線する多重化光配線装置であって、
(a)第1のデジタル信号による第1の光信号と第2のデジタル信号による第2の光信号との振幅比が1:2又は2:1となるように光信号合成して1つの光伝送路により伝送することを特徴とする。
【0018】
(b)第1のデジタル信号による第1の光信号と第2のデジタル信号による第2の光信号との振幅比が1:2又は2:1となるように光信号合成されて伝送された合成信号を入力する手段と、前記入力された合成信号に対し、3段階のしきい値からなる判別回路によりデジタル判定を行い、中央しきい値判別結果(B)を第1(又は第2)のデジタル信号、下部しきい値判別結果(A)及び中央しきい値判別結果(B)否定値の論理積と上部しきい値判別結果(C)との論理和、又は(A−B)+Cの論理演算値を第2(又は第1)のデジタル信号として再生する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0019】
(c)上記の(a)+(b)の構成を特徴とする。
【0020】
(作用)
本発明によれば、クロック信号の同時転送を行う並列光配線において、各データチャネルがクロックチャネルと同等信号帯域、即ち従来の2倍の信号配線容量を持たせることができるため、光配線路のデータ配線容量がクロック信号帯域で制限されることなく最大化可能になる。また、電子回路や光素子の動作帯域負担が従来技術と同等でありながら、多値信号による配線容量の倍レート化が可能であり、光配線チャネル当たりの信号容量を2倍若しくは4倍に拡大可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を示す概略構成図であり、多重化光配線装置の光送信部を示している。図中、10は光送信部、11,12は発光素子駆動回路、13は半導体レーザなどの発光素子、20は光ファイバなどの光配線路(光伝送路)であり、発光素子駆動回路11は1つの入力(クロック)に応じた駆動を行い、発光素子駆動回路12は2つの入力(データ)の論理積(AND)に応じた駆動を行うようになっている。また、CLKはクロック入力、Data1からData4は入力データ、OCLKは光クロック信号、OCHA,OCHBは光データ信号である。入力データは実際には数十個あるが、説明を簡単にするために図では4つを示している。
【0023】
ここでは、各入力データとクロック信号、又は各入力データと反転クロックとの論理積信号で光素子を駆動し、光配線路にクロック論理積信号と反転クロック論理積信号をペアで入力している。従って、各光配線信号は2つの入力データが多重化されている。この動作内容を、図2により説明する。
【0024】
図2は、図1に示した光送信部10における動作状況を表すタイムチャートであり、横軸は時間である。図2において、CLK+はクロック信号、CLK−は反転クロック信号であり、実際にはCLK−は図1の発光素子駆動回路12(反転入力付き)の中での信号である。
【0025】
まず、Data1の信号は発光素子駆動回路12(反転入力無し)によりクロック信号との論理積値に変換される(駆動波形)。また、Data2の信号は発光素子駆動回路12(反転入力付き)により反転クロック信号との論理積値に変換される(駆動波形)。これらの信号(駆動波形)は、クロック周期内で必ず零に戻るRZ(Retun to Zero)信号であり、RZ変換された後のData1とData2は、クロック信号の半周期ずれた信号となっている。
【0026】
これらのRZ信号により、各チャネルの発光素子13が駆動され、それぞれ光のRZ信号に変換される。これを1つの光配線路20(光ファイバなど)に光結合させてやると、各光RZ信号がクロック半周期分ずれているため、光配線路20内ではRZ信号同士の重なりはなく、RZ信号間の境界部にRZ信号の過渡応答波形に応じた窪みや膨らみが生じるだけである。
【0027】
この結果、データ信号がRZ信号であることから各発光素子13の変調帯域はNRZ信号の2倍が必要になるが、本来、クロックチャネルを変調する帯域と同等であることから、無駄に帯域制限していたものを本来の動作能力に見合うようにしただけのこととなる。むしろ、光配線路20(光配線チャネル)としてみれば、2倍の信号を収容することになり、2本必要だった光配線路20が1本で済むようになるという、大きな効果が得られる。例えば、従来技術の項で述べた160Gbpsの例に本実施形態を適用すると、必要光配線路20は32chから17chへと激減する。
【0028】
このように本実施形態の並列光配線装置では、クロックチャネルとデータチャネルが同等帯域で駆動されて帯域の無駄がなくなり、必要となる光配線路数も入力信号数の1/2に1を足した数となって、光配線チャネルの信号伝送効率が大幅に向上できる。図1の実施形態における信号合成部の具体構造としては、図3に示すように2つの発光素子13を同一基板15上に作成し、光配線路20に光結合すればよい。このとき、光配線路20にマルチモード光ファイバなどを用いれば、2つの発光素子13の光を余り損なわずに結合可能となる。
【0029】
次に、図1の光送信部で得られた多重化光信号を元の信号に再生するための光受信部について説明する。基本的には、多重化プロセスの逆過程を取ることで再生が可能となる。図4は、第1の実施形態に係わる多重化光配線装置における光受信部を示す概略構成図である。
【0030】
図中、20は光配線路、30は光受信部、31はpinフォトダイオードなどの受光素子、32はトランスインピーダンスアンプなどの電流電圧変換器、33は識別器、34は抽出再生器、35は34の抽出再生器分の遅延調整器である。ここで、抽出再生器34は、複合化された2つのRZ信号のうちクロック論理積信号(反転入力無し)と反転クロック論理積信号(反転入力付き)を抽出するものであり、RZ信号をNRZ信号に再生する機能(図示せず)を含む。
【0031】
クロック論理積信号と反転クロック論理積信号の抽出は、それぞれクロックとの論理積及び反転クロックとの論理積で自動的に抽出可能である。また、RZ信号のNRZ信号への変換は、例えばクロック論理積信号の場合、抽出信号の1/2クロックシフト信号と1クロックシフト信号の合成、反転クロック論理積信号の場合、抽出信号と抽出信号の1/2クロックシフト信号の合成により得られる。このとき、元のクロックタイミングに対して各データは1/2クロックシフトしているため、クロック信号は遅延調整器35で半周期シフト(例えば反転操作)することで光送信部入力のタイミングを回復できる。
【0032】
なお、光送信部10と光受信部30とは同一基板上に形成されたものであってもよいし、各々が独立した基板に形成されたものであってもよい。光送信部10と光受信部30を独立した基板に設けた場合、各々の基板間を比較的短い光ファイバを用いて光結合すればよい。
【0033】
次に、多重化光信号を元の信号に再生するための光受信部の別の構成例を説明する。図5は、第1の実施形態に係わる多重化光配線装置における光受信部を示す概略構成図である。図中、20は光配線路、40は光受信部、31はpinフォトダイオードなどの受光素子、32はトランスインピーダンスアンプなどの電流電圧変換器、33は識別器、36はクロックエッジ同期の識別分離器である。
【0034】
識別器33で再生されたクロック信号が識別分離器36に入力され、識別分離器36は、クロック立ち上がりでの識別信号とクロック立ち下がりでの識別信号を分離出力する。このとき、識別分離器36の識別タイミングがクロック信号の1/4周期シフト(RZ信号の中央に位置)したタイミングとなるよう、識別器33の出力、又は識別分離器36の入力を調整する。クロック立ち上がり又はクロック立ち下がりは、クロック周期毎に入力されるため、次の識別タイミングが来るまで識別分離器36の出力を保持するようにすれば、自動的にNRZ信号が再生される。また、このとき識別分離された2つのNRZ信号は、互いに1/2クロック位相がずれており、先に識別した信号を識別分離器36内で1/2クロックシフトすることでデータタイミングの調整が可能である。
【0035】
なお、図1の例では、2つの発光素子で別々に変調した光信号を後で合成したが、この代わりに、電気段階で2つのRZ信号を論理和(OR)演算(図2の光波形に相当)してから1つの発光素子を変調するようにしてもよい。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0037】
図6は、本発明の第2の実施形態を示す概略構成図であり、多重化光配線装置の光送信部を示している。図中、60は光送信部、11,16は発光素子駆動回路、13は半導体レーザなどの発光素子、20は光ファイバなどの光配線路であり、クロックによる発光素子駆動回路11及びデータによる発光素子駆動回路16は共に1つの入力に応じた駆動を行うようになっている。そして、Data1とData2、Data3とData4というように2つの光信号を1つの光配線路20に光結合している。
【0038】
このとき、1つの光配線路20に結合する2つの光信号は、信号振幅が1:2又は2:1となるようにする。これには、駆動回路16の駆動振幅を1:2又は2:1にして光結合効率を一定にする方法と、駆動回路16の駆動振幅を同一として光結合効率を1:2又は2:1にする方法の2通りが適用できる。前者は、消費電力が最小値であるが、発光素子13の駆動条件が異なるため光出力波形に差が現れることがある。また後者は、発光素子13の光出力波形は同一となるが、一方の素子の光が半分廃棄される分、消費電力が多くなる。一般には、高速伝送を目的として光配線するため、後者を用いることが望ましい。このようにして送出した光信号は、光配線路20内で合成されて4値の光信号となる。これを、図7により説明する。
【0039】
図7は、図6に示した光送信部における動作状況を表すタイムチャートであり、横軸は時間である。1:2又は2:1の振幅割合で光配線路20に導入される光信号は、図7中央のように元のデータ波形と相似である。これを合成すると、光は単純な重ね合せ波形となり、2つの光信号が“0”の場合0、振幅1のみが“1”の場合1、振幅2のみが“1”の場合2、両方が“1”の場合3というように、0から3までの4段階の値をとるような4値信号となる。デジタル(2値)演算で表現すれば、“00”から“11”までの信号に相当し、これは即ち、1ビット期間で2ビットの情報を伝送することに相当し、2倍の信号帯域が得られる。
【0040】
図6の実施形態における信号合成部の具体構造としては、前記図3に示すように2つの発光素子13を同一基板15に作成し、光配線路20に光結合すればよい。このとき、光配線路20にマルチモード光ファイバなどを用いれば、2つの発光素子13の光を余り損なわずに結合可能となり、光結合効率による振幅調整の場合、振幅を2にする発光素子の側に光配線路を偏らせることで光結合効率の調整が可能である。
【0041】
次に、図6の光送信部で得られた多重化光信号を元の信号に再生するための光受信部について説明する。図8は、第2の実施形態に係わる多重化光配線装置における光受信部を示す概略構成図である。
【0042】
図中、20は光配線路、70は光受信部、31はpinフォトダイオードなどの受光素子、32はトランスインピーダンスアンプなどの電流電圧変換器、33は識別器、37は再生演算器、35は37の演算再生器分の遅延調整器である。
【0043】
動作としては、まず、図7の4値光信号をクロック同期させて図7の3つの一転鎖線(下からV1,V2,V3とする)をしきい値とし2値識別する。このとき、V2の識別値(B)は、元の振幅2の信号そのものであり、これを1つの再生信号として出力する。次に、V1識別値(A)からV2識別値を2値演算で減算する(A−B)、又はV1識別値とV2識別値の論理否定値(NOT)との論理積をとることにより、元の振幅2の信号を排除する。その後、これにV3識別値(C)の論理和((A−B)+C)を作れば元の振幅1の信号が再生できる。図9に、演算再生器37の具体的構成例を示す。上記の演算はこのような簡易な論理回路構成で実現することができる。
【0044】
このように本実施形態によれば、光配線路当たりの信号伝送容量を2倍化することが可能であり、先の第1の実施形態と同様の効果が得られる。しかも、2つのNRZ信号の合成に際して複雑な電子回路を必要とせず、2つの発光素子の光配線路に対する結合割合を考慮するのみで簡易に実現することができる。
【0045】
また、前述した第1の実施形態と第2の実施形態は組み合わせて適用することも可能である。例えば、図10に示すように4つの発光素子13を同一基板15上に作成し、このとき図11に示すように菱形状の配置として光結合を行うことで、4つのRZ信号を1:2振幅結合し、複合RZ信号の4値多重を行う。即ち、光配線路当たりの信号伝送容量を4倍化することが可能である。
【0046】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、Data1とData2でそれぞれ発光素子を駆動し、各々の発光素子からの光を光配線路に入力することにより合成したが、2つのDataを電気信号の状態で合成した後に1つの発光素子を駆動するようにしてもよい。また、信号再生側では光配線路を介して送信側からのクロック信号入力したが、このクロック信号の入力は必ずしも必要としない。入力データにはクロック信号が含まれているため、入力データからクロックを抽出し、これを用いるようにしてもよい。
【0047】
また、発光素子は半導体レーザに限るものではなく、発光ダイオードを用いることも可能である。同様に、受光素子はpinフォトダイオード限るものではなく、pn接合のフォトダイオードやフォトトランジスタを用いることも可能である。また、光配線路は光ファイバに限るものではなく、基板上に形成した光導波路であってもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、光配線路当たりの信号伝送量を従来の2倍又は4倍とし、大幅な配線容量の向上が可能となる。これにより、小型で超高速のシステムを実現して高速大容量の情報機器や通信機器の大幅な性能向上を促す。即ち、高度情報社会及び産業の発展に大きく寄与するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる多重化光配線装置の光送信部構成を示すブロック図。
【図2】図1の光送信部における信号変換の様子を示す信号波形図。
【図3】図1の光送信部における信号合成部の具体的構造を示す概略構成図。
【図4】第1の実施形態に係わる多重化光配線装置の光受信部構成を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態に係わる多重化光配線装置の光受信部構成の他の例を示すブロック図。
【図6】第2の実施形態に係わる多重化光配線装置の光送信部構成を示すブロック図。
【図7】図6の光送信部における信号変換の様子を示す信号波形図。
【図8】第2の実施形態に係わる多重化光配線装置の光受信部構成を示すブロック図。
【図9】図8の光受信部における演算再生器の具体的構造を示す回路構成図。
【図10】光送信部における信号合成部の具体的構造を示す概略構成図。
【図11】光送信部における信号合成部の発光素子の配置例を示す平面図。
【図12】従来の光配線装置を示す概略構成図。
【図13】従来の光配線装置における動作を説明するための信号波形図。
【符号の説明】
10,60…光送信部
11…クロック用の発光素子駆動回路
12,16…データ用の発光素子駆動回路
13…発光素子
15…基板
20…光配線路
30,40,70…光受信部
31…受光素子
32…電流電圧変換器
33…識別器
34…抽出再生器
35…遅延調整器
36…識別分離器
37…演算再生器

Claims (4)

  1. クロック同期された2つのNRZ信号とクロック信号を別々の光伝送路を用いて伝送する光送信部と、伝送された各信号を受信する光受信部とを備えた多重化光伝送装置であって、
    前記光送信部は、第1のNRZ信号をクロック信号との論理積により第1のRZ信号に変換する手段と、第2のNRZ信号を前記クロック信号の反転信号との論理積により第2のRZ信号に変換する手段と、前記クロック信号を光に変換して第1の光伝送路により光伝送する手段と、第1のRZ信号と第2のRZ信号を光に変換した後に合成して得られる合成信号を第2の光伝送路により光伝送する手段とを有してなり、
    前記光受信部は、前記光伝送されたクロック信号を電気信号に変換する手段と、前記光伝送された合成信号を電気信号に変換する手段と、前記変換された合成信号と前記変換されたクロック信号との論理積により第1のRZ信号を抽出する手段と、前記変換された合成信号と前記変換されたクロック信号の反転信号との論理積により第2のRZ信号を抽出する手段と、前記抽出された第1及び第2のRZ信号をそれぞれNRZ信号への変換と位相調整を行って前記2つのNRZ信号を再生する手段とを有してなることを特徴とする多重化光伝送装置。
  2. クロック同期された2つのNRZ信号とクロック信号を別々の光伝送路を用いて伝送する光送信部と、伝送された各信号を受信する光受信部とを備えた多重化光伝送装置であって、
    前記光送信部は、第1のNRZ信号をクロック信号との論理積により第1のRZ信号に変換する手段と、第2のNRZ信号を前記クロック信号の反転信号との論理積により第2のRZ信号に変換する手段と、前記クロック信号を光に変換して第1の光伝送路により光伝送する手段と、第1及のRZ信号と第2のRZ信号を光に変換した後に合成して得られる合成信号を第2の光伝送路により光伝送する手段とを有してなり、
    前記光受信部は、前記光伝送されたクロック信号を電気信号に変換する手段と、前記光伝送された合成信号を電気信号に変換する手段と、前記電気信号に変換された合成信号に対し、前記電気信号に変換されたクロック信号を該クロック信号の1/4周期シフトした信号のパルスエッジをトリガーとして識別再生を行い、前記パルスエッジの立ち上がりと立ち下りの識別結果を分離出力して前記2つのNRZ信号を再生する手段とを有してなることを特徴とする多重化光伝送装置。
  3. 前記光送信部には、第1のRZ信号により駆動される第1の発光素子と第2のRZ信号により駆動される第2の発光素子が設けられ、第1の発光素子の発する第1の光信号と第2の発光素子の発する第2の光信号を1つの光伝送路に入力して光伝送することを特徴とする請求項1又は2記載の多重化光伝送装置。
  4. 前記光伝送路は、マルチモード光ファイバであることを特徴とする請求項1又は2記載の多重化光伝送装置。
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