JP3778467B2 - 自立性繊維補強テープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自立性および電気絶縁性に優れた自立性繊維補強テープ、その製造方法およびそのテープを用いた自動巻取り式巻き尺に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ある長さのテープ状物の一端のみを保持して水平にしたとき、途中で折れ曲がらず、略直線状を保つことを自立性を有すると称している。
【0003】
従来から巻き尺は、そのスケール部分に自立性のテープ状物を必要とし、従来から金属製のものが使用されている。また、金属製以外のものとしては、炭素繊維補強テープが特開昭57−35702号公報に記載されているが、これらを電気工事現場で使用するには金属製のものと同様、感電の危険性があり使用範囲が限定される問題があった。
【0004】
この問題を解決するものとして、実開昭48−10465号公報には、「ガラス繊維とエポキシ樹脂を使用し、幅方向にアール(曲率)を持たせた巻尺」が記載されている。
【0005】
また、実公昭57−22081号公報には芳香族ポリアミド繊維を用いた巻き尺が記載され、特公昭63ー21121号公報にはガラス繊維からなる芯材に熱硬化性ポリエステル樹脂を含浸させた巻き尺が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガラス繊維は一度折ってしまうと自立性がなくなるため、樹脂の含浸が重要となり、通常のエポキシ樹脂を含浸させたのではガラスとの密着性が悪く、時間とともに自立性が減り、ケースの中に巻込んだ時の巻き癖もついてきて問題であった。
【0007】
また、ポリエステル樹脂は硬化が早くて生産性がよく、比較的安価で多様な成形法が可能であるなどの長所はあるものの、接着性、靭性、機械的強度、熱および寸法安定性、電気特性の点で問題があった。
【0008】
一方、芳香族ポリアミド繊維は強度および電気絶縁性に優れ、自立性テープにふさわしい材質であるが、上記実公昭57ー22081号公報には芳香族ポリアミドの織物の表面を樹脂で被覆することが記載されているが、具体的には可撓性樹脂、たとえばポリアミド類、ポリエステル類、軟質ポリ塩化ビニール、ポリウレタン類、ゴムなどの樹脂に埋め込むことが記載されているが、このような樹脂に埋め込んだのでは、自立性の良い又は高い(薄い)テープは得られない。
【0009】
本発明の目的は、上記の従来技術の欠点を解消し、自立性および電気絶縁性に優れた自立性繊維補強テープ、その製造方法およびそのテープを用いた巻き尺を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のような手段を採るものである。
(1)ガラス繊維および/またはアラミド繊維からなる帯状物であって、水系メラミン樹脂が含浸・硬化され、さらにその上に水系エポキシ樹脂がコーティングされていることを特徴とする自立性繊維補強テープ。
【0012】
(2)帯状物が、ガラス繊維および/またはアラミド繊維の織物であることを特徴とする上記(1)記載の自立性繊維補強テープ。
【0013】
(3)帯状物が、ガラス繊維とアラミド繊維の交織織物であることを特徴とする上記(1)記載の自立性繊維補強テープ。
【0014】
(4)帯状物が、よこ糸にガラス繊維を用い、たて糸にガラス繊維および/またはアラミド繊維を用いた交織織物であることを特徴とする上記(1)記載の自立性繊維補強テープ。
【0015】
(5)帯状物が幅方向に湾曲していることを特徴とする上記(1)記載の自立性繊維補強テープ。
【0016】
(6)ガラス繊維および/またはアラミド繊維からなる帯状物に水系メラミン樹脂を含浸し、さらにその上に水系エポキシ樹脂がコーティングし、形状付与手段によって帯状物の幅方向に湾曲させると共に前記水系メラミン樹脂を熱硬化させることを特徴とする自立性繊維補強テープの製造方法。
【0017】
(7)形状付与手段がロール、型またはガイドであることを特徴とする上記(7)記載の自立性繊維補強テープの製造方法。
【0018】
(8)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の自立性繊維補強テープをスケールとして用いた巻き尺。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明におけるガラス繊維とはガラスの長繊維であり、市販のものを使用できる。アラミド繊維も特に限定されず、パラ配向アラミド繊維あるいは共重合タイプのアラミド繊維を使用することができ、商品名としては”ケブラー”、”トワロン”、”テクノーラ”等が好ましく使用できる。
【0020】
本発明における帯状物とは、ガラス繊維および/またはアラミド繊維の織物または編み物を一定幅で長尺にしたもので、幅は0.5mmから50mmが好ましく、長さは連続して作られるので制限はない。ガラス繊維とアラミド繊維はそれぞれ単独で使用可能であるが、交織織物が好ましい。交織織物の場合、よこ糸にガラス繊維を用い、たて糸にガラス繊維および/またはアラミド繊維を用いることが好ましい。織り種は特限定されないが平織が寸法安定性がよく、好ましい。
【0021】
本発明においては、帯状物に水系メラミン樹脂を含浸させ、かつ硬化する。水系メラミン樹脂とは、そのままあるいは反応性界面活性剤を用いて水に分散させることができるものをいう。水系メラミン樹脂は硬化速度が速く、またテープに自立性を与える能力に優れているので含浸量は少量でよい。しかし、本発明では、テープの表面平滑性を向上させるために、さらにその上に水系エポキシ樹脂をコーティングする。水系エポキシ樹脂は、メラミン樹脂に比べて硬化速度が遅いので、単独で使用すると帯状物に含浸させたものを一度巻き取って、別の工程で硬化を行なう必要がある。従って、本発明における、メラミン樹脂の上にコーティングするエポキシ樹脂のコーティング膜は薄くすることが好ましい。水系エポキシ樹脂としては、水系ビスフェノールA(BPA)型エポキシ樹脂、水系ノボラック型エポキシ樹脂、水系ウレタン変性エポキシ樹脂などが好ましく使用できる。
【0022】
帯状物に樹脂を含浸させる方法は通常のディップ方式が好ましく、硬化は熱硬化が好ましい。帯状物に樹脂を含浸後、本発明においては、連続して帯状物を熱処理して、帯状物の幅方向に湾曲させることができる。湾曲させる手段としては、ロール、型、ガイドなどを用いることができ、通常加熱して、樹脂の硬化と同時に行う。湾曲の程度は、曲率半径7〜20mm程度が好ましい。曲率半径が小さいほど自立性はよくなるが、たとえば巻き尺用テープにしたとき、目盛りが読みにくいという不都合が生じるので、さらに好ましくは曲率半径9〜15mmである。
【0023】
本発明の繊維補強テープは、自立性および電気絶縁性に優れているので巻き尺、特に自動巻き込み式の巻き尺のテープとして有用である。
【0024】
【実施例】
たて糸としてガラス繊維(ユニカユーエムグラス社製)1501/2 とアラミド繊維(東レ・デュポン社製”ケブラー−49”)400dを使用し、19mm幅に合わせて32本使い、よこ糸として1501/2 のガラス繊維を25mm長に対して29本使って図1に示すような平織の帯状物を作成した。
【0025】
図2、3で示すような装置に、帯状物を通し、表1に示す樹脂を含浸させ、続いて帯状物を湾曲させると同時に樹脂の硬化を行った。ただし、本発明に係るサンプル4は、メラミン樹脂のバス4の後にエポキシ樹脂のコーティング工程(図示せず)を追加した。
【0026】
得られたテープを外径30mmの巻芯に巻いて1週間室温下で固定後、取りだし、自立性を図4に示す測定装置を用いて測定した。製造コストは水系エポキシ樹脂を用いたものを100として比較した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1の結果から、水系メラミン樹脂を含浸させたものは優れた自立性を示すことがわかる。水系エポキシ樹脂は自立性は十分であるが、硬化速度が遅いため、コスト高となる。水系メラミン樹脂の上に水系エポキシ樹脂をコーティングしたものは、エポキシ樹脂のコーティング膜を薄くしたので、メラミンの硬化工程をそのまま使って硬化することができ、若干のコスト高で済ますことができた。
【0029】
【発明の効果】
本発明の繊維補強テープはガラス繊維および/またはアラミド繊維をベースとして水系メラミン樹脂を含浸させ、かつ幅方向に湾曲させたものであるため、電気絶縁性に優れ、かつ自立性に優れており、巻き尺、特に自動巻き込み式巻き尺のメジャーテープとして特に優れている。また、水系メラミン樹脂は硬化速度が速いため、含浸と硬化を等速で、連続して行なうことができ、製造コストを低減することができ、かつ、前述の如く、水系メラミン樹脂の上に水系エポキシ樹脂を薄くコーティングしたので、若干のコスト高のみで、テープの表面平滑性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の帯状物の一例の織り組織示す。
【図2】 本発明の樹脂含浸および熱硬化装置の説明図を示す。
【図3】 本発明の湾曲化装置の説明図を示す。
【図4】本発明の自立性測定装置の説明図
【符号の説明】
1 たて糸
2 よこ糸
3 クリール
4 樹脂バス
5 加熱炉
6 帯状物
7 巻取機
8 湾曲ロール
9 湾曲ガイド
Claims (8)
- ガラス繊維および/またはアラミド繊維からなる帯状物であって、水系メラミン樹脂が含浸・硬化され、さらにその上に水系エポキシ樹脂がコーティングされていることを特徴とする自立性繊維補強テープ。
- 帯状物が、ガラス繊維および/またはアラミド繊維の織物であることを特徴とする請求項1記載の自立性繊維補強テープ。
- 帯状物が、ガラス繊維とアラミド繊維の交織織物であることを特徴とする請求項1記載の自立性繊維補強テープ。
- 帯状物が、よこ糸にガラス繊維を用い、たて糸にガラス繊維および/またはアラミド繊維を用いた交織織物であることを特徴とする請求項1記載の自立性繊維補強テープ。
- 帯状物が幅方向に湾曲していることを特徴とする請求項1記載の自立性繊維補強テープ。
- ガラス繊維および/またはアラミド繊維からなる帯状物に水系メラミン樹脂を含浸し、さらにその上に水系エポキシ樹脂がコーティングし、形状付与手段によって帯状物の幅方向に湾曲させると共に前記水系メラミン樹脂を熱硬化させることを特徴とする自立性繊維補強テープの製造方法。
- 形状付与手段がロール、型またはガイドであることを特徴とする請求項6記載の自立性繊維補強テープの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の自立性繊維補強テープをスケールとして用いた巻き尺。
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