JP3773550B2

JP3773550B2 - 使い捨ておむつ

Info

Publication number: JP3773550B2
Application number: JP33143393A
Authority: JP
Inventors: 憲一田畑
Original assignee: Daio Paper Corp
Current assignee: Daio Paper Corp
Priority date: 1993-12-27
Filing date: 1993-12-27
Publication date: 2006-05-10
Anticipated expiration: 2021-05-10
Also published as: JPH07184954A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、立体シート部および平面シート部を有する使い捨ておむつ等に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、市場に提供されている使い捨ておむつ等は、種々の改良が加えられ漏れ防止が図られている。たとえば、特開昭６２−２５０２０１号公報においては、おむつの脚回りに起立するバリヤーカフスを形成するとともに、その外側のサイドフラップ部において表面シートと裏面シートとの間に介在して弾性伸縮部材を配設し、サイドフラップ部に収縮力を与えてガスケットカフスを形成することで二重バリヤーを形成し、横漏れ防止を図っている。
【０００３】
一方、おむつの腰回りでは、おむつの腰回りを着用者にフィットさせて、その腰回り部分からの漏れ、いわゆる前後漏れを防止するためにおむつの幅方向に弾性伸縮部材を設けたり、さらには該腰部に使用面側に起立するバリヤーシートを設けたりする工夫がなされている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した使い捨ておむつの場合には、排液の漏れ防止の観点からは非常に有効であるけれども、その製作工程をみると、バリヤーシートを取付ける工程、バリヤーシートに対して弾性伸縮部材を固着して使用面側に起立するバリヤーカフスを形成する工程、サイドフラップ部に弾性伸縮部材を固着してガスケットカフスを形成する工程等、複雑な組立工程を踏まなければならない等の問題があった。
【０００５】
そこで、本発明の主たる課題は、組立工程数を少なくし、製作効率を向上させることができるとともに、漏れ防止効果の高い、使い捨ておむつを提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明のうち、請求項１記載の発明は、透液性表面シートと不透液性裏面シートとこれら両シートの間に吸収体が介在された使い捨ておむつにおいて、
前記使い捨ておむつの両側部における透液性表面シート上に、所定幅を有し、自体が材質的に長手方向の弾性伸縮性を有する脚部伸縮性シート状部材を略おむつ長手方向に沿って、前記長手方向の両端を除く長手方向の中間に配設するとともに、この脚部伸縮性シート状部材の幅方向外縁側部分をその長手方向に沿って連続的に固着し、かつ前記脚部伸縮性シート状部材の長手方向両端部をその全幅に渡って接着することにより、前記脚部伸縮性シート状部材の内縁側非固着部分で弾性伸縮性を有する立体シート部を形成し、並びに前記外縁側固着部分によって弾性伸縮性を有する平面シート部を形成し、前記立体シート部の長手方向両端は、前記吸収体上に位置する、
ことを特徴とする使い捨ておむつである。
【０００７】
請求項２記載の発明は、前記吸収体の前後端より外方の前後端部の少なくとも一方側における透液性表面シート上に、ある程度の幅を有する腰部伸縮性シート状部材をおむつ幅方向に沿って、前記脚部伸縮性シート状部材から離れて配設するとともに、この腰部伸縮性シート状部材の幅方向の外縁側部分をその長手方向に沿って連続的に固着し、腰部伸縮性シート状部材の内縁側非固着部分で腰部立体シート部を形成した請求項１記載の使い捨ておむつである。
【０００８】
請求項３記載の発明は、腰部立体シート部を形成すると同時に、固着した腰部伸縮性シート状部材の外縁側固着部分で腰バンドを形成した請求項２記載の使い捨ておむつである。
【０００９】
請求項４記載の発明は、脚部伸縮性シート状部材および腰部伸縮性シート状部材のうち少なくとも一方を平面的に視て、内方側に湾曲して固着した請求項１〜３のいずれか１項に記載の使い捨ておむつである。
【００１０】
前記脚部伸縮性シート状部材、腰部伸縮性シート状部材の各面または両面を、適宜、撥水処理を施すことにより、軟便の液分の横漏れおよび前後漏れを確実に防止することができる。
【００１１】
【作用】
本発明においては、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収体を介在させて組立てた後、ある程度の幅を有する脚部伸縮性シート状部材を用い、紙おむつ両側部の透液性表面シート上に配設することにより、この脚部伸縮性シート状部材自体で立体シート部を形成することができる。したがって、従来のような複雑な組立工程を経ることなく、１つの工程で簡単に立体シート部を一度に形成することができるようになり、もって製作効率を飛躍的に向上させることができる。
【００１２】
また、前記脚部伸縮性シート状部材の幅方向外縁側部分を固着し、その内縁側部分の非固着とすることにより、同時に立体シート部と平面シート部とを形成することができる。したがって、従来のような複雑な組立工程を経ることなく、１つの工程で簡単に立体シート部と平面シート部を一度に形成することができるようになり、もって製作効率を飛躍的に向上させることができる。
【００１３】
さらに、使い捨ておむつの腰部においても同様の方法により腰部立体シート部と腰バンドとを形成することができる。
【００１４】
この場合、特に前記脚部伸縮性シート状部材および腰部伸縮性シート状部材を平面的に視て、内方側に湾曲して固着して内縁側の伸縮力を強めることにより、立体シート部を効果的に起立させることができるとともに、紙おむつを船形に成形させることができる。
【００１５】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳説する。
図１において、本発明における紙おむつは、ポリエチレン等からなる不透液性裏面シート１と不織布などからなる透液性表面シート２との間に、綿状パルプ等からなる、たとえば長方形若しくは砂時計形状のある程度剛性を有する吸収体３が介在されている。吸収体３はその形状保持のために吸収紙（図示せず）により包むことができる。不透液性裏面シート１は吸収体３の周囲より外方に延在して砂時計形状を成しているとともに、これに相応して透液性表面シート２が吸収体３の周囲より外方に延在してホットメルト接着剤等により接合されている。前記不透液性裏面シート１と透液性表面シート２とでおむつ中間の両側部分にサイドフラップＳＦが形成されるとともに、おむつの前後端部にエンドフラップＥＦが形成されている。なお、背側の両側にはそれぞれ止着テープ６、６が固着されている。
【００１６】
使い捨ておむつの両側のサイドフラップ部分ＳＦ（正確には吸収体３とサイドフラップ部ＳＦに跨がって）の表面側に、ある程度の幅を有する脚部伸縮性シート状部材４、４をおむつ長手方向に沿って、このおむつ長手方向の両端を除く長手方向の中間に配設し、この脚部伸縮性シート状部材４の幅方向の外縁側部分をその長手方向に沿って連続的または断続的に固着することにより（図１に斜線で示される領域）、脚部伸縮性シート状部材４の内縁側非固着部分で使用面側に起立する立体シート部Ｂ_Sが形成されると同時に、脚部伸縮性シート状部材４の外縁側固着部分の伸縮力によりひだ状の平面シート部Ｇが形成される。この場合、脚部伸縮性シート状部材４の長手方向両端部をその全幅に渡って接着することにより、ポケット状に立体シート部Ｂ_Sを形成することができる。
【００１７】
したがって、装着状態で立体シート部Ｂ_Sが着用者の脚回りに密着し、バリヤー（障壁）になって軟便固形分の乗り換えを防止し、また、この立体シート部Ｂ_Sの長手方向両端は、吸収体３上に位置するので、排尿は透液性シート２を通過して吸収体３内に吸収される。さらに、仮に前記立体シート部Ｂ_Sを乗り越えて軟便固形分が漏れたとしても、脚部伸縮性シート状部材４の外縁側固着部分によって形成される平面シート部Ｇ、Ｇにより横漏れが確実に防止される。
【００１８】
一方、使い捨ておむつの前後端のエンドフラップ部分ＥＦ（正確には吸収体３とエンドフラップ部ＥＦに跨がって）の表面にも、ある程度の幅を有する腰部伸縮性シート状部材５、５をおむつ幅方向に沿って配設し、この腰部伸縮性シート状部材５の幅方向の外縁側部分をその長手方向に沿って連続的または断続的に固着することにより（図１に斜線で示される領域）、腰部伸縮性シート状部材５の内縁側非接着部分で使用面側に起立する腰部立体シート部Ｂ_Eを形成すると同時に、固着した腰部伸縮性シート状部材の外縁側固着部分の伸縮力により腰バンドＷが形成される。
【００１９】
したがって、装着状態で前記腰部立体シート部Ｂ_Eが着用者の腰回りに密着し、バリヤー（障壁）となって軟便固形分の乗り越えを防止し、排尿は透液性シート２を通過して吸収体３内に吸収される。さらに、腰部伸縮性シート状部材５の外縁側固着部分によって形成される腰バンドＷによっておむつのずれ落ちが防止されるとともに、肌へ密着することにより、仮に前記腰部立体シート部Ｂ_Eを乗り越えて軟便固形分が漏れたとしても、腰バンドＷで前後漏れを確実に堰き止める。
【００２０】
なお、前記腰部伸縮性シート状部材５は、紙おむつの腹側および背側の両方に必ずしも設ける必要はなく、一方側の腰部は従来のように透液性表面シート２と不透液性裏面シート１との間に介在された弾性伸縮部材とすることでもよい。
【００２１】
ところで、図７に示すように、前記脚部伸縮性シート状部材４、腰部伸縮性シート状部材５は、平面的に視て内方側に若干でも湾曲して固着するのがよい。脚部伸縮性シート状部材４で説明すると、同図のように内方側に湾曲して固着し、脚部伸縮性シート状部材４の内縁４ａ側の伸縮力を外縁側４ｂの伸縮力より大きくすることにより、立体シート部Ｂ_Sを効果的に起立させることができるとともに、紙おむつを前後方向に船形に成形させることができる。
【００２２】
本発明において使用される伸縮性シート状部材４、５としては、ウレタンゴム、天然ゴム、剛性ゴムの他、840d程度の「スパンデックス」、３Ｍ社製の「KER-2207」等の熱収縮性のものや、肌触りの点および通気性を有する点からポリエチレン、ポリウレタン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル、塩化ビニル、ネオプレンゴムの発泡体、ブリジストン社製「エバーライトＳＧＷＳ」、井上エムティービー社製「モルトプレンＲＳ」を挙げることができる。これらのうち、安価である点から発泡ポリウレタンまたは発泡ポリエチレンが好適に用いられる。また、この場合の伸縮率は、１１０〜２５０％、特に１５０〜２００％、弾性強度は５０〜４００ｇ、特に１００〜２００ｇであることが望ましい。
【００２３】
また、本発明においては、伸縮性シート状部材４、５自体が材質的に弾性伸縮性を有するものである。
【００２４】
さらに、前記伸縮性シート状部材４、５に対して、使用面側（内面側）または表面側（外面側）、さらには両面にシリコンなどにより撥水処理を行うことで、軟便の液分が浸透するのを確実に防止することができる。
【００２５】
【発明の効果】
以上詳説のとおり、本願発明によれば、組立工程数を少なくし、製作効率を向上させることができるとともに、漏れ防止効果の高い、使い捨ておむつとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る使い捨ておむつの展開状態一部破断平面図である。
【図２】その要部斜視図である。
【図３】図１のIII −III 線矢視図である。
【図４】図１のIV−IV線矢視図である。
【図５】本発明に係る他の使い捨ておむつの展開状態平面図である。
【符号の説明】
１…不透液性裏面シート、２…透液性表面シート、３…吸収体、４…脚部伸縮性シート状部材、５…腰部伸縮性シート状部材、６…固着テープ、７…糸状弾性ゴム、Ｂ_S…立体シート部、Ｂ_E…腰部立体シート部、Ｇ…平面シート部、Ｗ…腰バンド、ＳＦ…サイドフラップ、ＥＦ…エンドフラップ。

Claims

透液性表面シートと不透液性裏面シートとこれら両シートの間に吸収体が介在された使い捨ておむつにおいて、
前記使い捨ておむつの両側部における透液性表面シート上に、所定幅を有し、自体が材質的に長手方向の弾性伸縮性を有する脚部伸縮性シート状部材を略おむつ長手方向に沿って、前記長手方向の両端を除く長手方向の中間に配設するとともに、この脚部伸縮性シート状部材の幅方向外縁側部分をその長手方向に沿って連続的に固着し、かつ前記脚部伸縮性シート状部材の長手方向両端部をその全幅に渡って接着することにより、前記脚部伸縮性シート状部材の内縁側非固着部分で弾性伸縮性を有する立体シート部を形成し、並びに前記外縁側固着部分によって弾性伸縮性を有する平面シート部を形成し、前記立体シート部の長手方向両端は、前記吸収体上に位置する、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
前記吸収体の前後端より外方の前後端部の少なくとも一方側における透液性表面シート上に、ある程度の幅を有する腰部伸縮性シート状部材をおむつ幅方向に沿って、前記脚部伸縮性シート状部材から離れて配設するとともに、この腰部伸縮性シート状部材の幅方向の外縁側部分をその長手方向に沿って連続的に固着し、腰部伸縮性シート状部材の内縁側非固着部分で腰部立体シート部を形成した請求項１記載の使い捨ておむつ。
腰部立体シート部を形成すると同時に、固着した腰部伸縮性シート状部材の外縁側固着部分で腰バンドを形成した請求項２記載の使い捨ておむつ。
脚部伸縮性シート状部材および腰部伸縮性シート状部材のうち少なくとも一方を平面的に視て、内方側に湾曲して固着した請求項１〜３のいずれか１項に記載の使い捨ておむつ。