JPH0866424A - 脚閉鎖部を有する吸収性製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 伸縮性脚カフを着用者の脚に脚回りのギャッ
プを少なくした状態で配置し、脚回りからの液漏れを防
ぐ。 【構成】 吸収体２の少なくともバックシート９により
形成されたサイドフラップ１０にサイドフラップ１０の
長手方向に沿って延びるように弾性体３０を設けるとと
もに、吸収体２のトップシート７側でかつサイドフラッ
プ１０の長手方向に沿ってサイドフラップ１０の側縁か
らさらに外側に延びて着用者の脚部を囲む伸縮性脚カフ
１２を設けて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特に、着用者に快適性
を与えながら、着用者の脚部に動的フィットし脚部から
の液洩れを確実に防ぐ脚閉鎖部を有する吸収性製品に関
する。

【０００２】

【従来の技術】着用者に当接または近接して配置されて
着用者の排泄物を吸収し収容する、脚閉鎖部を有する吸
収性製品として、たとえば、おしめ、失禁ブリーフ、パ
ンツ型おしめ、おしめホルダーなどの製品がある。

【０００３】使い捨ておしめや失禁ブリーフのような脚
閉鎖部を有する吸収性製品の主たる機能は、着用者から
排泄される排泄物を吸収性コアにより吸収し、吸収性コ
アに収容された排泄物により衣類または着用者と接触す
る他の製品、たとえば、寝具を汚したり、濡らしたりす
ることを防止することにある。

【０００４】一般に使用されている使い捨ておしめは、
トップシートとバックシートと吸収性コアとからなる吸
収体と、弾性脚開口を形成するためにおしめの長手方向
側縁縁に隣接して配置された一般に非伸縮性のバックシ
ートと非伸縮性のトップシートとからなるサイドフラッ
プとから構成されている。弾性サイドフラップは、おし
めの縁から衣類へ液体を通さないバリヤを形成し、か
つ、着用者の脚回りのシールを保持しギャップを最小限
にするので、濡れたおしめからおしめの縁に接触する衣
類に液体が滲透したり溢れ出ることを防ぐのに有効であ
る。このサイドフラップには、着用者の脚周り方向に弾
性を示すように弾性バンドを配置したものもある。

【０００５】一方、トレーニングパンツのようなパンツ
型おしめが、特に、子供のトイレ訓練用に普及している
が、従来のトレーニングパンツは、トレーニングパンツ
のウエスト開口および脚開口に線状の弾性バンドを取付
け、各開口を弾性バンドで少なくとも部分的に囲むこと
により、ウエスト開口および脚開口に伸縮性を付与する
ものである。

【０００６】パンツ型おしめの他の型は、前ウエスト区
域と後ウエスト区域中の各サイドフラップの縁に別の伸
縮部材を取付けることによってウエスト開口に伸縮性を
付与している。伸縮性サイドパネルは、パンツ型おしめ
を形成するために有効であるが、広い範囲の動的フィッ
トを保持するためには広い伸縮サイドパネルが必要であ
ることが分かっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記後者の脚閉鎖部を
有する吸収性製品では、伸縮性サイドパネルをサイドフ
ラップの縁に取付けたり、伸縮性サイドパネルをサイド
フラップに組合わせなければならない。したがって、脚
開口回りに有効なガスケット作用を生じさせしかも腰周
りにおける広い動的フィットを得るためには、伸縮性サ
イドパネルの幅とサイドフラップの幅を相互に平衡され
なければならない。

【０００８】しかしながら、伸縮性サイドパネルの幅
（取付け部を除く実質的に伸張可能な部分）を広くとろ
うとすると、十分にガスケット作用を生じさせるたけ、
サイドフラップの幅を広くとることができず、逆にサイ
ドフラップの幅を広くとろうとすると、十分に動的フィ
ットを得るだけ、伸縮性サイドパネルの幅を広くとるこ
とができないという矛盾があった。したがって、伸縮性
サイドパネルとサイドフラップの間の平衡幅を最大限に
することによって、伸縮性サイドパネルとサイドフラッ
プの機能を最大限にすることに問題があった。

【０００９】本発明は上記した点に鑑みてなされたもの
で、腰周りにおける広い動的フィットを確保できるとと
もに、脚回りからの液漏れを防ぐ脚閉鎖部を有する吸収
性製品を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の脚閉鎖部を有す
る吸収性製品は、トップシートとバックシートの間に吸
収性コアを有し着用者の少なくとも股部を覆うように配
置される吸収体と、吸収性コアより側方に延びる少なく
ともバックシートにより形成された一対のサイドフラッ
プと、各サイドフラップにサイドフラップの長手方向に
沿って延びるように配置されサイドフラップに伸縮性を
付与する弾性体と、サイドフラップの長手方向端部側縁
より外方に延びるように設けられた一対の伸縮可能なサ
イドパネルと、吸収体のトップシート側でかつサイドフ
ラップの長手方向に沿ってサイドフラップより内側に延
びるように設けられ着用者の少なくとも股部を囲む立上
がりバリヤカフと、サイドフラップの長手方向に沿って
サイドフラップの側縁からさらに外側に延びるように設
けられ着用者の脚部を囲む伸縮性脚カフとを有すること
を特徴とする脚閉鎖部を有することを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明の脚閉鎖部を有する吸収性製品では、吸
収体の側方に設けられたサイドフラップと、サイドフラ
ップの側縁からさらに外側に設けた伸縮性脚カフが着用
者の脚回りに幅広く密着するので、着用者の脚回りにお
ける吸収性製品とのギャップが少なくなり、濡れた吸収
性製品から吸収性製品の縁に接触する衣類に液体が滲透
したり溢れ出ることを確実に防ぐことができる。また、
サイドフラップ部分を広く形成する必要がなく、このサ
イドフラップに取付けられる伸縮可能なサイドパネルの
有効幅を広くすることができるので、腰周りにおける広
い動的フィットを確保することができる。

【００１２】

【実施例】以下本発明の実施例を図面につき説明する。
図１は、本発明の吸収性製品を使い捨てパンツ型おしめ
に適用した例を示す図であり、図２は、図１の使い捨て
パンツ型おしめ１の前部２ａと後部２ｃをサイドシーム
６によって接合する以前の一部を破断して示す図であ
る。

【００１３】図１の使い捨てパンツ型おしめ１は、前部
２ａと股部２ｂと後部２ｃとからなり、全体形状を、長
方形、砂時計型、Ｔ型、非対称形、好ましくは対称的な
変形砂時計状とした吸収体２と、この吸収体２の前部２
ａと後部２ｃから外側に延びる一対の伸縮性サイドパネ
ル３，３と、脚開口４の回りに配置される脚カフス５を
有し、吸収体２から同じ側に延びる伸縮性サイドパネル
３，３を、たとえばヒートシール手段による形成される
サイドシーム６により互いに接合することで形成され
る。

【００１４】上記吸収体２は、図３に示すように、透液
性トップシート７と吸収性コア８と不透液性バックシー
ト９から形成される。トップシート７とバックシート９
は、吸収性コア８よりも全体として大きな長さと幅であ
り、吸収性コア８の縁８ａを越えて外側に延び、少なく
とも股部分２ｂにバックシート９とトップシート７の延
長部分によりサイドフラップ１０が形成される。このサ
イドフラップ１０のトップシート７より側方に延びるバ
ックシート９にはサイドフラップ１０に伸縮性を付与す
るための弾性体３０が配置されている。

【００１５】上記吸収性コア８は、着用者の皮膚に対し
て非刺激性でかつ尿やその他の排泄物の液体を吸収して
保持する機能を有するものであり、一般に、エアフェル
トと呼ばれる粉砕木材バルプなどから製造される。この
吸収性コア８は、他の適当な吸収性材料、たとえば、ク
レープされたセルロース中芯、コンフォームを含むメル
トブローンポリマー、化学的に硬化され変成されあるい
は架橋結合されたセルロース繊維、ティシュラップおよ
びティシュラミネートを含むティシュ、吸収性フォー
ム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化
材、または同等の材料あるいはそれらの組み合わせであ
ってもよい。吸収性コア８の形状および構造は、必要に
応じて変えることができるが、吸収性コア８の全吸収容
量は、おしめとしての設計装入量および所望の用途に対
応させる必要がある。吸収性コア８のサイズと吸収能力
は、子供から成人までの着用者に対応して変動される。

【００１６】上記バックシート９は、不透液性（例えば
尿に対して不透液性）であって、好ましくは、薄いプラ
スチックフィルムから製造され、吸収性コア８の衣類面
に隣接して配置され、公知の取付け手段（図示されず）
によって吸収性コア８に接合される。たとえば、バック
シート９は、接着剤の均一連続層や接着剤のパタン層、
あるいは、接着剤の線、螺旋またはスポットの列によっ
て吸収性コア８に固着される。

【００１７】上記バックシート９は、吸収性コア８に吸
収され収容された排泄物がおしめに接触する物品、たと
えば、ベッドシートや下着類を濡らすことを防止する。
したがって、バックシート９は、織布または不織布材
料、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性フィ
ルムなどのポリマーフィルム、またはフィルムで被覆さ
れた不織布などの複合材料とすることができる。好まし
くは、バックシート９は、約０．０１２ｍｍ乃至約０．
０５１ｍｍの厚さの熱可塑性フィルムである。バックシ
ート９は、好ましくは布様外観を生じるようにエンボス
処理されまたは艶消し処理される。さらに、バックシー
ト９は、排泄物の通過を防止しながら吸収性コア８から
の水蒸気を逃がすことのできる材料とすることが望まし
い。

【００１８】上記トップシート７は、たとえば、多孔性
フォーム、網状フォーム、孔を開けたプラスチックフィ
ルムまたは天然繊維（たとえば木材繊維または綿繊
維）、合成繊維（ポリエステル繊維またはポリプロピレ
ン繊維）あるいは天然繊維と合成繊維を混合した織布ま
たは不織布から形成される。好ましくは、トップシート
７は、吸収性コア８に収容された液体を着用者の皮膚か
ら離間するために疎水性材料とする。このトップシート
７は、吸収性コア８の身体側面に隣接して配置され、公
知の取付け手段（図示されず）によって吸収性コア８お
よびバックシート９に接合される。トップシート７は、
形状合致性で、柔らかな感触で、着用者の皮膚に対して
非刺激性であり、液体（例えば尿）に対して透過性であ
る。適当なトップシート７は、繊維をスパンボンディッ
ド、カーディッド、ウエットレイドした不織布ウエブで
ある。好ましいトップシート７は、ポリプロピレン繊維
のステープルをカード機械によりカーディング処理した
あと加熱結合処理したウエブである。

【００１９】上記脚カフス５は、ポリプロピレン、ポリ
エステル、レーヨン、ナイロン、フォーム、プラスチッ
クフィルム、形成フィルム、弾性ラミネートおよび弾性
フォームなどの各種材料から形成された着用者の形状と
輪郭に容易に合致する可撓性部材である。この脚カフス
５を製造するために種々の製造技術を使用することがで
きる。たとえば、脚カフス５は、ポリプロピレン材料の
織布、不織布、スパンボンディッドウエブ、カーディッ
ドウエブに不透液性ポリエチレンフィルムを接合した材
料でもよい。

【００２０】上記脚カフス５は、立上がりバリヤカフ１
１と伸縮性脚カフ１２とから構成される。立上がりバリ
ヤカフ１１は、トップシート７に沿った排泄物の自由流
れを阻止するバリヤとして作用し、おしめ１の中に排泄
物を保持し収容する構造であり、伸縮性脚カフ１２は、
着用者の脚部に動的フィットし、立上がりバリヤカフ１
１を越える排泄物の自由流を抑制し、排泄物をおしめ１
の中に保持し収容して着用者の脚回りにガスケット作用
を生じる構造である。

【００２１】上記伸縮性脚カフ１２は、図３に示すよう
に折り返し部分１３を有し、この折り返し部分１３に１
つまたは複数の弾性部材１４（図３では２本）が配置さ
れている。この伸縮性脚カフ１２は、折り返し部分１３
がサイドフラップ１０から離れた外側に位置し、内側端
１５がトップシート７の上側に位置するように配置され
る。伸縮性脚カフ１２の折り返し部分１３と内側端１５
は相互に離間関係にあり、各伸縮性脚カフ１２の有効幅
を決定する。折り返し部分１３と内側端１５は、好まし
くは、平行で直線的に離間されるか、非平行、直線また
は曲線関係であってもよい。各伸縮性脚カフ１２は円
形、正方形、長方形またはその他の種々の断面形状であ
ってもよい。伸縮性脚カフ１２の有効幅は、おしめ１か
らの排泄物の漏れ量を減少させる重要なパラメータであ
る。

【００２２】伸縮性脚カフ１２の有効幅は、サイドフラ
ップ１０の側縁５０から外方に突出する伸縮性脚カフ１
２の先端まで間の幅であり、図３中において幅Ｗとして
示されている。この有効幅Ｗは、おしめが子供用である
時には、２．５ｍｍ〜５０ｍｍであることが好ましく、
さらに好ましくは５ｍｍ〜３５ｍｍである。伸縮性脚カ
フ１２の有効幅Ｗが２．５ｍｍより小さいと、着用者の
脚と折り返し部分１３との間にギャップが形成され、排
泄物が折り返し部分１３を越えておしめ１の外周まで流
れてしまうことがある。また、伸縮性脚カフ１２の有効
幅Ｗが５０ｍｍより大きいと、脚開口４を十分に確保で
きず、おむつを着用させることが困難になる。さらに、
伸縮性脚カフ１２の有効幅Ｗは、おしめが大人用である
時には、４ｍｍ〜９０ｍｍであることが好ましく、さら
に好ましくは８ｍｍ〜５０ｍｍである。

【００２３】伸縮性脚カフ１２の折り返し部分１３は、
サイドフラップ１０から離間されるように少なくとも股
部分においてはおしめ側に固着されないことが好まし
い。伸縮性脚カフ１２は、着用者に対して容易に接触さ
せられ着用者の臀部回りにピッタリフィットして股部分
において固定配置されるように、折り返し部分１３がサ
イドフラップ１０から離間される。

【００２４】伸縮性脚カフ１２の折り返し部分１３と着
用者の脚との間にギャップが形成されることを防止し、
また、排泄物の流れに対して有効なバリヤをなすよう
に、伸縮性カフ１２の折り返し部分１３はおしめ１の前
部２ａと後部２ｃにおいて内側端１５の外側に配置され
ることが好ましい。おしめ１の前部２ａと後部２ｃにお
いては、折り返し部分１３は、反転しないようにサイド
パネル３に固定することがこのましい。しかしながら、
折り返し部分１３をサイドパネル３に固定してしまう
と、伸縮性脚カフ１２が不織布等の素材から形成されて
いる場合には、この部分がサイドパネル３の伸縮方向に
伸縮することができない。したがって、その結果、サイ
ドパネル３の伸縮幅が減少してしまうことになりかねな
い。

【００２５】そこで、図７に示すように、この折り返し
部分１３と平行に一部分においてサイドパネル３と伸縮
性脚カフ１２を固定するために、固定部５２を設ける。
この固定手段には、超音波接合、感圧／加熱接合、接合
パタンを用いたシール、または接着剤など業界公知の任
意固着手段、好ましくは、ホットメルト接着剤からなる
接着剤ビードが用いられる。このように折り返し部分１
３と平行に一部分においてサイドパネル３と伸縮性脚カ
フ１２を固定した後、少なくとも図７の一点鎖線で示す
領域に伸縮化処理を施す。これによって、この部分の伸
縮性脚カフ１２もサイドパネル３と同方向に伸縮可能と
なるため、サイドパネル３としては、十分な伸縮幅を得
ることできる。伸縮化処理の方法としては、公知のリン
グロールを用いた伸縮化方法が適用可能である。

【００２６】伸縮性脚カフ１２の折り返し部分１３の端
部は、図２と図４に示すように、おしめ１の前部２ａと
後部２ｃにおいて相互に平行にまたおしめの長手方向に
平行に配置される。これが望ましい実施態様であるが、
折り返し部分１３の端部は、相互に向かって傾斜しても
よく、特に、伸縮性脚カフ１２が延伸性の少ない材料か
ら形成されている場合には、折り返し部分１３の端部を
相互に近づくように配置することができる。

【００２７】図１に示すおしめ１においては、各伸縮性
脚カフ１２は、サイドフラップ１０に接合されている。
ここで接合とは、おしめに対して伸縮性脚カフ１２を固
着する任意手段を含み、伸縮性脚カフ１２がサイドフラ
ップ１０に対して直接または間接に固着された別個の部
材である実施態様、または、伸縮性脚カフ１２が立ち上
がりバリヤカフ１１と同一の部材または材料からなる。
伸縮性カフ１２は、おしめのバックシート９、トップシ
ート７またはその他の要素の組合せに接合することがで
きる。好ましい実施態様においては、伸縮性脚カフ１２
は、サイドフラップ１０（またはサイドフラップ１０を
なすトップシート７とバックシート９の部分）に接着剤
などのシール手段によって接合される。伸縮性脚カフ１
２と立ち上がりバリヤカフ１１は同一材料によって形成
されることが好ましく、この材料は疎水性ポリプロピレ
ンカーディッド不織布である。

【００２８】伸縮性脚カフ１２の折り返し部分１３に
は、伸縮性脚カフ１２に伸縮性を付与するための１つま
たは複数の弾性部材１４が配置されている。この弾性部
材１４は、折り返し部分１３の端部をサイドフラップ１
０から離間させ、伸縮性脚カフ１２を立ち上がらせて着
用者に着用しやすくしまた着用者の臀部回りにガスケッ
ト作用を生じてピッタリフィットさせる。この弾性部材
１４は、好ましくは、弾性的に伸張した状態において伸
縮性脚カフ１２に固着され、正常の拘束されない状態に
おいては、伸縮性脚カフ１２の折り返し部分１３を収縮
させまたは寄せる。弾性部材１４の長さは一般におしめ
の設計によって決定される。弾性部材１４は、図２に示
すように股部分２ｂにおいて伸縮性脚カフ１２の実質的
に全長に沿って延在するが、他の長さであってもよい。

【００２９】図２と図３に示すように、弾性部材１４
は、伸縮性脚カフ１２の折り返し部分１３の中に弾性取
付け手段１８によって固着される。この弾性取付け手段
１８は可撓性であって、弾性部材１４を伸長した状態に
保持できる接着性を有する。弾性部材１４はその端部に
おいてのみ伸縮性脚カフ１２に固着することもできる
が、弾性部材１４の全長を伸縮性脚カフ１２に固着する
ことが好ましい。弾性取付け手段１８は、たとえば、ホ
ットメルト接着剤からなる接着剤ビードである。この弾
性部材１４は，伸縮性カフ１２に超音波接合または感圧
／加熱シールすることで固着したり、単に接着剤を用い
て接着することもできる。好ましい弾性部材１４は，
０．１８ｍｍ×１．５ｍｍの断面積の天然ゴム製条体で
ある。他の適当な弾性部材１４としては、たとえばエラ
ストマーフィルム、ポリウレタンフィルム、リクラ、弾
性フォームや発泡弾性スクリムがある。好ましい実施態
様において、弾性部材１４と弾性取付け手段１８は、厚
さ０．００１３ｍｍの延伸された接着剤ストリップであ
る。

【００３０】さらに、弾性部材１４は，各種の形状をと
ることができる。たとえば、弾性部材１４の幅は各種各
様であり、また弾性材料の１本のストランドまたは数本
の相互に平行なまたは不平行のストランドとし、または
直線形または曲線形とすることができる。

【００３１】伸縮性脚カフ１２の折り返し部分１３をサ
イドフラップ１０から離間する手段１４は、他の要素を
含むことができる。たとえば、伸縮性脚カフ１２の中に
またはその上に剛性化手段を配置することである。剛性
化手段は、折り返し部分１３の端部がサイドフラップ１
０から離間される程度に剛性でなければならない。剛性
化手段として適当な材料は、フォーム、不織布、ポリエ
チレンフィルム、発泡フィルム、スプレー接着剤、発泡
エラストマー、ポリエステル、ポリウレタン、またはハ
イロフト材料を含む。

【００３２】上記サイドフラップ１０に設けた弾性体３
０は、上記弾性部材１４と同様に０．１８ｍｍ×１．５
ｍｍの断面積の２本の天然ゴム製条体３１，３１から形
成されるが、この条体は、エラストマーフィルム、ポリ
ウレタンフィルム、リクラ、弾性フォームや発泡弾性ス
クリムがあっもよい。また、この天然ゴム製条体３１
は、弾性取付け手段３２によってサイドフラップ１０の
トップシート７より側方に延びるバックシート９の上に
固着される。この弾性取付け手段３２は可撓性であっ
て、天然ゴム製条体３１を伸長した状態に保持できる接
着性を有する。弾性取付け手段３２は、たとえば、ホッ
トメルト接着剤からなる接着剤ビードである。好ましく
は、弾性体３０の条体３１は、弾性部材１４の長さにほ
ぼ等しく、弾性部材１４に並列して配置される。

【００３３】この弾性体３０は，バックシート９に超音
波接合または感圧／加熱シールすることで固着したり、
単に接着剤を用いて接着することもできる。好ましい実
施態様において、天然ゴム製条体３１と弾性取付け手段
３２は、厚さ０．００１３ｍｍの延伸された接着剤スト
リップである。

【００３４】上記立ち上がりバリヤカフ１１は、上記伸
縮性脚カフ１２と同様に内側に折り曲げられる折り返し
部２０を有し、この折り返し部２０に単数または複数の
離間用弾性部材２１（図２では２本）が配置されてい
る。立ち上がりバリヤカフ１１は、このバリヤカフに沿
ってトップシート７との間にチャンネル２２を形成す
る。このチャンネル２２は、おしめ１の中に排泄物を収
容し、保持しまた保留する。すなわち、立ち上がりバリ
ヤカフ１１の折り返し部２０は、端部がトップシート７
から離間される程度の収縮性を備えている。立ち上がり
バリヤカフ１１は、ポリプロピレン、ポリエステル、レ
ーヨン、ナイロン、フォーム、プラスチックフィルム、
成形フィルム、弾性フォームなどの材料から製造され
る。また、立ち上がりバリヤカフ１１を製造するために
種々の技術が用いられる。たとえば、立ち上がりバリヤ
カフ１１は、織布、不織布、スパンボンディッドウエ
ブ、カーディッドウエブまたは類似のウエブとすること
ができる。特に好ましい立ち上がりバリヤカフ１１は、
不透液性とするために仕上げ面を含まないポリプロピレ
ンから形成される。好ましい実施態様においては、立ち
上がりバリヤカフ１１は伸縮性脚カフ１２と同一部材ま
たは同一材料から形成される。

【００３５】立ち上がりバリヤカフ１１は、図３ないし
図５に示すように、折り返し部２０の内側部分２３の先
端部２４は、伸縮性脚カフ１２の折り返し部１３の内側
部分１３ａの下側に重なるように位置する。また、折り
返し部２０の内側部分２３の先端部２４は、サイドフラ
ップ１０のトップシート７の上に接合される。そのた
め、排泄物、特に容易に吸収されずトップシート７に沿
って浮動する傾向のある糞は、伸縮性脚カフ１２に接触
するまでに立ち上がりバリヤカフ１１のチャンネル部分
２２と接触する。立ち上がりバリヤカフ１１と伸縮カフ
性脚１２による排泄物の流れに対する有効な二重拘束手
段が形成される。

【００３６】立ち上がりバリヤカフ１１の折り返し部２
０の端部と内側部分２３の先端部２４は、相互に離間配
置されて、立ち上がりバリヤカフ１１の有効幅を限定す
る。立ち上がりバリヤカフ１１の折り返し部端と内側端
は相互に平行、非平行、直線または曲線関係にある。各
立ち上がりバリヤカフ１１は、図２ないし図４に示すの
ように、円形、正方形、長方形またはその他任意の断面
形状とすることができる。好ましくは、均一有効幅を有
する立ち上がりバリヤカフ１１が形成されるように折り
返し部端と内側端は平行直線関係に配置される。

【００３７】立ち上がりバリヤカフ１１の折り返し部２
０は、少なくともおしめ１の股部分２ｂにおいてトップ
シート７から離間されるよう位置されることが好まし
い。立ち上がりバリヤカフ１１がチャンネル２２を形成
しておしめの収容量を増大するように、折り返し部２０
をはトップシート７から離間されることが好ましい。

【００３８】立ち上がりバリヤカフ１１は、好ましくは
疎水性とし、さらに好ましくは排泄物の通過を防止する
ように不透液性とする。立ち上がりバリヤカフ１１は、
業界公知の方法により、たとえば、選択的に処理するこ
とや別個の材料を固着することにより不透液性される。
立ち上がりバリヤカフ１１に吸収性手段を設けることが
できる。

【００３９】図３ないし図５に示すおしめ１の好ましい
実施態様においては、各立ち上がりバリヤカフ１１は、
バックシート９をトップシート７より幅方向に長くした
サイドフラップ１０のトップシート７接合される。ここ
で接合とは、立ち上がりバリヤカフ１１がサイドフラッ
プ１０に対して直接にまたは間接に取付けられた別個の
部材である場合と立ち上がりバリヤカフ１１がおしめ１
と同一部材または同一材料からなりサイドフラップ１０
と一体構造をなすものも含む。好ましい実施態様におい
ては、立ち上がりバリヤカフ１１と伸縮性カフ１２はサ
イドフラップ１０と一体構造とする。

【００４０】立ち上がりバリヤカフ１１とサイドフラッ
プ１０は、立ち上がりバリヤカフ１１の一部をバックシ
ート９に直接に固着することや、立ち上がりバリヤカフ
１１を介在部材に固着しこの介在部材をバックシート９
に固着することにより接合されていてもよい。好ましい
実施態様においては、立ち上がりバリヤカフ１１とサイ
ドフラップ１０は、接着剤またはその他任意の取付け手
段、例えば加熱／加圧密封、超音波接合またはその他業
界公知の手段によって直接に相互に接合される。このシ
ール手段は好ましくは伸縮性脚カフ１２をサイドフラッ
プ１０に接合するシール手段と同一型の手段である。

【００４１】立ち上がりバリヤカフ１１の折り返された
内側部分をサイドフラップ１０に接合するシール手段
は、漏れ抵抗シール部を構成し、トップシート７を通る
液体滲透に対するバリヤをなし、液体が立ち上がりバリ
ヤカフ１１の下からおしめの縁に滲透することを防止す
る。

【００４２】上記立ち上がりバリヤカフ１１の折り返し
部２０に設けた単数または複数の離間用弾性部材２１
は、立ち上がりバリヤカフ１１を寄せ、収縮させ、短縮
させ、または立ち上がりバリヤカフ１１を立ち上がらせ
てチャンネル２２を形成してし排泄物の漏れに対するバ
リヤとして作用させる任意手段である。この離間用弾性
部材２１は、弾性伸張状態において立ち上がりバリヤカ
フ１１に固着されるので、通常の非拘束状態においては
離間弾性部材２１は，立ち上がりバリヤカフ１１の折り
返し部２０収縮させまたは寄せる。

【００４３】離間弾性部材２１は、全体としておしめの
設計によって決定される。図２の好ましい実施態様にお
いては、離間弾性部材２１は股区域２ｂにおいて立ち上
がりバリヤカフ１１の実質的に全長にそって延在する。
最も好ましい実施態様においては、離間弾性部材２１は
股部分２ｂを越えて、おしめの端縁近くまで延在し、立
ち上がりバリヤカフ１１をトップシート７から最も効果
的に離間する。

【００４４】図３に示すように、離間弾性部材２１は、
離間弾性取付け手段２５，２５によって折り返し部２０
の内側に固着される。最適な離間弾性部材２１は、０．
１８ｍｍ×１．５ｍｍの断面積の天然ゴムから製造され
た弾性ストランドである。離間弾性部材２１は業界公知
の任意の熱収縮性弾性材料であってもよい。他の適当な
弾性材料としては、たとえば、エラストマーフィルム、
ポリウレタンフィルム、エラストマーフォームがある。
好ましい実施態様においては、離間弾性部材２１および
弾性取付け手段２５は、厚さ０．５ｍｍの延伸接着性ス
トリップである。

【００４５】立ち上がりバリヤカフ１１の折り返し部端
をトップシート７から離間させる好ましい離間弾性部材
２１は伸縮性カフ１２の離間手段について前述したよう
な数種の他の要素を含むことができる。

【００４６】立ち上がりバリヤカフ１１の折り返し部２
０をトップシート７に固着するための閉鎖手段２６（図
５）は、着用者に対して快適なフィットを生じ、かつ、
おしめの着用中および使用中に折り返し部２０の反転を
防止する。ここで、反転とは、内側に配置された折り返
し部２０がおしめの着用中に外側に回転することをい
う。閉鎖手段２６は、たとえば、ホットメルト接着剤で
あるが、超音波接合または加熱／加圧シールなど業界公
知の他の閉鎖手段であってもよい。

【００４７】上記サイドパネル３は、使い捨て衣類の快
適性を増進し最初に輪郭に合致することによってフィッ
ト性を高め、衣類の側面を拡張または収縮させることで
フィットを保持する。

【００４８】各サイドパネル３は、全体として、サイド
フラップ１０の端部側縁から脚開口４をなす脚縁まで延
在する。図２に示すように、バックシート９は、両側縁
５０と、両端縁５１を有する長方形状をなしており、両
側縁５０の前部２ａおよぴ後部２ｃ付近に両側縁５０か
ら外方に突き出るように略台形状のサイドパネル３が取
り付けられている。このサイドパネル３は、横方向に所
望の弾性延伸性を具有している。ここで弾性延伸性と
は、引張り力（代表的には横方向引張り力）が加えられ
た時に、少なくとも一方向に（好ましくは横方向に）延
長され、引張り力が除去された時にその最初のサイズお
よび形状まで戻ることである。

【００４９】上記サイドシーム６は、サイドパネル３の
同じ側に位置する前部２ａの側縁と後部２ｃの側縁とを
相互に接合することによって形成される。このサイドシ
ーム６は、たとえば、サイドパネル３の側面区域の外側
に突出する部分を相互に接合して、公知の継ぎ目形状手
段により側に突出するフィン継ぎ目を形成することによ
り形成される。このサイドシーム６は、超音波接合、加
熱密封、接着剤接合によって形成することもできる。

【００５０】しかして、パンツ型おしめ１の着用に際し
ては、パンツ型おしめ１の脚開口４に着用者の脚を上方
から入れ、パンツ型おしめ１を着用者の脚に沿って所定
位置まで上方に滑らせることによって行なわれるが、図
６に示すように、サイドフラップ１０に設けた弾性体３
０が着用者の脚を股に近い部位に弾性的にフィットし、
この弾性体３０より外側に位置する伸縮性脚カフ１２が
着用者の脚の弾性体３０より下側に弾性的にフィットす
るので、パンツ型おしめ１の脚開口４付近で、着用者の
脚を２点で弾性的にフィットすることになり、したがっ
て、伸縮性脚カフ１２は、着用者の脚に脚回りのギャッ
プを少なくした状態で配置され、十分幅の弾性脚開口を
備えながら、脚開口に沿ったガスケット作用を改良し
て、脚回りからの液漏れを防ぐことができる。

【００５１】また、このように着用者の脚を２点で弾性
的にフィットすることで、伸縮性脚カフ１２が内側に折
り込まれることはなく、吸収体２に排泄物が排泄保持さ
れた場合にも、吸収体２はたるんだ状態になることなく
着用者の股部分に保持される。

【００５２】さらに、図２に示すように、サイドパネル
３は、サイドフラップ１０に取付けられているため、サ
イドパネル３の幅Ｘを伸縮性脚カフ１２の幅とは無関係
に設定することができ、腰周りにおける動的フィットを
十分に確保できる。

【００５３】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、サイ
ドフラップに設けた弾性体と伸縮性脚カフにより、吸収
性製品の脚開口付近を２点で弾性的にフィットするの
で、伸縮性脚カフは着用者の脚に脚回りのギャップを少
なくした状態で配置され、脚回りからの液漏れを防ぎ、
また、伸縮性脚カフが内側に折り込まれることがなく、
しかも、吸収体に排泄物が排泄保持された場合にも、吸
収体を着用者の股部分に保持する。さらに、サイドパネ
ルは、サイドフラップに取付けられるため、サイドパネ
ルの幅を伸縮性脚カフの幅に無関係に設定することがで
き、腰周りにおける動的フィットを十分確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による脚閉鎖部を有する吸収性製品を使
い捨てパンツ型おしめに適用した例を示す斜視図。

【図２】図１の使い捨てパンツ型おしめの一部を破いて
示す展開図。

【図３】図２の３−３線に沿った断面図。

【図４】図２の４−４線に沿った断面図。

【図５】第２図の５−５線に沿った断面図。

【図６】図１の使い捨てパンツ型おしめの使用状態を示
す図。

【図７】図２のサイドパネル部分の拡大図。

【符号の説明】

１ 使い捨てパンツ型おしめ ２ａ 前部 ２ｂ 股部 ２ｃ 後部 ３ サイドパネル ４ 脚開口部 ５ 脚カフス ７ トップシート ８ 吸収体コア ９ バックシート １０ サイドフラップ １１ 立上がりバリヤカフ １２ 伸縮性脚カフ １３ 折り返し部 １４ 弾性部材 ３０ 弾性体 ３１ 条体 ３２ 弾性取付け手段

フロントページの続き (72)発明者 福 田 栄 郎 兵庫県神戸市東灘区本山南町２−13−12− 702号

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トップシートとバックシートの間に吸収性
   コアを有し着用者の少なくとも股部を覆うように配置さ
   れる吸収体と、吸収性コアより側方に延びる少なくとも
   バックシートにより形成された一対のサイドフラップ
   と、各サイドフラップにサイドフラップの長手方向に沿
   って延びるように配置されサイドフラップに伸縮性を付
   与する弾性体と、サイドフラップの長手方向端部側縁よ
   り外方に延びるように設けられた一対の伸縮可能なサイ
   ドパネルと、吸収体のトップシート側でかつサイドフラ
   ップの長手方向に沿ってサイドフラップより内側に延び
   るように設けられ着用者の少なくとも股部を囲む立上が
   りバリヤカフと、サイドフラップの長手方向に沿ってサ
   イドフラップの側縁からさらに外側に延びるように設け
   られ着用者の脚部を囲む伸縮性脚カフとを有することを
   特徴とする脚閉鎖部を有する吸収性製品。
2. 【請求項２】吸収性製品がおしめであることを特徴とす
   る請求項１に記載の脚閉鎖部を有する吸収性製品。
3. 【請求項３】伸縮性脚カフのサイドフラップの側縁から
   さらに外側に延びる幅は、子供用で２．５ｍｍ〜５０ｍ
   ｍ、大人用で４ｍｍ〜９０ｍｍであることを特徴とする
   請求項２に記載の脚閉鎖部を有する吸収性製品。
4. 【請求項４】伸縮性脚カフは、不透液性材料で形成され
   ることを特徴とする請求項１に記載の脚閉鎖部を有する
   吸収性製品。
5. 【請求項５】サイドフラップの長手方向に同じ側に位置
   するサイドパネル同士が互いに接合されることを特徴と
   する請求項１に記載の脚閉鎖部を有する吸収性製品。