JP3761395B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
車両の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3761395B2 JP3761395B2 JP2000286041A JP2000286041A JP3761395B2 JP 3761395 B2 JP3761395 B2 JP 3761395B2 JP 2000286041 A JP2000286041 A JP 2000286041A JP 2000286041 A JP2000286041 A JP 2000286041A JP 3761395 B2 JP3761395 B2 JP 3761395B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- force
- control device
- vehicle
- occupant
- characteristic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Regulating Braking Force (AREA)
- Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、挙動制御装置の状態を制御するための操作部材を有し、この操作部材に対する乗員の操作特性を判断する車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両には、駆動力源、変速機、制動装置などのように各種の挙動制御装置が搭載されているとともに、これらの挙動制御装置の状態を制御するために操作部材が設けられている。そして、乗員が操作部材を操作することにより、挙動制御装置の状態が制御される。
【0003】
ところで、上記の操作部材を操作する操作力は、乗員の体力や好みなどにより個人差がある。そこで、操作部材を操作するために必要な操作力を調整することのできる装置の一例が、特開平11−48950号公報に記載されている。この公報においては、挙動制御装置として、液圧ブレーキ装置が記載されており、この液圧ブレーキ装置は、前後左右の車輪に対応する複数のホイールシリンダと、これらの複数のホイールシリンダに油圧回路を介して接続されたマスターシリンダと、このマスターシリンダの油圧室に油圧通路を介して接続されたストロークシミュレータと、マスターシリンダの油圧室の油圧を制御するブレーキペダル(操作部材)とを備えている。このストロークシミュレータは、シリンダ部を有するハウジングと、シリンダ部内に形成され、かつ、マスターシリンダの油圧室に接続された油室と、この油室に臨み、かつ、シリンダ部の軸線方向に移動自在に配置されたピストンと、このピストンを動作させるモータとを備えている。
【0004】
上記構成において、ブレーキペダルが踏み込まれると、その踏力が算出されるとともに、踏力に応じたマスターシリンダ圧が、マスターシリンダの油圧室に生じる。そして、マスターシリンダ室の油圧に対応した制御油圧が各ホイールシリンダに作用する。ここで、モータを駆動してピストンを動作させることにより、油室の容積を拡大または縮小させることにより、ブレーキペダルに作用する踏力と、ペダルストロークとの対応関係を任意に変化させることができ、ひいては、踏力と制動力との対応関係を制御することができるものとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両のおかれている環境が変化すると、乗員の体力や好みに関わりなく、ブレーキペダルに対する操作特性が変化する可能性があるが、上記公報においては、車両のおかれている環境に関わりなく、ブレーキペダルの操作力の判定がおこなわれている。したがって、ブレーキペダルの操作力の変化が、乗員の個性により生じている場合と、乗員の個性以外の外的な要因により生じている場合とを識別することが困難であり、この点で改善の余地が残されていた。
【0006】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、操作部材を操作する乗員の操作特性を、車両を取り巻く環境に影響されることなく、高精度に判断することのできる車両の制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、挙動制御装置の状態を制御する操作部材を有し、この操作部材を操作する乗員の操作特性を判断する車両の制御装置において、車両の状態が、前記乗員の操作特性に影響を及ぼしにくい特定状態にある場合に、前記操作部材が操作された場合は、乗員の操作力に対する前記操作部材の反力特性を切り替えるとともに、この反力特性の変化にともなう前記操作部材の操作状態の変化を検出し、その検出結果に基づいて、前記操作部材を操作する乗員の操作特性を判断する操作特性判断手段を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1の発明によれば、車両を取り巻く条件、例えば、道路状況などにより影響されることなく、操作部材に対する乗員の操作特性を判断することができる。また、操作部材の反力特性を切り替えて、乗員の操作特性を判断するため、乗員の操作特性を一層高精度に判定することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記操作特性判断手段により判断される乗員の操作特性と、前記操作部材または前記挙動制御装置の少なくとも一方の動作状態との対応関係を調整する操作感覚調整手段を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、乗員の操作特性と、操作部材または挙動制御装置の少なくとも一方の動作状態との対応関係が調整される。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記特定状態は、前記車両の停止であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明と同様の作用が生じる他に、車両が停止中であれば、車両の挙動が変化する外的要因がないため、乗員の操作特性を高精度に判断できる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの構成に加えて、前記特定状態は、駆動力源と車輪との間の動力伝達経路を、前記駆動力源の動力が前記車輪に動力が伝達されない状態から、前記駆動力源の動力が前記車輪に動力が伝達される状態への切り換えることであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に、車輪に動力が伝達されない状態から、車輪に動力が伝達される状態に切り換えられる場合には、車両の挙動が変化する外的要因がないため、乗員の操作特性を高精度に判断できる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成に加えて、前記挙動制御装置は、車両に制動力を付与する機能を備えており、前記操作特性判断手段は、前記挙動制御装置の機能により車両を停止させている状態で、前記操作部材に対する乗員の操作特性を判断する機能を備えていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に、操作部材を操作して、挙動制御装置の機能により車両が停止中であれば、車両の挙動が変化する外的要因がないため、操作部材に対する乗員の操作特性を高精度に判断できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。図2は、この発明の一実施例である車両の概略構成を示す説明図である。車両の駆動力源であるエンジン1の動力(言い換えればトルク)は、変速機2、プロペラシャフト3、差動装置4、ドライブシャフト5を介して駆動輪としての車輪(具体的には後輪)6に伝達されるように構成されている。上記エンジン1は、燃料を燃焼させて動力を出力する装置であって、このエンジン1としては、内燃機関、例えば、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンなどを採用することができる。以下、この実施形態においては、エンジン1として、便宜上、ガソリンエンジンを用いた場合について説明する。
【0020】
エンジン1は、点火装置(図示せず)、燃料噴射装置(図示せず)、吸気装置1A、排気装置(図示せず)などの各種の機構を備えた公知のものである。そして、乗員の足によるアクセルペダル30の操作に基づいて、吸気装置1Aの吸気管のスロットルバルブ1Bの開度が制御されるように構成されている。アクセルペダル30は支持軸(図示せず)を中心として所定の角度範囲内で回転可能に構成されている。また、アクセルペダル30の踏み込み力に対する反力をアクセルペダル30に付与する戻し機構30Aが設けられている。この戻し機構30Aは、バネなどの弾性部材や電動モータにより構成することができる。また、アクセルペダル30に加えられる乗員の操作力、すなわち、踏力を検出する踏力センサ30Bが設けられている。
【0021】
前記変速機2としては、その変速比を手動操作により変更する機能、または、その変速比を車両の走行状態に基づいて、自動的に変更する機能のうち、少なくとも一方の機能を備えた変速機を用いることができる。また、変速機2としては、その変速比を段階的(不連続的)に変更する機能、またはその変速比を無段階(連続的)に調整する機能のいずれか一方を備えた変速機を用いることができる。以下、この実施形態においては、変速機2として、その変速比を車両の走行状態に基づいて、自動的に変更する機能と、その変速比を段階的(不連続的)に変更する機能とを備えた変速機を用いた場合について説明する。
【0022】
この変速機2は、エンジン1側に連結された入力部材7と、プロペラシャフト3側に連結された出力部材8とを備えている。また、入力部材7とエンジン1のクランクシャフトの間の動力伝達経路には、流体式動力伝達装置(例えばトルクコンバータ)9が設けられている。そして、入力部材7と出力部材8との間の動力伝達経路には、変速機構部10が設けられている。この変速機構部10は、複数の遊星歯車機構(図示せず)と、これら遊星歯車機構の回転要素の回転・停止を制御する各種の摩擦係合装置(図示せず)とを有する公知のものである。
【0023】
この摩擦係合装置の係合・解放状態を切り換えることにより、入力部材7と出力部材8との間の回転速度の比、すなわち変速比が制御される。また、この摩擦係合装置の係合・解放状態を切り換えることにより、入力部材7と出力部材8との間における動力の伝達が可能な状態と、入力部材7と出力部材8との間における動力の伝達が不可能な状態とが設定される。さらに、この摩擦係合装置の係合・解放状態を切り換えることにより、入力部材7に対する出力部材8の回転方向(つまり、車両の前進・後進)を変更することができる。そして、この実施形態においては、例えば、前進4段、後進1段の変速比を設定できるように、変速機構部10が構成されている。
【0024】
これらの摩擦係合装置の係合・解放を、自動的もしくは手動操作により切り換えるための油圧制御装置11が設けられている。この油圧制御装置11は、ライン圧が作用する油路の切換えをおこなうマニュアルバルブ(図示せず)、摩擦係合装置に連通する油路を開放・遮断するシフトバルブ(図示せず)、摩擦係合装置に作用する油圧を制御するリニアソレノイドバルブ(図示せず)などを備えた公知のものである。
【0025】
上記マニュアルバルブの動作を制御するために、シフトポジション選択装置12が設けられている。このシフトポジション選択装置12は乗員の手により操作されるものであり、シフトポジション選択装置12は、シフトレバー(図示せず)と、シフトレバーの操作方向・操作位置を規制するゲート(図示せず)とを備えている。このシフトレバーの操作(言い換えればゲートチェンジ)により、例えば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、3ポジション、2ポジション、L(ロー)ポジションを選択的に切り換えることができる。PポジションおよびNポジションは非駆動ポジションであり、このPポジションまたはNポジションが選択された場合は、入力部材7と出力部材8との間における動力の伝達が不可能な状態となるように、摩擦係合装置の係合・解放状態が制御される。
【0026】
これに対して、Rポジション、Dポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジションは駆動ポジションであり、Rポジション、Dポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジションのいずれかが選択された場合は、入力部材7と出力部材8との間における動力の伝達が可能な状態となるように、摩擦係合装置の係合・解放状態が制御される。Dポジションでは第4速ないし第1速の範囲で変速段が切り換えられ、3ポジションでは第3速ないし第1速の範囲で変速段が切り換えられ、2ポジションでは、第2速と第1速との間で変速段が切り換えられ、Lポジションでは第1速に固定される。Rポジションの場合も所定の変速比に固定される。上記の駆動ポジジョンが選択されている状態においては、車両の走行状態に基づいて、自動的に摩擦係合装置の係合・解放が制御され、その変速比が切り換えられる。
【0027】
前記車輪6にはブレーキ13が設けられており、この実施形態においては、ブレーキ13として、ホイールシリンダ14などを備えた公知の油圧式ブレーキが用いられている。ホイールシリンダ14には、アクチュエータ15を介してマスターシリンダ16が接続されている。アクチュエータ15は、各種のソレノイドバルブ、ポンプ、リザーバなどを備えた公知のものである。マスターシリンダ16は、アクチュエータ15に接続される油圧室17と、この油圧室17に臨んで設けられたピストン(図示せず)と、このピストンに連結されたプッシュロッド(図示せず)と、このプッシュロッドをブレーキペダル18の踏み込み時の動作とは逆向きに動作させるリターンスプリング(図示せず)とを有している。なお、油圧室17に対しては、インレットチェックバルブ(図示せず)を介してリザーバタンク22が接続されている。リザーバタンク22にはブレーキオイルが貯留されている。
【0028】
一方、車両の室内側にはブレーキペダル18が設けられている。このブレーキペダル18は、ペダルブラケット(図示せず)に支持軸(図示せず)を介して取り付けられており、ブレーキペダル18に乗員の足による操作力、つまり、踏力が作用すると、ブレーキペダル18が支持軸を中心として所定角度の範囲内で回転するように構成されている。また、ブレーキペダル18には戻し機構19が連結されている。この戻し機構19は、ブレーキペダル18を定位置に保持する機能と、ブレーキペダル18に与えられる踏力に抗する方向にブレーキペダル18を回転させる機能とを有している。この戻し機構19は、ブレーキペダル18を定位置に停止させるストッパと、ブレーキペダル18に与えられる踏力に抗する方向にブレーキペダル18を回転させる付勢部材(例えば、バネなどの弾性部材、または電動モータなど)とを有している。付勢部材として電動モータを用いた場合は、電動モータに印可する電圧を制御することにより、ブレーキペダル18を定位置に復帰させる方向の付勢力を制御することができる。
【0029】
またブレーキペダル18に連結され、かつ、ブレーキペダル18の動作により軸線方向に動作するオペレーティングロッド(図示せず)が設けられているとともに、このオペレーティングロッドにはブレーキブースタ20が連結されている。ブレーキブースタ20は、ブレーキペダル18の踏力と合わせてマスターシリンダ16を動作させる公知の倍力装置であり、ブレーキペダル18の操作に必要な踏力を制御する制御圧室21と、制御圧室21に面して配置された可動部材(図示せず)とを有している。この制御圧室21は、エンジン1の吸気装置1A、具体的にはインテークマニホルドに連通されているとともに、可動部材における制御圧室21とは反対側には大気圧が作用する空気圧室(図示せず)が形成されている。そして、ブレーキペダル18の踏み込みに際しては、インテークマニホルドに発生する負圧と、大気圧との差に基づいて、可動部材の動作に必要な荷重を軽減することができる。なお、この可動部材と、マスターシリンダ16のプッシュロッドとが連結されている。
【0030】
さらに、油圧室17の圧力を、プッシュロッドおよびピストンの動作以外の条件に基づいて制御するための調圧機構23が設けられている。この調圧機構23は、例えば、油圧室17に油路を介して接続された調圧室(図示せず)と、調圧室に臨んで配置されるピストン(図示せず)と、ピストンの動作を制御する電動モータ(図示せず)とを備えた公知の構成(例えば、特開平11−48950号公報)を備えている。そして、電動モータの駆動によりピストンを動作させて、調圧室の容積を拡大・縮小することにより、調圧室に連通している油圧室17の油圧を制御することができる。さらにまた、ブレーキブースタ20の制御圧室21の空気圧を制御するための調圧機構24が設けられている。この調圧機構24は、インテークマニホルドと制御圧室との間の通気路に、リニアソレノイドバルブ(図示せず)などを設けて構成することができる。
【0031】
さらにまた、車両の車輪の一つである操舵輪(前輪)54に連結された操舵装置55と、操舵装置55の動作を制御する操舵方向制御装置50とが設けられている。さらにまた、操舵方向制御装置50を操作するために必要な乗員の操作力を、油圧により制御するための操舵力調整機構51が設けられている。操舵方向制御装置50は、例えば回転式のステアリングホイールや、レバー式のものが例示される。操舵装置55は、ステアリングギヤボックス(図示せず)、リレーロッド(図示せず)、タイロッド(図示せず)などにより構成される公知のものである。操作力調整機構51は、ステアリングギヤボックスを含む油路に接続されたポンプ(図示せず)、油路に配置されたソレノイドバルブ(図示せず)、油路に接続され、かつ、リレーロッドに連結されたパワーシリンダ(図示せず)などを有する公知のものである。そして、操舵方向制御装置50の操舵角を検出する操舵角センサ52、および操舵方向制御装置50に入力される乗員の操作力、つまり操舵力を検知する操舵力センサ53が設けられている。
【0032】
一方、車両全体を制御する総合制御装置(ECU)25が設けられている。総合制御装置25は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。この総合制御装置25に対しては、シフトポジション選択装置12の操作を検知するシフトポジションセンサ26の信号、車速センサ27の信号、操作特性調整スイッチ28の信号、ブレーキペダル18が踏み込まれているか否かを検出するストップランプスイッチ29の信号、アクセルペダル30の操作状態を検出するアクセル開度センサ31の信号、マスターシリンダ16の油圧室17の油圧を検知する油圧センサ32の信号、ブレーキペダル18の踏力を検知する踏力センサ33の信号、操舵角センサ52の信号、操舵力センサ53の信号などが入力される。
【0033】
前記操作特性調整スイッチ28は、車両の挙動制御装置を制御する操作部材の操作感覚を調整する制御をおこなうか否かを、乗員が任意に選択するものである。具体的には、操作特性調整スイッチ28がオンされている場合は、乗員の操作特性の判断と、この判断結果に基づく操作感覚の調整制御とをおこなうことができる。これに対して、操作特性調整スイッチ28がオフされている場合は、乗員の操作特性の判断と、この判断結果に基づく操作感覚の調整制御とがおこなわれない。なお、乗員の操作特性を判断する制御と、操作感覚を調整する制御とについては後述する。
【0034】
これに対して、総合制御装置25からは、油圧制御装置11を制御する信号、エンジン1の点火装置および燃料噴射装置を制御する信号、戻し機構19の電動モータを制御する信号、調圧機構23,24を制御する信号、アクチュエータ15を制御する信号、操舵力調整機構51を制御する信号などが出力される。
【0035】
また、総合制御装置25には、変速機2の変速比を制御するための変速マップが記憶されており、この変速マップに基づいて変速判断をおこない、その判断結果に基づいて油圧制御装置11が制御される。エンジン1の動力が、流体式動力伝達装置9、変速機2、プロペラシャフト3、差動装置4、ドライブシャフト5を介して車輪6に伝達されると、駆動力が発生する。なお、エンジン1が駆動されると、アクセルペダル30が踏み込まれていない状態においても、エンジン1の動力が流体式動力伝達装置9を経由して車輪6に伝達されて駆動力を発生する、いわゆるクリープ現象が生じる。さらに、アクセルペダル30の踏み込み量、すなわちストロークの変化にともないスロットルバルブ1Bの開度が変化し、エンジン出力が変化する。言い換えれば、車両の挙動が制御される。さらにまた、車速および操舵角に基づいて、操舵方向制御装置50の操舵に必要な操舵力を制御することができる。つまり、操舵方向制御装置50に付与される操舵力と、操舵角との対応関係を調整することができる。
【0036】
一方、戻し機構19の付勢力によりブレーキペダル18が所定方向に付勢され、かつ、ブレーキペダル18がストッパに接触することにより、ブレーキペダル18は定位置に保持されている。このように、ブレーキペダル18が定位置に保持されている場合は、ブレーキ13の動作による制動力は生じない。
【0037】
これに対して、ブレーキペダル18に操作力、つまり踏力が付与されて、このブレーキペダル18が定位置から所定方向に回転すると、その回転によりオペレーティングロッド、可動部材、プッシュロッドが動作してインレットチェックバルブが閉じられるとともに、油圧室17の油圧が上昇する。この油圧室17の油圧の上昇に基づいてホイールシリンダ14の油圧が上昇し、ブレーキ13による制動力が発生する。ブレーキ13による制動力は、基本的には、定位置を基準として回転するブレーキペダル18の回転量、すなわちストロークに対応したものになる。
【0038】
一方、ブレーキペダル18に付与される踏力が低下した場合は、マスターシリンダ16のピストンが、ブレーキペダルの踏み込み時とは逆方向に動作する。そして、油圧室17のブレーキオイルがリザーバタンクに戻るため、油圧室17の油圧が低下して、ホイールシリンダ14の油圧も低下して、ブレーキ13による制動力が低下する。さらに、この実施形態においては、ブレーキペダル18の踏み込み操作以外の条件、具体的には総合制御装置25によりアクチュエータ15を制御することにより、ホイールシリンダ14の油圧を調整することができる。このように、ブレーキ13の制動力を調整することにより、車両の挙動が制御される。
【0039】
ところで、乗員がブレーキペダル18を踏み込む際には、戻し機構19の付勢力、マスターシリンダ16の油圧室17の油圧およびリターンスプリングの弾性力などが、乗員の踏力に対する反力として作用するため、これらの力がブレーキペダル18の操作感覚に影響を及ぼす可能性がある。そして、乗員の体力や好みにより、ブレーキペダル18の操作特性(つまり、操作力)は異なるため、ブレーキペダル18の操作感覚が乗員の好みに合うとは限らない。そこで、この実施形態においては、以下のような制御により、ブレーキペダル18の踏み込みに必要な操作力を制御することにより、ブレーキペダル18に対する操作力と、ブレーキペダル18のストロークとの対応関係を調整することができる。
【0040】
まず、乗員の操作特性を検出し、かつ、この検出結果に基づいてブレーキペダル18の操作感覚を調整する制御の概略を、図3のフローチャートに基づいて説明する。すなわち、車両の状態が、乗員の操作特性を検出するための「特性検出モード」にあるか否かが判断される(ステップS1)。この特性検出モードに次いでは後述する。このステップS1で否定的に判断された場合はそのままリターンされる。これに対して、ステップS1で肯定的に判断された場合は、乗員によるブレーキペダル18の操作特性が検出される(ステップS2)。ついで、ステップS2の検出結果に基づいて、ブレーキペダル18の操作に必要な操作力、すなわち操作フィーリングを、乗員の操作特性に適合させる制御をおこない(ステップS3)、リターンされる。
【0041】
つぎに、図3に示す制御の内容を、図1に基づいて詳細に説明する。まず、シフトポジションがパーキングポジションであるか否かが判断される(ステップS11)。ステップS11で肯定的に判断された場合は、ストップランプスイッチ29がオン状態にあるか否かが判断される(ステップS12)。このステップS12で肯定的に判断された場合は、Pポジションから駆動ポジションに切り換える操作(つまりゲートチェンジ)がおこなわれる前に、現時点でブレーキペダル18に付与されている踏力を記憶しておく(ステップS13)。このステップS13で検出した踏力を、ステップS2でおこなわれる操作特性判断の基準を補正することなどにも用いることができる。
【0042】
ついで、総合制御装置25の信号によりアクチュエータ15を制御して、ブレーキ13で一定の制動力を生じさせる制御をおこない(ステップS14)、リターンする。ステップS14で付与される一定の制動力は、前述したクリープ現象が発生している状態においても、車両を確実に停止させておくことのできる制動力である。なお、ステップS12で否定的に判断された場合はそのままリターンされる。
【0043】
これに対して、ステップS11で肯定的に判断された場合は、ストップランプスイッチ29がオン状態にあるか否かが判断され(ステップS15)、ステップS15で肯定的に判断された場合は、車両の停止中に、ストップランプスイッチ29のオン状態と、Pポジションから駆動ポジションへの切り換え操作とが、並行して発生しているか否かが判断される(ステップS16)。車両が停止しているか否かは、車速センサ27の信号に基づいて判断される。ステップS16で肯定的に判断された場合は、ステップS14で設定されている一定制動力を継続する制御がおこなわれる(ステップS17)。このステップS17の後は、ステップS2およびステップS3を経由してリターンされる。
【0044】
一方、前記のように、ステップS15、ステップS16、ステップS17、ステップS2、ステップS3を経て再び、ステップS15に進み、このステップS15で否定的に判断された場合は、記憶されている踏力および付与している一定制動力を解除し(ステップS18)、リターンする。この図1に示すステップS11、ステップS15、ステップS16が、図3のステップS1に対応している。すなわち、図1のステップS11で否定的に判断され、かつ、ステップS15およびステップS16で全て肯定的に判断された場合に限り、図3のステップS1で肯定的に判断されることになる。つまり、図1のフローチャートのステップS1においては、シフトポジションが駆動ポジションにあること、車両の停止中に、ストップランプスイッチ29のオン状態とシフトポジションの切換とが並行して生じていること、の全ての条件が成立した場合に、特性検出モードにあるものと判断される。なお、図1の制御例において、ステップS12で肯定的に判断された場合に、ステップS13を省略してステップS14に進むルーチンを採用することもできる。
【0045】
さらに、図1および図3のステップS2、ステップS3について具体的に説明する。図4は、図1および図3のステップS2の制御内容を説明するフローチャートである。図4においては、Pポジションから駆動ポジションに切り換えられた時点で、ブレーキペダル18に与えられている操作力が、所定値F1よりも大きいか否かが判断される(ステップS21)。このステップS21で肯定的に判断された場合は、ブレーキ操作力の最大値を検出する(ステップS22)とともに、この検出結果と、総合制御装置25に予め記憶されているデータとに基づいて乗員のブレーキ操作特性を同定し(ステップS23)、リターンする。なお、ステップS21で否定的に判断された場合はリターンされる。
【0046】
このようにして、図4のフローチャートで同定されたブレーキ操作特性に基づいて、図1および図3のステップS3の制御をおこなう場合の一例を説明する。例えば、ステップS22で検出された最大値の操作力がブレーキペダル18に付与された場合に、ブレーキ13の動作により発生する制動力(言い換えれば、制動力に対応する減速度)が0.245m/s2 となるように、図1および図3のステップS3で、ブレーキペダル18に作用する操作力と、ブレーキペダル18のストロークとの対応関係を調整する。ここで、ブレーキペダル18に作用する操作力と、ブレーキペダル18のストロークとの対応関係を調整するためには、戻し機構19からブレーキペダル18に与えられる付勢力、または調圧機構24により制御される制御圧室21の空気圧、または調圧機構23により制御される油圧室17の油圧の条件のうち、少なくとも一つの条件を制御すればよい。
【0047】
つぎに、図1および図3のステップS2に対応する他の制御例を、図5のフローチャートに基づいて説明する。図5のフローチャートにおいては、まず、Pポジションから駆動ポジションに切り換えられた時点で、ブレーキペダル18に与えられている操作力が、所定値F1よりも大きいか否かが判断される(ステップS31)。ステップS31で肯定的に判断された場合は、ブレーキペダル18を踏み込む力に対する反力特性を切り換える制御をおこなう(ステップS32)。このステップS32においては、例えば、ブレーキペダル18を戻す方向に作用している付勢力を戻し機構19により調整すること、油圧室17の油圧を調圧機構23により制御すること、の少なくとも一方をおこなうことにより、ブレーキペダル18の踏力に対する反力特性を切り替えることができる。
【0048】
そして、この反力特性の切り替えにともなうブレーキペダル18の操作状態の変化を検出する(ステップS33)とともに、ステップS33の検出結果に基づいて乗員の操作特性を同定し(ステップS34)、リターンする。ここで、ステップS32における反力特性の切替え方法の一例と、ステップS34における操作特性の同定方法の一例と、図5の制御に継続しておこなわれる図1および図3のステップS3の制御の一例とを、図6の特性線図を参照しながら説明する。図6の特性線図は、ブレーキペダル18の操作力と、ブレーキペダル18のストロークとの対応関係を示すものであり、図6においては便宜上、特性の異なる3種類の特性線A1,B1,C1が示されている。各特性線は、いずれもブレーキペダル18に与える操作力が増加することにともない、ストロークが多くなる特性を備えている。各特性線を具体的に説明すると、同じストロークを設定するために必要な操作力は、特性線B1の操作力の方が特性線A1の操作力よりも大きく、特性線C1の操作力の方が特性線B1の操作力よりも大きい。
【0049】
図5の制御に継続してステップS3の制御をおこなう場合は、2つの制御手法を例示することができる。まず、第1の制御手法について説明する。前述のステップS32において、ブレーキペダル18に作用する反力を能動的に強める制御をおこなう。例えば、特性線B1から特性線C1に切り替える制御をおこなう。ついで、前述のステップS33において、反力特性の切り替えにともなうブレーキペダル18のストローク変化DSと、反力特性の切り替えにともなうブレーキペダル18の操作力DPとを検出する。
【0050】
ここで、
DP<0
である場合は、ステップS34において、乗員の操作力が比較的弱い特性であると判断し、ステップS3で特性線A1を選択する。
【0051】
また、前述のステップS33において、
DS>0
である場合は、ステップS34において、乗員の操作力が比較的強い特性であると判断し、ステップS3で特性線C1を選択する。
【0052】
つぎに第2の制御手法について説明する。この場合は、まず、ステップS32において、反力を弱める制御、例えば、反力特性を特性線B1から特性線A1に切り替える制御をおこなう。ついで、ステップS33において、反力特性の切替にともなうストローク変化DSと、反力特性の切り替えにともなうブレーキペダル18の操作力DPとを検出する。
【0053】
ここで、
DP<0
である場合は、ステップS34において、乗員の操作力が比較的弱い特性であると判断し、ステップS3で特性線A1を選択する。
【0054】
また、
DS>0
である場合、乗員の操作力が比較的強い特性であると判断し、ステップS3で特性線C1を選択する。
【0055】
つぎに、図3の制御の他の具体例を説明する。まず、図3のステップS1において、車両が停止し、かつ、ブレーキペダル18が踏み込まれ、かつ、セレクトスイッチ28がオンされ、かつ、シフトポジションがPポジションから他の駆動ポジションに切り換える操作がおこなわれた場合に、特性検出モードであると判断してステップS2に進むような制御ルーチンを採用することもできる。また、図3のステップS1において、車両が停止し、かつ、ブレーキペダル18が踏み込まれ、かつ、セレクトスイッチ28がオンされている場合に、特性検出モードであると判断してステップS2に進むような制御ルーチンを採用することもできる。
【0056】
以上のように、この実施形態においては、ブレーキペダル18の操作に必要な操作力と、ブレーキペダル18のストロークとの対応関係に基づいて決定されるブレーキペダル18の操作感覚を、乗員の操作特性、すなわち体力や好みなどの個人差に合わせて調整することができる。したがって、乗員によるブレーキペダル18の操作フィーリングが向上する。
【0057】
また、この実施形態においては、図6に示すように、ブレーキペダル18の操作力が増加することにともない、ブレーキペダル18のストロークが増加する特性を備えている。さらに、ブレーキペダル18のストロークが多くなるほど(深く踏み込まれるほど)、ホイールシリンダ14の油圧が高められ、ブレーキ13の制動力が強められるように構成されている。したがって、ブレーキペダル18に対する操作力と、ブレーキ13の動作による制動力との対応関係を、乗員の特性に合わせて調整することができる。
【0058】
ところで、車両が走行中であれば、ブレーキの操作力が道路状況の変化に影響されるため、乗員の操作特性を判断する精度が低下し易い。これに対して、この実施形態においては、車両の停止中であり、かつ、シフトポジションをPポジションから他のシフトポジションに切り換える状態において、乗員の操作特性を判断しているため、車両を取り巻く条件(言い換えれば外的要因)により影響されることなく、乗員の体力や好みなど、個人差による操作力特性を高精度に判断することができる。そして、高精度な判断結果に基づいて、ブレーキペダル18の操作感覚を調整しているため、その操作感覚が一層乗員の特性に合致しやすくなる。さらに、図5の制御例のように、反力特性を切り替えて乗員の操作特性を判定すれば、その判定要因として、複数の要因、すなわち、操作力および操作ストロークを用いることができ、その操作特性の判定精度が一層向上する。
【0059】
上記実施形態において、ブレーキ13は、ディスクブレーキまたはドラムブレーキのいずれであってもよい。また、上記実施形態においては、ブレーキ13として油圧式レーキを例示しているが、この実施形態は、公知の空気式ブレーキをブレーキ装置13として用いた車両等のように、運転者の操作状態に応じて制動力を発生させる装置一般に適用可能である。また、図2に示す車両は、いわゆるエンジン前置き後輪駆動車(FR車)であるが、エンジン前置き前輪駆動車(FF車)、あるいは四輪駆動車等、原動機の搭載位置や駆動方式に関係なく、上記制御例を適用することができる。
【0060】
さらに、上記実施形態においては、ブレーキ13以外の挙動制御装置としてエンジン1が搭載されているため、そのエンジン1の状態を制御するための操作部材であるアクセルペダル30について、操作力と操作ストロークとの対応関係を調整して、その操作感覚を調整することもできる。例えば、図3の制御例において、ステップS1で車両が停止し、かつ、操作特性調整スイッチ28がオンされている場合に特性検出モードであると判断するような制御ルーチンとする。ついで、ステップS2でアクセルペダル30の操作力を検出し、ステップS3ではアクセルペダル30の操作感覚の調整をおこなう。この操作感覚の調整は、戻し機構30Aの付勢力を制御することによりおこなわれる。なおこの制御ルーチンを採用した場合も、ステップS1で否定的に判断された場合はリターンされる。
【0061】
さらにまた、上記実施形態においては、ブレーキ13以外の挙動制御装置として操舵装置55が設けられており、その操舵装置55を制御するための操舵方向制御装置50に付与される操舵力と、操舵角との対応関係を調整することができる。例えば、図3の制御例において、ステップS1で車両が停止し、かつ、操作特性調整スイッチ28がオンされている場合に特性検出モードであると判断するような制御ルーチンとする。ついで、ステップS2で操舵方向制御装置50の操作力を検出し、ステップS3では操作方向制御装置50の操作感覚の調整をおこなう。この操作感覚の調整は、操舵力調整装置51を制御することによりおこなわれる。なおこの制御ルーチンを採用した場合も、ステップS1で否定的に判断された場合はリターンされる。
【0062】
また、上記実施形態においては、操作部材であるブレーキペダル18およびアクセルペダル30が、いずれも乗員の足により操作される構成であるが、これらの操作部材が、手動操作されるもの、例えば、レバー、ノブなどにより構成されている車両に対しても、上記の各制御例を適用することができる。さらに、操作部材は、乗員の手足に限らず、人体の一部が接触して操作されるものであればよい。
【0063】
さらに上記実施形態においては、操作力の増加にともない操作部材のストロークが増加するような特性になっているが、操作部材のストロークに関わりなく、必要な操作力が一定となるように構成されている車両に対しても、図3の制御例を適用することができる。例えば、車両が停止し、かつ、操作特性調整スイッチ28がオンされている場合に特性検出モードであると判断するような制御ルーチンとする。ついで、ステップS2で操作部材の操作力を検出し、ステップS3では操作部材の操作感覚の調整をおこなう。この操作感覚の調整は、操作部材の操作に対する反力(例えば摩擦力など)を制御する制御装置を設けておき、この制御装置により反力を調整することにより達成される。
【0064】
さらにまた、図3のステップS2において、操作部材の操作特性を検出する際に、操作部材に与えられる操作力の以外の条件、例えば、操作部材の操作速度、操作速度の変化率などに基づいて、操作部材の操作特性を検出することもできる。さらに、図2に示す車両は、駆動力源としてエンジン1が搭載されているが、このエンジン1に代えて、電動モータ(図示せず)を駆動力源とする電気自動車に対しても、上記の各制御例を適用することができる。また、駆動力源としてエンジンおよび電動モータの両方を備えた、いわゆるハイブリッド車に対しても上記の各制御例を適用することができる。
【0065】
ここで、上記実施形態の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、エンジン1、吸気装置1A、スロットルバルブ1B、ブレーキ13、ホイールシリンダ14、マスターシリンダ16、ブレーキブースタ20、操舵装置55、などの構成がこの発明の挙動制御装置に相当し、乗員の足により操作されるブレーキペダル18、アクセルペダル30、または乗員の手により操作される操作方向制御装置50、レバー、ノブがこの発明の操作部材に相し、エンジン1および電動モータがこの発明の駆動力源に相当する。
【0066】
また、各制御例における機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、図3のステップS1の特性検出モードに対応する図1のステップS11,S15,S16において、この発明の特定状態が判定され、図1および図3のステップS2と、図1のステップS17と、図4のステップS21ないしステップS23と、図5のステップS31ないしステップS34とが、この発明の操作特性判断手段に相当し、図1および図3のステップS3がこの発明の操作感覚調整手段に相当する。
【0067】
さらに、戻し機構19,30A、油圧室17、調圧機構23,24、制御圧室21、アクセルペダル30、ブレーキペダル18、操舵方向制御装置50に付与される操作力に対する反力を与え、かつ、操作感覚を調整する機能を備えていることから、これらの構成を、反力付与機構もしくは操作感覚調整機構と呼ぶことができる。また、操舵力調整機構51は、操舵装置50の操作感覚を調整する機能を備えていることから、これを操作感覚調整機構と呼ぶことができる。さらにまた、踏力センサ30B,33、操舵角センサ52、操舵力センサ53を、操作部材の状態を検出するための操作力検出機構、もしくは操作特性検出機構と呼ぶことができる。
【0068】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、車両を取り巻く条件により影響されることなく、操作部材に対する乗員の操作特性、言い換えれば、体力や好みなどの個人差の判定精度を向上させることができる。また、操作部材の反力特性を切り替えて、乗員の操作特性を判断するため、乗員の操作特性を一層高精度に判定することができる。
【0069】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、判断された操作特性に合わせて、操作部材に付与される操作力と、操作部材または挙動制御装置の少なくとも一方の動作状態との対応関係を調整することができる。したがって、操作部材の操作感覚または操作部材の操作特性に対する挙動制御装置の状態の少なくとも一方を、乗員の体力や好みなどに適合させることができる。
【0070】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、車両が停止中であれば、車両の挙動が変化する外的要因がないため、乗員の操作特性を一層高精度に判断することができる。
【0071】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、車輪に動力が伝達されない状態から、車輪に動力が伝達される状態に切り換えられる場合には、車両の挙動が変化する外的要因がないため、乗員の操作特性を一層高精度に判断することができる。
【0072】
請求項5の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、車両が停止中であれば、車両の挙動が変化する外的要因がないため、乗員の操作特性を一層高精度に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明が適用される車両の構成およびその制御系統を示す概略図である。
【図3】 この発明に係る制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】 この発明に係る制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】 この発明に係る制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図6】 図1の制御例および図3の制御例ならびに図5の制御例で用いる特性線図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 1A…吸気装置、 1B…スロットルバルブ、 6…車輪、13…ブレーキ、 14…ホイールシリンダ、 15…アクチュエータ、 16…マスターシリンダ、 17…油圧室、 18…ブレーキペダル、 20…ブレーキブースタ、 30…アクセルペダル、 50…操舵方向制御装置、 51…操舵力調整装置、 55…操舵装置。
Claims (5)
- 挙動制御装置の状態を制御する操作部材を有し、この操作部材を操作する乗員の操作特性を判断する車両の制御装置において、
車両の状態が、前記乗員の操作特性に影響を及ぼしにくい特定状態にある場合に、前記操作部材が操作された場合は、乗員の操作力に対する前記操作部材の反力特性を切り替えるとともに、この反力特性の変化にともなう前記操作部材の操作状態の変化を検出し、その検出結果に基づいて、前記操作部材を操作する乗員の操作特性を判断する操作特性判断手段を備えていることを特徴とする車両の制御装置。 - 前記操作特性判断手段により判断される乗員の操作特性と、前記操作部材または前記挙動制御装置の少なくとも一方の動作状態との対応関係を調整する操作感覚調整手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記特定状態は、前記車両の停止であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の制御装置。
- 前記特定状態は、駆動力源と車輪との間の動力伝達経路を、前記駆動力源の動力が前記車輪に動力が伝達されない状態から、前記駆動力源の動力が前記車輪に動力が伝達される状態への切り換えであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の制御装置。
- 前記挙動制御装置は、車両に制動力を付与する機能を備えており、前記操作特性判断手段は、前記挙動制御装置の機能により車両を停止させている状態で、前記操作部材に対する乗員の操作特性を判断する機能を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000286041A JP3761395B2 (ja) | 2000-09-20 | 2000-09-20 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000286041A JP3761395B2 (ja) | 2000-09-20 | 2000-09-20 | 車両の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002087235A JP2002087235A (ja) | 2002-03-27 |
JP3761395B2 true JP3761395B2 (ja) | 2006-03-29 |
Family
ID=18770015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000286041A Expired - Fee Related JP3761395B2 (ja) | 2000-09-20 | 2000-09-20 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3761395B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4701985B2 (ja) * | 2005-10-14 | 2011-06-15 | トヨタ自動車株式会社 | 制動力制御装置 |
JP2012153298A (ja) * | 2011-01-27 | 2012-08-16 | Toyota Motor Corp | 運転支援装置 |
-
2000
- 2000-09-20 JP JP2000286041A patent/JP3761395B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002087235A (ja) | 2002-03-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2357207C (en) | Brake fluid pressure retaining apparatus | |
US6547344B2 (en) | Braking apparatus for vehicles | |
US6508523B2 (en) | Control method for a coordinated regenerative brake system | |
US7949455B2 (en) | Brake control apparatus for vehicle and brake control method for vehicle | |
US6370466B1 (en) | Braking force retaining unit | |
US8712661B2 (en) | Device to control force required to depress accelerator pedal | |
US6338398B1 (en) | Vehicle with braking force retaining unit | |
CN101983149A (zh) | 制动装置 | |
JP2010038051A (ja) | 車載動力発生装置のトルク制御装置 | |
KR20110036744A (ko) | 엑셀러레이터 반작용 제어 장치 | |
JPH0937407A (ja) | 回生制動制御装置 | |
CA2313284C (en) | Driving motor stopping unit | |
CN111433093A (zh) | 车辆的控制装置 | |
JP2007302064A (ja) | 車両およびその制御方法 | |
JP7070325B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2014125164A (ja) | 車両用ブレーキ液圧制御システム | |
JP2013057252A (ja) | 車両の駆動制御装置 | |
JP4719061B2 (ja) | 車両およびその制御方法 | |
JPH05187284A (ja) | 車両のトラクション制御装置 | |
JP4719060B2 (ja) | 車両およびその制御方法 | |
JP3761395B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
WO2014157161A1 (ja) | 車両用ブレーキ液圧制御装置 | |
JP3705268B2 (ja) | 車両 | |
JP4462046B2 (ja) | 車両の制動制御装置 | |
JP2012035724A (ja) | 車両のエアコン制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050405 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050603 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051213 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060110 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |