JP3753160B2 - 鋼管フランジを有する鈑桁およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管フランジを有する鈑桁およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、桁橋構造の一種である鈑桁(プレートガーダ)は、図4に示すように、鋼板を切断してなる上下フランジ1,2とウエブ3を溶接あるいは鋲接により集成して、その上フランジ1を床版4にスラブアンカ(またはずれ止め)5で接合することにより、I型の断面を成形し軽量でかつ曲げ剛性の高い橋梁構造としたものが一般的に用いられている。
【0003】
また、上フランジ1については、圧縮力による耐荷力の低下を防ぐため、図5(a) ,(b) に示すような三角形断面フランジ1a,1bにするとか、図5(c) に示すような円形断面(鋼管)フランジ1cにするなど、圧縮に強い閉断面化した構造も一部で用いられている。これらの構造は、運搬可能な部材長さで工場において製作し、現地において高力ボルトもしくは現地溶接で接合し、所定の長さに組み立てられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術の鈑桁構造では、工場において運搬可能な部材長さで製作し、その後現地において高力ボルトで接合し所定の長さに組み立てるのが一般的であるが、断面を構成する鋼板の板厚が増加すると、所要ボルトの本数が著しく増加し、ボルト孔の断面欠損と相まって接合部の設計が困難になる場合が生じて、継手効率の高い全断面現場溶接が必要となる。
【0005】
しかし、全断面現場溶接の場合では、鋼板の溶接集成鈑桁では溶接線が直交することが多く、また上下フランジ1,2では図6(a) ,(b) に示すように、上フランジ1の溶接継手6および下フランジ2の溶接継手7の溶接時に、自由端部に溶接欠陥を防ぐためのエンドタブ8,9を必要とするなど、自動溶接化や溶接品質の確保(特に靱性値の確保)に問題が多く、全断面現場溶接の実用化が阻害されていた。なお、図中、10はウエブ溶接継手、11は上フランジ1とウエブ3との溶接継手、12は下フランジ2とウエブ3との溶接継手である。
【0006】
また、図6(c) に示すように、ウエブ溶接継手10の代わりにウエブ継手板13を用いてボルト14で接合する場合は、溶接継手部が鋼板の突き合わせ溶接のみとなるため、継手部全体の変形性能がウエブのボルト接合部の変形性能に支配される結果、フランジ継手部に過大なる局部変形が集中する可能性がある。
さらに、従来技術による鈑桁では、上下フランジ1,2の縁端に塗料の不均一部が発生することが不可避となることから、塗膜の剥離や劣化が生じ易く、鈑桁橋梁の防食上の問題点となっていた。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の有する課題を解決すべくなされたものであって、少なくとも下フランジに鋼管フランジを用いた鈑桁およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上下フランジ(1, 2)をウエブ(3) で接合し、その上フランジ(1) を床版(4) にスラブアンカ(5) で接合してなる断面H型の鈑桁であって、少なくとも下フランジ(2) に鋼管フランジ(2A)を用いるとともに、現地で接合される鋼管フランジ(2A)の継手部に対応したウエブ(3) 面に切欠き(15)を設けてなることを特徴とする鋼管フランジを有する鈑桁である。
【0009】
また、本発明は、上下フランジ(1, 2)をウエブ(3) で接合し、その上フランジ(1) を床版(4) にスラブアンカ(5) で接合してなる断面H型の鈑桁の製造方法であって、少なくとも下フランジ(2) に鋼管フランジ(2A)を用い、ウエブ(3) に設けられた切欠き(15)を介して現地で全自動円周溶接機を用いて鋼管フランジ(2A)の継手部を溶接し、ウエブ(3) を溶接またはウエブ継手板(13)とボルト(14)で接合することを特徴とする鋼管フランジを有する鈑桁の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。
図1は本発明の一実施例を示す斜視図であり、従来例との違いは下フランジ2の代わりに鋼管フランジ2Aを用いた点である。そして、現地で鋼管フランジ2A同士を接合するのに備えて、ウエブ3の接合部に対応した部分に切欠き15を予め設けておくようにする。この切欠き15は、既に実用化が進んでいるパイプライン等の横置き鋼管の全周自動溶接機が適用可能にするためのもので、その大きさは溶接機の回転運動に支障のない大きさとする。
【0011】
そして、架設現場では、ウエブ3同士のウエブ溶接継手10はエレクトロガス溶接等の高能率自動溶接機で溶接することにより、溶接欠陥が生じ易くかつ現場での溶接部の靱性が低下する溶接線の交差部が無く、現場での溶接能率を著しく高めることが可能となる。これによって、1ジョイント当たりの溶接時間を約30%もの効率化を図ることが可能である。
【0012】
この例では、上フランジ1に従来例の鋼板フランジを用いているが、これは従来技術を用いても下向きの自動溶接の適用が可能であることから、エンドタブの取り付けおよび撤去作業のみが溶接能率を阻害することにとどまる点を勘案したものである。
つぎに、図2は上記した図1の鈑桁にさらに上フランジ1の代わりに鋼管フランジ1Aを用いた場合を示したものであり、鋼管フランジ1Aの溶接継手6aにエンドタブを要しないから、現場での溶接能率をさらに著しく高めることが可能となる。また、フランジに端面が無くなることから、塗膜厚を均等に施工することができ、塗装の弱点も解消できる。
【0013】
さらに、図3(a) ,(b) は上記の図1,2の鈑桁のウエブ3の接合にウエブ継手板13を用いてボルト14で締め付けた例を示したものである。これらについては、従来例の鈑桁ではせん断力の伝達がほとんどウエブ3を介して行われていることから、ウエブ3同士の接合はせん断力に対して強度を確保する必要があったが、本発明の鈑桁構造では、鋼管フランジ2Aあるいは1Aの接合部のせん断抵抗が大きくなることから、ウエブ3同士の接合に用いるウエブ継手板13は少ないボルト14の本数で接合が可能である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の鈑桁によれば、少なくとも下フランジに鋼管フランジを用いるとともに、現地で接合される鋼管フランジの継手部に対応したウエブ面に切欠きを設けるようにしたので、現地での全断面溶接を効率よく行うことができる。
【0015】
また、本発明の鈑桁の製造方法によれば、少なくとも下フランジに鋼管フランジを用い、ウエブに設けられた切欠きを介して現地で全自動円周溶接機を用いて鋼管フランジの継手部を溶接し、ウエブ同士を溶接またはウエブ継手部材とボルトで接合するようにしたので、現地での全断面溶接を効率よく行うことができるとともに、溶接線の交差部をなくすことができ、これによって溶接品質の確保および防食性の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図4】従来例を示す正面図である。
【図5】他の従来例を示す正面図である。
【図6】従来例の製造工程を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 上フランジ
1A 鋼管フランジ
2 下フランジ
2A 鋼管フランジ
3 ウエブ
4 床版
5 スラブアンカ
6,7,10, 11, 12 溶接継手
8,9 エンドタブ
10 ウエブ溶接継手
13 ウエブ継手板
14 ボルト
15 切欠き
Claims (2)
- 上下フランジ(1, 2)をウエブ(3) で接合し、その上フランジ(1) を床版(4) にスラブアンカ(5) で接合してなる断面H型の鈑桁であって、
少なくとも下フランジ(2) に鋼管フランジ(2A)を用いるとともに、現地で接合される鋼管フランジ(2A)の継手部に対応したウエブ(3) 面に切欠き(15)を設けてなることを特徴とする鋼管フランジを有する鈑桁。 - 上下フランジ(1, 2)をウエブ(3) で接合し、その上フランジ(1) を床版(4) にスラブアンカ(5) で接合してなる断面H型の鈑桁の製造方法であって、
少なくとも下フランジ(2) に鋼管フランジ(2A)を用い、ウエブ(3) に設けられた切欠き(15)を介して現地で全自動円周溶接機を用いて鋼管フランジ(2A)の継手部を溶接し、ウエブ(3) を溶接またはウエブ継手板(13)とボルト(14)で接合することを特徴とする鋼管フランジを有する鈑桁の製造方法。
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