JP3743147B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図14〜15に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシング5(図16〜18)の内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸6、6を中心として揺動するトラニオン7、7を設けている。
【0003】
即ち、これら各トラニオン7、7は、両端部外側面に上記各枢軸6、6を、互いに同心に設けている。又、これら各トラニオン7、7の中心部には変位軸8、8の基端部を支持し、上記各枢軸6、6を中心として各トラニオン7、7を揺動させる事により、上記各変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン7、7に支持された変位軸8、8の周囲には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ9、9を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。これら入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸6を中心とする円弧を上記入力軸1及び出力軸3を中心に回転させて得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成した各パワーローラ9、9の周面9a、9aを、上記各内側面2a、4aに当接させている。
【0004】
上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置10を設け、この押圧装置10によって、上記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装置10は、入力軸1と共に回転するカム板11と、保持器12により保持した複数個(例えば4個)のローラ13、13とから構成している。上記カム板11の片側面(図14〜15の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面14を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図14〜15の右側面)にも、同様のカム面15を形成している。そして、上記複数個のローラ13、13を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。
【0005】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板11が回転すると、カム面14によって複数個のローラ13、13が、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面15に押圧される。この結果、上記入力側ディスク2が、上記複数のパワーローラ9、9に押圧されると同時に、上記1対のカム面14、15と複数個のローラ13、13との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、前記各枢軸6、6を中心として前記各トラニオン7、7を所定方向に揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図14に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、前記各変位軸8、8を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各枢軸6、6を中心として上記各トラニオン7、7を反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ9、9の周面9a、9aが図15に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位軸8、8を傾斜させる。各変位軸8、8の傾斜角度を図14と図15との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
上述の様なトロイダル型無段変速機により、実際の自動車用変速機を構成する場合、入力側ディスク2と出力側ディスク4とパワーローラ9、9とを2組設け、これら2組の入力側ディスク2と出力側ディスク4とパワーローラ9、9とを、動力の伝達方向に対して互いに並列に配置する、所謂ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機も、従来から広く知られている。図16〜19は、この様なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の一種で、特公平8−23386号公報に記載されて従来から知られているものを示している。
【0008】
ケーシング5の内側には入力軸1aを、回転のみ自在に支持している。そして、この入力軸1aの周囲に円管状の伝達軸38を、この入力軸1aと同心に、且つこの入力軸1aに対する相対回転を自在に支持している。この伝達軸38の中間部両端寄り部分には、請求項に記載した第一、第二外側ディスクに相当する第一、第二両入力側ディスク16、17を、互いの内側面2a、2a同士を対向させた状態で、それぞれボールスプライン18、18を介して支持している。従って、上記第一、第二両入力側ディスク16、17は、上記ケーシング5の内側に、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持されている。
【0009】
又、上記伝達軸38の中間部の周囲には、請求項に記載した第一、第二内側ディスクに相当する第一、第二両出力側ディスク19、20を、スリーブ21を介して支持している。このスリーブ21は、中間部外周面に出力歯車22を一体に設けたもので、上記伝達軸38の外径よりも大きな内径を有し、上記ケーシング5内に設けた支持壁23に、1対の転がり軸受24、24により、上記伝達軸38と同心に、且つ回転のみ自在に支持している。上記第一、第二両出力側ディスク19、20は、この様に上記伝達軸38の中間部周囲に、この伝達軸38に対し回転自在に支持したスリーブ21の両端部に、それぞれの内側面4a、4aを互いに反対に向けた状態で、スプライン係合させている。従って、上記第一、第二両出力側ディスク19、20は、それぞれの内側面4a、4aを上記第一、第二何れかの入力側ディスク16、17の内側面2a、2aに対向させた状態でこれら第一、第二両入力側ディスク16、17と同心に、且つこれら第一、第二両入力側ディスク16、17とは独立した回転自在に支持されている。
【0010】
又、前記ケーシング5の内面で上記第一、第二両入力側ディスク16、17の側方位置には、これら両入力側ディスク16、17を両側から挟む状態で、1対のヨーク25a、25bを支持している。これら両ヨーク25a、25bはそれぞれ、鋼等の金属板にプレス加工を施す事により、或は鋼等の金属材料に鍛造加工を施す事により、図19に示す様な矩形枠状に形成している。これら各ヨーク25a、25bは、それぞれの四隅部に、後述する第一、第二両トラニオン31、32の両端部に設けた第一、第二両枢軸33、34を揺動自在に支持する為の円形の支持孔26、26を、上記伝達軸38の軸方向(図16 、19の左右方向)両端部の幅方向(図17〜18の左右方向、図19の上下方向)中央部に、円形の係止孔27、27を、それぞれ形成している。それぞれがこの様な形状を有する上記1対のヨーク25a、25bは、上記ケーシング5の内面で互いに対向する部分に形成した支持ポスト28a、28bに支持している。これら各支持ポスト28a、28bはそれぞれ、第一入力側ディスク16の内側面2aと第一出力側ディスク19の内側面4aとの間部分である第一キャビティ29、第二入力側ディスク17の内側面2aと第二出力側ディスク20の内側面4aとの間部分である第二キャビティ30に、それぞれ対向する部分に設けられている。従って、上記各ヨーク25a、25bを上記各支持ポスト28a、28bに支持した状態で、これら各ヨーク25a、25bの一端部は上記第一キャビティ29の外周部分に、他端部は上記第二キャビティ30の外周部分に、それぞれ対向する。
【0011】
又、上記第一キャビティ29内で第一入力側ディスク16及び第一出力側ディスク19の直径方向反対位置には1対の第一トラニオン31、31を、上記第二キャビティ30内で第二入力側ディスク17及び第二出力側ディスク20の直径方向反対位置には1対の第二トラニオン32、32を、それぞれ配置している。このうち、上記各第一トラニオン31、31の両端部に互いに同心に設けた、各第一トラニオン31、31毎に2本ずつ、合計4本の第一枢軸33、33は、図17に示す様に、上記1対のヨーク25a、25bの一端部に、揺動並びに軸方向に亙る変位自在に支持している。即ち、これら各ヨーク25a、25bの一端部に形成した支持孔26、26の内側に上記各第一枢軸33、33を、ラジアルニードル軸受35、35により支持している。これら各ラジアルニードル軸受35、35はそれぞれ、外周面が球状凸面であり内周面が円筒面である外輪36と複数本のニードル37、37とから成る。従って上記各第一枢軸33、33は、上記各ヨーク25a、25bの一端部の幅方向両側に、各方向の揺動並びに軸方向に亙る変位自在に支持されている。又、上記各第二トラニオン32、32は上記第二キャビティ30内に、図18に示す様に、上記第一トラニオン31、31と同様の構造により支持している。
【0012】
上述の様にして前記ケーシング5の内側に、揺動及び上記第一、第二各枢軸33、34の軸方向に亙る変位自在に支持した、上記第一、第二各トラニオン31、32の中間部にはそれぞれ、図17〜18に示す様に円孔39、39を形成している。そして、これら各円孔39、39部分に、第一、第二各変位軸40、41を支持している。これら第一、第二各変位軸40、41はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した支持軸部42、42と枢支軸部43、43とを、それぞれ有する。このうちの各支持軸部42、42を上記各円孔39、39の内側に、ラジアルニードル軸受44、44を介して、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部43、43の周囲に第一、第二各パワーローラ45、46を、別のラジアルニードル軸受47、47を介して回転自在に支持している。
【0013】
尚、前記第一、第二各キャビティ29、30毎に1対ずつ設けた、上記第一、第二各変位軸40、41は、上記第一、第二各キャビティ29、30毎に、前記入力軸1a及び伝達軸38に対して180度反対側位置に設けている。又、これら第一、第二各変位軸40、41の各枢支軸部43、43が各支持軸部42、42に対し偏心している方向は、前記第一、第二入力側、出力側各ディスク16、17、19、20の回転方向に関して同方向(図17〜18で上下逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸1aの配設方向に対しほぼ直交する方向としている。従って上記各第一、第二各パワーローラ45、46は、上記入力軸1a及び伝達軸38の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結果、トロイダル型無段変速機により伝達するトルクの変動に基づく、構成各部材の弾性変形量の変動等に起因して、上記各第一、第二各パワーローラ45、46が上記入力軸1a及び伝達軸38の軸方向(図16の左右方向、図17〜18の表裏方向)に変位する傾向となった場合でも、構成各部材に無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0014】
又、上記各第一、第二各パワーローラ45、46の外側面と前記第一、第二各トラニオン31、32の中間部内側面との間には、第一、第二各パワーローラ45、46の外側面の側から順に、スラスト玉軸受48、48と、滑り軸受或はニードル軸受等のスラスト軸受49、49とを設けている。このうちのスラスト玉軸受48、48は、上記各第一、第二各パワーローラ45、46に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各第一、第二各パワーローラ45、46の回転を許容する。又、上記各スラスト軸受49、49は、上記各第一、第二各パワーローラ45、46から上記各スラスト玉軸受48、48の外輪50、50に加わるスラスト荷重を支承しつつ、前記枢支軸部43、43及び上記外輪50、50が前記支持軸部42、42を中心に揺動する事を許容する。
【0015】
更に、上記第一、第二各トラニオン31、32の一端部(図17〜18の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド51、51を結合し、これら各駆動ロッド51、51の中間部外周面に駆動ピストン52、52を固設している。そして、これら各駆動ピストン52、52を、それぞれ駆動シリンダ53、53内に油密に嵌装している。これら各駆動ピストン52、52と駆動シリンダ53、53とが、それぞれ上記第一、第二各トラニオン31、32を第一、第二各枢軸33、34の軸方向に亙って変位させる為のアクチュエータを構成する。又、上記各駆動シリンダ53、53内には、図示しない制御弁の切り換えに基づいて、圧油を給排自在としている。
【0016】
更に、前記入力軸1aと前記第一入力側ディスク16との間には、ローディングカム式の押圧装置10を設けている。この押圧装置10は、上記入力軸1aの中間部にスプライン係合すると共に軸方向に亙る変位を阻止された状態で支持されて、上記入力軸1aと共に回転するカム板11と、ローラ13とを含んで構成している。そして、上記入力軸1aの回転に基づいて上記第一入力側ディスク16を、第二入力側ディスク17に向け押圧しつつ回転させる。
【0017】
上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の運転時、入力軸1aの回転は押圧装置10を介して第一入力側ディスク16に伝えられ、この第一入力側ディスク16と第二入力側ディスク17とが、互いに同期して回転する。そして、これら第一、第二両入力側ディスク16、17の回転が、前記第一、第二両キャビティ29、30内にそれぞれ1対ずつ設けた第一、第二各パワーローラ45、46を介して、第一、第二両出力側ディスク19、20に伝えられ、更にこれら第一、第二両出力側ディスク19、20の回転が、前記出力歯車22より取り出される。入力軸1aと出力歯車22との間の回転速度比を変える場合には、上記制御弁の切り換えに基づいて、上記第一、第二両キャビティ29、30に対応してそれぞれ1対ずつ設けた駆動ピストン52、52を、各キャビティ29、30毎に互いに逆方向に同じ距離だけ変位させる。
【0018】
これら各駆動ピストン52、52の変位に伴って上記1対ずつ合計4個のトラニオン32、32が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図17〜18の右側の第一、第二両パワーローラ45、46が各図の下側に、図17〜18の左側の第一、第二両パワーローラ45、46が各図の上側に、それぞれ変位する。この結果、これら各第一、第二各パワーローラ45、46の周面9a、9aと上記第一、第二両入力側ディスク16、17及び第一、第二両出力側ディスク19、20の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って前記第一、第二各トラニオン31、32が、ヨーク25a、25bに枢支した第一、第二各枢軸33、34を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図14〜15に示した様に、上記各第一、第二各パワーローラ45、46の周面9a、9aと上記各ディスク16、17、19、20の内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸1aと出力歯車22との間の回転速度比が変化する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
図16〜19に示した従来構造の場合、ケーシング5の内側に1対のヨーク25a、25bを支持し、更にこれら両ヨーク25a、25bに第一、第二各トラニオン31、32を支持する作業が面倒で、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の製作費が嵩む原因となっていた。
先ず第一に、上記各ヨーク25a、25bを、それぞれ2個の支持ポスト28a、28bにより上記ケーシング5に対して支持している。この為、これら支持ポスト28a、28bの製作費が嵩むだけでなく、これら支持ポスト28a、28bをケーシング5に対して取り付ける作業、並びにこれら支持ポスト28a、28bに対して上記各ヨーク25a、25bを支持する作業が面倒になる。
第二に、これら各ヨーク25a、25bの四隅に形成した支持孔26、26が単なる円孔であり、上記第一、第二各トラニオン31、32を支持するラジアルニードル軸受35、35を構成する外輪36、36を、上記各支持孔26、26内にがたつきなく内嵌していた。この為、これら各支持孔26、26内に上記各外輪36、36を内嵌し、上記第一、第二各トラニオン31、32を上記各ヨーク25a、25bに対して支持する作業が面倒で、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の組立作業の能率化を図りにくい。又、トロイダル型無段変速機の運転時に上記各支持孔26、26の内周面と上記各外輪36、36の外周面とは、全周に亙って摺動する可能性がある為、上記各支持孔26、26の内周面を全周に亙って仕上加工(研磨)する必要がある。従って、これら各支持孔26、26の加工作業も面倒で、加工コストが嵩む。
ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機で、1対のヨークにより4個のトラニオンを支持する構造を記載した文献としては、前述の特公平8−23386号公報の他に、特開平2−283949号公報、同5−126222号公報、同6−34010号公報に記載されたもの等が知られているが、何れも同様の問題を持っていたり、或はヨークの支持が不安定で、変速の過渡時に各ディスクの内側面2a、4aと各パワーローラの周面9a、9aとの接触状態が不安定になる可能性がある。
本発明は、この様な原因によるトロイダル型無段変速機のコスト増大を防止して、安価で且つ安定した性能を発揮できるダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を実現すべく発明したものである。
【0020】
【課題を解決する為の手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は何れも、前述した従来から知られているダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機と同様に、ケーシングと、このケーシングの内側に互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された第一、第二外側ディスクと、その内側面を第一外側ディスクの内側面に対向させた状態でこれら第一、第二外側ディスクと同心に、且つこれら第一、第二外側ディスクとは独立した回転自在に支持された第一内側ディスクと、その内側面を第二外側ディスクの内側面に対向させた状態で上記第一内側ディスクと同心に、且つこの第一内側ディスクと同期した回転自在に支持された第二内側ディスクと、第一、第二内側ディスクの側方に、これら両内側ディスクを両側から挟む状態で、且つ一端部を上記第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分に、他端部を上記第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間に、それぞれ位置させた状態で、互いにほぼ平行に設けられた少なくとも1対のヨークと、上記第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捻れの位置に存在し、上記各ヨークに支持された4本の第一枢軸と、これら各第一枢軸を中心として揺動する1対の第一トラニオンと、これら各第一トラニオンの内側面から突出した第一変位軸と、これら各第一変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第一外側ディスクの内側面と第一内側ディスクの内側面との間に挟持された1対の第一パワーローラと、上記第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捻れの位置に存在し、上記各ヨークに支持された4本の第二枢軸と、これら各第二枢軸を中心として揺動する1対の第二トラニオンと、これら各第二トラニオンの内側面から突出した第二変位軸と、これら各第二変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの内側面と第二内側ディスクの内側面との間に挟持された1対の第二パワーローラとを備える。そして、上記各ヨークは上記ケーシングの内側に、これら各ヨークの一部に形成した係止孔に上記ケーシングの内面から突出する状態で固設した支持ポストを内嵌する事により支持している。
【0021】
特に、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機に於いては、上記係止孔は、上記各ディスクの軸方向に関する上記各ヨークの両端部のうちの何れか一方の端部の幅方向中間部の1個所にのみ設けられており、上記係止孔と上記支持ポストとの係合に基づいて上記1対のヨークのうちの少なくとも一方のヨークは、上記各枢軸の中心軸に対し直角に交差する仮想平面上での移動を不能に、且つ、上記各ディスクの中心軸に対し平行な仮想中心軸を中心とする揺動変位を自在とし、更に、少なくとも一方のヨークは、当該ヨークを支持する為の支持ポストに対して、上記各枢軸の軸線方向に亙る移動を可能に外嵌支持している。
【0022】
又、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機に於いては、上記各ヨークの隅部に第一、第二各枢軸を揺動自在に支持する為の支持孔が形成されており、これら各支持孔の内側に上記第一、第二各枢軸を、外周面が球状凸面であり内周面が円筒面である外輪を備えたラジアルニードル軸受により支持しており、上記各支持孔は、各ディスクの中心軸方向に対し直角な方向に長い長孔である。
【0023】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、部品加工作業や組立作業の簡略化等によりコスト増大を防止して、安価なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を実現できる。
先ず、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機の場合には、各ヨークをそれぞれ1個の支持ポストによりケーシングに対し支持しているので、部品点数並びに組立工数の削減により、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機のコスト低減を図れる。又、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機の場合には、上記支持ポストに対して上記ヨークが変位できる範囲を規制しているので、上述の様に、上記各ヨークを1個の支持ポストにより支持した場合でも、これら各ヨークの位置決めを十分に図って、上記トロイダル型無段変速機に所定の性能を発揮させる事ができる。
【0024】
又、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機の場合には、各支持孔に第一、第二各枢軸を挿入支持する際の自由度が高い為、これら各支持孔内に第一、第二各枢軸を支持する作業が容易で、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の組立作業の能率化を図れる。又、トロイダル型無段変速機の運転時に各キャビティ毎に1対ずつ設けられた各トラニオンは、互いに離れる方向に押圧され、上記各支持孔の内周面と上記第一、第二各枢軸を支持する外輪等の外周面とは、円周方向の一部のみで摺動する為、上記各支持孔の内周面を全周に亙って仕上加工する必要がなく、加工コストの低廉化を図れる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1〜5は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明のトロイダル型無段変速機の特徴は、それぞれ1対ずつ設けた第一、第二両トラニオン31、32(図17〜18参照)をケーシング5の内側に、第一、第二両枢軸33、34(図17〜18参照)の軸方向に亙る変位並びにこれら第一、第二両枢軸33、34を中心とする揺動変位を自在に支持する為の1対のヨーク54a、54bを、上記ケーシング5の内面に支持する部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図16〜18に示した従来構造の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0026】
本発明のトロイダル型無段変速機を構成する1対のヨーク54a、54bはそれぞれ、厚肉鋼板等の金属板に打ち抜き加工を施す事により、或は鋼等の金属素材に鍛造加工を施す事により、矩形枠状に形成している。そして、四隅部分に円形の支持孔26、26を形成している。これら各支持孔26、26の内径は、第一、第二両枢軸33、34を支持するラジアルニードル軸受35、35を構成する外輪36、36(図17〜18)をがたつきなく、且つ軸方向に亙る変位自在に内嵌自在な大きさとしている。又、上記各ヨーク54a、54bの一端部(図1、5の左端部)の幅方向(図1の上下方向、図5の表裏方向)中間部には、矩形の係止孔27aを形成している。
【0027】
そしてこの係止孔27aに、上記ケーシング5の内面に固定した支持ポスト28cの先端部に固設した嵌合片55を内嵌している。本例の場合には、この支持ポスト28cの嵌合片55と上記係止孔27aとの係合に基づいて上記各ヨーク54a、54bを、上記第一、第二両枢軸33、34の中心軸に対し直角に交差する仮想平面(図1の紙面、図5の左右方向で図5の表裏方向に存在する面)上での移動を不能に、且つ、第一、第二両入力側ディスク16、17及び第一、第二両出力側ディスク19、20の中心軸に対し平行な仮想中心軸(図1の鎖線α)を中心とする揺動変位を自在とし、更に上記支持ポスト28cに対して、上記第一、第二両枢軸33、34の軸線方向(図1〜2の表裏方向、図3の左右方向、図5の上下方向)に亙る移動を可能に外嵌支持している。
【0028】
この為に図示の例では、上述の様に係止孔27aを正方形若しくは矩形とすると共に、上記嵌合片55の平面形状を、上記係止孔27aにがたつきなく内嵌自在な正方形若しくは矩形としている。又、上記嵌合片55の外周面を構成する4面のうち、反対側に存在する2面を、部分円筒状の凸曲面56、56としている。即ち、上記支持ポスト28cは、図2〜4に示す様な形状を有する嵌合片55を上記ケーシング5の内面に突設した支持部57a、57bに結合固定しているが、この嵌合片55は、上記正方形若しくは矩形の平面形状と部分円筒状の凸曲面56、56とを有する。そして、この様な嵌合片55を上記係止孔27aに内嵌した状態で、これら両凸曲面56、56を、この係止孔27aの内周面を構成する4面のうち、上記各ヨーク54a、54bの幅方向反対側の2面に当接させている。
【0029】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、1対のヨーク54a、54bが何れも、それぞれの一端部のみを前記ケーシング5に対して、上記第一、第二両枢軸33、34の中心軸に対し直角に交差する仮想平面上での移動を不能に、且つ、第一、第二両入力側ディスク16、17及び第一、第二両出力側ディスク19、20の中心軸に対し平行な仮想中心軸を中心とする揺動変位を自在に、上記第一、第二両枢軸33、34の軸線方向に亙る移動を可能に支持している。この為、部品点数並びに組立工数の削減により、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機のコスト低減を図れる。
【0030】
又、上記各支持ポスト28c、28cに対して上記各ヨーク54a、54bが変位できる範囲を規制し、前記第一、第二両キャビティ29、30部分にそれぞれ1対ずつ設けた第一、第二両トラニオン31、32の位置決めを図っている。従って、これら各トラニオン31、32の内側面に支持した第一、第二各パワーローラ45、46の周面9a、9a(図17〜18参照)と第一、第二両入力側ディスク16、17及び第一、第二両出力側ディスク19、20の内側面2a、4aとの当接部(=トラクション部。図14〜15参照)の当接圧を互いに同じとしたままにできる。即ち、上記1対のヨーク54a、54baが何れも、変速作業等に伴って上記各第一、第二各パワーローラ45、46の軸線方向に変位する事がない為、上記各当接部の当接状態が、ヨーク54a、54bの変位に基づいて不均等になる事がない。この為、上記1対の第一、第二各パワーローラ45、46に関する変速同期安定性を確保すると共に、何れかのトラクション部に大きな力が加わる事を防止して、上記各第一、第二各パワーローラ45、46及び上記各ディスク16、17、19、20を含む構成各部材の耐久性向上を図れる。
【0031】
尚、前記嵌合片55の外周面の反対側に存在する2面を構成する部分円筒状の凸曲面56、56の断面の曲率半径Rは、前記係止孔27aの長さLとの関係で設計的に定めるが、変速操作が円滑に行なわれる様にする為、上記曲率半径Rを長さLの半分以下(R≦L/2)とする事が好ましい。最も好ましくは、R=L/2とし、両凸曲面56、56を単一円筒面上に位置させる。又、上記1対のヨーク54a、54bのそれぞれ他端部には、特に前記ケーシング5の内面に対し支持する為の支持ポストを設けてはいない。図5の上側のヨーク54aの他端部の幅方向中央部には透孔58(図1では不図示)を形成し、この透孔58の内側に、前記第二キャビティ30内にトラクションオイルを送り込む為のノズル部材59を緩く挿入している。これに対して、図5の下側のヨーク54bの他端部は上記ケーシング5の内面に対し、ばね60により弾性的に支持している。
【0032】
尚、上記1対のヨーク54a、54bをケーシング5の内面に支持する為の支持ポスト28c、28cは、図5に示す様にフロント側(エンジン側)に設けても、或は図5とは逆にリヤ側(デファレンシャルギヤ側)に設けても良い。但し、リヤ側に存在する第二キャビティ30の近傍には、出力歯車22の回転を上記デファレンシャルギヤに向けて取り出す為の取り出し軸61が存在するので、図5の下側のヨーク54bに関しては、支持ポストをリヤ側に設けにくい事も考えられる。これに対して、図5の上側のヨーク54aに関しては、支持ポストをフロント側、リヤ側の何れに設けても良い。
【0033】
次に、図6〜8は、やはり請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、支持ポストの先端部に固設する嵌合片55aの平面形状を小判形とし、係止孔27aの内側面と揺動変位自在に当接する凸曲面56a、56aを、断面形状だけでなく平面形状も湾曲させている。この様な嵌合片55aは、上述した第1例に組み込む嵌合片55に比べて加工が容易である。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する重複する図示並びに説明は省略する。
【0034】
次に、図9は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の形態の第3例を示している。本例の場合には、前述の図5に示す様なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機に組み込む1対のヨーク54cの四隅部に形成した、第一、第二各枢軸33、34(図17〜18)を揺動自在に支持する為の支持孔26a、26aを、長孔としている。即ち、これら各支持孔26a、26aは、上記第一、第二各枢軸33、34を支持する為のラジアルニードル軸受35を構成する外輪36(図17〜18)の外径とほぼ一致する幅と、この外径よりも大きな長さとを有する長孔としている。そして、これら各支持孔26a、26aの長さ方向を、上記ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を構成する第一、第二両入力側、第一、第二両出力側各ディスク16、17、19、20の中心軸方向に対し直角な方向に一致させている。
【0035】
上述の様なヨーク54cを組み込んで成る、本例のトロイダル型無段変速機の場合には、上記各支持孔26a、26aに上記第一、第二各枢軸33、34及び上記外輪36を含むラジアルニードル軸受35を挿入支持する際の自由度が高い。即ち、上記外輪36の外径よりも上記各支持孔26a、26aの長さが十分に大きい為、これら各支持孔26a、26aと外輪36とが対向する範囲が広くなる。この為、これら各支持孔26a、26a内に上記第一、第二各枢軸33、34及びラジアルニードル軸受35を挿入支持する作業が容易で、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の組立作業の能率化を図れる。
【0036】
又、トロイダル型無段変速機を組み立てて、皿ばね62(図5)により、上記第一、第二両入力側、第一、第二両出力側各ディスク16、17、19、20の内側面2a、4aと第一、第二各パワーローラ45、46の周面9a、9aとの当接部(図14〜15参照)に予圧を付与した状態では、上記各パワーローラ45、46から第一、第二各トラニオン31、32の内側面に加わるスラスト荷重により、上記第一、第二各枢軸33、34及び上記外輪36を含むラジアルニードル軸受35が、図9に示す様に、上記各支持孔26a、26aの内側で、上記ヨーク54cの幅方向外端部に移動する。そして、トロイダル型無段変速機の運転時、押圧装置10により更に大きなスラスト荷重が加わると、上記第一、第二各枢軸33、34及び上記外輪36を含むラジアルニードル軸受35は、図9に示した位置に押し付けられたままとなる。
【0037】
従って、トロイダル型無段変速機の運転時に上記外輪36の外周面は、上記各支持孔26a、26aの内周面のうち、上記ヨーク54cの幅方向外端部のみで摺動する。この為、上記各支持孔26a、26aの内周面のうち、この幅方向外端部のみを仕上加工すれば良くなり、上記ヨーク54cの加工コストの低廉化を図れる。上記第一、第二各枢軸33、34及び上記外輪36を含むラジアルニードル軸受35を上記各支持孔26a、26aに挿入する作業は、上記皿ばね62を装着する以前に行なうので、前述の様に各支持孔26a、26a内に上記第一、第二各枢軸33、34及びラジアルニードル軸受35を挿入支持する作業を容易に行なえる。尚、本例の場合には、前述の図16〜18に示した従来構造の場合と同様に、ヨーク54cの両端部幅方向中間位置に円形の係止孔27、27を形成し、これら両係止孔27、27を使用して、上記ヨーク54cをケーシング5内に支持する様にしている。
【0038】
次に、図10は、請求項1に記載した発明と請求項2に記載した発明とを組み合わせた、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、前述の第1例の如く、ヨーク54eの一端部幅方向中央部に正方形若しくは矩形の係止孔27aを形成すると共に、四隅部に形成した支持孔26a、26aを長孔としている。この様な本例の構造によれば、前述した第1例の作用・効果と、上述した第3例の作用・効果とを合わせ持たせる事ができる。
【0039】
次に、図11は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、前述の第1例の如く、ヨーク54fの一端部幅方向中央部に正方形若しくは矩形の係止孔27aを形成すると共に、四隅部に形成した支持孔26b、26bの内径を、第一、第二各枢軸33、34を支持する為のラジアルニードル軸受35を構成する外輪36(図17〜18)の外径よりも十分に大きくしている。この様な本例の構造によれば、前述した第1例の作用・効果に加えて、上記各支持孔26b、26bに上記各枢軸33、34及び外輪36を含む上記ラジアルニードル軸受35を挿入する作業を容易に行なえて、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の組立作業の能率化を図れると言った作用・効果を得られる。
【0040】
尚、以上に述べた各例の場合には何れも、第一キャビティ29部分に設ける第一トラニオン31、31を支持するヨークと、第二キャビティ30部分に設ける第二トラニオン32、32を支持するヨークとを一体に形成しているが、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機を実施する場合には、必ずしも第一キャビティ29部分のヨークと第二キャビティ30部分のヨークとを一体にする必要はない。各キャビティ29、30を挟む状態で設けるヨークの一方又は双方を、各キャビティ29、30毎に独立させても良い。例えば、図12に示した第6例の場合には、第一キャビティ29部分又は第二キャビティ30部分に設けるヨーク63aの中央部に正方形又は矩形の係止孔27aを形成し、両端部に形成した支持孔26a、26aを長孔としている。又、図13に示した第7例の場合には、第一キャビティ29部分又は第二キャビティ30部分に設けるヨーク63bの中央部に円形の係止孔27を形成し、両端部に形成した支持孔26a、26aを長孔としている。これら第6〜7例の構造の場合も、上記各支持孔26a、26bに第一、第二各枢軸33、34を支持する作業が容易で、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の組立作業の能率化を図れる。又、トロイダル型無段変速機の運転時に上記各支持孔26a、26bの内周面と上記外輪36の外周面とは、円周方向の一部のみで摺動する為、上記各支持孔26a、26bの内周面を全周に亙って仕上加工する必要がなく、加工コストの低廉化を図れる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用する為、優れた伝達効率並びに耐久性を有するダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の低廉化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の第1例を示す、ヨークと支持ポストとを示す平面図。
【図2】 支持ポストに固設する嵌合片の平面図。
【図3】 図2のA−A断面図。
【図4】 嵌合片の斜視図。
【図5】 ヨーク及び支持ポストをトロイダル型無段変速機に組み込んだ状態を示す断面図。
【図6】 本発明の実施の形態の第2例を示す、支持ポストに固設する嵌合片の平面図。
【図7】 図6のB−B断面図。
【図8】 嵌合片の斜視図。
【図9】 本発明の実施の形態の第3例を示す、ヨークの平面図。
【図10】 本発明の実施の形態の第4例を示す、ヨークの平面図。
【図11】 本発明の実施の形態の第5例を示す、ヨークの平面図。
【図12】 本発明の実施の形態の第6例を示す、ヨークの平面図。
【図13】 本発明の実施の形態の第7例を示す、ヨークの平面図。
【図14】 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図15】 同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図16】 従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図17】 図16のC−C断面図。
【図18】 同D−D断面図。
【図19】 従来構造に組み込むヨークの平面図。
【符号の説明】
1、1a 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 ケーシング
6 枢軸
7 トラニオン
8 変位軸
9 パワーローラ
9a 周面
10 押圧装置
11 カム板
12 保持器
13 ローラ
14、15 カム面
16 第一入力側ディスク
17 第二入力側ディスク
18 ボールスプライン
19 第一出力側ディスク
20 第二出力側ディスク
21 スリーブ
22 出力歯車
23 支持壁
24 転がり軸受
25a、25b ヨーク
26、26a、26b 支持孔
27、27a 係止孔
28a、28b、28c 支持ポスト
29 第一キャビティ
30 第二キャビティ
31 第一トラニオン
32 第二トラニオン
33 第一枢軸
34 第二枢軸
35 ラジアルニードル軸受
36 外輪
37 ニードル
38 伝達軸
39 円孔
40 第一変位軸
41 第二変位軸
42 支持軸部
43 枢支軸部
44 ラジアルニードル軸受
45 第一パワーローラ
46 第二パワーローラ
47 ラジアルニードル軸受
48 スラスト玉軸受
49 スラスト軸受
50 外輪
51 駆動ロッド
52 駆動ピストン
53 駆動シリンダ
54a、54b、54c、54e、54f ヨーク
55、55a 嵌合片
56、56a 凸曲面
57a、57b 支持部
58 透孔
59 ノズル部材
60 ばね
61 取り出し軸
62 皿ばね
63a、63b ヨーク
Claims (2)
- ケーシングと、このケーシングの内側に互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された第一、第二外側ディスクと、その内側面を第一外側ディスクの内側面に対向させた状態でこれら第一、第二外側ディスクと同心に、且つこれら第一、第二外側ディスクとは独立した回転自在に支持された第一内側ディスクと、その内側面を第二外側ディスクの内側面に対向させた状態で上記第一内側ディスクと同心に、且つこの第一内側ディスクと同期した回転自在に支持された第二内側ディスクと、第一、第二内側ディスクの側方に、これら両内側ディスクを両側から挟む状態で、且つ一端部を上記第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分に、他端部を上記第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間に、それぞれ位置させた状態で、互いにほぼ平行に設けられた1対のヨークと、上記第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捻れの位置に存在し、上記1対のヨークの一端部に支持された4本の第一枢軸と、これら各第一枢軸を中心として揺動する1対の第一トラニオンと、これら各第一トラニオンの内側面から突出した第一変位軸と、これら各第一変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第一外側ディスクの内側面と第一内側ディスクの内側面との間に挟持された1対の第一パワーローラと、上記第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捻れの位置に存在し、上記1対のヨークの他端部に支持された4本の第二枢軸と、これら各第二枢軸を中心として揺動する1対の第二トラニオンと、これら各第二トラニオンの内側面から突出した第二変位軸と、これら各第二変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの内側面と第二内側ディスクの内側面との間に挟持された1対の第二パワーローラとを備え、上記各ヨークは上記ケーシングの内側に、これら各ヨークの一部に形成した係止孔に上記ケーシングの内面から突出する状態で固設した支持ポストを内嵌する事により支持しているトロイダル型無段変速機に於いて、上記係止孔は、上記各ディスクの軸方向に関する上記各ヨークの両端部のうちの何れか一方の端部の幅方向中間部の1個所にのみ設けられており、上記係止孔と上記支持ポストとの係合に基づいて上記1対のヨークのうちの少なくとも一方のヨークは、上記各枢軸の中心軸に対し直角に交差する仮想平面上での移動を不能に、且つ、上記各ディスクの中心軸に対し平行な仮想中心軸を中心とする揺動変位を自在とし、更に、少なくとも一方のヨークは、当該ヨークを支持する為の支持ポストに対して、上記各枢軸の軸線方向に亙る移動を可能に外嵌支持している事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
- ケーシングと、このケーシングの内側に互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に且つ互いに同期した回転自在に支持された第一、第二外側ディスクと、その内側面を第一外側ディスクの内側面に対向させた状態でこれら第一、第二外側ディスクと同心に、且つこれら第一、第二外側ディスクとは独立した回転自在に支持された第一内側ディスクと、その内側面を第二外側ディスクの内側面に対向させた状態で上記第一内側ディスクと同心に、且つこの第一内側ディスクと同期した回転自在に支持された第二内側ディスクと、第一、第二内側ディスクの側方に、互いにほぼ平行に設けられた少なくとも1対のヨークと、上記第一外側ディスクと第一内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捻れの位置に存在して、上記各ヨークに支持された4本の第一枢軸と、これら各第一枢軸を中心として揺動する1対の第一トラニオンと、これら各第一トラニオンの内側面から突出した第一変位軸と、これら各第一変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第一外側ディスクの内側面と第一内側ディスクの内側面との間に挟持された1対の第一パワーローラと、上記第二外側ディスクと第二内側ディスクとの間部分で、これら各ディスクの中心軸に対し捻れの位置に存在し、上記各ヨークに支持された4本の第二枢軸と、これら各第二枢軸を中心として揺動する1対の第二トラニオンと、これら各第二トラニオンの内側面から突出した第二変位軸と、これら各第二変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第二外側ディスクの内側面と第二内側ディスクの内側面との間に挟持された1対の第二パワーローラとを備え、上記各ヨークは上記ケーシングの内側に、これら各ヨークの一部に形成した係止孔に上記ケーシングの内面から突出する状態で固設した支持ポストを内嵌する事により支持しているトロイダル型無段変速機に於いて、上記各ヨークの隅部に第一、第二各枢軸を揺動自在に支持する為の支持孔が形成されており、これら各支持孔の内側に上記第一、第二各枢軸を、外周面が球状凸面であり内周面が円筒面である外輪を備えたラジアルニードル軸受により支持しており、上記各支持孔は、各ディスクの中心軸方向に対し直角な方向に長い長孔である事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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