JP3633109B2 - 車両のブレーキ装置におけるブレーキ圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキ操作部材の操作に基づいてアクチュエータを作動させ、該アクチュエータにより駆動されるマスタシリンダで油圧式ブレーキを作動させる車両のブレーキ装置におけるブレーキ圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる車両のブレーキ装置において、ブレーキ操作部材の操作荷重や操作ストロークに基づいてブレーキ圧を制御するものが、例えば特開平2−279450号公報、特開平2−262456号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記前者のものは、マスタシリンダと車輪ブレーキとの間に油圧制御手段を介装し、その油圧制御手段の制御スプール位置をブレーキ操作部材の操作荷重に基づいて制御することによりブレーキ圧の大きさを変化させている。また上記後者のものは、マスタシリンダと車輪ブレーキとの間に介装した複数の油圧制御弁を、ブレーキ操作部材の操作ストロークと車両の減速度との偏差に基づいて制御することによりブレーキ圧の大きさを変化させている。
【0004】
しかしながら、これらはブレーキ圧を制御するために多数のセンサや複雑な制御装置を必要とするものであり、例えばスクータ型の自動二輪車等のブレーキ装置には、サイズ及びコストの面で採用することが困難である。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、構造が簡単でコストが低く、しかもブレーキ操作部材の操作ストロークに対してリニアリティの高いブレーキ圧を得ることが可能なブレーキ圧制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載に記載された発明は、ブレーキ操作部材と機械式ブレーキとを、該ブレーキ操作部材の操作力を該機械式ブレーキに機械的に伝達可能な伝達系を介して連結し、前記ブレーキ操作部材の操作に基づいてアクチュエータを作動させ、該アクチュエータにより駆動されるマスタシリンダで、前記機械式ブレーキから独立した油圧式ブレーキを作動させる車両のブレーキ装置であって、前記ブレーキ操作部材の操作ストロークを検出する操作ストローク検出手段と、前記操作ストローク検出手段の出力に基づいて前記アクチュエータを駆動するための基本デューティ率を算出する基本デューティ率算出手段を有して、該基本デューティ率算出手段の出力に基づいて該アクチュエータをオープンループ制御するオープンループ制御手段とを備えていて、前記ブレーキ操作部材の操作時に、前記機械式ブレーキのブレーキ力を前記油圧式ブレーキのブレーキ力でアシスト可能としたことを特徴とする。
【0007】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記オープンループ制御手段は、前記操作ストロークの時間変化率に基づいて前記基本デューティ率を補正する第1デューティ率補正手段を有することを特徴とする。
【0008】
また請求項3に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記オープンループ制御手段は、前記操作ストロークの増加時と減少時との間に生じるマスタシリンダの出力ブレーキ圧のヒステリシスを補償すべく、前記基本デューティ率を補正する第2デューティ率補正手段を有することを特徴とする。
【0009】
また請求項4に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記オープンループ制御手段は、車両が停止する直前の低車速時に前記基本デューティ率を補正する第3デューティ率補正手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また請求項5に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、ブレーキ操作部材はケーブルを介してアクチュエータ及び機械式ブレーキに接続されており、前記オープンループ制御手段は、前記ケーブルの緩みに応じて前記基本デューティ率を補正する第4デューティ率補正手段を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図27は本発明の一実施例を示すものであり、図1は自動二輪車の全体側面図、図2は図1の2方向矢視図、図3はブレーキ装置の構成図、図4は第1ケーブルダンパの縦断面図、図5は第2ケーブルダンパの縦断面図、図6はアクチュエータの右側面図(図7の6方向矢視図)、図7は図6の7−7線断面図、図8はアクチュエータの左側面図(図7の8方向矢視図)、図9は図7の9−9線断面図、図10は図7の10−10線断面図、図11は図6の11−11線断面図、図12は図6の12−12線断面図、図13は図8の13−13線断面図、図14は図8の14−14線断面図、図15はブレーキの制御系のブロック図、図16は連動ブレーキの作用説明図、図17はアンチロックブレーキの作用説明図、図18は連動ブレーキの作用を説明するグラフ、図19はアンチロックブレーキの作用を説明するタイムチャート、図20は連動ブレーキの作用を説明するタイムチャート、図21は基本アシスト量算出手段の作用を説明するグラフ、図22は入力速度補正手段の作用を説明するグラフ、図23はホールド・リリース補正手段の作用を説明するグラフ、図24は車速補正手段の作用を説明するグラフ、図25はアジャスト補正手段の作用を説明するグラフ、図26は目標スリップ率ラインを示す図、図27はパルス状デューティを重畳したデューティ指令値を示す図である。
【0013】
図1〜図3に示すように、スイング式のパワーユニットPを備えたスクータ型自動二輪車Vの前輪WF には油圧の作用に応じて作動するディスクブレーキである前輪ブレーキBF が油圧式車輪ブレーキとして装着され、後輪WR には作動レバー1の作動量に応じた制動力を発揮する従来周知の機械式の後輪ブレーキBR が機械式車輪ブレーキとして装着される。また操向ハンドルの左、右両端には握持部2F ,2R が設けられ、操向ハンドルの右端部には握持部2F を握った右手で操作可能な第1ブレーキ操作部材としての第1ブレーキレバー3F が軸支され、操向ハンドルの左端部には握持部2R を握った左手で操作可能な第2ブレーキ操作部材としての第2ブレーキレバー3R が軸支される。
【0014】
第1ブレーキレバー3F と前輪ブレーキBF とは、第1ブレーキレバー3F の操作力を前輪ブレーキBR に伝達可能な第1伝達系4F を介して連結され、第2ブレーキレバー3R と後輪ブレーキBR の作動レバー1とは、第2ブレーキレバー3R の操作力を後輪ブレーキBR に機械的に伝達可能な第2伝達系4R を介して連結される。しかも両伝達系4F ,4R の中間部はアクチュエータ5に連結されており、このアクチュエータ5の作動により前輪ブレーキBF 及び後輪ブレーキBR の制動力を調整可能である。
【0015】
第1ブレーキレバー3F とアクチュエータ5とを接続する第1プッシュ・プルケーブル251 には第1ケーブルダンパ241 が介装され、第2ブレーキレバー3R とアクチュエータ5とを接続する第2プッシュ・プルケーブル252 には第2ケーブルダンパ242 が介装される。これらケーブルダンパ241 ,242 は、車体フレームのダウンチューブの右側部及び左側部に配置される。また右側の第1ケーブルダンパ241 の上方にはバッテリ53が配置されるとともに、左側の第2ケーブルダンパ242 の上方には電子制御ユニット52が配置される。
【0016】
尚、図1及び図2において、符号56はアクチュエータ5に設けられた後述するマスタシリンダ26のリザーバ、符号57はマスタシリンダ26(図3参照)から前輪ブレーキBF に連なる管路27の上端に設けられたエア抜き用のブリーダジョイント、符号45はアクチュエータ5から後輪ブレーキBR に連なる第3プッシュ・プルケーブル、符号58は燃料タンクである。
【0017】
次に、図4に基づいて第1ケーブルダンパ241 の構造を説明する。
【0018】
第1プッシュ・プルケーブル251 は、第1ブレーキレバー3F に連なるアウターケーブル291 及びアクチュエータ5に連なるアウターケーブル291 ′内にインナーケーブル301 が移動自在に挿通されて成るものである。また第1ケーブルダンパ241 は、円筒状に形成されて車体フレームに結合されるダンパケーシング31と、ダンパケーシング31内に軸方向相対移動可能に挿入される筒状の可動部材32と、ダンパケーシング31内に固定されて可動部材32が相対的に摺動する筒状の固定部材33と、ダンパケーシング31内に軸方向相対移動可能に挿入され、そのフランジ34aが可動部材32のフランジ32aに当接する摺動部材34と、可動部材32のフランジ32aと固定部材33のフランジ33aとの間に縮設された2本のばね35,35とを備える。
【0019】
固定部材33のフランジ33aには一方のアウターケーブル291 の端部が固定されるとともに、可動部材32のフランジ32aには他方のアウターケーブル291 ′の端部が固定される。従って、両ばね35,35は、アウターケーブル291 ,291 ′を相互に離反させる方向のばね力を発揮する。
【0020】
ダンパケーシング31の一端側には、該ダンパケーシング31の一端から突出した可動部材32の一端に当接する第1荷重検知スイッチ381 が固定されており、第1ブレーキレバー3F からのブレーキ操作入力が所定荷重範囲にある状態、即ち第1プッシュ・プルケーブル251 の牽引に応じて可動部材32がばね35,35を圧縮してストロークすると、そのストロークの所定範囲において第1荷重検知スイッチ381 がオンする。
【0021】
これを更に詳述すると、第1ブレーキレバー3F の操作力が所定値を越えて増加すると、つまりインナーケーブル301 を矢印A方向に引く荷重が所定値を越えて増加すると、両アウターケーブル291 ,291 ′を相互に接近させようとする荷重により可動部材32がばね35,35を圧縮しながら固定部材33に向かって摺動する。その結果、可動部材32が第1荷重検知スイッチ381 の検出子を作動させて該第1荷重検知スイッチ381 をオンさせる。
【0022】
図5に示すように、第2ケーブルダンパ242 は前記第1ケーブルダンパ241 と基本的に同一の構成を有するものであり、第1ケーブルダンパ241 と同一の構成要素に同一の符号を付して図示するのみで詳細な説明を省略する。但し、第2ケーブルダンパ242 は摺動部材34のフランジ34aと可動部材32のフランジ32aとの間に2枚の皿ばね36,36を配置した点だけが、前記第1ケーブルダンパ241 と異なっている。
【0023】
而して、第2ブレーキレバー3R が第2プッシュ・プルケーブル252 のインナーケーブル302 を矢印A方向に引く荷重が所定範囲にあるとき、第2荷重検知スイッチ382 がオンする。尚、ばね定数の小さい皿ばね36,36で第2荷重検知スイッチ382 に荷重を与えているので、入力ストロークが小さいときの荷重変化を大きくし、ケーブルダンパを使用しないときを基準とした荷重ロスを比較的に小さくすることが可能となり、ブレーキ操作フィーリングに違和感を生じることがないように無効ストロークを小さくすることができる。
【0024】
次に、図6〜図10に基づいてアクチュエータ5の構造を説明する。
【0025】
アクチュエータ5は、第1遊星ギヤ機構61 と、第2遊星ギヤ機構62 と、サンギヤ制動手段としての電磁ブレーキ7と、正逆回転自在なモータ8とを備える。
【0026】
アクチュエータ5のケーシング9は、モータ8が取付けられる第1ケース部材10と、第1ケース部材10に結合されるとともに、モータ8の回転軸線と同一軸線上で電磁ブレーキ7が取付けられる第2ケース部材11とから構成される。電磁ブレーキ7の回転軸7a及びモータ8の回転軸8aは同軸上に配置され、且つそれらの端部において相互に突き合わさる。
【0027】
第1遊星ギヤ機構61 はモータ8の回転軸8aの外周に配置されており、モータ8の回転軸8aの端部外周を囲繞する第1リングギヤ161 と、モータ8の回転軸8aの端部に形成された第1サンギヤ171 と、第1リングギヤ161 及び第1サンギヤ171 に噛合する複数の第1遊星ギヤ181 ,181 …と、それらの第1遊星ギヤ181 ,181 …をそれぞれ回転自在に支承する第1遊星キャリア191 とを備える。而して、モータ8を駆動すると第1遊星ギヤ機構61 の第1サンギヤ171 を回転駆動することができる。
【0028】
第2遊星ギヤ機構62 は、電磁ブレーキ7の回転軸7aの端部外周を囲繞する第2リングギヤ162 と、電磁ブレーキ7の回転軸7aの端部に形成された第2サンギヤ172 と、第2リングギヤ162 及び第2サンギヤ172 に噛合する複数の第2遊星ギヤ182 ,182 …と、それらの第2遊星ギヤ182 ,182 …をそれぞれ回転自在に支承する第2遊星キャリア192 とを備える。而して、電磁ブレーキ7は第2遊星ギヤ機構62 の第2サンギヤ172 の回転を制動・停止することができる。
【0029】
第1リングギヤ161 及び第2リングギヤ162 は同一部材であり、第1遊星ギヤ181 ,181 …及び第2遊星ギヤ182 ,182 …によって半径方向に位置決めされた状態で、第1遊星キャリア191 及び第2遊星キャリア192 間に相対回転自在に挟持される。第1、第2リングギヤ161 ,162 を同一部材とすることにより、部品点数の削減を図るとともに、アクチューエタを小型化することができる。
【0030】
電磁ブレーキ7の回転軸7a及びモータ8の回転軸8aの前方に、それら回転軸7a,8aと平行に第1制御軸201 及び第2制御軸202 が配置される。第1制御軸201 の内端には筒状部が形成されており、この筒状部の内周に第2制御軸202 の内端の外周が相対回転自在に嵌合することにより、第1制御軸201 及び第2制御軸202 は第1、第2遊星ギヤ機構61 ,62 の軸線に対して平行な共通の軸線上に同軸に配置される。
【0031】
図7及び図9から明らかなように、第1制御軸201 には第1制御部材としての第1セクタギヤ481 が固定され、この第1セクタギヤ481 は第1遊星キャリア191 に一体に設けられた被動ギヤ491 に噛合される。また第1制御軸201 には後述するマスタシリンダ26を作動させるピストンノッカー43が固着される。
【0032】
マスタシリンダ26は、アクチュエータ5のケーシング9に固定されるシリンダ体39と、前面を圧力室41に臨ませてシリンダ体39に摺動可能に嵌合されるピストン40と、圧力室41に収納されてピストン40を後方側(図9の右方側)に付勢するばね力を発揮する戻しばね42とを備え、シリンダ体39の前端に圧力室41に通じる管路27が接続される。
【0033】
シリンダ体39の後端から突出するピストン40の後端部には、前記ピストンノッカー43が当接する。第1セクタギヤ481 が図9に実線で示す位置にあるとき、ピストン40に設けたカップシール44はシリンダ体39に形成したリリーフポート39aを開放する位置にあり、第1セクタギヤ481 は前記実線位置から反時計方向(ピストン40を後退させる方向)に鎖線位置まで僅かに回動可能であり、その鎖線位置でストッパ10aに当接して回動を規制される。前記実線位置及び鎖線位置間の回動角は、リリーフポート39aの位置や各ギヤの加工精度のバラツキを考慮して設定されるもので、第1セクタギヤ481 がストッパ10aに当接してピストン40が後退端に達したとき、ピストン10のカップシール44がリリーフポート39aを確実に開放し、且つカップシール44がリリーフポート39aから大きく後退しないようになっている。
【0034】
而して、第1制御軸201 がピストンノッカー43でピストン40を押圧すると、ピストン40は圧力室41の容積を縮小する側に作動し、圧力室41で生じた液圧が管路27を介して前輪ブレーキBF に作用することになる。
【0035】
上述したように、第1制御軸201 及び第2制御軸202 を第1、第2遊星ギヤ機構61 ,62 の軸線と平行な軸線上に相互に同軸に配置したことにより、両制御軸201 ,202 をそれぞれ異なる軸線上に配置した場合に比べて、アクチュエータ5をコンパクト化することができる。しかも、第1制御軸201 に支持した第1セクタギヤ481 の回転面と第2制御軸202 に支持した第2セクタギヤ482 の回転面との間に、第1、第2制御軸201 ,202 と交差するようにマスタシリンダ26を配置したので、アクチュエータ5内のデッドスペースを有効利用してマスタシリンダ26をコンパクトにレイアウトすることができる。
【0036】
図6、図11及び図12には、第1ブレーキレバー3F に連なる第1プッシュ・プルケーブル251 と、第1ケース部材10から外部に延出する第1制御軸201 との接続部が示される。第1制御軸201 の外周に相対回転自在に嵌合するカラー61にアッパーアーム62及びロアアーム63が溶接されるとともに、第1制御軸201 の外周にアジャストアーム64がボルト65で固定される。アッパーアーム62の先端にケーブルジョイント66を介して第1プッシュ・プルケーブル251 が接続される。
【0037】
ロアアーム63の先端にピン67で枢支されたアジャストボルト68が、アジャストアーム64の中間部に支持したピン69を貫通し、その先端にアジャストナット70が螺合される。アジャストボルト68の外周に嵌合するコイルスプリング71が、前記ピン69をアジャストナット70の下端に形成した円弧面70aに当接させるべく付勢する。
【0038】
従って、アッパーアーム62と一体のロアアーム63はアジャストボルト68を介してアジャストアーム64に連結されることになり、第1プッシュ・プルケーブル251 によりアッパーアーム62が回動すると、ロアアアーム63、アジャストボルト68及びアジャストアーム64にを介して第1制御軸201 が回転する。そして、アジャストナット70を半回転ずつ回転させてロアアーム63とアジャストアーム64との相対角度を変化させることにより、第1制御軸201 の位相を任意に微調整することができる。これにより、第1制御軸201 に設けたピストンノッカー43を、図9に実線で示す位置に微調整することができる。
【0039】
図7及び図10から明らかなように、第2制御軸202 には第2制御部材としての第2セクタギヤ482 が相対回転自在に支持され、この第2セクタギヤ482 は第2遊星キャリア192 に一体に設けられた被動ギヤ492 に噛合される。第2制御軸202 に固定した制御アーム50の先端の係止部50aが、第2セクタギヤ482 に形成した長孔48aに嵌合する。これら係止部50a及び長孔48aはロストモーション機構を構成する。また図10において、第2セクタギヤ482 の時計方向の回動端を規制すべく、第2ケース部材11に第2セクタギヤ482 に当接可能なストッパ11aが形成される。
【0040】
図6、図13及び図14には、第2ブレーキレバー3R に連なる第2プッシュ・プルケーブル252 と、第2ケース部材11から外部に延出する第2制御軸202 との接続部が示される。第2制御軸202 にボルト72で固定されたアーム73に、ピン74を介して一対のケーブルジョイント75,76が枢支される。ケーブルジョイント75にはアウターケーブル292 ′及びインナーケーブル302 よりなる第2プッシュ・プルケーブル252 のインナーケーブル302 が接続されるとともに、ケーブルジョイント76にはアウターケーブル46及びインナーケーブル47よりなる第3プッシュ・プルケーブル45の第3インナーケーブル47が接続される。
【0041】
而して、第1ブレーキレバー3F の操作力を前輪ブレーキBF に伝達する第1伝達系4F は、第1ケーブルダンパ241 を介装した第1プッシュ・プルケーブル251 、マスタシリンダ26及び管路27から構成され、第2ブレーキレバー3R の操作力を後輪ブレーキBR に伝達する第2伝達系4R は、第2ケーブルダンパ242 を介装した第2プッシュ・プルケーブル252 及び第3プッシュ・プルケーブル45から構成される。
【0042】
アクチュエータ5から延出する第2制御軸202 の外端には角度センサ51が固定され、この角度センサ51により第2ブレーキレバー3R の操作ストロークが検出される。図3に示すように、前輪WF には前輪速度センサ54が、後輪WR には後輪速度センサ55がそれぞれ装着される。ところで、アクチュエータ5における電磁ブレーキ7のオン・オフ作動、並びにモータ8の回転方向及び作動量は、電子制御ユニット52により制御されるものであり、この電子制御ユニット52には、第1、第2荷重検知スイッチ381 ,382 、角度センサ51、前輪速度センサ54及び後輪速度センサ55の検出値がそれぞれ入力される。
【0043】
図15は、後輪ブレーキBR に接続された第2ブレーキレバー3R の操作により、アクチュエータ5を介して前輪ブレーキBF 及び後輪ブレーキBR を駆動する制御系のブロック図である。第2ブレーキレバー3R の操作時に、後輪ブレーキBR のブレーキ力を前輪ブレーキBF のブレーキ力でアシストし、或いは車輪がロック傾向になった場合に前輪ブレーキBF のブレーキ力及び後輪ブレーキBR のブレーキ力を低減するが、その際のブレーキ力はアクチュエータ5に設けられたモータ8の回転速度をデューティ制御することにより決定される。
【0044】
この制御系は、基本アシスト量算出手段M1(基本デューティ率算出手段)、入力速度補正手段M2(第1デューティ率補正手段)、ホールド・リリース補正手段M3(第2デューティ率補正手段)、車速補正手段M4(第3デューティ率補正手段)及びアジャスト補正手段M5(第4デューティ率補正手段)から構成されるアシストデューティ算出部と、スリップ率算出手段M6、Sλ算出手段M7(Sλは後述する前後操作量配分比)及びABSデューティ算出手段M8から構成されるABSデューティ算出部と、バイブレーションデューティ算出手段M9とを備える。
【0045】
アシストデューティ算出部の基本アシスト量算出手段M1は、角度センサ51で検出した第2制御軸202 の回転角θ(即ち、第2ブレーキレバー3R の操作ストロークθ)に基づいてモータ8のデューティ率に換算された基本アシスト量を算出する。
【0046】
入力速度補正手段M2は、例えば第2ブレーキレバー3R を強く握り込んだ場合に、その操作速度に応じたブレーキ力を発揮させて適切なブレーキフィーリングを得るべく、角度センサ51で検出した操作ストロークθと、この操作ストロークθの時間変化率dθ/dtとに基づいて、前記基本アシスト量(基本デューティ率)を補正する。
【0047】
ホールド・リリース補正手段M3は、マスタシリンダ26のピストン40の前進ストローク時と後退ストローク時との間で発生するブレーキ圧のヒステリシスを補償すべく、角度センサ51で検出した操作ストロークθに基づいて、一旦握り込まれた第2ブレーキレバー3R が保持或いは戻されたことが検出されたときにアシスト量を補正する。
【0048】
車速補正手段M4は、自動二輪車Vが停止する直前のブレーキフィーリングを向上させるべく、前輪速度センサ54の出力に基づいて検出した車速Vに基づいてアシスト量を補正する。
【0049】
アジャスト補正手段M5は、第2ブレーキレバー3R と後輪ブレーキBR とを接続する第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩みに伴って後輪ブレーキBR のブレーキ力が弱まったとき、それに応じて前輪ブレーキBF のブレーキ力を弱めるべくアシスト量を補正する。
【0050】
ABSデューティ算出部のスリップ率算出手段M6は、前輪速度センサ54及び後輪速度センサ55の出力に基づいて車輪のスリップ率(即ち、車輪のロック傾向)を算出する。
【0051】
Sλ算出手段M7は、図26に示す目標スリップ率ラインに基づいて前後操作量配分比Sλを算出する。
【0052】
ABSデューティ算出手段M8は、前後操作量配分比Sλに基づいてモータ8を駆動するデューティ率を算出する。
【0053】
更に、バイブレーションデューティ算出手段M9は、アシストデューティ算出部が出力したデューティ指令値、あるいはABSデューティ算出部が出力したデューティ指令値に重畳させるべきパルス状のバイブレーションデューティを算出する。
【0054】
前記各手段M1〜M9の機能は、実施例の作用の説明欄において詳述する。
【0055】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0056】
第1ブレーキレバー3F あるいは第2ブレーキレバー3R によるブレーキ操作入力が所定値以下の状態では、アクチュエータ5を作動させずに第1ブレーキレバー3F あるいは第2ブレーキレバー3R により前輪ブレーキBF あるいは後輪ブレーキBR で制動力を得るようにするものであり、第1、第2荷重検知スイッチ381 ,382 がスイッチング作動しないときには、電子制御ユニット52によりモータ8の作動が停止されるとともに、電磁ブレーキ7がオフ状態、即ち第2サンギヤ172 の自由回転を許容する状態とされる。
【0057】
このような状態で、第1ブレーキレバー3F のみをブレーキ操作したときには、第1プッシュ・プルケーブル251 の牽引に伴う第1制御軸201 の回動によりマスタシリンダ26から液圧が出力され、その液圧が管路27を経て前輪ブレーキBF に作用することにより、前輪ブレーキBF で制動力が発揮されることになる。この際、第1制御軸201 に入力された回動力が第1セクタギヤ481 から被動ギヤ491 を経て第1遊星キャリア191 に伝達される。
【0058】
しかるに、モータ8が停止状態にあって第1サンギヤ171 が停止しており、また第2ブレーキレバー3R が非ブレーキ操作状態にあることに伴い第2遊星ギヤ機構62 の第2遊星キャリア192 も停止しているので、第1遊星キャリア191 の回転が第1遊星ギヤ181 ,181 …、第1、第2リングギヤ161 ,162 及び第2遊星ギヤ182 ,182 …を経て第2サンギヤ172 に伝達され、該第2サンギヤ172 を空転させることになる。従って、モータ8及び電磁ブレーキ7が作動しない限り、第1ブレーキレバー3F の操作により後輪ブレーキBR が作動することはない。
【0059】
また、モータ8及び電磁ブレーキ7が作動しない状態で第2ブレーキレバー3R のみをブレーキ操作したときには、第2伝達系4R による機械的なブレーキ操作力伝達により後輪ブレーキBR で制動力が発揮される。このとき、第2プッシュ・プルケーブル252 の牽引により第2制御軸202 が回動しても、モータ8が停止状態にあって第1サンギヤ171 が停止しており、また第1ブレーキレバー3F が非ブレーキ操作状態にあることに伴い第1遊星ギヤ機構61 の第1遊星キャリア191 も停止しているため、第1、第2リングギヤ161 ,162 は第1遊星ギヤ181 ,181 …を介して回転不能に固定されている。従って、第2遊星キャリア192 の回転は第2遊星ギヤ182 ,182 を経て第2サンギヤ172 に伝達され、該第2サンギヤ172 を空転させることになる。従って、モータ8及び電磁ブレーキ7が作動しない限り、第2ブレーキレバー3R の操作により前輪ブレーキBF が作動することはない。
【0060】
第1ブレーキレバー3F あるいは第2ブレーキレバー3R によるブレーキ操作入力が所定値以上となったときには、アクチュエータ5を作動せしめて前輪ブレーキBF 及び後輪ブレーキBR を連動、作動させるようにするものであり、第1、第2荷重検知スイッチ381 ,382 がスイッチング作動したときには、電子制御ユニット52によりモータ8が作動されるとともに、電磁ブレーキ7がオン状態、即ち第2サンギヤ172 が制動される。
【0061】
ここで、第2ブレーキレバー3R を所定値以上の操作力でブレーキ操作したときを想定すると、図16に示すように、電磁ブレーキ7で第2サンギヤ172 を制動した状態でモータ8を回転駆動すると、第1遊星キャリア191 及び第2遊星キャリア192 は相互に逆方向に回転駆動され、第2遊星キャリア192 と一体の被動ギヤ492 により第2セクタギヤ482 が図16の時計方向に駆動される。しかしながら、第2セクタギヤ482 はストッパ11aとの当接により回転を規制されているため、その反力で回転する第1遊星キャリア191 により第1被動ギヤ491 を介して第1セクタギヤ481 が図16の反時計方向に回転する。その結果、マスタシリンダ26が作動してブレーキ圧を発生し、このブレーキ圧で前輪ブレーキBF が作動する。
【0062】
このとき、制御アーム50の係止部50aが第2セクタギヤ482 の長孔48aに遊嵌しているため、アクチュエータ5の作動に伴う第2セクタギヤ482 の回転は、第2ブレーキレバー3R の操作に基づく第2制御軸202 の回転に影響を及ぼすことがない。而して、前輪ブレーキBF 及び後輪ブレーキR の連動作動中、第2制御軸202 の回転角θを検出する角度センサ51の出力に基づいてアクチュエータ5の作動が制御される。
【0063】
これを図18に基づいて更に説明すると、第2ブレーキレバー3R を操作すると先ず後輪ブレーキBR が第2プッシュ・プルケーブル252 及び第3プッシュ・プルケーブル45を介して作動し、後輪WR のブレーキ力が立ち上がる。第2ブレーキレバー3R を操作荷重が増加して第2ケーブルダンパ242 の第2荷重検知スイッチ382 がオンすると、アクチュエータが5が作動して前輪ブレーキBF が作動する。その結果、ブレーキ力の配分は理想配分線に沿うように折れ曲がる。
【0064】
このとき、制御アーム50の係止部50aと第2セクタギヤ482 の長孔48aとからなるロストモーション機構が存在しないと仮定すると、アクチュエータ5の作動後の後輪WR のブレーキ力は、ライダーによる第2ブレーキレバー3R からの入力分に、アクチュエータ5の作動による増加分(図18の斜線部分)を付加したものとなり、破線で示すように後輪WR のブレーキ力が過剰になって理想配分線から大きく外れてしまい、後輪WR のロック傾向が強まる可能性がある。しかしながら実際には、後輪WR のブレーキ力はライダーによる入力分だけであるため、アクチュエータ5の作動量を適宜設定して前輪WF のブレーキ力を調整することにより、理想配分線に近いブレーキ力配分特性を容易に得ることができ、しかもブレーキフィーリングの向上にも寄与することができる。
【0065】
次に、第2ブレーキレバー3R を操作した場合に前輪ブレーキBF に発生するブレーキ力(アシスト量)の制御を、主として図20〜図25を参照しながら説明する。
【0066】
図20において、第2ブレーキレバー3R を握り込むことにより該第2ブレーキレバー3R の操作ストロークが増加し、第2ケーブルダンパ242 の第2荷重検出スイッチ382 がオンすると、アクチュエータ5のモータ8及び電磁ブレーキ7が作動してアシスト制御が開始される。このときのモータ8の回転数を制御する基本アシスト量f(θ)は、図21に示すように第2制御軸202 の回転角θ(即ち、第2ブレーキレバー3R の操作ストロークθ)の関数として、操作ストロークθの増加に伴って増加するように設定されている。
【0067】
尚、アクチュエータ5がマスタシリンダ26のピストン40を前進駆動する際に、カップシール44がリリーフポート39aを通過してブレーキ圧が発生するまでに所定の反力が作用するが、図21において第2荷重検出スイッチ382 がオンすると同時に立ち上がるアシスト量は、前記反力を吸収するための成分である。
【0068】
而して、基本アシスト量算出手段M1で操作ストロークθに応じた基本アシスト量f(θ)を算出し、この基本アシスト量f(θ)を基礎としてアクチュエータ5のモータ8をオープンループ制御するので、第2ブレーキレバー3R の操作ストロークθに応じたブレーキ圧を発生させてリニアリティの高いブレーキフィーリングを容易に得ることができるばかりか、オープンループ制御による制御系の簡素化と検出手段数の減少とによりコストの削減に寄与することができる。
【0069】
図20において、第2荷重検出スイッチ382 がオンしてから操作ストロークθが所定値に達するまでの入力速度補正範囲(図20の領域(A))において、入力速度補正手段M2は操作ストロークθの時間微分値dθ/dtに応じて基本アシスト量f(θ)を補正する。図22に示すように、入力速度補正手段M2によるアシスト補正量は、定数KDVSTRKと操作ストロークθの時間微分値dθ/dtとから、KDVSTRK×dθ/dtにより、或いはKDVSTRK×(dθ/dt)2 により決定される。
【0070】
第2ブレーキレバー3R の操作開始時には該第2ブレーキレバー3R が強く握り込まれるため、一般に操作ストロークθの時間微分値dθ/dtが大きくなり、入力速度補正範囲において前記アシスト補正量KDVSTRK×dθ/dtが基本アシスト量f(θ)に加算されることによりトータルのアシスト量が増加している。これにより、第2ブレーキレバー3R が強く握り込まれたときに前輪ブレーキBF によるアシスト力を増加方向に補正し、制動初期のブレーキ力を増加させてブレーキフィーリングを向上させることができる。尚、操作ストロークθが増加して領域(A)を脱した後は入力速度補正を中止するようになっており、これにより操作ストロークθの大きい領域(アシスト力が大きい領域)で過剰なアシスト力が作用するのを回避することができる。
【0071】
図20において、操作ストロークθが増加から保持及び減少に移行する領域(B)において、ホールド・リリース補正手段M3はマスタシリンダ26のヒステリシスを補償すべくアシスト量を補正する。即ち、マスタシリンダ26のピストン40が前進してブレーキ圧を増圧する状態から、ピストン40が停止・後退してブレーキ圧を減圧する状態に移行したとき、マスタシリンダ26の各部のガタやカップシール44等の弾性部材の変形により、ブレーキ圧はピストン40の後退に追随して即座に減少せず、僅かな時間遅れを持って減少する。従って、前記マスタシリンダ26のピストン40の前進時及び後退時間にブレーキ圧のヒステリシスが発生することになり、ブレーキフィーリングにリニアリティを持たせるには前記ヒステリシスを補償する必要がある。
【0072】
図23(B)において、ライン−○−○−で示す如く操作ストロークθが変化するとき、単位時間における操作ストロークθの変化量をΔθとすると、この変化量Δθを4回連続して加算した移動平均ΣΔθがライン−△−△−で示される。この移動平均ΣΔθが正値を取るときに操作ストロークθは増加状態にあると判定して図23(C)に示すホールド・リリースフラグを「0」にセットし、負値を取るときに操作ストロークθは減少状態にあると判定してホールド・リリースフラグを「1」にセットする。
【0073】
図23(A)に示すように、操作ストロークθの増加時におけるアシスト量(破線図示)と、操作ストロークθの減少時におけるアシスト量(鎖線図示)とをマスタシリンダ26のヒステリシス特性に合わせて予め設定しておく。第2ブレーキレバー3R の操作に伴って操作ストロークθが増加するときホールド・リリースフラグは「0」であり、従ってアシスト量は破線で示す操作ストロークθの増加時におけるアシスト量に一致する。やがて第2ブレーキレバー3F の保持或いは戻しによりホールド・リリースフラグが「1」に変化すると、ヒステリシスを補償すべく、アシスト量は破線で示すアシスト量から鎖線で示すアシスト量に持ち換えられる。このとき、アシスト量の急変を防止すべく、領域(D)において予め設定された変化率αでアシスト量を減少させる。
【0074】
また、第2ブレーキレバー3F を再び握り込むことによりホールド・リリースフラグが「0」に変化すると、アシスト量は鎖線で示すアシスト量から破線で示すアシスト量に持ち換えられる。このとき、アシスト量の急変を防止すべく、領域(E)において予め設定された変化率βでアシスト量を増加させる。尚、操作ストロークθの増加時における前記変化率の絶対値|β|は、操作ストロークθの減少時における前記変化率の絶対値|α|よりも大きく設定される。
【0075】
而して、ホールド・リリース補正手段M3によるアシスト補正量はOFFCBSで与えられる。
【0076】
図20において、車速Vが減少して停止直前になる領域(C)において、車速補正手段M4がアシスト量を減少させる。即ち、図24に示すように車速Vがアシスト漸減車速に達するとアシスト量を減少させ、車速Vがアシストカット車速に達したときにアシスト量が0になるようにする。これにより、停止直前におけるブレーキ力を小さくしてスムーズな停止を可能にすることができる。しかも、第2荷重検出スイッチ382 がオフしてアクチュエータ5の作動が停止する前にアシスト量が0になるため、第2荷重検出スイッチ382 がオフした時に、アクチュエータ5の作動停止に伴って第2ブレーキレバー3R に伝達される反力を緩和し、レバーフィーリングを向上させることができる。
【0077】
ところで、第2ブレーキレバー3R と後輪ブレーキBR とを接続する第2プッシュ・プルケーブル252 及び第3プッシュ・プルケーブル45は、径年変化による伸びや後輪ブレーキBR のブレーキシューの磨耗等によって次第に緩む傾向にある。この第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩みに伴って後輪ブレーキBR のブレーキ力は次第に低下するが、後輪ブレーキBR に連動してアクチュエータ5により作動する前輪ブレーキBF のブレーキ力は低下しないため、ライダーは第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩みに気付き難い問題がある。またアクチュエータ5等のフェイルにより前輪ブレーキBF のブレーキ力が急激に低下したとき、第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩みによって後輪ブレーキBR のブレーキ力が低下した状態にあると、フェイル前後のトータルのブレーキ力が急変してライダーに違和感を与える問題がある。
【0078】
そこで、第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩み量を検出し、アジャスト補正手段M5により、図25に示すように緩み量の増加に応じてアシスト量を減少させるとともに緩み量が所定値まで増加したらアシストを停止させれば、前記した問題が解決される。アシストを停止する緩み量は、第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩みを検出して警報を発するインジケータが作動する緩み量よりも小さく設定される。これにより、インジケータの作動に先立って第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩みを警報することができる。
【0079】
尚、第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩みは、第2荷重検出スイッチ382 がオンする際の第2制御軸202 の回転角θ(つまり操作ストロークθ)のずれに基づいて検出することができる。これを更に説明すると、第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45が緩みのない正規の状態にあるとき、第2荷重検出スイッチ382 がオンするときの回転角θをθ0 とすると、第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45が緩んだ場合には第2荷重検出スイッチ382 がオンするときの回転角θは前記θ0 と異なるθ1 となる。従って、偏差θ1 −θ0 を算出すれば、この偏差を第2、第3プッシュ・プルケーブル252 ,45の緩み量に対応させることができる。
【0080】
以上を纏めると、アクチュエータ5のモータ8を駆動するデューティ率Dutyは、次式により与えられる。
【0081】
式(1)において、図21に基づいて算出した基本アシスト量f(θ)と、図22に基づいて算出したアシスト補正量KDVSTRK×(dθ/dt)とを加算し、その和にゲインCBSSTRを乗算することによりアシスト量CBSORGが算出される。
【0082】
そして式(2)において、前記アシスト量CBSORGに図25に基づいて算出したアシスト補正係数KCBAFDJを乗算するとともに、その積にホールド・リリース補正量(図23参照)を加算或いは減算し、それにデューティ率を0〜100%にするための係数KCBSを乗算することにより最終的なデューティ率Dutyが算出される。
【0083】
次に、アンチロックブレーキ制御を行う場合について説明する。
【0084】
図26のグラフは、横軸に前輪スリップ率λF を取り、縦軸に後輪スリップ率λR を取った直交座標上に太い実線で示す目標スリップ率ラインLを設定したもので、その目標スリップ率ラインLの内側(原点側)にブレーキ増力領域A1 が設定され、外側(反原点側)にブレーキ減力領域A2 が設定される。
【0085】
スリップ率算出手段M6は、前輪速度センサ54で検出した前輪速度VF 及び後輪速度センサ55で検出した後輪速度VR から前輪スリップ率λF 及び後輪スリップ率λR を算出するもので、それらは非駆動輪速度である前輪速度VF から推定した推定車体速度VF ′を用いて、例えば次のように算出される。
【0086】
前輪スリップ率λF =(VF ′−VF )/VF ′ …(3)
後輪スリップ率λR =(VF ′−VR )/VF ′ …(4)
上式に基づいて算出した前輪スリップ率λF 及び後輪スリップ率λR が図26の直交座標上で目標スリップ率ラインの外側のブレーキ減力領域A2 にあれば、車輪のスリップ状態が大きいとして、アクチュエータ5を作動させて前輪ブレーキBF 及び後輪ブレーキBR のブレーキ力を共に減少させることにより車輪のスリップ状態を目標スリップ率ラインL上に移動させる。また前輪スリップ率λF 及び後輪スリップ率λR が目標スリップ率ラインLの内側のブレーキ増力領域A1 にあれば、車輪のスリップ状態が小さいとして、アクチュエータ5を作動させて前輪ブレーキBF 及び後輪ブレーキBR のブレーキ力を共に増加させることにより、車輪のスリップ状態を目標スリップ率ラインL上に移動させる。
【0087】
具体的には、電子制御ユニット52が電磁ブレーキ7をオン状態にするとともにモータ8を上記連動作動時とは逆方向に作動せしめる。そうすると、図17に示すように第1遊星キャリア191 及び第2遊星キャリア192 は相互に逆方向に、且つ前述した連動作動時とは逆方向に回転駆動され、第1セクタギヤ481 が図17の時計方向に、また第2セクタギヤ482 が反時計方向に駆動される。このとき、第1セクタギヤ481 の回転は直接第1制御軸201 に伝達され、第1制御軸201 を前輪WF のブレーキ力を弱める方向に回転させるとともに、第2セクタギヤ482 の回転はその長孔48aの端部に制御アーム50の係止部50aが当接することにより第2制御軸202 に伝達され、第2制御軸202 を後輪WR のブレーキ力を弱める方向に回転させる。また、電磁ブレーキ7をオン状態にしてモータ8を前述した減力の場合と逆方向に回転させると、第1制御軸201 及び第2制御軸202 は前輪WF 及び後輪WR のブレーキ力を強める方向に回転する。
【0088】
而して、車輪のスリップ率に応じてアクチュエータ5のオン・オフを繰り返すことにより、車輪のロックを効果的に回避するアンチロックブレーキ制御を行うことができる。
【0089】
しかも第1、第2伝達系4F ,4R において、アクチュエータ5と第1、第2ブレーキレバー3F ,3R との間には、第1、第2ケーブルダンパ241 ,242 がそれぞれ介設されており、アンチロックブレーキ制御における制動力再増力時には、モータ8を非作動状態とすることによりそれらのケーブルダンパ241 ,242 で蓄えられた反発力を利用することが可能となり、またアンチロックブレーキ制御実行中に第1ブレーキレバー3F あるいは第2ブレーキレバー3R にアクチュエータ5側からの力が直接作用することを回避して、良好な操作フィーリングを得ることができる。
【0090】
ところで、本実施例のアクチュエータ5は、マスタシリンダ26に接続された第1セクタギヤ481 の回動範囲を規制するストッパ10a(図9参照)を設けたことにより、以下のような効果を得ることができる。
【0091】
図19において、例えば前輪WF の速度が車体速度よりも所定値を越えて低下するとアンチロックブレーキ制御が開始され、アクチュエータ5の作動により第1セクタギヤ481 の回転角がブレーキ力を抜く方向に減少し、それに伴って前輪WF のブレーキ力も減少する。第1セクタギヤ481 の回転角の減少に伴ってマスタシリンダ26のピストン40がピストンノッカー43に追従して後退し、図9においてカップシール44がリリーフポート39aを開放した直後、第1セクタギヤ481 がストッパ10aに当接して回動を規制される。
【0092】
このとき、前記ストッパ10aが存在しないと仮定すると、図19に破線で示すように第1セクタギヤ481 は更に回動して第1ブレーキレバー3F のレバー反力も大きく増加し、レバーフィーリングを低下させることになる。しかも、アクチュエータ5を作動させて第1セクタギヤ481 をブレーキ力が増加する方向に回動させたとき、ピストン40のカップシール44がリリーフポート39aを閉塞して圧力室41にブレーキ圧が発生するタイミングが遅れ、応答性が低下することになる。
【0093】
しかるに、本実施例のごとく、ピストン40を後退させる方向への第1セクタギヤ481 の回動をストッパ10aで規制することにより、ブレーキ力を再び増加させるべくアクチュエータ5の作動に伴って第1セクタギヤ481 が駆動されたとき、ピストン40を速やかに前進させてブレーキ圧を発生させ、応答性の低下を回避することができる。
【0094】
ところで、目標スリップ率ラインLは、本実施例では直交座標の第1象限に設定される右下がりのラインであり、このライン上ではλR =−aλF +b(a>0,b>0)が成立する。即ち、目標スリップ率ラインL上では、前輪スリップ率λF が増加すれば後輪スリップ率λR が減少し、前輪スリップ率λF が減少すれば後輪スリップ率λR が増加するため、前輪WF 及び後輪WR のトータルのスリップ率が一定に保持される。
【0095】
前輪スリップ率λF 及び後輪スリップ率λR が目標スリップ率ラインLから外れているとき、それら両スリップ率λF ,λR を目標スリップ率ラインLに直交する方向に変化させれば速やかに目標値に収束させることができる。そこで、目標スリップ率ラインLに直交するベクトルを考え、このベクトルの傾きであるtanαの値を前記前後操作量配分比Sλとして定義する。λR 算出手段M7で算出される前後操作量配分比Sλは、前輪スリップ率λF の変化量に対する後輪スリップ率λR の変化量の比であって、これはモータ8及び第1制御軸201 間の動力伝達系のギヤ比に対するモータ8及び第2制御軸202 間の動力伝達系のギヤ比の比により近似される。
【0096】
而して、ABSデューティ算出手段M8は、ABS制御時にアクチュエータ5のモータ8を駆動するデューティ率Dutyを、次式に基づいて算出する。
【0097】
Duty=Sλ×KABS ×offABS …(5)
ここで、KABS はゲイン定数、offABS はオフセット定数である。
【0098】
このように、ABS制御時にアクチュエータ5のモータ8を駆動するデューティ率Dutyを前輪スリップ率λF の変化量に対する後輪スリップ率λR の変化量の比に相当する前後操作量配分比Sλに基づいて決定することにより、前輪スリップ率λF 及び後輪スリップ率λR が目標スリップ率ラインLから外れたときに、それら両スリップ率λF ,λR を速やかに目標値に収束させることが可能となる。
【0099】
続いて、図27に示すように、バイブレーションデューティ算出手段M9が、前記アシストデューティ算出部或いはABSデューティ算出部が出力するデューティ指令値に所定周期のパルス状デューティを重畳する。モータ8から第1、第2制御軸201 ,202 に至る動力伝達系、或いはマスタシリンダ26のピストン40及びピストンノッカー43の当接部には摩擦力やガタが存在するため、特にデューティ指令値が緩やかに変化する場合に、第1、第2制御軸201 ,202 やマスタシリンダ26のピストン40がぎくしゃくした動きをする可能性がある。
【0100】
しかしながら、デューティ指令値に所定周期のパルス状デューティを重畳することにより、所定時間間隔でモータ8の回転数が瞬間的に増減して各摺動部の摩擦係数を常に動摩擦係数に維持し、第1、第2制御軸201 ,202 やマスタシリンダ26のピストン40をスムーズに作動させることができる。これにより、前輪WF 及び後輪WR の制動力を精密に制御することが可能となる。尚、パルス状デューティは極めて短い時間だけ出力され、しかもデューティ指令値に交互に加算及び減算されるため、それが前輪WF 及び後輪WR の制動力の大きさに実質的な影響を及ぼすことはない。
【0101】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0102】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載に記載された発明によれば、ブレーキ操作部材の操作力を、ブレーキ操作部材と機械式ブレーキ間の伝達系を介して、機械式ブレーキに機械的に伝達することができる。
また前記ブレーキ操作部材の操作に基づいてアクチュエータを作動させ、該アクチュエータにより駆動されるマスタシリンダで、前記機械式ブレーキから独立した油圧式ブレーキを作動させて、機械式ブレーキのブレーキ力を油圧式ブレーキのブレーキ力でアシスト可能とし、その場合に、操作ストローク検出手段で検出したブレーキ操作部材の操作ストロークに基いて、基本デューティ率算出手段がアクチュエータを駆動するための基本デューティ率を算出し、この基本デューティ率に基づいてオープンループ制御手段がアクチュエータをオープンループ制御するので、ブレーキ操作部材の操作ストロークに応じたブレーキ圧を発生させてリニアリティの高いブレーキフィーリングを容易に得ることができるばかりか、オープンループ制御による制御系の簡素化と検出手段数の減少とによってコストの削減に寄与することができる。
【0103】
また請求項2に記載された発明によれば、オープンループ制御手段の第1デューティ率補正手段が操作ストロークの時間変化率に基づいて基本デューティ率を補正するので、ブレーキ操作部材の操作速度に応じてブレーキ力の大きさを変化させ、好ましいブレーキフィーリングを得ることができる。
【0104】
また請求項3に記載された発明によれば、オープンループ制御手段の第2デューティ率補正手段がマスタシリンダの出力ブレーキ圧のヒステリシスを補償すべく基本デューティ率を補正するので、ブレーキ操作部材の操作ストロークの増加時と減少時との間に生じるブレーキ力の差を減少させ、一層リニアリティの高いブレーキフィーリングを得ることができる。
【0105】
また請求項4に記載された発明によれば、オープンループ制御手段の第3デューティ率補正手段が車両が停止する直前の低車速時に基本デューティ率を補正するので、停止直前のブレーキ力を弱めてスムーズな停止を可能にすることができる。
【0106】
また請求項5に記載された発明によれば、オープンループ制御手段の第4デューティ率補正手段がケーブルの緩み量に応じて基本デューティ率を補正するので、ケーブルの緩み量の増加に伴う機械式ブレーキのブレーキ力の低下に応じて油圧式ブレーキのブレーキ力を低下させることができる。これにより、ケーブルの緩み量の増加をライダーに認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動二輪車の全体側面図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】ブレーキ装置の構成図
【図4】第1ケーブルダンパの縦断面図
【図5】第2ケーブルダンパの縦断面図
【図6】アクチュエータの右側面図(図7の6方向矢視図)
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】アクチュエータの左側面図(図7の8方向矢視図)
【図9】図7の9−9線断面図
【図10】図7の10−10線断面図
【図11】図6の11−11線断面図
【図12】図6の12−12線断面図
【図13】図8の13−13線断面図
【図14】図8の14−14線断面図
【図15】ブレーキの制御系のブロック図
【図16】連動ブレーキの作用説明図
【図17】アンチロックブレーキの作用説明図
【図18】連動ブレーキの作用を説明するグラフ
【図19】アンチロックブレーキの作用を説明するタイムチャート
【図20】連動ブレーキの作用を説明するタイムチャート
【図21】基本アシスト量算出手段の作用を説明するグラフ
【図22】入力速度補正手段の作用を説明するグラフ
【図23】ホールド・リリース補正手段の作用を説明するグラフ
【図24】車速補正手段の作用を説明するグラフ
【図25】アジャスト補正手段の作用を説明するグラフ
【図26】目標スリップ率ラインを示す図
【図27】パルス状デューティを重畳したデューティ指令値を示す図
【符号の説明】
3R 第2ブレーキレバー(ブレーキ操作部材)
5 アクチュエータ
252 第2プッシュ・プルケーブル(ケーブル)
26 マスタシリンダ
45 第3プッシュ・プルケーブル(ケーブル)
51 角度センサ(操作ストローク検出手段)
52 電子制御ユニット(オープンループ制御手段)
BF 前輪ブレーキ(油圧式ブレーキ)
BR 後輪ブレーキ(機械式ブレーキ)
M1 基本アシスト量算出手段(基本デューティ率算出手段)
M2 入力速度補正手段(第1デューティ率補正手段)
M3 ホールド・リリース補正手段(第2デューティ率補正手段)
M4 車速補正手段(第3デューティ率補正手段)
M5 アジャスト補正手段(第4デューティ率補正手段)
Claims (5)
- ブレーキ操作部材(3 R )と機械式ブレーキ(B R )とを、該ブレーキ操作部材(3 R )の操作力を該機械式ブレーキ(B R )に機械的に伝達可能な伝達系(4 R )を介して連結し、前記ブレーキ操作部材(3R )の操作に基づいてアクチュエータ(5)を作動させ、該アクチュエータ(5)により駆動されるマスタシリンダ(26)で、前記機械式ブレーキ(B R )から独立した油圧式ブレーキ(BF )を作動させる車両のブレーキ装置であって、
前記ブレーキ操作部材(3R )の操作ストロークを検出する操作ストローク検出手段(51)と、
前記操作ストローク検出手段(51)の出力に基づいて前記アクチュエータ(5)を駆動するための基本デューティ率を算出する基本デューティ率算出手段(M1)を有して、該基本デューティ率算出手段(M1)の出力に基づいて該アクチュエータ(5)をオープンループ制御するオープンループ制御手段(52)とを備えていて、
前記ブレーキ操作部材(3 R )の操作時に、前記機械式ブレーキ(B R )のブレーキ力を前記油圧式ブレーキ(B F )のブレーキ力でアシスト可能としたことを特徴とする、車両のブレーキ装置におけるブレーキ圧制御装置。 - 前記オープンループ制御手段(52)は、前記操作ストロークの時間変化率に基づいて前記基本デューティ率を補正する第1デューティ率補正手段(M2)を有することを特徴とする、請求項1記載の車両のブレーキ装置におけるブレーキ圧制御装置。
- 前記オープンループ制御手段(52)は、前記操作ストロークの増加時と減少時との間に生じるマスタシリンダ(26)の出力ブレーキ圧のヒステリシスを補償すべく、前記基本デューティ率を補正する第2デューティ率補正手段(M3)を有することを特徴とする、請求項1記載の車両のブレーキ装置におけるブレーキ圧制御装置。
- 前記オープンループ制御手段(52)は、車両が停止する直前の低車速時に前記基本デューティ率を補正する第3デューティ率補正手段(M4)を備えたことを特徴とする、請求項1記載の車両のブレーキ装置におけるブレーキ圧制御装置。
- ブレーキ操作部材(3R )はケーブル(252 ,45)を介してアクチュエータ(5)及び機械式ブレーキ(BR )に接続されており、前記オープンループ制御手段(52)は、前記ケーブル(252 ,45)の緩みに応じて前記基本デューティ率を補正する第4デューティ率補正手段(M5)を有することを特徴とする、請求項1記載の車両のブレーキ装置におけるブレーキ圧制御装置。
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