JP3623134B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス製造等の技術分野に属し、特に例えば絶縁膜材料が塗布された半導体ウエハを加熱処理するための基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程においては、例えば、SOD(Spin on Dielectric)システムにより層間絶縁膜を形成している。このSODシステムでは、ゾル−ゲル方法、シルク方法、スピードフィルム方法、およびフォックス方法等により、ウエハ上に塗布膜をスピンコートし、化学的処理または加熱処理等を施して層間絶縁膜を形成している。
【0003】
例えばゾル−ゲル方法により層間絶縁膜を形成する場合には、まず半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と呼ぶ。)上に絶縁膜材料、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)のコロイドを有機溶媒に分散させた溶液を供給する。次に、溶液が供給されたウエハをゲル化処理し、次いで溶媒の置換を行う。そして、溶媒の置換されたウエハを加熱処理している。
【0004】
このような層間絶縁膜を形成するシステムの一つとして、例えばウエハを搬送する搬送装置が走行する搬送路に沿って上記の各処理を実行する複数の処理ステーションを一体的に配置した構成が提案されている。
【0005】
また、ウエハへのパーティクルの付着を防止するために、この種のシステムがクリーンルーム内に配置されることは周知の通りであるが、この種のシステムでは、例えば搬送装置が走行する搬送路上は大気圧に設定されたクリーンルームよりも高い気圧の雰囲気に設定されており、これにより搬送路上より発生したパーティクルをシステム外に排出し、その一方でクリーンルーム内のパーティクルがシステム内に進入するのを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者等は上記構成のシステムにおいてウエハを減圧下で加熱処理する加熱処理装置を提唱している。かかる構成の加熱処理装置によれば、ウエハを迅速に加熱処理することが可能であり、しかも誘電率が高くかつ均一な多孔質の層間絶縁膜が得られることを確認している。
【0007】
しかしながら、このように構成した加熱処理装置と上記の搬送装置との間でウエハを受け渡す際に、大気圧よりも高い雰囲気の搬送路側から減圧状態にあった加熱処理装置内に相当量の気体を巻き込むことになり、加熱処理装置内が搬送路上より発生したパーティクルによってかなり汚染される、という従来からは想起しえない新たな課題を生じた。
【0008】
本発明は、このような事情に基づきなされたもので、パーティクルによる汚染を極力抑えつつ、所望特性が得られる処理を迅速に行うことができる基板処理装置を提供することを目的としている。
【0009】
かかる課題を解決するため、本発明の基板処理装置は、大気圧よりも高く設定された雰囲気に配置され、基板を搬送する搬送装置と、前記搬送装置により基板を搬入出され、基板を加熱処理する加熱処理室と、前記加熱処理室と隣接し、かつ、前記搬送装置との間では前記加熱処理室を介して基板を受け渡すように配置された冷却処理室と、前記搬送装置と前記加熱処理室との間で基板を受け渡す際には前記加熱処理室内に所定の気体を導入して前記加熱処理室内を前記搬送装置側の気圧よりも高い気圧に設定し、前記加熱処理室内で基板を加熱処理する際には前記加熱処理室内を大気圧よりも低い気圧にする気圧制御機構とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明では、加熱処理室内で大気圧よりも低い気圧で基板を加熱処理しているので、基板を迅速に加熱処理することができ、しかも所望特性、例えばウエハ上に層間絶縁膜を形成する場合には誘電率が高くかつ均一な多孔質が得られる。また、本発明では、搬送装置と加熱処理室との間で基板を受け渡す際には加熱処理室内に所定の気体を導入して加熱処理室内を搬送装置側の気圧よりも高い気圧に設定しているので、搬送装置側から加熱処理室内にパーティクルを巻き込むことはなくなり、パーティクルによる汚染を極力抑えた加熱処理を行うことができる。
【0012】
かかる構成によれば、加熱処理後の基板を搬送装置を介することなく冷却することができ、しかもそのような冷却を行う冷却処理室は搬送装置との間で加熱処理室を介して基板を受け渡すように配置されているので、搬送装置側のパーティクルが冷却処理室にまで侵入することはほとんどなくなり、パーティクルによる汚染を極力抑えつつ、冷却処理を迅速に行うことができる。
【0013】
本発明の一の形態によれば、前記気圧制御機構は、前記冷却処理室についても大気圧よりも低い気圧に設定することを特徴とする。これにより、冷却処理を迅速にかつ均一に行うことができる。
【0014】
本発明の一の形態によれば、前記気圧制御機構は、前記加熱処理室及び/または前記冷却処理室を前記大気圧よりも低い気圧として0.1torr前後の気圧に設定することを特徴とする。これにより、加熱処理や冷却処理を迅速にかつ均一に行うことができる。
【0015】
本発明の一の形態によれば、前記加熱処理室及び/または前記冷却処理室内に導入される気体が、少なくとも不活性ガスを含むことを特徴とする。これにより、加熱処理室や冷却処理室から搬送装置側に吹き出される気体が搬送装置側に悪影響を与えることはなくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
この実施形態は、本発明の基板処理装置を、ウエハ上に層間絶縁膜を形成するためのSOD(Spin on Dielectric)処理システムに適用したものである。図1〜図3はこのSOD処理システムの全体構成を示す図であって、図1は平面図、図2は正面図、図3は背面図である。
【0017】
このSOD処理システム1は、基板としての半導体ウエハ(以下、ウエハと呼ぶ。)WをウエハカセットCRで複数枚たとえば25枚単位で外部からシステムに搬入しまたはシステムから搬出したり、ウエハカセットCRに対してウエハWを搬入・搬出したりするためのカセットブロック10と、SOD塗布工程の中で1枚ずつウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ステーションを所定位置に多段配置してなる処理ブロック11と、エージング工程にて必要とされるアンモニア水のボトル、バブラー、ドレインボトル等が設置されたキャビネット12とを一体に接続した構成を有している。
【0018】
カセットブロック10では、図1に示すように、カセット載置台20上の突起20aの位置に複数個例えば4個までのウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ブロック11側に向けてX方向一列に載置され、カセット配列方向(X方向)及びウエハカセットCR内に収納されたウエハのウエハ配列方向(Z垂直方向)に移動可能なウエハ搬送体21が各ウエハカセットCRに選択的にアクセスするようになっている。更に、このウエハ搬送体21は、θ方向に回転可能に構成されており、後述するように処理ブロック11側の第3の組G3の多段ステーション部に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)にもアクセスできるようになっている。
【0019】
処理ブロック11では、図1に示すように、中心部に搬送装置としての垂直搬送型の主ウエハ搬送機構22が設けられ、その周りに全ての処理ステーションが1組または複数の組に亙って多段に配置されている。この例では、4組G1、G2、G3、G4の多段配置構成であり、第1および第2の組G1、G2の多段ステーションはシステム正面(図1において手前)側に並置され、第3の組G3の多段ステーションはカセットブロック10に隣接して配置され、第4の組G4の多段ステーションはキャビネット12に隣接して配置されている。
【0020】
図2に示すように、第1の組G1では、カップCP内でウエハWをスピンチャックに載せて絶縁膜材料を供給し、ウエハを回転させることによりウエハ上に均一な絶縁膜材料を塗布するSOD塗布処理ステーション(SCT)と、カップCP内でウエハWをスピンチャックに載せて例えばHMDS及びヘプタン等のエクスチェンジ用薬液を供給し、ウエハ上に塗布された絶縁膜中の溶媒を乾燥工程前に他の溶媒に置き換える処理を行うソルベントエクスチェンジ処理ステーション(DSE)とが下から順に2段に重ねられている。
【0021】
第2の組G2では、SOD塗布処理ステーション(SCT)が上段に配置されている。なお、必要に応じて第2の組G2の下段にSOD塗布処理ステーション(SCT)やソルベントエクスチェンジ処理ステーション(DSE)等を配置することも可能である。
【0022】
図3に示すように、第3の組G3では、2個の低酸素高温加熱処理ステーション(OHP)と、低温加熱処理ステーション(LHP)と、2個の冷却処理ステーション(CPL)と、受け渡し・冷却プレート(TCP)と、冷却処理ステーション(CPL)とが上から順に多段に配置されている。ここで、低酸素高温加熱処理ステーション(OHP)は密閉化可能な処理室内にウエハWが載置される熱板を有し、熱板の外周の穴から均一にN2を吐出しつつ処理室上部中央より排気し、低酸素化雰囲気中でウエハWを高温加熱処理する。低温加熱処理ステーション(LHP)はウエハWが載置される熱板を有し、ウエハWを低温加熱処理する。冷却処理ステーション(CPL)はウエハWが載置される冷却板を有し、ウエハWを冷却処理する。受け渡し・冷却プレート(TCP)は下段にウエハWを冷却する冷却板、上段に受け渡し台を有する2段構造とされ、カセットブロック10と処理ブロック11との間でウエハWの受け渡しを行う。
【0023】
第4の組G4では、低温加熱処理ステーション(LHP)、本発明に係る加熱処理室及び冷却処理室としての2個の低酸素キュア・冷却処理ステーション(DCC)と、エージング処理ステーション(DAC)とが上から順に多段に配置されている。ここで、低酸素キュア・冷却処理ステーション(DCC)は密閉化可能な処理室内に熱板と冷却板とを隣接するように有し、N2置換された低酸素雰囲気中で高温加熱処理すると共に加熱処理されたウエハWを冷却処理する。エージング処理ステーション(DAC)は密閉化可能な処理室内に例えばアンモニアガスと水蒸気とを混合した処理気体(NH3+H2O)を導入してウエハWをエージング処理し、ウエハW上の絶縁膜材料をウエットゲル化する。
【0024】
図4は本発明に係る搬送装置としての主ウエハ搬送機構22の外観を示した斜視図であり、この主ウエハ搬送機構22は上端及び下端で相互に接続され対向する一対の壁部25、26からなる筒状支持体27の内側に、上下方向(Z方向)に昇降自在なウェハ搬送装置30を装備している。筒状支持体27はモータ31の回転軸に接続されており、このモータ31の回転駆動力によって、前記回転軸を中心としてウェハ搬送装置30と一体に回転する。従って、ウェハ搬送装置30はθ方向に回転自在となっている。このウェハ搬送装置30の搬送基台40上にはピンセットが例えば3本備えられている。これらのピンセット41、42、43は、いずれも筒状支持体27の両壁部25、26間の側面開口部44を通過自在な形態及び大きさを有しており、X方向に沿って前後移動が自在となるように構成されている。そして、主ウエハ搬送機構22はピンセット41、42、43をその周囲に配置された処理ステーションにアクセスしてこれら処理ステーションとの間でウエハWの受け渡しを行う。
【0025】
なお、このSOD処理システム1は例えばクリーンルーム内に配置され、例えば主ウエハ搬送機構22上は大気圧に設定されたクリーンルームよりも高い気圧の雰囲気に設定されており、これにより主ウエハ搬送機構22上より発生したパーティクルをSOD処理システム1外に排出し、その一方でクレールーム内のパーティクルがSOD処理システム1内に進入するのを防止している。
【0026】
図5は本発明に係る加熱処理室及び冷却処理室を有する低酸素キュア・冷却処理ステーション(DCC)の構成を示す平面図、図6はその断面図である。
【0027】
低酸素キュア・冷却処理ステーション(DCC)は、加熱処理室51と、これに隣接して設けられた冷却処理室52とを有する。
【0028】
この加熱処理室51は、上部が開放している処理室本体53と、この処理室本体53の上部開放部を開閉するように昇降可能に配置された蓋体54とを有する。蓋体54には昇降シリンダ55が接続されており、この昇降シリンダ55の駆動によって蓋体54が昇降されるようになっている。そして、処理室本体53の上部開放部を蓋体54で閉じることによって加熱処理室51内に密閉空間が形成されるようになっている。また、処理室本体53の上部が開放している状態で、加熱処理室51と主ウエハ搬送機構22との間でウエハWの受け渡し、及び加熱処理室51と冷却処理室52との間でウエハWの受け渡しが行われるようになっている。
【0029】
処理室本体53のほぼ中央部には、ウエハWを加熱処理するための熱板56が配置されている。この熱板56内には、例えばヒータ(図示せず)が埋設され、その設定温度は例えば200〜470℃とすることが可能とされている。また、この熱板56には同心円状に複数、例えば3個の孔57が上下に貫通しており、これらの孔57にはウエハWを支持する支持ピン58が昇降可能に介挿されている。これら支持ピン58は熱板56の裏面において連通部材59に接続されて一体化されており、連通部材59はその下方に配置された昇降シリンダ60によって昇降されるようになっている。そして、昇降シリンダ60の昇降作動によって支持ピン58は熱板56表面から突出したり、没したりする。
【0030】
また、熱板56の表面にはプロキシミティーピン61が複数配置され、ウエハWを加熱処理するときにウエハWが直接熱板56に接触しないようにされている。これにより、加熱処理時にウエハWに静電気が帯電しないようになっている。
【0031】
更に、熱板56の周囲を囲むように、加熱処理室51内に不活性ガス、例えば窒素ガス(N2)を供給するためのガス噴出孔62が多数設けられたリング管63が配置されている。このリング管63には配管64を介して窒素ガスボンベ65に接続されており、また配管64上には開閉弁66が配置され、この開閉弁66は制御部67の制御によって開閉が制御されるようになっている。なお、加熱処理室51内には必要に応じて不活性ガスばかりでなく、他の気体、例えば酸素ガスを供給するようにいてもよい。その場合、リング管63を共用し、窒素ガスと酸素ガスとを切り替えるための切替弁を介してこれらのガスを供給するようにすることができる。これにより、加熱処理室の大型化を回避することができる。
【0032】
一方、蓋体54のほぼ中央部分には減圧用の排気口68が設けられており、この排気口68は例えばフレキシブルホース69を介して真空ポンプ70に接続されている。そして、真空ポンプ70の作動によって加熱処理室51内が大気圧よりも低い気圧、例えば0.1torr前後に設定することが可能にされている。
【0033】
また、蓋体54の内側には、排気口68を覆うように整流板71が配置されている。この整流板71は排気口68よりも径が大きく、更に蓋体54の内壁との間で例えば5mm程度の隙間を有する。そして、このような整流板71を配置することで加熱処理室51内を均一に減圧することができる。
【0034】
更に、蓋体54には加熱処理室51内の気圧を計測するための圧力センサ72が取り付けられている。圧力センサ72による計測結果は制御部67に伝えられ、制御部67はこの計測結果に基づき真空ポンプ70の作動を制御することで加熱処理室51内を一定の減圧状態に維持する。
【0035】
冷却処理室52には、加熱処理室51との間でウエハWの受け渡しを行うための開口部73が加熱処理室51に向けて設けられている。この開口部73はシャッタ部材74によって開閉可能にされている。シャッタ部材74は昇降シリンダ75によって上記の開閉のために昇降されるようになっている。
【0036】
また、冷却処理室52内には、ウエハWを載置して冷却するための冷却板76がガイドプレート77aに沿って移動機構77bにより水平方向に移動自在に構成されている。これにより、冷却板76は、開口部73を介して加熱処理室51内に進入することができ、加熱処理室51内の熱板56により加熱された後のウエハWを支持ピン58から受け取って冷却処理室52内に搬入し、ウエハWの冷却後、ウエハWを支持ピン58に戻すようになっている。なお、冷却板76の設定温度は、例えば15〜25℃であり、冷却されるウエハWの適用温度範囲は、例えば200〜470℃である。
【0037】
更に、冷却処理室52内にはその上部より配管78を介して窒素ガス等の不活性ガスが供給されるようになっており、また冷却処理室52の下部には排気口79が設けられ、排気口79は例えばフレキシブルホース80を介して真空ポンプ81に接続されている。そして、真空ポンプ81の作動によって冷却処理室52内が大気圧よりも低い気圧、例えば0.1torr前後に設定することが可能にされている。なお、加熱処理室51に使われる真空ポンプと冷却処理室52に使われる真空ポンプとを同一装置によって構成しても構わない。
【0038】
次にこのように構成されたSODシステム1における動作について説明する。図7はこのSODシステム1における処理フローを示している。
【0039】
まずカセットブロック10において、処理前のウエハWはウエハカセットCRからウエハ搬送体21を介して処理ブロック11側の第3の組G3に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台へ搬送される。
【0040】
受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台に搬送されたウエハWは主ウエハ搬送機構22を介して冷却処理ステーション(CPL)へ搬送される。そして冷却処理ステーション(CPL)において、ウエハWはSOD塗布処理ステーション(SCT)における処理に適合する温度まで冷却される(ステップ701)。
【0041】
冷却処理ステーション(CPL)で冷却処理されたウエハWは主ウエハ搬送機構22を介してSOD塗布処理ステーション(SCT)へ搬送される。そしてSOD塗布処理ステーション(SCT)において、ウエハWはSOD塗布処理が行われる(ステップ702)。
【0042】
SOD塗布処理ステーション(SCT)でSOD塗布処理が行われたウエハWは主ウエハ搬送機構22を介してエージング処理ステーション(DAC)へ搬送される。そしてエージング処理ステーション(DAC)において、ウエハWは処理室内にNH3+H2Oを導入してウエハWをエージング処理し、ウエハW上の絶縁膜材料膜をゲル化する(ステップ703)。
【0043】
エージング処理ステーション(DAC)でエージング処理されたウエハWは主ウエハ搬送機構22を介してソルベントエクスチェンジ処理ステーション(DSE)へ搬送される。そしてソルベントエクスチェンジ処理ステーション(DSE)において、ウエハWはエクスチェンジ用薬液が供給され、ウエハ上に塗布された絶縁膜中の溶媒を他の溶媒に置き換える処理が行われる(ステップ704)。
【0044】
ソルベントエクスチェンジ処理ステーション(DSE)で置換処理が行われたウエハWは主ウエハ搬送機構22を介して低温加熱処理ステーション(LHP)へ搬送される。そして低温加熱処理ステーション(LHP)において、ウエハWは低温加熱処理される(ステップ705)。
【0045】
低温加熱処理ステーション(LHP)で低温加熱処理されたウエハWは主ウエハ搬送機構22を介して低酸素高温加熱処理ステーション(OHP)へ搬送される。そして低酸素高温加熱処理ステーション(OHP)において、ウエハWは低酸素化雰囲気中での高温加熱処理が行われる(ステップ706)。
【0046】
低酸素高温加熱処理ステーション(OHP)で高温加熱処理が行われたウエハWは主ウエハ搬送機構22を介して低酸素キュア・冷却処理ステーション(DCC)へ搬送される。そして低酸素キュア・冷却処理ステーション(DCC)において、ウエハWは低酸素雰囲気中で高温加熱処理され、冷却処理される(ステップ707)。
【0047】
ここで、ステップ707における処理を更に詳細に説明する。
処理室本体53の上部が開放している状態で、しかも支持ピン58が熱板56表面から突出した状態で主ウエハ搬送機構22から支持ピン58上にウエハWが受け渡される。その際には、リング管63のガス噴出孔62から加熱処理室51内に窒素ガスが噴出され、加熱処理室51内が主ウエハ搬送機構22側の気圧よりも高い気圧に設定されている。これにより、主ウエハ搬送機構22側から加熱処理室51内にパーティクルを巻き込むことはなくなる。
【0048】
次に、蓋体54が下降して処理室本体53の上部開放部を蓋体54で閉じることによって加熱処理室51内に密閉空間が形成される。そして、リング管63のガス噴出孔62から加熱処理室51内への窒素ガスの噴出を停止すると共に、真空ポンプ70を作動させて加熱処理室51内を大気圧よりも低い気圧、例えば0.1torr前後に設定する。その後、支持ピン58が下降して熱板56の表面から没してウエハWが熱板56上に載置されてウエハWに対する加熱処理が開始される。このように加熱処理室51内で大気圧よりも低い気圧でウエハWを加熱処理しているので、ウエハWを迅速に加熱処理することができ、しかもウエハW上に誘電率が高くかつ均一な多孔質膜の層間絶縁膜を形成することが可能とある。
【0049】
次に、リング管63のガス噴出孔62から加熱処理室51内への窒素ガスの噴出を開始し、加熱処理室51内を窒素ガスでパージすると共に、支持ピン58が上昇して熱板56の表面から突出し、更に蓋体54が上昇して処理室本体53の上部が開放部される。その際、リング管63のガス噴出孔62から加熱処理室51内への窒素ガスの噴出を継続する。これにより、主ウエハ搬送機構22側から加熱処理室51内にパーティクルを巻き込むことはない。
【0050】
次に、冷却処理室52内の冷却板76が開口部73を介して加熱処理室51内に進入し、ウエハWを支持ピン58から受け取って冷却処理室52内に搬入する。その際、冷却処理室52内には配管78を介して窒素ガスが供給されている。これにより、ウエハWの酸化が防止される。また、例えば冷却処理室52への窒素ガスの供給を過大にして冷却処理室52内を加熱処理室51内よりも陽圧とすることで、冷却処理室52内にパーティクルを巻き込むことはなくなり、逆に冷却処理室51への窒素ガスの供給を過小にして冷却処理室52内を加熱処理室51内よりも陰圧とすることで、加熱処理室51内にパーティクルを巻き込むことはなくなる。即ち、加熱処理室51と冷却処理室52との間に陰圧、陽圧の関係を持たせることによって、パーティクルの巻き込みをコントロールすることにその本質がある。
【0051】
次に、シャッタ部材74によって開口部73が閉じられると共に、冷却処理室52内への窒素ガスの供給を停止し、更に真空ポンプ81の作動によって冷却処理室52内を大気圧よりも低い気圧に設定し、ウエハWに対する冷却処理を行う。このように減圧下で冷却処理を行うことにより、迅速でかつ均一なウエハWの冷却処理を行うことができる。
【0052】
次に、真空ポンプ81の作動を停止すると共に、冷却処理室52内への窒素ガスの供給を開始し、更に開口部73を開く。そして、冷却板76が開口部73を介して加熱処理室51内に進入し、ウエハWを支持ピン58に受け渡す。その際、リング管63のガス噴出孔62から加熱処理室51内への窒素ガスの噴出を継続している。これにより、主ウエハ搬送機構22側から加熱処理室51内にパーティクルを巻き込むことはない。
【0053】
そして、支持ピン58上から主ウエハ搬送機構22にウエハWが受け渡される。
以上でステップ707における処理を終了し、低酸素キュア・冷却処理ステーション(DCC)で処理されたウエハWは主ウエハ搬送機構22を介して受け渡し・冷却プレート(TCP)における冷却板へ搬送される。そして受け渡し・冷却プレート(TCP)における冷却板において、ウエハWは冷却処理される(ステップ708)。
【0054】
受け渡し・冷却プレート(TCP)における冷却板で冷却処理されたウエハWはカセットブロック10においてウエハ搬送体21を介してウエハカセットCRへ搬送される。
【0055】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。例えば、処理する基板は半導体ウエハに限らず、LCD基板等の他のものであってもよい。また、膜の種類は層間絶縁膜に限らない。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パーティクルによる汚染を極力抑えつつ、所望特性が得られる処理を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るSOD処理システムの平面図である。
【図2】図1に示したSODシステム処理の正面図である。
【図3】図1に示したSOD処理システムの背面図である。
【図4】図1に示したSOD処理システムにおける主ウエハ搬送機構の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る低酸素キュア・冷却処理ステーションの平面図である。
【図6】図5に示した低酸素キュア・冷却処理ステーションの断面図である。
【図7】図1に示したSOD処理システムの処理フロー図である。
【符号の説明】
22 主ウエハ搬送機構
51 加熱処理室
52 冷却処理室
62 ガス噴出孔
63 リング管
64 配管
65 窒素ガスボンベ
66 開閉弁
67 制御部
68、79 排気口
69、80 フレキシブルホース
70、81 真空ポンプ
W ウエハ
Claims (4)
- 大気圧よりも高く設定された雰囲気に配置され、基板を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置により基板を搬入出され、基板を加熱処理する加熱処理室と、
前記加熱処理室と隣接し、かつ、前記搬送装置との間では前記加熱処理室を介して基板を受け渡すように配置された冷却処理室と、
前記搬送装置と前記加熱処理室との間で基板を受け渡す際には前記加熱処理室内に所定の気体を導入して前記加熱処理室内を前記搬送装置側の気圧よりも高い気圧に設定し、前記加熱処理室内で基板を加熱処理する際には前記加熱処理室内を大気圧よりも低い気圧にする気圧制御機構と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 前記気圧制御機構は、前記冷却処理室についても大気圧よりも低い気圧に設定することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記気圧制御機構は、前記加熱処理室及び/または前記冷却処理室を前記大気圧よりも低い気圧として0.1torr前後の気圧に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
- 前記加熱処理室及び/または前記冷却処理室内に導入される気体が、少なくとも不活性ガスを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の基板処理装置。
Priority Applications (6)
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