JP3620375B2 - 磁性体の設置方法、磁性式標識体及び車両用情報取得装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性体の道路への設置方法及び磁性式標識体、更に、そのような磁性体から発生される磁界にて表される情報を取得する車両用情報取得装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、道路上に設定した所定のコースに沿うように操舵制御を行う自動運転車両が提案されている。このような自動運転車両では、常に道路の幅方向における当該車両の位置( 横方向位置) を検出し、その検出位置に基づいて当該車両が該所定のコースから逸脱しないように操舵制御を行うようにしている。
【0003】
図1に示すように、このような自動運転車両10は、道路Rの所定のコース上に所定間隔で敷設された磁気マーカ(磁性式標識体)100からの磁界を検出する磁気センサ12を搭載している。磁気マーカ100からの磁界強度は、その磁気マーカ100からの距離に応じて変化する。従って、磁気センサ12での検出磁界に基づいて車両10のコースからの逸脱量(横方向位置)を検出し、その逸脱量に基づいて車両10を当該所定のコース上に誘導するように操舵制御が行われる。
【0004】
ところで、上記のように、車両10に搭載された磁気センサ12にて検出された磁界強度に基づいて当該車両10を誘導するために用いられる磁気マーカ100は、例えば、図2に示すような構造となり、図3に示すように道路Rに敷設される。
即ち、この磁気マーカ100は、上面部に鍔を有する筒状のケース体110の内部にそのケース体110の空間を満たすように磁石120が収容されている。そして、ケース体110が、その鍔の下面が路面に接触するように、道路R内に埋め込まれている。このように、磁石120の上面の位置が略路面位置に一致するように磁気マーカ100が道路Rに埋め込まれるようにしているので、比較的小さい磁石120であっても、路面位置での磁界強度が最大になるので、車両10の磁気センサ12が車両10の位置検出に必要十分な磁界強度(所望の磁界強度)を検出できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁石120(磁性体)から発生する磁界強度(垂直磁束密度)は、磁石120からの距離の3乗に比例して減衰することが一般に知られている。そのため、上記のように埋設された磁気マーカ100から発生される磁界の強度は、その強度が最大となる路面から離れるに従って急激に減少する。このような状況では、車両10に設置される磁気センサ12の路面からの高さ位置では所望の磁界強度が得られるものの、路面での磁界強度が比較的大きくなり、路面に散乱する磁性体(空き缶、くぎなど)が磁気マーカ100の表面に吸着し易くなる。
【0006】
そこで、本発明の第一の課題は、車両に設置される磁気センサの路面からの高さ位置にて所望の磁界強度が得られる状態を維持しつつ、路面での磁界強度をできるだけ小さくできるような磁性体の設置方法を提供することである。
また、本発明の第二の課題は、そのような磁性体の設置方法にて設置することが容易な磁性式標識体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第一の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性体の道路への設置方法において、磁性体からの距離と磁界強度との関係を距離−磁界強度点として表す特性において、距離の変化に対する磁界強度の変化の割合が磁界強度の変化に対する距離の変化の割合より大きくなる傾向から逆に磁界強度の変化に対する距離の変化の割合が距離の変化に対する磁界強度の変化の割合より大きくなる傾向に変化する境界の距離−磁界強度点における当該距離以上となる磁性体からの距離に路面が位置すると共に路面から磁気センサの設置高さにて所望の磁界強度が得られるように、磁性体の発生磁界強度及びその設置されるべき路面からの深さを設定するように構成される。
【0009】
磁性体から発生する磁界強度Bと距離yとの関係は、例えば、図4に示す特性Qのように、距離と対応する磁界強度の組で定まる点となる各距離−磁界強度点を結ぶ曲線として表される。このような特性Qは、磁界強度Bが磁性体からの距離yの3乗に比例するように減衰するとみなすことができる。このような特性Qにおいて、距離−磁界強度点P1では、距離の変化に対する磁界強度の変化の割合が磁界強度の変化に対する距離の変化の割合より大きくなる。そして、磁性体からの距離が大きくなるに従って(距離−磁界強度点P0に近づくに従って)各距離−磁界強度点における距離の変化に対する磁界強度の変化割合が小さくなる。
【0010】
また、距離−磁界強度点P2では、逆に磁界強度の変化に対する距離の変化の割合が距離の変化に対する磁界強度の変化の割合より大きくなる。そして、磁性体からの距離が小さくなるに従って(距離−磁界強度点P0に近づくに従って)各距離−磁界強度点における磁界強度の変化に対する距離の変化の割合が小さくなる。
【0011】
従って、上記特性Qにおいて、距離の変化に対する磁界強度の変化の割合が磁界強度の変化に対する距離の変化の割合より大きくなる傾向から逆に磁界強度の変化に対する距離の変化の割合が距離の変化に対する磁界強度の変化の割合より大きくなる傾向に変化する境界の距離−磁界強度点が存在する。その境界の距離−磁界強度点は、上記特性Q における距離ym、磁界強度Bmの組で定まる距離−磁界強度点P0となる。この距離−磁界強度点P0は、視覚的に表現すれば、距離−磁界強度点で表される特性曲線Qが座標系の原点0に向かって凸となる領域に存在する。
【0012】
この距離−磁界強度点P0における当該距離ym以上となる磁性体からの距離yR(≧ym)に路面が位置すると共に、路面から磁気センサの設置高さl1にて所望の磁界強度Bsが得られるように磁性体の発生磁界強度Bo及びその設置されるべき路面からの深さl2が設定される。
このような状態では、道路に埋め込まれた磁性体から路面に至る距離l2の間では、磁性体から発生する磁界強度が急激に減少する一方、路面から磁気センサの設置高さl2に至る空間では、磁界強度の変化が比較的小さくなる。従って、路面での磁界強度BRは、磁気センサの設置高さにて得られるべき所望の磁界強度に比較的近くなる。その結果、路面での磁界強度BRを小さくすることができる。
【0013】
また、上記第一の課題を解決するため、本発明は、請求項2に記載されるように、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性体の道路への設置方法において、磁性体からの距離とその距離での磁界強度との組で表されるベクトルの大きさが最小となる場合の当該距離以上となる磁性体からの距離に路面が位置すると共に、路面から磁気センサの設置高さにて所望の磁界強度が得られるように、磁性体の発生磁界強度及びその設置されるべき路面からの深さを設定するように構成される。
【0014】
前述した磁性体の距離と磁界強度との関係を表した特性Q(図4参照)において、磁性体からの距離yとその距離yでの磁界強度Bとの組で表されるベクトル(y、B)が最小となる場合の当該距離は、特性Q上の点P0での距離ymとなる。この距離ym以上となる磁性体からの距離yR(≧ym)に路面が位置すると共に、路面から磁気センサの設置高さl1にて所望の磁界強度Bsが得られるように、磁性体の発生磁界強度Bo及び、その設置されるべき路面からの深さl2が設定される。
【0015】
このような状態では、前述した場合と同様に、道路に埋め込まれた磁性体から路面に至る距離l2の間では、磁性体から発生する磁界強度が急激に減少する一方、路面から磁気センサの設置高さl2に至る空間では、磁界強度の変化が比較的小さくなる。従って、路面での磁界強度BRは、磁気センサの設置高さにて得られるべき所望の磁界強度に比較的近くなる。その結果、路面での磁界強度BRを比較的小さくすることができる。
【0016】
更に、上記第一の課題を解決するため、本発明は、請求項3に記載されるように、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性体の道路への設置方法において、磁性体から発生される磁界強度が4分の1以下となる当該磁性体からの距離に路面が位置すると共に、路面から磁気センサの設置高さにて所望の磁界強度が得られるように、磁性体の発生強度及びその設置されるべき路面からの深さを設置するように構成される。
【0017】
磁性体から発生される磁界強度が4分の1となる上記特性曲線Q(図4参照)上の点は、点P0の近傍となる。このような点での磁界強度以下となる当該磁性体からの距離(例えば、yR)に路面が位置すると共に、路面から磁気センサの設置高さにて所望の磁界強度がえられるように、磁性体の発生磁界Bo及びその設置されるべき路面からの深さが設定されることにより、前述した場合と同様に、路面での磁界強度BRを比較的小さくすることができる。
【0018】
上記第二の課題を解決するため、本発明は、請求項4に記載されるように、道路に設置され、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性式標識体において、筒状のケース体と、該ケース体に収容された磁性体とを有し、磁性体とケース体の上面部との距離が、磁性体からの距離と磁界強度との関係を距離−磁界強度点として表す特性において、距離の変化に対する磁界強度の変化の割合が磁界強度の変化に対する距離の変化の割合より大きくなる傾向から逆に磁界強度の変化に対する距離の変化の割合が距離の変化に対する磁界強度の変化の割合より大きくなる傾向に変化する境界の距離−磁界強度点における当該距離以上に設定されると共に、路面から磁気センサの設置高さと同じ距離だけ上記ケース体の上面部から上方に離れた位置にて所望の磁界強度が得られるように、上記磁性体の発生磁界強度が設定されるように構成される。
【0019】
また、請求項5に記載されるように、道路に設置され、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性式標識体において、筒状のケース体と、該ケース体に収容された磁性体とを有し、該磁性体とケース体の上面部との距離が、当該磁性体からの距離とその距離での磁界強度との組で表されるベクトルの大きさが最小となる場合の当該距離以上となるように設定されると共に、路面から磁気センサの設置高さと同じ距離だけ上記ケース体の上面部から上方に離れた位置にて所望の磁界強度が得られるように、上記磁性体の発生磁界強度が設定されるように構成される。
【0020】
更に、請求項6に記載されるように、道路に設置され、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性式標識体において、筒状のケース体と、該ケース体に収容された磁性体とを有し、該磁性体とケース体の上面部との距離が、磁性体から発生される磁界強度が4分の1以下となる距離に設定されると共に、路面から磁気センサの設置高さと同じ距離だけ上記ケース体の上面部から上方に離れた位置にて所望の磁界強度が得られるように、上記磁性体の発生磁界強度が設定されるように構成される。
【0021】
このような各磁性式標識体によれば、ケース体の上面部を路面に一致するように当該磁性式標識体を路面に埋め込むことにより、上述したような、道路に埋め込まれた磁性体から路面に至る距離l2の間では、磁性体から発生する磁界強度が急激に減少する一方、路面から磁気センサの設置高さl2に至る空間では、磁界強度の変化が比較的小さくなる状態となる。
【0022】
ケース体内の磁性体を発生磁界に影響を与えずに容易に保持できるという観点から、本発明は、請求項7に記載されるように、上記磁性式標識体において、上記磁性体とケース体の上面部までの間に形成される空間に非磁性体を収容するように構成できる。
また、路面から磁性体に伝わる振動を吸収できるという観点から、請求項8に記載されるように、上記非磁性体他は弾性部材で形成されることが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施の一形態に係る磁気マーカ(磁性式標識体)の構造は、例えば、図5に示すようになっている。
図5に示す磁気マーカ100では、ステンレスやアルミニウム等の非磁性体にて形成された筒状のケース体111に、例えば、希土類(NdReB系)磁石112が収容されている。ケース体111の上面部には、図2に示す磁気マーカ100と同様に鍔が形成されている。磁石112の高さは、ケース体111の縦方向の長さより小さく、磁石112の上面とケース体111の上面部との間には、ウレタン樹脂などの弾性部材となる非磁性体113が満たされている。
【0028】
上記のような構造の磁気マーカ100の磁石112から発生する磁界の強度と距離との関係を表す特性は、例えば、図7に示す特性Q1となる。この場合、磁石112の表面での発生磁界強度Bo( 磁束密度) は、3.7×10−1テスラ(T)であり、磁石112の表面から240ミリメートル(mm)の位置での磁界強度Bsが車両10の横方向位置を検出するために必要な磁気センサ12での検出磁界強度、例えば、2×10−4テスラ(T)となる。
【0029】
車両10の磁気センサ12の設置高さは、例えば、路面から190ミリメートル(mm)である。この場合、磁石112の表面から車両10の横方向位置を検出するために必要な磁界強度(例えば、2×10−4テスラ)となる位置までの距離(240ミリメートル)と路面から車両の磁気センサ12の設置高さまでの距離(190ミリメートル)との差(50ミリメートル)が磁石112表面から路面までの距離となる。即ち、磁石112の上面からケース体111の上面部までの距離が50ミリメートル(mm)となる。
【0030】
上記のような構造の磁気マーカ100は、例えば、図6に示すように、道路Rに埋め込まれる。即ち、ケース体111の鍔の下面が路面に接触するように、ケース体111が道路R内に埋め込まれる。この状態で、磁石112の上面から路面までの距離l2は、50ミリメートル(mm)となる(l2=50mm)。また、路面から車両10の磁気センサ12までの距離l1が190ミリメートル(mm)であるので(l1=190mm)、磁石112の上面から車両10の磁気センサ12の高さ位置までの距離が240ミリメートル(mm)となる(l1+l2=240mm)。従って、車両10がこの磁気マーカ100の上を通過する際に、車両10の磁気センサ12は、車両10の横方向位置を検出するために必要な磁界強度Bs(2×10−4テスラ)を検出できる。
【0031】
このように道路Rに設置された磁気マーカ100の表面(露出面)での磁界強度、即ち、磁石112の上面から50ミリメートル(mm)離れた位置での磁界強度は、0.2×10−1テスラ(T)となる(図7に示す特性Q1参照)。
特性Q1の磁石112を上述したような構造にて収容する磁気マーカ100を道路Rに埋め込むことにより、磁石112からの距離と磁界強度との関係を距離−磁界強度点として表す特性において(図7参照)、距離の変化に対する磁界強度の変化の割合が磁界強度の変化に対する距離の変化の割合より大きくなる傾向から逆に磁界強度の変化に対する距離の変化の割合が距離の変化に対する磁界強度の変化の割合より大きくなる傾向に変化する境界となる距離−磁界強度点Pにおける当該距離(20ミリメートル)以上となる磁石112からの距離(50ミリメートル)に路面が位置すると共に、路面から磁気センサ12の設置高さ(190ミリメートル)にて所望の磁界強度(2×10−4テスラ)が得られるように、当該磁石112の発生磁界(Bo=3.7×10−1テスラ)及びその設置されるべき路面からの深さ(50ミリメートル)が設定されることになる。
【0032】
また、このような磁石112の設置では、磁石112からの距離とその距離での磁界強度との組で表されるベクトルの大きさが最小となる場合(図7に示す特性Q1上の点P)の当該距離(20ミリメートル)以上となる磁石112からの距離(50ミリメートル)に路面が位置すると共に、路面から磁気センサ12の設置高さ(190ミリメートル)にて所望の磁界強度(2×10−4テスラ)が得られるように、磁石112の発生磁界強度(Bo=3.7×10−1テスラ)及び、その設置されるべき路面からの深さ(50ミリメートル)が設定されたことにもなる。
【0033】
更に、このような磁石112の設置では、磁石112から発生される磁界強度(Bo=3.7×10−1テスラ)の4分の1(0.925×10−1テスラ:図7における点P近傍での磁界強度)以下となる当該磁石112からの距離(50ミリメートル)に路面が位置すると共に、路面から磁気センサ12の設置高さ(190ミリメートル)にて所望の磁界強度(2×10−4テスラ)が得られるように磁石112の発生磁界強度(Bo=3.7×10−1テスラ)及び、その設置されるべき路面からの深さ(50ミリメートル)が設定されたことにもなる。
【0034】
このような磁気マーカ100の設置方法によれば、道路R内(路面から深さ50ミリメートルまでの間)における磁界強度の変化は非常に大きくなる(3.7×10−1テスラ→0.2×10−1テスラ)一方、路面から磁気センサ12までの空間における磁界強度の変化は小さくなる(0.2×10 −1テスラ→2×10−4テスラ)。そして、路面での磁界強度は、0.2×10−1テスラとなる。この磁界強度( 磁束密度0.2×10−1テスラ) では、空き缶やくぎなどの磁性体が磁気マーカ100の表面に吸着し難く、仮に、吸着したとしても、その除去は容易となる。
【0035】
従来の設置方法(図2及び図3参照)に従って磁気マーカ100が道路Rに設置された場合の各部の磁界強度を比較例として示す。
磁気マーカ100に収容される磁石120は、例えば、図7に示す特性Q2となる。この場合、磁石120の表面での磁界強度Boは、1.3×10−1テスラ(T)であり、磁石120の表面から190ミリメートル(mm)の位置での磁界強度が、車両10の横方向位置を検出するために必要な磁気センサ12での検出磁界強度、例えば、2×10−4テスラ(T)となる。この場合、磁石120の表面が路面に一致するように磁気マーカ100を設置されているので( 図3参照) 、磁気センサ12の設置高さにおいて、所望の磁界強度である2×10−4テスラが得られる。また、この場合、磁気マーカ100の表面での磁界強度は、1.3×10−1テスラとなる。
【0036】
従って、上述した例( 図5、図6参照) にて述べた磁気マーカ100の設置方法によれば、従来の設置方法( 図2、図3参照) に比べ、その磁気マーカ100の表面磁界を格段と小さくすることができる(1/6.5)。
また、上述した例に係る磁気マーカ100では、ケース体111に収容される磁石112とケース体111の上面部との間にウレタン樹脂などの弾性部材の非磁性体113が収容されているので、路面から伝わる振動が当該非磁性体113にて吸収される。従って、磁石112をケース体111内により安定的に収容しておくことができる。
【0037】
排水性舗装の施された、所謂、高機能道路Rに磁気マーカを埋設する場合、以下のような注意が必要となる。
図8に示すように、高機能道路Rは、路床L0の上に基層L1及び表層L2が積層された構造となっている。表層L2は排水性を有している。そして、排水性を有する表層L2を透過した水が基層L1及び路床L0に進入しないように、表層L2と基層L1との間に防水層L20が設けられている。このような構造により、表層L2を透過した水が防水層L20に沿って排水溝に導かれるようになる。
【0038】
このような構造の高機能道路Rに磁気マーカ100を埋設する場合、防水層L20を横切って磁気マーカ100を設置することは((2)の場合)、防水機能を損なってしまうので、避けなければならない。従って、磁気マーカ100は、表層L2((3)の場合)または基層L1((1)の場合)に埋設しなければならない。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、請求項1乃至3に係る本願発明によれば、道路に埋め込まれた磁性体から路面に至る間では、当該磁性体から発生した磁界の強度がその距離に応じて急激に減少する一方、路面から磁気センサの設置高さに至る空間では、磁界強度の距離に応じた変化は比較的小さくなって、路面での磁界強度が磁気センサの設置高さでの磁界強度に比較的近くなる。その結果、車両に設置される磁気センサの路面からの高さ位置にて所望の磁界強度が得られる状態を維持しつつ、路面での磁界強度をできるだけ小さくすることが可能となる。
【0040】
また、請求項4乃至8記載の本願発明によれば、上述したような磁性体の設置方法にて設置することが容易な磁性式標識体を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両と道路に設置した磁気マーカとの関係を示す図である。
【図2】磁気マーカ(磁性式標識体)の従来の構造例を示す図である。
【図3】図2に示す磁気マーカの設置例を示す図である。
【図4】一般的な磁性体の磁界強度と距離との関係を示す特性図である。
【図5】本発明の実施の一形態に係る磁気マーカの構造例を示す図である。
【図6】図5に示す磁気マーカの設置例を示す図である。
【図7】図5に示す磁気マーカに収容される磁石の特性の例及び比較例を示す特性図である。
【図8】磁気マーカの埋設構造の可否を説明するための図である。
【符号の説明】
10 車両
12 磁気センサ
100 磁気マーカ( 磁性式標識体)
111 ケース体
112 磁石
113 非磁性体
Claims (8)
- 車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性体の道路への設置方法において、
磁性体からの距離と磁界強度との関係を距離−磁界強度点として表す特性において、距離の変化に対する磁界強度の変化の割合が磁界強度の変化に対する距離の変化の割合より大きくなる傾向から逆に磁界強度の変化に対する距離の変化の割合が距離の変化に対する磁界強度の変化の割合より大きくなる傾向に変化する境界の距離−磁界強度点における当該距離以上となる磁性体からの距離に路面が位置すると共に路面から磁気センサの設置高さにて所望の磁界強度が得られるように、磁性体の発生磁界強度及びその設置されるべき路面からの深さを設定するようにした磁性体の設置方法。 - 車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性体の道路への設置方法において、
磁性体からの距離とその距離での磁界強度との組で表されるベクトルの大きさが最小となる場合の当該距離以上となる磁性体からの距離に路面が位置すると共に、路面から磁気センサの設置高さにて所望の磁界強度が得られるように、磁性体の発生磁界強度及びその設置されるべき路面からの深さを設定するようにした磁性体の設置方法。 - 車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性体の道路への設置方法において、
磁性体から発生される磁界強度が4分の1以下となる当該磁性体からの距離に路面が位置すると共に、路面から磁気センサの設置高さにて所望の磁界強度が得られるように、磁性体の発生強度及びその設置されるべき路面からの深さを設定するようにした磁性体の設置方法。 - 道路に設置され、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性式標識体において、
筒状のケース体と、
該ケース体に収容された磁性体とを有し、
磁性体とケース体の上面部との距離が、磁性体からの距離と磁界強度との関係を距離−磁界強度点として表す特性において、距離の変化に対する磁界強度の変化の割合が磁界強度の変化に対する距離の変化の割合より大きくなる傾向から逆に磁界強度の変化に対する距離の変化の割合が距離の変化に対する磁界強度の変化の割合より大きくなる傾向に変化する境界の距離−磁界強度点における当該距離以上に設定されると共に、路面から磁気センサの設置高さと同じ距離だけ上記ケース体の上面部から上方に離れた位置にて所望の磁界強度が得られるように、上記磁性体の発生磁界強度が設定された磁性式標識体。 - 道路に設置され、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性式標識体において、
筒状のケース体と、
該ケース体に収容された磁性体とを有し、
該磁性体とケース体の上面部との距離が、当該磁性体からの距離とその距離での磁界強度との組で表されるベクトルの大きさが最小となる場合の当該距離以上となるように設定されると共に、路面から磁気センサの設置高さと同じ距離だけ上記ケース体の上面部から上方に離れた位置にて所望の磁界強度が得られるように、上記磁性体の発生磁界強度が設定された磁性式標識体。 - 道路に設置され、車両に搭載された磁気センサにて検出される磁界にて表される情報を取得するために用いられる磁性式標識体において、
筒状のケース体と、
該ケース体に収容された磁性体とを有し、
該磁性体とケース体の上面部との距離が、磁性体から発生される磁界強度が4分の1以下となる距離に設定されると共に、路面から磁気センサの設置高さと同じ距離だけ上記ケース体の上面部から上方に離れた位置にて所望の磁界強度が得られるように、上記磁性体の発生磁界強度が設定された磁性式標識体。 - 請求項4乃至6いずれか記載の磁性式標識体において、
上記磁性体とケース体の上面部までの間に形成される空間に非磁性体を収容した磁性式標識体。 - 請求項7記載の磁性式標識体において、
上記非磁性体が弾性部材にて形成された磁性式標識体。
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