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JP3606198B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置に係り、特にプラズマエッチング処理に好適なプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン酸化膜(以下、単に「酸化膜」と称する)やシリコン窒化膜あるいは低誘電率材料からなる膜(いわゆるLow−k材)などの絶縁膜(以後、これらを総称して「絶縁膜」と称する)のエッチング装置やエッチング方法に関する従来の技術は、特開昭52−114444号公報に記載のように、主なエッチングガスとしてフレオンガスを用いたスパッタエッチングを基本としている。なお、エッチングガスはアルゴンで希釈したフッ素,炭素,水素,酸素などから構成されるガス種を使用するのが一般的であり、これらのエッチングガス種を最適な組成とするエッチング方法が種々提案されている。
【0003】
酸化膜のエッチングはシリコンがフッ素と反応してフッ化シリコンが形成されて進行するが、酸化膜の下地であるポリシリコンや窒化シリコンとの選択エッチングを必要とする。したがって、酸化膜エッチングは進行するが下地材料のエッチングは停止されなければならない。解決方法の一つは、CF系ラジカルとイオンでエッチングする方法である。酸化膜表面ではCF系ラジカル中のフッ素Fはシリコンと反応して気化する。また、CF系ラジカルの炭素Cは酸化膜中の酸素と反応して除去される。一方、ポリシリコンや窒化シリコン膜の表面では、CF系ラジカル中のフッ素Fとシリコンは反応して気化するが、これらの膜中に炭素Cと反応して気化する元素が含まれないため、炭素Cは表面にデポ膜として残留する。このデポ膜によりエッチングが抑制され、酸化膜と下地材との選択エッチングが可能となる。
【0004】
酸化膜エッチングでは、このようなエッチングメカニズムを利用しているため、CF系ラジカル,Fラジカル,イオンの制御が重要である。一般には、プラズマ中のFラジカルが過剰になるため、Fラジカルを強制的に消費して(スカベンジ)制御する方法が提案されている。例えば,特許第2519383号公報に記載されているように、シリコン窒化膜の上に形成された酸化膜のプラズマエッチングにおいて、Fラジカルをスカベンジするために処理室内にシリコン材料を設置する方法がある。その他、特開昭63−9120号公報には、レジストをエッチングするラジカルのためのスカベンジ材料をウエハステージに設置することが開示されている。また、特開平5−234696号公報では、ウエハ外周にスカベンジ材であるシリコン窒化物を設置してバイアス印加する方法を開示している。バイアス印加に関しては、特開平5−335283号公報に示されているように、ウエハ周辺に導体(ウエハより低抵抗、例えば、SiC,カーボン)を設置し、バイアスの均一化を図るものが知られている。このように、電極などにFラジカルをスカベンジする材料を設置することが広く知られているが、電極周辺に設置したスカベンジ材や導体部材へのバイアスの印加方法については、単にバイアス印加の開示があるのみである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、ウエハ載置面の外周部に設置した導体やスカベンジ材へのバイアス印加に伴う消耗や異物発生に関して、特に考慮されていなかった。
【0006】
すなわち、電極に導体部材やスカベンジ部材を設置してバイアスを印加すると、これらの部材にイオンが入射することになる。しかし、入射イオンはこれら部材の上表面にのみ入射するわけではなく、四方八方から入射する。すなわち、試料台表面と垂直方向のみばかりではなく、条件が整えば、試料台面内方向(処理室壁面方向)からもイオンが入射する。したがって、これら部材へのイオン入射を制限するためには絶縁物から成るカバーを設けることが考えられる。しかし、通常カバー表面にも高周波バイアスが印加され、イオン照射によりカバーが消耗するし、スパッタによるデポ物が他の箇所に付着して異物が発生するなども起こり得る。したがって、これらを考慮しウエハ載置面外周部に設置した部材の消耗を抑制して寿命を延ばすとともに、異物発生を抑制した電極周辺部の構造としなければならない。
【0007】
本発明の目的は、ウエハを支持する試料台へのイオン入射量を抑制し、試料台がスパッタされて消耗することを防止すると共に、スパッタされてプラズマ処理装置内壁に付着した皮膜が異物発生源になることを防止して、プラズマ処理装置の部品寿命向上および稼働率向上を図ることのできるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、処理室内に設けられた電極に試料を静電吸着保持し、処理室内へのプラズマの生成とは独立に試料に高周波バイアスを印加して試料を処理するプラズマ処理装置において、電極に設けた静電吸着用の誘電体膜上で試料の外周部に円環状のプラズマ成分調整機能を有する円環状部材を位置させ、電極上に円環状部材を静電吸着保持可能に配置すると共に、円環状部材の外周端面に高周波抵抗部材を配置することにより、達成される。
【0009】
また、上記目的は、真空処理室と、真空処理室内で処理される試料を載置するための試料台と、真空処理室内にプラズマ生成用のガスを供給するガス供給手段と、真空処理室内に供給されたガスをプラズマ化するプラズマ生成手段と、プラズマ生成手段とは独立に試料に高周波バイアスを印加するバイアス印加手段とを有するプラズマ処理装置において、試料台は試料を支持する略平坦な面とその周囲の外周面とから構成され、外周面には試料台をプラズマ損傷から保護するための絶縁物で成る保護部材と、導体とから成る円環状部材とを設置し、試料に高周波バイアスが印加された際に円環状部材にも高周波バイアスが印加されるように高周波回路を形成し、さらに円環状部材の最外周部側面に絶縁材料で成る高周波抵抗部材を設置することにより、達成される。
【0010】
すなわち、試料台外周部に交換可能で導体からなるシリコンなどの円環状部材(スカベンジ部材)が設置してあり、試料(ウエハ)にバイアスを印加すると同時に円環状部材にもバイアスが印加される。さらに、円環状部材の外周部に石英などの絶縁材からなる高周波抵抗部材(サセプタ)を設置する。この高周波抵抗部材は、円環状部材の外周側面を覆うような配置あるいは構造を有し、円環状部材とプラズマ処理室内壁間の高周波インピーダンスが大きくなるように設置される。
【0011】
さらに、高周波抵抗部材の下方には、電極が上下運動しても、電極内部に反応性生物やプラズマが回りこまないようにカバー(電極カバー)を設ける。すなわち、円筒状のカバーで直径の異なる複数のカバーを重ね合わせて設置し、電極が上下しても、それらがオーバーラップしてカバー機能が損なわれないようにする。カバーの端面は、石英などからなる高周波抵抗部材の内側に入り込むようにし、プラズマに直接曝されないようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1および図2により説明する。図1は本発明を適用したプラズマエッチング装置の構成を示す図であり、電子サイクロトロン共鳴を応用したプラズマ処理装置である。
【0013】
真空容器であるエッチング室1の周囲に電子サイクロトロン共鳴(ECR)用磁場を発生するためのコイル2が設置されている。エッチング室1は真空室15の上部開口部に設けられ、真空室15の下部に取り付けられたウエハ載置電極が真空室内に位置する。エッチング室1上部にはウエハ載置電極に対向してガス供給板4が設けられている。エッチング用ガスは、ガス供給管3を通して供給され、直径が0.4ないし0.5mm程度の微細な穴が数100個程度設けられたシリコンや炭化シリコンあるいはガラス状炭素からなるガス供給板4からエッチング室1に導入される。
【0014】
ガス供給板4の上方にはUHF帯のマイクロ波を放射する円板状のアンテナ5が設けられている。マイクロ波は電源6からマッチング回路7,導入軸8を介してアンテナ5へ給電され、さらにアンテナ5の上方の空間での共振電界が誘電体9を通ってエッチング室1に導入される。マイクロ波の周波数は、プラズマの電子温度を0.25eV から1eV程度の低温度にできる帯域に選定し、300MHzから1GHzの範囲で、この場合、450MHzである。
【0015】
また、誘電体9は石英を使用したが、石英の他にアルミナや窒化アルミなどのセラミックスやポリイミドなどの耐熱性ポリマーで誘電損失の小さいものが使用できる。なお、アンテナ5は、図示を省略した冷媒供給システムおよび冷媒流路によって、温度調節された冷媒を供給することにより、温度調節される。
【0016】
ガス供給板4の下方にはウエハ載置電極10が設けられ、ウエハ11が静電吸着により支持される。12は静電吸着のために直流高電圧を印加する電源である。また、プラズマ中のイオンをウエハ11に引き込むため、高周波電源13からウエハ載置電極10に高周波バイアスが印加される。
【0017】
なお、ウエハ載置電極10は、ウエハ受け渡し操作や電極間距離(ガス供給板4とウエハ載置電極10の間の距離)を設定するための上下機構(図示省略)を有する。また、ウエハ載置電極10は温度調節のための冷媒温度調節器(図示省略)および冷媒を流す流路(図示省略)が設けられている。
【0018】
また、エッチング室内壁14は、温度制御された冷媒を内壁14に導入することで一定の温度、この場合、30℃に温度調節されている。
【0019】
エッチング室1につながる真空室15には、排気速度が2000から3000L/s程度のターボ分子ポンプ16が設置されている。また、ターボ分子ポンプ16の開口部には排気速度調整用の圧力調整バルブ17が設置され、エッチングに適した流量と圧力を達成するために排気速度が調節される。さらに、大気開放時などにターボ分子ポンプを運転したまま隔離するためのストップバルブ18やエッチング室1の圧力測定および圧力制御用の真空計19も設けられている。
【0020】
次に、プラズマエッチング装置のウエハ載置電極部の詳細を図2に示す。ウエハ載置電極10は、電極ベース101、電極絶縁板102、電極アース板103の積層構造となっている。電極ベース101には、図示を省略した冷媒循環流路が設けられており、温度調節されている。また、静電吸着のための高電圧や高周波バイアスが電源12や高周波電源13から印加される。さらに、電極ベース
101のウエハ載置面101aには、静電吸着用の絶縁膜104が形成されている。絶縁膜104は、ウエハ載置面101aの外周部にも形成され電極の保護部材としても働き、リング105とサセプタ106が設置される。
【0021】
円環状部材であるリング105は、サセプタ106の上に配置されるとともに、電極ベース101の外周面101bにおいて静電吸着により固定される。これにより、処理時のリング105はしっかり固定されると共に、組立時のリング
105の固定が不要になって、装置構成を簡素化できる。サセプタ106の内側には絶縁環107が設置され、さらに絶縁環107とサセプタ106の間に挟まるようにして電極カバー108が設置される。本実施例では、電極カバー108の端面は、サセプタ106の内側に入り込むようになっており、端面が直接プラズマに曝されることのない構造となっている。
【0022】
リング105は、プラズマ中の過剰フッ素をスカベンジする効果を付与するため、シリコンや窒化シリコンあるいはガラス状炭素からなり、この場合は、シリコンでなる。サセプタ106は、絶縁物材料であれば種々の材料が使用できるが、本実施例ではプラズマに曝されて消耗することと、プラズマ中にフッ素が含まれる場合はアルミナを用いるとフッ化アルミニウムが生成されて異物になる可能性があることを考慮し、サセプタ106は石英としてある。絶縁環107は絶縁材料とし、ここではアルミナとした。電極カバー108は、アルミニウム合金などの電気良導体から製作されており、電極アース板103に電気的に接続され、プラズマ損傷を防止するため、電極カバー表面に陽極酸化皮膜が形成されている。なお、プラズマ損傷を防止するための保護膜として、陽極酸化皮膜の他にポリイミドコーティングや溶射による酸化アルミナ皮膜形成なども有効である。
【0023】
次に、本実施例を用いたプラズマエッチングの例を示す。ウエハ11の表面にはシリコン酸化膜が形成されており、下地は窒化シリコンでマスクはフォトレジストである。エッチングガスとして、ArとC,Oの混合ガスを使用し、ガス流量はそれぞれ500,10,5mL/min である。圧力は2Paである。UHFマイクロ波電源6の出力を1kWとし、ウエハ11へのバイアス印加用高周波電源13の出力を600Wとした。
【0024】
はじめに、高真空に排気された状態のエッチング室1に、図示を省略した搬送室内の搬送アームによってウエハ11が搬入され、ウエハ載置電極10の上に受け渡される。搬送アームが後退してエッチング室1と搬送室間のバルブが閉じられた後、ウエハ載置電極10が上昇して、エッチングに適した位置で停止する。停止位置は、ウエハ11とガス供給板4との距離(電極間距離)を30mmから
120mmの間で設定可能であり、例えば、70mmである。
【0025】
次に、コイル2に通電し、UHFマイクロ波450MHzの共鳴磁場0.016T を、ガス供給板4とウエハ載置電極10の間に発生させる。マイクロ波電源6を動作させると、電子サイクロトロン共鳴により、ECR領域に強いプラズマが発生する。
【0026】
エッチング特性を均一化するため、ウエハ11への入射イオン密度を均一にする必要があるが、ECR位置を磁場コイル2で自由に調節することができるため、最適なイオン密度分布が得られる。本実施例では、ECR領域の形状をウエハ11側に凸の状態に調整し、ECR領域はガス供給板4から50mmの位置(ウエハ11から20mm)に形成させた。
【0027】
UHFマイクロ波によるプラズマが発生した後、静電吸着用直流電源12から高電圧がウエハ載置電極10に印加され、ウエハ11が静電吸着される。静電吸着されたウエハ11の裏面にヘリウムガスが導入され、冷媒により温度調節されたウエハ載置電極10のウエハ載置面101aとウエハ間でヘリウムガスを介してウエハの温度調節が行われる。この場合、ウエハ載置電極10の冷媒温度は、50℃に設定される。
【0028】
次に、高周波電源13を動作させ、ウエハ載置電極10に高周波バイアスを印加する。これにより、ウエハ11にプラズマ中からイオンが垂直に入射する。酸化膜エッチングでは高エネルギーイオン入射が不可欠であり、この場合、高周波バイアス電圧Vpp(最大ピークと最小ピーク間の電圧)は1400Vに設定されている。
【0029】
バイアス電圧がウエハ11に印加されると同時にエッチングが開始される。酸化膜をエッチングし、かつオーバーエッチングを適宜追加した後、高周波電源
13の電源を停止することで、エッチングが終了する。この場合、所定のエッチング時間で終了する場合と、あるいは、図示していないが、反応生成物のプラズマ発光強度変化をモニターしてエッチング終点を判定し、適切なオーバーエッチングを実施した後、エッチングを終了する場合と、の両者がある。
【0030】
次に、静電吸着したウエハ11をウエハ載置電極10から脱着する工程が必要である。除電ガスとしてアルゴンや実際にエッチングに使用するガス種などが使用される。静電吸着電圧の供給を停止して給電ラインをアースに接続した後、マイクロ波の放電を維持しながら10秒間程度の除電時間を設ける。これにより、ウエハ11上の電荷がプラズマを介してアースに放出され、静電吸着力が消失する。この状態になってウエハ11が脱着できる。除電工程が終了すると、除電ガスを供給停止するとともにマイクロ波電源6も停止させる。さらに、コイル2への通電も停止する。次に、ウエハ載置電極10の高さを、ウエハ受け渡し位置まで下降させる。
【0031】
除電ガス供給を停止した後、エッチング室1は、圧力調整バルブ17を全開にして高真空排気される。高真空排気が完了した時点で、搬送室との間のバルブを開け、搬送アームを挿入してウエハ11を受け取り、搬出する。次のエッチングがある場合は、新しいウエハを搬入し、再び上述の手順に従ってエッチングが実施される。
【0032】
以上がエッチング工程の代表的な流れであり、この処理が繰り返し実施される。ウエハ処理枚数が増すにつれて、エッチング室1の内部(内壁など)やウエハ載置電極10に、デポ膜が形成される。また、バイアスが印加される箇所にはプラズマ中のイオンが入射するため、イオンアシストによってデポ膜形成が促進される。あるいは、デポ膜が形成されずに、その部材表面がスパッタされて消耗する場合もある。
【0033】
ウエハ載置電極10の中で、サセプタ106はプラズマ損傷を受けやすい部材である。また、電極カバーもプラズマ損傷を受ける場合がある。ただし、電極カバー108の全領域ではなく、上部端面が最もプラズマによりスパッタされやすい。これは、先端が突出している部分にはシースが集中しやすく、イオンも集中して入射するためである。したがって、電極カバー108のような電気的に導電体である部材は、シースが集中する端面をプラズマに曝さないようにすることが必要であり、本実施例に示したように電極カバー108上端部を絶縁材のサセプタ106で覆った構造が耐プラズマ対策として有効である。本実施例の場合、電極カバー108の端面が消耗しないので、寿命が延びるという効果とともに、電極カバー表面が損傷して異物になる現象が抑制されるという効果もある。
【0034】
また、酸化膜エッチングでは過剰フッ素をシリコン製のリング105でスカベンジしている。そのため、リング105には、ウエハ11と同様な高周波バイアスが印加される。したがって、リング105の表面にイオンが垂直入射するが、リング105の端面では、図1,図2の水平方向からもイオンが入射する。高周波バイアスは、石英やアルミナなどの絶縁物が部材とプラズマ間にあっても、絶縁物を通して作用する。従来の電極の場合、スカベンジの作用を生じさせる電極カバーの端面がプラズマに曝されるので、端面にも高周波バイアスが印加され、プラズマを介してバイアス回路を形成しやすい。
【0035】
一方、本実施例のリング105の端面は、サセプタ106でカバーされていて、直接プラズマに曝されない。したがって、リング105と内壁14の間のインピーダンスが大きくなっている。そのため、バイアス高周波回路はリング105とアンテナ5(ガス供給板4を含む)との間で形成される。その結果、ウエハ
11と同じレベルのバイアスがリング105にも印加され、ウエハ外周部でのバイアスの不均一化を防止することができる。さらに、リング105の端面が消耗されにくく、寿命も長い。また、サセプタ106には弱いバイアスが印加されるため、デポ膜が形成されることがなく、異物発生が抑制されるという効果もある。
【0036】
本発明の他の実施例を図3に示す。本図において、図2と同符号は同一部材を示し説明を省略する。本図が図2と異なる点は、サセプタ106a端面をリング105の端面と合わせ、リング105とサセプタ106a両者の端面にカバー109を設置した点である。また、リング105の内側裏面をバイアス調整リング110を介して電気的に接続している点である。
【0037】
カバー109はプラズマによりスパッタ損傷される可能性があるので、石英としてあり、カバー109を設けると以下の利点がある。サセプタ106が消耗して交換しなければならない場合、図2の実施例では、サセプタ106を交換しなければならないので、部品の価格が高い。サセプタ106のほとんどが消耗していなくても交換しなければならないが、カバー109を採用することで、消耗した部分のみを交換することができる。また、カバー109はサセプタ10に比較して低価格である。
【0038】
また、リング105へのバイアス印加を、電極ベース101から直接負荷するのではなく、バイアス調整リング110を介して印加している。バイアス調整リング110を金属導体で製作すれば、図2に示した直接バイアス印加と同じになる。しかし、アルミナなどの誘電体で製作すると、リング105への印加バイアスは直接バイアス印加より低減される。さらに、そのレベルは、バイアス調整リング110の誘電率と厚さに依存して変化する。すなわち、リング105へのバイアス印加量を調整できる。
【0039】
以上のように、リング105へのバイアス印加回路が内壁14との間に形成されると、内壁14のプラズマ損傷も発生しやすい。したがって、リング105へのバイアスはフッ素スカベンジを効果的に行うために必要であるが、内壁14とバイアス回路を形成しにくい構造としなければならない。本実施例のリング105とサセプタ106,106aの構造は、その主旨に沿うものであり、電極カバー108の端面の損傷を抑制することも異物低減の観点から重要である。
【0040】
なお、本実施例では、UHF−ECRプラズマエッチング装置を例として説明したが、他のプラズマ源でも何等問題はなく、UHF−ECRプラズマエッチング装置に限定されるものではない。したがって、ウエハ載置電極に高周波バイアスを印加する方式のプラズマ処理装置であれば、プラズマ発生方式に関係なく、本発明を適用することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ウエハ載置電極のサセプタ消耗および電極カバーの消耗を抑制することができ、寿命が延び、かつ異物発生が抑制できるという効果がある。また、高周波バイアスが印加されるリングと内壁との間のインピーダンスが大きくなるサセプタ構造としたため、内壁の損傷が抑制されるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプラズマエッチング装置の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の装置のウエハ載置電極部の詳細を示す部分縦断面図である。
【図3】図2のウエハ載置電極部の他の実施例を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1…エッチング室、2…コイル、3…ガス供給管、4…ガス供給板、5…アンテナ、6…電源、7…マッチング回路、8…導入軸、9…誘電体、10…ウエハ載置電極、11…ウエハ、12…電源、13…高周波電源、14…内壁、15…真空室、16…ポンプ、17…圧力調整バルブ、18…ストップバルブ、19…真空計、101…電極ベース、101a…ウエハ載置面、101b…外周面、
102…電極絶縁板、103…電極アース板、104…絶縁膜、105…リング、106,106a…サセプタ、107…絶縁環、108…電極カバー、109…カバー、110…バイアス調整リング。

Claims (2)

  1. 真空処理室と、前記真空処理室内で処理される試料を載置するための試料台と、前記真空処理室内にプラズマ生成用のガスを供給するガス供給手段と、前記真空処理室内に供給されたガスをプラズマ化するプラズマ生成手段と、前記プラズマ生成手段とは独立に前記試料に高周波バイアスを印加するバイアス印加手段と、前記試料台に前記試料を静電吸着させるための静電吸着電源とを有するプラズマ処理装置において、
    前記試料台の上面には静電吸着用の誘電体膜を形成し、前記試料台の試料載置面外周部には前記高周波バイアスが印加され、かつ、前記試料台に静電吸着されるように導体から成りプラズマの成分を調整するための円環状部材を配置し、前記円環状部材の外周部側面に絶縁材料で成る高周波抵抗部材を配置し、前記高周波抵抗部材と前記試料台側面との間に絶縁材で成る絶縁環を配置し、前記静電吸着用の誘電体膜と前記円環状部材との間には前記高周波バイアスを調整するための誘電体を設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、前記円環状部材は、シリコンあるいは炭化シリコンあるいはガラス状炭素のいずれかで成ることを特徴とするプラズマ処理装置。
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