JP3604947B2 - 動作補助装置およびドア開閉機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筐体の内部空間を解放したり外部から遮断するための開閉部材に適用されるものであって、特にいわゆる観音開き型の2枚のドア等、隣接する2枚の開閉部材の操作を補助するのに最適な動作補助装置およびドア開閉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋回式のドアや引き出し等のついた家電製品や家具などにおいて、ドアや引き出しの前面を筐体本体側にマグネットなどの吸着力を利用して保持させるものがある。このようなドアや引き出しの前面(以下、開閉部材という)は、閉めるときには、マグネットの吸引力により筐体本体側に吸引されるため、小さな力で確実に閉めることができ、また、閉まった状態では一定の閉じ力が保持される。したがって、多少の振動などがあっても自然にドアや引き出しが開いてしまうというような不都合も解消できることから多くの製品に適用されている。
【0003】
このような一定の閉じ力により閉じられている開閉部材は、通常では、それほど苦にならずに開けられるが、たとえば、両手に物を持っていて、指一本で開閉部材を開けようとするような場合、簡単には開かないこともある。このような場合は、手に持っている物を、一旦、どこかに置いて、あらためてドア等を開ける動作を行うのが普通であり、ユーザーにとっては面倒な操作となる。
【0004】
この種の開閉部材は、確実な閉じ状態を保持するという要素と、容易な開操作が可能という両方の要素を満たす必要があるが、確実な閉じ状態の保持という観点から考えると、或る程度の閉じ力を持たせる必要性は否めない。したがって、一定以上の閉じ力を持ちながら、容易に開けられるような開閉機構とすることが望まれる。
【0005】
そこで、このような面倒な操作を少しでも容易なものとするための装置として、本出願人は、特開平4−17548号公報記載のモータアクチュエーターを開発した(図11参照)。このモータアクチュエーターは、モータ301と、モータ301の駆動力を減速して伝達する減速機構302と、この減速機構302の最終段のピニオン303に歯合するラック304を有するロッド305と、ロッド305の位置を検出するための位置検出手段306と、を有している。このモータアクチュエーターは、ドア(図示省略)に設けたスイッチ機構にユーザーが触れると、モータ301が通電され、モータ301の駆動力によりロッド305を前方(図11において矢示N方向)へスライド移動させる。
【0006】
モータアクチュエーターは、この動作により、モータアクチュエーターの前方に配置されるドアの開動作を補助する(ドアを前面に押し出してマグネットの吸着によるロック状態を解除する等)ものとなっており、特に冷蔵庫本体のドア近接部位に取り付けると便利なものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、冷蔵庫は容量の大型化及び用途(冷蔵、冷凍、チルト等)の多様化に伴い、ドアの数や引き出しの数も多くなってきている。そのため、そのドア及び引き出し数に応じて上述の装置を取り付けるとなると、コストが増大すると共に、その取り付け場所の確保も困難であるという問題が生じる。さらに、電気的な配線も複雑となるという問題が生じる。
【0008】
本発明は、ドア数や引き出し数の多い冷蔵庫等の筐体に取り付ける場合に、その取り付け場所(箇所)を減少させ、かつ、それにより冷蔵庫全体及び装置ならびに取り付けにかかるコストを低減し、さらには電気的な配線も容易なものとする動作補助装置およびドア開閉機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明の動作補助装置は、モータの駆動力に応じて回転可能な伝達歯車と、この伝達歯車の回転方向に対応して交互に前進し第1及び第2の開閉部材にそれぞれ直接または間接的に当接可能な第1及び第2の突き出し部材と、を有し、伝達歯車を第1の方向に回転させることにより第1の突き出し部材を前進させて、第1の開閉部材の動作を補助すると共に、伝達歯車を第1の方向とは逆方向となる第2の方向に回転させることにより第2の突き出し部材を前進させて、第2の開閉部材の動作を補助するようにしている。
【0010】
また、他の発明は、上述の発明の動作補助装置において、第1及び第2の突き出し部材は、伝達歯車を挟んで対向する位置にそれぞれ伝達歯車に係合するように配置され、伝達歯車の第1の方向への回転により第1の突き出し部材の前進動作及び第2の突き出し部材の後退動作が同時に行われ、伝達歯車の第2の方向への回転により第2の突き出し部材の前進動作及び第1の突き出し部材の後退動作が同時に行われるようになっている。
【0011】
また、他の発明は、上述の発明の動作補助装置において、第1の突き出し部材を前方終端まで前進させ第2の突き出し部材を後方終端まで後退させた第1の状態と、第2の突き出し部材を前方終端まで前進させ第1の突き出し部材を後方終端まで後退させた第2の状態と、第1及び2の突き出し部材を共に前進及び後退させない第3の状態とを検出可能な検出手段を備えている。
【0012】
また、他の発明は、上述の発明の動作補助装置において、検出手段を、伝達歯車の軸方向側面で同一円周上に配置した3つのマグネットと、これら3つのマグネットに対向可能な固定位置に配置された2つのホールICとで構成している。
【0013】
また、他の発明は、上述の各発明の動作補助装置において、モータを双方向回転可能なモータとすると共に、第1及び第2の突き出し部材の後退動作を規制する動作規制部を設けている。
【0014】
また、他の発明のドア開閉機構は、双方向回転可能なモータと、このモータの駆動力に応じて回転可能な伝達歯車と、この伝達歯車の回転に伴いその回転方向に交互に前進する2つの突き出し部材と、を有する動作補助装置を、一定の閉じ力で閉じられている2つの開閉部材を有する筐体のフレームに対して、伝達歯車を第1の方向に回転させることにより2つの突き出し部材のうちの一方を前進させて、開閉部材のうちの一つを前方へ突き出し可能とすると共に、伝達歯車を第1の方向とは逆方向となる第2の方向に回転させることにより2つの突き出し部材のうちの他方を前進させて、隣接する開閉部材を前方へ突き出し可能となるように取り付けている。
【0015】
本発明の動作補助装置は、モータ、例えば双方向回転可能なモータの駆動力を利用して伝達歯車を双方向に回転させ、その回転方向に伴い第1及び第2の突き出し部材を交互に前進させて2つの開閉部材の動作補助を行うようになっている。したがって、筐体のフレーム等、2つの開閉部材の間の部分に本装置を取り付けることにより、2つの開閉部材を1つの装置により動作補助することが可能となる。
【0016】
また、第1及び第2の突き出し部材を、伝達歯車を挟んで対向する位置に配置することにより、コンパクトな構成で、第1および第2の突き出し部材を交互に前進させることが可能となる。さらに、いずれか一方の突き出し部材を前方終端まで前進させ他方を後方終端まで後退させた2つの状態と、両突き出し部材を共に前進及び後退させない(原点位置)状態との3つの状態を検出手段で検出できるようにすると、突き出し部材をそれぞれ正確な位置で停止させる制御をすることが可能となる。
【0017】
またさらに、検出手段を、伝達歯車の同一円周上に配置した3つのマグネットと、これら3つのマグネットに対向配置される2つのホールICとで構成すると、少ない部品点数で上述の検出をすることが可能となる。また、第1及び第2の突き出し部材の後退動作の規制をする動作規制部を設けると、万が一、位置検出の不良もしくは他の何らかの原因等でモータが暴走したとしても、突き出し部材の後退による内部機構の破壊を防止することが可能となる。
【0018】
また、上述のドア開閉機構は、双方向回転可能なモータの駆動力を利用して伝達歯車を双方向に回転させ、その回転方向に伴い第1及び第2の突き出し部材を交互に前進させて2つの開閉部材の動作補助をする動作補助装置を、筐体のフレームに対して設置し、伝達歯車の双方向への回転に応じて、2つの開閉部材を交互に押し出す構成となっているため、フレームという狭い部位に1つの装置を取り付けるのみで隣接する2つの開閉部材の動作補助が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の動作補助装置及びドア開閉機構の第1の実施の形態の例を図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態では、単に、観音開き型の2枚ドアを有する収納ケースに取り付けた場合を例にとって説明するが、引き出しが上下に隣接している形状の筐体に取り付けるようにしてもよいし、また、2枚ドアでなく、1枚ドアのものに取り付けるようにしてもよい。なお、本装置は、特に、近年において全体的に大型化され、ドアの重量が重く、しかもマグネットの吸着力によって本体側に保持されている冷蔵庫のドア部分に取り付けると効果が高いものとなる。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態における動作補助装置1の内部構成を平面的に示す図である。この動作補助装置1の構成は大きく分けると、ケース2と、双方回転可能なDCモータ3と、このDCモータ3の駆動力に応じて回転可能な伝達歯車4を含む歯車輪列5と、伝達歯車4の回転に伴いその回転方向に交互に前進する第1及び第2の突き出し部材6a,6bとを備えた構成となっている。これら各構成要素についての詳細については後に説明する。
【0021】
このような構成の動作補助装置1は、2つの開閉部材を有する筐体のフレームに取り付け、これら2つの開閉部材(ドア)を開放するためのものとなっている。たとえば、動作補助装置1は、図2に示すように、いわゆる観音開きの2枚のドア51,52が同一平面上に並んで設けられた収納ケース60のフレーム61において、それぞれのドア51,52の開操作を容易にするように取り付けられる。
【0022】
この筐体となっている収納ケース60は、開閉部材となるドア51,52を閉じる際に、小さい力で確実に閉められるようにするためと、その閉じ状態を確実に保持するために、マグネット53,54が本体側に設けられ、ドア51あるいはドア52を閉じたときに、ドア51,52側に設けられた鉄片(図示せず)を吸着するようになっている。
【0023】
そして、閉じられているドア51または52のいずれかを開ける場合は、取っ手51aまたは52aを掴んで開けるが、このとき、ユーザーの手が取っ手の所定位置に触れたと同時に、取っ手51a,52aに設けられたセンサー(図示せず)が働いて、動作補助装置1の第1及び第2の突き出し部材6a,6bが突き出し動作を行い、開けようとするドアがわずかに開くようになっている。たとえば、ユーザーがドア51の取っ手51aの所定部位に触れると、動作補助装置1の第1の突き出し部材6aが突き出し動作を行い、その突き出し動作により、ドア51がマグネット53の吸着力から解放されて、ドア51がわずかに開かれる。すなわち、これによって、ドア51の全動作範囲のうちの所定範囲の動作が補助される。
【0024】
また、ユーザーがドア52の取っ手52aの所定部位に触れると、動作補助装置1の第2の突き出し部材6bが突き出し動作を行い、その突き出し動作により、ドア52がマグネット54の吸着力から解放されて、ドア52がわずかに開かれる。すなわち、これによって、ドア52の全動作範囲のうちの所定範囲の動作が補助される。
【0025】
このように、本実施の形態の動作補助装置1は、図1に示す双方向回転可能なDCモータ3の駆動力を利用して伝達歯車4を双方向に回転させ、その回転方向に伴い第1及び第2の突き出し部材6a,6bを交互に前進させて2つの開閉部材(ドア51,52)の動作補助をする構成となっているので、収納ケース60のフレーム61という狭い部位に本装置を1つ取り付けるだけで、2つのドア51,52を動作させることができる。そのため、取り付け等のコストを低く抑えることができると共に電気的な配線も容易なものとすることが可能となる。
【0026】
以下にこのような動作を実現するための動作補助装置1の構造について、先に概略を説明した図1、さらにはその展開図である図3を参照しながら詳細に説明する。なお、図1は図面が繁雑となるのを防ぐため、一部の符号は省略されている。
【0027】
動作補助装置1は、下ケース2bを覆うように上ケース2aを被せてネジ止め固定することにより構成したケース2内に、DCモータ3と、伝達歯車4を含む歯車輪列5と、伝達歯車4を挟んで対向する位置にそれぞれ伝達歯車4に係合するように配置された第1及び第2の突き出し部材6a,6bと、本装置の駆動回路(図4参照)の一部となる回路基板7と、が備えられている。
【0028】
DCモータ3は、第1及び第2の突き出し部材6a,6bを交互に前進させるための駆動源となっており、双方向回転可能なものとなっている。このDCモータ3は、第1及び第2の突き出し部材6a,6bに対して約45°の角度を有するように、ケース2内に斜めに載置されており、下ケース2bに立設されたモータ保持壁8内に横置きに収納されている。このため、本実施の形態の動作補助装置1は、突き出し部材6a,6bのスライド方向に省スペースな構成となっている。
【0029】
モータ保持壁8は、DCモータ3の周囲の三方を囲むように形成されており、残りの一方をケース2の周壁の角の部分の内壁を利用することにより、DCモータ3の周囲を囲んでいる。なお、モータ保持壁8は、上ケース2aに対向する側が完全に開放された状態となっていると共に、上述した三方の面のうちの一方の面に切欠き8aが形成されている。
【0030】
そして、DCモータ3は、上述したモータ保持壁8の開放された側からモータ保持壁8内部へ落とし込まれるようにしてモータ保持壁8内に収納され、この状態で下ケース2bに上ケース2aを被せることによりケース2内で保持される。その際、切欠き8a内に、モータ出力軸9と、このモータ出力軸9と同方向に突出するボルト10とが嵌まり込むようになっており、DCモータ3が位置決めされるようになっている。なお、モータ出力軸9の先端部分は、切欠き8aからケース2の内部空間に突出している。
【0031】
このように切欠き8aから突出したモータ出力軸9の先端には、連結板11を介してウォーム12が嵌合固定されている。そして、このウォーム12の先端は、下ケース2bに立設された軸受け部13の凹部13a内に回転可能に遊嵌している。この凹部13aは、ウォーム12のスラスト受けとなっている。このため、モータ出力軸9とウォーム12とは、軸受け部13の凹部13aに支承されながら一体的に回転するようになっている。なお、ウォーム12は、歯車輪列5の一部となっており、モータ出力軸9とウォーム12とが一体的に回転することによりDCモータ3の駆動力が歯車輪列5に伝達されるようになっている。
【0032】
上述したようにモータ保持壁8内に保持されたDCモータ3は、リード線14a,14bにより回路基板7に接続されており、回路基板7上の回路パターン及びこの回路パターンに接続されたリード線を介して、電源及び制御手段を兼ねた外部の制御装置16と接続されている(図4参照)。このため、DCモータ3は、外部の制御装置16によって駆動制御されるようになっている。
【0033】
なお、一端がDCモータ3に接続されたリード線14a,14bの他端は、モータ保持壁8に連続する第1ガイド壁18aと、下ケース2bに立設された第2ガイド壁18bとの間に引き回され、ウォーム12の下側を通って回路基板7側へ引き出されている。なお、ウォーム12から回路基板7への経路の部分には、リード線14a,14bが伝達歯車4に巻き込まれるのを防止する防御壁18cが、下ケース2bに設けられている。リード線14a,14bは、この防御壁18cと上ケース2aから垂下される壁部18dとの間を通過するようになっている。
【0034】
このように構成されたDCモータ3の回転駆動力は、歯車輪列5を介して第1及び第2の突き出し部材6a,6bに同時に伝達される。歯車輪列5は、ウォーム12と、ウォーム12に係合するフリクション歯車部19と、このフリクション歯車部19に係合する中間歯車部20と、中間歯車部20に係合する伝達歯車4とから構成されている。そして、ウォーム12がモータ出力軸9と一体的に回転すると、その回転力が、フリクション歯車部19及び中間歯車部20を経由して伝達歯車4へ伝達されるようになっている。なお、フリクション歯車部19及び中間歯車部20の詳細な構成については後述する。
【0035】
第1及び第2の突き出し部材6a,6bは、伝達歯車4を挟んで対向する位置にそれぞれ配置されており、伝達歯車4と係合するラック歯部21a,21bをそれぞれ有している。これらの第1及び第2の突き出し部材6a,6bは、図1で実線で示したように、ケース2から共に先端が15mm突出した状態が原点位置となっている。そして、この原点位置に保持された状態から、伝達歯車4が回転すると、その回転方向に伴い、第1及び第2の突き出し部材6a,6bの一方は矢示C方向に前進し、同時に他方は矢示D方向に後退するようになっている。
【0036】
なお、これらの第1及び第2の突き出し部材6a,6bは、後述する動作規制部26a,26bにより、DCモータ3が万が一、暴走した際の後退動作が規制されるようになっている。そして、動作規制によって起こる伝達歯車4のロックにより、突き出し部材6a,6bの他方の前進動作も規制されることとなる。
【0037】
上述した第1の突き出し部材6aは、伝達歯車4が第1の方向(図1において矢示A方向)に回転すると、この回転を受けて原点位置から矢示C方向に前進する。一方、同時に、第2の突き出し部材6bは、原点位置から矢示D方向に後退する。なお、本実施の形態では、両突き出し部材6a,6bの原点位置からの前進/後退距離を、20mmとしているが、この距離(ストローク)は、この動作補助装置1が取り付けられる機器に応じて最適なものに適宜変更可能である。
【0038】
上述した動作により、第1の突き出し部材6aが、ドア51に当接してドア51を前方へ突き出し、ドア51の全動作範囲のうちの所定範囲の動作を補助する。この動作は、ドア51をマグネット53の保持力から開放するためのものとなっている。そのため、ユーザーは、ドア51をマグネット53の抵抗のない状態で開放できる。なお、本実施の形態では、第1の突き出し部材6aをドア51へ直接当接させて、ドア51を前方へ突き出すようにしているが、別の部材を介して間接的にドア51に当接するようにしても良い。
【0039】
なお、上述したように第1の突き出し部材6aの前進動作で、ドア51の開動作を補助した際、第2の突き出し部材6bは矢示D方向に後退する。本実施の形態では、後述するように第1の突き出し部材6aが前方終端(原点位置より前方へ20mm前進した位置)まで、第2の突き出し部材6bが後方終端(原点位置より後方へ20mm後退した位置)まで移動すると、これらの移動を検知し、DCモータ3の駆動を停止させる。そして、その直後にDCモータ3を逆回転させる。これにより、第1及び第2の突き出し部材6a,6bを原点位置へ復帰させる。
【0040】
一方、DCモータ3の回転に応じて、伝達歯車4が第2の方向(図1において矢示B方向)に回転すると、この回転を受けて第2の突き出し部材6bが原点位置から矢示C方向に前進する。一方、第1の突き出し部材6aは、原点位置から矢示D方向に後退する。
【0041】
上述した動作により、第2の突き出し部材6bが、ドア52に当接してドア52を前方へ突き出し、第1の突き出し部材6aがドア51の動作補助をするのと同様、ドア52の全動作範囲のうちの所定範囲の動作を補助する。
【0042】
また、動作補助装置1は、第1及び第2の突き出し部材6a,6bの各状態、を検出するための検出手段22を有している。なお、各状態とは、第1の突き出し部材6aが前方終端まで前進し第2の突き出し部材6bが後方終端まで後退した第1の状態と、第2の突き出し部材6bが前方終端まで前進し第1の突き出し部材6aが後方終端まで後退した第2の状態と、第1及び第2の突き出し部材6a,6bが揃って原点位置にある第3の状態とをいう。
【0043】
第1及び第2の突き出し部材6a,6bの3つの状態を検出する検出手段22は、伝達歯車4の軸方向側面で同一円周上に配置された3つのマグネット23a,23b,23cと、これらの3つのマグネット23a,23b,23cのうちの2つに対向することが可能なように回路基板7上に配置された2つのホールIC24a,24bと、ホールIC24a,24bを設置固定した回路基板7と、から構成されている。
【0044】
回路基板7は、伝達歯車4と上ケース2aとの間の空間に支えられている。この構成により、回路基板7上の両ホールIC24a,24bが、伝達歯車4に備えられたマグネット23a,23b,23cに対向配置されている。
【0045】
ホールIC24a,24bは、図4に示すように、回路基板7上の回路パターン及びこの回路パターンに半田付け固定されたリード線により外部の制御装置16内に電気的に接続されている。すなわち、ホールIC24aは、制御装置16の電源Vccと、接地GND(グランド)と、第1センサー出力部16aに接続されている。一方、ホールIC24bは、ホールIC24aと回路パターン及びリード線を共通使用することにより制御装置16の電源Vccと、接地GND(グランド)と、接続されると共に、制御装置16内の第2センサー出力部16bに接続されている。なお、図4に示すように、制御装置16は、DCモータ3への電力供給も兼ねており、ホールIC24a,24bから送られてきた信号に基づいてDCモータ3の回転制御を行うようになっている。
【0046】
ホールIC24a,24bは、上述した各マグネット23a,23b,23cからの磁気信号を検出し、その検出信号を制御装置16へ出力するようになっている。なお、各ホールIC24a,24bからの出力は、各マグネット23a,23b,23cと対向することにより磁気信号を検出した場合にはローレベル(”L”)で出力され、各マグネット23a,23b,23cと対向しておらず磁気信号を検出していない場合にはハイレベル(”H”)で出力される。制御装置16は、各ホールIC24a,24bからの出力が、ローレベル(”L”)なのかハイレベル(”H”)を検出することにより、上述した第1及び第2の突き出し部材6a,6bの3つの状態を認識し、この情報を基にDCモータ3を制御駆動する。なお、この実施の形態では、アクティブロー方式で構成されているが、ハイローが逆となるアクティブハイ方式としてもよい。
【0047】
一方、3つのマグネット23a,23b,23cは、図1及び図5に示すように、伝達歯車4の同一円周上に等間隔に配置されている。これら3つのマグネット23a,23b,23cは、第1及び第2突き出し部材6a,6bが、上述した3つの状態にある場合に、1つもしくは2つがホールIC24a,24bのいずれか一方もしくは双方に対向するように配置されている。すなわち、両突き出し部材6a,6bが原点位置にある場合、マグネット23aがホールIC24aと対向し、マグネット23cがホールIC24bと対向する。このため、原点位置となった状態(第3の状態)では、両ホールIC24a,24bからの出力が共にローレベル(”L”)となる。なお、このとき、マグネット23aと23cの間に配置されたマグネット23bは、どちらのホールIC24a,24bにも対向していない。
【0048】
そして、この第3の状態から伝達歯車4が矢示A方向(第1の方向)に回転すると、第1の突き出し部材6aが矢示C方向へ前進し、第2の突き出し部材6bが矢示D方向へ後退する。このとき、マグネット23a,23cは、それぞれホールIC24a,24cから矢示E方向に離れ、マグネット23bがホールIC24bへ近づく。そして、第1突き出し部材6aが前方終端まで移動すると共に、第2の突き出し部材6bが後方終端まで移動すると、マグネット23bがホールIC24bに対向することとなり、上述した第1の状態となる。この第1の状態では、ホールIC24aからの出力はハイレベル(”H”)で、ホールIC24bからの出力はローレベル(”L”)となる。すなわち、ホールIC24aには、マグネットが1つも対向していない状態で、かつホールIC24bには、マグネット23bが対向した状態となっている。
【0049】
なお、上述したように本実施の形態の動作補助装置1は、この第1の状態となると、DCモータ3を逆回転させて第1及び第2の突き出し部材6a,6bを原点位置、すなわち第3の状態に戻す。すると、ホールIC24aにマグネット23aが対向し、かつホールIC24bにマグネット23cが対向した状態となる。このときの各ホールIC24a,24bからの出力は、共にローレベル(”L”)となる。制御装置16は、この検出結果を受けてDCモータ3を停止させ、これによって第1及び第2の突き出し部材6a,6bは、原点位置で保持される。
【0050】
このように原点位置に戻した後、さらにDCモータ3の駆動力により伝達歯車4が矢示B方向(第2の方向)に回転させると、第2の突き出し部材6bが矢示C方向へ前進し、第1の突き出し部材6aが矢示D方向に後退する。すると、マグネット23a,23cは、それぞれホールIC24a,24bから矢示F方向に離れる。このとき、マグネット23bがホールIC24aへ近づく。そして、第2突き出し部材6aが前方終端まで移動すると共に、第1の突き出し部材6aが後方終端まで移動すると、マグネット23bがホールIC24aに対向することとなり、上述した第2の状態となる。この第2の状態では、ホールIC24aからの出力はローレベル(”L”)で、ホールIC24bからの出力はハイレベル(”H”)となる。すなわち、ホールIC24aには、マグネット23bが対向した状態で、かつホールIC24bには、マグネットが対向していない状態となっている。これによって、制御装置16は、DCモータ3を停止させる。その後、制御装置16は、DCモータ3を逆転させて両突き出し部材6a,6bを原点位置に戻す。
【0051】
なお、制御装置16は、上述したような検出信号を受け、その信号に基づいてDCモータ3の駆動制御を行うようになっている。イニシャライズ(原点出し=第1及び第2の突き出し部材6a,6bを第3の状態とすること)をする場合は、まず最初の通電時に両ホールIC24a,24bからの出力を受け、この出力パターンによりDCモータ3の回転制御を行う。
【0052】
第1及び第2の突き出し部材6a,6bの状態が、上述した第1、第2及び第3の状態時のパターンで判別できる場合は、その状態に合わせてDCモータ3の駆動を行うようにすればよい。すなわち、第1の状態である場合は、DCモータ3の駆動により伝達歯車4を矢示B方向に回転させるようにして、第1の突き出し部材6aを後退させ、第2の突き出し部材6bを前進させる。そして、第1及び第2の突き出し部材6a,6bが原点位置まで駆動され、ホールIC24a,24bからの出力が、共にローレベル(”L”)になったときに、DCモータ3の駆動を停止する。このようにすると、イニシャライズができることとなる。
【0053】
一方、第2の状態である場合は、DCモータ3の駆動により伝達歯車4を矢示A方向に回転させるようにして、第1の突き出し部材6aを前進させ、第2の突き出し部材6bを後退させる。そして、第1及び第2の突き出し部材6a,6bが原点位置まで駆動され、ホールIC24a,24bからの出力が、共にローレベル(”L”)になったときに、DCモータ3の駆動を停止する。このようにすると、イニシャライズができることとなる。なお、最初の通電時に、原点出しができている場合は、DCモータ3の駆動は必要ない。
【0054】
なお、ホールIC24a,24bからの出力が、共にハイレベル(”H”)の場合は、上述した第1、第2及び第3の状態のいずれもに当てはまらない状態となっている。すなわち、どちらか一方の突き出し部材6a,6bが,若干前方へ突出していると共に、他方が若干後退している状態となっている。この場合は、例えば、DCモータ3の駆動により伝達歯車4を矢示A方向に回転させるようにして、第1の突き出し部材6aを前進させ、第2の突き出し部材6bを後退させる。このとき、ホールIC24bの出力がローレベル(”L”)となるまで動作させる。
【0055】
そして、ホールIC24bの出力のみがローレベル(”L”)となった場合は、この時点で第1及び第2の突き出し部材6a,6bが,第1の状態となっているので、制御装置16は、DCモータ3を逆回転させて伝達歯車4を矢示B方向へ駆動し、第1の突き出し部材6aを後退させ、第2の突き出し部材6bを前進させる。そして、第1及び第2の突き出し部材6a,6bが原点位置まで駆動され、ホールIC24a,24bからの出力が、共にローレベル(”L”)になったときに、DCモータ3の駆動を停止する。このようにすると、イニシャライズができることとなる。
【0056】
なお、第1、第2及び第3の状態のいずれもに当てはまらない状態時に、DCモータ3の駆動により伝達歯車4を矢示A方向に回転させた際、ホールIC24a,24bの出力が共にローレベル(”L”)となる場合もある。その場合は、その時点でイニシャライズができているので、制御装置16はDCモータ3を停止させる。なお、本実施の形態では、上述したようなイニシャライズの方法を用いたが、他の方法でイニシャライズを行うようにしてもよい。
【0057】
上述したように構成されたDCモータ3の駆動力は、歯車輪列5を介して第1及び第2の突き出し部材6a,6bに減速されて伝わるようになっている。歯車輪列5中のフリクション歯車部19は、第1及び第2の突き出し部材6a,6bの動作中にその突き出し部材6a,6bに対してケース2内に押し込む方向、あるいはケース2から引き出される方向に無理な力が働いた場合、その力を逃がす働きをするための構成を有している。すなわち、フリクション歯車部19は、回転軸32と、ウォーム12と係合する受け歯車19aと、中間歯車部20の受け歯部20aと係合すると共に回転軸32と一体回転可能とされる送り歯車19bと、受け歯車19aと一体回転可能に配置されると共に回転軸32に対し摩擦係合しているフリクション部材19cと、回転軸32に取り付けられ送り歯車19bの軸方向移動を規制する止め部材19dとから構成される。
【0058】
受け歯車19aは、送り歯車19bと同軸上に重ねて配置されている。受け歯車19aは、外周がD型にカットされたフリクション部材19cに係合するように、その中心孔が小判状とされ、両者は周方向への回転に対して一体部材として動作する。送り歯車19bは、その中心孔が小判状とされ、その中心孔と同一形状の回転軸32の係合部32aが嵌合し、送り歯車19bと回転軸32とは周方向の回転に対して一体部材として動作するように構成される。回転軸32は、上ケース2aに設けられた軸受け凹部31aに一端を回転可能に支持され、他端を下ケース2bに設けられた軸受け凹部31bに回転自在に支承されている。
【0059】
このように構成されたフリクション歯車部19は、通常の動作においては、受け歯車19aの回転がフリクション部材19cの摩擦力によって回転軸32へ伝わり、送り歯車19bから中間歯車部20へ回転を伝える。すなわち、受け歯車19aがウォーム12の回転を受けると、この回転が送り歯車19bから中間歯車部20に減速しながら伝達される。
【0060】
なお、回転軸32とフリクション部材19cとは、上述したように摩擦力によって一体化されている。このため、両突き出し部材6a,6b側から伝達されてきた回転力が所定のトルク以上の場合、フリクション部材19cが滑ってその回転力がDCモータ3側に伝達されず、歯車輪列5中の歯車の破損防止が図られる。また、DCモータ3側からの回転が両突き出し部材6a,6b側に伝達されるときに、両突き出し部材6a,6bが動作規制部26a,26bに突き当たったりしたとき等、DCモータ3の回転を阻止する力が働いたときは、やはりフリクションが働き、受け歯車19aが空転することとなる。
【0061】
この構成によって、第1の突き出し部材6aが前方へ突出している状態時にドア51が手動等によって閉方向に動作され、第1の突き出し部材6aが図1における矢示D方向、すなわち後方に動作した場合や、第2の突き出し部材6bが前方へ突出している状態時にドア52が手動等によって閉方向に動作され、第2の突き出し部材6bが後方に動作した場合、この各突き出し部材6a,6bの動作によって伝達歯車4が矢示AもしくはB方向に回転し、その力が送り歯車19bに伝わっても、この回転力が所定トルク以上のものの場合はDCモータ3側に伝達されない。
【0062】
なお、このようなフリクション歯車部19の過負荷防止機構は、制御装置16が故障し各突き出し部材6a,6bの駆動制御が不能になった際に、ドア51,52を手動で閉めたりあるいは各突き出し部材6a,6bのみを手で動かしたりすることによって、飛び出し位置で停止してしまった突き出し部材6a,6bを、原点位置に戻す場合にも効果を発揮するものとなる。
【0063】
また、第1もしくは第2の突き出し部材6a,6bを手前側に引っ張る等して、第1もしくは第2の突き出し部材6a,6bが無理な力で図1における矢示C方向、すなわち前方に動作した場合、この突き出し部材6a,6bの動作によって伝達歯車4が矢示AもしくはB方向に回転するが、この場合も回転力が所定のトルク以上のものの場合、その回転力がDCモータ3側に伝達されないものとなる。すなわち、ドア51,52が強い力で閉じられたり、突き出し部材6a,6bを手前側に無理な力で引っ張ったとしても、受け歯車19aが空回りし、各歯車の歯先等が損傷してしまうことが防止される。
【0064】
また、中間歯車部20は、DCモータ3の駆動力を伝達歯車4へ伝達するためのものとなっている。中間歯車部20は、図1及び図3に示すように、フリクション歯車部19の送り歯車19bと係合する受け歯車20aと、伝達歯車4と係合する送り歯車20bとから構成されている。受け歯車20aと送り歯車20bとは、一体的に形成されていると共に、ケース2内に設けられた固定軸33に回転自在に支承されている。そして、受け歯車20aがフリクション歯車部19の送り歯車19bの回転を受けると、受け歯車20aと送り歯車20bとが一体的に回転するようになっている。なお、固定軸33は、中間歯車部20と一体的に回転する回転軸としてもよい。
【0065】
伝達歯車4は、DCモータ3の駆動力を第1及び第2の突き出し部材6a,6bへ同時に伝達し、第1及び第2の突き出し部材6a,6bの一方を前進、他方を後退させる歯車輪列5の最終段歯車となっている。この伝達歯車4は、上ケース2aに形成された凸状軸部2c及び下ケース2bの凸状軸部2cと同軸位置に形成された凸状軸部2dの双方の外周に回転自在に嵌まり込む筒状軸部4aと、中間歯車部20の送り歯車20bに係合する歯車部4bとを有している。なお、この歯車部4bは、第1の突き出し部材6aの一部を構成するラック部材34aに形成された直線状のラック歯部21aと係合すると共に、第2の突き出し部材6bの一部を構成するラック部材34bに形成された直線状のラック歯部21bとも係合している。そして、筒状軸部4aを凸状軸部2c,2dに嵌め込むことによって、伝達歯車4は、ケース2に回転自在に支承されている。
【0066】
このように構成された伝達歯車4が、DCモータ3の駆動力によって、図1において矢示A方向に回転すると、第1の突き出し部材6aが矢示C方向、すなわち前方へ動作させられる。これと同時に、第2の突き出し部材6bが矢示D方向、すなわち後方へ動作させられる。また、伝達歯車4が、DCモータ3の駆動力によって、図1において矢示B方向に回転すると、第2の突き出し部材6bが矢示C方向、すなわち前方へ動作させられる。これと同時に、第1の突き出し部材6aが矢示D方向、すなわち後方へ動作させられる。
【0067】
なお、伝達歯車4には、両突き出し部材6a,6bの位置検出、すなわち上述した3つの状態の検出を行うための検出手段の一部となる3つのマグネット23a,23b,23cが備えられている。そして、これらのマグネット23a,23b,23cが、回路基板7上に設置された2つのホールIC24a,24bにそれぞれ対向することにより、第1の突き出し部材6aが前方終端で第2の突き出し部材6bが後方終端となる第1の状態、第2の突き出し部材6bが前方終端で第1の突き出し部材6aが後方終端となる第2の状態、両突き出し部材6a,6bが共に原点位置となる第3の状態をそれぞれ検出できるようになっている。マグネット23a,23b,23cは、伝達歯車4の同一円周上に等間隔に配置されている。
【0068】
ホールIC24a,24bは、伝達歯車4の回転によりマグネット23a,23b,23cが移動して対向する位置までくると、各マグネット23a,23b,23cから出力される磁気によってその状態が変化し、検出信号を出力する。この検出結果は、ホールIC24a,24bから各々制御装置16へ伝えられる。制御装置16は、各ホールIC24a,24bからのセンサー出力を受けてDCモータ3を停止させる制御を行う。このため、動作補助装置1は、第1突き出し部材6aが前方終端まで動作し第2突き出し部材6bが後方終端まで動作したり、第2突き出し部材6bが前方終端まで動作し第1突き出し部材6aが後方終端まで動作すると、DCモータ3が停止するようになっている。
【0069】
また、さらに本実施の形態では、上述の動作によりDCモータ3を停止させた後、制御装置16の制御によりDCモータ3を逆回転させることにより、伝達歯車4をそれまでの回転とは逆方向に回転させて、第1及び第2の突き出し部材6a,6bを原点位置まで戻す制御を行っている。このため、ドア51,52を手動等によって閉じる際に、ドア51,52がそれぞれ突き出し部材6a,6bとぶつからないようになっている。
【0070】
なお、本実施の形態の動作補助装置1では、2つの突き出し部材6a,6bの3つの状態を検出するために3つのマグネット23a,23b,23cと、2つのホールIC24a,24bを設けたが、ホールIC24a,24bの代わりに、例えば光電素子を用いたもの等、適宜他の検出手段を用いてもよい。また、マグネットは、4つ以上としてもよい。
【0071】
また、本実施の形態では、上述したようにマグネット23a,23b,23cを等間隔に配置したが、特に等間隔に配置する必要はない。等間隔としないことにより、ストロークの異なる2つの突き出し動作を行うことが可能となる。すなわち、マグネットの配置角度を適宜変更することによって2つの突き出し部材6a,6bのスライド移動距離が適宜設定できる。また、3つのマグネット23a,23b,23cを設置するための保持部を、予め多数箇所(4箇所以上)に設けて置くことにより、それらのうちの3箇所を3つのマグネット23a,23b,23cの設置場所として選択可能となる。そのため、さらに容易に突き出し部材6a,6bのスライド移動距離を適宜設定できることとなる。
【0072】
また、第1の突き出し部材6aは、上ケース2aに設けられたガイドレール35a及び下ケース2bに設けられたガイドレール35bに沿ってスライド移動するラック部材34aと、このラック部材34aに一端を固定されラック部材34aと共にスライド移動する断面円形状の突き出し棒37aから構成される。
【0073】
ラック部材34aは、図1及び図3に示すように、伝達歯車4と係合するラック歯部21aと、ガイドレール35aが内側に摺動自在に嵌まり込むガイド溝38aと、ガイドレール35bが内側に摺動自在に嵌まり込むガイド溝38bと、を有している。そして、ラック部材34aは、伝達歯車4が回転することによって、両ガイドレール35a,35bに沿って前方及び後方へスライド移動するようになっている。
【0074】
また、第2の突き出し部材6bは、上ケース2aに設けられたガイドレール36a及び下ケース2bに設けられたガイドレール36bに沿ってスライド移動するラック部材34bと、このラック部材34bに一端を固定されラック部材34bと共にスライド移動する断面円形状の突き出し棒37bから構成される。
【0075】
ラック部材34bは、図1及び図3に示すように、伝達歯車4と係合するラック歯部21bと、ガイドレール36aが内側に摺動自在に嵌まり込むガイド溝39aと、ガイドレール36bが内側に摺動自在に嵌まり込むガイド溝39bと、を有している。そして、ラック部材34bは、伝達歯車4が回転することによって、両ガイドレール36a,36bに沿って前方及び後方へスライド移動するようになっている。
【0076】
なお、本実施の形態では、3つのマグネット23a,23b,23cとホールIC24a,24bにより、ラック部材34a,34bが後方終端まで動作させられた際にそれを検知するようになっており、上述したように検知後、DCモータ3を停止させるようになっている。しかしながら、その検知ができなかった時のDCモータ3の暴走を防止するために、ラック部材34a,34bの後方に、それぞれ動作規制部26a,26bが設けられている。これらの動作規制部26a,26bは、下ケース2bのガイドレール35b,36bの端部部分に、それぞれ設けられている。
【0077】
なお、これらの動作規制部26a,26bは、ラック部材34a,34bの後方終端よりさらに5mm後方(原点位置から見ると25mm後方=図1参照)に設けられており、通常の動作ではラック部材34a,34bと当接しないように設けられている。しかしながら、これらの動作規制部26a,26bを、各突き出し部材6a,6bの後方終端から若干ストロークの少ない位置に設けたり、あるいは後方終端部分に設け、定常的に突き出し部材6a,6bの動作を規制するようにしてもよい。
【0078】
なお、上述したようにラック部材34aには、突き出し棒37aの一端が固定されている。したがって、ラック部材34aが移動すると、このラック部材34aと一体的に突き出し棒37aも移動する。この突き出し棒37aは、ケース2に設けられた挿通孔40a内を挿通し、他端がケース2の外部へ突出されている。この突き出し棒37aの他端は、収納ケース60のドア51の内側に突き当たるように配置される。
【0079】
この突き出し棒37aは、伝達歯車4が図1において矢示A方向に回転することによってラック部材34aが矢示C方向に移動すると、他端がさらに外側へ突出する。その結果、マグネット53の吸着力によって吸着保持されたドア51を、突き出し棒37aがその保持力に抗して前方へ押し出す。これによってドア51が前方へ動作して、位置保持状態から解除される。
【0080】
なお、上述したようにラック部材34bには、突き出し棒37bの一端が固定されている。したがって、ラック部材34bが移動すると、このラック部材34bと一体的に突き出し棒37bも移動する。この突き出し棒37bは、ケース2に設けられた挿通孔40b内を挿通し、他端がケース2の外部へ突出されている。この突き出し棒37bの他端は、収納ケース60のドア52の内側に突き当たるように配置される。
【0081】
この突き出し棒37bは、伝達歯車4が図1において矢示B方向に回転することによってラック部材34bが矢示C方向に移動すると、他端がさらに外側へ突出する。その結果、マグネット54の吸着力によって吸着保持されたドア52を、突き出し棒37bがその保持力に抗して前方へ押し出す。これによってドア52が前方へ動作して、位置保持状態から解除される。
【0082】
このように、DCモータ3の回転駆動力によって第1もしくは第2の突き出し部材6a,6bを前方へ移動させることによって、ドア51もしくは52を吸着保持から解除させる。なお、この動作補助装置1は、ドア51,52を収納ケース60の前方へのみ動作させる装置となっている。したがって、ドア51,52をこの動作補助装置1によって前方へ駆動し、その後、ユーザーが手動でドア51,52をさらに開いたりあるいは閉めたりするものとなっている。
【0083】
また、ケース2は、図6に示すように、上ケース2aを下ケース2bに対し完全に被せた状態で4つのボルト41a,41b(うち2つは図示省略)で固定するようにして構成され、上述したように、DCモータ3や歯車輪列5や両突き出し部材6a,6b等を内部に収納する箱形状のものとなっている。そして、上ケース2aの側面には、収納ケース60への取り付け用孔44aを備えた取り付け部44が3箇所形成されている。
【0084】
さらに、ケース2には、上ケース2aと下ケース2bの協働によって、第1の突き出し部材6aの突き出し棒37aを出し入れするための挿通孔40aと、第2の突き出し部材6bの突き出し棒37bを出し入れするための挿通孔40bと、が設けられている。また、下ケース2bには、回路基板7から取り出されるリード線等を挿通するための挿通孔42が設けられている。
【0085】
上述したように構成された第1の実施の形態の動作補助装置1は、収納ケース60のフレーム61に着脱自在にネジ止め固定されるようになっている。この収納ケース60は、ドア51,52の取っ手51a,52aをユーザーが握ることによりセンサー51b,52bが働き、制御装置16によるDCモータ3の駆動制御が開始されるようになっている(図7参照)。なお、センサー51b,52bは、ユーザーがドア51,52を開こうとしているのを検知するためにタッチセンサーが考えられるが、タッチセンサーの代わりに圧電素子や赤外線による検知手段等、他の検知手段を設けるようにしてもよい。
【0086】
なお、本実施の形態の動作補助装置1は、いわゆる観音開きのドア51,52を有する収納ケース60に取り付けて、2枚のドア51,52の開動作の補助を行うようになっているが、2つの引き出し式のドアを有する筐体に取り付けて両引き出し式ドアを駆動したり、あるいは1枚の旋回式ドアや引き出し式ドアを駆動するためにのみ本装置を取り付けるようにしてもよい。
【0087】
制御装置16は、上述したタッチセンサーや位置検知信号等で構成されたセンサー51b,52bからの信号に基づき、動作補助装置1を駆動または停止させる。なお、制御装置16は、センサー51b,52bからの信号を受けると、DCモータ3に電力を供給する。これによって、DCモータ3の駆動力が歯車輪列5を介して両突き出し部材6a,6bへ伝達され、突き出し部材6a,6bの一方が前方に、他方が後方に動作を開始する。
【0088】
次に、上述した実施の形態の動作補助装置1を用いて、収納ケース60のドア51,52の開動作を補助する動作について以下に説明する。なお、ドア51,52は、吸着マグネット53,54によって、それぞれ吸着保持された状態となっている。一方、動作補助装置1は、上述したイニシャライズが終了し、両突き出し部材6a,6bが原点位置で待機している状態となっているものとする。
【0089】
ユーザーが収納ケース60のドア51を開けようとして、取っ手51aを握ると、センサー51bが働いて検知信号を制御装置16に伝達する。すると、制御装置16からリード線14a,14bを介して動作補助装置1のDCモータ3に電力が供給される。
【0090】
DCモータ3に電力が供給されると、DCモータ3のモータ出力軸9とウォーム12とが一体的に回転する。ウォーム12が回転すると、この回転は、フリクション歯車部19及び中間歯車部20を介して伝達歯車4に伝達され、伝達歯車4が図1において矢示A方向に回転する。そして、この伝達歯車4の回転は、第1の突き出し部材6aのラック歯部21a及び第2の突き出し部材6bのラック歯部21bに伝達される。この動作によって、第1の突き出し部材6aのラック部材34a及び突き出し棒37aが、矢示C方向に一体的に移動し、同時に第2の突き出し部材6bのラック部材34b及び突き出し棒37bは、矢示D方向に後退する。この動作に伴い、突き出し棒37aの先端部分がドア51にぶつかりながら矢示C方向へ押し出し、ドア51を開方向に動作させる。
【0091】
このようにドア51は、動作補助装置1の第1の突き出し部材6aの動作によってマグネット53の位置保持力に抗して、前方へ動作させられる。そして、第1の突き出し部材6aが前方終端まで動作し第2の突き出し部材6bが後方終端まで動作すると、伝達歯車4に設けられたマグネット23bが回路基板7上のホールIC24bと対向する位置まで移動する。
【0092】
これによって、ホールIC24bは、マグネット23bから出力される磁気信号を検知し、出力をローレベル”(L”)とする。一方、ホールIC24aに対向していたマグネット23aは、その対向位置から外れ、検出信号はローレベル(”L”)からハイレベル(”H”)へ移行する。この出力の変化は、制御装置16へ伝えられる。
【0093】
制御装置16は、この信号に基づいてDCモータ3への電力の供給を停止する。これによって、DCモータ3は、第1突き出し部材6aが前方終端まで動作し第2突き出し部材6bが後方終端まで動作した際に停止する。
【0094】
なお、制御装置16は、DCモータ3を停止した後、すぐにDCモータ3を今までの方向とは逆の方向に回転させるための電力供給をDCモータ3に対して行う。これによって、DCモータ3は、逆回転を開始する。すると、このDCモータ3の逆回転は、ウォーム12及びフリクション歯車部19並びに中間歯車部20を介して伝達歯車4へ伝達される。
【0095】
そして、伝達歯車4が逆回転、すなわち図1において矢示B方向に回転すると、第1の突き出し部材6aは後方(図1において矢示D方向)へ、第2の突き出し部材6bは前方(図1において矢示C方向へ)動作する。そして、両突き出し部材6a,6bが原点位置まで動作すると、伝達歯車4に設けられたマグネット23a,23cが回路基板7上のホールIC24a,24bと対向する位置まで移動する。
【0096】
これによって、ホールIC23a,23bは、マグネット23a,23cから出力される磁気信号をそれぞれ検知し、出力を各々ローレベル(”L”)とする。この出力の変化は、制御装置16へ伝えられる。制御装置16は、この信号に基づいてDCモータ3への電力の供給を停止する。
【0097】
これによって、DCモータ3は、第1及び第2の突き出し部材6a,6bが原点位置へ戻った際に停止する。なお、ドア51は、上述したように動作補助装置1によって前方へわずかに押し出された後、さらに開いたりあるいは閉めたりする際は、ユーザーが手動によって行うものとなっている。
【0098】
一方、ユーザーがドア52を開けようとして取っ手52aを握ると、センサー52bが働いて検知信号を制御装置16に伝達する。すると、制御装置16からリード線14a,14bを介して動作補助装置1のDCモータ3に電力が供給される。その後の動作補助装置1の動作については、ドア51を開ける場合と逆となる。これによって、上述したドア51を開く動作を補助する場合と同様にドア52の動作補助が行われる。
【0099】
なお、ホールIC24a,24bもしくは制御装置16の故障やその他種々の理由により、ユーザーが手動でドア51,52を閉める際(図1においてドア51,52が矢示D方向に移動させる際)に、前方終端や途中位置で停止している第1及び第2の突き出し部材6a,6bの突き出し棒37a,37bの先端部分にドア51,52がぶつかってしまう危険性がある。このようにドア51,52が閉められる際に第1及び第2の突き出し部材6a,6bにぶつかると、ドア51,52の戻り方向の力によって第1及び第2の突き出し部材6a,6bが矢示D方向に動作される。すると、この第1及び第2の突き出し部材6a,6bの動作に伴って伝達歯車4が矢示AもしくはB方向に過大な力で回転し、この過大な回転力を受けて中間歯車部20及びフリクション歯車部19の送り歯車19bが回転する。
【0100】
しかしながら、フリクション歯車部19は、このような過大な力の回転を受けた際、DCモータ3側の抵抗が大きいため、大きなトルクがフリクション歯車部19に加わることとなる。このため、回転軸32に対してフリクション部材19cが滑って受け歯車19aが空転し、各歯車の歯先等が損傷しないようになっている。
【0101】
次に、本発明の第2の実施の形態を図8及び図9を用いて説明する。
【0102】
図8は、第2の実施の形態における動作補助装置101の内部構成を平面的に示す図である。この動作補助装置101の構成は大きく分けると、ケース102と、双方向回転可能なDCモータ103と、このDCモータ103の駆動力に応じて回転可能な伝達歯車104を含むドア動作用歯車輪列105と、伝達歯車104の回転に伴いその回転方向に交互に前進する第1及び第2の突き出し部材106a,106bと、DCモータ103の回転を伝達するセンサー用歯車輪列107と、このセンサー用歯車輪列107の回転を受けて動作し第1及び第2の突き出し部材106a,106bの状態を検出する検出手段としてのセンサー動作機構108と、両突き出し部材106a,106bの突き出し量を規制する動作規制部109とを備えた構成となっている。
【0103】
このような構成の動作補助装置101は、たとえば、上述の第1の実施の形態と同様、図2に示すようないわゆる観音開きの2枚のドア51,52が同一平面上に並んで設けられた収納ケース60において、それぞれのドア51,52の開操作を容易にするように設けられる。なお、取り付け位置に関しては、点線で示すように、2つの室の間に設けられた仕切りの部分としてもよいし、上述の第1の実施の形態と同様としても良い。
【0104】
図8及び図9において、ドア動作用歯車輪列105は、DCモータ103のモータ出力軸110に取り付けられたウォーム111と、このウォーム111に歯合し軸112に回転自在に取り付けられた第1歯車113と、この第1歯車113と同じ軸112に一体成形された第1ピニオン114と、この第1ピニオン114に歯合する第2歯車115と、この第2歯車115に一体的に設けられた第2ピニオン116と、この第2ピニオン116に歯合する伝達歯車104から構成されている。
【0105】
なお、第1歯車113と第1ピニオン114との間にはフリクション機構が設けられている。このフリクション機構は、突き出し部材106a,106bの突き出し動作中に、その突き出し部材106a,106bをケース102内に押し込むような力が働いた場合、その力を逃がす働きをする。
【0106】
このフリクション機構は、軸112に固定された皿バネ117と円板118とで第1歯車113を挟むようにして構成され、通常時は、皿バネ117の押圧力によりDCモータ103の回転力を第1ピニオン114から第2歯車115以降へ伝達する。そして、DCモータ103の動作中に、突き出ようとする突き出し部材106a,106bが押し戻されたりすると、フリクション機構に一定以上のトルクが加わり、皿バネ117と円板118は、第1歯車113の面上を滑るように動作し、これにより輪列全体に無理な力が加わるのを防止する。
【0107】
ところで、前述の伝達歯車104は、突き出し部材106a,106bを往復動作させるためのスライダー部119,120に設けられた直線状のギア列119a、120aに歯合している。
【0108】
このスライダー部119,120は、ケース102に形成されたガイドレール121,122に沿って往復移動が可能となっているもので、たとえば、スライダー部119について見ると、伝達歯車104が図8における矢示G方向に回転し、その端部104aが動作規制部109に接触するまでの間、図8において矢示K方向にスライドする。
【0109】
そして、このスライダー部119,120の移動長さは、突き出し部材106a,106bがケース102から10mm程度突出するように設定される。なお、この突き出し部材106a,106bのストローク長は、この動作補助装置101が取り付けられる機器によって最適なストロークを設定すればよい。
【0110】
また、スライダー部119,120の移動長さの規制は、動作規制部109による規制だけではなく、センサー動作機構108によっても制御され、突き出し部材106a,106bの適正なストローク長が確保できる。これについて以下に説明する。
【0111】
このセンサー動作機構108は、第1及び第2の突き出し部材106a,106bの突き出し状態を検出する検出手段となっており、センサー用歯車輪列107を介してDCモータ103の回転力を受けて回転動作するものである。センサー用歯車輪列107は、前述した第2歯車115と一体的に回転するアイドラー123と、このアイドラー123に歯合するセンサー用歯車124を有し、センサー用歯車124の軸方向端面上には、その中心軸124aを中心とする円周上にマグネット125が装着されている。
【0112】
また、センサー用歯車124とケース102との間には、センサー取り付け板126が設けられている。このセンサー取り付け板126には、マグネット125の磁気を検出するための第1のセンサー127aと第2のセンサー127bが、センサー用歯車124の中心軸124aを中心に互いに対向する位置で、かつ、マグネット125と同じ半径を有する円周上に設けられる。これら、マグネット125、センサー取り付け板126、第1、第2のセンサー127a,127bなどによりセンサー動作機構108が構成される。
【0113】
そして、初期状態(図8に示す状態を初期状態とする)においては、マグネット125の一方の端部125aが第1のセンサー127aに対向し、他方の端部125bが第2のマグネット127bに対向する位置となるように設定される。
【0114】
この第1のセンサー127aと第2のセンサー127bは、マグネット125からの磁気を検出すると、その出力がローレベル(“L”)となり、磁気を検出しないと、その出力がハイレベル(“H”)となるものである。したがって、図8に示すような状態では、第1、第2のセンサー127a,127bの出力は、共に(“L”)となる。なお、これらの出力、すなわちハイレベル(“H”)及びローレベル(“L”)は、逆でもよい。
【0115】
ところで、第2歯車115には、伝達歯車104に対してDCモータ103の回転力を伝えるための第2のピニオン116と、センサー用歯車124にDCモータ103の回転力を伝えるためのアイドラー123が一体的に取り付けられているが、DCモータ103の回転に対し、伝達歯車104の回転角度とセンサー用歯車124の回転角度を異ならせるようにしている。
【0116】
つまり、センサー用歯車124が、たとえば、矢示G方向に180°回転する間(たとえば、図8に示す初期状態から、マグネット125の一方の端部125aが第2のセンサー127bに対向し、他方の端部125bが第1のセンサー127aに対向する位置となる間)に、伝達歯車104はその端部104aが動作規制部109に当接する分だけしか回転しない。このように、伝達歯車104の回転角度とセンサー用歯車124の回転角度を異ならせるために、第2のピニオン115と伝達歯車104のギヤ比およびアイドラー123とセンサー用歯車124のギヤ比をそれぞれ最適な比に設定しておく。
【0117】
このように、突き出し部材106a,106bの1回の突き出し動作を行わせるに際して、伝達歯車104の回転角度に対してセンサー用歯車124の回転角度を大きくしたのは、伝達歯車104の回転に伴って突き出し動作する第1の突き出し部材106a(または第2の突き出し部材106b)の突き出し量はそれほど大きく取る必要はなく、これと同じ回転角度で、第1、第2のセンサー127a,127bからの出力を得ようとすると、第1、第2のセンサ−127a,127bの間隔が狭くなりすぎて、突き出し部材106a,106bの動作に対応した正確なセンサー出力を得るのに支障がでる虞があるためである。
【0118】
この点を考慮して、第1、第2のセンサー127a,127bの間隔をできるだけ大きくとるために、センサー用歯車124の回転角度を大きくする構造としている。この実施の形態では、360°回転可能としている。
【0119】
このような構成のセンサー動作機構108は、第1の突き出し部材106aまたは第2の突き出し部材106bの突き出し動作状態に応じて、第1、第2のセンサー127a,127bから、(“H”)または(“L”)の信号を出力するものである。
【0120】
たとえば、今、図8の初期状態から、第1の突き出し部材106aの突き出し動作が開始して伝達歯車104が動作規制部109に当接し、所定量の突き出しがなされたとすると、その間にセンサー用歯車124が180°回転し、この状態では、マグネット125の一方の端部125aが第2のセンサー127bに対向し、他方の端部125bが第1のセンサー127aに対向する位置となるため、第1のセンサー127aは継続して(”L”)が出力される一方、第2のセンサー127bからは最初(”L”)で次に(”H”)となり、最後に(“L”)が出力されることになる。制御部はこのような第1、第2のセンサー127a,127bの出力状態の変化を判断して、DCモータ103の制御を行う。この場合、初期状態から所定の段階を経て、再び第1、第2のセンサー127a,127bから共に(“L”)が出力されたことで、第1の突き出し部材106aの突き出し動作を停止させる。
【0121】
このような動作により、スライダー部119,120は、動作規制部109による規制だけではなく、センサー動作機構108によっても制御され、第1及び第2の突き出し部材106a,106bの適正なストローク長が確保できる。なお、ここで説明した第1及び第2の突き出し部材106a,106bの突き出し動作と第1、第2のセンサー127a,127bの出力の関係、さらにはDCモータ103の制御動作などについては後に詳細に説明する。
【0122】
また、この第2の実施の形態の動作補助装置101は、上述した第1の実施の形態と同様、すなわち図7に示すように、DCモータ103に対しては、制御部(図7においては制御装置16に該当する)からのモータ制御信号が与えられ、また、第1、第2のセンサー127a,127b(図7においてはそれぞれホールIC24a,24bに該当する)からは、制御部に対してそれぞれのセンサー出力が出力される。
【0123】
ここでは、第1、第2のセンサー127a,127bとしてホールICを用い、マグネット125の磁気を検出すると、出力がローレベル(“L”)となり、マグネット125の磁気を検出しないとき、出力がハイレベル(“H”)となるような動作を行い、これらの出力は制御部に送られる。制御部には、これら第1、第2のセンサー127a,127bからの出力信号の他に、ユーザーが取っ手51a,52a(図2参照)の所定部位に触れたときに出力される信号が入力され、これらの信号を基にDCモータ103の制御を行う。なお、これらの関係をブロック図で示すと、上述した第1の実施の形態を説明するのに用いた図4と同様となる。
【0124】
図4に示す制御部130(制御装置16に相当する)は、第1の取っ手センサー131または第2の取っ手センサー132からの信号および第1、第2のセンサー127a,127bからの信号を受けてDCモータ103を制御するものである。すなわち、この制御部130は、第1、第2の取っ手センサー131,132のいずれかからの信号(ユーザーが2つのうちのいずれかの取っ手の所定部位に触れたことを示す信号)を受けると、それに応じてDCモータ103を所定方向に回転させるような信号をDCモータ103に対して出力し、DCモータ103を所定方向に回転させる。また、第1、第2のセンサー127a,127bからの出力信号(“H”または“L”)によりDCモータ103を制御する。なお、この制御動作について、以下に詳細に説明する。
【0125】
まず、初期状態(図2で示したドア51、52が両方とも閉じている状態を初期状態とする)としては、動作補助装置101の内部は図8に示すとおりとなっている。すなわち、第1及び第2の突き出し部材106a,106bが共に原点位置にある状態、第1の実施の形態の第3の状態と同様の状態となっている。この状態で、ユーザーが、たとえばドア52を開けようとしてその取っ手52aの所定部位に触れると、取っ手52aに設けられた第2の取っ手センサー132から制御部130に対して取っ手が触れられたことを示す信号が出力される。
【0126】
これにより、制御部130は、DCモータ103に対して動作信号を送り、DCモータ103を回転させる。このとき、制御部130は第2の取っ手センサー132からの信号を受けたので、第2の突き出し部材106bをケース102外に突き出させるような方向(伝達歯車104を矢示H方向に回転させるような方向)にDCモータ103を回転させる。
【0127】
このDCモータ103の回転力は、ウォーム111、第1歯車113、第1ピニオン114、第2歯車115、第2ピニオン116を介して伝達歯車104に伝わり、伝達歯車104を矢示H方向に回転させる。また、これと同時に、アイドラー123も回転し、センサー用歯車124を矢示H方向に回転させる。
【0128】
伝達歯車104が矢示H方向に回転し始めると、この伝達歯車104に歯合しているスライダー部120が矢示K方向にスライドし、第2の突き出し部材106bがケース102から突き出てくる。
【0129】
また、伝達歯車104の回転と同時に、センサー用歯車124も回転し始め、それに装着されたマグネット125も回転し始める。この動作途中の状態では、伝達歯車104の端部104bは、まだ、動作規制部109に当接してはなく、また、マグネット125は、その一方の端部125aが第1のセンサー127aから外れた位置となっている。
【0130】
この状態における第1、第2のセンサー127a,127bからの出力は、第1のセンサー127aの出力は(“H”)となり、第2のセンサー127bは(“L”)を保持している。制御部130では、これら第1、第2のセンサー127a,127bからの出力信号を受けて、その信号状態から、DCモータ103の現在の回転方向や、どちらの突き出し部材が突き出し作動中かを判断する。この場合は、第1、第2のセンサー127a,127bが共に(“L”)の状態から、第1のセンサー127aが(“H”)となり、第2のセンサー127bは(“L”)のままであるので、第2の突き出し部材106bを突き出すような方向にDCモータ103が回転動作中であると判断する。
【0131】
そして、伝達歯車104の端部104bが動作規制部109に当接するまで回転すると、第2の突き出し部材106bは設定されたストローク分だけ突き出た状態となる。また、同時に、センサー用歯車124に装着されたマグネット125は初期状態から180°回転した位置となる。この状態は、第2の突き出し部材106bが設定されたストローク分(10mm程度)だけケース102からに突き出た状態(第1の実施の形態の前方終端まで移動した状態=第2の状態)となり、マグネット125は端部125bが第1のセンサー127aに対向する位置となり、他方の端部125aが第2のセンサー127bに対向する位置となる。
【0132】
この動作完了状態では、第1、第2のセンサー127a,127bからの出力は、ともに(“L”)となる。制御部130では、これら第1、第2のセンサー127a,127bからの出力信号を受けて、その信号状態をもとに制御を行う。この場合は、第1、第2のセンサー127a,127bが共に(“L”)の初期状態から、次の段階では第1のセンサー127aが(“H”)、第2のセンサー127bは(“L”)を保持した状態となり、その後、第1、第2のセンサー127a,127bからの出力がともに(“L”)となる。制御部130は所定の段階を経て、第1、第2のセンサー127a,127bからの出力がともに(“L”)となったことから、第2の突き出し部材106bの突き出し動作が終了したと判断し、今度は、DCモータ103を逆回転させて、第2の突き出し部材106bをケース102内に引き込むように動作させる。そして、再び、図8の状態(初期状態)とする。
【0133】
このように、ユーザーがドア52を開けようとしてその取っ手52aを握ると、第2の突き出し部材106bが突き出し動作して、マグネット54の吸着力により閉じられていたドア52がその吸着力から解放されて、わずかに開く。これにより、その後はユーザーはわずかな力でドア52を開けることができる。
【0134】
一方、このような初期状態から、ユーザーがドア51を開けようとした場合は、上述したドア52の開動作の補助とは反対の動作が行われる。この一連の動作においては、第1のセンサー127aからの出力は、終始(”L”)で、第2のセンサー127bからの出力は、(”L”)→(”H”)→(”L”)となる。このような出力の変化を制御部130が受けて、それぞれの出力状態に応じて制御を行うようになっている。
【0135】
ところで、第1及び第2の突き出し部材106a,106bのストローク長をこの第2の実施の形態では、10mm程度とした例について説明した。このストローク長は、この動作補助装置101が取り付けられる対象物によって最適なストローク長を設定することができるが、ドア保持用のマグネットの吸着力を考慮して決定されることになる。
【0136】
すなわち、ストローク長としては、ドア保持用のマグネットのドアに対する吸引力が減少する距離以上は必要である。これにより、突き出し動作後、その吸着力により再び、ドアが閉じられてしまうことを防止できる。しかし、むやみにストローク長を大きくする必要はない。ストロークが大きすぎると、ドアを開けようとしたときに、機械的な力で必要以上にドアが大きく開かれることになり、ドアがユーザーにぶつかったりして危険を招くことにもなりかねない。したがって、たとえば、ドアの回転可能範囲の1/10以下に設定するというような上限を設け、その範囲において最適な値を設定するようにするのが好ましい。
【0137】
以上のような第2の実施の形態では、ドア用のマグネットによる吸着力により確実な閉じ状態を保持しているドアを開けようとする際、ユーザーがドアの取っ手を握ると同時に、突き出し部材が突き出し動作し、ドアをマグネットの吸引力から解放するので、以降はわずかな力でドアを開けることができる。
【0138】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。たとえば、2つのドアに対して動作可能とする場合、その2つのドアは、観音開き式ではなく、たとえば、図10に示すように、2つのドア141、142が上下に配置されているような場合にも適用できる。なお、この場合もドアは本体側に対してマグネットなどに吸着されるようになっている。
【0139】
この図10の例では、ドア側にドア用マグネット143,144を設け、収納ケース側に鉄などの吸着可能材145を設けた例が示されている。
【0140】
2つのドア141,142がこのような位置関係である場合は、2つのドア141、142の境目にある仕切り部分146に、上述した各実施の形態で説明した動作補助装置1,101を設け、第1の突き出し部材6a,106aを上のドア141の動作用とし、第2の突き出し部材6b,106bを下のドア142の動作用とする。そして、それぞれの取っ手141a,142aのうち、いずれかを掴むと、モータが動作して、対応する側の突き出し部材が突き出し動作して、ドア141,142の閉じ力を解放するようにする。
【0141】
また、上述の各実施の形態では、2つのドア(開閉部材)に対して動作可能とした例について説明したが、2つに限られるものではなく、1つのドア等のみが設けられた収納ケースなどにも使用できることは勿論である。
【0142】
さらに、本発明は、一定の閉じ力を有した状態で閉じられていて、開ける瞬間に一定の力を必要とする開閉部材のついているものに適用して好ましいものであり、様々な分野の製品に適用できる。たとえば、冷蔵庫や冷凍庫などに適用して好ましいものとなる。2ドア式の冷蔵庫を例に取れば、ドアの取り付けタイプとしては、図10のようなものが一般的であり、たとえば、ユーザーがドア141の取っ手141aを掴むと、前述したと同様に、第1の突き出し部材6a,106aが動作して、ドア141の閉じ力が解放されるので、あとはわずかな力で開けることができる。また、大型の冷蔵庫では、観音開き式のものも見られ、図2に示すような取り付けが可能となる。
【0143】
また、上述の各実施の形態では、第1及び第2の突き出し部材6a,6b,106a,106bを作動させるためのモータとして、通常の双方向回転可能なDCモータを使用した例について述べたが、ステッピングモータなど他の双方向回転可能なモータを使用することもできる。さらには、モータ自体は一方向回転として、輪列切り換えによって伝達歯車4,104を両方向回転できるようにしてもよい。
【0144】
さらに、上述の各実施の形態では、第1及び第2の突き出し部材6a,6b,106a,106bをスライドさせる手段として、伝達歯車4,104の回転力を直線状のギヤで受けて、回転運動を往復運動に変えるような構造としているが、回転運動を往復運動に変える構造は他にも種々考えられる。また、ドアに対して或る一定の押圧力を与えることで、ドアに対する吸引力からドアを解放させればよいとするならば、上述の各実施の形態のようなスライダー部(第1の実施の形態においてはラック部34a,34b)119,120を、特に設けなくても、最終歯車(伝達歯車)に突き出し部材を回動可能に取り付けて、最終歯車が所定の回転角度だけ回転することにより、その突き出し部材がドアを押すようにすることも可能である。
【0145】
さらには、スライダー部等や突き出し部材を独立した部品として設けなくても、たとえば、最終歯車の一部に突き出し部を形成し、最終歯車が所定の回転角度だけ回転することにより、その突き出し部がドアを押すようにすることも可能である。また、ドアの開方向の動作補助ではなく、リンク機構を介することによって開方向の動作補助としても適用することができる。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の動作補助装置は、モータの駆動力を利用して伝達歯車を双方向に回転させ、その回転方向に伴い第1及び第2の突き出し部材を交互に前進させて2つの開閉部材の動作補助を行うようになっている。したがって、筐体のフレーム等、2つの開閉部材の間の部分に本装置を取り付けることにより、開けたい側のドアを開けようとする際、突き出し部材が突き出し動作し、これによって、所望のドアを開けることができる。
【0147】
また、第1及び第2の突き出し部材を、伝達歯車を挟んで対向する位置に配置することにより、コンパクトな構成で、第1および第2の突き出し部材を交互に前進させることが可能となり、例えば、隣接する2枚の開閉部材の仕切りのスペースが狭い場合にも取り付けが可能となる。
【0148】
さらに、いずれか一方の突き出し部材を前方終端まで前進させ他方を後方終端まで後退させた2つの状態と、両突き出し部材を共に前進及び後退させない(原点位置)状態との3つの状態を検出手段で検出できるようにすると、突き出し部材をそれぞれ正確な位置で停止させる制御をすることが可能となる。そのため、開閉部材解放後に2つの突き出し部材を原点位置に戻す制御を行うようにすると、常時、同じ状態、すなわち突き出し部材が突き出ていない状態から動作を開始することができ、動作の安定した装置とすることが可能となる。
【0149】
またさらに、検出手段を、伝達歯車の同一円周上に配置した3つのマグネットと、これら3つのマグネットに対向配置される2つのホールICとで構成すると、少ない部品点数で上述の検出動作をすることが可能となる。また、第1及び第2の突き出し部材の後退動作の規制をする動作規制部を設けると、万が一、位置検出の不良もしくは他の何らかの原因等でモータが暴走したとしても、突き出し部材の後退による内部機構の破壊を防止することが可能となる。
【0150】
また、本発明のドア開閉機構は、双方向回転可能なモータの駆動力を利用して伝達歯車を双方向に回転させ、その回転方向に伴い第1及び第2の突き出し部材を交互に前進させて2つの開閉部材の動作補助をする動作補助装置を、筐体のフレームに対して設置し、伝達歯車の双方向への回転に応じて、一定の閉じ力で閉じられている2つの開閉部材を交互に押し出す構成となっているため、フレームという狭い部位に1つの装置を取り付けるのみで隣接する2つの開閉部材の動作補助が可能となる。しかも、閉じ力が働いていて簡単には開くことができない開閉部材を弱い力で開けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における動作補助装置の内部機構を示した平面図である。
【図2】図1に示した動作補助装置を取り付けた収納ケースの外観を示す斜視図である。
【図3】図1に示した動作補助装置の断面展開図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の動作補助装置におけるDCモータに対する制御信号の供給および2つのホールICからのセンサー出力の取り出しを行うための概略的な配線図を示す図である。
【図5】図1に示した動作補助装置の伝達歯車と第1及び第2の突き出し部材ならびに検出手段となる2つのホールIC、3つのマグネットの配置関係とその動きを説明するための模式図である。
【図6】図1に示した動作補助装置を上ケースを下ケースに被せて固定した状態で矢示VI方向から見た一部断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態である動作補助装置におけるDCモータの制御を説明する回路ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における動作補助装置の内部構成を示す平面図である。
【図9】図8に示した動作補助装置の断面展開図である。
【図10】本発明の各実施の形態の動作補助装置を上下に2枚のドアを有する機器に装着した例を示す図である。
【図11】従来の動作補助装置としてのモータアクチュエーターを示した断面図である。
【符号の説明】
1 動作補助装置
3 DCモータ
4 伝達歯車
6a 第1の突き出し部材
6b 第2の突き出し部材
7 回路基板(検出手段の一部)
23a,23b,23c マグネット(検出手段の一部)
24a,24b ホールIC(検出手段の一部)
26a,26b 動作規制部
51,52 ドア(開閉部材)
60 収納ケース(筐体)
61 フレーム
101 動作補助装置
103 DCモータ
104 伝達歯車
106a 第1の突き出し部材
106b 第2の突き出し部材
107 センサー用歯車輪列
108 センサー動作機構(検出手段)
109 動作規制部
123 アイドラー(検出手段の一部)
124 センサー用歯車(検出手段の一部)
125 マグネット(検出手段の一部)
126 センサー取り付け板(検出手段の一部)
127a 第1のセンサー(検出手段の一部)
127b 第2のセンサー(検出手段の一部)
141,142 ドア(開閉部材)
Claims (6)
- モータの駆動力に応じて回転可能な伝達歯車と、この伝達歯車の回転方向に対応して交互に前進し第1及び第2の開閉部材にそれぞれ直接または間接的に当接可能な第1及び第2の突き出し部材と、を有し、上記伝達歯車を第1の方向に回転させることにより上記第1の突き出し部材を前進させて、上記第1の開閉部材の動作を補助すると共に、上記伝達歯車を上記第1の方向とは逆方向となる第2の方向に回転させることにより上記第2の突き出し部材を前進させて、上記第2の開閉部材の動作を補助することを特徴とする動作補助装置。
- 前記第1及び第2の突き出し部材は、前記伝達歯車を挟んで対向する位置にそれぞれ前記伝達歯車に係合するように配置され、前記伝達歯車の第1の方向への回転により前記第1の突き出し部材の前進動作及び前記第2の突き出し部材の後退動作が同時に行われ、前記伝達歯車の第2の方向への回転により前記第2の突き出し部材の前進動作及び前記第1の突き出し部材の後退動作が同時に行われることを特徴とする請求項1記載の動作補助装置。
- 前記第1の突き出し部材を前方終端まで前進させ前記第2の突き出し部材を後方終端まで後退させた第1の状態と、前記第2の突き出し部材を前方終端まで前進させ前記第1の突き出し部材を後方終端まで後退させた第2の状態と、前記第1及び2の突き出し部材を共に前進及び後退させない第3の状態とを検出可能な検出手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の動作補助装置。
- 前記検出手段を、前記伝達歯車の軸方向側面で同一円周上に配置した3つのマグネットと、これら3つのマグネットに対向可能な固定位置に配置された2つのホールICとで構成したことを特徴とする請求項3記載の動作補助装置。
- 前記モータを双方向回転可能なモータとすると共に、前記第1及び第2の突き出し部材の後退動作を規制する動作規制部を設けたことを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項記載の動作補助装置。
- 双方向回転可能なモータと、このモータの駆動力に応じて回転可能な伝達歯車と、この伝達歯車の回転に伴いその回転方向に交互に前進する2つの突き出し部材と、を有する動作補助装置を、一定の閉じ力で閉じられている2つの開閉部材を有する筐体のフレームに対して、上記伝達歯車を第1の方向に回転させることにより上記2つの突き出し部材のうちの一方を前進させて、上記開閉部材のうちの一つを前方へ突き出し可能とすると共に、上記伝達歯車を上記第1の方向とは逆方向となる第2の方向に回転させることにより上記2つの突き出し部材のうちの他方を前進させて、隣接する開閉部材を前方へ突き出し可能となるように取り付けたことを特徴とするドア開閉機構。
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