JP3603904B2 - 反強誘電性液晶表示素子の駆動方法及び装置 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、反強誘電性液晶を液晶層として用いマトリックス状の画素を有する反強誘電性液晶表示素子の駆動方法及び装置に関するものである。
背景技術
既に周知のように、双極子が互いの間の相互作用により自発的に向きを揃える自発分極を持ち、かつ外部電界を印加するとその自発分極の向きが反転する液晶を強誘電性液晶と称する。これに対して、隣接する液晶層の分子の双極子が自発分極を打ち消すように反平行に配列し、反強誘電性状態を示す液晶を反強誘電性液晶と称する。
近年、前者の強誘電性液晶については多くの研究と実用化が図られ、各種製品に応用されている。しかし、周知のように、まだ、表示画面の輝度、応答性、視野角度等で改良が望まれている。
一方、後者の反強誘電性液晶についても、例えば、特開平2−173724号公報において、従来のネマチック液晶に比べて広視野角を有すること、高速応答が可能なこと、マルチプレックス特性が良好なこと等が示唆されており、以来、各方面において活発な研究がなされている。
本発明は、後者の反強誘電性液晶を用いた表示素子の駆動方法を改良するものであり、本発明によれば、高速でコントラストの高い良質な表示画面を提供することができ、従って液晶表示パネルや液晶光シャッターアレイ等、広範囲に利用することができる。
発明の開示
本発明の目的は、反強誘電性液晶を用いた表示素子について、高速でコントラストの高い良質な表示画面を提供する駆動方法及び装置を提供することにある。
本発明によれば、一対の基板間に反強誘電性液晶を挟持し、この反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態と、第1の強誘電性状態とは逆極性の電圧を印加したときに強誘電性状態を示す第2の強誘電性状態と、反強誘電性状態とを有する。画素への一回の書き込みは少なくとも一つの走査期間からなり、この走査期間は画素の透過光量を決定するためのセレクトパルスを印加する選択期間と、この選択期間の前に反強誘電性液晶を一定の状態にセットするリセットパルスを印加するリセット期間と、この選択期間の後に選択期間で決定した透過光量を保持する非選択期間とを有する。
反強誘電性液晶はリセット期間では第1又は第2の強誘電性状態であり、選択期間ではセレクトパルスは0(V)又はリセットパルスとは逆極性のパルスであり、非選択期間では反強誘電性状態又はリセット期間と同一の強誘電性状態とする。
また、好適には、複数の走査電極と信号電極を有する反強誘電性液晶表示素子のときには、反強誘電性液晶はリセット期間では第1又は第2の強誘電性状態であり、選択期間ではセレクトパルスは0(V)又はリセットパルスとは逆極性のパルスであり、リセット期間に印加される走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される走査電極側の電圧波形の極性とを同一にする。
また、好適には、層構造の補正を行うためには、反強誘電性液晶が、同一リセット期間内に第1の強誘電性状態の期間と第2の強誘電性状態の期間とを有し、第1及び第2の強誘電性状態へ移行させるためには、反強誘電性液晶に同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態となる少なくとも2種類のリセットパルスを印加する。
また、好適には、反強誘電性液晶が、同一リセット期間内に第1の強誘電性状態の期間と、第2の強誘電性状態の期間と、反強誘電性状態の期間とをそれぞれ有するようにする。第1及び第2の強誘電性状態及び反強誘電性状態へ移行させるためには、反強誘電性液晶に、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態と、第2の強誘電性状態と、反強誘電性状態となる、少なくとも3種類のリセットパルスを印加する。
また、好適には、反強誘電性液晶は、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態となる少なくとも2種類のリセットパルスを印加し、セレクトパルスは0(V)又はリセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスであり、非選択期間では反強誘電性状態又は選択期間開始直前のリセット期間における強誘電性状態と同一の強誘電性状態にする。
また、好適には、複数の走査電極と信号電極を有する反強誘電性液晶表示素子では、反強誘電性液晶は、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態となる少なくとも2種類のリセットパルスを印加し、前記セレクトパルスは、0(V)又はリセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスであり、リセット期間の選択期間開始直前に印加されている走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される走査電極側の電圧波形の極性とを、同一にする。
また、好適には、反強誘電性液晶は、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態及び反強誘電性状態となる少なくとも3種類のリセットパルスが印加され、セレクトパルスは、0(V)又はリセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスであり、非選択期間では反強誘電性液晶は、反強誘電性状態又はリセット期間の選択期間開始直前における強誘電性状態と同一の強誘電性状態である。
また、好適には、複数の走査電極と信号電極とを有する反強誘電性液晶素子では、反強誘電性液晶は、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態及び反強誘電性状態となる少なくとも3種類のリセットパルスが印加され、前記セレクトパルスは、0(V)又はリセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスであり、リセット期間の選択期間開始直前に印加されている走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される前記走査電極側の電圧波形の極性と同一にする。
また、好適には、前後する走査期間の電圧波形が0Vに対して互いに対称であるようにする。
また、本発明の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置によれば、表示データを発生する手段と、走査側電極を駆動する駆動手段と、信号側電極を駆動する駆動手段と、前記画素に所定電圧を供給する電源手段と、前記表示データを受け、該表示データに適応した信号タイミングと電圧値を作成し、前記走査側電極駆動手段と前記信号側電極駆動手段とに供給する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
画素への一回の書き込みは少なくとも一つの走査期間にて行われ、かつ前記走査期間は、画素の透過光量を決定するためのセレクトパルスが印加される選択期間と、この選択期間以前に反強誘電性液晶を一定の状態にセットするリセットパルスを印加するリセット期間と、選択期間で決定した透過光量を保持する非選択期間とを有し、
前記反強誘電性液晶は前記リセット期間において第1又は第2の強誘電性状態を有し、
前記セレクトパルスは0(V)又はリセットパルスとは逆極性のパルスに設定し、
さらに前記反強誘電性液晶は、前記非選択期間において反強誘電性状態又はリセット期間と同一の強誘電性状態に設定する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態における駆動方法の説明図である。
図2は、本発明の他の実施形態における駆動方法の説明図である。
図3は、本発明のさらに他の実施形態における駆動方法の説明図である。
図4は、本発明を実施する装置のブロック構成図である。
図5は、本発明を適用する反強誘電性液晶セルの断面構成図である。
図6は、本発明を適用する反強誘電性液晶セルと偏光板の構成図である。
図7は、本発明を適用する反強誘電性液晶の特性を示すヒステリシルカーブの説明図である。
図8は、本発明を適用する走査電極と信号電極の構成図である。
図9は、従来の駆動方法の説明図である。
図10(A),(B)は、従来の問題点を説明する図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明による反強誘電性液晶表示素子の駆動方法を説明する前に、本発明を適用する反強誘電性液晶セルの構成及び光透過率について図6、図7及び図8を用いて説明し、さらに図9及び図10を用いて従来の問題点を説明する。
周知の基礎的事実として、反強誘電性液晶の液晶分子は外部からの電界の変化によって円錐の側面上を添うように移動する。この円錐を液晶コーンと称するが、この液晶コーンは液晶セルの基板に対して垂直方向に配列され液晶セル内で層構造を形成している(図10参照)。また、反強誘電性液晶の液晶分子は自発分極を有しているが、同一の液晶層内では液晶分子の分子長軸方向は同一な方向に配列され、かつそれぞれの自発分極も上向きあるいは下向きの同一方向に配列されている。しかし、外部からの電界がゼロである場合は、隣合う層に注目すると、液晶分子の長軸方向は隣の層の分子長軸方向とは液晶コーンを180゜回転した位置となり、自発分極の向きも隣の層では180゜と異なる方向を示す。つまり、ある層の自発分極が上向きであれば、その両隣りの層の自発分極は下向きとなる。そして外部より反強誘電性液晶セルに基板面に対して垂直に電界を印加した場合には、この外部電界を打ち消す方向に全ての液晶分子は自発分極の向きを揃えるため、液晶コーンの側面上を移動する。そして自発分極の向きも全ての層で上向き、あるいは下向きの同一方向に統一される。
図6は本発明を適用する反強誘電性液晶セルと偏光板の構成図であって、反強誘電性液晶をディスプレイとして用いる場合の偏光板の配置を示す。図示のように、クロスニコルに偏光軸(矢印a,b参照)を合わせた偏光板61a及び61bの間に、どちらかの偏光板の偏光軸(図示では偏光軸b)と、無電界時に於ける分子の平均的な長軸方向(c)とがほぼ平行になるように液晶セル62を配置し、電圧を印加しない時には黒が、電圧を印加した時には白が表示できるようにしている。
図7は本発明を適用する反強誘電性液晶表示素子の光透過率−印加電圧特性を示すヒステリシルカーブの説明図であり、上述の構成の液晶セルに電圧を印加したとき、印加電圧に対する光透過率の変化をグラフにプロットしたものである。横軸は印加電圧(V)、縦軸は光透過率(又は透過光量、T)である。図示のように、電圧を印加し増加させて行くときに光透過率が変化し始める電圧をV1、光透過率の変化が飽和する電圧をV2、逆に飽和電圧V2から電圧を減少させていくときに光透過率が減少し始める電圧をV5とする。さらに逆極性の電圧を印加し、電圧の絶対値を増加させたときに光透過率が変化し始める電圧をV3、光透過率の変化が飽和する電圧をV4、逆に飽和電圧V4から電圧の絶対値を減少させたときに光透過率が変化し始める電圧をV6とする。
本グラフから明らかなように、印加電圧と光透過率はヒステリシスカーブを描いており、反強誘電性液晶分子に所定の電圧を印加した場合に、印加電圧がある閾値以上であれば、第1の強誘電性状態(第1の安定状態)を選択し、また印加電圧の極性を逆にすることによって第2の強誘電性状態(第2の安定状態)を選択し、さらにこれらの強誘電性状態に対して印加電圧(絶対値)がある閾値より低い場合には反強誘電性状態(第3の安定状態)を選択する。
図8は、本発明を適用する走査電極と信号電極の構成図であり、複数の走査電極と複数の信号電極を有するときの各電極の配置を表した例を示す。走査電極をそれぞれX1,X2,...,Xn,X480とし、信号電極はY1,Y2,...,Ym,X640とし、それぞれの走査電極と信号電極が交差する斜線部分が画素(A11〜Anm)である。画素(Anm)の駆動方法として、走査電極(Xn)及び信号電極(Ym)に電圧が印加され、それらの合成電圧波形が画素(Anm)を駆動する。
上述の構成を有する反強誘電性液晶パネルについて、従来の駆動方法とその問題点を以下に説明する。
図9は従来の駆動方法の説明図である。図中、OFF(B)は電圧無印加時で黒表示になることを示し、ON(W)は電圧印加時で白表示になることを示す。また、SC1は第1の走査期間、SC2は第2の走査期間を示す。そして、Rsはリセット期間、Seは選択期間、NSeは非選択期間を示す。
従来の駆動方法では、選択期間で、反強誘電性液晶が第1又は第2の強誘電性状態又は反強誘電性状態に選択され、その状態を次の非選択期間で保持させていた。つまり選択期間で印加したセレクトパルスによる透過光量をその後の非選択期間で保持させることにより表示を行っていた(図中の透過光量T参照)。
しかし、選択期間に印加されるセレクトパルスの直前で、反強誘電性液晶の分子状態が異なると、画素の透過光量を正確な所定の値にすることが難しく、そのためセレクトパルスを印加する前に、その画素の表示以前の状態にかかわらず、常に反強誘電性状態にリセットすることがしばしば行われてきた。
この反強誘電性状態にリセットする方法としては、従来、図9に示すようにリセット期間(Rs)内の電圧値を0Vにし、反強誘電性液晶自身の持つ粘性や弾性などの特性による自然緩和に基づいて反強誘電性状態にリセットする方法や、適当な印加電圧を印加して反強誘電性状態にリセットする方法がある。
しかしながら、前者の反強誘電性液晶分子の自然緩和によるリセット方法では、確実に反強誘電性状態にリセットすることができるが、リセット期間直前の画素の状態が第1又は第2の強誘電性状態のときには、リセットするために多くの時間が必要となり、画面の書き込み時間が遅くなってしまうという問題があった。
一方、後者の適当な電圧を印加し反強誘電性状態にリセットする方法では、リセット期間直前の状態が第1の強誘電性状態のときは−(マイナス)の極性の電圧を、第2の強誘電性状態のときには+(プラス)の極性の電圧をリセット期間に印加するが、印加する電圧が小さ過ぎると反強誘電性状態にリセットすることが出来ず、一方、印加する電圧が大き過ぎると反強誘電性状態を通り過ぎて、第1又は第2の強誘電性状態になってしまい、最適な印加電圧値の範囲が非常に狭いという問題があった。
このように従来の反強誘電性状態にリセットする方法では常に良好なリセットを行うことが困難であり、高速で高コントラストな表示を行うのが難しかった。
さらに、例えば、特開平5−100208号公報、及び本願発明者による特開平6−202078号公報には、上述した反強誘電性状態にリセットする方法に類似した技術であって、書込み時に反強誘電性液晶を強誘電性状態にリセットする方法が開示されている。
即ち、特開平5−100208号公報では、階調電圧を印加する前に強誘電性状態に転移するのに充分な電圧を印加し、液晶の応答性(立ち上がり速度)を高めている。しかし、本方法は反強誘電性液晶を強誘電性状態にする応答速度の向上を目的とするもので、反強誘電性状態へ転移させる駆動については開示も示唆されていない。
一方、特開平6−202078号公報では、走査期間内で反強誘電性液晶を強誘電性状態にリセットすることが開示されている。これは強誘電性状態と反強誘電性状態の層構造の違いを補正するために強誘電性状態にリセットするもので、その後の反強誘電性液晶の選択期間及び非選択期間での状態が規定されていない。そのため、本方法では反強誘電性液晶を強誘電性状態にリセットした後、白表示をするために選択期間でもう一方の強誘電性状態に転移させ、そのまま保持期間にてリセット期間とは異なる強誘電性状態を維持する駆動方法を開示している。
しかし、この駆動方法では選択期間にて別の強誘電性状態へ転移するのに充分なセレクトパルスを印加しなければならない。そのため、セレクトパルスの電圧やパルス幅を充分大きくとることが要求され、従って選択期間を長くとらなければならず、表示の高速性という点で改良が必要であった。
上述の問題点の他にさらに、反強誘電性液晶がガラス基板内で層構造を持ち、セル中央付近で層が折れ曲がっているが、この液晶層の折れ曲がりは外部より印加される電圧によって変形することが、例えばM.Johno et al,JJAP,Vol.29,JAN 1990にて報告されている。一般に反強誘電性液晶の閾値電圧はこの層の折れ角度に依存している。
本発明者は、この層の変形の容易さは液晶材料に依存しており、また層の変形の度合いは外部より印加される電圧や印加時間によって異なることを突き止めた。従って反強誘電性液晶表示において、同一の表示を長時間行った後、別の表示を行った場合に、以前の表示状態が表示画面上に残像として見える、いわゆる焼き付き現象も、この層変形の大きさが表示画素毎に異なるためと考えられている(特開昭6−202078号公報参照)。
図10は上述の従来の問題点を説明する図である。101はガラス基板、102a−102bは液晶層である。ONは白表示、OFFは黒表示である。(A)は同一画素内で白表示後に白表示を行った場合、(B)は同一画素内で黒表示後に白表示を行った場合である。同一表示を長時間行う場合に、白表示を行っている画素と黒表示を行っている画素では、画素に印加される一定時間内の電圧の大きさが異なる。このために図示のように、白表示を行っていた画素と、黒表示を行っていた画素とでは液晶層の折れ曲がり角度が異なる。即ち、(A)のように白表示から白表示に変化する場合には液晶層は変化しないが、(B)のように黒表示から白表示に変化する場合には液晶層の折れ曲がりが変化する。そして閾値電圧は液晶層の折れ角度に依存しているために閾値電圧も異なってくる。このことから、全ての画素に同一のパターンを書き込む場合(例えば全画面白表示、即ち全ての画素をONにする場合)、この書込み直前の各画素には白表示(ON)と黒表示(OFF)とが混在し、そのために画素毎に閾値電圧が異なるために閾値の低い画素が白表示になる電圧に設定すると、閾値の高い画素では前記の電圧では白表示にならず黒表示のままとなり、この閾値電圧が高い画素は以前も黒表示をしていた画素であり、あたかも以前のパターンが残像のように残って見えることになる。
このような残像を解消するためには表示状態にかかわらず、液晶層の折れ曲がり方を一定にする必要がある。駆動電圧を液晶に印加すると少なからず液晶層の折れ曲がり角度は小さくなる(層が立ってくる)。しかし上述のように、以前が白表示か黒表示かの表示状態によって、画素に印加される電圧は異なるために、液晶層の折れ曲がり角度も異なってしまう。
そこで本発明の目的は、上述の従来の反強誘電性状態にリセットする方法の問題点に鑑み、リセットパルスの電圧を広く選択でき、さらに連続駆動による液晶層構造の変化を補正し、液晶層構造の違いから起きる焼き付け現象を低減することによって、高速で高コントラストな表示を可能とした反強誘電性液晶素子の駆動方法を提供するものである。
以下に本発明の実施形態について説明する。
前述のように、高速でかつコントラストの高い駆動を実現するためにはリセット期間以降の駆動において、反強誘電性液晶の状態を規定することが望ましい。本発明の駆動方法では、リセット期間(Rs)で、必ず反強誘電性液晶分子が第1又は第2の強誘電性状態になる、あるいは少なくとも第1及び第2の強誘電性状態になるようにする。
例えばリセット期間で、反強誘電性液晶分子が第1又は第2の強誘電性状態から第2又は第1の強誘電性状態にスイッチングするために必要な閾値電圧以上の電圧を印加する。通常、この電圧は反強誘電性液晶分子が反強誘電性状態から、第1又は第2の強誘電性状態にスイッチングするために必要な電圧よりも大きい。そのために、閾値電圧以上の電圧を印加することによって液晶分子は必ず第1又は第2の強誘電性状態にスイッチングされる。この方法では閾値電圧以上の電圧であれば、電圧に制限はない。この方法によれば前述の従来の反強誘電性状態にリセットする方法に比べ、印加電圧の範囲が広くとれる。また、液晶本来の持つ特性による自然緩和によって反強誘電性状態にリセットする方法に比べて非常に高速にリセットすることができる。
また、選択期間に印加されるセレクトパルスは、0(V)又はリセットパルスと逆極性のパルスを印加する。これはリセット期間に第1又は第2の強誘電性状態となっている反強誘電性液晶分子を、選択期間内でリセット期間と同じ極性の強誘電性状態(白表示)にするか、又は反強誘電性状態(黒表示)にするかを決定するパルスである。
通常、前述の図7に示すように、反強誘電性液晶は、ある閾値電圧を超える電圧を印加したときは、反強誘電性状態から強誘電性状態へ、あるいは一方の強誘電性状態から他の強誘電性状態へ移行する。しかし、電圧を印加する時間が充分でないときは反強誘電性液晶に閾値電圧を超えた電圧を印加しても他の状態へ移行しない。移行するには充分な電圧と充分な印加時間との両方が必要である。例えば、リセット期間で第1又は第2の強誘電性状態であった反強誘電性液晶に、リセットパルスとは逆極性の大きなセレクトパルスを印加させても、選択期間を充分短くとれば、リセット期間で強誘電性状態だった反強誘電性液晶は逆極性の強誘電性状態に変化するまでには至らず反強誘電性状態に変化し、非選択期間でも反強誘電性状態を維持する。また、セレクトパルスに0(V)又はリセットパルスとは逆極性の小さなセレクトパルスを印加すると、選択期間が充分短いので、リセット期間で強誘電性状態であった反強誘電性液晶は反強誘電性状態に変化するまでに至らず、リセット期間と同極性の強誘電性状態がそのまま選択され、非選択期間でそれが維持される。
即ち、選択期間で反強誘電性状態か、又はもとの強誘電性状態かを決定するのは、印加時間と印加電圧との兼ね合いで決定される。よって、高速駆動を実現するために選択期間を短く固定すると、反強誘電性液晶の状態はセレクトパルスの電圧の大きさに依存する。このセレクトパルス電圧は使用する反強誘電性液晶材料等により変化するので、液晶材料、配向膜材料等の様々な要因を考慮し、電圧の大きさを決定することが必要である。
又、前述の図10で説明したように、同一表示を長時間行うと、白表示を行っている画素と黒表示を行っている画素では、画素に印加される一定時間内の電圧の大きさが異なる。このために白表示を行っていた画素と黒表示を行っていた画素とでは、液晶層の折れ曲がり角度が異なり、閾値電圧は液晶層の折れ角度に依存しているために閾値電圧も異り、同一の電圧を印加し白表示を行っても、画素によっては反強誘電性状態から強誘電性状態にスイッチングせず、あたかも以前のパターンが残像のように残って見える。この現象(残像)を解消するためには表示状態にかかわらず、液晶層の折れ曲がり方を一定にする必要がある。そこでこの残像現象をなくすため、表示状態にかかわらず、常に層の折れ曲がり角度を飽和状態(これ以上如何なる電圧値のパルスが印加されても層の折れ角度が変化しない状態)にする必要がある。
本発明者等はその後の研究の結果、より大きな電圧値で、さらに双極性のパルスを連続的にリセット期間に印加することによって、この様な層の折れ曲がり角度が飽和する状態に近付けることが判明した。
例えば第1及び第2の強誘電状態にするために必要な電圧のパルスを印加し、反強誘電性液晶を第1と第2の強誘電状態に交互にすることにより、液晶層の折れ曲がり角度はより飽和状態に近づく。駆動電圧波形のリセット期間内に、第1及び第2の強誘電状態にスイッチングするために十分な電圧の双極性パルスを印加すると、表示状態にかかわらず反強誘電性液晶の層の折れ角度は飽和する。よって、表示状態による層の折れ角度が異なることがなく、この結果、閾値電圧の変動は起きず、焼き付け現象が起こらない。
前述のように特開平6−202078号公報では、この液晶層構造の違いを補正することを目的として、全画素部の反強誘電性液晶を強誘電状態にリセットすることを行った。しかし、この駆動方法では第1又は第2の強誘電性状態のうち、いずれか一方の強誘電性状態にだけしかリセットしていなかった。本発明では、少なくとも第1及び第2の両方の強誘電状態にリセットすることによって、一方の状態にリセットするよりも、より効果的に層の折れ曲がり角度を補正することを可能とした。
後述する本発明による駆動方法は、反強誘電性液晶の状態を一回の書き込み毎にリセットし、書き込み毎の表示を安定させ、かつリセット期間に反強誘電性液晶を強誘電性状態にするため、リセットパルスの印加範囲を広くとることが可能である。また短い選択期間で、0(V)又はリセットパルスとは逆極性のセレクトパルスを印加することによって表示状態を決定するので、強誘電性状態又は反強誘電性状態のどちらの状態にでも良好に転移させ高速な表示が可能であり、さらに表示状態にかかわらず常に反強誘電性液晶の層構造に於いて液晶層の折れ角度が一定になるために、表示状態による閾値変動がなくなり焼き付き現象が低減される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。
図1に示す本発明の一実施形態における駆動方法の説明の前に、図5により本実施形態に用いた液晶パネル構成を説明する。本実施形態で用いた液晶パネルは約2μの厚さの反強誘電性液晶56を持つ一対のガラス基板53a及び53bにより構成されている。各ガラス基板の対向面には電極54a及び54bが形成されており、その上に高分子配向膜55a及び55bが塗布され、これらの表面は周知のラビング処理がなされている。
さらに一方のガラス基板53aの外側に偏光軸とラビング軸とが平行になるように第1の偏光板51aが設置されており、他方のガラス基板53bの外側には第1の偏光板51aの偏光軸と90゜異なるように(クロスニコル)、第2の偏光板51bが設置されている。52a、52bは上下のガラス基板を固定させるシール材である。
図1は本発明の一実施形態における駆動方法であり、白表示(ON(W))及び黒表示(OFF(B))を行う場合の走査電極(Xn)での波形、信号電極(Ym)での波形、及びそれらが交差した個所の画素(Anm)での合成駆動電圧波形、及びそれに応じた透過光量(T)の変化を示した図である。
本発明に用いた駆動波形ではリセット期間(Rs)を4位相、選択期間(Se)を2位相とした。1位相のパルス幅は50μsに設定し、1回の書き込みは第1及び第2の走査期間(SC1、SC2)で構成した。非選択期間(NSe)の時間は、選択期間に比べて著しく大きい約45msであり、走査電極には非選択期間にて4Vの保持電圧を印加した。この極性はリセット期間に印加される電圧と同一極性とした。
走査電極のリセット期間に印加されるパルスの波高値の最大絶対値は20Vとし、信号電極に印加される最大絶対値は4Vとした。黒表示を行うためには第1走査期間の画素に印加される合成電圧波形では、24Vが2位相印加され(リセットパルス)、反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態を示し、透過光量(T)はリセット期間では100%近くなったが、次の選択期間で、画素には−20Vが1位相だけ印加されるため(セレクトパルス)、反強誘電性液晶は逆極性の強誘電性状態までに至らず、反強誘電性状態が選択され、透過光量は0%となり黒表示が行われた。非選択期間では反強誘電性液晶は反強誘電性状態を保持している。リセット期間は観測者の視覚認識に必要な期間より充分短いため、表示は黒と視覚認定された。
また、白表示の場合には、同様にリセット期間の合成電圧波形(Anm)で24Vが2位相印加され(リセットパルス)、反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態を示し、透過光量(T)はリセット期間で100%近くなり、次の選択期間にて画素には−12Vが1位相だけ印加されるため(セレクトパルス)、反強誘電性液晶は反強誘電性状態までに至らず同一極性の強誘電性状態となり、透過光量(T)は100%近くなり白表示が行われた。非選択期間では反強誘電性液晶はリセット期間と同一極性の強誘電性状態を保持し白表示が行われた。
又、上述のように1回の書き込みで2つの走査期間(SC1、SC2)を設け、それぞれの電圧波形の極性は0Vに対して互いに対称とし交流化を図った。
従って、リセットパルスの印加範囲は広く、かつ反強誘電性液晶が強誘電性状態にリセットする時間も短くなった。また、このように黒表示及び白表示でも、選択期間を短くすることができ、どのような表示画面の場合でも良好な表示を高速で行うことが出来た。
図2は本発明の他の実施形態における駆動方法であり、図1と同様に、白表示(ON(W))及び黒表示(OFF(B))を行う場合の走査電極(Xn)での波形、信号電極(Ym)での波形、及びそれらが交差した個所の画素(Anm)での合成駆動電圧波形、及びそれに応じた透過光量(T)の変化を示した図である。本発明に用いた駆動波形ではリセット期間(Rs)を4位相、選択期間(Se)を2位相とした。上述と同様に1位相のパルス幅は50μsに設定し、1回の書き込みは2つの走査期間(SC1、SC2)から構成した。非選択期間(NSe)の時間は約45msであり、走査電極の波形には非選択期間に4Vの保持電圧を印加した。リセット期間に印加されるパルスは2位相で1パルスを構成しており極性がそれぞれ異なる2パルスが印加され、それぞれのパルスの極性は交互に反転している(即ち、2種類のリセットパルス)。また、リセット期間に印加される最後のパルスの電圧の極性と、非選択期間の保持電圧の極性を同一極性とした。
走査電極のリセット期間に印加されるパルスの波高値の最大絶対値は25Vとし、信号電極に印加される最大絶対値は4Vとした。黒表示を行うためには第1の走査期間の画素における合成電圧波形では、表示データに依存せずに必ず絶対値21V以上の2位相の電圧波形が正負交互に、つまり反強誘電性液晶を強誘電性状態にする電圧が合計4パルス印加され、この電圧波形によってリセット期間内では反強誘電性液晶は第2及び第1の強誘電性状態を示す。第1の強誘電状態の場合と第2の強誘電状態の場合の透過光量は等価であり、リセット期間中の透過率は変化がない。
選択期間直前のリセット期間に印加される電圧波形の極性は正極であるため、選択期間直前の反強誘電性液晶は第1の強誘電状態であり、透過光量(T)は100%近くなったが、次の選択期間で、画素には、−25Vが1位相だけ印加されるため(セレクトパルス)、反強誘電性液晶は逆極性の強誘電性状態まで至らず、反強誘電性状態が選択され、透過光量は0%となり、黒表示が行われた。非選択期間では反強誘電性液晶は反強誘電性状態を保持している。リセット期間は観測者の視覚認識に必要な期間より充分短いため、表示は黒と視覚認定された。
又、白表示の場合には、同様にリセット期間の画素には、表示状態に依存せずに必ず絶対値21V以上の2位相の電圧波形が正負交互に、つまり反強誘電性液晶を強誘電性状態にする極性の異なる2パルスが印加され、この電圧波形によって反強誘電性液晶は第2及び第1の強誘電性状態を示す。選択期間直前のリセット期間に印加される電圧波形の極性は正極で、反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態を示し、透過光量はリセット期間で100%近くなり、次の選択期間で、画素には、−17Vが1位相だけ印加されるため(セレクトパルス)、反強誘電性液晶は反強誘電性状態までに至らず同一極性の強誘電性状態となり、透過光量は100%近くなり白表示が行われた。非選択期間では反強誘電性液晶はリセット期間と同一極性の強誘電性状態を保持し、白表示が行われた。
図2の駆動方法に於いては、リセット期間に第1の強誘電状態と第2の強誘電状態の両方にスイッチングし、十分な電圧値の双極性パルスを連続して印加したため、反強誘電性液晶の層の折れ曲がり角度は表示画素に依存せずに飽和状態にすることが出来る。そのために表示状態による閾値電圧の違いを防ぐことが出来る。さらにリセットパルスの印加範囲は広く、かつ反強誘電性液晶が強誘電性状態にリセットする時間も短かった。また、このように黒表示及び白表示でも、選択期間を短くすることができ、どのような表示画面の場合でも良好な表示を高速で行うことが出来た。
ここで図2に示した実施例では、リセット期間に、反強誘電性液晶を第1の強誘電状態及び第2の強誘電状態にする期間を設けたが、その他、同リセット期間内に、反強誘電性状態にする期間を設けても、残像現象を解消する同様な効果が得られる。
また、本実施例では、走査電極と信号電極を複数有する駆動について示したが、例えば画素がスイッチング素子であるようなアクティブ素子を使用した駆動の場合でも、画素に印加される電圧波形が、本実施例のような合成電圧波形であれば充分に同じ効果が得られる。
図3は本発明のさらに他の実施形態における駆動方法の説明図である。この場合はリセット期間(Rs)に3種類のリセットパルスを使用する。3種類のリセットパルスとは、図示のようにリセット期間において、+29Vと、0Vと、−29Vの3種類を指す。リセット期間にて反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態と、第2の強誘電性状態と、反強誘電性状態をとるが、正負の2種類の極性が正、0、負の3種類の極性で示した以外は図2と全く同様なので詳細な説明を省略する。
図4は本発明を実施する装置のブロック構成図である。図中、41は液晶パネル46に表示されるデータを発生する表示データ発生源である。42は制御回路であり、表示データ発生源41からの表示データに基づいて、第1及び第2の走査期間の駆動波形を制御すべく走査側電極駆動回路45を制御し、かつ信号側電極駆動回路44を制御する。さらに、制御回路42は電源回路43から各電極への電源供給タイミングを制御する。
まず、表示データが制御回路42に入力され、制御回路42にて表示データに適応した、即ち、図1−図3の波形に適応した信号タイミングと電圧の大きさの情報を生成し、これを走査側電極駆動回路45及び信号側電極駆動回路44に入力する。そしてそれぞれの駆動回路の出力ピンから、制御回路42に基づいた信号のタイミングと大きさの電圧をそれぞれ反強誘電性液晶パネル46に出力する。
産業上の利用可能性
以上の実施例で述べたように、本発明の駆動方法及び装置を用いて、リセット期間に反強誘電性液晶を強誘電性状態にリセットすることにより、書き込みを行う画素を高速で良好なリセットを行い、さらに連続駆動による層構造の変化を補正し、液晶層構造の違いから起きる焼き付け現象を低減し、かつその後の反強誘電性液晶の状態を短い選択期間で決定することが可能なため、高速でコントラストの高い良好な表示を行うことが出来る。
本発明は、反強誘電性液晶を液晶層として用いマトリックス状の画素を有する反強誘電性液晶表示素子の駆動方法及び装置に関するものである。
背景技術
既に周知のように、双極子が互いの間の相互作用により自発的に向きを揃える自発分極を持ち、かつ外部電界を印加するとその自発分極の向きが反転する液晶を強誘電性液晶と称する。これに対して、隣接する液晶層の分子の双極子が自発分極を打ち消すように反平行に配列し、反強誘電性状態を示す液晶を反強誘電性液晶と称する。
近年、前者の強誘電性液晶については多くの研究と実用化が図られ、各種製品に応用されている。しかし、周知のように、まだ、表示画面の輝度、応答性、視野角度等で改良が望まれている。
一方、後者の反強誘電性液晶についても、例えば、特開平2−173724号公報において、従来のネマチック液晶に比べて広視野角を有すること、高速応答が可能なこと、マルチプレックス特性が良好なこと等が示唆されており、以来、各方面において活発な研究がなされている。
本発明は、後者の反強誘電性液晶を用いた表示素子の駆動方法を改良するものであり、本発明によれば、高速でコントラストの高い良質な表示画面を提供することができ、従って液晶表示パネルや液晶光シャッターアレイ等、広範囲に利用することができる。
発明の開示
本発明の目的は、反強誘電性液晶を用いた表示素子について、高速でコントラストの高い良質な表示画面を提供する駆動方法及び装置を提供することにある。
本発明によれば、一対の基板間に反強誘電性液晶を挟持し、この反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態と、第1の強誘電性状態とは逆極性の電圧を印加したときに強誘電性状態を示す第2の強誘電性状態と、反強誘電性状態とを有する。画素への一回の書き込みは少なくとも一つの走査期間からなり、この走査期間は画素の透過光量を決定するためのセレクトパルスを印加する選択期間と、この選択期間の前に反強誘電性液晶を一定の状態にセットするリセットパルスを印加するリセット期間と、この選択期間の後に選択期間で決定した透過光量を保持する非選択期間とを有する。
反強誘電性液晶はリセット期間では第1又は第2の強誘電性状態であり、選択期間ではセレクトパルスは0(V)又はリセットパルスとは逆極性のパルスであり、非選択期間では反強誘電性状態又はリセット期間と同一の強誘電性状態とする。
また、好適には、複数の走査電極と信号電極を有する反強誘電性液晶表示素子のときには、反強誘電性液晶はリセット期間では第1又は第2の強誘電性状態であり、選択期間ではセレクトパルスは0(V)又はリセットパルスとは逆極性のパルスであり、リセット期間に印加される走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される走査電極側の電圧波形の極性とを同一にする。
また、好適には、層構造の補正を行うためには、反強誘電性液晶が、同一リセット期間内に第1の強誘電性状態の期間と第2の強誘電性状態の期間とを有し、第1及び第2の強誘電性状態へ移行させるためには、反強誘電性液晶に同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態となる少なくとも2種類のリセットパルスを印加する。
また、好適には、反強誘電性液晶が、同一リセット期間内に第1の強誘電性状態の期間と、第2の強誘電性状態の期間と、反強誘電性状態の期間とをそれぞれ有するようにする。第1及び第2の強誘電性状態及び反強誘電性状態へ移行させるためには、反強誘電性液晶に、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態と、第2の強誘電性状態と、反強誘電性状態となる、少なくとも3種類のリセットパルスを印加する。
また、好適には、反強誘電性液晶は、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態となる少なくとも2種類のリセットパルスを印加し、セレクトパルスは0(V)又はリセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスであり、非選択期間では反強誘電性状態又は選択期間開始直前のリセット期間における強誘電性状態と同一の強誘電性状態にする。
また、好適には、複数の走査電極と信号電極を有する反強誘電性液晶表示素子では、反強誘電性液晶は、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態となる少なくとも2種類のリセットパルスを印加し、前記セレクトパルスは、0(V)又はリセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスであり、リセット期間の選択期間開始直前に印加されている走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される走査電極側の電圧波形の極性とを、同一にする。
また、好適には、反強誘電性液晶は、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態及び反強誘電性状態となる少なくとも3種類のリセットパルスが印加され、セレクトパルスは、0(V)又はリセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスであり、非選択期間では反強誘電性液晶は、反強誘電性状態又はリセット期間の選択期間開始直前における強誘電性状態と同一の強誘電性状態である。
また、好適には、複数の走査電極と信号電極とを有する反強誘電性液晶素子では、反強誘電性液晶は、同一リセット期間内で、第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態及び反強誘電性状態となる少なくとも3種類のリセットパルスが印加され、前記セレクトパルスは、0(V)又はリセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスであり、リセット期間の選択期間開始直前に印加されている走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される前記走査電極側の電圧波形の極性と同一にする。
また、好適には、前後する走査期間の電圧波形が0Vに対して互いに対称であるようにする。
また、本発明の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置によれば、表示データを発生する手段と、走査側電極を駆動する駆動手段と、信号側電極を駆動する駆動手段と、前記画素に所定電圧を供給する電源手段と、前記表示データを受け、該表示データに適応した信号タイミングと電圧値を作成し、前記走査側電極駆動手段と前記信号側電極駆動手段とに供給する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
画素への一回の書き込みは少なくとも一つの走査期間にて行われ、かつ前記走査期間は、画素の透過光量を決定するためのセレクトパルスが印加される選択期間と、この選択期間以前に反強誘電性液晶を一定の状態にセットするリセットパルスを印加するリセット期間と、選択期間で決定した透過光量を保持する非選択期間とを有し、
前記反強誘電性液晶は前記リセット期間において第1又は第2の強誘電性状態を有し、
前記セレクトパルスは0(V)又はリセットパルスとは逆極性のパルスに設定し、
さらに前記反強誘電性液晶は、前記非選択期間において反強誘電性状態又はリセット期間と同一の強誘電性状態に設定する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態における駆動方法の説明図である。
図2は、本発明の他の実施形態における駆動方法の説明図である。
図3は、本発明のさらに他の実施形態における駆動方法の説明図である。
図4は、本発明を実施する装置のブロック構成図である。
図5は、本発明を適用する反強誘電性液晶セルの断面構成図である。
図6は、本発明を適用する反強誘電性液晶セルと偏光板の構成図である。
図7は、本発明を適用する反強誘電性液晶の特性を示すヒステリシルカーブの説明図である。
図8は、本発明を適用する走査電極と信号電極の構成図である。
図9は、従来の駆動方法の説明図である。
図10(A),(B)は、従来の問題点を説明する図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明による反強誘電性液晶表示素子の駆動方法を説明する前に、本発明を適用する反強誘電性液晶セルの構成及び光透過率について図6、図7及び図8を用いて説明し、さらに図9及び図10を用いて従来の問題点を説明する。
周知の基礎的事実として、反強誘電性液晶の液晶分子は外部からの電界の変化によって円錐の側面上を添うように移動する。この円錐を液晶コーンと称するが、この液晶コーンは液晶セルの基板に対して垂直方向に配列され液晶セル内で層構造を形成している(図10参照)。また、反強誘電性液晶の液晶分子は自発分極を有しているが、同一の液晶層内では液晶分子の分子長軸方向は同一な方向に配列され、かつそれぞれの自発分極も上向きあるいは下向きの同一方向に配列されている。しかし、外部からの電界がゼロである場合は、隣合う層に注目すると、液晶分子の長軸方向は隣の層の分子長軸方向とは液晶コーンを180゜回転した位置となり、自発分極の向きも隣の層では180゜と異なる方向を示す。つまり、ある層の自発分極が上向きであれば、その両隣りの層の自発分極は下向きとなる。そして外部より反強誘電性液晶セルに基板面に対して垂直に電界を印加した場合には、この外部電界を打ち消す方向に全ての液晶分子は自発分極の向きを揃えるため、液晶コーンの側面上を移動する。そして自発分極の向きも全ての層で上向き、あるいは下向きの同一方向に統一される。
図6は本発明を適用する反強誘電性液晶セルと偏光板の構成図であって、反強誘電性液晶をディスプレイとして用いる場合の偏光板の配置を示す。図示のように、クロスニコルに偏光軸(矢印a,b参照)を合わせた偏光板61a及び61bの間に、どちらかの偏光板の偏光軸(図示では偏光軸b)と、無電界時に於ける分子の平均的な長軸方向(c)とがほぼ平行になるように液晶セル62を配置し、電圧を印加しない時には黒が、電圧を印加した時には白が表示できるようにしている。
図7は本発明を適用する反強誘電性液晶表示素子の光透過率−印加電圧特性を示すヒステリシルカーブの説明図であり、上述の構成の液晶セルに電圧を印加したとき、印加電圧に対する光透過率の変化をグラフにプロットしたものである。横軸は印加電圧(V)、縦軸は光透過率(又は透過光量、T)である。図示のように、電圧を印加し増加させて行くときに光透過率が変化し始める電圧をV1、光透過率の変化が飽和する電圧をV2、逆に飽和電圧V2から電圧を減少させていくときに光透過率が減少し始める電圧をV5とする。さらに逆極性の電圧を印加し、電圧の絶対値を増加させたときに光透過率が変化し始める電圧をV3、光透過率の変化が飽和する電圧をV4、逆に飽和電圧V4から電圧の絶対値を減少させたときに光透過率が変化し始める電圧をV6とする。
本グラフから明らかなように、印加電圧と光透過率はヒステリシスカーブを描いており、反強誘電性液晶分子に所定の電圧を印加した場合に、印加電圧がある閾値以上であれば、第1の強誘電性状態(第1の安定状態)を選択し、また印加電圧の極性を逆にすることによって第2の強誘電性状態(第2の安定状態)を選択し、さらにこれらの強誘電性状態に対して印加電圧(絶対値)がある閾値より低い場合には反強誘電性状態(第3の安定状態)を選択する。
図8は、本発明を適用する走査電極と信号電極の構成図であり、複数の走査電極と複数の信号電極を有するときの各電極の配置を表した例を示す。走査電極をそれぞれX1,X2,...,Xn,X480とし、信号電極はY1,Y2,...,Ym,X640とし、それぞれの走査電極と信号電極が交差する斜線部分が画素(A11〜Anm)である。画素(Anm)の駆動方法として、走査電極(Xn)及び信号電極(Ym)に電圧が印加され、それらの合成電圧波形が画素(Anm)を駆動する。
上述の構成を有する反強誘電性液晶パネルについて、従来の駆動方法とその問題点を以下に説明する。
図9は従来の駆動方法の説明図である。図中、OFF(B)は電圧無印加時で黒表示になることを示し、ON(W)は電圧印加時で白表示になることを示す。また、SC1は第1の走査期間、SC2は第2の走査期間を示す。そして、Rsはリセット期間、Seは選択期間、NSeは非選択期間を示す。
従来の駆動方法では、選択期間で、反強誘電性液晶が第1又は第2の強誘電性状態又は反強誘電性状態に選択され、その状態を次の非選択期間で保持させていた。つまり選択期間で印加したセレクトパルスによる透過光量をその後の非選択期間で保持させることにより表示を行っていた(図中の透過光量T参照)。
しかし、選択期間に印加されるセレクトパルスの直前で、反強誘電性液晶の分子状態が異なると、画素の透過光量を正確な所定の値にすることが難しく、そのためセレクトパルスを印加する前に、その画素の表示以前の状態にかかわらず、常に反強誘電性状態にリセットすることがしばしば行われてきた。
この反強誘電性状態にリセットする方法としては、従来、図9に示すようにリセット期間(Rs)内の電圧値を0Vにし、反強誘電性液晶自身の持つ粘性や弾性などの特性による自然緩和に基づいて反強誘電性状態にリセットする方法や、適当な印加電圧を印加して反強誘電性状態にリセットする方法がある。
しかしながら、前者の反強誘電性液晶分子の自然緩和によるリセット方法では、確実に反強誘電性状態にリセットすることができるが、リセット期間直前の画素の状態が第1又は第2の強誘電性状態のときには、リセットするために多くの時間が必要となり、画面の書き込み時間が遅くなってしまうという問題があった。
一方、後者の適当な電圧を印加し反強誘電性状態にリセットする方法では、リセット期間直前の状態が第1の強誘電性状態のときは−(マイナス)の極性の電圧を、第2の強誘電性状態のときには+(プラス)の極性の電圧をリセット期間に印加するが、印加する電圧が小さ過ぎると反強誘電性状態にリセットすることが出来ず、一方、印加する電圧が大き過ぎると反強誘電性状態を通り過ぎて、第1又は第2の強誘電性状態になってしまい、最適な印加電圧値の範囲が非常に狭いという問題があった。
このように従来の反強誘電性状態にリセットする方法では常に良好なリセットを行うことが困難であり、高速で高コントラストな表示を行うのが難しかった。
さらに、例えば、特開平5−100208号公報、及び本願発明者による特開平6−202078号公報には、上述した反強誘電性状態にリセットする方法に類似した技術であって、書込み時に反強誘電性液晶を強誘電性状態にリセットする方法が開示されている。
即ち、特開平5−100208号公報では、階調電圧を印加する前に強誘電性状態に転移するのに充分な電圧を印加し、液晶の応答性(立ち上がり速度)を高めている。しかし、本方法は反強誘電性液晶を強誘電性状態にする応答速度の向上を目的とするもので、反強誘電性状態へ転移させる駆動については開示も示唆されていない。
一方、特開平6−202078号公報では、走査期間内で反強誘電性液晶を強誘電性状態にリセットすることが開示されている。これは強誘電性状態と反強誘電性状態の層構造の違いを補正するために強誘電性状態にリセットするもので、その後の反強誘電性液晶の選択期間及び非選択期間での状態が規定されていない。そのため、本方法では反強誘電性液晶を強誘電性状態にリセットした後、白表示をするために選択期間でもう一方の強誘電性状態に転移させ、そのまま保持期間にてリセット期間とは異なる強誘電性状態を維持する駆動方法を開示している。
しかし、この駆動方法では選択期間にて別の強誘電性状態へ転移するのに充分なセレクトパルスを印加しなければならない。そのため、セレクトパルスの電圧やパルス幅を充分大きくとることが要求され、従って選択期間を長くとらなければならず、表示の高速性という点で改良が必要であった。
上述の問題点の他にさらに、反強誘電性液晶がガラス基板内で層構造を持ち、セル中央付近で層が折れ曲がっているが、この液晶層の折れ曲がりは外部より印加される電圧によって変形することが、例えばM.Johno et al,JJAP,Vol.29,JAN 1990にて報告されている。一般に反強誘電性液晶の閾値電圧はこの層の折れ角度に依存している。
本発明者は、この層の変形の容易さは液晶材料に依存しており、また層の変形の度合いは外部より印加される電圧や印加時間によって異なることを突き止めた。従って反強誘電性液晶表示において、同一の表示を長時間行った後、別の表示を行った場合に、以前の表示状態が表示画面上に残像として見える、いわゆる焼き付き現象も、この層変形の大きさが表示画素毎に異なるためと考えられている(特開昭6−202078号公報参照)。
図10は上述の従来の問題点を説明する図である。101はガラス基板、102a−102bは液晶層である。ONは白表示、OFFは黒表示である。(A)は同一画素内で白表示後に白表示を行った場合、(B)は同一画素内で黒表示後に白表示を行った場合である。同一表示を長時間行う場合に、白表示を行っている画素と黒表示を行っている画素では、画素に印加される一定時間内の電圧の大きさが異なる。このために図示のように、白表示を行っていた画素と、黒表示を行っていた画素とでは液晶層の折れ曲がり角度が異なる。即ち、(A)のように白表示から白表示に変化する場合には液晶層は変化しないが、(B)のように黒表示から白表示に変化する場合には液晶層の折れ曲がりが変化する。そして閾値電圧は液晶層の折れ角度に依存しているために閾値電圧も異なってくる。このことから、全ての画素に同一のパターンを書き込む場合(例えば全画面白表示、即ち全ての画素をONにする場合)、この書込み直前の各画素には白表示(ON)と黒表示(OFF)とが混在し、そのために画素毎に閾値電圧が異なるために閾値の低い画素が白表示になる電圧に設定すると、閾値の高い画素では前記の電圧では白表示にならず黒表示のままとなり、この閾値電圧が高い画素は以前も黒表示をしていた画素であり、あたかも以前のパターンが残像のように残って見えることになる。
このような残像を解消するためには表示状態にかかわらず、液晶層の折れ曲がり方を一定にする必要がある。駆動電圧を液晶に印加すると少なからず液晶層の折れ曲がり角度は小さくなる(層が立ってくる)。しかし上述のように、以前が白表示か黒表示かの表示状態によって、画素に印加される電圧は異なるために、液晶層の折れ曲がり角度も異なってしまう。
そこで本発明の目的は、上述の従来の反強誘電性状態にリセットする方法の問題点に鑑み、リセットパルスの電圧を広く選択でき、さらに連続駆動による液晶層構造の変化を補正し、液晶層構造の違いから起きる焼き付け現象を低減することによって、高速で高コントラストな表示を可能とした反強誘電性液晶素子の駆動方法を提供するものである。
以下に本発明の実施形態について説明する。
前述のように、高速でかつコントラストの高い駆動を実現するためにはリセット期間以降の駆動において、反強誘電性液晶の状態を規定することが望ましい。本発明の駆動方法では、リセット期間(Rs)で、必ず反強誘電性液晶分子が第1又は第2の強誘電性状態になる、あるいは少なくとも第1及び第2の強誘電性状態になるようにする。
例えばリセット期間で、反強誘電性液晶分子が第1又は第2の強誘電性状態から第2又は第1の強誘電性状態にスイッチングするために必要な閾値電圧以上の電圧を印加する。通常、この電圧は反強誘電性液晶分子が反強誘電性状態から、第1又は第2の強誘電性状態にスイッチングするために必要な電圧よりも大きい。そのために、閾値電圧以上の電圧を印加することによって液晶分子は必ず第1又は第2の強誘電性状態にスイッチングされる。この方法では閾値電圧以上の電圧であれば、電圧に制限はない。この方法によれば前述の従来の反強誘電性状態にリセットする方法に比べ、印加電圧の範囲が広くとれる。また、液晶本来の持つ特性による自然緩和によって反強誘電性状態にリセットする方法に比べて非常に高速にリセットすることができる。
また、選択期間に印加されるセレクトパルスは、0(V)又はリセットパルスと逆極性のパルスを印加する。これはリセット期間に第1又は第2の強誘電性状態となっている反強誘電性液晶分子を、選択期間内でリセット期間と同じ極性の強誘電性状態(白表示)にするか、又は反強誘電性状態(黒表示)にするかを決定するパルスである。
通常、前述の図7に示すように、反強誘電性液晶は、ある閾値電圧を超える電圧を印加したときは、反強誘電性状態から強誘電性状態へ、あるいは一方の強誘電性状態から他の強誘電性状態へ移行する。しかし、電圧を印加する時間が充分でないときは反強誘電性液晶に閾値電圧を超えた電圧を印加しても他の状態へ移行しない。移行するには充分な電圧と充分な印加時間との両方が必要である。例えば、リセット期間で第1又は第2の強誘電性状態であった反強誘電性液晶に、リセットパルスとは逆極性の大きなセレクトパルスを印加させても、選択期間を充分短くとれば、リセット期間で強誘電性状態だった反強誘電性液晶は逆極性の強誘電性状態に変化するまでには至らず反強誘電性状態に変化し、非選択期間でも反強誘電性状態を維持する。また、セレクトパルスに0(V)又はリセットパルスとは逆極性の小さなセレクトパルスを印加すると、選択期間が充分短いので、リセット期間で強誘電性状態であった反強誘電性液晶は反強誘電性状態に変化するまでに至らず、リセット期間と同極性の強誘電性状態がそのまま選択され、非選択期間でそれが維持される。
即ち、選択期間で反強誘電性状態か、又はもとの強誘電性状態かを決定するのは、印加時間と印加電圧との兼ね合いで決定される。よって、高速駆動を実現するために選択期間を短く固定すると、反強誘電性液晶の状態はセレクトパルスの電圧の大きさに依存する。このセレクトパルス電圧は使用する反強誘電性液晶材料等により変化するので、液晶材料、配向膜材料等の様々な要因を考慮し、電圧の大きさを決定することが必要である。
又、前述の図10で説明したように、同一表示を長時間行うと、白表示を行っている画素と黒表示を行っている画素では、画素に印加される一定時間内の電圧の大きさが異なる。このために白表示を行っていた画素と黒表示を行っていた画素とでは、液晶層の折れ曲がり角度が異なり、閾値電圧は液晶層の折れ角度に依存しているために閾値電圧も異り、同一の電圧を印加し白表示を行っても、画素によっては反強誘電性状態から強誘電性状態にスイッチングせず、あたかも以前のパターンが残像のように残って見える。この現象(残像)を解消するためには表示状態にかかわらず、液晶層の折れ曲がり方を一定にする必要がある。そこでこの残像現象をなくすため、表示状態にかかわらず、常に層の折れ曲がり角度を飽和状態(これ以上如何なる電圧値のパルスが印加されても層の折れ角度が変化しない状態)にする必要がある。
本発明者等はその後の研究の結果、より大きな電圧値で、さらに双極性のパルスを連続的にリセット期間に印加することによって、この様な層の折れ曲がり角度が飽和する状態に近付けることが判明した。
例えば第1及び第2の強誘電状態にするために必要な電圧のパルスを印加し、反強誘電性液晶を第1と第2の強誘電状態に交互にすることにより、液晶層の折れ曲がり角度はより飽和状態に近づく。駆動電圧波形のリセット期間内に、第1及び第2の強誘電状態にスイッチングするために十分な電圧の双極性パルスを印加すると、表示状態にかかわらず反強誘電性液晶の層の折れ角度は飽和する。よって、表示状態による層の折れ角度が異なることがなく、この結果、閾値電圧の変動は起きず、焼き付け現象が起こらない。
前述のように特開平6−202078号公報では、この液晶層構造の違いを補正することを目的として、全画素部の反強誘電性液晶を強誘電状態にリセットすることを行った。しかし、この駆動方法では第1又は第2の強誘電性状態のうち、いずれか一方の強誘電性状態にだけしかリセットしていなかった。本発明では、少なくとも第1及び第2の両方の強誘電状態にリセットすることによって、一方の状態にリセットするよりも、より効果的に層の折れ曲がり角度を補正することを可能とした。
後述する本発明による駆動方法は、反強誘電性液晶の状態を一回の書き込み毎にリセットし、書き込み毎の表示を安定させ、かつリセット期間に反強誘電性液晶を強誘電性状態にするため、リセットパルスの印加範囲を広くとることが可能である。また短い選択期間で、0(V)又はリセットパルスとは逆極性のセレクトパルスを印加することによって表示状態を決定するので、強誘電性状態又は反強誘電性状態のどちらの状態にでも良好に転移させ高速な表示が可能であり、さらに表示状態にかかわらず常に反強誘電性液晶の層構造に於いて液晶層の折れ角度が一定になるために、表示状態による閾値変動がなくなり焼き付き現象が低減される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいてさらに詳細に説明する。
図1に示す本発明の一実施形態における駆動方法の説明の前に、図5により本実施形態に用いた液晶パネル構成を説明する。本実施形態で用いた液晶パネルは約2μの厚さの反強誘電性液晶56を持つ一対のガラス基板53a及び53bにより構成されている。各ガラス基板の対向面には電極54a及び54bが形成されており、その上に高分子配向膜55a及び55bが塗布され、これらの表面は周知のラビング処理がなされている。
さらに一方のガラス基板53aの外側に偏光軸とラビング軸とが平行になるように第1の偏光板51aが設置されており、他方のガラス基板53bの外側には第1の偏光板51aの偏光軸と90゜異なるように(クロスニコル)、第2の偏光板51bが設置されている。52a、52bは上下のガラス基板を固定させるシール材である。
図1は本発明の一実施形態における駆動方法であり、白表示(ON(W))及び黒表示(OFF(B))を行う場合の走査電極(Xn)での波形、信号電極(Ym)での波形、及びそれらが交差した個所の画素(Anm)での合成駆動電圧波形、及びそれに応じた透過光量(T)の変化を示した図である。
本発明に用いた駆動波形ではリセット期間(Rs)を4位相、選択期間(Se)を2位相とした。1位相のパルス幅は50μsに設定し、1回の書き込みは第1及び第2の走査期間(SC1、SC2)で構成した。非選択期間(NSe)の時間は、選択期間に比べて著しく大きい約45msであり、走査電極には非選択期間にて4Vの保持電圧を印加した。この極性はリセット期間に印加される電圧と同一極性とした。
走査電極のリセット期間に印加されるパルスの波高値の最大絶対値は20Vとし、信号電極に印加される最大絶対値は4Vとした。黒表示を行うためには第1走査期間の画素に印加される合成電圧波形では、24Vが2位相印加され(リセットパルス)、反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態を示し、透過光量(T)はリセット期間では100%近くなったが、次の選択期間で、画素には−20Vが1位相だけ印加されるため(セレクトパルス)、反強誘電性液晶は逆極性の強誘電性状態までに至らず、反強誘電性状態が選択され、透過光量は0%となり黒表示が行われた。非選択期間では反強誘電性液晶は反強誘電性状態を保持している。リセット期間は観測者の視覚認識に必要な期間より充分短いため、表示は黒と視覚認定された。
また、白表示の場合には、同様にリセット期間の合成電圧波形(Anm)で24Vが2位相印加され(リセットパルス)、反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態を示し、透過光量(T)はリセット期間で100%近くなり、次の選択期間にて画素には−12Vが1位相だけ印加されるため(セレクトパルス)、反強誘電性液晶は反強誘電性状態までに至らず同一極性の強誘電性状態となり、透過光量(T)は100%近くなり白表示が行われた。非選択期間では反強誘電性液晶はリセット期間と同一極性の強誘電性状態を保持し白表示が行われた。
又、上述のように1回の書き込みで2つの走査期間(SC1、SC2)を設け、それぞれの電圧波形の極性は0Vに対して互いに対称とし交流化を図った。
従って、リセットパルスの印加範囲は広く、かつ反強誘電性液晶が強誘電性状態にリセットする時間も短くなった。また、このように黒表示及び白表示でも、選択期間を短くすることができ、どのような表示画面の場合でも良好な表示を高速で行うことが出来た。
図2は本発明の他の実施形態における駆動方法であり、図1と同様に、白表示(ON(W))及び黒表示(OFF(B))を行う場合の走査電極(Xn)での波形、信号電極(Ym)での波形、及びそれらが交差した個所の画素(Anm)での合成駆動電圧波形、及びそれに応じた透過光量(T)の変化を示した図である。本発明に用いた駆動波形ではリセット期間(Rs)を4位相、選択期間(Se)を2位相とした。上述と同様に1位相のパルス幅は50μsに設定し、1回の書き込みは2つの走査期間(SC1、SC2)から構成した。非選択期間(NSe)の時間は約45msであり、走査電極の波形には非選択期間に4Vの保持電圧を印加した。リセット期間に印加されるパルスは2位相で1パルスを構成しており極性がそれぞれ異なる2パルスが印加され、それぞれのパルスの極性は交互に反転している(即ち、2種類のリセットパルス)。また、リセット期間に印加される最後のパルスの電圧の極性と、非選択期間の保持電圧の極性を同一極性とした。
走査電極のリセット期間に印加されるパルスの波高値の最大絶対値は25Vとし、信号電極に印加される最大絶対値は4Vとした。黒表示を行うためには第1の走査期間の画素における合成電圧波形では、表示データに依存せずに必ず絶対値21V以上の2位相の電圧波形が正負交互に、つまり反強誘電性液晶を強誘電性状態にする電圧が合計4パルス印加され、この電圧波形によってリセット期間内では反強誘電性液晶は第2及び第1の強誘電性状態を示す。第1の強誘電状態の場合と第2の強誘電状態の場合の透過光量は等価であり、リセット期間中の透過率は変化がない。
選択期間直前のリセット期間に印加される電圧波形の極性は正極であるため、選択期間直前の反強誘電性液晶は第1の強誘電状態であり、透過光量(T)は100%近くなったが、次の選択期間で、画素には、−25Vが1位相だけ印加されるため(セレクトパルス)、反強誘電性液晶は逆極性の強誘電性状態まで至らず、反強誘電性状態が選択され、透過光量は0%となり、黒表示が行われた。非選択期間では反強誘電性液晶は反強誘電性状態を保持している。リセット期間は観測者の視覚認識に必要な期間より充分短いため、表示は黒と視覚認定された。
又、白表示の場合には、同様にリセット期間の画素には、表示状態に依存せずに必ず絶対値21V以上の2位相の電圧波形が正負交互に、つまり反強誘電性液晶を強誘電性状態にする極性の異なる2パルスが印加され、この電圧波形によって反強誘電性液晶は第2及び第1の強誘電性状態を示す。選択期間直前のリセット期間に印加される電圧波形の極性は正極で、反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態を示し、透過光量はリセット期間で100%近くなり、次の選択期間で、画素には、−17Vが1位相だけ印加されるため(セレクトパルス)、反強誘電性液晶は反強誘電性状態までに至らず同一極性の強誘電性状態となり、透過光量は100%近くなり白表示が行われた。非選択期間では反強誘電性液晶はリセット期間と同一極性の強誘電性状態を保持し、白表示が行われた。
図2の駆動方法に於いては、リセット期間に第1の強誘電状態と第2の強誘電状態の両方にスイッチングし、十分な電圧値の双極性パルスを連続して印加したため、反強誘電性液晶の層の折れ曲がり角度は表示画素に依存せずに飽和状態にすることが出来る。そのために表示状態による閾値電圧の違いを防ぐことが出来る。さらにリセットパルスの印加範囲は広く、かつ反強誘電性液晶が強誘電性状態にリセットする時間も短かった。また、このように黒表示及び白表示でも、選択期間を短くすることができ、どのような表示画面の場合でも良好な表示を高速で行うことが出来た。
ここで図2に示した実施例では、リセット期間に、反強誘電性液晶を第1の強誘電状態及び第2の強誘電状態にする期間を設けたが、その他、同リセット期間内に、反強誘電性状態にする期間を設けても、残像現象を解消する同様な効果が得られる。
また、本実施例では、走査電極と信号電極を複数有する駆動について示したが、例えば画素がスイッチング素子であるようなアクティブ素子を使用した駆動の場合でも、画素に印加される電圧波形が、本実施例のような合成電圧波形であれば充分に同じ効果が得られる。
図3は本発明のさらに他の実施形態における駆動方法の説明図である。この場合はリセット期間(Rs)に3種類のリセットパルスを使用する。3種類のリセットパルスとは、図示のようにリセット期間において、+29Vと、0Vと、−29Vの3種類を指す。リセット期間にて反強誘電性液晶は第1の強誘電性状態と、第2の強誘電性状態と、反強誘電性状態をとるが、正負の2種類の極性が正、0、負の3種類の極性で示した以外は図2と全く同様なので詳細な説明を省略する。
図4は本発明を実施する装置のブロック構成図である。図中、41は液晶パネル46に表示されるデータを発生する表示データ発生源である。42は制御回路であり、表示データ発生源41からの表示データに基づいて、第1及び第2の走査期間の駆動波形を制御すべく走査側電極駆動回路45を制御し、かつ信号側電極駆動回路44を制御する。さらに、制御回路42は電源回路43から各電極への電源供給タイミングを制御する。
まず、表示データが制御回路42に入力され、制御回路42にて表示データに適応した、即ち、図1−図3の波形に適応した信号タイミングと電圧の大きさの情報を生成し、これを走査側電極駆動回路45及び信号側電極駆動回路44に入力する。そしてそれぞれの駆動回路の出力ピンから、制御回路42に基づいた信号のタイミングと大きさの電圧をそれぞれ反強誘電性液晶パネル46に出力する。
産業上の利用可能性
以上の実施例で述べたように、本発明の駆動方法及び装置を用いて、リセット期間に反強誘電性液晶を強誘電性状態にリセットすることにより、書き込みを行う画素を高速で良好なリセットを行い、さらに連続駆動による層構造の変化を補正し、液晶層構造の違いから起きる焼き付け現象を低減し、かつその後の反強誘電性液晶の状態を短い選択期間で決定することが可能なため、高速でコントラストの高い良好な表示を行うことが出来る。
Claims (18)
- 画素を有する一対の基板間に反強誘電性液晶を挟持した反強誘電性液晶表示素子の駆動方法であって、
前記反強誘電性液晶は、第1の強誘電性状態と、第1の強誘電性状態とは逆極性の電圧を印加したときに強誘電性状態を示す第2の強誘電性状態と、反強誘電性状態とを有し、
画素への一回の書き込みは少なくとも一つの走査期間にて行われ、
前記走査期間は、画素の透過光量を決定するためのセレクトパルスが印加される選択期間と、この選択期間以前に反強誘電性液晶を一定の状態にセットするリセットパルスを印加するリセット期間と、選択期間で決定した透過光量を保持する非選択期間とを有するように設定し、
前記反強誘電性液晶は前記リセット期間において第1又は第2の強誘電性状態に設定し、
前記セレクトパルス0(V)又はリセットパルスとは逆極性のパルスに設定し、
さらに前記反強誘電性液晶は、前記非選択期間において反強誘電性状態又はリセット期間と同一の強誘電性状態に設定することを特徴とする、反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。 - 前記一対の基板間の対向面にそれぞれ走査電極と信号電極とを有し、
前記リセット期間に印加される前記走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される前記走査電極側の電圧波形の極性とを同一に設定することを特徴とする、請求項1に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。 - 画素を有する一対の基板間に反強誘電性液晶を挟持した反強誘電性液晶表示素子の駆動方法であって、
前記反強誘電性液晶は、第1の強誘電性状態と、第1の強誘電性状態とは逆極性の電圧を印加したときに強誘電性状態を示す第2の強誘電性状態と、反強誘電性状態とを有し、
画素への一回の書き込みは少なくとも一つの走査期間にて行われ、
前記走査期間は、画素の透過光量を決定するためのセレクトパルスが印加される選択期間と、この選択期間以前に反強誘電性液晶を一定の状態にセットするリセットパルスを印加するリセット期間と、選択期間で決定した透過光量を保持する非選択期間とを有するように設定し、
前記反強誘電性液晶は、同一リセット期間内に、第1の強誘電性状態である期間と第2の強誘電性状態である期間とが存在するように設定することを特徴とする、反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。 - 前記同一リセット期間内に、前記反強誘電性液晶が第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態となる、少なくとも2種類のリセットパルスを印加することを特徴とする、請求項3に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。
- 前記反強誘電性液晶は、前記同一リセット期間内に、反強誘電性状態である期間がさらに存在するように設定することを特徴とする、請求項3に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。
- 前記同一リセット期間内に、前記反強誘電性液晶が第1の強誘電性状態、第2の強誘電性状態及び反強誘電性状態となる、少なくとも3種類のリセットパルスを印加することを特徴とする、請求項5に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。
- 前記セレクトパルスは、0(V)又は前記リセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスに設定し、
前記反強誘電性液晶は、前記非選択期間において反強誘電性状態、又は選択期間開始直前のリセット期間における強誘電性状態と同一の強誘電性状態に設定することを特徴とする、請求項3−6のいずれか1項に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。 - 前記一対の基板間の対向面にそれぞれ走査電極と信号電極とを有し、
前記セレクトパルスは、0(V)又は前記リセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスに設定し、
前記リセット期間の前記選択期間開始直前に印加されている前記走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される前記走査電極側の電圧波形の極性とを同一に設定することを特徴とする、請求項3−7のいずれか1項に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。 - 前後する走査期間の電圧波形が0(V)に対して互いに対称であることを特徴とする、請求項1−8のいずれか1項に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動方法。
- 画素を有する一対の基板間に反強誘電性液晶を挟持した反強誘電性液晶表示素子の駆動装置であって、
表示データを発生する手段と、
走査側電極を駆動する駆動手段と、
信号側電極を駆動する駆動手段と、
前記画素に所定電圧を供給する電源手段と、
前記表示データを受け、該表示データに適応した信号タイミングと電圧値を作成し、前記走査側電極駆動手段と前記信号側電極駆動手段とに供給する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
画素への一回の書き込みは少なくとも一つの走査期間にて行われ、かつ前記走査期間は、画素の透過光量を決定するためのセレクトパルスが印加される選択期間と、この選択期間以前に反強誘電性液晶を一定の状態にセットするリセットパルスを印加するリセット期間と、選択期間で決定した透過光量を保持する非選択期間とを有するように設定し、
前記反強誘電性液晶は前記リセット期間において第1又は第2の強誘電性状態を有するように設定し、
前記セレクトパルスは0(V)又は前記リセットパルスとは逆極性のパルスに設定し、
さらに前記反強誘電性液晶は、前記非選択期間において反強誘電性状態又は前記リセット期間と同一の強誘電性状態に設定する、
ことを特徴とする、反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。 - 前記リセット期間に印加される前記走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される前記走査電極側の電圧波形の極性とを同一に設定する、ことを特徴とする、請求項10に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。
- 画素を有する一対の基板間に反強誘電性液晶を挟持した反強誘電性液晶表示素子の駆動装置であって、
表示データを発生する手段と、
走査側電極を駆動する駆動手段と、
信号側電極を駆動する駆動手段と、
前記画素に所定電圧を供給する電源手段と、
前記表示データを受け、該表示データに適応した信号タイミングと電圧値を作成し、前記走査側電極駆動手段と前記信号側電極駆動手段とに供給する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
画素への一回の書き込みは少なくとも一つの走査期間にて行われ、かつ前記走査期間は、画素の透過光量を決定するためのセレクトパルスが印加される選択期間と、この選択期間以前に反強誘電性液晶を一定の状態にセットするリセットパルスを印加するリセット期間と、選択期間で決定した透過光量を保持する非選択期間とを有するように設定し、
前記反強誘電性液晶は、同一リセット期間内に、第1の強誘電性状態である期間と第2の強誘電性状態である期間とが存在するように設定することを特徴とする、反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。 - 前記同一リセット期間内に、前記反強誘電性液晶が第1の強誘電性状態及び第2の強誘電性状態となる、少なくとも2種類のリセットパルスを印加することを特徴とする、請求項12に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。
- 前記反強誘電性液晶は、前記同一リセット期間内に、反強誘電性状態である期間がさらに存在するように設定することを特徴とする、請求項12に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。
- 前記同一リセット期間内に、前記反強誘電性液晶が第1の強誘電性状態、第2の強誘電性状態及び反強誘電性状態となる、少なくとも3種類のリセットパルスを印加することを特徴とする、請求項14に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。
- 前記セレクトパルスは、0(V)又は前記リセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスに設定し、
前記反強誘電性液晶は、前記非選択期間において反強誘電性状態、又は選択期間開始直前のリセット期間における強誘電性状態と同一の強誘電性状態に設定することを特徴とする、請求項12−15のいずれか1項に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。 - 前記セレクトパルスは、0(V)又は前記リセット期間内にあって強誘電性状態を決定した最終リセットパルスと逆極性のパルスに設定し、
前記リセット期間の前記選択期間開始直前に印加されている前記走査電極側の電圧波形の極性と、非選択期間に印加される前記走査電極側の電圧波形の極性とを同一に設定することを特徴とする、請求項12−15のいずれか1項に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。 - 前記制御手段は、前後する走査期間の電圧波形が0(V)に対して互いに対称であるように設定することを特徴とする、請求項10−17のいずれか1項に記載の反強誘電性液晶表示素子の駆動装置。
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