JP3699999B2 - 有機性汚泥の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭の浄化槽・工場等の廃水処理設備・下水処理場等から排出される有機性汚泥の処理方法及び該方法を実施するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機性汚泥の嫌気性消化処理方法としては、下水処理場における1段又は2段式直接嫌気性消化法が知られている。
この直接嫌気性消化処理方法は、▲1▼汚泥を半分程度に減量化できる、▲2▼燃料ガスであるメタンが得られる、などといった利点を有するものである。
しかし、この直接嫌気性消化方法には、▲1▼消化速度が遅い、▲2▼有機物分解率が悪い、▲3▼大量の汚泥が発生するなどといった問題点があった。
【0003】
これらの問題点を解消するために、「消化汚泥を主体とする混合液を嫌気性消化リアクターから引き抜き循環・返送する過程で熱処理し、該混合液の一部をリアクターから引き抜き循環・返送する系統に汚泥を濃縮及び/あるいは固液分離する手段を設け、該混合液を引き抜き循環・返送する系統からさらにその一部の混合液を分岐し、120℃程度の高温に加熱して混合液を殺菌し、不活性化して嫌気性消化リアクターに再投入するという方法」が提案されている(特公平10−085784号公報)。
しかし、この方法では、大量の汚泥を120℃程度にまで加温しなければならず、圧力容器も必要でコストもかかり、エネルギーのロスが大きい等といった問題があった。
【0004】
一方、「有機性廃液を、好気性微生物を含む活性汚泥の存在下に好気性処理する方法において、被処理液中のBODの同化により増殖する汚泥量よりも多い量の活性汚泥を好気性処理系から引抜き、引抜汚泥をオゾン処理したのち前記好気性処理系に導入することを特徴とする有機性廃液の好気性処理方法」が提案されている(特許第2973761号)が、オゾン発生のためのエネルギーが大量に必要で、温室効果ガス発生やコスト増となる等の問題点がある上、オゾン処理した活性汚泥を好気性処理するため、エネルギー回収の困難性があった。
【0005】
また、「有機性廃水を好気性条件下で処理するための活性汚泥処理装置において、余剰汚泥を55℃より高い温度で好熱菌による微生物処理で可溶化し、前記可溶化処理装置で可溶化された処理液を曝気処理装置に返送する返送経路とを設けた活性汚泥処理装置」が提案されているが(特許第3048889号)、この方法では可溶化された処理液を好気条件の曝気処理装置でさらに無機化するため、二酸化炭素と水が得られるだけであり、また後段の曝気処理がエネルギー消費型処理でコスト増となり、エネルギー回収も難しい等の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の実情に鑑みなされたものであって、有機性汚泥の処理方法において、有機性汚泥中の有機物を迅速に高い分解率で分解・消化処理することができると共にメタンや肥料を効率的に製造することができる、工業的に有利な有機性汚泥の処理方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【発明を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)有機性汚泥の処理方法において、(I)好熱性分解微生物を利用した回転円板法により有機性汚泥を前分解する工程、( II )該前分解工程で得られた分解物を酸発酵性微生物及び/又はメタン発酵性微生物を含む嫌気性消化汚泥を用いて処理することを特徴とする有機性汚泥の処理方法。
(2)( II )の工程で得られるメタンを含有する気相部を燃料とすることを特徴とする上記(1)に記載の有機性汚泥の処理方法。
(3)( II )の工程で得られる処理汚泥を( I )の工程に循環し再処理することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の有機性汚泥の処理方法。
(4)( II )の工程で得られる処理汚泥を直接又は固液分離し肥料及び/又は肥料の原料として利用することを特徴とする上記(1)乃至(3)何れかに記載の有機性汚泥の処理方法。
(5)有機性汚泥の処理方法において、(I)好熱性分解微生物を利用した回転円板法により有機性汚泥を前分解する工程、( II )該前分解工程で得られた分解物を好気性分解微生物を含む活性汚泥を用いて処理することを特徴とする有機性汚泥の処理方法。
(6)( II )の工程で得られる処理汚泥を( I )の工程に循環し再処理することを特徴とする上記(5)に記載の有機性汚泥の処理方法。
(7) ( II )の工程で得られる処理汚泥を直接又は固液分離し肥料及び/又は肥料の原料として利用することを特徴とする上記(5)に記載の有機性汚泥の処理方法。
(8)有機性汚泥の処理装置であって、(I)好熱性分解微生物を含有する回転円板体からなる有機性汚泥の前分解処理装置と( II )該前分解処理装置で得られた分解物を酸発酵性微生物及び/又はメタン発酵性微生物を含む嫌気性消化汚泥を用いて消化処理する装置とを備えたことを特徴とする有機性汚泥の処理装置。
(9)( II )の装置で得られる処理汚泥を( I )の装置に循環し再処理する手段を備えたことを特徴とする上記(8)に記載の有機性汚泥の処理装置。
(10)( II )の装置で得られる処理汚泥を直接又は固液分離し肥料及び/又は肥料の原料として利用する手段を備えたことを特徴とする上記(8)に記載の有機性汚泥の処理装置。
(11)有機性汚泥の処理装置であって、(I)好熱性分解微生物を含有する回転円板体からなる有機性汚泥の前分解処理装置と( II )該前分解処理装置で得られた分解物を好気性分解微生物を含む活性汚泥を用いて処理する装置とを備えたことを特徴とする有機性汚泥の処理装置。
(12)( II )の工程で得られる処理汚泥を( I )の工程に循環し再処理する手段を備えたことを特徴とする上記(11)に記載の有機性汚泥の処理装置。
(13)( II )の工程で得られる処理汚泥を直接又は固液分離し肥料及び/又は肥料の原料として利用する手段を備えたことを特徴とする上記(11)に記載の有機性汚泥の処理装置。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の最大の特徴は、従来の有機性汚泥の生物学的処理方法の有する、▲1▼消化速度が遅い、▲2▼有機物分解率が悪い、▲3▼大量の汚泥が発生するなどといった問題点を克服するために、嫌気性消化又は好気性処理の前に該有機性汚泥を予め好気性微生物を利用した回転円板法により好気的及び/又は嫌気的に前分解処理する点にある。
【0009】
このように有機性汚泥を予め、好熱性条件下で好気的及び/又は嫌気的に回転円板法を用いて前分解処理すると、好熱性分解微生物の分泌するプロテアーゼやアミラーゼなどの酵素により、有機性汚泥中の微生物の細胞壁、細胞膜やタンパク質などの高分子有機物の死滅や分解が促進され、後段の嫌気性消化工程や好気性消化工程での有機物からのメタン及び二酸化炭素又は水及び二酸化炭素の変換反応が効率よく進む。
【0010】
すなわち、従来の直接的微生物処理法で、微生物の塊である廃水処理場の余剰汚泥などの有機性汚泥中の微生物が、嫌気性処理槽内や好気性処理槽(活性汚泥処理槽)内で死滅しにくいことや分解されにくいことが有機物分解率の低い主な原因であったが、本発明方法では予め有機性汚泥を好熱性分解微生物を利用した回転円板法により好熱的な条件下で前処理するので、微生物の死滅や分解が進んでおり、嫌気性処理工程や好気性処理工程での有機物からのメタン及び二酸化炭素又は水及び二酸化炭素への変換反応が効率よく進行するのである。
【0011】
本発明の処理対象となる有機性汚泥とは、食品工場・浄化槽・下水処理場等で廃水処理時に発生する、初沈汚泥と呼ばれるタンパク質、炭水化物、脂質、繊維などの有機物と水の混合物、余剰汚泥と呼ばれる廃水浄化の際に増殖した微生物そのもの、食品工場・浄化槽・下水処理場等で廃水処理後排出される初沈汚泥と余剰汚泥の混合物である廃水処理汚泥一般が含まれる他、嫌気性した後に排出される汚泥などが包含される。
【0012】
本明細書で言う「回転円板法」とは、微生物を付着させた多数枚の回転円板を備えた回転円板装置内に被処理物を導入し、回転円板表面に付着した微生物の作用で被処理物に含まれる有機物等を分解浄化する方法と定義され、排水処理や汚水処理などの技術分野で慣用されている技術用語である。
【0013】
また、本明細書で言う、「好熱性分解微生物」とは、至適温度50〜70℃で成育できる微生物で、細胞外にプロテアーゼやアミラーゼなどの有機物分解酵素を排出して有機物の分解を促進する微生物を意味するもので、その代表的な属としては、Bacillus等があげられる。
【0014】
以下、本発明方法を具体的に説明する。
本発明方法においては、まず、有機性汚泥の処理の前に、該有機性汚泥を予め好熱性微生物を付着させた回転円板型装置により前分解処理することが必要である。
この前分解処理は、例えば、処理対象となる有機性汚泥を、水分含量を80〜99.9%、好ましくは90〜99%に調整し、回転円板型装置内で反応温度は10〜100℃好ましくは55〜75℃で原料の有機性汚泥に円板を接触させながら円板を回転させて分解させればよい。
【0015】
本発明で好ましく使用される回転円板型装置は、好熱性分解微生物を表面に付着させた微生物担体がドーナッツ型円板となっており、円板が多数連結して円筒状になった回転円板体を回転させるものである。この回転円板型装置は、回転円板体と回転軸、回転させるモーターとモーターの制御装置、対象汚泥と回転円板を接触させる槽などから構成される。このような装置としては、通常の廃水処理で使用される従来公知の回転円板型装置を用いることができる。
【0016】
回転円板の直径は0.1〜10m、好ましくは1〜5mである。回転円板の回転数は酸素の供給と関係があるので有機物負荷により調整する必要があるが、通常0.01〜100回転/分、望ましくは0.2〜5回転/分である。この場合、回転円板装置に十分空気を循環させ、円板を10〜90%、好ましくは30〜50%水没させることにより、円板に付着した微生物層の外側には空気が供給され好気的な条件になり、円板の最表面近くの微生物層の内側では空気が少なく嫌気的な条件になる。このような仕組みにより、本発明においては、有機性汚泥を好熱性好気性微生物あるいは好熱性嫌気性微生物の何れの微生物により前分解処理することが可能になる。
【0017】
本発明において、回転円板表面に好熱性分解微生物を含有させる方法は、特に制限されず、運転中の回転円板から好熱性分解微生物を移植する方法や好気性分解微生物を含有する下水処理場の活性汚泥やコンポストなどを種微生物として回転円板装置内の液層に保持し回転円板を所定の条件で運転することにより円板表面に分解前処理に適した微生物を付着させる方法などの適宜方法が採られる。何れの方法においても、分解微生物の増殖が早いため、汚泥などの有機物を供給して回転円板装置を運転すると、直ちに円板表面に分解微生物膜が形成される。
【0018】
このように、本発明においては、汚泥分解に適した雑多な微生物が回転円板に付着して分解工程に寄与するので、好熱性分解微生物の種類は特定されず嫌気性あるいは好気性の何れのものも使用可能である。
【0019】
次に、本発明においては、回転円板装置により前分解処理された分解産物を、引き続き分解処理する。この後段の処理法は嫌気性処理でも好気性処理であってもよい。
嫌気性処理にあっては、例えば前分解処理された分解産物を消化汚泥と混合し、含水率50〜99.9%、好ましく85〜99%に調整し、10〜100℃好ましく30〜35℃の中温発酵かまたは50〜70℃の高温発酵で嫌気性処理させ、メタンを発生させる。この嫌気性処理工程においては、嫌気性消化槽内には空気及び/又は酸素は供給しない。
【0020】
嫌気性消化汚泥としては、例えば、酸発酵性微生物やメタン発酵性微生物を含有する下水汚泥の嫌気性消化に使用される通常の嫌気性消化汚泥や、既存の嫌気性消化汚泥を好気性分解産物に馴致培養したもの使用することができる。
【0021】
なお、酸発酵性微生物とは、嫌気性消化において有機酸等を生成する微生物を意味し、Bacteroides sp.、Clostridium sp.、Bacillus sp.、Lactobacillus sp.等があげられる。また、メタン発酵性微生物とは、嫌気性消化においてメタンを生成する微生物を意味し、Methanosarcina sp.、Methanosaeta sp.、Methanogeum sp.等があげられる。両者とも従来よく知られているものである。
【0022】
好気性処理にあっては、回転円板型装置により前分解処理された分解産物を、例えば活性汚泥法等により好気処理すればよい。
この好気性処理は、例えば前分解処理された分解産物を活性汚泥と混合し、含水率80〜99.9%、好ましく95〜99%に調整し、0〜70℃好ましく20〜35℃で曝気しながら好気性処理し、水と二酸化炭素に分解処理する。
【0023】
この場合、活性汚泥としては、例えば、好気性微生物を含有する下水処理に使用される通常の活性汚泥や、既存の活性汚泥を回転円板装置により前分解された汚泥を馴致培養したものなどを使用することができる。
【0024】
なお、ここでいう活性汚泥とは、好気的に有機物を分解する多種多様な細菌や原生動物等の微生物を意味し、Zooglea ramigera, Sphaerotilus natans, Monas amoebina, Mayorella penardi, Colpoda inflata等があげられる。従来よく知られているものである。
【0025】
前記のようにして、有機性汚泥を好熱性分解微生物を用い、好気性および嫌気性条件で分解処理すると、好熱性分解微生物の分泌するプロテアーゼやアミラーゼなどの酵素により、汚泥微生物の細胞壁、細胞膜やタンパク質などの高分子有機物が分解され、細胞残滓と比較的低分子の有機物の混合物が得られる。微生物の塊である廃水処理場の余剰汚泥などを嫌気性した場合、従来の嫌気性条件では微生物が死滅及び分解されにくいことが有機物分解率の低い主な原因であったが、本発明方法では、好熱性条件で前処理するので、微生物の死滅や分解が進んでおり、後段の嫌気性消化槽や活性汚泥処理槽における有機物の分解反応が効率よく進む。
【0026】
嫌気性処理時に発生するメタンは、ボイラー燃料、消化ガス発電、マイクロガスタービンや水素への改質後燃料電池の燃料として利用することが出来る。なお、後段で活性汚泥処理する場合は、メタンは生成しない。
【0027】
本発明方法では、後段で嫌気性消化を利用してもあるいは活性汚泥処理などの好気性処理を利用しても従来の有機性汚泥の処理法に比べ有機物分解率が向上するため、残滓の発生量も従来法に比べ減少する。この残滓は、窒素やリンなどの肥料成分を多く含み発酵が進んでいるので、そのまま及び/又は固液分離後そのまま液体肥料や固形肥料として利用及び/又は肥料の原料として利用すること可能である。また、好熱性分解槽の温度が高いので、病原性微生物等の有害微生物の多くが死滅するため、有機性肥料の原料として適したもとなる。
【0028】
次に、本発明方法を好ましく実施するための処理装置を図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明の処理装置の説明図である。本説明図は後段に嫌気性消化槽を利用する場合であり、後段に活性汚泥処理を利用する場合は、嫌気性消化槽が活性汚泥処理槽に代わる。
【0029】
図1において、1は有機性汚泥貯留タンク、2は原料有機性汚泥配管、3は回転円板型装置、4は回転円板、5はモーター、6は回転円板槽、7は好熱性分解物配管、8は嫌気性消化槽、9は消化ガス配管、10は消化ガス貯留タンク、11は嫌気性処理物配管、12は固液分離装置、13は処理汚泥返送配管、14は処理液相部配管、15は処理液相部貯留タンク、16は処理固相部配管、17は処理固相部貯留タンクを各示す。
【0030】
図1の装置によって本発明方法を実施するには、有機性汚泥貯留タンク1より原料有機性汚泥配管2を通って、好熱的な分解を生じさせる微生物を含有する回転円板6が回転している回転円板装置3に、処理対象となる有機性汚泥、嫌気性消化汚泥または返送した処理汚泥を供給・混合する。
好熱性分解を生じさせる微生物を含有する回転円板6は、当初下水処理場の活性汚泥法から生じる余剰汚泥やコンポストを付着させ使用すればよい。
【0031】
回転円板型装置3は、回転円板4、回転させるモーター5、対象汚泥と回転円板を接触させる回転円板槽6等からなる。この回転円板装置3において、有機性汚泥は回転円板4に付着した好熱性好気性微生物および好熱性嫌気性微生物の分泌する酵素や界面活性剤などの分解作用を受ける。この分解処理により、有機性汚泥の主要な成分である細菌などの細胞壁や細胞膜が破壊され、有機物が可溶化・低分子化され、後段の嫌気性消化のガス化反応が進行しやすくなる。
【0032】
また、回転円板装置3において、回転円板に付着した好熱性微生物の分解速度が速いため回転円板装置3はその容量を小さくすることが可能である。
【0033】
一方、回転円板装置3で得られた分解物は分解物配管7を通って嫌気性消化槽8に導入される。嫌気性消化槽8は酸素がない嫌気条件に保たれ、回転円板装置3で得られた分解物は酸生成微生物やメタン生成微生物の働きで、メタン、二酸化炭素、アンモニアなどに分解処理される。この時、嫌気性消化の対象となる分解物は、すでに好熱性分解槽3で分解処理を受けているので、細胞構造などの破壊が進み細胞内の有機物が可溶化しているので、酸生成微生物やメタン生成微生物による分解反応を受けやすくなっている。そのため、従来の有機性汚泥の嫌気性消化に見られる、滞留時間が長く、有機物分解率が低いという問題点が改善され、嫌気性消化槽をコンパクト化することが出来る。
【0034】
また、嫌気性消化槽8内で発生したメタンを含む消化ガスは消化ガス配管9を通って消化ガス貯留タンク10に貯留される。この場合の消化ガスは、通常CH4:50〜100モル%、CO2:0〜50モル%、H2:0〜10モル%を含有する。
【0035】
一方、嫌気性消化槽8で得られた消化物は、処理物配管11を通って固液分離装置12に導入される。消化物の一部は処理汚泥返送配管13を通って好熱性分解槽3の入り口に処理対象汚泥の一部として返送される。
【0036】
固液分離装置12に導入された処理物は液相部と固相部に分離され、液相部は処理液相部配管14を通って、処理液相部貯留タンク15に貯留される。処理液相部(廃水)は、通常溶存有機物や溶存無機物の濃度の低いものであり、必要に応じ廃水処理後放流される。固相部は処理固相部配管16を通って処理固相部貯留タンク17に貯留される。固相部は、有機物の分解が十分に行われており、同時にアンモニアやリン酸を多く含むので、そのまま有機肥料及び/又は肥料の原料となる。また、含水率が下がり十分減量化されているので、焼却処分してもよい。前記固液分離装置12は、濾過器や遠心分離機、沈降槽等からなる。
【0037】
嫌気性消化槽8で得られた消化物の一部を回転円板装置3に返送し、再分解させることにより、消化物に含有される未分解の有機物が好気性分解を経て再び嫌気性消化されるので有機物分解率が向上する。
【0038】
【発明の効果】
本発明は前記のような構成であり、有機性汚泥はまず回転円板法により好熱性分解処理を受け、その分解物は迅速に効率よく嫌気性消化処理または活性汚泥処理を受ける。この好熱性分解処理と嫌気性消化または活性汚泥処理を組み合わせることにより、有機性汚泥中の有機物は従来の処理法と比較し、分解速度が速く、有機物分解率が高く、汚泥発生量も少ない。本発明の場合、発生した残滓(処理された固相部)を返送して再処理するシステムを導入すると、さらに残滓の発生量が少なくなり、最終的な汚泥処理量が低減される。
また、本法によれば、最終的に発生する残滓(処理された固相部)や処理液にはアンモニアやリン酸が含有されているので、アンモニアやリン酸を多く含む有機性肥料や液肥を生産することができる。
【 図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機性汚泥の嫌気性消化処理装置の説明図である。
【符号の説明】
1. 有機性汚泥貯留タンク
2. 原料有機性汚泥配管
3. 回転円板型装置
4. 回転円板
5. モーター
6. 回転円板槽
7. 好気性分解物配管
8. 嫌気性消化槽
9. 消化ガス配管
10.消化ガス貯留タンク
11.嫌気性処理物配管
12.固液分離装置
13.処理汚泥返送配管
14.処理液相部配管
15.処理液相部貯留タンク
16.処理固相部配管
17.処理固相部貯留タンク
Claims (13)
- 有機性汚泥の処理方法において、(I)好熱性分解微生物を利用した回転円板法により有機性汚泥を前分解する工程、( II )該前分解工程で得られた分解物を酸発酵性微生物及び/又はメタン発酵性微生物を含む嫌気性消化汚泥を用いて処理することを特徴とする有機性汚泥の処理方法。
- ( II )の工程で得られるメタンを含有する気相部を燃料とすることを特徴とする請求項1に記載の有機性汚泥の処理方法。
- ( II )の工程で得られる処理汚泥を( I )の工程に循環し再処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機性汚泥の処理方法。
- ( II )の工程で得られる処理汚泥を直接又は固液分離し肥料及び/又は肥料の原料として利用することを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の有機性汚泥の処理方法。
- 有機性汚泥の処理方法において、(I)好熱性分解微生物を利用した回転円板法により有機性汚泥を前分解する工程、( II )該前分解工程で得られた分解物を好気性分解微生物を含む活性汚泥を用いて処理することを特徴とする有機性汚泥の処理方法。
- ( II )の工程で得られる処理汚泥を( I )の工程に循環し再処理することを特徴とする請求項5に記載の有機性汚泥の処理方法。
- ( II )の工程で得られる処理汚泥を直接又は固液分離し肥料及び/又は肥料の原料として利用することを特徴とする請求項5に記載の有機性汚泥の処理方法。
- 有機性汚泥の処理装置であって、(I)好熱性分解微生物を含有する回転円板体からなる有機性汚泥の前分解処理装置と( II )該前分解処理装置で得られた分解物を酸発酵性微生物及び/又はメタン発酵性微生物を含む嫌気性消化汚泥を用いて消化処理する装置とを備えたことを特徴とする有機性汚泥の処理装置。
- ( II )の装置で得られる処理汚泥を( I )の装置に循環し再処理する手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の有機性汚泥の処理装置。
- ( II )の装置で得られる処理汚泥を直接又は固液分離し肥料及び/又は肥料の原料として利用する手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の有機性汚泥の処理装置。
- 有機性汚泥の処理装置であって、(I)好熱性分解微生物を含有する回転円板体からなる有機性汚泥の前分解処理装置と( II )該前分解処理装置で得られた分解物を好気性分解微生物を含む活性汚泥を用いて処理する装置とを備えたことを特徴とする有機性汚泥の処理装置。
- ( II )の工程で得られる処理汚泥を( I )の工程に循環し再処理する手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の有機性汚泥の処理装置。
- ( II )の工程で得られる処理汚泥を直接又は固液分離し肥料及び/又は肥料の原料として利用する手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の有機性汚泥の処理装置。
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