JP3699596B2 - 可変吐出量高圧ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コモンレール(蓄圧室)内に蓄圧された高圧燃料をインジェクタによりディーゼルエンジンの各気筒へ噴射するコモンレール式燃料噴射装置において、コモンレール内に高圧流体を圧送するための可変吐出量高圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンに燃料を噴射するシステムの1つとして、コモンレール噴射システムが知られている。コモンレール噴射システムでは、各気筒に連通する共通の蓄圧室(コモンレール)が設けられ、ここに可変吐出量高圧ポンプによって必要な流量の高圧燃料を圧送供給することにより、蓄圧室の燃料圧力を一定に保持している。蓄圧室内の高圧燃料は所定のタイミングでインジェクタにより各気筒に噴射される(例えば、特開昭64−73166号公報等)。
【0003】
図14は、このような用途に用いられる可変吐出量高圧ポンプの一例を示すもので、シリンダ91内には図示しないカムによって駆動されるプランジャ92が往復動自在に嵌挿され、シリンダ91の内壁面とプランジャ92の上端面とで圧力室93を形成している。該圧力室93の上方には電磁弁94が取り付けられており、電磁弁94は、その内部に形成された低圧流路95と圧力室93の間を開閉する弁体96を有している。
【0004】
弁体96は、コイル97に通電しない図示の状態で開弁位置にあり、燃料は、プランジャ92の下降時に、図略の低圧供給ポンプより低圧流路95、弁体96周りの間隙を経て圧力室93内に導入される。コイル97に通電すると弁体96は上方へ吸引され、その略円錐状の先端部がシート部98に着座して閉弁する。同時に、プランジャ92の上昇によって、圧力室93内の燃料が加圧され、圧力室93の側壁に設けた流路99より蓄圧室へ圧送される。
【0005】
ところで、プランジャ92の上昇中は、圧力室93内の燃料圧により弁体96に閉弁方向の力が作用するため、弁体96は一度閉弁すると、コイル97への通電を停止しても開弁しない。このため、上記構成の可変吐出量高圧ポンプでは、蓄圧室へ送る流量の制御を、閉弁時期を制御する、いわゆるプレストローク制御にて行っている。すなわち、プランジャ92が上昇行程に移った後、直ちに閉弁せず、圧力室93内の燃料が所定量となるまで開弁状態を保持して、余剰の燃料を低圧流路95側へ逃がし、しかる後、閉弁して加圧を開始することで、必要量の加圧流体を蓄圧室へ圧送している。
【0006】
ところが、エンジンの回転数の上昇に伴い、ポンプの送油率が高くなると、弁体96が閉弁信号とは無関係に閉弁(自閉)するという問題が生ずる。これは、プランジャ92の上昇時、弁体96が、下端面に圧力室93内の燃料の動圧を直接受けること、弁体96とシート部98の間の間隙より低圧流路95へ向けて流れる燃料の絞り効果により閉弁方向の力を受けること等によるもので、流量制御が適切になされないおそれがある。
【0007】
この対策としては、弁体96の作動ストロークを大きくするか、弁体96の復帰用スプリング力を大きくすることが考えられるが、いずれの場合も、閉弁応答性の低下につながる。閉弁応答性を維持するためにはコイルに通電する電力を多大にしたり、体格を大きくして電磁弁の吸引力を増加させる必要があり、電磁弁の電力コスト、製作コストの上昇を招くという問題があった。
【0008】
また、上記構成の可変吐出量高圧ポンプでは、圧力室93への流路の開閉を電磁弁94で行っており、閉弁信号に対し弁体96が着座して流路を閉鎖するまでに一定の時間を要することから、通常、この作動応答時間を予め計算して閉弁タイミングを制御している。ところが、エンジンの回転数が上昇し、ポンプの送油率が高くなると、開閉動作が間に合わなくなり、十分な制御ができなくなるおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明者等は、エンジンの回転数が上昇し、ポンプの送油率が高い状態でも、蓄圧室へ圧送する流量制御が容易かつ確実にでき、しかも装置の大型化や電力の増大を伴わないことを目的として、低圧流路と圧力室との間を開閉する弁体と、低圧流路から圧力室へ吸入される低圧燃料の流量を制御する弁体を別々に設けた可変吐出量高圧ポンプを提案した(特願平8−195653号)。
【0010】
この構成を図15に示すと、ポンプハウジング100内にはドライブシャフト101が挿通保持されており、このドライブシャフト101と一体に回転するフィードポンプ102によって、低圧燃料が低圧流路103、104より、燃料溜まり105に流入するようになしてある。
【0011】
上記ドライブシャフト101の右端部には、インナーカム106が一体に形成されており、このインナーカム106内には、ヘッド107の左端部が挿通位置している。該ヘッド107の左端部内には、4個のシリンダたる摺動孔108が放射状に形成され(図ではこのうち2個のみを示す)、各摺動孔108内にはプランジャ109が往復動自在に支持されている。これらプランジャ109の内側端面と摺動孔108の内壁とで圧力室110が形成され、導入される燃料をプランジャ109の往復動によって加圧するようになしてある。
【0012】
上記燃料溜まり105より圧力室110に至る流路には、上流側から、流量制御用の電磁弁111および逆止弁112が配設されている。逆止弁112は電磁弁111が開弁している間、流入する燃料の圧力で開弁し、電磁弁111が閉弁すると閉弁する。しかして、電磁弁111により予め必要な流量を圧力室110内に供給すると、逆止弁112により低圧燃料の加圧開始時より圧送終了時まで圧力室110への流路が閉鎖されるので、電磁弁111には最大の圧力でもフィード圧(約15気圧)しか作用しない。よって、電磁弁111の体格を大きくする等の必要がなく、コスト低減が可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記可変吐出量高圧ポンプは、上記4本のプランジャ109が同時に往復動して圧力室110内の燃料を加圧する構成となっており、加圧燃料の圧送に必要な駆動トルクが大きい。図8(a)は、上記構成の可変吐出量高圧ポンプにおいて、プランジャ109を4本とし、インナーカム106の内周面に4個のカム山を形成した場合の最大駆動トルク(最大吐出量における駆動トルク)を示したものである。インナーカム109、すなわちドライブシャフトの1回転につき、4回の圧送が行われ、圧送期間が約45°、吸入期間は約45°で間欠的に圧送が行われる。この時、最大駆動トルクは50Nmである。
【0014】
一方、インナーカム106およびこれと一体のドライブシャフト101を回転駆動するためには、通常、タイミングベルトが用いられる。図15に示すように、ドライブシャフト101の左端部にはポンプタイミングプーリー113が固定され、その外周に懸架される図示しないタイミングベルトによってエンジンの回転力がインナーカム106に伝達され、これを回転駆動する。ところが、上述したように、最大駆動トルクが50Nmと大きい場合、タイミングベルトに加わる負担が大きく、その耐久性を低下させるおそれがあった。
【0015】
しかして、本発明の目的は、可変吐出量高圧ポンプの駆動トルクを低くし、タイミングベルトを用いた場合にも、十分な耐久性を得ることのできる可変吐出量高圧ポンプを実現することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明請求項1の構成において、可変吐出量高圧ポンプは、内燃機関のコモンレール噴射システムの蓄圧室に所定量の高圧燃料を圧送供給して、該蓄圧室を所定圧に保持するために用いられ、
第1のシリンダと、第1のシリンダ内に往復運動可能に嵌挿された第1のプランジャと、上記第1のシリンダの内壁面と上記第1のプランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される所定量の低圧燃料を上記第1のプランジャの往復運動によって加圧する第1の圧力室とからなる第1の圧送手段と、
第2のシリンダと、第2のシリンダ内に往復運動可能に嵌挿された第2のプランジャと、上記第2のシリンダの内壁面と上記第2のプランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される所定量の低圧燃料を上記第2のプランジャの往復運動によって加圧する第2の圧力室とからなる第2の圧送手段と、
上記低圧流路から上記第1および第2の圧力室へ吸入される低圧燃料の吸入量を調節するための手段と、
上記第1および第2のプランジャを順に往復運動させる、内周面をカム面とする筒状のインナーカムとを有している。
上記第1および第2のシリンダは、上記インナーカムが連結されるドライブシャフトの軸線方向に間隔をおいて、かつ各シリンダの軸線が互いに直交する方向となるように配置してあり、
上記第1および第2のプランジャをそれぞれ一対のプランジャで構成して、上記インナーカムの上記カム面が楕円形となるように、上記一対のプランジャに対応する2個のカム山を上記カム面に設けてある。
そして、上記インナーカムにより上記第1の圧送手段と第2の圧送手段とを順に駆動させて、上記第1の圧力室および上記第2の圧力室内の加圧燃料を、上記蓄圧室へ順に圧送することを特徴とする。
【0017】
上記構成の可変吐出量高圧ポンプによれば、上記インナーカムを駆動することにより、上記第1および第2のプランジャを順に往復運動させ、上記第1の圧力室および上記第2の圧力室内の加圧燃料を、上記蓄圧室へ順に圧送することができる。しかも、上記第1および第2のシリンダを、上記インナーカムが連結されるドライブシャフトの軸線方向に間隔をおいて、かつ各シリンダの軸線が互いに直交する方向となるように配置したので、共通の上記インナーカムを用いて上記第1および第2のプランジャを交互に上昇させることができる。この時、駆動トルクはこれらの合計となるので、最大駆動トルクを効果的に低減できる。よって、上記インナーカムの駆動にタイミングベルトを用いた場合にも、その耐久性を十分高くすることができる。
【0020】
請求項2の構成では、上記低圧流路から上記第1および第2の圧力室へ吸入される低圧燃料の吸入量を調節するための電磁弁と、上記電磁弁と上記第1および第2の圧力室との間に設けられ、上記低圧流路から上記第1および第2の圧力室方向へのみ低圧燃料を流入させる逆止弁とを設ける。上記構成によれば、上記電磁弁を開いている間、上記逆止弁方向へ低圧燃料が供給され、吸入工程にある圧力室へ燃料が吸入される。よって、上記電磁弁の開閉を制御することで流量制御を容易に行い、かつ上記第1および第2の圧力室に順に低圧燃料を供給することができる。
【0021】
請求項3の構成では、上記電磁弁および上記逆止弁を、上記第1および第2の圧送手段のそれぞれに対応して複数設置する。このように構成することで、特に、圧送量が比較的少ない場合の調量精度を向上させることができる。
【0022】
請求項4の構成では、上記インナーカムのカム面の、上記第1のプランジャを駆動する範囲と、上記第2のプランジャを駆動する範囲とが、部分的に重なりを有するようにする。この時、重なりの分だけ上記インナーカムの軸方向の長さが短くなるので、可変吐出量高圧ポンプの軸方向長が長くなるのを抑制できる。
【0023】
請求項5の構成では、上記第1および第2のプランジャの一対のプランジャにそれぞれ対応するシューと、これらシューを摺動自在に保持する円筒状のシューガイドを設け、該シューガイドの一方の端面側に上記第1のプランジャに対応するシューを保持する一対の切欠き部を、他方の端面側に上記第2のプランジャに対応するシューを保持する一対の切欠き部を、それぞれ設ける。
【0024】
請求項6の構成では、上記インナーカムをタイミングベルトを用いて駆動する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可変吐出量高圧ポンプをディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムに適用した例について説明する。図2のシステム図において、エンジンEには各気筒の燃焼室に対応する複数のインジェクタIが配設され、これらインジェクタIは各気筒共通の高圧蓄圧室いわゆるコモンレールRに接続されている。インジェクタIからエンジンEの各燃焼室への燃料の噴射は、噴射制御用電磁弁B1のON−OFFにより制御され、電磁弁B1が開弁している間、コモンレールR内の燃料がインジェクタIによりエンジンEに噴射される。従って、コモンレールRには連続的に燃料噴射圧に相当する高い所定圧の燃料が蓄圧される必要があり、そのために供給配管R1、吐出弁B2を介して、本発明の可変吐出量高圧ポンプPが接続される。
【0027】
この可変吐出量高圧ポンプPは、燃料タンクTからフィードポンプP1を経て吸入される低圧燃料を高圧に加圧し、コモンレールR内の燃料を高圧に制御するものである。コモンレールRには、コモンレール圧力を検出する圧力センサS1が配設されており、システムを制御する制御手段たる電子制御ユニットECUは、この圧力センサS1からの信号が予め負荷や回転数に応じて設定した最適値となるように、可変吐出量高圧ポンプPの吐出量を制御する。さらに、電子制御ユニットECUには、例えばエンジン回転数センサS2、負荷センサS3より、回転数、負荷の情報が入力され、電子制御ユニットECUは、これらの信号により判別されるエンジン状態に応じた最適の噴射時期、噴射量(噴射期間)を決定して噴射制御用電磁弁B1に制御信号を出力する。
【0028】
次に、図1により上記可変吐出量高圧ポンプPの詳細について説明する。図において、ポンプハウジング1内には、エンジンE(図2参照)によってエンジンの1/2の回転と同期して回転駆動されるドライブシャフトDが挿通保持されている。このドライブシャフトDの左端部には、ポンプタイミングプーリー51が固定され、図3に示すように、その外周に懸架されるタイミングベルト52によって回転駆動されるようになしてある。図中、エンジンのカムシャフトにはカムシャフトタイミングプーリー53が、エンジンのクランクシャフトにはクランクシャフトタイミングプーリー54が固定されており、エンジンのクランクシャフトの回転により、タイミングベルト52を介して、ポンプタイミングプーリー51およびカムシャフトタイミングプーリー53を回転駆動している。図の55、56はアイドラーであり、このうち、アイドラー56は、スプリング57のバネ力によってタイミングベルト52に張力を持たせ、たわみを防止する機能を有している。
【0029】
図1において、上記ドライブシャフトDには低圧燃料供給用のベーン式フィードポンプP1が連結されている。フィードポンプP1はドライブシャフトDと一体に回転し、燃料タンクT(図2参照)から燃料を吸入して低圧に加圧した燃料を低圧流路11、12、ヘッド14内の低圧流路13を通して燃料溜まり5に送出している。フィードポンプP1の燃料吐出側と燃料吸入側とは、吐出圧力が調節できるように図示しない圧力調整弁を介して接続されている。このように本実施の形態では、可変吐出量高圧ポンプPは図2に示したフィードポンプP1を内蔵する構成となっている。
【0030】
上記ドライブシャフトDは、ベアリングD1、D2を介してポンプハウジング1に回転可能に支持されており、その右端部にインナーカム8が一体に形成されている。ポンプハウジング1の右端開口にはヘッド14が嵌着されており、該ヘッド14は左端中央部が突出して上記インナーカム8内に挿通位置している。このヘッド14の右端中央部内には、詳細を後述する逆止弁4aが配設されている。なお、本発明では逆止弁を複数設けており、図示しない位置にもう1つの逆止弁4b(詳細は後述)が配設されている。ヘッド14の下端部には、圧力室への低圧燃料の流入量を制御するための電磁弁6が配設され、該電磁弁6は、ハウジング61外周に設けたフランジ63に図示しないボルトを挿通することによって固定されている。この電磁弁6と逆止弁4a、4bとで上記図2における吐出制御装置P2を構成している。なお、本実施の形態においては、ドライブシャフトDとインナーカム8は一体となっているが、これらを別体にして継手で連結してもよい。
【0031】
上記電磁弁6は、図4の如く、コイル62を内蔵するハウジング61と、その上端部内に嵌装固定されるバルブボディ68を有し、バルブボディ68に設けたシリンダ69内に、弁体73を摺動可能に保持している。弁体73の上端部周りには環状の流路74aが形成され、該流路74aは流路74bにて上記燃料溜まり5に連通するとともに、流路74cにて、上記逆止弁4aに至る流路72に連通している。この流路74cは、流路72と平行に設けた流路71を介して、図略の逆止弁4bにも連通している。
【0032】
上記弁体73の下端にはアーマチャ64が圧入固定してあり、アーマチャ64は、ステータ65と一定の間隔で対向している。該ステータ65の外側には上記コイル62が配され、ステータ65内部に設けたスプリング室66内にはスプリング67が配設されて、上記アーマチャ64を図の上方に付勢している。
【0033】
流路74cの開口端には略円錐状のシート面75が形成してあり、上記コイル62に通電しない図示の状態で、弁体73の先端部がこのシート面75に着座して上記流路74a、74c間を閉鎖するようになしてある。コイル62へ通電するとアーマチャ64が吸引され、これと一体の弁体73先端部がシート面75から離れて、流路74a、74c間を開放する。このように、電磁弁6を、非通電状態で閉弁する構成とすることで、コイルの破損時に燃料の圧送が行われないようにする効果がある。
【0034】
図4において、ヘッド14の左端中央部には、内部に圧力室を形成する第1、第2のシリンダとしての摺動孔2a、2bが形成してある。図5(a)は、図4(および図1)のA−A断面であり、第1のシリンダたる摺動孔2a内に、第1のプランジャを構成する一対のプランジャ21a、21cを対向して配し、摺動孔2aに対しそれぞれ往復動自在かつ摺動自在に支持せしめている。摺動孔2aの内壁面とプランジャ21a、21cの端面とで形成される空間は、第1の圧力室23aとなしてあり、これら摺動孔2a、プランジャ21a、21c、圧力室23aにより第1の圧送手段を構成している。図5(b)は、図4(および図1)のB−B断面であり、同様に、第2のシリンダたる摺動孔2b内に、第2のプランジャを構成する一対のプランジャ21b、21dを対向して配し、摺動孔2bに対しそれぞれ往復動自在かつ摺動自在に支持せしめている。摺動孔2bの内壁面とプランジャ21b、21dの端面とで形成される空間は、第2の圧力室23bとなしてあり、これら摺動孔2b、プランジャ21b、21d、圧力室23bにより第2の圧送手段が構成される。
【0035】
一対のプランジャ21a、21cは、その一方のプランジャ21aが、他方のプランジャ21cより短くなるように形成され、従って、圧力室23aは、摺動孔2aの中央よりややずれた位置にある。一対のプランジャ21b、21dも同様で、プランジャ21bが他方のプランジャ21dより短く、圧力室23bは摺動孔2bの中央よりややずれた位置に形成される。こうすることで、流路40a、40b、流路30a、30bを形成しやすくなるという利点がある。また、各プランジャ21a〜21dの外側端部にはシュー24a〜24dが設けられ、各シュー24a〜24dにカムローラ22a〜22dが回転自在に保持されている。シュー24a〜24dはシューガイド15と摺動自在となっている。
【0036】
このように、本実施の形態では、互いに独立な複数の摺動孔2a、2bを設けて、これらをドライブシャフトDの軸方向に間隔をおいて配置しており、これら摺動孔2a、2bは、軸線が互いに直交する方向となるように形成されている。また、摺動孔2a、2bは、それぞれドライブシャフトDの軸線と直交する方向に形成されている。
【0037】
上記インナーカム8は、複数の摺動孔2a、2bに対し共通に設けられ、その回転により、プランジャ21a〜21dを摺動孔2a、2b内で往復動させるようになしてある。上記インナーカム8の内周面は、複数のカム山を有するカム面81となしてあり、このカム面81に、上記カムローラ22a〜22dの外周が摺接するように配置している。ここではインナーカム8の内周面を楕円形に形成し、カム山を等間隔で2つ形成している(図5(a)において、プランジャ21a、21cと対向する位置)。
【0038】
しかして、ドライブシャフトDと一体となったインナーカム8が回転すると、プランジャ21a、21cが摺動孔2a内を、プランジャ21b、21dが摺動孔2b内を往復動し、プランジャ21a、21cとプランジャ21b、22dとが交互に上昇して、圧力室23a、23b内の燃料をそれぞれ加圧する。このように、本実施の形態においては、インナーカム8の内周面に等間隔で2個のカム山を形成して、一対のプランジャ21a、21cと一対のプランジャ21b、22dとが交互に圧送する機構としたことで、最大トルクの低減がより効果的にできる。
【0039】
図4において、ヘッド14の左方にはプレート7が配設され、図示しないボルトによってシューガイド15とともにヘッド14に固定されている。このプレート7とドライブシャフトDの間には、ワッシャ76が挿入されており、ドライブシャフトDとワッシャ76間、ワッシャ76とプレート7間が回転すべりするようになっている。
【0040】
上記逆止弁4aは、ハウジング42を左右方向に貫通する流路43と、該流路43を開閉する弁体44を有する。上記流路43は、途中で上記圧力室23a方向(図の左方)に拡径して円錐状のシート面45をなし、弁体44は、スプリングストッパ41内に保持されるスプリング46によって右方に付勢され、シート面45に着座してている。このように、逆止弁4aは図示の通常状態で閉弁しており、上記電磁弁6が開弁して燃料溜まり5から低圧燃料が流入すると、燃料の圧力で開弁するようになしてある。この開弁時において、低圧燃料は、流路72、ハウジング42外周に設けた環状流路48、ハウジング42内部の流路49、流路43、スプリングストッパ41内の流路50、ヘッド14に設けた流路30a、40aを通って、圧力室23aに流入する。
【0041】
図4に示されない逆止弁4bの構造も、上記逆止弁4aと同様である。なお、これら逆止弁4a、4bは、スクリュ47によって、ヘッド14内に固定される。
【0042】
図1において、ヘッド14の内部に形成される上記燃料溜まり5内には、上記フィードポンプP1によって約15気圧に加圧された低圧燃料が満たされている。この低圧燃料は、上記燃料溜まり5から、電磁弁6、逆止弁4aを経て、流路30a、40aより圧力室23aに流入する。圧力室23aで加圧された燃料は、ヘッド14壁に設けた吐出孔16aより圧送手段であるデリバリバルブ3(図2における吐出弁B2に相当)、供給配管R1を通ってコモンレールRに供給される(図2参照)。その供給の圧力はエンジンEの運転状態によって異なり、200〜1200気圧である。デリバリバルブ3は逆止弁としての機能を持ち、弁体としてのボール31a、31bを有している。このうちボール31aは、圧力室23aに連通する吐出孔16aに続く流路を、ボール31bは、圧力室23b(図5(b)参照)に連通する吐出孔16bに続く流路を開閉するように構成されている。
【0043】
すなわち、図6に示すように、本発明では、互いに独立な2つの摺動孔2a、2bにそれぞれ2本のプランジャを配置して、摺動孔2aと一対のプランジャ21a、21c、およびこれらで囲まれた圧力室23aとからなる第1の圧送手段と、摺動孔2bと一対のプランジャ21b、21d、およびこれらで囲まれた圧力室23bとからなる第2の圧送手段とを設けて、これら第1、第2の圧送手段が、交互に圧送を行うようにする。圧力室23aは、流路40a、吐出穴16aを通じて、デリバリバルブ3のボール31a側に、圧力室23bは、流路40b、吐出穴16bを通じて、デリバリバルブ3のボール31b側にそれぞれ連通している。各圧力室23a、23bで加圧された燃料の圧力がコモンレールRの圧力より高くなるとこれらボール31aまたはボール31bが開弁し、コモンレールRに供給される。ここで、圧力室23a、23bにおける燃料の加圧は交互になされるため、ボール31a、31bを介しての燃料の吐出も交互になされることになる。
【0044】
次に、図7を用いて上記構成の可変吐出量高圧ポンプの作動について説明する。図7において、カム8のリフト(a,c)は、図5におけるプランジャ21a、21cに対向する、カム面81上の点81a、81cにおけるリフト量を示す。つまり、インナーカム8が回転することで、点81a、81cにおけるリフト量が変化する。カム8のリフト(b,d)は、同様に、プランジャ21b、21dに対向する、カム面81上の点81b、81dにおけるリフト量を示す。
【0045】
図7(a)点において、インナーカム8(a,c)は吸入工程に入る。電磁弁6のコイル62への通電は、この時点で電磁弁6の弁体73が開弁するように、これより先立って行われる。すると、燃料溜まり5から、流路74c、72、逆止弁4a内の流路43、流路30a、40aを通って、燃料が圧力室23aに流入する。この時、流入する燃料によって、プランジャ21a、21cはカム面81側に押しつけられ、電磁弁6の弁体73が閉弁するまで燃料の吸入が行われる。
【0046】
電子制御ユニットECUから電磁弁6のコイル62への通電が遮断されると、電磁弁6の弁体73が閉弁し(図7(b)点)、燃料溜まり5と流路74cの間、すなわち、圧力室23aとの間が遮断される。その後も、インナーカム8のリフト(a,c)は下降し続けるが、吸入が終了すると、プランジャ21a、21cのリフトは停止して、カムローラ22a、22cとインナーカム8は離れる。
【0047】
図7(c)点で、インナーカム8(a,c)は上昇に転じ、圧送工程に入る。インナーカム8のリフトが開始しても、プランジャ21a、21cはすぐにはリフトを開始せず、インナーカム8のカム面81上の点81a、81cのリフト量がプランジャ21a、21cのリフト量となると(図7(d)点)、カムローラ22a、22cがインナーカム8に当接し、カムローラ22a、22cがシュー24a、24cを介してプランジャ21a、21cをリフトさせる。この圧送工程時においては、逆止弁4aは閉弁している。その後、プランジャ21a、21cの上昇とともに上記圧力室23a内の容積が縮小し、圧力が次第に高くなる。圧力室23a、23c内の燃料の圧力が所定圧を越えると、吐出孔16a、デリバリバルブ3を経て、供給配管R1よりコモンレールRに高圧燃料が供給される(図2)。プランジャ21a、21cのリフトが最大となると(図7(f)点)、圧送が終了する。
【0048】
この間、図7(e)点において、再び電磁弁6の弁体73が開弁し、インナーカム8(b,d)が吸入行程に入る。以下、プランジャ21a、21cの場合と同様にして、プランジャ21b、21dのリフトが行われ、圧力室23bへ燃料の吸入が行われる。
【0049】
図7に示したように、プランジャ21a、21cによる圧送と、プランジャ21b、21dによる圧送は、インナーカム8の回転角度で90°づつずれて行われる。図8(b)は、上記構成における駆動トルクを示したもので、このような構成では、圧送期間が従来の45°から120°と長くなっているので、その分、カムの上り勾配(圧送中の勾配)が緩やかになり、駆動トルクのピーク値(最大値)は小さくなる。すなわち、最大吐出量の時の駆動トルクは、図の実線と破線を合計したものとなり、図8(a)の従来構成に比べて大幅に駆動トルクを低減することができる。
【0050】
次に、図9、10を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においては、第1の圧送手段を構成する第1の圧力室23aへの低圧燃料の吸入量を調節するための電磁弁6aと、第2の圧送手段を構成する第2の圧力室23bへの低圧燃料の吸入量を調節するための電磁弁6bと別々に設けている。また、これに対応して、電磁弁6aの先端部周りには燃料溜まり5aが、電磁弁6bの先端部周りには燃料溜まり5bがそれぞれ設けてある。電磁弁6a、6bの構成は上記第1の実施の形態における電磁弁6と同じである。その他の構成についても同様である。
【0051】
上記構成の可変吐出量高圧ポンプの作動について、図10を用いて説明する。図10(a)点において、インナーカム8(a,c)は吸入工程に入る。電磁弁6aのコイル62への通電は、図10(a)の時点で電磁弁6aの弁体73が開弁するように、これより先立って行われ、燃料溜まり5aから燃料が圧力室23aに流入する。この時、流入する燃料によって、プランジャ21a、21cはカム面81側に押しつけられ、電磁弁6aの弁体73が閉弁するまで燃料の吸入が行われる。
【0052】
電子制御ユニットECUから電磁弁6aのコイル62への通電が遮断されると、電磁弁6aの弁体73が閉弁し(図10(b)点)、燃料溜まり5aと流路74cの間、すなわち、圧力室23aとの間が遮断される。その後も、インナーカム8のリフト(a,c)は下降し続けるが、吸入が終了すると、プランジャ21a、21cのリフトは停止して、カムローラ22a、22cとインナーカム8は離れる。
【0053】
図10(c)点で、インナーカム8(a,c)は上昇に転じ、圧送工程に入る。インナーカム8のリフトが開始しても、プランジャ21a、21cはすぐにはリフトを開始せず、インナーカム8のカム面81上の点81a、81cのリフト量がプランジャ21a、21cのリフト量となると(図10(e)点)、カムローラ22a、22cがインナーカム8に当接し、カムローラ22a、22cがシュー24a、24cを介してプランジャ21a、21cをリフトさせる。この圧送工程時においては、逆止弁4aは閉弁している。その後、プランジャ21a、21cの上昇とともに上記圧力室23a内の容積が縮小し、圧力が次第に高くなる。圧力室23a、23c内の燃料の圧力が所定圧を越えると、吐出孔16a、デリバリバルブ3を経て、供給配管R1よりコモンレールRに高圧燃料が供給される(図2)。プランジャ21a、21cのリフトが最大となると(図10(f)点)、圧送が終了する。
【0054】
この間、図10(d)点において、電磁弁6bの弁体73が開弁し、インナーカム8(b,d)が吸入行程に入る。以下、プランジャ21a、21cの場合と同様にして、プランジャ21b、21dのリフトが行われ、圧力室23bへ燃料の吸入が行われる。
【0055】
本実施の形態においても、従来構成に比べて大幅に駆動トルクのピーク値(最大値)を低減することができる。さらに、本実施の形態では、上記第1の実施の形態に比べて、以下に説明する利点がある。
【0056】
図7は第1の実施の形態において比較的吐出量が多い時のタイムチャートを示したものであるが、比較的吐出量が少ない時のタイムチャートは図11に示すようになる。図11(a)〜(c)点間は、電磁弁6の弁体73が開弁しており、圧力室23bへの燃料の吸入が行われる(プランジャ21b、21dが下降する)。ところが、燃料溜まり5と圧力室23aも連通しているため、図11(a)点から(b)点まで(プランジャ21a、21cの圧送開始まで)、圧力室23aへの燃料の吸入が行われてしまう(プランジャ21a、21cが下降してしまう)。その時、プランジャ21a、21cの下降は、インナーカム8のカム面81のリフト曲線に沿って行われるわけではないため、可変吐出量高圧ポンプの吐出量の調量精度の悪化を招くおそれがある。これに対し、本実施の形態の構成では、圧力室23a、23bのそれぞれに、吸入量を調節する電磁弁6a、6bを設置しているので、比較的に吐出量が少ない時でも、優れた調量精度を得ることができる。
【0057】
なお、本発明では、第1の圧送手段と第2の圧送手段を設けており、これらの構成部材を独立に設けてドライブシャフトの軸方向に並設すると、可変吐出量高圧ポンプの軸方向長が長くなることが懸念される。このため、上記第1および第2の実施の形態では、インナーカム8を共通に設け、さらに共通部材であるシューガイド15形状を工夫することにより装置の大型化を防止している。以下、これについて説明する。
【0058】
図12は、図4のC−C断面図で第2の圧送手段を構成する摺動孔2bの近傍を拡大して示したもの、図13はシューガイド15の全体斜視図である。図13のように、シューガイド15は円筒状で、その筒壁には、図の右端より左端側へ延びる一対の切欠き部151b、151dが対向して設けられ、この一対の切欠き部151b、151d内にそれぞれシュー24b、24dを摺動自在に保持している(図12)。同様に、シューガイド15には、図の左端より右端側へ延びる一対の切欠き部151a、151cが設けられ(図では切欠き部151aのみを示し、切欠き部151cはこれと対向する位置にある)、この一対の切欠き部151a、151c内に、シュー24a、24cを摺動自在に保持している(図4)。一対の切欠き部151b、151dと、一対の切欠き部151a、151cの形成位置は90°ずれている。シューガイド15は、筒壁に設けた複数のボルト穴152に図示しないボルトを挿通することによって、ヘッド14に固定され、シュー24a〜24dは、シューガイド15とヘッド14またはプレート7との間に挟持される。かくして、シュー24a〜24dは、摺動孔2a、2bの軸線方向には自由に摺動し、かつインナーカム8の回転方向への移動が規制される。
【0059】
ここで、シューガイド15の軸方向長は、切欠き部151a〜151dよりやや長い程度とし、一対の切欠き部151b、151dと、一対の切欠き部151a、151cの形成位置が、軸方向の中央部で重なりを有するように構成される。つまり、図12に示すように、シュー24b、24dに保持されるカムローラ22b、22dがインナーカム8と摺接する範囲▲1▼と、シュー24a、24cに保持されるカムローラ22a、22cがインナーカム8と摺接する範囲▲2▼とが、軸方向に重なりを有するように構成し、圧送機構に影響がない範囲でインナーカム8の軸方向長を短くしている。このように、インナーカム8およびシューガイド15を共通に設け、これら共通部材の軸方向長ができるだけ短くなるように構成することで、可変吐出量高圧ポンプの軸方向長が長くなるのを最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す可変吐出量高圧ポンプの全体断面図である。
【図2】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプを含む燃料噴射装置の全体構成図である。
【図3】可変吐出量高圧ポンプの駆動系を示す図である。
【図4】図1の部分拡大断面図である。
【図5】(a)は図4のA−A線断面図、(b)は図4のB−B線断面図である。
【図6】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプの主要部の概略構成図である。
【図7】第1の実施の形態における可変吐出量高圧ポンプの作動を説明するための図である。
【図8】(a)は従来の可変吐出量高圧ポンプの圧送特性を示す図、(b)は本発明の可変吐出量高圧ポンプの圧送特性を示す図である。
【図9】第2の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプの主要部の概略構成図である。
【図10】第2の実施の形態における可変吐出量高圧ポンプの作動を説明するための図である。
【図11】第1の実施の形態の構成において、吐出量が比較的少量である時の作動を説明するための図である。
【図12】図4の左半部のC−C線断面図である。
【図13】シューガイドの全体斜視図である。
【図14】従来の可変吐出量高圧ポンプの全体断面図である。
【図15】従来の可変吐出量高圧ポンプの全体断面図である。
【符号の説明】
P 可変吐出量高圧ポンプ
R コモンレール(蓄圧室)
R1 供給配管
D ドライブシャフト
1 ポンプハウジング
11、12、13 低圧流路
14 ヘッド
15 シューガイド
16a、16b 吐出孔
2a 摺動孔(第1のシリンダ)
2b 摺動孔(第2のシリンダ)
21a、21c 一対のプランジャ(第1のプランジャ)
21b、21d 一対のプランジャ(第2のプランジャ)
22a〜22d カムローラ
23a 第1の圧力室
23b 第2の圧力室
3 デリバリバルブ
4 逆止弁
41 スプリングストッパ
42 ハウジング
43 流路
44 弁体
45 シート面
5 燃料溜まり
51 ポンプタイミングプーリー
52 タイミングベルト
6 電磁弁
62 コイル
73 弁体
75 シート面
8 インナーカム(カム)
81 カム面
Claims (6)
- 内燃機関のコモンレール噴射システムの蓄圧室を所定圧に保持するために所定量の高圧燃料を圧送供給する可変吐出量高圧ポンプであって、
第1のシリンダと、第1のシリンダ内に往復運動可能に嵌挿された第1のプランジャと、上記第1のシリンダの内壁面と上記第1のプランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される所定量の低圧燃料を上記第1のプランジャの往復運動によって加圧する第1の圧力室とからなる第1の圧送手段と、
第2のシリンダと、第2のシリンダ内に往復運動可能に嵌挿された第2のプランジャと、上記第2のシリンダの内壁面と上記第2のプランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される所定量の低圧燃料を上記第2のプランジャの往復運動によって加圧する第2の圧力室とからなる第2の圧送手段と、
上記低圧流路から上記第1および第2の圧力室へ吸入される低圧燃料の吸入量を調節するための手段と、
上記第1および第2のプランジャを順に往復運動させる、内周面をカム面とする筒状のインナーカムとを有し、
上記第1および第2のシリンダを、上記インナーカムが連結されるドライブシャフトの軸線方向に間隔をおいて、かつ各シリンダの軸線が互いに直交する方向となるように配置するとともに、
上記第1および第2のプランジャをそれぞれ一対のプランジャで構成して、上記インナーカムの上記カム面が楕円形となるように、上記一対のプランジャに対応する2個のカム山を上記カム面に設け、
上記インナーカムにより上記第1の圧送手段と第2の圧送手段とを順に駆動させて、上記第1の圧力室および上記第2の圧力室内の加圧燃料を、上記蓄圧室へ順に圧送することを特徴とする可変吐出量高圧ポンプ。 - 上記低圧流路から上記第1および第2の圧力室へ吸入される低圧燃料の吸入量を調節するための電磁弁と、上記電磁弁と上記第1および第2の圧力室との間に設けられ、上記低圧流路から上記第1および第2の圧力室方向へのみ低圧燃料を流入させる逆止弁を設けた請求項1記載の可変吐出量高圧ポンプ。
- 上記電磁弁および上記逆止弁を、上記第1および第2の圧送手段のそれぞれに対応させて複数設置した請求項2記載の可変吐出量高圧ポンプ。
- 上記インナーカムのカム面の、上記第1のプランジャを駆動する範囲と上記第2のプランジャを駆動する範囲とが部分的に重なりを有する請求項1ないし3のいずれかに記載の可変吐出量高圧ポンプ。
- 上記第1および第2のプランジャの一対のプランジャにそれぞれ対応するシューと、これらシューを摺動自在に保持する円筒状のシューガイドを有し、該シューガイドの一方の端面側に上記第1のプランジャに対応するシューを保持する一対の切欠き部を、他方の端面側に上記第2のプランジャに対応するシューを保持する一対の切欠き部を、それぞれ設けた請求項1ないし4のいずれかに記載の可変吐出量高圧ポンプ。
- 上記インナーカムをタイミングベルトを用いて駆動する請求項1ないし5のいずれかに記載の可変吐出量高圧ポンプ。
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